JP2011037949A - 破砕面を有する高耐食性防錆塗料用Zn合金粒子、高耐食性防錆塗料、高耐食性鉄鋼材料および鋼構造物 - Google Patents

破砕面を有する高耐食性防錆塗料用Zn合金粒子、高耐食性防錆塗料、高耐食性鉄鋼材料および鋼構造物 Download PDF

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Abstract

【課題】従来にない長期にわたる優れた耐食性・防錆性を鉄鋼材料に付与でき、塗装性、経済性を備えた高耐食防錆塗料を提供する。
【解決手段】質量%で、Mg:0.01〜30%およびCa:0.01〜30%を含有し、残部Zn及び不可避的不純物からなり、物理的破砕面および/または長さ0.01μm以上のき裂、もしくは深さ0.01μm以上のき裂を有し、平均粒径が0.05〜200μmで、最大径と最小径のアスペクト比(最大径/最小径)の平均値が1〜1.5であることを特徴とする高耐食性防錆塗料用Zn合金粒子。さらに、質量%で、Al:0.01〜30%、Si:0.01〜3%の1種又は2種を含有することを特徴とする。また、該粒子を含有する高耐食防錆塗料、該塗料を塗装した高耐食性鉄鋼材料および鋼構造物。
【選択図】なし

Description

本発明は、特に各種鉄鋼材料表面に塗装したときにかつてない著しく優れた高耐食性・防錆性を付与できる、物理的破砕面および/またはき裂を有する高耐食性防錆塗料用Zn合金粒子、該Zn合金粒子を含有する高耐食性防錆塗料、該塗料を塗装した高耐食性鉄鋼材料及び該鉄鋼材料を有する鋼構造物に関する。
鉄鋼材料の腐食対策として、不可避的不純物を含有する亜鉛粉末を顔料とし有機材、無機材をビヒクル(液状バインダー成分)とした構成のジンクリッチペイントが多用されている。ジンクリッチペイントは主に重防食塗装の下塗りに用いられ、防食機構の特徴は塗膜に含まれる亜鉛粉末の犠牲防食作用である。しかしジンクリッチペイントの塗膜の防食能は、前述のように亜鉛粉末の犠牲防食作用に強く依存することから、使用環境によっては、亜鉛の消失速度が大きく鉄鋼材料に対する保護作用が長続きしない場合がある。
そこで、塗膜中の亜鉛粉末の含有量を高めたり、膜厚を厚くしたりする等の対策がとられているが、鋼材面との密着性の低下や塗膜のヒビ割れ或いはダレなどが起こりやすくなり、塗膜の防食性能と物理的性質や施工性を両立しがたく万全とはいえない。
このような状況にあって、従来のジンクリッチペイントの長所を保持し、更に長期にわたり犠牲防食作用を発揮する高性能ジンクリッチペイントの開発が期待され、これまでにも各種の提案がなされてきた。例えば、特許文献1、特許文献2では、亜鉛粉末の他にZn−Mg合金粉末を含有させた有機系ジンクリッチペイントが、また特許文献3では亜鉛粉末の他にZn−Mg合金粉末とMn粉末を含有させた有機系ジンクリッチペイントが提案された。
更に、特許文献4では有機塗料におけるZn−(5〜15%)Mg合金粉末の高寿命防食性能が示された。また特許文献5では金属組織がZnとMgZn2で構成されるZn−Mg合金粉末を含有する有機塗膜の高寿命防食性能が示された。特許文献6では、AlとMg等を含有するZn合金フレーク状粒子を含有する有機系耐食性塗料用防錆顔料が提案されている。
以上に加えて、特許文献7では、Zn−Al−Mg系合金粉末でかつ上記合金粉末の50%以上がAl/Zn/Zn2Mg共晶組織であるインゴットを粉砕した有機系ジンクリッチ塗料が、また、特許文献8にはZn−Al合金およびこれにMgあるいはSiを含有し、球状又は楕円球状で、その最大径と最小径の比(最大径/最小径)の値が1〜1.5である粉末を含有する高耐食性亜鉛系合金めっき鋼材の切断部耐食性を改善するための有機系塗料が提案されている。
以上の提案は有機系塗料の防食性能と新たな合金粉末の組み合わせによって耐食性を向上しようとするものである。しかしながら、一般的な有機系塗料では紫外線・水分や酸素などの複合環境では劣化し、比較的短期間でのメンテナンスが必要となるという副次的な問題が残されている。
このような状況の中、これらの有機系塗料の欠点を有しない無機系塗料の防食性能向上を目的に、これまでにいくつかの提案がなされてきた。例えば、本発明とは目的が異なるが、特許文献9では溶接・溶断時塗装劣化の抑制を目標に亜鉛粉末とMgまたはMg合金の混合物を含有する塗料組成物が提案されている。一方、特許文献10ではZn相とZn−Mg合金相及びZnとMgの固溶体相の3種を主成分とし、かつ、これらがそれぞれ粉末粒子として無機系塗料中に混在する耐食性塗料及びこの塗料を塗布してなる耐食性鉄鋼材料が提案されている。特許文献10の技術は、抜本的耐食性向上手段として注目されるが、本発明者らにより検討を行ったところ、耐食性が向上する場合と耐食性向上が明確でない場合が現実には存在し、耐食性向上効果の安定性に課題を残していることを確認している。
