JP4525686B2 - 原油タンク用耐食鋼材および原油タンク - Google Patents

原油タンク用耐食鋼材および原油タンク Download PDF

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Description

本発明は、裸状態またはプライマー塗布状態の鋼材を原油タンクに使用した場合に、その天板や側板に発生する全面腐食ならびに底板に発生する局部腐食を低減することができる原油タンク用耐食鋼材と、その鋼材からなる原油タンクに関するものである。なお、本発明でいう原油タンクとは、オイルタンカーの油倉や原油を輸送するためのタンク、原油を貯蔵するためのタンクなどを総称したものであり、また、原油タンク用鋼材とは、厚鋼板、薄鋼板、形鋼をも含むものである。
タンカーの原油タンクの上部内面(上甲板裏面)には、防爆のためにタンク内に封入するイナートガス(O:5vol%、CO:13vol%、SO:0.01vol%、残部Nを代表組成とするボイラーあるいはエンジン等の排ガス)中に含まれるO,CO,SOや原油から揮発するHS等の腐食性ガスにより、全面腐食が発生することが知られている。
さらに、上記HSは、腐食によって生成した鉄錆の触媒作用によって酸化されて固体Sとなり、鉄錆中に層状に存在するようになる。そして、これらの腐食生成物は、容易に剥離を起こして原油タンクの底に堆積する。そのため、2.5年毎に行われるタンカーのドック検査では、多大な費用をかけて、タンク上部の補修や堆積物の除去が行われている。
一方、タンカーの原油タンクの底板に使用される鋼材は、従来、原油そのものの腐食抑制作用や原油タンク内面に生成される原油由来の保護性フィルム(以下「原油保護フィルム」と称す)の腐食抑制作用により、腐食しないものと考えられていた。しかし、最近、タンク底板に用いられた鋼材でも、お椀型の局部腐食が生じることが明らかとなってきている。
斯かるお椀型の局部腐食が起こる原因としては、
(1)塩化ナトリウムを代表とする塩類が高濃度に溶解した凝集水の存在、
(2)過剰な洗浄による原油保護フィルムの離脱、
(3)原油中に含まれる硫化物の高濃度化、
(4)防爆用のイナートガス中に含まれるO、CO、SOの高濃度化、
(5)微生物の関与、
などが挙げられているが、いずれも推定の域を出ず、明確な原因は判明していない。
上記のような腐食を抑制する最も有効な方法は、鋼材表面に重塗装を施し、鋼材を腐食環境から遮断する方法である。しかし、原油タンクに塗装を施すことは、その塗布面積が膨大となり、また約10年に1度は塗り替える必要があるため、施工や検査に多大な費用がかかること、また、原油タンクの腐食環境下では、重塗装した場合、塗膜損傷部分の腐食が却って助長されることが指摘されている。
そこで、原油タンクのような腐食環境下でも耐食性を有する鋼が提案されている。例えば、特許文献1には、C:0.01〜0.3mass%の鋼に、適正量のSi,Mn,P,Sを添加し、さらにNi:0.05〜3mass%、選択的にMo,Cu,Cr,W,Ca,Ti,Nb,V,Bを添加した耐全面腐食性や耐局部腐食性に優れる耐食鋼が開示されている。
また、特許文献2には、C:0.001〜0.2mass%の鋼に、適正量のSi,Mn,P,Sと、Cu:0.01〜1.5mass%、Al:0.001〜0.3mass%、N:0.001〜0.01mass%を添加し、さらにMo:0.01〜0.2mass%またはW:0.01〜0.5mass%の少なくとも一方を添加した、優れた耐全面腐食性および耐局部腐食性を有すると共に、固体Sを含む腐食生成物の生成をも抑制できる耐食鋼が開示されている。
特開2003−082435号公報 特開2004−204344号公報
しかしながら、上記特許文献1および2の耐食鋼を原油タンク用鋼材として使用した場合には、原油タンク上部で起こる全面腐食には優れた抑制効果を発揮するものの、原油タンク底板で起こる局部腐食に対する抵抗性(以下「耐局部腐食性」と称す)については、まだ十分とは言い難いのが実情である。
