JP2006291132A - 電界放出ディスプレイ用焼結性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】蛍光粉末、電子放出性粉末、導電性粉末、ガラス粉末、およびセラミック粉末等の焼結粉末を低温で焼結させることができる電界放出ディスプレイ用焼結組成物を提供する。
【解決手段】(a)ポリオキシアルキレン樹脂をバインダ樹脂として含有し、かつ(b)焼結粉末を含有するフィールドエミッションディスプレイ構成部品用焼結性組成物であって、上記バインダ樹脂が、空気中で180℃に加熱されたときに60分以内に95重量%以上が消滅する樹脂であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子発生源、エミッタ、カソード電極、アノード電極、蛍光体などを形成する際に用いられる電界放出ディスプレイ、なかでもフィールドエミッションディスプレイ(FED)用に好適な焼結性組成物に関する。
電界放出ディスプレイには、BSD型、Spindt型、表面伝導型、MIS型、MIM型、ダイヤモンド粒子型、カーボンナノチューブ型等の種々の形式のものが現在提案されており、その構成部品が微細であるため焼結性ペーストや焼結性シートを用いスクリーン印刷やレジスト処理を行って基板の上に部品原型を形成しこれを焼成することにより微細な焼結体として形成していた。
従来利用されている焼結性ペーストや焼結性シートでは、低温焼成しても炭化残留物をほとんど生じないことからバインダ樹脂として、アクリル樹脂やエチルセルロースが利用されている。
たとえば、特許文献1には、[0529]〜[0531]段落にエミッタの形成方法が開示されている。開示されている方法は、ポリスチレン(PS)-ポリメチルメタクリレート(PMMA)ブロック共重合体を用いて、白金微粒子をそう分離により局在化し、PMMAドメインをエッチングし、白金微粒子を沈着させた後、O2アッシングにより有機物を除去していた。したがって、比較的煩雑なエッチングやアッシングといった工程を経て、エミッタを形成していた。
たとえば、特許文献2には、電子放出材料をバインダ樹脂で結着させた薄膜を基板上に形成させ、この薄膜をサンドブラストや嫌気性雰囲気下でエッチングやアッシングする方法が開示されている。開示されている方法により、電界放出ディスプレイの電子放出電極を形成していた。
たとえば、特許文献3には、銅粉、無機バインダ、有機ポリマーバインダ、光開始剤、光硬化性モノマー、有機溶剤から成る感光性導電性組成物が開示されている。開示されている方法により、組成物を焼成することにより電界放出ディスプレイの電極を形成していた。
なお、実施例に記載されている焼成温度は、450〜600℃であり焼成時間はおよそ45分であった。
たとえば、特許文献4には、前面板と背面板の封着方法が開示されている。開示されている方法は、焼結材料を含む組成物からバインダ樹脂を分解焼成することによりフィールドエミッションディスプレイを形成していた。
なお、明細書の詳細説明には樹脂種類について具体的な開示がみられない。また、実施例には焼成時間について記載されていないが、焼成温度は、300℃以上であった。
しかし、これら従来の方法は、エッチングやアッシングを利用する方法では、加工が煩雑であることは否めず、一方、焼成方法では、焼成段階で少なくとも300℃以上の加熱に耐えうる耐熱性が構成材料に必要とされるといった制約があった。したがって、現在の焼結性ペーストや焼結性シートを利用する方法は耐熱性のない材質から形成されるフィールドエミッションディスプレイの構成部品の形成には適さないという問題点があった。
特開2001-151834号公報 特許3320333号公報 特開2004-247300号公報 特開2002-140986号公報
本発明は、上記現状に鑑み、蛍光粉末、電子放出性粉末、導電性粉末、ガラス粉末、およびセラミック粉末等の焼結粉末を低温で焼結させることができる電界放出ディスプレイ用焼結性組成物を提供することを目的とする。
本発明にかかる電界放射ディスプレイ用焼結性組成物は、上記目的を達成するために、(a)ポリオキシアルキレン樹脂をバインダ樹脂として含有し、かつ(b)焼結粉末を含有することを特徴とするフィールドエミッションディスプレイ構成部品用焼結性組成物であって、上記バインダ樹脂が、空気中で180℃に加熱されたときに60分以内に95重量%以上が消滅することを特徴としている。
以下に本発明を詳述する。
本発明において、焼結性組成物とは、ペースト状のもの(以下、「焼結性ペースト」と記す)やシート状のもの(以下、「焼結性シート」と記す)が挙げられる。
本発明において、バインダ樹脂は、ポリオキシアルキレン樹脂を主成分とし、空気中で180℃に加熱されたときに60分以内に95重量%以上が消滅するもので、200℃以下で完全に消滅するものが好ましい。
本発明のバインダ樹脂のポリオキシアルキレン樹脂とは、未架橋のものと架橋されたものとの双方を纏めて意味し、ポリアルキレングリコール等のポリオキシアルキレン樹脂だけではなく、ポリオキシアルキレンをセグメントとして含む共重合体を含み、ポリオキシプロピレン樹脂、ポリオキシエチレン樹脂、ポリオキシテトラメチレン樹脂、ポリオキシアルキレンをセグメントとして含む共重合体からなる群より選ばれた少なくともいずれか1種を用いることが好ましい。
そして、ポリオキシプロピレングリコール等のポリオキシプロピレン樹脂、ポリオキシエチレングリコール等のポリオキシエチレン樹脂およびポリオキシテトラメチレングリコール等のポリオキシテトラメチレン樹脂のうちの少なくとも2種を混合した混合樹脂とすることが好ましき、混合樹脂中のポリオキシプロピレンの含有率が50質量%以上であることがより好ましい。すなわち、たとえば、凝集力の低いポリオキシプロピレン樹脂と凝集力の高いポリオキシエチレン樹脂及び/又はポリオキシテトラメチレン樹脂とを混合することによって、バインダ樹脂の凝集力を用途・用法に応じて調整することが可能となるとともに、バインダ樹脂が消滅する温度と消滅するまでの時間とを調整することができる。また、固形のポリオキシエチレングリコール及び/又はポリオキシテトラメチレングリコールとの混合樹脂として用いると粘着性がなく、ホットメルトタイプの樹脂シートから粘着シートまで広く性状を変えることができ好ましい。
また、本発明のバインダ樹脂としては、特に限定されないが、主として、常温でシート形状を維持するものと、常温ではペーストの形態を維持し、光等により架橋し硬化物となるもの等が挙げられる。
