JP3267238B2 - 均一な耐候性安定錆を早期に生成させる方法 - Google Patents
均一な耐候性安定錆を早期に生成させる方法Info
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- JP3267238B2 JP3267238B2 JP08426798A JP8426798A JP3267238B2 JP 3267238 B2 JP3267238 B2 JP 3267238B2 JP 08426798 A JP08426798 A JP 08426798A JP 8426798 A JP8426798 A JP 8426798A JP 3267238 B2 JP3267238 B2 JP 3267238B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、均一な耐候性安定
錆を早期に生成させる方法に関する。
錆を早期に生成させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に鋼にP、Cu、Cr、Ni等の元
素を添加することにより、大気中における耐食性を向上
させることができる。これらの低合金鋼は耐候性鋼と呼
ばれるが、屋外において数年で腐食に対して保護性のあ
る錆(以下、耐候性安定錆という)を形成し、以後塗装
等の耐食処理作業を不要とするいわゆるメインテナンス
フリー鋼である。
素を添加することにより、大気中における耐食性を向上
させることができる。これらの低合金鋼は耐候性鋼と呼
ばれるが、屋外において数年で腐食に対して保護性のあ
る錆(以下、耐候性安定錆という)を形成し、以後塗装
等の耐食処理作業を不要とするいわゆるメインテナンス
フリー鋼である。
【0003】しかしながら、耐候性安定錆が形成される
までに数年かかるため、それまでの期間中に赤錆や黄錆
等の浮き錆や流れ錆を生じ、外見的に好ましくないばか
りでなく周囲環境の汚染原因にもなるという問題を残し
ている。特に海塩粒子が飛来する環境においては、この
傾向が著しく問題であった。
までに数年かかるため、それまでの期間中に赤錆や黄錆
等の浮き錆や流れ錆を生じ、外見的に好ましくないばか
りでなく周囲環境の汚染原因にもなるという問題を残し
ている。特に海塩粒子が飛来する環境においては、この
傾向が著しく問題であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、先に、
特開平06−226198号公報に、硫酸クロムを適当
量含有する有機樹脂を鋼材表面あるいは鋼材の錆層に被
覆することにより、早期に耐候性安定錆層を形成できる
ことを開示している。
特開平06−226198号公報に、硫酸クロムを適当
量含有する有機樹脂を鋼材表面あるいは鋼材の錆層に被
覆することにより、早期に耐候性安定錆層を形成できる
ことを開示している。
【0005】しかし、腐食環境が悪化している中にあっ
て、さらに早く耐候性安定錆層を均一生成させる方法が
求められていた。本発明の目的は、均一な耐候性安定錆
を早期に生成させる方法を提供することにある。
て、さらに早く耐候性安定錆層を均一生成させる方法が
求められていた。本発明の目的は、均一な耐候性安定錆
を早期に生成させる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、試験を重
ね以下(A) 〜(D) の知見を得た。 (A) オゾン含有水は、鉄を溶かす作用があり、鋼材を均
一に溶かし、錆を均一に生成することができる。既に、
鋼材表面に錆が生成している場合には、錆を再溶解し、
錆を均一に再生成することができる。
ね以下(A) 〜(D) の知見を得た。 (A) オゾン含有水は、鉄を溶かす作用があり、鋼材を均
一に溶かし、錆を均一に生成することができる。既に、
鋼材表面に錆が生成している場合には、錆を再溶解し、
錆を均一に再生成することができる。
【0007】(B) 硫酸クロムおよび硫酸ナトリウムの混
合水溶液にオゾンを添加した水溶液を鋼材表面あるいは
鋼材の錆層の上に塗布すると硫酸イオンの作用が加わ
り、一層、耐候性安定錆を早期に均一生成することがで
きる。
