JP2008189530A - セラミックグリーンシート用セラミックペースト、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサ - Google Patents

セラミックグリーンシート用セラミックペースト、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】薄膜化を行ってもシート強度に優れ、かつ、セラミックグリーンシート上に導電ペーストを塗工したときに、シートアタック現象が発生しないセラミックグリーンシート用セラミックペーストを提供する。
【解決手段】バインダー樹脂と光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂とからなる樹脂成分、光照射及び/又は加熱により硬化反応を開始させる硬化剤、セラミック粉末、並びに、溶剤を含有するセラミックグリーンシート用セラミックペーストであって、前記バインダー樹脂の溶解度パラメータと、前記光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂の溶解度パラメータとの差が0.8以下、かつ、前記樹脂成分の合計に占める前記光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂の含有量が10〜80重量%であるセラミックグリーンシート用セラミックペースト。
【選択図】なし

Description

本発明は、薄膜化を行ってもシート強度に優れ、かつ、セラミックグリーンシート上に導電ペーストを塗工したときに、シートアタック現象が発生しないセラミックグリーンシート用セラミックペースト、該セラミックグリーンシート用セラミックペーストを用いてなるセラミックグリーンシート、及び、該セラミックグリーンシートを用いてなる積層セラミックコンデンサに関する。
積層セラミックコンデンサ等の積層型の電子部品は、例えば、特許文献1に開示されているように、一般に次のような工程を経て製造される。
まず、ポリビニルブチラール樹脂やポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加える。次いで、ボールミル等により均一に混合し脱泡を行って一定粘度を有するセラミックスラリー組成物を得る。得られたセラミックスラリー組成物をドクターブレード、リバースロールコーター等を用いて、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム又はステンレス鋼プレート等の支持体面で流延成形する。次いで、加熱等により有機溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
得られたセラミックグリーンシート上に内部電極となる導電ペーストをスクリーン印刷等により塗工したものを交互に複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を製造する。この積層体中に含まれるバインダー樹脂成分等を熱分解させて除去する処理(いわゆる「脱脂処理」)を行った後、焼成して得られたセラミック焼成物の端面に外部電極を焼結によって形成させる工程を経て、積層セラミックコンデンサが得られる。
近年では、積層セラミックコンデンサの高容量化に伴い、セラミックグリーンシートの薄膜化が進んでいる。例えば、特許文献2には、重合度1200〜2400のポリビニルアセタール樹脂を用いることにより、厚さ5μm以下のセラミックグリーンシートを作製する方法が開示されている。
しかしながら、セラミックグリーンシートの薄膜化が更に進むと、上記重合度のポリビニルアセタール樹脂では、充分な強度(シート強度)を有するセラミックグリーンシートが得られず、剥離時にセラミックグリーンシートが破損する等の問題があった。また、セラミックグリーンシート上に導電ペーストを塗工すると、導電ペーストに含有される溶剤がセラミックグリーンシートを破壊する「シートアタック」と呼ばれる現象が生じるという問題があった。
従って、近年の積層セラミックコンデンサの高容量化に伴うセラミックグリーンシートの薄膜化に対応する必要があった。そのために薄膜化した際に充分な強度(シート強度)を有し、かつ、シートアタックを生じないセラミックグリーンシートを得ることができるセラミックグリーンシート用セラミックペーストが必要とされていた。
特公平3−35762号公報 特許第3193022号公報
本発明は、上記現状に鑑み、薄膜化を行ってもシート強度に優れ、かつ、セラミックグリーンシート上に導電ペーストを塗工したときに、シートアタック現象が発生しないセラミックグリーンシート用セラミックペースト、該セラミックグリーンシート用セラミックペーストを用いてなるセラミックグリーンシート、及び、該セラミックグリーンシートを用いてなる積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明は、バインダー樹脂と光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂とからなる樹脂成分、光照射及び/又は加熱により硬化反応を開始させる硬化剤、セラミック粉末、並びに、溶剤を含有するセラミックグリーンシート用セラミックペーストであって、上記バインダー樹脂の溶解度パラメータと、上記光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂の溶解度パラメータとの差が0.8以下、かつ、上記樹脂成分の合計に占める上記光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂の含有量が10〜80重量%であるセラミックグリーンシート用セラミックペーストである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、セラミックグリーンシート用セラミックペーストにおいて、バインダー樹脂との溶解度パラメータの差が一定の範囲である光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂を一定量含有させることにより、薄膜化されたグリーンシートを成形しても充分なシート強度を有し、かつ、「シートアタック」を生じることがないということを見出し、本発明を完成させるに至った。