上記ポリオキシアルキレンをセグメントとして含む共重合体におけるポリオキシアルキレンセグメントとは、下記式(1)で表される繰り返し単位を2個以上有するセグメントを意味する。
Figure 2006291132
式(1)中、nは1以上の整数を表し、R1n、R2nはn番目の置換基であって、水素、アルキル基、アリール基、アルケニル基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、エーテル基、エステル基からなる群より選択される1種以上を組み合わせて得られる置換基を表す。
なお、上記式(1)で表される繰り返し単位が1個である場合には、本発明のバインダ樹脂を加熱により完全に消滅させることが難しくなる。また、上記式(1)で表される繰り返し単位を2個以上有するセグメントに架橋点がなく他のセグメントにより架橋されたゲル状樹脂である場合であっても、架橋点間に上記ポリオキシアルキレンセグメントが存在する場合には、本発明のバインダ樹脂に用いることができる。更に、上記ポリオキシアルキレンをセグメントとして含む共重合体は鎖延長剤を用いて鎖状にセグメントを連結させていてもよい。
上記ポリオキシアルキレンをセグメントとして含む共重合体としては特に限定されず、例えば、ポリメチレングリコール(ポリアセタール)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール、及び、これら複数のセグメントを含むもの等が挙げられる。また、これより得られる、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド等が挙げられる。また、これら、ポリオキシアルキレンセグメントをグラフト鎖に有する(メタ)アクリルポリマーやポリスチレン等のビニル重合体等が挙げられ、これら、複数の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリオキシアルキレン樹脂の数平均分子量は、500〜500万であることが好ましい。該数平均分子量が500より低い場合、揮発性が強くなり、本発明の消滅性材料を安定的に扱うことが困難な場合がある。一方、500万を超えると凝集力に優れるものの、絡み合い効果により速やかな消滅が困難な場合がある。
詳細には、該数平均分子量は、本発明のバインダ樹脂の使用用途、使用形態に応じて適宜選択されるものである。
たとえば、焼結性ペーストに用いられるバインダ樹脂の場合、塗工性を考慮すると、該数平均分子量を2万〜3万とすることがより好ましい。
本発明の焼結性組成物は、100℃以下の温度ではシート形状をもつ焼結性シートの形態とすることができる。
その場合、本発明のバインダ樹脂に用いられるポリオキシアルキレン樹脂は、数平均分子量が5000〜500万であることが好ましい。
該数平均分子量が5000以上であれば、100℃以下の温度において安定にシート形状を維持することができ、500万以下であれば、凝集力が高くなりすぎず濡れ性が低下することもなく、充分な接着力が得られる。
上記焼結性シートの形態においては、バインダ樹脂は、基材により補強されているものと、基材により補強されていないものがある。
未架橋のポリオキシアルキレン樹脂を用いる場合には、該樹脂は軟らかい樹脂であることから単独ではシート形状を維持することができないことがある。従って、基材により補強されているものであることが好ましい。
例えば、ポリエチレンテレフタレートシート、ポリイミドシート等の耐熱性樹脂シート;金属フィルム等の基材により補強したサポートタイプとして用いる。また、紙、プラスチック又はガラス等を素材とする織布又は不織布にポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む共重合体を含浸させてシート形状を維持させてもよい。なお、ポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体の多くも、同様に柔らかく単独ではシート形状を維持することができないことから、基材により補強してシート形状とすることが好ましい。
また、架橋されたポリオキシアルキレン樹脂を用いる場合には、単独でもシート形状を維持することができるため、基材により補強されていなくてもよい。
上記架橋されたポリオキシアルキレン樹脂の架橋形態としては特に限定されず、物理架橋であっても、化学架橋であってもよい。
ポリオキシアルキレン樹脂を物理架橋させる方法としては、例えば、重合セグメントとして結晶性セグメントを選択し結晶化させる方法や、高分子量セグメントを用いて分子鎖の絡み合いを増やす方法や、水酸基やアミノ基、アミド基等の官能基を有するセグメントを用いて水素結合を形成させる方法等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン樹脂を化学架橋させる方法としては、例えば、架橋性官能基を有するポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む架橋性官能基を有する重合体を架橋剤で架橋させる方法等が挙げられる。
上記ポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体が有する架橋性官能基としては、特に限定されないが、例えば、加水分解性シリル基、イソシアネート基、エポキシ基、オキセタニル基、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、重合性不飽和炭化水素基等が挙げられる。なかでも、加水分解性シリル基、イソシアネート基、エポキシ基、オキセタニル基、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、重合性不飽和炭化水素基から選択される少なくとも1つであることが好ましく、加水分解性シリル基、エポキシ基、オキセタニル基から選択される少なくとも1つであることがより好ましく、加水分解性シリル基がさらに好ましい。これら架橋性官能基は単独種のもので用いてもよいし、2種以上を併用したものを用いてもよい。
上記、加水分解性シリル基を有するポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体のうち市販されているものとしては、例えば、鐘淵化学工業社製の商品名MSポリマーとしてMSポリマーS−203、S−303、S−903等、サイリルポリマーとして、サイリルSAT−200、MA−403、MA−447等、エピオンとしてEP103S、EP303S、EP505S等、旭硝子社製のエクセスターESS−2410、ESS−2420、ESS−3630等が挙げられる。