そこで、本発明の目的は、原油タンク上部(上甲板および側板)に使用した場合の耐全面腐食性や原油タンク底板に使用した場合の耐局部腐食性に優れるとともに、プライマー塗布状態で使用した場合においても、塗装寿命延長効果や耐局部腐食性に優れる原油タンク用鋼材を提供することにある。
発明者らは、上記課題を解決するために、まず、原油タンク底板の局部腐食に関与する因子を種々抽出し、それらの因子を組み合わせて、各種の腐食試験を行った。その結果、原油タンク底板で生じる局部腐食の再現に成功し、局部腐食の支配因子および腐食機構について、以下の知見を得た。
すなわち、実際の原油タンク底板で発生するお椀型の局部腐食では、液中に含まれているO(酸素)およびHS(硫化水素)が、腐食の支配因子として重要な働きをしており、特に、OとHSが共存し、かつ、O分圧とHS分圧の両方が低い腐食環境下、具体的には、O分圧:2〜8vol%、HS分圧:5〜20vol%のガスを飽和させた水溶液中では局部腐食が生じ易い。つまり、低O分圧かつ低HS分圧の腐食環境下では、HSが酸化されて固体Sが析出し、その結果、原油タンク底板と固体Sとの間に局部電池が形成されて、鋼材表面に局部腐食が発生する。特に、塩化物イオン(Cl)の存在する酸性環境下では、局部腐食がより促進されることを見出した。
そこで、発明者らは、前記低O分圧および低HS分圧の環境下で起こる局部腐食に及ぼす各種合金元素の影響について鋭意検討した。その結果、WとCrの添加によって、原油タンク用鋼材の使用環境下で鋼板表面に形成される錆層が緻密化し、耐局部腐食性および耐全面腐食性が向上すること、さらに、Sn,SbあるいはMoの添加は、Wを含む緻密な錆層の生成を助け、耐局部腐食性および耐全面腐食性をより向上させることができる。すなわち、主にWとCr、さらにはSn,Sb,Moの含有量を適正化することにより、耐局部腐食性と耐全面腐食性のいずれにも優れる原油タンク用鋼材が得られることを見出した。
さらに、上記鋼材を、その表面にZnを含有するプライマーを塗布した状態で使用する場合には、該塗装寿命が著しく延びるとともに、耐局部腐食性および耐全面腐食性も向上することを見出した。
本発明は、上記知見に基づき、さらに検討を加えて完成したものである。
すなわち、本発明は、C:0.001〜0.16mass%、Si:0.01〜1.5mass%、Mn:0.1〜2.5mass%、P:0.025mass%以下、S:0.01mass%以下、Al:0.005〜0.1mass%、N:0.001〜0.008mass%、W:0.001〜0.5mass%およびCr:0.06mass%以上0.20mass%未満(ただし、2.0<Ti/N<5.0を除く)を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる原油タンク用鋼材である。
本発明の鋼材は、上記成分組成に加えてさらに、下記A〜D群のうちの少なくとも1群の成分を含有することを特徴とする。
A群;Sn:0.005〜0.3mass%およびSb:0.005〜0.3mass%のうちから選ばれる1種または2種
B群;Mo:0.001〜0.5mass%
C群;Nb:0.001〜0.1mass%、V:0.002〜0.1mass%、Ti:0.001〜0.1mass%およびB:0.01mass%以下のうちから選ばれる1種または2種以上
D群;Ca:0.0002〜0.005mass%およびREM:0.0005〜0.015mass%のうちから選ばれる1種または2種
また、本発明の鋼材は、耐食性向上のため、その表面にZnを含むプライマー塗装を施してもよい。
また、本発明は、上記に記載の鋼材から構成されてなる原油タンクである。
本発明によれば、裸状態のみならずプライマー塗布状態においても優れた耐全面腐食性および耐局部腐食性を有する鋼材を安価に提供することができる。従って、本発明の鋼材は、原油の輸送または貯蔵用のタンク等の構造材として好適に用いることができる。
本発明の原油タンク用鋼材の成分組成を上記のように限定する理由について説明する。
C:0.001〜0.16mass%