これは、光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂を含有させて硬化させることにより、セラミックグリーンシート内に架橋構造が生じ、セラミックグリーンシートの耐溶剤性が向上するためであると考えられる。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストは、バインダー樹脂と光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂とからなる樹脂成分、光照射及び/又は加熱により硬化反応を開始させる硬化剤、セラミック粉末、並びに、溶剤を含有する。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストは、バインダー樹脂と光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂とからなる樹脂成分を含有する。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストにおいては、上記光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂を含有させて硬化させることにより、樹脂が架橋しセラミックグリーンシートが充分なシート強度を有し、かつ、シートアタックを生じないものとなる。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストにおいては、上記バインダー樹脂の溶解度パラメータと、上記光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂の溶解度パラメータとの差の上限が0.8である。溶解度パラメータの差が0.8を超えると、バインダー樹脂と光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂との相溶性が悪くなる。そのためにセラミックグリーンシート用セラミックペーストを用いてなるセラミックグリーンシートの厚みにムラが生じてシート強度が低下したり、ペースト中に分散したセラミック粉末を安定した状態で維持しにくくなったりする。さらに、上記光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂が硬化してなる架橋樹脂と上記バインダー樹脂との相溶性が著しく悪くなる場合がある。溶解度パラメータの差の好ましい上限は0.5である。
ここで、本明細書において溶解度パラメータ(以下、「SP値」ともいう)とは、Polymer Engineering&Science 14 147(1974)等に記載されているように物質の化学構造のみから推算した値であり、下記数式(1)より求めることができる。SP値が近い化合物同士は相溶し、SP値が離れた化合物同士は相分離する。
Figure 2008189530
Ev:蒸発エネルギー(J/mol)
V:モル容積(m/mol)
Δei:原子または原子団の蒸発エネルギー(cal/mol)
ΔVi:モル体積(cm/mol)
上記バインダー樹脂としては特に限定されないが、(メタ)アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、ポリエチレングリコール等を用いることができる。上記(メタ)アクリル樹脂としては特に限定されないが、(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種とポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート等のポリアルキレングリコールモノメタクリレートとからなる共重合体が好適に用いられる。
上記光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、一分子中に2個以上のエポキシ基を持つ化合物、一分子中に2個以上のオキセタニル基を持つ化合物、一分子中に2個以上のイソシアネート基を持つ化合物、一分子中に2個以上のアジリジニル基を持つ化合物、一分子中に2個以上のラジカル重合性基を持つ化合物、一分子中に2個以上のスチリル基を持つ化合物、一分子中に2個以上の加水分解性シリル基を持つ化合物、一分子中に2個以上のヒドロシリル基を持つ化合物等が挙げられる。
上記一分子中に2個以上のエポキシ基を持つ化合物としては、具体的には例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、グリシジルエステル系化合物、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化SBS(SBSとは、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体を示す)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル等のポリエーテルジグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートを共重合したポリアルキル(メタ)アクリレート誘導体等が挙げられる。