合水溶液にオゾンを添加した水溶液を鋼材表面あるいは
鋼材の錆層の上に塗布すると硫酸イオンの作用が加わ
り、一層、耐候性安定錆を早期に均一生成することがで
きる。
【0008】(C) オゾン含有水は、有機樹脂を溶かす作
用があり、有機樹脂の表面にオゾン含有水を添加する
と、均一なポーラス状の樹脂に変化する。この作用を利
用して鋼材表面あるいは鋼材の錆層の上に、硫酸クロム
および硫酸ナトリウムを含有する有機樹脂を塗布し、前
記有機樹脂の表面に、オゾン含有水を添加すると均一な
耐候性安定錆を早期に生成させることができる。
用があり、有機樹脂の表面にオゾン含有水を添加する
と、均一なポーラス状の樹脂に変化する。この作用を利
用して鋼材表面あるいは鋼材の錆層の上に、硫酸クロム
および硫酸ナトリウムを含有する有機樹脂を塗布し、前
記有機樹脂の表面に、オゾン含有水を添加すると均一な
耐候性安定錆を早期に生成させることができる。
【0009】(D) 鋼材表面と樹脂の間に耐候性安定錆を
生成しつつある状態のものに、前記有機樹脂の表面に、
オゾン含有水を添加すると均一な耐候性安定錆を早期に
生成させることができる。
生成しつつある状態のものに、前記有機樹脂の表面に、
オゾン含有水を添加すると均一な耐候性安定錆を早期に
生成させることができる。
【0010】本発明は、以上の知見に基づいてなされた
もので、その要旨は、下記(1) から(4) に示す通りであ
る。
もので、その要旨は、下記(1) から(4) に示す通りであ
る。
【0011】(1) 鋼材表面あるいは鋼材の錆層の上に、
硫酸クロムおよび硫酸ナトリウムを合計量で0.1〜1
5.0重量%含有するオゾンガスを溶かした水溶液を塗
布することを特徴とする均一な耐候性安定錆を早期に生
成させる方法。
硫酸クロムおよび硫酸ナトリウムを合計量で0.1〜1
5.0重量%含有するオゾンガスを溶かした水溶液を塗
布することを特徴とする均一な耐候性安定錆を早期に生
成させる方法。
【0012】(2) 鋼材表面あるいは鋼材の錆層の上に、
硫酸クロムおよび硫酸ナトリウムを合計量で0.1〜1
5.0重量%を含有する有機樹脂を塗布し、得られた有
機樹脂塗布層の表面にオゾン含有水を添加することを特
徴とする均一な耐候性安定錆を早期に生成させる方法。
硫酸クロムおよび硫酸ナトリウムを合計量で0.1〜1
5.0重量%を含有する有機樹脂を塗布し、得られた有
機樹脂塗布層の表面にオゾン含有水を添加することを特
徴とする均一な耐候性安定錆を早期に生成させる方法。
【0013】(3) 鋼材表面あるいは鋼材の錆層の上に、
有機樹脂層がある被覆鋼材において、該有機樹脂層の表
面にオゾンガスを溶かした水溶液を添加することを特徴
とする均一な耐候性安定錆を早期に生成させる方法。
有機樹脂層がある被覆鋼材において、該有機樹脂層の表
面にオゾンガスを溶かした水溶液を添加することを特徴
とする均一な耐候性安定錆を早期に生成させる方法。
【0014】(4) 硫酸ナトリウムの含有量が重量比で、
硫酸ナトリウム/(硫酸クロム+硫酸ナトリウム)比と
して0.050〜0.995であることを特徴とする上
記(1) および(2) に記載の均一な耐候性安定錆を早期に
生成させる方法。
硫酸ナトリウム/(硫酸クロム+硫酸ナトリウム)比と
して0.050〜0.995であることを特徴とする上
記(1) および(2) に記載の均一な耐候性安定錆を早期に
生成させる方法。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で使用する硫酸クロムや硫
酸ナトリムは工業用の通常利用されているものでよい。
水溶液用の水は、通常利用している水道水等であればよ
く、オゾン含有水は、市販のオゾン含有水製造装置から
得られるものでもよい。
酸ナトリムは工業用の通常利用されているものでよい。
水溶液用の水は、通常利用している水道水等であればよ
く、オゾン含有水は、市販のオゾン含有水製造装置から
得られるものでもよい。
【0016】請求項1に記載の発明は、鋼材表面あるい
は鋼材の錆層の上に、硫酸クロムおよび硫酸ナトリウム
を合計量で0.1〜15.0重量%含有するオゾンガス
を溶かした水溶液を塗布することを特徴とするものであ
るが、オゾンガスを溶かした水溶液の濃度は、1〜25