Cは、鋼の強度を高める元素であり、本発明では、所望の強度を得るために、0.001mass%以上含有する必要がする。一方、0.16mass%を超える含有は、溶接性および溶接熱影響部の靭性を低下させる。このため、Cは0.001〜0.16mass%の範囲とする。なお、強度、靭性の両特性を兼備するためには、0.01〜0.15mass%の範囲が好ましい。
Si:0.01〜1.5mass%
Siは、通常、脱酸剤として添加されるが、鋼の強度を高める元素でもあり、本発明では0.01mass%以上の含有を必要とする。しかし、1.5mass%を超える添加は、鋼の靭性を低下させる。よって、Siは0.01〜1.5mass%の範囲とする。なお、Siは、酸性環境下で、防食皮膜を形成して耐食性の向上に寄与する。この効果を得るためには、0.2〜1.5mass%の範囲が好ましい。
Mn:0.1〜2.5mass%
Mnは、鋼材の強度を高める元素であり、本発明では、所望の強度を得るために、0.1mass%以上添加する。一方、2.5mass%を超える添加は、鋼の靭性および溶接性を低下させる。このため、Mnは0.1〜2.5mass%の範囲とする。なお、強度の確保および耐食性を劣化させる介在物形成を抑制する観点からは、0.5〜1.6mass%が好ましく、より好ましくは0.8〜1.4mass%の範囲である。
P:0.025mass%以下
Pは、粒界に偏析して、鋼の靭性を低下させる有害な元素であり、できるだけ低減するのが望ましい。特に、Pは0.025mass%を超えて含有すると、靭性が大きく低下するので、0.025mass%以下とする。なお、0.005mass%未満への低減は、製造コストの上昇を招くので、P含有量の下限は0.005mass%程度とするのが好ましい。
S:0.01mass%以下
Sは、Mnと非金属介在物であるMnSを形成し、局部腐食の起点になって耐局部腐食性を低下させる有害な元素であり、できるだけ低減するのが望ましい。特に、Sの0.01mass%を超える含有は、耐局部腐食性の顕著な低下を招くので、上限は0.01mass%とする。なお、Sの0.002mass%未満への低減は、製造コストの上昇を招くので、下限は0.002mass%程度とするのが好ましい。
Al:0.005〜0.1mass%
Alは、脱酸剤として添加される元素であり、本発明では0.005mass%以上添加する。しかし、Alを0.1mass%を超えて添加すると、鋼の靭性が低下するので、上限は0.1mass%とする。好ましくは、0.01〜0.05mass%の範囲である。
N:0.001〜0.008mass%
Nは、靭性を低下させる元素であり、できる限り低減するのが好ましい。特に、Nを0.008mass%以上含有すると、靭性の低下が大きくなるので、上限は0.008mass%とする。しかし、工業的には、0.001mass%未満に低減するのは困難である。よって、Nは、0.001〜0.008mass%の範囲とする。
W:0.001〜0.5mass%
Wは、本発明においては、耐食性向上に必須の重要な添加元素である。Wを添加することによって、腐食環境で形成されるWO 2−イオンが、塩化物イオン等の陰イオンに対するバリア効果を発揮するとともに、不溶性のFeWOを形成して腐食の進行を抑制する。さらに、鋼板表面に形成される錆層は、Wを含むことにより非常に緻密化される。Wの添加は、このような化学的および物理的な作用によって、HSおよびClの存在する腐食環境における全面腐食の進行および局部腐食の成長を抑制する。そのため、耐局部腐食性が向上するとともに、耐全面腐食性にも優れた原油タンク用鋼材が得られる。
また、鋼材の表面に、Zn含有プライマーを塗布した場合には、Wを含む緻密化した錆層中に、プライマー中のZnが取り込まれて、Feを中心としたWやZnの複合酸化物を形成し、長期間に亘って鋼板表面にZnを存続させることができる。そのため、Wを含まない鋼材と比較して、局部腐食の発生を長期間に亘り抑制することができる。
上記のようなWの耐食性向上効果は、0.001mass%よりも少ないと十分に発現せず、一方、0.5mass%を超えると、その効果が飽和するとともに、コスト上昇となる。よって、Wは0.001〜0.5mass%の範囲とする。
Cr:0.06mass%以上0.20mass%未満
