JP5130018B2 - 長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト、本ペーストを調合した高耐食性防錆塗料ならびに本高耐食性防錆塗料を塗装した鋼材および鋼構造物 - Google Patents

長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト、本ペーストを調合した高耐食性防錆塗料ならびに本高耐食性防錆塗料を塗装した鋼材および鋼構造物 Download PDF

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Description

本発明は、長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト、これを調合した高耐食性防錆塗料、これを塗装した高耐食性防錆塗装鋼材および鋼構造物に関し、特に、長期間保管した塗料用ペーストで調合した塗料を各種鉄鋼材料表面に塗布したときに著しく優れた犠牲防食作用・長期防錆性を発揮する塗料用ペースト、高耐食性防錆塗料、高耐食性防錆塗料塗装鋼材および鋼構造物に関する。
鉄鋼材料の腐食対策として、不可避的不純物を含有するZn金属粒子を顔料とし有機材、無機材をビヒクル(液状バインダー成分)とした構成のジンクリッチペイントが多用されている。ジンクリッチペイントは主に重防食塗装の下塗りに用いられるが、その防食機構の特徴は塗膜に含まれるZn金属粒子の犠牲防食作用である。しかし、ジンクリッチペイントの塗膜の防食能は、前述のようにZn金属粒子の犠牲防食作用に強く依存することから、使用環境によっては、亜鉛の消失速度が大きく鉄鋼材料に対する保護作用が長続きしない場合がある。
そこで、塗膜中のZn金属粒子の含有量を高めたり、膜厚を厚くしたりする等の対策がとられているが、鋼材面との密着性の低下や塗膜のヒビ割れ或いはダレなどが起こりやすくなり、塗膜の防食性能と物理的性質や施工性を両立しがたく万全とはいえない。
このような状況にあって、従来のジンクリッチペイントの長所を保持し、更に長期にわたり犠牲防食作用を発揮する高性能ジンクリッチペイントの開発が期待され、これまでにも各種の提案がなされてきた。例えば、特許文献1から、特許文献4では、Zn金属粒子の他にZn−Mg合金粒子またはZn−Mg−Al合金粒子を含有させた有機系ジンクリッチペイントに関する発明が、また特許文献5では、Zn金属粒子の他にZn−Mg合金粒子とMn金属粒子を含有させた有機系ジンクリッチペイントに関する発明が提案された。
このような状況の中、これらの有機系塗料の紫外線や水分、酸素などの影響を受ける複合環境では劣化し、比較的短期間でのメンテナンスが必要になる等の欠点を有しない無機系塗料の防食性能向上を目的に、これまでにいくつかの提案がなされてきた。例えば、本発明とは目的が異なるが、特許文献6では、溶接・溶断時塗装劣化の抑制を目標にZn金属粒子とMgまたはMg合金の混合物を含有する塗料組成物に関する発明が提案されている。
特開昭59−052645号公報 特開昭59−167249号公報 特開平1−311178号公報 特開2001−164194号公報 特開昭59−198142号公報 特開昭61−213270号公報
しかしながら、上記特許文献1から4に記載のZn−Mg系合金粒子中のMgは酸化しやすいこと、Zn−Mg系合金粒子が凝集・沈降しやすいことから、Zn−Mg系合金粒子作製後、直ちに塗料調合・塗装を実施しなければ、合金粒子自身が凝集・沈降・硬化・変質し、十分な耐食性が得られない問題が生じ、更なる改善が求められていた。
そこで、本発明は、分散剤を含有する有機溶媒中にZn合金粒子を添加し、長期間保管した耐食性防錆塗料用ペーストでも無機系または有機系のバインダーと組み合せることで、従来為し得られなかった極めて著しい耐食性・防錆性を発揮する高耐食性防錆塗料用ペースト、高耐食性防錆塗料及び高耐食性鉄鋼材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々検討の結果、分散剤を含有する有機溶媒中に、質量%で、Mg:00.1〜30%を含有し、残部Zn及び不可避的不純物からなり、平均粒径が0.01〜200μmのZn合金粒子が顔料として分散されている高耐食性防錆塗料用ペーストを作製し、作製した塗料用ペーストを、分散剤を含む有機溶媒中に長期間保管しても製造直後の塗料用ペーストと同様の著しい耐食性を発揮することを新たに見出し、本発明の基本を構築するに至った。
さらに、上記高耐食性防錆塗料用ペーストの長期保管性を詳細検討し、前記分散剤は平均粒径が0.1〜100nmのシリカを用い、そのシリカは高耐食性防錆塗料用ペースト中の有機溶媒に対し、含有率が質量%で、0.1〜10%のとき著しい長期保管性を発揮することを見出した。