mg/lの濃度がよい。
は鋼材の錆層の上に、硫酸クロムおよび硫酸ナトリウム
を合計量で0.1〜15.0重量%含有するオゾンガス
を溶かした水溶液を塗布することを特徴とするものであ
るが、オゾンガスを溶かした水溶液の濃度は、1〜25
mg/lの濃度がよい。
【0017】その理由は、1mg/l未満では、酸化力不足
で錆化や有機塗膜の劣化を促進できないし、25mg/lを
超えると取り扱い上の安全の問題があるからである。好
ましは、5〜20mg/lである。
で錆化や有機塗膜の劣化を促進できないし、25mg/lを
超えると取り扱い上の安全の問題があるからである。好
ましは、5〜20mg/lである。
【0018】硫酸クロムおよび硫酸ナトリウムの合計の
含有濃度を限定した理由は、硫酸クロムおよび硫酸ナト
リウムの合計の含有濃度が、0.1%未満では、硫酸イ
オンが不足し、良好な耐候性安定錆層が得られず、15
%を超えると、これら無機物質と結合する役割を持つ有
機樹脂分が不足するため、被膜が脆くなるとともに被膜
表面から鋼面に達するひび割れ等が形成されて、流れ錆
を生じることが懸念される。
含有濃度を限定した理由は、硫酸クロムおよび硫酸ナト
リウムの合計の含有濃度が、0.1%未満では、硫酸イ
オンが不足し、良好な耐候性安定錆層が得られず、15
%を超えると、これら無機物質と結合する役割を持つ有
機樹脂分が不足するため、被膜が脆くなるとともに被膜
表面から鋼面に達するひび割れ等が形成されて、流れ錆
を生じることが懸念される。
【0019】以上から、下層の硫酸クロムおよび硫酸ナ
トリウムの合計の含有濃度は、0.1〜15重量%がよ
い。好ましくは、2〜12重量%である。
トリウムの合計の含有濃度は、0.1〜15重量%がよ
い。好ましくは、2〜12重量%である。
【0020】請求項2に記載の発明は、鋼材表面あるい
は鋼材の錆層の上に、硫酸クロムおよび硫酸ナトリウム
を合計量で0.1〜15.0重量%を含有する有機樹脂
を塗布し、得られた有機樹脂塗布層の表面にオゾン含有
水を添加することを特徴とするが、有機樹脂の厚みは、
5〜150μm が好ましい。5μm 未満の薄い膜厚で
は、バリア効果が低く、下地鋼材の腐食で生成されてく
る鉄イオンのしみ出しを完全に防ぐことができず流れ錆
を生じ、海塩粒子の飛来する悪環境において、水や塩素
イオンの透過により過度の腐食を生じ、耐候性安定錆被
膜の生成が阻害され、硫酸イオンの溶出やクロムイオン
の溶出を抑制する効果が小さいからであり、150μm
を超えると、バリア効果が高くなりすぎて下地鋼面に耐
候性安定錆を形成するのに長時間を要するようになるか
らである。請求項3に記載の発明は、例えば、硫酸銅、
硫酸クロム、硫酸ニッケル等を含有する任意の有機樹脂
層の表面にオゾンガスを溶かした水溶液を添加するもの
である。
は鋼材の錆層の上に、硫酸クロムおよび硫酸ナトリウム
を合計量で0.1〜15.0重量%を含有する有機樹脂
を塗布し、得られた有機樹脂塗布層の表面にオゾン含有
水を添加することを特徴とするが、有機樹脂の厚みは、
5〜150μm が好ましい。5μm 未満の薄い膜厚で
は、バリア効果が低く、下地鋼材の腐食で生成されてく
る鉄イオンのしみ出しを完全に防ぐことができず流れ錆
を生じ、海塩粒子の飛来する悪環境において、水や塩素
イオンの透過により過度の腐食を生じ、耐候性安定錆被
膜の生成が阻害され、硫酸イオンの溶出やクロムイオン
の溶出を抑制する効果が小さいからであり、150μm
を超えると、バリア効果が高くなりすぎて下地鋼面に耐
候性安定錆を形成するのに長時間を要するようになるか
らである。請求項3に記載の発明は、例えば、硫酸銅、
硫酸クロム、硫酸ニッケル等を含有する任意の有機樹脂
層の表面にオゾンガスを溶かした水溶液を添加するもの
である。
【0021】請求項4に記載の発明は、硫酸ナトリウム
の含有量を規定したものであるが、重量比で、硫酸ナト
リウム/(硫酸クロム+硫酸ナトリウム)比として0.
050〜0.995がよく、好ましくは、0.2〜0.
8である。
の含有量を規定したものであるが、重量比で、硫酸ナト
リウム/(硫酸クロム+硫酸ナトリウム)比として0.
050〜0.995がよく、好ましくは、0.2〜0.