また、特許文献11や特許文献12では、Mg等を含有するZn合金フレーク状粒子を含有する無機系耐食性塗料や塗料を塗布してなる耐食性鉄鋼材料が提案されている。上記した特許文献6を含め、これらの発明では粒子がフレーク状形状を有するため、スプレー塗装が困難であるという新たな問題を惹起している。
特許文献13に記載の破砕面を有するZn合金粒子は、優れた耐食性・防錆性を付与するが、腐食が激しい沿岸地域などで、さらなる高寿命化すなわち高耐食化が求められるという新たな問題を惹起している。
特開昭59−52645号公報 特開昭59−167249号公報 特開昭59−198142号公報 特開平1−311178号公報 特開平2−73932号公報 特開平11−343422号公報 特開2001−164194号公報 特開2005−314501号公報 特開昭61−213270号公報 特開2000−80309号公報 特開2002−285102号公報 特開2005−336431号公報 特開2008−280607号公報
本発明は、従来にない長期にわたる優れた耐食性・防錆性を鉄鋼材料等に付与でき、塗装性、経済性を有する高耐食性防錆塗料用Zn合金粒子、その製造方法、該Zn合金粒子を含有する高耐食性防錆塗料、これを塗装した結果、メンテナンス周期の大幅な延長が可能となる、高耐食性鉄鋼材料及び鋼構造物を提供することを目的とする。
本発明者らは種々検討の結果、質量%で、Mg:0.01〜30%およびCaを0.01〜30%含有し、かつ、Mg+Ca:0.02〜30%、残部不可避的不純物を含むZnからなり、かつ、物理的破砕面および/または、き裂を有する非フレーク状の粒子が、かつてない著しく優れた耐食性・防錆性・塗装性を発揮することを新たに見いだし、本発明の基本を見いだすに至った。Ca添加による耐食性向上となるメカニズムについては不明な点は多いが、Zn−Mg合金粒子中にCaが溶解し、Caを含有する酸化物を形成することでZn−Mg合金粒子の自己溶解速度を抑制し、耐食性向上が達成可能であると推定される。また、Zn−Mg−Ca合金粒子はZn−Mg合金粒子に対し、高耐食性を発揮する。理由については不明な点が多いが、CaはMgに比べ、溶解しやすくその結果、Zn合金粒子表面にCa酸化皮膜を形成しやすくなることから、Zn−Mg−CaはZn−Mgに比べ自己溶解速度の抑制が早くなり、さらに、Caの溶解によって環境がアルカリ性を形成することで、Mgの酸化物が安定的に形成しやすくなり、耐食性が向上するものと推定する。
さらに、物理的破砕面および/または、き裂を有する上記粒子の耐食性・防錆性のさらなる向上可能性を詳細に検討し、物理的破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子が質量%で、Mg:0.01〜30%およびCaを0.01〜30%含有し、さらに、Al:0.01〜30%、Si:0.01〜3%の1種又は2種を含有し、かつ、Mg+Ca+Al+Si:0.03〜30%とすることでさらなる防錆性が発現することを見いだした。理由については不明であるが、Zn−Mg−Ca合金粒子中にAl、Siを添加すると、Zn−Mg−Ca合金粒子中の金属間化合物を形成しやすくなり、破砕性が向上する。その結果、Zn合金粒子自身が活性化されるため耐食性が向上すると推定する。
同時に、破砕後の粒子形状についても検討を行い、破砕後の非球状多面体の面数を2面以上有する場合には、上記した防錆性能すなわち犠牲防食効果を損なうことなく、自己溶解性を一層低減できることを見いだした。また、き裂の大きさについて検討を行い、長さ0.01μm以上もしくは、深さ0.01μm以上で著しい防食性が向上効果が発現されることを見出した。表面き裂を有することで耐食性向上となるメカニズムについては不明な点は多いが、表面にき裂を有するとZn合金粒子の表面積が大きくなること、き裂表面にCa固溶相や金属間化合物が生じやすいこと、Zn合金粒子自身の活性度が向上することが耐食性向上理由の一部と推定されるが、これらがもたらすと予想される以上の効果が見出されており、詳細は不明である。
一方、上記した破砕面および/または、き裂を有する粒子を得る手段についても鋭意検討を重ね、従来から一般的な破砕方法として用いられているボールミルやビーズミル等の手段によって破砕片を得るよりも、1次粒子を互いに衝突させるかもしくは粒子を固体に衝突させることで、より一層の耐食性・防錆性に優れた物理的破砕面および/または、き裂を有する粒子が得られること、さらに、溶媒中に1次粒子を分散させたスラリーとなし、上記衝突破砕を行うことで一層優れた耐食性・防錆性を損なうことなく、作業効率良く耐食性・防錆性に優れた粒子が得られることを見いだした。