Crは、腐食が進行するのに伴い、錆層中に移行してClの錆層への侵入を遮断して、錆層と地鉄の界面におけるClの濃縮を低減する。また、Zn含有プライマーを塗布した場合には、Feを中心としたCrやZnの複合酸化物を形成することにより、長期間に亘り、鋼板表面にZnを存続させることができる。その結果、Crを含まない鋼材と比較して、局部腐食の発生を長時間に亘り抑制することができる。しかし、この効果は、0.06mass%よりも少ないと十分に得られず、一方、0.20mass%以上では、溶接部靭性を劣化させる。よって、Crは0.06mass%以上0.20mass%未満の範囲とする。
本発明の鋼材は、上記成分を基本成分とするが、さらに、耐食性の向上を図るために、Sn,SbおよびMoのうちから選ばれる1種または2種以上を、下記の範囲で含有することができる。
Sn:0.005〜0.3mass%
Snは、WとCrとの複合効果によって、形成された緻密な錆層の耐酸性を向上し、腐食を抑制する作用がある。しかし、0.005mass%未満の含有では上記効果は得られず、一方、0.3mass%を超える添加は、熱間加工性および靭性の低下を招く。よって、Snは、0.005〜0.3mass%の範囲で含有するのが好ましい。
Sb:0.005〜0.3mass%
Sbは、Snと同様、WとCrとの複合効果によって、形成された緻密な錆層の耐酸性を向上し、腐食を抑制する作用がある。しかし、0.005mass%未満の含有では上記効果が得られず、一方、0.3mass%を超える添加は、上記効果が飽和するととともに加工性を低下させる。よって、Sbは0.005〜0.3mass%の範囲で含有するのが好ましい。
Mo:0.001〜0.5mass%
Moは、WやCrと共に含有した場合には、耐全面腐食性および耐局部腐食性を向上すると共に、W,CrとSnあるいはSbとの複合効果によって、緻密な錆層の形成を促進し、さらに耐食性を向上する作用がある。上記効果は、0.001mass%以上の含有で得られるが、0.5mass%を超えると、その効果が飽和するとともにコストの上昇を招く。よって、Moを含有する場合は、0.001〜0.5mass%の範囲が好ましい。
本発明の鋼材は、上記成分に加えてさらに、鋼材強度の向上を目的として、Nb,V,TiおよびBのうちから選ばれる1種または2種以上を、下記の範囲で含有することができる。
Nb:0.001〜0.1mass%
Nbは、鋼の強度向上を目的として添加する元素である。0.001mass%未満ではその効果が小さく、一方、0.1mass%超えでは、靭性が低下する。よって、Nbを添加する場合は、0.001〜0.1mass%の範囲とするのが好ましい。
V:0.002〜0.1mass%
Vは、鋼の強度向上を目的として添加する元素である。0.002mass%未満では強度向上効果が小さく、一方、0.1mass%超えでは、靭性が低下する。よって、Vを添加する場合は、0.002〜0.1mass%の範囲とするのが好ましい。
Ti:0.001〜0.1mass%
Tiは、鋼の強度および靭性の向上を目的として添加する元素である。0.001mass%未満では上記効果が小さく、一方、0.1mass%を超えると、その効果が飽和する。よって、Tiを添加する場合は、0.001〜0.1mass%の範囲とするのが好ましい。
B:0.01mass%以下
Bは、鋼の強度向上を目的として添加する元素である。しかし、Bを0.01mass%を超えて添加すると、靭性が低下するため、添加する場合は、0.01mass%以下とするのが好ましい。
本発明の鋼材は、上記成分に加えてさらに、延性および靭性の向上を目的として、CaおよびREMのうちから選ばれる1種または2種を、下記範囲で含有することができる。
Ca:0.0002〜0.005mass%
Caは、介在物の形態制御を介して鋼の延性および靭性を向上させる作用がある。しかし、Caは、含有量が0.0002mass%未満ではその効果がなく、一方、0.005mass%を超えると靭性の低下を招くため、0.0002〜0.005mass%の範囲で含有するのが好ましい。
REM:0.0005〜0.015mass%