上記イソシアネート基を有するポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体は、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、TDI、MDI等のジイソシアネートとポリプロピレングリコールとをイソシアネートモル量を水酸基モル量より多めにした条件下でウレタン化反応すること等により得ることができる。
上記エポキシ基を有するポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体のうち市販されているものとしては、例えば、共栄社化学社製エポライトシリーズ等が挙げられる。
上記重合性不飽和炭化水素基としては、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基やスチリル基等の重合性不飽和基を有するポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体としては、例えば、α,ω−ジ(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレングリコール、α,ω−ジ(メタ)アクリロイルオキシポリエチレングリコール、α−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレングリコール、α−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレングリコール等が挙げられる。このうち市販されているものとしては、例えば、日本油脂社製ブレンマーシリーズ、新中村化学工業社製NKエステルMシリーズ、新中村化学工業社製NKエステルAMPシリーズ、新中村化学工業社製NKエステルBPEシリーズ、新中村化学工業社製NKエステルAシリーズ、新中村化学工業社製NKエステルAPGシリーズ、東亜合成社製アロニックスM−240、東亜合成社製アロニックスM−245、東亜合成社製アロニックスM−260、東亜合成社製アロニックスM−270、第一工業製薬社製PEシリーズ、第一工業製薬社製BPEシリーズ、第一工業製薬社製BPPシリーズ、共栄社化学社製ライトエステル4EG、共栄社化学社製ライトエステル9EG、共栄社化学社製ライトエステル14EG、共栄社化学社製ライトアクリレートMTG−A、共栄社化学社製ライトアクリレートDPM−A、共栄社化学社製ライトアクリレートP−200A、共栄社化学社製ライトアクリレート9EG、共栄社化学社製ライトアクリレートBP−EPA等が挙げられる。
以下に、前記化学架橋に用いる架橋剤について説明する。
前記化学架橋に用いる架橋剤としては、重合体の架橋性官能基を架橋させる架橋剤であれば特に限定されないが、例えば、前記ポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体が有する架橋性官能基と反応して、それ自体が架橋体の構造中に取り込まれる作用を有するもの(以下、架橋剤(1)とも称する)と、前記ポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体が有する架橋性官能基同士を反応させる触媒しての作用を有するもの(以下、架橋剤(2)とも称する)がある。また、上記の架橋剤(1)と架橋剤(2)の双方の作用を有する架橋剤(3)がある。
架橋剤(1)としては、特に限定されないが、具体的には以下のものが挙げられる。
上記オキセタニル基を有するポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体を架橋させる架橋剤であって、例えば、紫外線や可視光により酸が発生する光カチオン開始剤、熱カチオン開始剤である。
上記イソシアネート基を有するポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体を架橋させる架橋剤であって、例えば、水酸基を複数個持つ化合物やアミノ基を複数個持つ化合物等の活性水素を複数個持つ化合物が挙げられる。上記水酸基を複数個持つ化合物としては、例えば、エチレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ペンタエリスリトール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。上記アミノ基を複数個持つ化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、α,ω−ジアミノプロピレングリコール等が挙げられる。
架橋剤(2)としては、特に限定されないが、具体的には以下のものが挙げられる。
上記加水分解性シリル基を架橋させる架橋剤として、例えば、下記式(2)で表される官能基を有する光反応性触媒、紫外線や可視光により酸が発生する光カチオン開始剤、有機金属化合物、アミン系化合物、酸性リン酸エステル、テトラアルキルアンモニウムハライド(ハライド:フルオリド、クロライド、ブロマイド、ヨウダイド)、カルボキシル基等の有機酸、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸等が挙げられる。なかでも、下記式(2)で表される官能基を有する光反応性触媒が好適である。
Figure 2006291132
式(2)中、mは2〜5の整数を表し、Y(m)は周期表のIVB族、VB族又はVIB族の原子を表し、Zは水素基、炭化水素基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン基、アルコキシル基、アルキルチオ基、カルボニルオキシ基又はオキソ基を表す。
上記式(2)で表される官能基を有する光反応触媒は、上記式(2)で表される官能基のうち、異なるものを複数種有していてもよい。
上記式(2)で表される官能基としては、例えば、酸素、硫黄、窒素、リン及び炭素からなる群より選択されるY(m)で示される原子に対し、カルボニル基が2個結合した
化合物であって、Y(m)で示される原子の価数に応じて適宜、Zで示される炭化水素基又
はオキシド基を有するもの等が挙げられる。
上記炭化水素基としては、例えば、脂肪族系炭化水素基、不飽和脂肪族系炭化水素基、芳香族系炭化水素基等が挙げられる。これらの炭化水素基は、本発明の目的を阻害しない範囲でアミノ基、水酸基、エーテル基、エポキシ基、重合性不飽和基、ウレタン基、ウレア基、イミド基、エステル基等の置換基を有していても良い。また、異なる炭化水素基を組み合わせて用いてもよい。