上記した破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子はそのままで塗料用の顔料として用いて優れた耐食性・防錆性をもたらすが、さらなる検討の結果、従来から顔料として一般的に用いられているZn粒子顔料と混合して塗料顔料に用いることで、Zn粒子を単独使用した顔料に比較して著しく優れた耐食性・防錆性をもたらすことを見いだした。
さらに、上記した破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子を用いて塗料となすに際して、本発明の粒子を顔料として有機塗料とした場合には紫外線・水分や酸素などの有機塗料の劣化にとって厳しい複合環境であっても従来にない優れた耐食性・防錆性をもたらすことを見いだした。
Zn金属粒子とZn合金粒子を混合して鋼板表面に塗装すると、Zn金属粒子単独では得られない耐食性向上効果を示す。理由について不明であるが、Zn合金粒子が鋼板表層に濃化しやすい。その結果、まずZn合金粒子の溶解が生じ、Ca酸化膜を形成する。その結果、Zn金属粒子およびZn合金粒子の自己溶解速度が抑制されることによるものと推定する。
本発明は以上の検討の結果もたらされたもので、すなわち、本発明による課題解決の手段は以下のとおりである。
(1)質量%で、Mg:0.01〜30%およびCa:0.01〜30%を含有し、かつ、Mg+Ca:0.02〜30%、残部Zn及び不可避的不純物からなり、物理的破砕面および/または長さ0.01μm以上のき裂、もしくは深さ0.01μm以上のき裂を有し、平均粒径が0.05〜200μmで、最大径と最小径のアスペクト比(最大径/最小径)の平均値が1〜1.5であることを特徴とする高耐食性防錆塗料用Zn合金粒子。
(2)更に、質量%で、Al:0.01〜30%、Si:3%以下の1種又は2種を含有し、かつ、Mg+Ca+Al+Si:0.03〜30%、残部Zn及び不可避的不純物からなる前記(1)に記載の高耐食性防錆塗料用Zn合金粒子。
(3)前記Zn合金粒子の表面にMg及びCa固溶相並びにMg及びCaを含むZn系金属間化合物を有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の高耐食性防錆塗料用Zn合金粒子。
(4)非球状多面体で、面数が2面以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)の何れかに記載の高耐食性防錆塗料用Zn合金粒子。
(5)前記(1)〜(4)の何れかに記載のZn合金粒子を、乾燥塗膜換算で30質量%以上含有することを特徴とする高耐食性防錆塗料。
(6)前記Zn合金粒子に加え、さらに平均粒径0.05〜50μmのZn及び不可避的不純物からなるZn金属粒子を分散させた高耐食性防錆塗料であって、質量%で、(前記Zn合金粒子量):(前記Zn金属粒子量)の比の値を1/xとしたとき、xが300.0以下であり、前記Zn合金粒子と前記Zn金属粒子の混合粒子の合計を100質量%としたとき、該混合粒子中に含まれるMg、Ca、Al、Siの合計含有量が0.02〜30質量%未満であることを特徴とする前記(5)に記載の高耐食性防錆塗料。
(7)前記高耐食性防錆塗料のバインダーが、無機系バインダーまたは、有機系バインダーのいずれかであることを特徴とする、前記(5)又は(6)に記載の高耐食性防錆塗料。
(8)鋼材面に前記(5)〜(7)の何れかに記載の高耐食性防錆塗料が塗装された鉄鋼材料であって、塗装厚みが2〜700μmで、前記Zn合金粒子、又は前記Zn合金粒子及び前記Zn金属粒子が塗膜中に分散していることを特徴とする高耐食性鉄鋼材料。
(9)前記(8)に記載の高耐食性鉄鋼材料を一部又は全部に有することを特徴とする鋼構造物。
本発明の物理的破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子を含有する、高耐食性防錆塗料を塗装することで、鉄鋼材料等に、従来にない長期にわたる優れた耐食性・防錆性を、塗装性、経済性を損なわずに、付与でき、メンテナンス周期の大幅な延長が可能となる、高耐食性鉄鋼材料及び鋼構造物を提供できる。
本発明における高耐食性Zn合金粒子では、Mg:0.01〜30%およびCa:0.01〜30%を含有し、残部Zn及び不可避的不純物からなり、物理的破砕面および/または、き裂を有し、平均粒径が0.05〜200μmで、最大径と最小径のアスペクト比(最大径/最小径)の平均値が1〜1.5であることを特徴とする。