REMは、介在物の形態制御を介して延性および靭性を向上させる作用がある。しかし、REMは、0.0005mass%未満ではその効果が小さく、一方、0.015mass%超えでは靭性が低下する。よって、含有する場合は、0.0005〜0.015mass%の範囲が好ましい。
本発明の鋼材は、上記成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。ただし、本発明の作用効果を害さない範囲内であれば、上記以外の成分を含むことを拒むものではなく、例えば、Oは0.008mass%以下、Niは0.05mass%以下であれば許容できる。
Cuは、硫化水素を含む腐食環境では、全面腐食性向上に寄与するとされているが、本発明鋼に添加した場合には、耐局部腐食性の向上効果が限定的であるばかりでなく、熱間加工性の著しい低下を招くので添加しない。また、Niは、本発明鋼に添加しても、耐全面腐食性および耐局部腐食性の向上作用は認められず、コスト上昇要因となるだけなので添加しないが、不可避的不純物として0.05mass%以下であれば含有してもよい。
次に、本発明の鋼材の好ましい製造方法について説明する。
本発明の鋼材は、上記成分組成に調整した鋼を、通常の鋼と同様の方法で、厚鋼板、薄鋼板および形鋼などの種々の形状に仕上げたものである。例えば、本発明の鋼は、転炉や電気炉、真空脱ガス装置等の通常公知の方法で、主要5元素(C,Si,Mn,P,S)を本発明範囲に調整するとともに、その他の合金元素を要求特性に応じて添加して溶製し、その後、上記鋼を連続鋳造法等で鋼スラブやブルーム、ビレットとし、その後直ちに、あるいは冷却後、再加熱して熱間圧延し、製品とするのが好ましい。
熱間圧延条件については、耐食鋼としては、特に条件を付さないが、原油タンク等に用いられる鋼材として要求される機械的特性を確保する観点からは、適切な熱延温度や圧下比等に制御するのが望ましい。熱間圧延後は、所望する機械的特性に応じて、冷却速度を制御することが望ましく、例えば、引張強さ490N/mm級以上の高強度鋼材とする場合には、熱間圧延の仕上温度を750℃以上とし、その後2℃/sec以上の冷却速度で700℃以下まで冷却するのが好ましい。仕上げ温度が750℃未満では、変形抵抗が大きくなり、形状制御が難しくなる。また、冷却速度が2℃/sec未満もしくは冷却停止温度が700℃を超える場合には、490N/mm級以上の引張強さが得難いからである。
上記のようにして得た本発明の鋼材は、原油タンク用鋼材として使用する場合、Znを含むプライマーを塗布することにより、耐局部腐食性および耐全面腐食性を大きく向上させることができる。一般に、鋼板は、その表面にショットブラスト処理を施してから、プライマー塗装されるが、鋼板の表面全体を均一に覆うためには、ある一定以上の塗膜厚さが必要であり、耐局部腐食性および耐全面腐食性を向上させるためには、Znを含むプライマーの塗布する厚さを5μm以上とするのが好ましい。なお、耐局部腐食性および耐全面腐食性の観点からは塗布量の上限は設けないが、プライマーが厚くなると、切断性、溶接性および経済性が悪くなるため、上限としては100μmが好ましい。
表1に示したNo.1〜33の成分組成を有する各種鋼を真空溶解炉または転炉で溶製して鋼塊または鋼スラブとし、これらを1200℃に再加熱してから、仕上終了温度を800℃とする熱間圧延を施して、板厚が16mmの厚鋼板とした。
かくして得られた鋼板No.1〜33から、幅50mm×長さ50mm×厚さ15mmの正方形の小片を切り出し、その表面にショットブラストを施してから、無機系ジンクプライマーの塗膜厚を0μm(無塗布)、5〜10μm、15〜25μm、50〜70μmの4レベルに塗り分けた。