上記一分子中に2個以上のオキセタニル基を持つ化合物としては、具体的には例えば、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、フェノールノボラックオキセタン等が挙げられる。
上記一分子中に2個以上のイソシアネート基を持つ化合物としては、具体的には例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(p−イソシアネートフェニル)チオホスファイト、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の単量体、又は、これらのイソシアヌレート変性体、ウレタン変性体、ビゥレット変性体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、トリメチロールプロパン付加体、ブロックイソシアネート等が挙げられる。
上記一分子中に2個以上のアジリジニル基を持つ化合物としては、具体的には例えば、2,2−ビスヒロロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
上記一分子中に2個以上のラジカル重合性基を持つ化合物としては、具体的には例えば、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。更に、上記一分子中に2個以上のラジカル重合性基を有する化合物に、スチレン系モノマー、(メタ)アクリルレートモノマー、ビニルエステルモノマー等のラジカル重合性基を1個有する化合物が併用されてもよい。
上記一分子中に2個以上の加水分解性シリル基を持つ化合物における加水分解性シリル基としては、例えば、珪素元素に結合したアルコキシ基、オキシム基、アルケニルオキシ基、アセトキシ基、ハロゲン基等が挙げられる。これらの置換基のなかでも、貯蔵安定性等の観点から、珪素元素にアルコキシ基が結合したアルコキシシリル基が好適に用いられる。
上記アルコキシシリル基とは、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基を示す。また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等を挙げることができる。ジアルコキシシリル基又はトリアルコキシシリル基の場合、同じアルコキシ基であってもよいし、異なるアルコキシ基であってもよい。また、種類の異なる加水分解性シリル基が組み合わされて用いられてもよい。
一分子中に2個以上の加水分解性シリル基を有するポリマーとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のアルキレングリコールをモノマーユニットとするポリエーテル、エステル結合を持つポリエステル、アミド結合を持つポリアミド、カーボネート結合を有するポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリオレフィン等のポリマーが挙げられる。これらは単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。
上記加水分解性シリル基を有するポリマー中のアルコキシシリル基の結合位置は、ポリマー末端、ポリマーの側鎖、又は、ポリマー末端と側鎖の両方に位置していてもよい。上記加水分解性シリル基を有するポリマーの分子量は特に限定されないが、通常は4000〜30000のものが用いられ、特に分子量が10000〜30000で分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下のものが硬化しやすく、好適である。
上記光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂としては、なかでも硬化後の架橋樹脂が熱分解性に優れているため、一分子中に2個以上のエポキシ基を持つ化合物、一分子中に2個以上のオキセタニル基を持つ化合物、又は、一分子中に2個以上のラジカル重合性基を持つ化合物が好適に用いられる。また、これらは単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストにおいては、上記樹脂成分の合計に占める上記光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂の含有量の下限が10重量%、上限が80重量%である。10重量%未満であると、セラミックグリーンシート内の架橋構造部分の割合が少なくなるため、セラミックグリーンシートのシート強度が低下する。また、セラミックグリーンシート上に導電ペーストを塗工した場合に、シートアタック現象が生じる。また、80重量%を超えると、セラミックグリーンシートの破断伸度が低下する。好ましい下限は20重量%、好ましい上限は60重量%であり、より好ましい下限は30重量%、より好ましい上限は50重量%である。
また、本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストにおける上記樹脂成分の含有量としては特に限定されないが、上記樹脂成分、及び、上記セラミック粉末の合計に対して好ましい下限が1重量%、好ましい上限が50重量%である。1重量%未満であると、セラミック粉末を結着することが困難となる。50重量%を超えると、充分なシート強度を得ることができるが、脱脂焼成後のシートの体積収縮が大きくなり、シートにクラックが入り易くなるため、セラミックス層を形成することが困難な場合がある。より好ましい下限は3重量%、より好ましい上限は20重量%であり、更に好ましい下限は5重量%、更に好ましい上限は10重量%である。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストは、光照射及び/又は加熱により硬化反応を開始させる硬化剤を含有する。