本発明ではZn合金粒子中のMg含有量は、Mg:0.01〜30%、およびCa含有量は、Ca:0.01〜30%とし、かつ、Mg+Ca:0.02〜30%とすることが必要である。MgおよびCaが単独添加の場合でも著しい耐食性向上は認められる。しかしながら、MgおよびCaを複合添加した場合は、単独添加では認められないような著しい耐食性向上が認められる。さらに、形状では、物理的破砕面を有し、かつ平均粒径が0.05〜200μmの場合に、Mg0.01%未満またはCa0.01%未満でも物理的破砕面を有しないZn合金粒子に比較して耐食性・防食性の有意な向上は認められるが、物理的破砕面および/または、き裂との組み合わせによってもたらされると見られる著しい耐食性・防食性の向上効果が顕著には得られない。すなわち、物理的破砕面および/または、き裂を有しMgとCaをそれぞれ0.01%以上添加したZn合金粒子の相乗効果による著しい耐食性・防食性の向上効果が本発明の基本技術である。一方、MgまたはCaの合計を30%超えて添加すると、上記効果が飽和するばかりか、経済性および製造性を阻害することから、MgおよびCaともに添加量は0.01%以上30%以下とし、かつ、Mg+Ca:0.02〜30%とした。ただし、Mg+Caの添加量の最適値は平均粒径によって変化し、一般にスプレー塗装において最適と考えられる平均粒径0.2〜30μmの場合には、下限は0.1%とし、上限は20%とすることが耐食性・防食性の向上効果、経済性の観点から好ましい。さらに、製造安定性、経済性、耐食性を考慮すると0.2%〜15%が好ましい。なお、本発明でいう物理的破砕面とは、球状の粒子の一部が欠落した形状を指す。Zn合金粒子が物理的破砕面を有することにより、後述のように耐食性・防食性の向上効果が顕著に得られる。
また、本発明でいうき裂とは、球状の粒子表面上に存在する長さ0.01μm以上、表面からの深さ0.01μm以上の割れを意味する。き裂は長さもしくは深さで0.01μm未満では十分な耐食性向上効果が得られず、0.01μm以上の長さもしくは深さを必要とする。
Zn合金粒子の平均粒径はスプレー塗装時に於ける付着性確保のため、0.05μm以上とし、刷毛塗り時の作業安定性確保のため、200μm以下とする。塗装安定性を考慮すると0.2〜50μmが好ましい。また、塗膜密着性を考慮すると0.2〜30μmが好ましい。
粒子のアスペクト比(最大径/最小径)の値は、塗装性の確保のため、スプレー塗装を前提とした場合には、2を超えると粒子の噴霧・飛行安定性が低下し、塗膜厚および塗膜中での粒子分布安定性が低下する。物理的破砕面および/または、き裂を粒子上に有する場合にはその安定性がやや低下することから、粒子のアスペクト比は平均値で1〜1.5とした。従って値が1.5を超えるアスペクト比の粒子が部分的に存在しても問題とはならない。さらに上記したアスペクト比の値の範囲は原料としてのZn合金粒子を規定するものであり、実際に塗料に混ぜて使用するまでに、空気中の水分等を吸収して、これらのZn合金粒子が凝集し結合した場合や、塗膜として鋼材上で硬化した場合のそれぞれの粒子が結合した場合等のZn合金粒子の形状までも規定するものではない。また、製造時や保管時に、Zn合金粒子表面に小さな凹凸が生じることもあるが、これらによる形状変化もアスペクト比の平均値が1〜1.5という球状や楕円球状から逸脱するものとはしない。
さらに本発明では、上記構成の粒子にAl:0.01〜30%、Si:0.01〜3%の1種又は2種を含有することができる。Alは物理的破砕面および/または、き裂を有する粒子に0.01%以上添加することで、さらに防錆性が向上する。Al添加量を約0.01%以上とすることで防錆性に加えて、粒子の自己腐食に対する耐食性が著しく向上するが、Mg+Ca+Al+Siが、30%を超えて添加しても効果が飽和するばかりか、金属粒子に物理的破砕面および/または、き裂を形成することが困難となることから、Mg+Ca+Al+Siの添加量は0.03〜30%とした。さらに製造安定性、耐食性の観点から0.5〜20%が好ましい。さらに、経済性を考慮すると、1.0〜10%が好ましい。なお、Siも同様に物理的破砕面および/または、き裂を有する粒子に0.01%以上添加することでさらに防錆性が向上するがその効果は3%を超えて添加すると逆に低下する事から、その添加量は0.01〜3%とした。製造安定性、耐食性の観点から0.5〜3%が好ましい。さらに、経済性を考慮すると、1.0〜1.5%が好ましい。
さらに本発明の物理的破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子では、破砕部および/または、き裂を含む粒子の表面にMg及びCa固溶相並びにZn−Mg−Ca金属間化合物を有することでさらに耐食性と防錆性を向上することが可能である。Mg及びCa固溶相とZn−Mg−Ca金属間化合物を表面に露出することで耐食性と防錆性が向上する理由については不明点が多いが、これらの相のいずれか一方以上が破砕面および/または、き裂に共存することでこれらの特性向上が特に安定に得られることを見いだしており、物理的破砕面および/または、き裂に存在することで、これらの相の化学的性質がより耐食性および防錆性に好ましいものに変化することを実験的に確認している。Mg及びCa固溶相及びZn−Mg−Ca金属間化合物はX線回折法または、エネルギー分散型X線分析装置付き走査電子顕微鏡観察により、物理的破砕面またはき裂表面のMgとZnの組成比分析によって、同定することができる。