次いで、上記4種類の小片の端面および裏面に防食性塗料でマスキングを施してから、腐食試験の被試験面となる表(オモテ)面に、実際のタンカーから採取した原油成分を含むスラッジを塗布して腐食試験片とした。この際、スラッジを以下の2種の方法で塗布し、2種類の腐食試験片を作製した。1つは、被試験面にスラッジを均一に塗布した試験片(試験片1)であり、他の1つは、被試験面の中央部2mmφの部分に、スラッジに硫黄を50mass%混合した硫黄混合スラッジを塗布し、その他の部分には、スラッジのみを均一に塗布した試験片(試験片2)である。この試験片2では、硫黄混合スラッジを塗布した部分が腐食の起点となり、局部腐食を促進することから、局部腐食抑制に及ぼす鋼材成分、プライマーおよびそれらの組み合わせの影響をより的確に把握することが可能となる。また、発明者らの研究結果では、試験片2を用いた腐食試験の方が、試験片1を用いたよりも、実船での暴露試験との相関がよいことが明らかとなっている。
次いで、これらの試験片を、図1に示した腐食試験装置の試験液6中に1ケ月間浸漬する腐食試験に供した。この腐食試験装置は、腐食試験槽2、恒温槽3の二重型の装置で、腐食試験槽2には実際の原油タンク底板で生じるのと同様の局部腐食を発生させることができる試験液6が入れられている。上記試験液6は、ASTMD1141に規定される人工海水を試験母液とし、この液中に、5vol%O+10vol%HSの分圧比に調整し、残部Nガスからなる混合ガス4を導入したものを使用した。試験液6の温度は、恒温槽3に入れた水7の温度を調整することにより50℃に保持した。なお、試験液6は、混合ガス4が連続して供給されるため、常に攪拌されている。
上記腐食試験後、試験片表面に生成した錆を除去してから、腐食形態を目視で観察するとともに、ディップメーターで局部腐食発生部の腐食深さを測定し、以下の基準で耐局部腐食性をランク分けした。
<耐局部腐食性ランク>
1:局部腐食無し
2:局部腐食深さ0.1mm未満
3:局部腐食深さ0.1mm以上0.2mm未満
4:局部腐食深さ0.2mm以上0.6mm未満
5:局部腐食深さ0.6mm以上1.0mm未満
6:局部腐食深さ1.0mm以上1.5mm未満
7:局部腐食深さ1.5mm以上2.0mm未満
8:局部腐食深さ2.0mm以上
上記局部腐食試験の結果を表2に示した。試験片1を用いた試験結果では、本発明の成分組成に適合するNo.1〜25の鋼板は、耐局部腐食性ランクが全て1〜3であり、局部腐食深さが0.2mm未満に抑えられている。特に、ジンクプライマーを5μm以上塗布したものは、耐局部腐食性ランクが全て1であり、局部腐食の発生が有効に抑制されている。一方、本願発明の成分組成から外れるNo.26〜33の比較例の鋼板は、No.32,33を除いていずれも本発明鋼板よりも耐局部腐食性が劣っている。
次に、試験片2を用いた試験結果では、局部腐食の進行が、試験片1を用いた場合よりも促進される結果となったが、鋼種間の差、特に、ジンクプライマー塗布状態での鋼種間の差を明確に知ることができる。すなわち、発明例の鋼板No.1〜25の耐局部腐食性は、ジンクプライマー無塗布状態、塗布状態のいずれにおいても、比較例の鋼板No.26〜31よりも抑制されている。特に、試験片1を用いた試験では本発明例と同レベルの耐局部腐食性を示していた比較例のNo.32,33の鋼板は、試験片2を用いた試験結果では、発明例の鋼板より耐局部腐食性が明確に劣っている。
以上の結果から、本発明の鋼板は、耐局部腐食性に優れていることがわかる。
Figure 0004525686
Figure 0004525686
実施例1で用いたのと同じNo.1〜33の鋼板から、幅25mm×長さ48mm×厚さ4mmの矩形の小片を切り出し、その表面に、ショットブラストを施してから無機系ジンクプライマーの塗膜厚を0μm(無塗布)、5〜10μm、15〜25μm、50〜70μmに塗り分けた4種類の小片を作製し、次いで、腐食試験を加速するため、上記塗膜面に、鋼材表面に達するX字型のカッター傷を、損傷面積率が1.0%となるように付け、腐食試験片とした。
これらの試験片について、図2に示した腐食試験装置を用いて、原油タンク上甲板裏の環境で起こり易い全面腐食試験を行った。この腐食試験装置は、腐食試験槽9と温度制御プレート10とから構成され、腐食試験槽9には水13が注入され、温度は40℃に保持されている。そして、全面腐食試験は、原油タンク内を模擬した腐食環境とするために、上記水13中に、12vol%CO、5vol%O、0.01vol%SO、0.1vol%HS、残部Nからなる混合ガスを導入して、腐食試験槽9内を過飽和水蒸気圧で充満させ、さらに、ヒーターと冷却装置を内蔵した温度制御パネル10を介して試験片の温度を、30℃×4時間+50℃×4時間を1サイクルとして、20日間繰り返して変化させて、結露水による全面腐食を模擬できるようにした。