さらに、上記高耐食性防錆塗料用ペーストで調合した高耐食性防錆塗料または高耐食性防錆塗装鋼板の耐食性・防錆性のさらなる向上可能性を詳細に検討し、Zn合金粒子中に質量%で、Al:0.01〜30%、Si:0.01〜3%の1種または2種を含有することで、さらなる防錆性が発現すること、破砕面および/または、き裂にMgZn2、Mg2Zn11、Mg2Zn3、MgZnまたは、Mg7Zn3のうち、1種以上を配置することでさらなる耐食性・長期保管性が達成できることを見出した。
さらに、高耐食性防錆塗料用ペーストを含む有機溶媒がトルエンあるいはキシレンである場合に、安定して優れた長期保管性能を発現し得ることを見出したものである。上記のZn合金粒子を含有する高耐食性防錆塗料用ペーストは、そのままで優れた耐食性・防錆性をもたらすが、さらなる検討の結果、従来から顔料として一般的に用いられているZn金属粒子と混合し、塗料調合後、鋼板表面などの塗装に用いたものは、Zn金属粒子を単独使用し、鋼板表面などの塗装に用いたものと比較して著しく優れた耐食性・防錆性をもたらすことを見出した。
本発明は以上の検討の結果もたらされたもので、その具体的な課題解決の手段は、以下のとおりである。
(1)シリカ、アルミナ、ポリアミド、ポリエチレン、カーボンブラックの何れか1種又は2種以上からなる分散剤を含有する有機溶媒中に、Zn合金粒子が顔料として分散されており、該Zn合金粒子は、質量%で、Mg:0.01〜30%を含有し、残部Zn及び不可避的不純物からなり、
前記Zn合金粒子は、物理的破砕面および/またはさもしくは深さ0.01μm以上のき裂を有し、該物理的破砕面とき裂は、ガスアトマイズ法により作製したZn合金粒子同士を、含水率0.8質量%以下のトルエンまたはキシレン中に添加しスラリー状としたものを、対向するジェット噴流とし、互いに衝突させることにより形成されてなり、
前記Zn合金粒子は平均粒径が0.05〜200μmであることを特徴とする、長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト。
(2)前記分散剤の含有率が、前記ペースト中の有機溶媒に対し、質量%で、0.1〜10%であることを特徴とする、前記(1)に記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト。
(3)前記Zn合金粒子の表面にMg固溶相及びZn−Mg金属間化合物を有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト。
(4)前記Zn−Mg金属間化合物が、MgZn2、Mg2Zn11、Mg2Zn3、MgZnまたは、Mg7Zn3のうち、1種以上を含むことを特徴とする前記(3)に記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト。
(5)前記Zn合金粒子が、非球状多面体で、面数が2面以上であることを特徴とする前記(1)〜(4)の何れかに記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト。ここで、一つの閉じた稜線で囲まれる平面または曲面を1つの面とする。
(6)前記Zn合金粒子が、更に、質量%で、Al:0.01〜30%、Si:0.01〜3%の1種または2種を含有することを特徴とする、前記(1)〜(5)の何れかに記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト。
(7)前記有機溶媒が、トルエンおよび/またはキシレンであることを特徴とする、前記(1)〜(6)の何れかに記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト。
(8)前記(1)〜(7)の何れかに記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペーストと無機系バインダーとから調合され、乾燥塗膜中のZn合金粒子の含有率が、質量%で、30%以上であることを特徴とする、高耐食性防錆塗料。
(9)前記(1)〜(7)の何れかに記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペーストと、Zn及び不可避的不純物からなるZn金属粒子と無機系バインダーから調合された高耐食性防錆塗料であって、質量%で、(前記Zn合金粒子量):(前記Zn金属粒子量)の比の値を1/xとしたとき、xが300.0以下であって、乾燥塗膜中のZn合金粒子およびZn金属粒子の金属粒子混合物の含有率が、質量%で、30%以上85%以下であり、かつ、該金属粒子混合物中のMg濃度が、質量%で、Mg:0.01%以上30%未満であることを特徴とする高耐食性防錆塗料。
(10)前記無機系バインダーに代えて、有機系バインダーで調合されることを特徴とする、前記(8)または(9)に記載の高耐食性防錆塗料。
