JP2010285673A - 耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材 - Google Patents

耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材 Download PDF

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Abstract

【課題】船舶のバラストタンク等の厳しい海水腐食環境下においても,優れた塗装耐食性を発揮して,補修塗装までの期間の延長が可能で,しかも補修塗装の作業軽減を図ることができる耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材を提案することを目的とする。
【解決手段】 ショットブラスト処理工程後の鋼材表面に付着している可溶性NaCl濃度換算量が100mg/m2以下であり,前記鋼材表面にジンクプライマーが塗布されてなることを特徴とする耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
【選択図】 なし

Description

本発明は,石炭船,鉱石船,鉱炭兼用船,原油タンカー,LPG船,LNG船,ケミカルタンカー,コンテナ船,ばら積み船,木材専用船,チップ専用船,冷凍運搬船,自動車専用船,重量物船,RORO船,石灰石専用船およびセメント専用船等の船舶用の鋼材,特に海水による厳しい腐食環境下にあるバラストタンク等に用いて好適な耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材に関するものである。
一般に,船舶は,厚鋼板や薄鋼板,形鋼,棒鋼等の鋼材を溶接して建造されており,その鋼材の表面には防食塗膜が施されて使用される。この防食塗膜は,一次防錆としてジンクプライマーを塗布し,小組み後あるいは大組み後に,二次塗装(本塗装)としてエポキシ系の塗装が施されるのが一般的である。したがって,船舶の鋼材表面の大部分は,ジンクプライマーとエポキシ塗装の2層構造となっている。
船舶で最も腐食の激しい部位は,バラストタンクであるが,バラストタンクにおける塗膜劣化は,塗膜損傷部,塗膜ピンホール,塗膜薄膜部からの腐食進行に起因する。ジンクプライマー+エポキシ塗装の2層構造部位では,船舶就航後から数年は,ジンクプライマーの作用により,腐食進行を低下させ,塗膜劣化も軽微になる。しかしながら,ジンクプライマーの塗装方法が完全ではない場合,数年の塗装耐食性を得ることなく,本来の耐食性を発揮する前に,塗膜膨れが始まり,就航直後から補修塗装が必要となってくる。そのため、ジンクプライマーと船舶用鋼材の組合せで,耐食性に優れた船舶用鋼材の開発が求められている。
船舶のバラストタンクは,積荷がない時には,海水を注入して船舶の安定航行を可能にする役目を担うものであり,極めて厳しい腐食環境下におかれている。そのため,バラストタンクに用いられる鋼材の防食には,通常,エポキシ系塗料による防食塗膜と電気防食とが併用されている。
しかしながら,それらの防食対策を講じても,バラストタンクの腐食状態は依然として厳しい状態にある。
すなわち,バラストタンクに海水を注入したとき,海水に完全に浸されている部分については,電気防食が機能している場合,腐食の進行を抑えることができる。しかしながら,バラストタンクの最上部付近,特に上甲板の裏側は,海水に浸からず,海水の飛沫を浴びる状態におかれているため,このような部位では,電気防食が機能しない。さらに,この部位は,太陽光によって鋼材の温度が上昇するため,より厳しい腐食環境となり,激しい腐食を受ける。また,バラストタンクに海水が注入されていない場合には,バラストタンク全体で,電気防食作用が機能しないため,残留付着塩分の作用によって,激しい腐食を受ける。
このような厳しい腐食環境下にあるバラストタンクの防食塗膜の寿命は,一般に約10〜15年といわれており,船舶の寿命(20〜25年)の約半分程度である。従って,残りの約10年は,補修塗装をすることによって耐食性を維持しているのが実情である。しかしながら,バラストタンクは,上記のように厳しい腐食環境にあるため,補修塗装を行ってもその効果を長期間持続させることが難しい。また,補修塗装は,狭い空間での作業となるため,作業環境としても好ましいものではない。
そのため,補修塗装までの期間をできる限り延長でき,かつ補修塗装作業をできるだけ軽減できる耐食性に優れた鋼材の開発が望まれている。
そこで,バラストタンク等の厳しい腐食環境にある部位に用いられる鋼材自体の耐食性を向上させる技術が,幾つか提案されている。