以上のように、本発明の物理的破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子は一面以上の物理的破砕面および/または、き裂の付与と同時に金属粒子の化学組成を制御することで耐食性および防錆性を従来になく向上することが可能であるが、さらにその破砕面を有する粒子の形状を非扁平の球状に近い多面体(き裂は面として含まない)で、面数が2面以上有する形状とすることで、一層優れた耐食性と防錆性および塗装性を同時に得ることができる。耐食性や防錆性向上の観点からは、物理的破砕面数は多いほど好ましいが、その破砕面数が1面以下では、現時点で理由は不明であるが、上記効果向上の効果のばらつきが大きくなる。また、平均のアスペクト比の値が2超で形状が極端に扁平な場合には、塗装時の作業性が低下し、好ましくない。従って、粒子の形状を非扁平の球状に近い多面体で(アスペクト比の平均値で1〜1.5)、面数が2面以上有する形状と規定した。さらに上記した形状範囲は原料としてのZn合金粒子を規定するものであり、実際に塗料に混ぜて使用するまでに、空気中の水分等を吸収して、これらのZn合金粒子が凝集し結合した場合や、塗膜として鋼材上で硬化した場合のそれぞれの粒子が結合した場合等のZn合金粒子の形状までも規定するものではない。また、製造時や保管時に、Zn合金粉末表面に小さな凹凸が生じることもあるが、これらによる形状変化もアスペクト比の平均値が1〜1.5という球状や楕円球状から逸脱するものとはしない。
次に、本発明のZn合金粒子の製造方法について説明する。
本発明の物理的破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子を製造するに際して、従来から一般的に使用されているボールミルやビーズミルを用いて物理的破砕面および/または、き裂を粒子に付与しようとすると、Zn合金粒子が大きく変形する。すなわち、破砕および/または、き裂の中でも圧延と分断が大きく作用し、本発明のアスペクト比の値を満足しかつ物理的破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子を得ることは極めて困難である。
本発明の上記した物理的破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子の製造では、予め請求項1又は2に係る発明に記載した化学組成からなる1次粒子を製造した後に、この1次粒子を互いに衝突させまたは、固体に衝突させて、該1次粒子を破砕し、該1次粒子であるZn合金粒子上に物理的破砕面および/または、き裂を形成することができる。
衝突によって物理的破砕面および/または、き裂を得るに際しては、一個一個の質量が大きい方が衝突時の物理的表面破砕および/または、き裂に寄与する運動エネルギーが確保できる一方で、実験的には1次粒子の平均粒径が1000μmを超えると上述した本発明で目標とする最大平均粒径200μmを得るための作業時間が著しく増大する。
一方、物理的破砕面および/または、き裂を有する最小平均粒径0.05μmのZn合金粒子は、平均粒径0.05μm以上の1次粒子で衝突回数を増大せしめることで得ることが可能である。以上の理由から、本発明では1次粒子の平均粒径を0.05〜1000μmとする。耐食性、防錆性を高めるためには、好ましくは、0.05〜100μm、更に耐食性、防錆性を確実に高めるためには、好ましくは、0.05〜30μmとする。ここで、1次粒子とは、前記衝突または破砕前のZn合金粒子をいい、1次粒子を得るに際しては、ミスト法、アトマイズ法、インゴット法など任意の方法を使用することができる。また、前記1次粒子と衝突に用いる固体には、平面、曲面を有する固体に加えて、表面が曲面で形成される固体粒子や表面が平面のみで構成される固体粒子を使用することが可能である。ここで、固体、固体粒子の材質は前記1次粒子と比較して硬さが高いことが必要で、また、水環境下で互いに接触したときに反応性を有しないものが好ましい。このような要求を満足する金属や焼結体等が例としてあげられる。