(11)鋼材面に前記(8)〜(10)の何れかに記載の高耐食性防錆塗料が塗装された鋼材であって、塗装厚みが2〜700μmであり、該塗膜中に、前記Zn合金粒子、または前記Zn合金粒子及び前記Zn金属粒子が分散していることを特徴とする、高耐食性防
錆塗装鋼材。
(12)前記(11)に記載の高耐食性防錆塗装鋼材を一部または全部に有することを特徴とする、鋼構造物。
本発明の高耐食性防錆塗料用ペーストは、従来にない極めて優れた長期保管性を発揮し、その高耐食性防錆塗料用ペーストで調合した高耐食性防錆塗料、高耐食性防錆塗料塗装鋼材および鋼構造物により、優れた犠牲防食効果と長期にわたる優れた防錆性の両者を併せ持つことが可能となるため、その産業上の効果は計り知れない。
本発明における高耐食性・防錆性を付与するZn合金粒子を含有する高耐食性防錆塗料用ペーストは、分散剤を含有する有機溶媒中に、質量%で、Mg:0.01〜30%を含有し、残部Zn及び不可避的不純物からなり、平均粒径が0.05〜200μmのZn合金粒子が顔料として分散されていることを特徴とする。
本発明では、Zn合金粒子中のMg含有量は、質量%で、Mg:0.01〜30%とすることが必要である。Zn合金粒子を有し、かつ平均粒径が0.01〜200μmの場合に、Mg0.01質量%未満では、Zn合金粒子による耐食性が十分に得られない。一方、Mgを30質量%超添加すると、上記効果が飽和するばかりか、経済性および製造性を阻害することから、Mgの添加量は0.01〜30質量%とした。
ただし、より好ましいMg添加量の最適値はZn合金粒子の平均粒径によって変化し、一般にスプレー塗装において最適と考えられる平均粒径0.2〜30μmの場合には、下限は0.1質量%であるが、上限は20質量%とすることが耐食性・防錆性の向上効果、経済性の観点から好ましい。さらに、製造安定性、経済性、耐食性を考慮すると0.2%〜15%が好ましい。
Zn合金粒子の平均粒径は、スプレー塗装時に於ける付着性確保のため、0.01μm以上とし、刷毛塗り時の作業安定性確保のため、200μm以下とする。
さらに、上記合金粒子に分散剤を添加することで、長期にわたり十分な耐食性を発揮する塗料用ペーストが本発明の技術思想である。
有機溶媒中に含まれる分散剤の役割としては、合金粒子表面に付着することで合金粒子の凝集・沈降を防ぐ役割を果たすものである。例えば、粒子の表面に吸着し粒子の凝集・沈降を防止する界面活性物質のものと、ポリマーから凝集網目構造を形成し、粒子の凝集・沈降を防止するものがある。これら分散剤は、アニオン性化合物、カチオン性化合物、非イオン性化合物、高分子化合物があり、粒子の表面を改質できる。これら分散剤の塗料用ペーストへの混合はディソルバーで攪拌後、さらにビーズミルやパールミル、三本ロールを使用し、本分散することが望ましい。本発明では、有機溶媒中でその効果を発揮する疎水性の界面活性物質または沈降防止型の分散剤が好ましく、また分散剤の種類は、種々検討されているが、分散速度、分散安定性に優れたものを使用することが好ましい。例えば、シリカ、アルミナ、ポリアミド、ポリエチレンなどが挙げられる。
分散剤について平均粒径が0.1〜100nmのシリカとした理由は、分散剤は、合金粒子の表面の性質を改良するために添加するものであり、シリカが適しているが、シリカの平均粒径が0.1nmより小さい場合は、その効果が飽和するばかりか、合金粒子本来の犠牲防食効果を低減させることおよび、シリカの平均粒径が100nm超では分散剤としての効果が十分に発揮されないことから100nm以下に限定した。また、シリカ含有率を高耐食性防錆塗料用ペースト中の有機溶剤に対し、質量%で、0.1〜10%とした理由は、0.1%未満では分散剤としての本来の役割を十分発揮できず、また、10%超では粘性が非常に大きくなり、ハンドリング性、分散性が著しく低下するからである。
本発明で提示する長期保管性能に優れたとは、塗料用ペーストを作製後、長期間保管したものでも塗料用ペーストを製造直後と同様の性能で塗料調合し、耐食性・防錆性を発揮するものを示す。長期保管期間は使用できる高耐食性防錆塗料用ペーストを作製後、約1年程度である。塗料用ペーストは密閉性の高い状態で保管すれば、一度塗料用ペーストを開封し使用しても十分な性能が確保されるが、密閉性が低い状態での保管は、金属粒子の酸化が促進されることから、約半年程度で使用することが好ましい。
さらに、詳細検討し、本発明のZn合金粒子が物理的破砕面および/または、き裂を有し、平均粒径が0.05〜200μmで、最大径と最小径のアスペクト比(最大径/最小径)の平均値が1〜1.5を有するとさらに耐食性と防錆性、長期保管性を向上させることができる。本発明でいう物理的破砕面とは、球状の粒子の一部が欠落した形状を指す。Zn合金粒子が物理的破砕面を有することにより、後述のように耐食性・防錆性の向上効果が顕著に得られる。また、本発明でいうき裂とは、球状の粒子表面上に存在する長さ0.01μm以上、表面からの深さ0.01μm以上の割れを意味する。き裂は長さもしくは深さで0.01μm未満では十分な耐食性向上効果が得られず、0.01μm以上の長さもしくは深さを必要とする。