例えば,特許文献1には,C:0.20mass%以下の鋼に,耐食性改善元素としてCu:0.05〜0.50mass%,W:0.01〜0.05mass%未満を添加した耐食性低合金鋼が開示されている。
また,特許文献2には,C:0.20mass%以下の鋼材に,耐食性改善元素としてCu:0.05〜0.50mass%,W:0.05〜0.5mass%を添加し,さらにGe,Sn,Pb,As,Sb,Bi,Te,Beのうちの1種もしくは2種以上を0.01〜0.2mass%添加した耐食性低合金鋼が開示されている。
さらに,特許文献3には,C:0.15mass%以下の鋼に,Cu:0.05〜0.15mass%未満,W:0.05〜0.5mass%を添加した耐食性低合金鋼が開示されている。
その他,特許文献4には,C:0.15mass%以下の鋼に,耐食性改善元素としてP:0.03〜0.10mass%,Cu:0.1〜1.0mass%,Ni:0.1〜1.0mass%を添加した低合金耐食鋼材に,タールエポキシ塗料,ピュアエポキシ塗料,無溶剤型エポキシ塗料およびウレタン塗料等の防食塗料を塗布し,樹脂被覆したバラストタンクが開示されている。この技術は,鋼材自身の耐食性向上により防食塗装の寿命を延長し,船舶の使用期間である20〜30年に亘ってメンテナンスフリー化を実現しようとするものである。
特許文献5には,C:0.15mass%以下の鋼に,耐食性改善元素としてCr:0.2〜5mass%を添加して耐食性を向上し,船舶のメンテナンスフリー化を実現しようとする提案がなされている。
特許文献6には,C:0.15mass%以下の鋼に,耐食性改善元素としてCr:0.2〜5mass%を添加した鋼材を構成材料として使用すると共に,バラストタンク内部の酸素ガス濃度を大気中の値に対して50%以下の比率とすることを特徴とするバラストタンクの防食方法が提案されている。
また,特許文献7には,C:0.1mass%以下の鋼に,Cr:0.5〜3.5mass%を添加することによって耐食性を向上させ,補修塗装などの保守費用を軽減する船舶用鋼材が開示されている。
特許文献8には,C:0.01〜0.025mass%の鋼に,Ni:0.1〜4.0mass%を添加することによって耐塗膜損傷性を向上させ,補修塗装などの保守費用を軽減する船舶用鋼材が開示されている。
さらに,特許文献9には,C:0.01〜0.25mass%の鋼に,Cu:0.01〜2.00mass%,Mg:0.0002〜0.0150mass%を添加することで,船舶外板,バラストタンク,カーゴオイルタンクおよび鉱炭石カーゴホールド等の使用環境において耐食性を向上させた船舶用鋼が開示されている。
特許文献10には,C:0.001〜0.2mass%の鋼において,Mo,WとCuとを複合添加し,不純物であるP,Sの添加量を限定することにより,原油油槽で生じる全面腐食,局部腐食を抑制した鋼が開示されている。
特開昭48−50921号公報 特開昭48−50922号公報 特開昭48−50924号公報 特開平7−34197号公報 特開平7−34196号公報 特開平7−34270号公報 特開平7−310141号公報 特開2002−266052号公報 特開2000−17381号公報 特開2004−204344号公報 特開2000−157929号公報
しかしながら,上記の特許文献1〜3では,バラストタンク等を構成する鋼材に対して一般的に塗布されているエポキシ系塗料の塗膜存在下での耐食性については,検討がなされておらず,したがって,上記のような塗膜存在下での耐食性向上については,別途検討の必要があった。
また,特許文献4の鋼材は,下地金属の耐食性を向上させるために,Pを0.03〜0.10mass%と比較的多量に添加しているため,溶接性および溶接部靱性の面から問題が残る。
さらに,特許文献5および6の鋼材はCrを0.2〜5mass%,特許文献7の鋼材はCrを0.5〜3.5mass%と比較的多く含有しているため,いずれも溶接性および溶接部靱性に問題がある他,製造コストが高くなるという問題があった。また,特許文献8の鋼材は,C含有量が比較的低く,Ni含有量が比較的高いため,製造コストが高くなるという問題があった。
また,特許文献9の鋼材は,Mgの添加を必須としているが,Mgは製鋼歩留りが安定していないため,鋼材の機械的特性が安定しないという問題があった。さらに,特許文献10の鋼材は,原油油槽内というH2Sが存在する環境下で使用される耐食鋼であるため,H2Sが存在しないバラストタンクでの耐食性は不明であり,さらにバラストタンク用鋼材に一般的に使用されているエポキシ系塗料が塗布された状態での耐食性については検討がなされていないため,バラストタンクに適用するには,別途検討の必要があった。