8である。
【0022】その理由は、硫酸クロムは生成した錆を緻
密化させ防食性を向上させる作用があり、ある程度必要
であるが、硫酸ナトリウムは水に対する溶解度が大き
く、錆を早く生成させる硫酸イオンを多く保有できる作
用があり、両方の作用を考慮すると上記範囲が好ましい
からであり、0.050〜0.995でよい。
密化させ防食性を向上させる作用があり、ある程度必要
であるが、硫酸ナトリウムは水に対する溶解度が大き
く、錆を早く生成させる硫酸イオンを多く保有できる作
用があり、両方の作用を考慮すると上記範囲が好ましい
からであり、0.050〜0.995でよい。
【0023】鋼材表面あるいは鋼材の錆層の上に、硫酸
クロムおよび硫酸ナトリウムを合計量で0.1〜15.
0重量%を含有する有機樹脂を塗布するが、有機樹脂の
塗布は、溶剤または水で有機樹脂を適当な粘度に調整後
に、通常の塗装方法と同様に、エアースプレ、エアーレ
ススプレ、あるいは刷毛塗り等のいずれの方法によって
も行うことができる。
クロムおよび硫酸ナトリウムを合計量で0.1〜15.
0重量%を含有する有機樹脂を塗布するが、有機樹脂の
塗布は、溶剤または水で有機樹脂を適当な粘度に調整後
に、通常の塗装方法と同様に、エアースプレ、エアーレ
ススプレ、あるいは刷毛塗り等のいずれの方法によって
も行うことができる。
【0024】鋼材表面あるいは鋼材の錆層の上に、硫酸
クロムおよび硫酸ナトリウムを合計量で0.1〜15.
0重量%含有するオゾンガスを溶かした水溶液を塗布す
るが、その塗布方法は、有機樹脂の塗布方法と同様でよ
く、エアースプレ、エアーレススプレ、あるいは刷毛塗
り等のいずれの方法によっても行うことができる。
クロムおよび硫酸ナトリウムを合計量で0.1〜15.
0重量%含有するオゾンガスを溶かした水溶液を塗布す
るが、その塗布方法は、有機樹脂の塗布方法と同様でよ
く、エアースプレ、エアーレススプレ、あるいは刷毛塗
り等のいずれの方法によっても行うことができる。
【0025】前記有機樹脂の表面にオゾン含有水を添加
する方法は、シャワー方式が好ましく、直接均一に素早
く添加できる方法であればよい。
する方法は、シャワー方式が好ましく、直接均一に素早
く添加できる方法であればよい。
【0026】なお、有機樹脂中の硫酸クロムおよび硫酸
ナトリウムの合計量の濃度は、乾燥固化した後の濃度を
示す。被覆前には、適当量の溶剤または水により塗装作
業に適した粘度に調整されていることは言うまでもない
ことであり、溶剤または水分は、塗装後自然乾燥により
蒸散する。
ナトリウムの合計量の濃度は、乾燥固化した後の濃度を
示す。被覆前には、適当量の溶剤または水により塗装作
業に適した粘度に調整されていることは言うまでもない
ことであり、溶剤または水分は、塗装後自然乾燥により
蒸散する。
【0027】本発明に使用される有機樹脂は特に制限を
受けるものではなく、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビ
ニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アルキド
樹脂、ブチラ−ル樹脂、フタル酸樹脂等を例示すること
ができる。また上記樹脂を塗料化して塗装を行うが、溶
剤系の塗料にしても、水性塗料にしても特に問題ない。
受けるものではなく、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビ
ニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アルキド
樹脂、ブチラ−ル樹脂、フタル酸樹脂等を例示すること
ができる。また上記樹脂を塗料化して塗装を行うが、溶
剤系の塗料にしても、水性塗料にしても特に問題ない。
【0028】なお、本発明に用いられる鋼材は、特に鋼
種を限定されるものではなく普通鋼であっても、耐候性
鋼であっても構わない。すなわち、本発明の樹脂被覆中
の硫酸クロム或いは硫酸ナトリウムの作用により、普通
鋼であってもその錆は最終的に化学的に安定で緻密な耐
候性錆に変態し、保護作用を発揮できる。
種を限定されるものではなく普通鋼であっても、耐候性
鋼であっても構わない。すなわち、本発明の樹脂被覆中
の硫酸クロム或いは硫酸ナトリウムの作用により、普通
鋼であってもその錆は最終的に化学的に安定で緻密な耐
候性錆に変態し、保護作用を発揮できる。
【0029】ただし、生成された保護性の錆層に何らか
の外力が作用して亀裂の生成や剥離を生じたとき、普通