平均粒径が0.05〜200μmで、最大径と最小径のアスペクト比の平均値が1〜1.5であって、物理的破砕面および/または長さ0.01μm以上のき裂、もしくは深さ0.01μm以上のき裂を有するZn合金粒子を作製する方法としては、ガスアトマイズ法またはミスト法により作製したZn合金粒子同士を、含水率0.8質量%以下のトルエンまたはキシレン中に添加しスラリー状としたものを、対向するジェット噴流とし、互いに衝突させる方法によって細粒化することで製造できる。また、前記ジェット噴流を平板状の固体に垂直に衝突させる方法でも製造できる。粒子のアスペクト比(最大径/最小径)の値は、塗装性の確保のため、スプレー塗装を前提とした場合には、2を超えると粒子の噴霧・飛行安定性が低下し、塗膜厚および塗膜中での粒子分布安定性が低下する。物理的破砕面および/または、き裂を粒子上に有する場合にはその安定性がやや低下することから、粒子のアスペクト比は平均値で1〜1.5とした。従って値が1.5を超えるアスペクト比の粒子が部分的に存在しても問題とはならない。さらに上記したアスペクト比の値の範囲は原料としてのZn合金粒子を規定するものであり、実際に塗料に混ぜて使用するまでに、空気中の水分等を吸収して、これらのZn合金粒子が凝集し結合した場合や、塗膜として鋼材上で硬化した場合のそれぞれの粒子が結合した場合等のZn合金粒子の形状までも規定するものではない。また、製造時や保管時に、Zn合金粒子表面に小さな凹凸が生じることもあるが、これらによる形状変化もアスペクト比の平均値が1〜1.5という球状や楕円球状から逸脱するものとはしない。
さらに本発明の物理的破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子では、破砕部および/または、き裂を含む粒子の表面にMg固溶相及びZn−Mg金属間化合物を有することでさらに耐食性と防錆性を向上することが可能である。Mg固溶相とZn−Mg金属間化合物を表面に露出することで耐食性と防錆性が向上する理由については不明点が多いが、これらの相の何れか一方以上が破砕面および/または、き裂に共存することでこれらの特性向上が特に安定に得られることを見いだしており、物理的破砕面および/または、き裂に存在することで、これらの相の化学的性質がより耐食性および防錆性に好ましいものに変化することを実験的に確認している。
Mg固溶相及びZn−Mg金属間化合物はX線回折法または、エネルギー分散型X線分析装置付き走査電子顕微鏡観察により、物理的破砕面またはき裂表面のMgとZnの組成比分析によって、同定することができる。
さらに、本発明では上記金属間化合物相をMgZn2、Mg2Zn11、Mg2Zn3、MgZnまたは、Mg7Zn3のうち、1種以上を含むことで、上記の耐食性と防錆性はより一層向上させることが可能である。MgZn2、Mg2Zn11、Mg2Zn3、MgZnまたは、Mg7Zn3はX線回折法または、エネルギー分散型X線分析装置付き走査電子顕微鏡観察による物理的破砕面またはき裂表面のMgとZnの組成比分析によって、同定することができる。
以上のように、本発明の物理的破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子は一面以上の物理的破砕面および/または、き裂の付与と同時に金属粒子の化学組成を制御することで耐食性および防錆性を従来になく向上することが可能であるが、さらにその破砕面を有する粒子の形状を非扁平の球状に近い、一つの閉じた稜線で囲まれる平面または曲面を1面とした、多面体(き裂は面として含まない)で、面数が2面以上有する形状とすることで、一層優れた耐食性と防錆性および塗装性を同時に得ることができる。耐食性や防錆性向上の観点からは、物理的破砕面数は多いほど好ましいが、その破砕面数が1面以下では、現時点で理由は不明であるが、上記効果向上の効果のばらつきが大きくなる。また、平均のアスペクト比の値が2超で形状が極端に扁平な場合には、塗装時の作業性が低下し、好ましくない。従って、粒子の形状を非扁平の球状に近い多面体で(アスペクト比の平均値で1〜1.5)、面数が2面以上有する形状と規定した。
さらに、本発明では、上記Zn合金粒子に、質量%で、Al:0.01〜30%、Si:0.01〜3%の1種または2種を含有することができる。