本発明における、以上の1次粒子を互いにまたは固体に衝突せしめ、Zn合金粒子上に物理的破砕面および/または、き裂を形成したZn合金粒子の製造において、1次粒子を搬送する媒体として溶媒を用い、さらに効率よく目標とする物理的破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子を製造することができる。ただし、1次粒子および破砕面および/または、き裂が付与されたZn合金粒子は反応活性が高いことから、溶媒には本発明の化学組成を有する金属との反応活性が低いもので、かつ、不純物として水を含む場合には0.3質量%以下に制限することが必要である。本発明における溶媒を限定するものではないが、例を挙げるとトルエンやキシレンなどの有機溶媒が適当である。具体的には、水分を0.3質量%以下に制限したトルエン若しくはキシレンまたはトルエンとキシレンの混合物中にZn合金粒子を含むものを、互いに対向するジェット噴流として正面衝突させて、または、ジェット噴流を十分な強度をもつ固体平面に衝突させることで、Zn合金粒子に物理的破砕面またはき裂を生じさせ、かつ、それら物理的破砕面またはき裂の表面の多くが、その新生面を保ち、酸化されない状態で、トルエン若しくはキシレンまたはトルエンとキシレンの混合物液中に得ることができる。Zn合金粒子の物理的破砕面および/または長さ0.01μm以上のき裂、もしくは深さ0.01μm以上のき裂の有無については、真空中でトルエン若しくはキシレンを蒸発させたZn合金粒子を走査電子顕微鏡観察することで、必要に応じて、EDS(エネルギー分散型X線分光)分析を併用することで判別できる。
本発明における上記した破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子は、利用に際して塗膜中に30%以上含有することが必要である。30質量%未満では耐食性等の効果が得られるまでに到らない。上限は、特に規定するものではないが、85%を超えると樹脂成分が少なくなり過ぎ、塗膜に欠陥が生じ易くなるため、85%以下が望ましい。なお、塗膜中の樹脂成分としては、成膜性を確保するために少なくとも15%とすることが好ましい。さらに、上記Zn合金粒子を30%以上含有していれば、それ以外の粉末粒子を添加しても良く、例えば(意匠性を目的とした)Al、ステンレス等の金属粉末や酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物粉末、タルク、石粉等の体質顔料を含有していても良い。
さらに本発明における上記した破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子は、利用に際して平均粒径0.05〜50μmのZn金属粒子を含有し、質量%で、前記Zn合金粒子量と前記Zn金属粒子量の比の値を1/xとしたとき、xを300以下で混在させて使用することができる。ここでいうZn金属粒子とは、Znおよび不可避的不純物からなる粒子を意味し、該Zn金属粒子と上記した破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子を混合して塗料顔料に用いることで、従来のようにZn金属粒子を単独使用した顔料に比較して著しく優れた耐食性・防錆性をもたらすが、Zn合金粒子量:Zn金属粒子量の質量%の比の値を1/xとしたとき、xが300.0超では、耐食性・防錆性の向上に及ぼす、Zn合金粒子の効果が十分に発揮されない。したがって、x値を300.0以下とした。さらに耐食性、経済性を考慮すると、x値は1〜120が好ましい。さらに混合安定性を考慮するとx値は1〜30が好ましい。また、本発明では混合に用いるZn金属粒子の平均粒径を0.05〜50μmとする。上記した本発明における耐食性向上の効果は、混合するZn金属粒子の平均粒径が0.05〜300μmの範囲で認められるが、工業的に安定かつ安価に供給可能な平均粒径であることから、Zn金属粒子の平均粒径を0.05〜50μmとした。
さらに、上記した本発明の破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子と前記Zn金属粒子の混合効果を発揮するためには、本発明の物理的破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子と前記Zn金属粒子の混合粒子の合計を100質量%としたとき、該混合粒子中に含まれるMgの含有量およびCaの含有量の合計が0.02〜30質量%未満の範囲にあることが必要である。Zn合金粒子がMg及びCaにさらにAlとSiの一方又は両方を含有する場合には、Mg、Ca、Al、Siの合計含有量を0.02〜30質量%未満の条件とする。さらに付け加えると破砕面および/または、き裂を有する合金粒子とZn金属粒子の混合効果が最も顕著な範囲である0.1〜20質量%とすることが耐食性向上の効果安定性からは好ましく、加えて経済性を考慮すると0.5〜15質量%とすることがより好ましいが、目的に応じて適宜適用できる。