鋼は、その損傷部において再度耐候性安定錆を生成する
自己修復性能に劣るため、耐候性鋼を用いることが好ま
しい。
の外力が作用して亀裂の生成や剥離を生じたとき、普通
鋼は、その損傷部において再度耐候性安定錆を生成する
自己修復性能に劣るため、耐候性鋼を用いることが好ま
しい。
【0030】
【実施例】表1に、本発明の実施例に用いた試験片の化
学成分の濃度を示す。
学成分の濃度を示す。
【0031】
【表1】
【0032】表2に、試験片の前処理方法に示す。試験
片の寸法は150×70×3.2mmであり、処理前の表
面はエメリ紙研磨およびバフ研磨により、鏡面加工した
ものを使用した。
片の寸法は150×70×3.2mmであり、処理前の表
面はエメリ紙研磨およびバフ研磨により、鏡面加工した
ものを使用した。
【0033】
【表2】
【0034】表3に、被覆材に用いる基材樹脂組成を示
す。
す。
【0035】
【表3】
【0036】なお、目標の耐候性安定錆の生成比率を5
0%以上とした。
0%以上とした。
【0037】(実施例1)表4に示す条件にて、試験片
を作成し、海岸より10m の位置にある工業地帯に1年
間暴露し、耐候性安定錆率( %) を求めた。
を作成し、海岸より10m の位置にある工業地帯に1年
間暴露し、耐候性安定錆率( %) を求めた。
【0038】
【表4】
【0039】前処理の方法X印(予め工業地帯に30日
暴露し錆層を形成させる方法)の試験片は、塗布と放置
による自然乾燥を5回繰り返し、前処理の方法Y印(研
磨した後、直ぐに研磨状態で使用する方法)の試験片
は、塗布と放置による自然乾燥を8回繰りした。
暴露し錆層を形成させる方法)の試験片は、塗布と放置
による自然乾燥を5回繰り返し、前処理の方法Y印(研
磨した後、直ぐに研磨状態で使用する方法)の試験片
は、塗布と放置による自然乾燥を8回繰りした。
【0040】なお、耐候性安定錆率(%) は、暴露後の
試験片について偏光顕微鏡による断面観察により耐候性
安定錆の生成有無を調べ、画像解析処理により全錆中に
対する耐候性安定錆量を百分率(%)で求めた。
試験片について偏光顕微鏡による断面観察により耐候性
安定錆の生成有無を調べ、画像解析処理により全錆中に
対する耐候性安定錆量を百分率(%)で求めた。
【0041】試験番号1〜8の本発明例は、耐候性安定
錆が高い割合で生成しているのが認められた。特に、オ
ゾンを加えたものは、耐候性安定錆の生成比率が高かっ
た。しかし、試験番号9〜11の比較例に示すように硫
酸クロムおよび硫酸ナトリウムの混合水溶液の濃度が
0.1%未満および15%を超えたものではオゾンガス
を含有水溶液を塗布しても耐候性安定錆の生成比率は5
0%未満であった。
錆が高い割合で生成しているのが認められた。特に、オ
ゾンを加えたものは、耐候性安定錆の生成比率が高かっ
た。しかし、試験番号9〜11の比較例に示すように硫
酸クロムおよび硫酸ナトリウムの混合水溶液の濃度が
0.1%未満および15%を超えたものではオゾンガス
を含有水溶液を塗布しても耐候性安定錆の生成比率は5
0%未満であった。
【0042】また、試験番号12〜14の比較例に示す
ように、オゾンガスを含有していない水溶液を塗布した
ものは、硫酸クロムおよび硫酸ナトリウムの混合水溶液
の濃度が0.1〜15%の範囲に入っていても、耐候性
安定錆の生成比率は、50%未満であった。
ように、オゾンガスを含有していない水溶液を塗布した
ものは、硫酸クロムおよび硫酸ナトリウムの混合水溶液
の濃度が0.1〜15%の範囲に入っていても、耐候性
安定錆の生成比率は、50%未満であった。
【0043】(実施例2)表5に示す配合組成の有機樹
脂に適当量の溶剤を加えて、粘度を200〜1000CP
S にした塗料を作製し、エアースプレ塗装により被覆後
に、各種濃度のオゾン含有水を、1リッタ/分で、20
分間シャワー方式で吹き付けた。
脂に適当量の溶剤を加えて、粘度を200〜1000CP
S にした塗料を作製し、エアースプレ塗装により被覆後
に、各種濃度のオゾン含有水を、1リッタ/分で、20
分間シャワー方式で吹き付けた。
【0044】
【表5】
【0045】試験番号15〜22の本発明例は、55%
以上の耐候性安定錆が生成しているのが認められ、オゾ
ン濃度の高いものほど、耐候性安定錆の生成比率が高か
った。
以上の耐候性安定錆が生成しているのが認められ、オゾ
ン濃度の高いものほど、耐候性安定錆の生成比率が高か
った。
【0046】試験番号23〜24の比較例に示すよう