上記式(2)で表される官能基を有する光反応触媒は、環状化合物であってもよい。このような環状化合物としては、例えば、環状鎖の中に1個又は2個以上の同種又は異種の上記式(2)で表される官能基を有する化合物等が挙げられる。更に、複数個の同種又は異種の上記環状化合物を適当な有機基で結合した化合物や、複数個の同種又は異種の上記環状化合物をユニットとして少なくとも1個以上含む双環化合物等も用いることができる。
上記式(2)で表される官能基を有する光反応触媒としては、Y(m)で表される原子が酸素原子の場合には、例えば、酢酸無水物、プロピオン酸無水物、ブチル酸無水物、イソブチル酸無水物、バレリック酸無水物、2−メチルブチル酸無水物、トリメチル酢酸無水物、ヘキサン酸無水物、ヘプタン酸無水物、デカン酸無水物、ラウリル酸無水物、ミリスチリル酸無水物、パルミチン酸無水物、ステアリル酸無水物、ドコサン酸無水物、クロトン酸無水物、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、オレイン酸無水物、リノレイン酸無水物、クロロ酢酸無水物、ヨード酢酸無水物、ジクロロ酢酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物、クロロジフルオロ酢酸無水物、トリクロロ酢酸無水物、ペンタフルオロプロピオン酸無水物、ヘプタフルオロブチル酸無水物、コハク酸無水物、メチルコハク酸無水物、2,2−ジメチルコハク酸無水物、イソブチルコハク酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、ヘキサヒドロ−4−メチルフタル酸無水物、イタコン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物、2−メチルマレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、グルタル酸無水物、1−ナフチル酢酸無水物、安息香酸無水物、フェニルコハク酸無水物、フェニルマレイン酸無水物、2,3−ジフェニルマレイン酸無水物、フタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、4,4’−(ヘキサフルオロプロピリデン)ジフタル酸無水物、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物等;マレイン酸無水物とラジカル重合性二重結合を持つ化合物の共重合体として、例えば、マレイン酸無水物と(メタ)アクリレートの共重合体、マレイン酸無水物とスチレンの共重合体、マレイン酸無水物とビニルエーテルの共重合体等が挙げられる。これらのうち市販品としては、例えば、旭電化工業社製のアデカハードナーEH−700、アデカハードナーEH−703、アデカハードナーEH−705A;新日本理化社製のリカシッドTH、リカシッドHT−1、リカシッドHH、リカシッドMH−700、リカシッドMH−700H、リカシッドMH、リカシッドSH、リカレジンTMEG;日立化成工業社製のHN−5000、HN−2000;油化シェルエポキシ社製のエピキュア134A、エピキュアYH306、エピキュアYH307、エピキュアYH308H;住友化学社製のスミキュアーMS等が挙げられる。
上記式(2)で表される官能基を有する光反応触媒としては、Y(m)で表される原子が窒素原子の場合には、例えば、コハク酸イミド、N−メチルコハク酸イミド、α,α−ジメチル−β−メチルコハク酸イミド、α−メチル−α−プロピルコハク酸イミド、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、3−メチル−N−フェニルマレイミド、N,N’−1,2−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N,N’−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビスマレイミド、1,1’−(メチレンジ−1,4−フェニレン)ビスマレイミド、フタルイミド、N−メチルフタルイミド、N−エチルフタルイミド、N−プロピルフタルイミド、N−フェニルフタルイミド、N−ベンジルフタルイミド、ピロメリット酸ジイミド等が挙げられる。
上記式(2)で表される官能基を有する光反応触媒としては、Y(m)で表される原子がリン原子の場合には、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
上記式(2)で表される官能基を有する光反応触媒としては、Y(m)で表される原子が炭素原子の場合には、例えば、2,4−ペンタンジオン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、3−エチル−2,4−ペンタンジオン、3−クロロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1−ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン等のジケトン類;ジメチルマロネート、ジエチルマロネート、ジメチルメチルマロネート、テトラエチル1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸等のポリカルボン酸エステル類;メチルアセチルアセトナート、エチルアセチルアセトナート、メチルプロピオニルアセテート等のα−カルボニル−酢酸エステル類等が挙げられる。
上記式(2)で表される官能基を有する光反応触媒のなかでも、ジアシルフォスフィンオキシド又はその誘導体は、消滅後の残渣が極めて少ないことから特に好適に用いられる。
上記式(2)で表される官能基を有する光反応触媒の配合量の好ましい使用量としては、上記加水分解性シリル基を有するポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体100重量部に対して0.01重量部、好ましい上限は30重量部である。0.01重量部未満であると、光反応性を示さなくなることがあり、30重量部を超えると、加水分解性シリル基を有するポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体を含有する組成物の光透過性が低下して、光を照射しても表面のみが架橋、硬化し、深部は架橋、硬化しないことがある。より好ましい下限は0.1重量部、より好ましい下限は20重量部である。
上記有機金属化合物として、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド等の錫化合物、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート等のアルキルオキシチタネート等が挙げられる。