上記試験後、各試験片についての耐全面腐食性を以下のようにして評価した。
<ジンクプライマー無塗布材>
試験前後の質量変化から、腐食による板厚減量を求め、これを1年当たりの腐食板厚に換算して、以下の基準により耐全面腐食性をランク分けした。
1:腐食速度0.10mm/年未満
2:腐食速度0.10mm/年以上0.25mm/年未満
3:腐食速度0.25mm/年以上0.50mm/年未満
4:腐食速度0.50mm/年以上1.00mm/年未満
5:腐食速度1.00mm/年以上
<ジンクプライマー塗布材>
各試験片の表面および塗膜下に発生した錆の面積率を測定し、以下の基準により耐全面腐食性をランク分けした。
1:錆面積率 5%未満
2:錆面積率 5%以上15%未満
3:錆面積率15%以上25%未満
4:錆面積率25%以上50%未満
5:錆面積率50%以上
上記全面腐食試験の結果を、表2中に併記して示した。表2の結果から、本発明に適合するNo.1〜25の鋼板は、無塗装材の耐全面腐食性がいずれもランク1〜2と良好である。これに対して、比較例のNo.26〜33の鋼板は、無機系ジンクプライマーを塗布していない場合のみならず、塗布している場合においても、発明例の鋼板より耐全面腐食性が劣っていることがわかる。
実施例1で用いた局部腐食試験に用いた試験装置を説明する図である。 実施例2で用いた全面腐食試験に用いた試験装置を説明する図である。
符号の説明
1、8:試験片
2、9:腐食試験槽
3:恒温槽
4、11:ガス導入
5、12:ガス排出
6:試験液
7、13:水
10:温度制御プレート

Claims (7)

  1. C:0.001〜0.16mass%、Si:0.01〜1.5mass%、Mn:0.1〜2.5mass%、P:0.025mass%以下、S:0.01mass%以下、Al:0.005〜0.1mass%、N:0.001〜0.008mass%、W:0.001〜0.5mass%およびCr:0.06mass%以上0.20mass%未満(ただし、2.0<Ti/N<5.0を除く)を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる原油タンク用鋼材。
  2. 上記成分組成に加えてさらに、Sn:0.005〜0.3mass%およびSb:0.005〜0.3mass%のうちから選ばれる1種または2種を含有することを特徴とする請求項1に記載の原油タンク用鋼材。
  3. 上記成分組成に加えてさらに、Mo:0.001〜0.5mass%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の原油タンク用鋼材。
  4. 上記成分組成に加えてさらに、Nb:0.001〜0.1mass%、V:0.002〜0.1mass%、Ti:0.001〜0.1mass%およびB:0.01mass%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の原油タンク用鋼材。
  5. 上記成分組成に加えてさらに、Ca:0.0002〜0.005mass%およびREM:0.0005〜0.015mass%のうちから選ばれる1種または2種を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の原油タンク用鋼材。
  6. 上記鋼材の表面に、Znを含むプライマー塗装を施してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の原油タンク用鋼材。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の鋼材から構成されてなる原油タンク。
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