上記硬化剤は、光照射及び/又は加熱により、上記光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂を硬化させる役割を有する。
上記光照射により硬化反応を開始させる硬化剤(以下、「光硬化剤」ともいう)は、特に限定されず、上記光照射により硬化反応が開始する硬化性樹脂の種類により適宜選択される。
上記一分子中に2個以上のエポキシ基を持つ化合物に対する光硬化剤としては、例えば、熱−アレン錯体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ピリジニウム塩、アルミニウム錯体、シラノール等が挙げられる。
より具体的には、例えば、オプトマーSP−150(旭電化工業社製)、オプトマーSP151(旭電化工業社製)、オプトマーSP171(旭電化工業社製)、オプトマーSP−170(旭電化工業社製)、UVE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、CD−1012(サートマー社製)、サンエイドSI−60L(三新化学工業社製)、サンエイドSL−80L(三新化学工業社製)、サンエイドSI−100L(三新化学工業社製)、CI−2064(日本曹達社製)、CI−2639(日本曹達社製)、CI−2624(日本曹達社製)、CI−2481(日本曹達社製)等の市販の化合物が挙げられる。
上記一分子中に2個以上のオキセタニル基を持つ化合物に対する光硬化剤としては、上記一分子中に2個以上のエポキシ基を持つ化合物に対する光硬化剤と同様の光硬化剤を用いることができる。
上記一分子中に2個以上のイソシアネート基を持つ化合物に対する光硬化剤としては、例えば、コバルトアミン錯体系、カルバミン酸o−ニトロベンジル系、オキシムエステル系、カルバモイルオキシイミノ系等の光硬化剤(いわゆる「光アミン発生剤」)が挙げられる。
上記一分子中に2個以上のラジカル重合性基を持つ化合物に対する光硬化剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール等のケタール誘導体化合物;ビスアシルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキシド誘導体化合物;チオキサントン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラセン、ベンゾフェノン誘導体、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物等の光ラジカル開始剤が挙げられる。
上記一分子中に2個以上の加水分解性シリル基を持つ化合物に対する光硬化剤としては、上記一分子中に2個以上のエポキシ基を持つ化合物、及び、上記一分子中に2個以上のイソシアネート基を持つ化合物に対する光硬化剤と同様の光硬化剤を用いることができる。
上記光硬化剤を用いる場合、公知の三重項励起エネルギー移動光増感剤、電子移動光増感剤、酸増殖剤、塩基増殖剤を適宜用いることができる。上記光硬化させるための光源としては、光硬化剤を感光できる波長の光を発する光源を用いればよい。具体的には例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、冷陰極管、UV−LEDランプ、ハロゲンランプ、高周波誘導型UVランプ等を用いることができる。
上記加熱により硬化反応を開始させる硬化剤(以下、「熱硬化剤」ともいう)は、特に限定されず、上記加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂の種類により適宜選択される。
上記一分子中に2個以上のエポキシ基を持つ化合物に対する熱硬化剤としては、例えば、メルカプト基を有する化合物、アミノ基を有する化合物、酸無水物等が挙げられる。
上記メルカプト基を有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ジペンタエリスリトールヘキサチオグリコレート、末端チオール変性ポリサルファイド等が挙げられる。この際には、架橋反応を促進するために第三級アミン等が併用されてもよい。
上記アミノ基を有する化合物としては、例えば、エチレンアミン類、ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、脂肪族アミン変性体等の脂肪族アミン;m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、メタキシリレンジアミン、芳香族アミン変性体等の芳香族アミンが挙げられる。
上記酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ヘット酸、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン無水コハク酸等が挙げられる。また、架橋を促進するために第3級アミン、トリフェニルフォスフィン、スタナースオクトエート、三フッ化ホウ素錯体、ベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデカ−7−エン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、イソシアネート類、スルフォニウム塩類、ヨードニウム塩類、ジアゾニウム塩類、ヒドラジド系化合物、ナイロン塩系化合物、フッ素アニオンを有する化合物類等が挙げられる。