に、鋼材表面あるいは鋼材の錆層の上に、硫酸クロムお
よび硫酸ナトリウムを0.1〜15.0重量%を含有す
る有機樹脂を塗布しても、有機樹脂の表面にオゾン含有
水を添加しなかった試験片は、耐候性安定錆の生成比率
は、50%未満であった。また、試験番号25〜26の
比較例に示すように、0.1〜15.0重量%の範囲に
入らないものに、オゾン含有水を添加しても、耐候性安
定錆の生成比率は、20%以下であった。
に、鋼材表面あるいは鋼材の錆層の上に、硫酸クロムお
よび硫酸ナトリウムを0.1〜15.0重量%を含有す
る有機樹脂を塗布しても、有機樹脂の表面にオゾン含有
水を添加しなかった試験片は、耐候性安定錆の生成比率
は、50%未満であった。また、試験番号25〜26の
比較例に示すように、0.1〜15.0重量%の範囲に
入らないものに、オゾン含有水を添加しても、耐候性安
定錆の生成比率は、20%以下であった。
【0047】(実施例3)表6に示す配合組成の有機樹
脂に適当量の溶剤を加えて、粘度を200〜1000CP
S にした塗料を作製し、エアースプレ塗装による被覆後
に、各種濃度のオゾン含有水を、1リッタ/分で、20
分間シャワー方式で吹き付けた。
脂に適当量の溶剤を加えて、粘度を200〜1000CP
S にした塗料を作製し、エアースプレ塗装による被覆後
に、各種濃度のオゾン含有水を、1リッタ/分で、20
分間シャワー方式で吹き付けた。
【0048】
【表6】
【0049】試験番号27〜34の本発明例は、60%
以上の耐候性安定錆が生成しているのが認められ、オゾ
ン濃度の高いものほど、耐候性安定錆の生成比率が高か
った。試験番号35〜38の比較例に示すように、オゾ
ンを含まない含有水を有機樹脂に塗布したものは30%
以下以下であった。
以上の耐候性安定錆が生成しているのが認められ、オゾ
ン濃度の高いものほど、耐候性安定錆の生成比率が高か
った。試験番号35〜38の比較例に示すように、オゾ
ンを含まない含有水を有機樹脂に塗布したものは30%
以下以下であった。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、耐候性安定錆を早期に
均一生成させることができる。
均一生成させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−150365(JP,A) 特開 平1−219175(JP,A) 特開 昭51−30545(JP,A) 特開 昭52−96938(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 22/00 - 22/86 B05D 7/14 B32B 15/08
Claims (4)
- 【請求項1】 鋼材表面あるいは鋼材の錆層の上に、硫
酸クロムおよび硫酸ナトリウムを合計量で0.1〜1
5.0重量%含有するオゾンガスを溶かした水溶液を塗
布することを特徴とする均一な耐候性安定錆を早期に生
成させる方法。 - 【請求項2】 鋼材表面あるいは鋼材の錆層の上に、硫
酸クロムおよび硫酸ナトリウムを合計量で0.1〜1
5.0重量%を含有する有機樹脂を塗布し、得られた有
機樹脂塗布層の表面にオゾン含有水を添加することを特
徴とする均一な耐候性安定錆を早期に生成させる方法。 - 【請求項3】 鋼材表面あるいは鋼材の錆層の上に、有
機樹脂層がある被覆鋼材において、該有機樹脂層の表面
にオゾンガスを溶かした水溶液を添加することを特徴と
する均一な耐候性安定錆を早期に生成させる方法。 - 【請求項4】 硫酸ナトリウムの含有量が重量比で、硫
酸ナトリウム/(硫酸クロム+硫酸ナトリウム)比とし
て0.050〜0.995である、請求項1または2に
記載の均一な耐候性安定錆を早期に生成させる方法。
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JP08426798A JP3267238B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 均一な耐候性安定錆を早期に生成させる方法 |
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-
1998
- 1998-03-30 JP JP08426798A patent/JP3267238B2/ja not_active Expired - Fee Related
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