さらに,バラストタンク等の厳しい腐食環境にある部位に用いられる部材の耐食性を向上させるためには,鋼材の表面に塗装されるジンクプライマーと鋼材の組合せでの耐食性が必要となる。ジンクプライマー塗装鋼材は,ショットブラスト工程後の鋼材表面の清浄度が悪質な場合,ジンクプライマーの本来の耐食性が発揮されず,清浄度に劣っている部分から腐食が進行していき,最終的に腐食が進行していく問題があった。
特許文献11には,耐食金属被覆面を十点平均粗さで20〜80μmのブラスト処理を行い,エポキシ樹脂系プライマーを塗装する金属被覆鋼構造物が開示されている。しかしながら,ジンクプライマーは塗料中に亜鉛粉末が含まれているため,エポキシ樹脂系プライマーと異なり,鋼材表面はある程度の表面粗さが必要となるため,別途検討の必要があった。さらに,鋼材表面の除錆度ならびに可溶性NaCl濃度について検討がされておらず,別途検討の必要があった。
本発明は,上記の問題を有利に解決するもので,船舶のバラストタンク等の厳しい海水腐食環境下においても,優れた塗装耐食性を発揮して,補修塗装までの期間の延長が可能で,しかも補修塗装の作業軽減を図ることができる耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材を提案することを目的とする。
そこで,本発明者らは,上記課題を解決するため,耐食性に優れた鋼材と最適なジンクプライマーの塗装方法を組み合わせることで耐塗膜膨れ性の向上を目指し,鋭意研究,検討を重ねた結果,以下に述べる知見を得た。ここで,耐塗膜膨れ性とは,ジンクプライマーとエポキシ塗装を塗布して表面に塗膜を形成した鋼材において,その表面に存在する塗膜欠陥部から発生する塗膜膨れを低減する性能をいう。
ジンクプライマーが塗布される鋼材表面のショットブラスト工程後の表面粗度は,研掃材の形状,粒度,投射量を設定し,最適な表面粗度とする。表面粗度が小さ過ぎると鋼材とジンクプライマーの接着面積が小さくなり,密着力が低く,そのため,鋼材からジンクプライマー層が剥がれてしまい十分に耐塗膜膨れ性を発揮できない。また,表面粗度が大き過ぎると密着力が高くなるが、一方で,鋼材表面の凹凸の凸部ではジンクプライマー層が薄く,あるいは鉄地が飛び出してしまい,その部分から腐食が進行していく。
さらに、鋼材表面の除錆度がSa2.5未満の場合,黒皮ならびにショットブラスト工程からジンクプライマー塗装工程までの間に発生した錆が残存している状態であるため,その部分から腐食が進行していき,満足な耐塗膜膨れ性を得ることができない。ここで,除錆度は,ISO8501-1:2007に規定される鋼材の素地調整の指標であり,本規格で定義されている写真見本との目視評価で,Sa1,Sa2,Sa2.5,Sa3を判別するものである。また,鋼材表面に塩分が残存している場合は,鋼材表面とジンクプライマー層の間で腐食が進行し,塗膜剥離が生じることがわかった。
本発明は,上記の知見に基づき,さらに検討を加えた末に完成されたもので,その要旨は次の通りである。
1.ショットブラスト処理工程後の鋼材表面に付着している可溶性NaCl濃度換算量が100mg/m2以下であり,その鋼材表面にジンクプライマーが塗布されてなることを特徴とする耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
2.ショットブラスト処理工程後の鋼材の表面粗度が十点平均粗さで20〜100μmならびに除錆度がSa2.5以上であることを特徴とする1に記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
3.前記鋼材の表面に, 10〜50μmの膜厚であるジンクプライマー塗膜を形成してなることを特徴とする1または2のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
4.前記鋼材の表面に,下記(1)式で示すSP値が100以上を満足することを特徴とする1〜3のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
SP=(表面粗度1.5 + 膜厚1.2)×8 / 可溶性NaCl濃度換算量 (1)式
5.前記鋼材は,
C:0.01〜0.20mass%
Si:0.05〜0.50mass%
Mn:0.10〜2.00mass%
P:0.025mass%以下
S:0.0100mass%以下
Al:0.005〜0.100mass%
N:0.0010〜0.0080mass%
Ca:0.0005〜0.0040mass%を含有し,さらに、
W:0.005〜0.500mass%
Mo:0.005〜0.500mass%
Sb:0.001〜0.300mass%
Sn:0.001〜0.300mass%
Cr:0.001〜0.200mass%