上記一分子中に2個以上のオキセタニル基を持つ化合物に対する熱硬化剤としては、例えば、スルフォニウム塩類、ヨードニウム塩類、ジアゾニウム塩類、三フッ化ホウ素錯体等の熱硬化剤(いわゆる「熱酸発生剤」)が挙げられる。
上記一分子中に2個以上のイソシアネート基を持つ化合物に対する熱硬化剤としては、例えば、ポリアミン、ポリオール等が挙げられる。
上記ポリアミンとしては、例えば、末端アミノ変性ポリエチレングリコール、末端アミノ変性ポリプロピレングリコール等の末端アミノ変性ポリアルキレングリコール;アミノ変性ポリ(メタ)アクリレート系ポリマー、アミノ変性ビニル系ポリマー、アミノ変性ポリエステル、アミノ変性ポリカーボネート、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン等のアミノ基を一分子中に2個以上持つポリマー;エチレンアミン類、ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、脂肪族アミン変性体等の脂肪族アミン;m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、メタキシリレンジアミン、芳香族アミン変性体等の芳香族アミン等が挙げられる。
上記ポリオールとしては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、水酸基変性(メタ)アクリル系ポリマー、水酸基変性ビニル系ポリマー、水酸基変性ポリエステル、水酸基変性ポリカーボネート等が挙げられる。
上記一分子中に2個以上のアジリジニル基を持つ化合物に対する熱硬化剤としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、アジピン酸等の多価カルボン酸が挙げられる。
上記一分子中に2個以上のラジカル重合性基を持つ化合物に対する熱硬化剤としては、例えば、過酸化物やアゾ化合物が挙げられる。より具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、イソノナノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ジイソプロピルパージカーボネート、ジ−sec−ブチルパージカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパージカーボネート、ジ−1−メチルヘプチルパージカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパージカーボネート、ジシクロヘキシルパージカーボネート等のパーオキシジカーボネート類;tert−ブチルパーベンゾエート、tert−ブチルパーアセテート、tert−ブチルパー−2−エチルへキサノエート、tert−ブチルパーイソブチレート、tert−ブチルパーピバレート、tert−ブチルジパーアジペート、キュミルパーネオデカノエート等のパーオキシエステル;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド;ジ−tert− ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、tert−ブチルキュミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド;キュメンヒドロキシパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられる。
上記一分子中に2個以上の加水分解性シリル基を持つ化合物に対する熱硬化剤としては、例えば、ゲルマニウム、錫、鉛、硼素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属元素と有機基を置換してなる有機金属化合物が挙げられる。具体的には例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド等の錫化合物、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート等のチタネート系化合物等が挙げられる。
これらは単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、上記熱硬化剤を用いて上記加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂を硬化させるには、乾燥炉、赤外線炉、高周波加熱炉等を用いればよい。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストにおける上記光照射及び/又は加熱により硬化反応を開始させる硬化剤の含有量は特に限定されない。光照射及び/加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂の種類に応じて最適な割合にすればよい。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストは、セラミック粉末を含有する。
上記セラミック粉末としては特に限定されず、例えば、チタン酸バリウム、アルミナ、ジルコニア、ガラス粉末等が挙げられる。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストにおける上記セラミック粉末の含有量としては特に限定されないが、上記樹脂成分、及び、上記セラミック粉末の合計に対して好ましい下限は50重量%、好ましい上限は99重量%である。50重量%未満であると、充分なシート強度を持つセラミックグリーンシートを得ることができるが、脱脂焼成後のシートの体積収縮が大きくなることがある。また、シートにクラックが入り易くなるため、セラミックス層を形成することが難しくなることがある。99重量%を超えるとセラミック粉末を結着することが難しくなることがある。