上記重合性不飽和基を有するポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体を架橋させる架橋剤として、例えば、過酸化物、アゾ化合物等の熱ラジカル型開始剤;紫外線や可視光による光ラジカル開始剤;熱又は光ラジカル開始剤とメルカプト基を複数個持つ化合物を組み合わせてなる開始剤系等が挙げられる。
上記熱ラジカル開始剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、tert−ヘキシルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、α,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジキュミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類、パーオキシエステル類等の有機過酸化物、又は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられる。
上記光ラジカル開始剤としては、特に限定されないが、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール等のケタール誘導体化合物;ハロゲン化ケトン;アシルフォスフィンオキシド;アシルフォスフォナート;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシドビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド;ビス(η5−シクロペンタジエニル)−ビス(ペンタフルオロフェニル)−チタニウム、ビス(η5−シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピリ−1−イル)フェニル]−チタニウム;アントラセン、ペリレン、コロネン、テトラセン、ベンズアントラセン、フェノチアジン、フラビン、アクリジン、ケトクマリン、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノン、アセトフェノン、2−クロロチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソンや、以下の式(3)および(4)で示されるトリアジン系光重合開始剤等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
Figure 2006291132
(上記式(3)、(4)中、Xはハロゲン原子であり、同一であっても、異なっていてもよい。上記式(3)中、nは0から5の整数であり、R1は水素、炭素数4以下の脂肪族炭化水素基、水酸基、またはメトキシ基である。また、上記式(4)中、mは2または3である。)
上記エポキシ基を有するポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体を架橋させる架橋剤として、例えば、紫外線や可視光により酸が発生する光カチオン開始剤、熱カチオン開始剤、アミン化合物系硬化剤、アミド系硬化剤、酸無水物系硬化剤、メルカプト系硬化剤、ケチミンやDICY(ジシアンジアミド)等の熱潜在性硬化剤、カルバモイルオキシイミノ基等を有する光アミン発生剤等が挙げられる。
上記光カチオン触媒としては、例えば、鉄−アレン錯体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ピリジニウム塩、アルミニウム錯体/シラノール塩、トリクロロメチルトリアジン誘導体等が挙げられる。このうち、オニウム塩やピリジニウム塩の対アニオンとしては、例えば、SbF6 -、PF6 -、AsF6 -、BF4 -、テトラキス(ペンタフルオロ)ボレート、トリフルオロメタンスルフォネート、メタンスルフォネート、トリフルオロアセテート、アセテート、スルフォネート、トシレート、ナイトレート等が挙げられる。これらの光カチオン触媒のうち市販されているものとしては、例えば、イルガキュアー261(チバガイギー社製)、オプトマーSP−150(旭電化工業社製)、オプトマーSP−151(旭電化工業社製)、オプトマーSP−170(旭電化工業社製)、オプトマーSP−171(旭電化工業社製)、UVE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、CD−1012(サートマー社製)、サンエイドSI−60L(三新化学工業社製)、サンエイドSI−80L(三新化学工業社製)、サンエイドSI−100L(三新化学工業社製)、CI−2064(日本曹達社製)、CI−2639(日本曹達社製)、CI−2624(日本曹達社製)、CI−2481(日本曹達社製)、RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074(ローヌ・プーラン社製)、UVI−6990(ユニオンカーバイド社製)、BBI−103(みどり化学社製)、MPI−103(みどり化学社製)、TPS−103(みどり化学社製)、MDS−103(みどり化学社製)、DTS−103(みどり化学社製)、NAT−103(みどり化学社製)、NDS−103(みどり化学社製)等が挙げられる。これらの光カチオン触媒は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記熱カチオン硬化剤としては、例えば、アルキル基を少なくとも1個有するアンモニウム塩、スルホニウム塩、ヨウドニウム塩、ジアゾニウム塩、三フッ化ホウ素・トリエチルアミン錯体等が挙げられる。これらの塩類の対アニオンとしては、例えば、SbF6 -、PF6 -、AsF6 -、BF4 -、テトラキス(ペンタフルオロ)ボレート、トリフルオロメタンスルフォネート、メタンスルフォネート、トリフルオロアセテート、アセテート、スルフォネート、トシレート、ナイトレート等のアニオンが挙げられる。
上記光アミン発生剤としては、例えば、カルバモイルオキシイミノ基を有する化合物、コバルトアミン錯体、カルバミン酸−o−ニトロベンジル、o−アシルオキシム等が挙げられる。
架橋剤(3)としては、特に限定されないが、α,ω−ジアミノポリオキシプロピレン等が挙げられる。