のうちから選ばれる1種以上を含有し、さらに残部がFeおよび不可避的不純物からなる1〜4のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
6.前記鋼材成分に加えて
Cu:0.001〜0.350mass%
Ni:0.010〜0.400mass%のうちから選ばれる1種または2種を含有することを特徴とする5に記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
7.前記鋼材成分に加えて,
Ti:0.001〜0.030mass%
Nb:0.001〜0.030mass%
Zr:0.001〜0.030mass%および
V:0.002〜0.200mass%のうちから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする5または6のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
8.前記鋼材成分に加えて
B:0.0002〜0.0030mass%を含有することを特徴とする5〜7のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
9.前記鋼材成分に加えて
REM:0.0001〜0.0150mass%
Mg:0.0001〜0.0100mass%および
Y:0.0001〜0.1000mass%のうちから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする5〜8のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
10.前記鋼材成分に加えて
Se:0.0005〜0.500mass%
Te:0.0005〜0.5000mass%および
Co:0.01〜0.50mass%のうちから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする5〜9のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
11.前記鋼材の表面に,エポキシ系塗膜を形成してなることを特徴とする1〜10のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
本発明によれば,船舶のバラストタンク等の厳しい海水腐食環境下においても,優れた耐塗膜膨れ性を発揮して,補修塗装までの期間の延長化が図られ,しかも補修塗装の作業が軽減可能な耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材を得ることができる。
以下に,本発明を具体的に説明する。
まず,本発明において,ショットブラスト工程後の鋼材表面の清浄度を前記の範囲に限定した理由について説明する。
鋼材表面の可溶性NaCl濃度換算量が100mg/m2以下
鋼材表面に塩分が付着している場合,付着部は腐食が進行する。ジンクプライマーが塗装された状態でも塩分の付着部では腐食が進行し,そのため,ジンクプライマー層と鋼材表面の密着力が低下し,塗膜膨れが生じてしまう。鋼材表面の可溶性NaCl濃度が100mg/m2以下であれば,ジンクプライマー層と鋼材表面の密着力が低下し,塗膜膨れが生じてしまうことはなく、耐塗膜膨れ性が向上する。可溶性NaCl濃度が、30mg/m2以下であれば,さらに耐塗膜膨れ性が向上するため,好ましい。ここで、NaCl濃度換算量とは、鋼材表面に付着している塩分量を、鋼材表面のCl濃度からNaCl濃度として換算した値である。NaCl以外の塩分としては、MgCl2、CaCl2、SrCl2などが挙げられる。
鋼材の表面粗度が十点平均粗さで20〜100μm
鋼材の表面粗度は,研掃材の形状,粒度,鋼材表面への投射量を適切に選択することにより,最適な表面粗度とすることが可能である。ショットブラストによる表面粗度はJIS B 0601:2001に規定された十点平均粗さにおいて,20〜100μmとすることで,耐塗膜膨れ性が向上する。20μm未満では,鋼材とジンクプライマーとの密着力が不十分となるので,下限を20μmとした。
また,100μmを超えると,凸部で十分な膜厚を確保できず,鋼材面の露出が見られるため,上限を100μmとした。十点平均粗さにおいて,20〜100μmである場合,鋼材とジンクプライマーとの密着力が十分であり,さらに,凸部での鋼材面の露出がないため,要求する耐塗膜膨れ性を満足させうる。また,亜鉛粉末が十分に凹部にまで侵入するため,本範囲を下回る場合より,耐食性が延長する。さらに十分な耐塗膜膨れ性を確保するためには,30〜70μmとすることが好ましい.