より好ましい下限は80重量%、より好ましい上限は97重量%であり、更に好ましい下限は90重量%、更に好ましい上限は95重量%である。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストは、溶剤を含有する。
上記溶剤の沸点としては特に限定されないが、好ましい下限は60℃、好ましい上限は150℃である。60℃未満であると、セラミックグリーンシート用セラミックペーストを流延成形している最中に溶剤が揮発してしまうことがある。そのためにセラミックグリーンシート用セラミックペーストをレベリングする前に凝集力が上がってしまい平滑なセラミックグリーンシートが得られないことがある。150℃を超えると、セラミックグリーンシート中に溶剤が残留し、安定したシート強度を発現することが難しくなることがある。
上記溶剤としては特に限定されないが、上記バインダー樹脂等の樹脂成分との相溶性がよいものが好ましく、具体的には、例えば、トルエン(沸点110℃)、p−キシレン(沸点138℃)、酢酸エチル(沸点77℃)、酢酸n−ブチル(沸点124℃)、メチルエチルケトン(沸点80℃)、メチルイソブチルケトン(沸点118℃)、メタノール(沸点65℃)、エタノール(沸点78℃)、イソプロピルアルコール(沸点82℃)、1−ブタノール(沸点118℃)、水(沸点100℃)、テトラヒドロフラン(沸点66℃)、1,4−ジオキサン(沸点100℃)等が挙げられる。これらの溶剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストにおける上記溶剤の含有量としては特に限定されないが、好ましい下限は10重量%、好ましい上限は70重量%である。10重量%未満であると、本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストの粘度が高くなるため、塗工が困難になることがある。70重量%を超えると、上記溶剤を揮発させるための乾燥時間が長くなり、効率的ではない。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストは、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、潤滑剤、分散剤、帯電防止剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストの製造方法としては特に限定されず、上記バインダー樹脂と、上記光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂と、上記光照射及び/又は加熱により硬化反応を開始させる硬化剤と、上記セラミック粉末と、上記溶剤と、必要に応じて添加する各種添加剤とをボールミル、ビーズミル、ブレンダーミル、3本ロール、遊星式攪拌機、ディスパー等の各種混合機を用いて混合する方法等が挙げられる。
また、本発明のセラミックグリーンシート用セラミックペーストを用いてなるセラミックグリーンシートもまた、本発明の1つである。
本発明のセラミックグリーンシートの製造方法としては、例えば、セラミックグリーンシート用セラミックペーストを、離型処理したポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚みが適当になるように塗工し常温で1時間風乾する。次いで熱風乾燥機を用いて80℃で3時間乾燥させる。続いて120℃で2時間乾燥させる。次いで上記硬化性樹脂を硬化させるために紫外線照射及び/又はセラミックグリーンシート自体を加熱する方法等が挙げられる。
このようにして得られたセラミックグリーンシートは、導電ペーストが塗工されても「シートアタック」を生じることがない。
本発明のセラミックグリーンシートを用いることにより、高容量の積層セラミックコンデンサを作製することができる。
このような積層セラミックコンデンサもまた、本発明の1つである。
本発明によれば、薄膜化を行ってもシート強度に優れ、かつ、セラミックグリーンシート上に導電ペーストを塗工したときに、シートアタック現象が発生しないセラミックグリーンシート用セラミックペースト、該セラミックグリーンシート用セラミックペーストを用いてなるセラミックグリーンシート、及び、該セラミックグリーンシートを用いてなる積層セラミックコンデンサを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
攪拌機、冷却器、温度計、オイルバス及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、メチルメタクリレート(和光純薬社製)(以下、「MMA」ともいう)70重量部とポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製、商品名「ブレンマーPP−500」)30重量部とをドデカンチオール(和光純薬社製)0.1重量部、溶剤としてトルエン/エタノール(80重量%/20重量%)を混合し、1kgのモノマー混合液を調整した。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら加熱し、還流を行った。その後、重合開始剤(アゾビスブチロニトリル、和光純薬社製)の10重量%トルエン溶液10gを添加した。さらに、最初の重合開始剤添加から1時間毎に、上記重合開始剤の10重量%トルエン溶液10gを3回添加した。最初の重合開始剤添加から6時間後、冷却することによりバインダー樹脂(MMA−PP500)溶液を作製した。