なお本発明において塗料の樹脂成分すなわち、ベース樹脂の種類は、特に規定するものではなく、無機系、有機系いずれのバインダーでも利用できる。本発明の範囲を限定するものではないが、その例を挙げると無機系では、アルカリシリケートやアルキルシリケート等が、有機系ではエポキシ系樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂等が適宜適用できる。また、硬化剤の配合タイプも、1液硬化タイプや2液硬化タイプ等の複数液による効果タイプがその目的に応じ適宜適用できる。さらに硬化方法も、常温硬化、加熱硬化、UV硬化、電子線硬化、水中硬化等がそれぞれの目的に応じて適宜適用できる。
本発明の高耐食性防錆塗料が対象とする鋼材および鋼構造物については特に規定はないが、本発明の塗料を鋼材および鋼構造物の表面に塗布して耐食性や防食性を得るためには塗装厚みを2μm以上とすることが必要である。また、本発明が対象とする鉄鋼材料および鋼構造物とは、本発明の高耐食防錆塗料が厚さで2μm以上700μm以下、塗装されたものであって、鋼材化学組成、形状や構造、あるいは他の防食手段が併用される表面を有するものを含み、いずれを選択したとしてもそれをもって本発明の範囲を逸脱するものではない。なお、経済性、塗装作業性を考慮すると、本発明の高耐食防錆塗料の厚さは、2〜300μmがなお好ましい。本発明の技術的範囲を規定するものではないが、塗装対象として例を列挙すると、鋳鉄、炭素鋼、特殊鋼、ステンレス鋼、耐食鋼、溶接継手等が、形状としては厚板、薄板、鋼管、棒鋼、等々およびこれらを加工して得られる形状が、構造としては、(1)自動車や船舶等の内燃機関排気系統、ボイラ排気系統、低温熱交換機、焼却炉床等の高温湿潤腐食環境、(2)橋梁、支柱、建築内外装材、屋根材、建具、厨房部材、各種手すり、ガードレール、各種フック、ルーフドレイン、鉄道車両等の大気腐食環境、(3)各種貯蔵タンク、支柱、杭、矢板等の土壌腐食環境、(4)缶容器、各種容器、低温熱交換機、浴室部材、自動車構造部材等の結露腐食環境(冷凍、湿潤、乾燥が複合する腐食環境を含む)、(5)貯水槽、給水管、給湯管、缶容器、各種容器、食器、調理機器、浴槽、プール、洗面化粧台等の水道水腐食環境、(6)各種容器、食器、調理機器等の飲料水腐食環境、(7)各種鉄筋構造物、支柱等のコンクリート腐食環境、(8)船舶、橋梁、杭、矢板、海洋構造物等の海水腐食環境等々が、さらに、他の併用できる防食手段としてはめっき、塗装、電気防食等々がある。
以下に、実施例を用いて本発明を説明する。
表1〜4に示す条件で塗装試験片を作製した。Zn合金粒子(Zn−Mg−Ca合金粒子)はガスアトマイズ法により作成し、あるいはガスアトマイズ法を用いて作製したZn合金粒子を、比較例7〜10は、そのまま、それ以外は、さらに、このZn合金粒子同士を衝突させることによって、物理的破砕面および/または、き裂を有する細粒化したZn合金粒子を作製した。有機溶媒は、トルエンあるいはキシレンを用いた。トルエンおよびキシレンを用いた場合は、トルエンおよびキシレンは互いに完全に溶解した。具体的には、トルエン若しくはキシレンまたはトルエンとキシレンの混合物中に体積%で30〜45%のZn合金粒子を含むものを、互いに対向する1800〜2500気圧のジェット噴流として正面衝突させて、Zn合金粒子に物理的破砕面またはき裂を生じさせた。物理的破砕面およびき裂のないZn合金粒子はビーズミルあるいはボールミルにより製造した。
平均粒径はレーザー回折散乱法により測定した。したがって、粒径は球相当直径として評価した。また、アスペクト比の平均値は無作為に抽出した50〜100の粒子を走査型電子顕微鏡を用いて観察することにより測定した。
Zn合金粒子の物理的破砕面および/または長さ0.01μm以上のき裂、もしくは深さ0.01μm以上のき裂の有無については、真空中でトルエン若しくはキシレンを蒸発させたZn合金粒子を走査電子顕微鏡観察及びEDS分析することで、それぞれ無作為に抽出した50〜100個のZn合金粒子の形状を観察し、それぞれの粒子表面に物理的破砕面または、長さ0.01μm以上のき裂もしくは深さ0.01μm以上のき裂を有することを確認した。破砕面,き裂の有無については、◎破砕面及び/又はき裂有り、×:破砕面および/き裂無し、として表1〜7に示した。
Zn合金粒子の面数は、上記と同様の走査電子顕微鏡観察において決定した。当該観察では、それぞれの粒子の片面しか見ていないが、影になっている反対側にも、同様の形状が連続的、面対称的に存在しているものと仮定して面数を判断し、その平均値を有効数字1桁で表した。