鋼材表面の除錆度がSa2.5以上
鋼材表面に残存している黒皮の接着力は,ジンクプライマーのそれより劣る。そのため,鋼材表面に残存している黒皮を、できるだけ落とすことが好ましい。また,ショットブラスト工程からジンクプライマー塗装工程までの期間が長い場合,鋼材表面は黒皮が落とされていることで,腐食活性面となっているために,鋼材表面に錆が生じる場合がある。錆が発生した面にジンクプライマーを塗布した場合,ジンクプライマーと鋼材表面の密着力は低下し,耐塗膜膨れ性は劣化する。以上の理由から,鋼材表面の除錆度はSa2.5以上とする。
さらに,本発明者らは,表面粗度(十点平均粗さ),可溶性NaCl濃度換算量ならびにジンクプライマー膜厚による耐塗膜膨れ性への相関について研究,検討を重ねた結果,次式(1)で示される実験的耐塗膜膨れ性指標式を見出した。ここで膜厚は,JIS K 5600-1-7に記載の方法で測定される値であり,可溶性NaCl濃度換算量は,ISO 8502-9:1998に記載の方法または電気伝導率式表面塩分計にて求める。
SP=(表面粗度1.5 + 膜厚1.2)×8 / 可溶性NaCl濃度換算量 (1)式
ショットブラスト処理工程後の鋼材表面に付着している可溶性NaCl濃度換算量が100mg/m2以下であり,さらに、このSP値が100以上であれば,後述する実施例に示すように、耐塗膜膨れ性が向上することがわかった。
次に,本発明において,鋼材の成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。
C:0.01〜0.20mass%
Cは,鋼材強度を上昇させるのに有効な元素であり,本発明では所望の強度を得るために0.01mass%以上の含有を必要とする。一方,0.20mass%を超える含有は,溶接熱影響部の靱性を低下させる。よって,Cは0.01〜0.20mass%の範囲とする。さらに、靭性低下を防ぐためには、好ましくは,0.05〜0.15mass%の範囲とする。
Si:0.05〜0.50mass%
Siは脱酸剤として,また鋼材の強度向上を目的として添加される元素であり,本発明では0.05mass%以上を含有させる。しかしながら,0.50mass%を超える添加は,鋼の靱性を劣化させるので,Siの上限は0.50mass%とする。
Mn:0.10〜2.00mass%
Mnは熱間脆性を防止し,鋼材の強度向上に有用な元素であるので,0.10mass%以上添加する。しかしながら,2.00mass%を超える添加は,鋼の靱性および溶接性を低下させるため,Mnは2.00mass%以下とする。
P:0.025mass%以下
Pは鋼の母材靱性のみならず,溶接性および溶接部靱性を劣化させる有害な元素であるので,極力低減することが望ましい。特に,Pの含有量が0.025mass%を超えると,母材靱性および溶接部靱性の低下が大きくなる。よって,Pは0.025mass%以下とする。
S:0.0100mass%以下
Sは鋼の靱性および溶接性を劣化させる有害な元素であるので,極力低減することが望ましく,本発明では0.0100mass%以下に制限した。
Al:0.005〜0.100mass%
Alは脱酸剤として作用し,このためには0.005mass%以上の含有を必要とするが,0.100mass%を超える含有は溶接した場合に,溶接金属部の靱性を低下させる。よってAlは0.005〜0.100mass%の範囲に制限した。
N:0.0010〜0.0080mass%
Nは靱性に対して有害な成分であり,靱性の向上を図るためにはできるだけ低減することが望ましい。しかしながら,工業的には0.0010mass%未満に低減するのは難しい。一方,0.0080mass%を超えて含有させると靱性の著しい劣化を招く。よって本発明では,Nは0.0010〜0.0080mass%の範囲に制限した。
Ca:0.0005〜0.0040mass%
Caは,硫化物の形態を制御して鋼の靱性向上に寄与する元素である。このような効果を発揮させるためには,少なくとも0.0005mass%含有することが必要である。しかし過度に添加すると,粗大な介在物を形成し母材の靱性を劣化させるので,添加量の上限を0.0040mass%とした。
W:0.005〜0.500mass%,Mo:0.005〜0.500mass%,Sb:0.001〜0.300mass%,Sn:0.001〜0.300mass%,Cr:0.001〜0.200mass%のうちから選らんだ1種以上
Wが,耐食性向上効果を呈する理由は,鋼材が腐食するに伴って,生成する錆の中にWO4 2−が生成し,このWO4 2−の存在によって,塩化物イオンが鋼材表面に侵入するのが抑制され,さらに鋼材表面には薄い難溶性のFeWO4層ならびにWO3層が生成し,このFeWO4層ならびにWO3層の存在によって,水,酸素,腐食性アニオンの鋼材表面への侵入が抑制されることによって,鋼材の腐食が効果的に抑制されるからである。