Alは、上記Zn合金粒子に、0.01質量%以上添加することで、さらに防錆性が向上させる作用を有する。Al添加量を2質量%以上とすることで防錆性に加えて、粒子の自己腐食に対する耐食性が著しく向上するが、30質量%を超えて添加しても効果が飽和するため、Al添加量は0.1〜30質量%とした。さらに製造安定性の観点から、0.1〜20%が好ましい。
Siも、Alと同様に、Zn合金粒子に0.01質量%以上添加することでさらに防錆性が向上するがその効果は3質量%を超えて添加すると逆に低下することから、その添加量は0.01〜3質量%とした。製造安定性、耐食性の観点から0.5%〜3%が好ましい。さらに、経済性を考慮すると、1.0〜1.5%が好ましい。
さらに、本発明の有機溶媒であるが、トルエンおよび/またはキシレンにすることで更に優れた犠牲防食効果と長期の防錆効果を得ることができる。理由については不明な点が残されているが、トルエン、キシレン中に極微量含まれる水分が塗料中に均一に分散されることによると推定している。トルエンおよび/またはキシレン以外では、ガソリン、灯油、軽油に含まれるオクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン等のアルカン炭化水素あるいは、パラフィン類のうちの1種または2種以上の混合物でも同じ効果が得られる。
さらに、本発明の高耐食性防錆塗料用ペーストは、無機系バインダーと塗料調合し、塗装しても著しい耐食性効果が得られる。
また、本発明のZn合金粒子を含有する高耐食性防錆塗料用ペーストとZn金属粒子を混合し、無機系バインダーと塗料調合し、塗装しても良い。
本発明では高耐食性防錆塗料用ペーストとの混合に用いるZn金属粒子の平均粒径を0.05〜50μmとする。上記した本発明における耐食性向上の効果は、混合するZn金属粒子の平均粒径が0.1〜300μmの範囲で認められるが、工業的に安定かつ安価に供給可能な平均粒径であることから、Zn金属粒子の平均粒径を2〜50μmとした。
本発明における上記した破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子は、利用に際して平均粒径0.05〜50μmのZn金属粒子を含有し、質量%で、前記Zn合金粒子量と前記Zn金属粒子量の比の値を1/xとしたとき、xを300以下で混在させて使用することができる。ここでいうZn金属粒子とは、Znおよび不可避的不純物からなる粒子を意味し、該Zn金属粒子と上記した破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子を混合して塗料顔料に用いることで、従来のようにZn金属粒子を単独使用した顔料に比較して著しく優れた耐食性・防錆性をもたらすが、Zn合金粒子量:Zn金属粒子量の質量%の比の値を1/xとしたとき、xが300.0超では、耐食性・防錆性の向上に及ぼす、Zn合金粒子の効果が十分に発揮されない。したがって、x値を300.0以下とした。さらに耐食性、経済性を考慮すると、x値は1〜120が好ましい。さらに混合安定性を考慮するとx値は1〜30が好ましい。また、本発明では混合に用いるZn金属粒子の平均粒径を0.05〜50μmとする。上記した本発明における耐食性向上の効果は、混合するZn金属粒子の平均粒径が0.05〜300μmの範囲で認められるが、工業的に安定かつ安価に供給可能な平均粒径であることから、Zn金属粒子の平均粒径を0.05〜50μmとした。
一方、上記した本発明と前記Zn金属粒子の混合効果は、おおよそ全防錆顔料中に含まれるMgの含有量でも整理することが可能で、塗膜中のZn金属粒子とZn合金粒子の配合比率は、全体のMg量は、0.01%未満だとMg添加による十分な防錆性能の向上効果が得られず、また30%を超えて添加するとMg添加効果が逆に低下するので、その全体のMg量の範囲は0.01〜30%未満に限定した。更に、Mg含有量が多いほど耐食性が向上する一方、MgはZnに比較して原料コストが高いので、Mg添加により原料コストは増加する。従って、耐食性、経済性を鑑みると、全体のMg量の範囲は、0.01〜20%が好ましい。さらに、効果安定性、製造安定性の観点から0.5〜15%が好ましい。
次に乾燥塗膜中でのZn合金粒子またはZn合金粒子とZn金属粒子の含有量は、質量%で、30質量%以上含有することが必要である。30質量%未満では耐食性等の効果が得られるまでに到らない。上限は、特に規定するものではないが、85質量%を超えると樹脂成分が少なくなり過ぎ、塗膜に欠陥が生じ易くなるため、85質量%以下が望ましい。なお、塗膜中の樹脂成分としては、成膜性を確保するために少なくとも15%とすることが好ましい。さらに、上記Zn合金粒子を30%以上含有していれば、チタン、カーボン、べんがら、クロムバーミリオン、紺青、黄鉛などの着色顔料や、鉛丹、亜酸化鉛、塩基性クロム酸鉛などの錆止め顔料、炭酸カルシウム、タルクなどの体質顔料を添加しても良い。