Mg及びCa固溶相は、X線回折法により同定した。また、Zn−Mg−Ca金属間化合物は、X線回折法または、エネルギー分散型X線分析装置付き走査電子顕微鏡観察による物理的破砕面またはき裂表面のMg、CaとZnの組成比分析により同定した。金属間化合物として、Ca2Mg6Zn3、(Ca,Mg)Zn2、(Ca,Mg)Znの存在が確認できた。
なお、塗料調合は一般的な方法で実施し、バインダーは市販のアルカリシリケートあるいはアルキルシリケート樹脂の無機系バインダー、または市販の4種類の有機系バインダーを使用した。刷毛塗装又はスプレー塗装により、鋼板に調合した塗料を塗布した。
評価試験は、JIS K 5600に準拠した塩水噴霧試験(5%NaCl噴霧、35度)を実施した。塗装試験片には、サイズが150×70×3.2mmの試験片を用い、その試験片下部には、カッターでXカットを挿入した。腐食試験の評価は、試験片表面からの赤錆発生時間で評価することとし、赤錆発生時間が2000時間未満で赤錆が発生した場合は、耐食性不良と評価し、表中×で表示した。また、赤錆発生時間が2000以上4000時間未満の間の場合は、耐食性わずかに不良と評価し、表中△で表示した。また、赤錆発生時間が4000時間以上6000時間未満の場合は、耐食性良と評価し、表中○で表示し、赤錆発生時間が6000時間以上または1万時間経過まで赤錆発生なしの場合は、耐食性極めて良好と評価し、表中◎で表示した。
表1が比較例である。本発明範囲から外れる数値にアンダーラインを付している。
表2から表4が本発明例である。本発明のZn合金粒子を用い、本発明条件で作製した塗装試験片は、無機系、有機系のバインダーとも優れた耐食性を示すことが判る。
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表5から表7にZn合金粒子とZn金属粒子とを混合させた場合の結果を示す。Zn金属粒子を混合させた以外は、上記実施例1と同様である。表5〜7より、本発明のZn合金粒子とZn金属粒子との混合粒子を用いた塗装試験片は、無機系、有機系のバインダーとも優れた耐食性を示すことが判る。
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Claims (9)

  1. 質量%で、Mg:0.01〜30%およびCa:0.01〜30%を含有し、かつ、Mg+Ca:0.02〜30%、残部Zn及び不可避的不純物からなり、物理的破砕面および/または長さ0.01μm以上のき裂、もしくは深さ0.01μm以上のき裂を有し、平均粒径が0.05〜200μmで、最大径と最小径のアスペクト比(最大径/最小径)の平均値が1〜1.5であることを特徴とする高耐食性防錆塗料用Zn合金粒子。
  2. 更に、質量%で、Al:0.01〜30%、Si:3%以下の1種又は2種を含有し、かつ、Mg+Ca+Al+Si:0.03〜30%、残部Zn及び不可避的不純物からなる請求項1記載の高耐食性防錆塗料用Zn合金粒子。
  3. 前記Zn合金粒子の表面にMg及びCa固溶相並びにMg及びCaを含むZn系金属間化合物を有することを特徴とする請求項1又は2記載の高耐食性防錆塗料用Zn合金粒子。
  4. 非球状多面体で、面数が2面以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の高耐食性防錆塗料用Zn合金粒子。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のZn合金粒子を、乾燥塗膜換算で30質量%以上含有することを特徴とする高耐食性防錆塗料。
  6. 前記Zn合金粒子に加え、さらに平均粒径0.05〜50μmのZn及び不可避的不純物からなるZn金属粒子を分散させた高耐食性防錆塗料であって、質量%で、(前記Zn合金粒子量):(前記Zn金属粒子量)の比の値を1/xとしたとき、xが300.0以下であり、前記Zn合金粒子と前記Zn金属粒子の混合粒子の合計を100質量%としたとき、該混合粒子中に含まれるMg、Ca、Al、Siの合計含有量が0.02〜30質量%未満であることを特徴とする請求項5記載の高耐食性防錆塗料。
  7. 前記高耐食性防錆塗料のバインダーが、無機系バインダーまたは、有機系バインダーのいずれかであることを特徴とする、請求項5又は6に記載の高耐食性防錆塗料。
  8. 鋼材面に請求項5〜7の何れか1項に記載の高耐食性防錆塗料が塗装された鉄鋼材料であって、塗装厚みが2〜700μmで、前記Zn合金粒子、又は前記Zn合金粒子及び前記Zn金属粒子が塗膜中に分散していることを特徴とする高耐食性鉄鋼材料。
  9. 請求項8に記載の高耐食性鉄鋼材料を一部又は全部に有することを特徴とする鋼構造物。
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