上記の効果は,W:0.005mass%以上の含有で発現する。しかしながら,W量が0.500mass%を超えると,その効果が飽和する。よって,W量は0.005〜0.500mass%の範囲に限定した。製造性,コストの観点から考えると,好ましくは、0.020〜0.300mass%の範囲である。
Moが,耐食性向上効果を有する理由は,Wと同様,鋼材が腐食するのに伴って,生成する錆の中にMoO4 2-が生成し,このMoO4 2-の存在によって,塩化物イオンが鋼材表面に侵入するのが抑制され,塩化物イオンの鋼材表面への侵入が抑制されることによって,鋼材の腐食が効果的に抑制されるからである。
上記の効果は,Mo:0.005mass%以上の含有で発現する。しかしながら,Mo量が0.500mass%を超えると,その効果が飽和する。よって,Mo量は0.005〜0.500mass%の範囲に限定した。さらに、製造性,コストの観点から考えると,好ましくは0.005〜0.300mass%の範囲である。
WとMoは,酸素酸を形成する点において一致するので,両元素を選択あるいは併用して含有させることができる。
SbおよびSnはいずれも耐塗膜膨れ性に効果がある。このSb,Snの効果は,鋼板表面のアノード部など,pHが下がった部位での腐食を抑制するためである。この効果は,0.001mass%以上の含有で発現するが,0.300mass%超えでは,母材靱性および溶接熱影響部靱性を劣化させるため,Sbは0.001〜0.300mass%,Snは0.001〜0.300mass%の範囲に制限した。
Crは,ジンクプライマー+エポキシ塗膜の存在下で,優れた耐食性を発揮する。ジンクプライマー存在下では,ジンクプライマー中のZnが溶出し,ZnOやZnCl2・4Zn(OH)2等のZn系腐食生成物を形成するが,Crは,このZn系腐食生成物に作用して,Zn系腐食生成物による地鉄防食性を向上させるものと推定される。このような,ジンクプライマー存在下でのCrの耐食性向上効果は,0.001mass%以上の含有で発現する。しかし,0.200mass%以上含有すると,溶接部靱性を劣化させる。したがって,Cr含有量は,0.001mass%以上0.200mass%未満の範囲とする。
Cu:0.001〜0.350mass%およびNi:0.010〜0.400mass%のうちから選んだ1種または2種
CuおよびNiはいずれも鋼の焼入れ性を高める元素であり,圧延後の強度アップに直接寄与するので、必要に応じて含有させる。過度の添加は靱性や溶接性を劣化させるため,上限をCuは0.350mass%,Niは0.400mass%とする。逆にCuおよびNiの添加量がそれぞれ0.001mass%未満および0.010mass%未満であるとその効果が現れないため,それぞれCuは0.001mass%以上およびNiは0.010mass%以上の添加とする。
Ti:0.001〜0.030mass%,Nb:0.001〜0.030mass%,Zr:0.001〜0.030mass%,V:0.002〜0.200mass%のうちから1種以上
Ti,Nb,Zr,Vはいずれも,鋼材強度を高める元素であり,必要とする強度に応じて選択して含有させることができる。このような効果を得るためには,Tiは0.001mass%以上、Nbは0.001mass%以上, Zrは0.001mass%以上,Vは0.002mass%以上含有させることが好ましい。しかしながら,Tiは0.030mass%を超えて,Nbは0.030mass%を超えて、Zrは0.030mass%を超えて,Vは0.200mass%を超えて添加すると靱性が低下するため,Ti,Nb,Zr,Vはそれぞれ,上記の範囲で含有させることが好ましい。
B:0.0002〜0.0030mass%
Bは鋼材の強度を高める元素であり,必要に応じて含有させることができる。上記の効果を得るためには,0.0002mass%以上含有させることが好ましいが,0.003mass%を超えて添加すると靱性が劣化する。よって,Bは0.0002〜0.0030mass%の範囲で含有させることが好ましい。
REM:0.0001〜0.0150mass%,Mg:0.0001〜0.0100mass%,Y:0.0001〜0.1000mass%のうちから1種以上
REM,Mg,Yはいずれも溶接熱影響部の靱性向上に有効な元素であり,必要に応じて含有させることができる。この効果は,REM,Mg,Yいずれも0.0001mass%以上の含有で得られるが,REMは0.0150mass%を超えて,Mgは0.0100mass%を超えて,Yは0.1000mass%を超えて含有されると,かえって靱性の低下を招くので,REM,Mg,Yはそれぞれ,上記の範囲で含有させるのが好ましい。