なお、ペースト中のZn合金粒子または、Zn合金粒子およびZn金属粒子の混合粒子の割合は、いずれの場合も、取り扱いのしやすさから、質量%で当初60〜95%に調整することが多いが、これらのペーストを用いた塗料を作製するために、Zn合金粒子または、Zn合金粒子およびZn金属粒子の混合粒子を、塗料作製の度に、順次、払い出すと、最終的にはペースト中のZn合金粒子または、Zn合金粒子およびZn金属粒子の混合粒子の割合は、当然0%まで減少する。したがって、ペースト中のZn合金粒子または、Zn合金粒子およびZn金属粒子の割合の範囲については、特に指定する意義はない。
ただし、Zn合金粒子または、Zn合金粒子およびZn金属粒子の混合粒子のペースト中の割合は、経済性の観点から、1%以上必要であり、また、当該粒子の分散の必要性から、上限は99%が望ましい。さらに、経済性または取り扱い性を重視する場合は、5%以上95%以下の範囲が望ましい。なお、ペースト中のZn合金粒子または、Zn合金粒子およびZn金属粒子の割合が0%超〜99%の範囲内で、変化しても、その変化によって、当該ペーストを用いて作製した塗料の、鋼材への耐食性・防錆性付与能力が、影響を受けることは、ほとんどない。
なお、本発明において、塗料の樹脂成分(バインダー)は、特に限定するものではなく、無機系バインダー、有機系バインダーのいずれの樹脂(バインダー)でも利用できる。本発明の範囲を限定するものではないが、その例を挙げると無機系バインダーでは、アルカリシリケートやアルキルシリケート等が、有機系バインダーでは、エポキシ系樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂等が適宜適用できる。また、無機系バインダー中に溶剤を混合することで塗装しやすさを向上させることもできる。その際に使用する溶剤は、イソプロピルアルコールなどのアルコール類が好ましい。また、硬化剤の配合タイプも、1液硬化タイプや2液硬化タイプ等の複数液による硬化タイプがその目的に応じ適宜適用できる。さらに、硬化方法も、常温硬化、加熱硬化、UV硬化、電子線硬化、水中硬化等がそれぞれの目的に応じて適宜適用できる。
本発明の高耐食性防錆塗料が塗布の対象とする鋼材および鋼構造物については特に限定するものではないが、本発明の高耐食性防錆塗料を鋼材および鋼構造物の表面に塗布して耐食性や防錆性を得るためには、塗装厚みを2μm以上とすることが必要である。
また、本発明が対象とする高耐食性防錆塗料塗装鋼材および鋼構造物とは、本発明の高耐食性防錆塗料が厚みで2〜700μm以上塗布されたものであって、鋼材の化学組成や、その形状、構造等は限定するものではなく、また、他の防食手段が併用される表面を有するものを含み、いずれを選択したとしてもそれをもって本発明の範囲を逸脱するものではない。本発明の範囲を限定するものではないが、本発明に好適な鋼材としては、幾つかの例を列挙すると、通常の炭素鋼の他、微量元素として、例えばCr、Cu、Mo、Ni、Sb、Ti、Nb、V、Mo、Al、Si、W、P、Ca、REM等を含有する、鋳鉄、炭素鋼、特殊鋼、ステンレス鋼、耐食鋼、溶接材料等々が挙げられる。また、その形状としては、厚板、薄板、鋼管、棒鋼、等々およびこれらを加工して得られる形状が挙げられる。また、適用される腐食環境としては、(1)自動車や船舶等の内燃機関排気系統、ボイラ排気系統、低温熱交換機等の高温湿潤腐食環境、(2)橋梁、支柱、建築内外装材、屋根材、建具、厨房部材、各種手すり、ガードレール、各種フック、ルーフドレイン、鉄道車両等の大気腐食環境、(3)各種貯蔵タンク、支柱、杭、矢板等の土壌腐食環境、(4)缶容器、各種容器、低温熱交換機、浴室部材、自動車構造部材等の結露腐食環境(冷凍、湿潤、乾燥が複合する腐食環境を含む)、(5)貯水槽、給水管、給湯管、缶容器、各種容器、浴槽、プール、洗面化粧台等の水道水腐食環境、(6)各種容器、配管等の飲料水腐食環境、(7)各種鉄筋構造物、支柱等のコンクリート腐食環境、(8)船舶、橋梁、杭、矢板、海洋構造物等の海水腐食環境等々が挙げられる。
以下に、実施例を用いて本発明を説明する。
表1〜表4Eのそれぞれ塗料用ペーストの内容の欄に示す条件で塗料用ペーストを作製した。表1〜表4Eでは、Zn合金粒子は、ガスアトマイズ法により作製したZn合金粒子同士を、含水率0.8質量%以下のトルエンまたはキシレン中に添加しスラリー状としたものを、対向するジェット噴流とし、互いに衝突させる方法によって細粒化し製造した、表面に物理的破砕面および/または長さ0.01μm以上のき裂もしくは深さ0.01μm以上のき裂を有するZn合金粒子を、使用した。なお、Zn合金粒子および後述のZn金属粒子の平均粒径を求めるにあたって、レーザー回折散乱法による測定方法を採用した。したがって、平均粒径は、球相当直径として評価している。