架橋されたポリオキシアルキレン樹脂を用い、焼結性シートの形態をとる、本発明のバインダ樹脂は、本発明の目的を阻害しない範囲において、架橋性官能基を有するポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体と同じ反応性中間体を経由する官能基を有する化合物を共重合性又は共架橋性成分として含有してもよい。また、架橋性官能基を有するポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体とは異なる反応性中間体を経由する架橋性又は重合性官能基を有する化合物を共重合性又は共架橋性成分として含有してもよい。更に、これらの2種類の官能基を同時に併せ持つ化合物を含有してもよい。
上記共重合性又は共架橋性成分としては、例えば、ラジカル重合性不飽和基を有する化合物が挙げられる。このようなラジカル重合性不飽和基を有する化合物としては、例えば、スチレン、インデン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等のスチリル基を持つ化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシプロピルフタル酸、下記式(5)で表される化合物、下記式(6)で表される化合物等の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物等が挙げられる。
Figure 2006291132
上記共重合性又は共架橋性成分としては、また、例えば、エポキシ基を有する化合物が挙げられる。このようなエポキシ基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール型エポキシ樹脂、脂肪族環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ゴム変成エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、グリシジルエステル系化合物、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化SBS(SBSはポリ(スチレン−co−ブタジエン−co−スチレン)共重合体を示す)等が挙げられる。
上記共重合性又は共架橋性成分としては、また、例えば、イソシアネート基を有する化合物が挙げられる。このようなイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、キシリレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアン酸フェニルメタン等が挙げられる。
架橋されたポリオキシアルキレン樹脂を用いる、焼結性シートの形態をとる、本発明のバインダ樹脂は、基材のないノンサポートタイプであってもよく、離型処理された又はされていない基材の片面又は両面にポリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体からなる層が形成されたサポートタイプであってもよい。
前記未架橋または架橋されたポリオキシアルキレン樹脂を用いる、焼結性シートの形態をとる、本発明のバインダ樹脂は、粘着性〜非粘着性までの広い性状に調整することができる。例えば、ポリプロピレングリコールが主成分であれば粘着性が高くなり、また、固形のポリエチレングリコール又はポリテトラメチレングリコールの含有量が高くなると粘着性が低くなる。更に、架橋度によっても粘着性を調整することができる。
焼結性シートの形態をとる、本発明のバインダ樹脂を製造する方法としては特に限定されず、例えば、溶剤キャスト法、押出塗工法、カレンダー法、UV塗工重合法等の公知の方法を用いることができる。
焼結性シートの形態をとる、本発明のバインダ樹脂を溶剤キャスト法により製造する方法としては、例えば、溶剤に原料となる樹脂、必要に応じて架橋剤やフィラー等の添加剤を溶解・分散させ、得られた溶液を離型処理したフィルムにキャストし、溶剤を乾燥除去する方法等が挙げられる。
焼結性シートの形態をとる、本発明のバインダ樹脂をホットメルト塗工法により製造する方法としては、例えば、原料となる樹脂、必要に応じて架橋剤やフィラー等の添加剤を加熱混合・分散させ、Tダイ等を通してホットメルト塗工する方法等が挙げられる。
焼結性シートの形態をとる、本発明のバインダ樹脂をUV塗工重合法により製造する方法としては、例えば、光架橋性官能基を有する原料樹脂、架橋性官能基に応じて選ばれる開始剤又は架橋剤と必要に応じて充填材等の各種添加剤を混合した組成物を、塗工しながら光開始剤を活性出来る光を照射する方法等を挙げることができる。
上記光照射に用いられるランプとしては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が用いられる。この場合において、光カチオン重合開始剤に感光する波長領域の光が含まれる場合は、適宜フィルター等によって、その光をカットして照射することもできる。
また、焼結性シートの形態をとる、本発明のバインダ樹脂をUV塗工重合法により製造する場合には、予め原料組成物に増感剤を添加してもよい。上記増感剤としては、例えば、アントラセン誘導体、チオキサントン誘導体等が挙げられる。
また、焼結性シートの形態をとる、本発明のバインダ樹脂を熱重合法により製造する方法としては、例えば、熱架橋性官能基を有する原料樹脂、架橋性官能基に応じて選ばれる開始剤又は架橋剤と必要に応じて充填材等の各種添加剤を混合した組成物を、塗工しながら加熱して重合又は架橋する方法等が挙げられる。この場合の加熱方法としては、例えば、ホットプレート、加熱プレス装置、乾燥オーブン、ヒートガン、赤外線加熱装置、誘電加熱装置、誘導加熱装置、超音波加熱装置等を挙げることができる。なお、用いる架橋性官能基が目的に応じて複数に渡る場合には、複数の製造方法を組み合わせて用いてもよい。
次に、本発明のバインダ樹脂として、常温ではペーストの形態を維持し、光等により架橋し硬化物となる形態のもの(以下、ペースト状バインダ樹脂とも称する)について説明する。
本発明のペースト状バインダ樹脂は、架橋性官能基を有するポリオキシアルキレングリコールまたはポリオキシアルキレンをセグメントとして含む架橋性官能基を有する重合体と架橋剤とを含み、20℃における粘度が1から500万mPa・sのものである。
本発明のペースト状バインダ樹脂における、ポリオキシアルキレングリコールまたはポリオキシアルキレンをセグメントとして含む重合体、それが有する架橋性官能基、および架橋剤については、前記と同様のものである。