Se:0.0005〜0.500mass%,Te:0.0005〜0.5000mass%,Co:0.010〜0.500mass%のうちから1種以上
Se,Te,Coは,鋼材の強度を高める元素であり,必要に応じて含有させることができる。この効果を得るためには,Se,Teは0.0005mass%以上,Coは0.010mass%以上含有させることが好ましいが,Seは0.500mass%を超えて,Teは0.5000mass%を超えて,Coは0.500mass%を超えて含有させると靱性や溶接性が劣化するため,上記の範囲で含有させることが好ましい。
本発明の鋼材は,上記以外の成分は,Feおよび不可避的不純物であることが好ましい。ただし,本発明の効果を害しない範囲内であれば,上記以外の成分の含有を拒むものではないことは勿論である。
また、以上のような鋼材の表面に,エポキシ系塗膜を形成させるとさらに、従来の船舶用鋼材の場合と比較して、船舶用として、特に海水による厳しい腐食環境下にあるバラストタンク等に用いて、より好適な耐塗膜膨れ性が向上する効果が得られる。
次に,本発明に係る耐食鋼材の好適製造方法について説明する。
上記した好適成分組成になる溶鋼を,転炉や電気炉等の公知の炉で溶製し,連続鋳造法や造塊法等の公知の方法でスラブやビレット等の鋼素材とする。なお,溶鋼に,取鍋精錬や真空脱ガス等の処理を付加しても良いことは言うまでもない。
次いで,上記鋼素材を,好ましくは1050〜1250℃の温度に加熱したのち所望の寸法形状に熱間圧延するか,あるいは鋼素材の温度が熱間圧延可能な程度に高温である場合には加熱することなく,あるいは均熱する程度で直ちに所望の寸法形状の鋼材に熱間圧延することが好ましい。
なお,熱間圧延では,強度を確保するために,熱間仕上圧延終了温度および熱間仕上圧延終了後の冷却速度を適正化することが好ましく,熱間仕上圧延終了温度は,700℃以上,熱間仕上圧延終了後の冷却は,空冷または冷却速度150℃/s以下の加速冷却を行うことが好ましい。なお,冷却後,再加熱処理を施してもよい。
表1に示す鋼板成分を得るため、真空溶解炉で溶製または転炉溶製後,連続鋳造によりスラブとした。ついで,スラブを加熱炉に装入して1150℃に加熱後,熱間圧延により30mm厚の鋼板とした。
Figure 2010285673
その後,3mmt×50mmW×150mmLの試験片を採取し,その試験片の表面をショットブラストして,表面のスケールや油分を除去したのち,試験片表面にジンクプライマーを約15μm塗装し,さらにその上塗りとして変性エポキシ樹脂塗料(合計で約320μm)の塗膜を塗装した試験片を作製した。ショットブラストに用いた研掃材は,スチールショットを用いており,ショット粒径により表面粗度を制御した。鋼材の表面粗度は,触針式表面粗さ計を用いて測定し,除錆度はISO8501-1:2007の写真見本と目視で比較した。鋼材表面に付着した可溶性NaCl濃度換算量は,電気伝導率式表面塩分計を用いて測定した。
耐塗膜膨れ性は,塗膜の上からカッターナイフで地鉄表面まで達する80mm長さのスクラッチ疵を一文字状に付与しておき,以下の条件の腐食試験後に,スクラッチ疵の周囲に発生した塗膜膨れ面積により評価した。
腐食試験:実船のバラストタンクの上甲板裏に相当する腐食環境を模擬した,(35℃,5%NaCl溶液噴霧,2hr)→(60℃,25%RH,4hr)→(50℃,95%RH,2hr)を1サイクルとする試験を540サイクル行った。ここで、RHとは相対湿度を意味する。
表2に,各供試鋼の表面粗度,除錆度,可溶性NaCl濃度換算量,プライマー膜厚等を比較である試料No.23に対する塗膜膨れ面積比率の結果を整理する。除錆度は,Sa2.5以上のものは,「○」と表示し,Sa2.5未満のものは,「×」と表示している。
Figure 2010285673
表2から,本発明のショットブラスト処理工程後の可溶性NaCl濃度換算量、鋼材表面の清浄度および表面粗さ、プライマーの塗膜の膜厚ならびに鋼材成分組成を満たす発明例の試料No.1〜22の試料は,ベース試料である試料No.23の鋼に対して,塗膜膨れ面積が50%以下であり,極めて良好な耐塗膜膨れ性を有していることが分かる。また、試料No.26〜31の試料は可溶性NaCl濃度換算量が発明の範囲内であるのでベース試料である試料No.23よりも良好な塗膜膨れ面積を示している。しかし、試料No.26、27は、表面粗度およびSP値が小さいために塗膜膨れ面積は60%を超えている。
比較例の試料No.24、25は、ショットブラスト処理工程後の可溶性NaCl濃度換算量が100を超え発明の範囲外であり、さらに表面粗度の数値およびSP値も低くいため、ベース試料である試料No.23に比べ塗膜膨れ面積比率は増大し、耐塗膜膨れ性が改善されていない。
また,全ての鋼は,強度,母材靱性,溶接熱影響部靱性等,機械的特性は問題となる特性劣化は生じていないことを確認している。