また、表2A、表3A、表3B、表3C、表3D、表4A、表4B、表4C、表4Dおよび表4Eの本発明例においては、電解放射型電子銃式の走査電子顕微鏡観察で、それぞれ無作為に抽出した50〜100個のZn合金粒子の形状を観察し、それぞれの粒子表面に物理的破砕面または、長さ0.01μm以上のき裂もしくは深さ0.01μm以上のき裂を有することを確認した。表中で、破砕面及び/又はき裂有りを◎、破砕面及びき裂無しを×で示した。一部のZn合金粒子では、表面に物理的破砕面および、長さ0.01μm以上のき裂もしくは深さ0.01μm以上のき裂を有していた。表3C、表3D、表4D、表4Eに記載の面数は、当該走査電子顕微鏡観察において決定した。当該観察では、それぞれの粒子の片面しか見ていないが、影になっている反対側にも、同様の形状が連続的、面対照的に存在しているものと仮定して面数を判断し、その平均値を有効数字1桁で表した。
表3B、表3C、表3D、表4Cおよび、表4D、表4Eの本発明例では、各ペーストで用いたZn合金粒子をジェット噴流として互いに衝突させて細粒化する前に、粉末X線回折法解析によって、Zn合金粒子に含まれる固溶体または、金属間化合物の種類を確認しておき、次に、前記細粒化した後に、エネルギー分散型X線分析装置付き走査電子顕微鏡観察によって、視野内で観察しやすい粒子の物理的破砕面または、長さ0.01μm以上のき裂もしくは深さ0.01μm以上のき裂表面を10箇所選んで分析し、そのMgとZnの組成比分析の結果と、前述の粉末X線回折法による測定結果から、それぞれの表面の固溶体および金属間化合物の存在の有無および、金属間化合物の種類を同定した。調査した各10箇所の表面のうち、1箇所でも固溶体および金属間化合物の存在が認められれば、固溶体および金属間化合物が「有」と判断し、そうでなければ「無」とした。また、金属間化合物の種類については、X線回折で、MgZn2、Mg2Zn11、Mg2Zn3、MgZnまたは、Mg7Zn3のうち、1種以上のZn−Mg金属間化合物の存在が確認され、かつ、X線回折で確認した当該金属間化合物のうち1種以上のMgとZnの組成比が、エネルギー分散型X線分析装置付き走査電子顕微鏡による、物理的破砕面または、き裂表面の分析においても、1箇所でも成分誤差10%以内で確認できた場合に、前記Zn−Mg金属間化合物の存在が1箇所でも確認できれば、「有」とし、そうでなければ「無」とした。表4、表4A、表4B、表4Cおよび、表4D、表4Eでは、前記Zn合金粒子に加え、Zn金属粒子を混合したものを使用した。
全ての実施例では、有機溶媒には、トルエン、キシレン、トルエンとキシレンの質量比1:1の混合物、または灯油を用い、有機溶媒中に分散剤(表1では分散剤として、シリカを使用)を各種濃度で添加したものを調整した。上記方法で調整した高耐食性防錆塗料用ペーストを試験管に保管し、ゴム栓で密閉し長期保管性の試験を開始した。また、上記保管したペーストを塗料調合した。なお、塗料調合は一般的な方法で実施し、バインダーは市販のアルカリシリケートあるいはアルキルシリケート樹脂の無機系バインダー、または市販の4種類の有機系バインダーを使用した。刷毛塗装またはスプレー塗装により、鋼板に調合した塗料を塗布した。
評価試験は長期保管による塗装性と腐食評価試験にて実施した。塗装性評価は、上記保管したペーストを塗料調合し、スプレー塗装を行い、塗料混合後、ぶつ発生なく、容易に攪拌され試験片表面が均一塗装できれば○、塗料調合後、ぶつが発生するが、メッシュで取り除けば塗装可能な場合は△、塗料調合後、試験片表面にだまを生じたり、スプレーガンがノズル詰まりを生じた場合は×とした。
腐食試験評価は、JIS K 5600に準拠した塩水噴霧試験(5%NaCl噴霧、35度)を実施した。塗装試験片には、サイズが150×70×3.2mmの試験片を用い、その試験片下部には、カッターでXカットを挿入した。腐食試験の評価は、試験片表面からの赤錆発生時間で評価することとし、赤錆発生時間が900時間未満で赤錆が発生した場合は、耐食性不良と評価し、表中×で表示した。また、赤錆発生時間が900以上1400時間未満の間の場合は、耐食性やや不良と評価し、表中△で表示した。また、赤錆発生時間が1400時間以上2000時間未満の間の場合は、耐食性良好と評価し、表中○で表示した。また、赤錆発生時間が2000時間以上の場合は、耐食性極めて良好と評価し、表中◎で表示した。
表1、表2、表2A、表3、表3A、表3B、および、表3Cより、本発明ペーストを用いて作製したZn合金粒子を含む塗料、または、表4、表4A、表4B、表4C、表4D、および、表4Eより、本発明ペーストを用いて作製したZn合金粒子とZn金属粒子を混合して含む塗料で作製した塗装試験片は無機系、有機系のバインダーとも優れた塗装性及び耐食性を示すことが判る。