但し、本発明のペースト状バインダ樹脂における、20℃における粘度が1から500万mPa・s等の、常温でペーストの形態を維持するためには、架橋性官能基を有するポリオキシアルキレングリコールまたはポリオキシアルキレンをセグメントとして含む架橋性官能基を有する重合体の数平均分子量は5000以下であることが好ましい。
また、本発明のペースト状のバインダ樹脂は、重合性不飽和基を有する化合物を30質量%以下含有することにより、速硬化性が付与される。
重合性不飽和基を有する化合物の重合性不飽和基としては、特に限定されないが、例えば、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルエステル基、ビニロキシ基等を挙げることができる。
上記スチリル基を持つ化合物として、特に限定されないが、例えば、スチレン、インデン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。
上記アクリル基又はメタクリロイル基を持つ化合物として、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシプロピル−フタル酸、等を挙げることができる。
上記ビニルエステル基を持つ化合物として、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニル等を挙げることができる。
上記ビニロキシ基を有する化合物として、例えば、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等を挙げることができる。
本発明のペースト状バインダ樹脂の粘度は、20℃において1から500万mPa・sの範囲であれば、特に限定されるものではないが、使用目的、使用形態、等に応じて適した粘度に選択、調製することができる。
例えば、本発明のペースト状バインダ樹脂を、スピンコート法、引き上げ法、浸漬法などによって、所望の領域に均一に形成するには、20℃における粘度が1〜100mPa・sであることが好ましい。
また、本発明のペースト状バインダ樹脂を、刷毛塗り法などによって所望の領域に形成するには、20℃における粘度が500〜10万mPa・sであることが好ましい。
また、本発明のペースト状バインダ樹脂を、スクリーン印刷法などにより所望のパターンをなすように形成するには、20℃における粘度が20〜1000mPa・sであることが好ましい。
本発明のペースト状バインダ樹脂は、20℃における粘度が10〜500万mPa・sと常温下では、ペースト状態を維持するが、架橋化のためのエネルギーの付与等を行うことにより、架橋硬化して、架橋硬化物が得られる。
本発明のペースト状バインダ樹脂を架橋硬化させるには、熱による熱架橋や、光による光架橋が挙げられる。
但し熱架橋の場合、過熱により、本発明のペースト状バインダ樹脂中のポリオキシアルキレン樹脂が分解消失することがあるため注意を要する。このような理由から、本発明のペースト状バインダ樹脂の架橋硬化には光架橋が好ましい。
本発明のペースト状バインダ樹脂を光架橋により架橋硬化させる場合には、該バインダ樹脂の架橋反応を活性化できる光を照射する方法等を挙げることができる。
上記光照射に用いられるランプとしては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が用いられる。この場合において、光カチオン重合開始剤に感光する波長領域の光が含まれる場合は、適宜フィルター等によって、その光をカットして照射することもできる。
また、本発明のペースト状バインダ樹脂を光架橋により架橋硬化させる場合には、該バインダ樹脂に増感剤を添加してもよい。上記増感剤としては、例えば、アントラセン誘導体、チオキサントン誘導体等が挙げられる。
また、本発明のペースト状バインダ樹脂を熱架橋により架橋硬化させる場合には、該バインダ樹脂を加熱する方法、装置等を挙げることができる。この場合の加熱方法、装置としては、例えば、ホットプレート、加熱プレス装置、乾燥オーブン、ヒートガン、赤外線加熱装置、誘電加熱装置、誘導加熱装置、超音波加熱装置等を挙げることができる。
また、本発明のペースト状バインダ樹脂は、含まれている、架橋性官能基を有するポリオキシアルキレングリコールまたはポリオキシアルキレンをセグメントとして含む架橋性官能基を有する重合体を架橋剤を用いて、部分的に架橋させ、マイクロゲル状の形態とすることができる。
また、本発明のバインダ樹脂は、液状樹脂を含有していてもよい。液状樹脂を含有することにより、本発明のバインダ樹脂の消滅開始温度を下げることができ、150℃以上で速やかに消滅させることができる。上記液状樹脂としては、焼結性シートの形状維持、消滅温度を考慮して沸点が100℃以上の化合物であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコールオリゴマー、ポリプロピレンオリゴマー、ポリテトラメチレングリコールオリゴマー、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、グリセリンモノオレイル酸エステル等が挙げられる。
また、本発明のバインダ樹脂には、分解促進剤又は分解遅延剤を含ませることもできる。すなわち、分解促進剤又は分解遅延剤を含ませることによって、その分解速度及び分解温度を、使用用途、使用形態に応じて適宜制御することができる。
分解促進剤としては、特に限定されないが、アゾジカルボンアミドなどのアゾ化合物、硫酸鉄、硝酸ナトリウム、ナフテン酸コバルト等の重金属化合物;シュウ酸、リノレイン酸、アスコルビン酸等のカルボン酸類;ハイドロキノン、過酸化物、酸化錫等が挙げられる。
上記過酸化物としては、特に限定されず、無機過酸化物であっても有機過酸化物であっても良い。具体的には、無機過酸化物として、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウム、過ヨウ素酸カリウム等を挙げることができる。