本発明の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材は,バラストタンク内の腐食環境下において,優れた耐食性を示し,過酷な腐食環境に置かれるバラストタンクへ適用した場合,その優れた耐塗膜膨れ性から,補修再塗装等の保守費用を大幅に削減できるため,産業上その貢献度は極めて大である。なお,本鋼材は,海水による腐食環境下で優れた塗装耐塗膜膨れ性を示すので,船舶のバラストタンクだけでなく,他の類似の海水による腐食環境で使用される用途にも用いることができる。

Claims (11)

  1. ショットブラスト処理工程後の鋼材表面に付着している可溶性NaCl濃度換算量が100mg/m2以下であり,前記鋼材表面にジンクプライマーが塗布されてなることを特徴とする耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
  2. 前記ショットブラスト処理工程後の前記鋼材の表面粗度が十点平均粗さで20〜100μmであり、さらに除錆度がSa2.5以上であることを特徴とする請求項1に記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
  3. 前記ジンクプライマーの塗膜の膜厚が10〜50μmであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
  4. 前記表面祖度、前記ジンクプライマーの塗膜の膜厚および前記可溶性NaCl濃度換算量を用いて、下記(1)式で計算されるSP値が100以上を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
    SP=(表面粗度1.5 + 膜厚1.2)×8 / 可溶性NaCl濃度換算量 (1)式
  5. 前記鋼材は,
    C:0.01〜0.20mass%
    Si:0.05〜0.50mass%
    Mn:0.10〜2.00mass%
    P:0.025mass%以下
    S:0.0100mass%以下
    Al:0.005〜0.100mass%
    N:0.0010〜0.0080mass%
    Ca:0.0005〜0.0040mass%を含有し,さらに、
    W:0.005〜0.500mass%
    Mo:0.005〜0.500mass%
    Sb:0.001〜0.300mass%
    Sn:0.001〜0.300mass%
    Cr:0.001〜0.200mass%
    のうちから選ばれる1種以上を含有し、さらに残部がFeおよび不可避的不純物からなる請求項1〜4のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
  6. 前記鋼材成分に加えて
    Cu:0.001〜0.350mass%
    Ni:0.010〜0.400mass%のうちから選ばれる1種または2種を含有することを特徴とする請求項5に記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
  7. 前記鋼材成分に加えて,
    Ti:0.001〜0.030mass%
    Nb:0.001〜0.030mass%
    Zr:0.001〜0.030mass%および
    V:0.002〜0.200mass%のうちから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
  8. 前記鋼材成分に加えて
    B:0.0002〜0.0030mass%を含有することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
  9. 前記鋼材成分に加えて
    REM:0.0001〜0.0150mass%
    Mg:0.0001〜0.0100mass%および
    Y:0.0001〜0.1000mass%のうちから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
  10. 前記鋼材成分に加えて
    Se:0.0005〜0.500mass%
    Te:0.0005〜0.5000mass%および
    Co:0.010〜0.500mass%のうちから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
  11. 前記鋼材の表面に,エポキシ系塗膜を形成してなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の耐塗膜膨れ性に優れた船舶用鋼材。
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