なお、ペースト中のZn合金粒子およびZn金属粒子の合計した割合は、いずれの場合も、質量%で当初60〜95%に調整したが、これらのペーストを用いた塗料を作製するために、Zn合金粒子または、Zn合金粒子およびZn金属粒子の混合粒子を、塗料作製の度に、順次、払い出したため、最終的にはペースト中のZn合金粒子または、Zn合金粒子およびZn金属粒子の混合粒子の割合が0%超〜30%まで減少した。しかし、Zn合金粒子または、Zn合金粒子およびZn金属粒子の払い出しの度に、ペースト中のZn合金粒子または、Zn合金粒子およびZn金属粒子の割合が変化しても、その変化の度のペーストを用いて作製した塗料の、鋼材への耐食性・防錆性付与能力が、変動することは、見出されず、その影響は、無視できた。
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Claims (12)

  1. シリカ、アルミナ、ポリアミド、ポリエチレン、カーボンブラックの何れか1種又は2種以上からなる分散剤を含有する有機溶媒中に、Zn合金粒子が顔料として分散されており、該Zn合金粒子は、質量%で、Mg:0.01〜30%を含有し、残部Zn及び不可避的不純物からなり、
    前記Zn合金粒子は、物理的破砕面および/またはさもしくは深さ0.01μm以上のき裂を有し、該物理的破砕面とき裂は、ガスアトマイズ法により作製したZn合金粒子同士を、含水率0.8質量%以下のトルエンまたはキシレン中に添加しスラリー状としたものを、対向するジェット噴流とし、互いに衝突させることにより形成されてなり、
    前記Zn合金粒子は平均粒径が0.05〜200μmであることを特徴とする、長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト。
  2. 前記分散剤の含有率が、前記ペースト中の有機溶媒に対し、質量%で、0.1〜10%であることを特徴とする、請求項1に記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト。
  3. 前記Zn合金粒子の表面にMg固溶相及びZn−Mg金属間化合物を有することを特徴とする請求項1または2に記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト。
  4. 前記Zn−Mg金属間化合物が、MgZn2、Mg2Zn11、Mg2Zn3、MgZnまたは、Mg7Zn3のうち、1種以上を含むことを特徴とする請求項3記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト。
  5. 前記Zn合金粒子が、非球状多面体で、面数が2面以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト。ここで、一つの閉じた稜線で囲まれる平面または曲面を1つの面とする。
  6. 前記Zn合金粒子が、更に、質量%で、Al:0.01〜30%、Si:0.01〜3%の1種または2種を含有することを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト。
  7. 前記有機溶媒が、トルエンおよび/またはキシレンであることを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペースト。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペーストと無機系バインダーとから調合され、乾燥塗膜中のZn合金粒子の含有率が、質量%で、30%以上であることを特徴とする、高耐食性防錆塗料。
  9. 請求項1〜7の何れか1項に記載の長期保管性に優れた高耐食性防錆塗料用ペーストと、Zn及び不可避的不純物からなるZn金属粒子と無機系バインダーから調合された高耐食性防錆塗料であって、質量%で、(前記Zn合金粒子量):(前記Zn金属粒子量)の比の値を1/xとしたとき、xが300.0以下であって、乾燥塗膜中のZn合金粒子およびZn金属粒子の金属粒子混合物の含有率が、質量%で、30%以上85%以下であり、かつ、該金属粒子混合物中のMg濃度が、質量%で、Mg:0.01%以上30%未満であることを特徴とする高耐食性防錆塗料。
  10. 前記無機系バインダーに代えて、有機系バインダーで調合されることを特徴とする、請求項8または9に記載の高耐食性防錆塗料。
  11. 鋼材面に請求項8〜10の何れか1項に記載の高耐食性防錆塗料が塗装された鋼材であって、塗装厚みが2〜700μmであり、該塗膜中に、前記Zn合金粒子、または前記Zn合金粒子及び前記Zn金属粒子が分散していることを特徴とする、高耐食性防錆塗装鋼材。
  12. 請求項11に記載の高耐食性防錆塗装鋼材を一部または全部に有することを特徴とする、鋼構造物。
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