得られたバインダー樹脂溶液に、光照射により硬化反応が開始する硬化性樹脂としてプロピレングリコールジメタクリレート(日本油脂社製、商品名「ブレンマーPDP−400」)、光硬化剤としてビスアシルフォスフィンオキサイド(チバスペシャリティーケミカル社製、商品名「イルガキュア819」)とを表1に示す組成比で添加し、60℃で1時間攪拌することにより樹脂成分を作製した。なお、バインダー樹脂のSP値は9.95、光照射により硬化反応が開始する硬化性樹脂のSP値は10.05であった。
得られた樹脂成分に、セラミック粉末として平均粒子径0.3μmのチタン酸バリウム(堺化学工業社製、商品名「BT−03」)と溶剤としてトルエン/エタノール(80重量%/20重量%)とを表1に示す組成比で添加し、室温で3時間、ビーズミルで攪拌することによりセラミックグリーンシート用セラミックペーストを作製した。
得られたセラミックグリーンシート用セラミックペーストを、アプリケーターを用いて乾燥後の厚みが5μmとなるように離形処理したポリエステルフィルム上に塗工し、常温で1時間風乾した後、熱風乾燥機にて80℃で3時間乾燥し、続いて120℃で2時間乾燥させた。次いで、超高圧水銀灯を用いて紫外線を500mJ/cm(365nm、強度20mW/cm、照射時間25秒)照射することで、セラミックグリーンシートを作製した。
(実施例2、3)
表1に示す組成比としたこと以外は実施例1と同様にして、セラミックグリーンシート用セラミックペースト、及び、セラミックグリーンシートを作製した。
(実施例4)
メチルメタクリレートを用いる代わりにシクロヘキシルメタクリレート(和光純薬社製)(以下、「CHMA」ともいう)を用い、表1に示す組成比としたこと以外は実施例1と同様にして、セラミックグリーンシート用セラミックペースト、及び、セラミックグリーンシートを作製した。なお、得られたバインダー樹脂(CHMA−PP500)のSP値は10.23であった。
(実施例5)
シクロヘキシルメタクリレートを用いる代わりに2−エチルヘキシルメタクリレート(和光純薬社製)(以下、「2EHMA」ともいう)を用いたこと以外は実施例4と同様にして、セラミックグリーンシート用セラミックペースト、及び、セラミックグリーンシートを作製した。なお、得られたバインダー樹脂(2EHMA−PP500)のSP値は9.34であった。
(比較例1、2)
表1に示す組成比としたこと以外は実施例1と同様にして、セラミックグリーンシート用セラミックペースト、及び、セラミックグリーンシートを作製した。
(比較例3)
プロピレングリコールジメタクリレートを用いる代わりに1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートを用い、表1に示す組成比としたこと以外は実施例1と同様にして、セラミックグリーンシート用セラミックペースト、及び、セラミックグリーンシートを作製した。なお、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートのSP値は10.87であった。
<評価>
実施例1〜5、及び、比較例1〜3で得られたセラミックグリーンシート用セラミックペースト、及び、セラミックグリーンシートについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)強度評価
セラミックグリーンシートをポリエステルフィルムから剥離し、セラミックグリーンシートの状態を目視にて観察し、以下の基準で強度を評価した。
○:セラミックグリーンシートに、切れや破れは観察されなかった。
×:セラミックグリーンシートの一部に、破れが観察された。
(2)シートアタックの発生の有無
ポリエステルフィルムからセラミックグリーンシートを剥離せずに、セラミックグリーンシート上にテルピネオールをスポイトにて一滴(約0.02g)滴下し、10秒後のセラミックグリーンシートの状態を目視にて観察し、以下の基準でシートアタックの発生の有無を評価した。
○:セラミックグリーンシートに、皺や穴は観察されなかった。
×:セラミックグリーンシートに、皺又は穴が観察された。
Figure 2008189530
本発明によれば、薄膜化を行ってもシート強度に優れ、かつ、セラミックグリーンシート上に導電ペーストを塗工したときに、シートアタック現象が発生しないセラミックグリーンシート用セラミックペースト、該セラミックグリーンシート用セラミックペーストを用いてなるセラミックグリーンシート、及び、該セラミックグリーンシートを用いてなる積層セラミックコンデンサを提供することができる。

Claims (3)

  1. バインダー樹脂と光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂とからなる樹脂成分、光照射及び/又は加熱により硬化反応を開始させる硬化剤、セラミック粉末、並びに、溶剤を含有するセラミックグリーンシート用セラミックペーストであって、
    前記バインダー樹脂の溶解度パラメータと、前記光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂の溶解度パラメータとの差が0.8以下、かつ、前記樹脂成分の合計に占める前記光照射及び/又は加熱により硬化反応が開始する硬化性樹脂の含有量が10〜80重量%である
    ことを特徴とするセラミックグリーンシート用セラミックペースト。
  2. 請求項1記載のセラミックグリーンシート用セラミックペーストを用いてなることを特徴とするセラミックグリーンシート。
  3. 請求項2記載のセラミックグリーンシートを用いてなることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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