有機過酸化物としては特に限定されないが、本発明のバインダ樹脂に貯蔵安定性を要する場合には、10時間半減期温度が100℃以上であるものが好適である。10時間半減期温度が100℃以上の有機過酸化物としては、例えば、P−メンタンハイドロキシパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロキシパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロキシパーオキサイド、クメンハイドロキシパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロキシパーオキサイド、t−ブチルハイドロキシパーオキサイド等のハイドロキシパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、α、α’−ビス(t-ブチルパーオキシ−m−イソプロピルベンゼン)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド;1,1−ビス(tert−へキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール;tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシマレイン酸、tert−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート等のパーオキシエステル等を挙げることができる。
上記アゾ化合物としては、特に限定されないが、具体的には、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2−アゾビス(4―メトキシ−2,4―ジメチルヴァレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等を挙げることができる。
なお、上記過酸化物およびアゾ化合物を含有することにより、本発明のバインダ樹脂を加熱して消滅させた後の炭化物の残渣の発生も抑制することができる。特に過酸化物のなかでも、灰分残渣の発生を抑制することができることから、有機過酸化物が好ましい。
上記分解遅延剤としては、特に限定されないが、メルカプト化合物、アミン化合物、有機錫、有機ホウ素等が挙げられる。
上記メルカプト化合物としては、特に限定されないが、具体的には、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、1−オクタンチオール、ドデカンチール、シクロペンタンチオール、シクロヘキサンチオール、1,3−プロパンジオール等を挙げることができる。
上記アミン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ドデシルアミン、イソプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アニリン、メチルアニリン等を挙げることができる。
上記有機錫としては、特に限定されないが、具体的には、ジメチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジウラレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ビス(2,4−ペンタンジオン)、ジラウリル錫ジウラレート等を挙げることができる。
上記有機ホウ素としては、特に限定されないが、具体的には、トリメチルボレート、トリプロピルボレート、トリブチルボレート、トリメトキシボロキシン、トリメチレンボレート等を挙げることができる。
本発明のバインダ樹脂における、上記分解促進剤及び分解遅延剤の含有量としては、特に限定されず、その使用用途、使用形態に応じて適宜選択されるものであるが、具体的には、バインダ樹脂に対し、1〜10質量%含有することが好ましい。
さらに、本発明のバインダ樹脂は、シランカップリング剤を含有してもよい。
上記シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン等が挙げられる。
また、本発明のバインダ樹脂は、チタンカップリング剤を含有してもよい。
上記チタンカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピル−n−ドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホシフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリドデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート等が挙げられる。
本発明において、焼結粉末としては、特に限定されないが、蛍光粉末、電子放出性粉末、導電性粉末、ガラス粉末およびセラミック粉末が挙げられ、これらの粉末のいずれか1種が用いられる。
導電粉末としては、特に限定されないが、たとえば、銅、銀、ニッケル、パラジウム、酸化銀、インジウム錫オキサイド等が挙げられる。
蛍光粉末としては、特に限定されないが、たとえば、硫化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化イットリウム、酸化ユーロピウム、酸化サマリウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、ZnS:Ag,Al、ZnS:Cu、Al、Y23:Eu、Y22S:Eu、Gd22S:Tb、SrGa24:Eu、ZnGa2O4:Mn、ZnGa24などが挙げられる。
なお、本発明のバインダ樹脂を用いて蛍光粉末を焼結させてブラウン管の蛍光体を形成させることもできる。したがって、ブラウン管の蛍光体に利用される蛍光粉末も同様に用いることができる。
ガラス粉末としては、特に限定されないが、たとえば、珪酸塩ガラス、鉛ガラス、CaO・Al23・SiO2系無機ガラス、MgO・Al23・SiO2系無機ガラス、LiO2・Al23・SiO2系無機ガラスの低融点ガラスが挙げられる。
電子放出性粉末としては、特に限定されないが、たとえば、グラファイト粉末、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンナノチューブ、微粉状カーボン繊維などのカーボン材料、ボロンニトリド粉末、アルミニウムニトリド粉末などの金属材料などがあげられる。なかでも本発明の焼結性組成物は低温で焼成できることからカーボン材料を含む場合にカーボン材料の劣化を防止でき好ましい。また、カーボンナノチューブがシングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)である場合は、SWCNTは400℃を超える高温では特に劣化しやすいことから本発明のペーストであることが特に好ましい。
セラミックとしては、特に限定されないが、たとえば、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、チタン酸バリウム、窒化アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素などが挙げられる。
本発明にかかる焼結性組成物は、バインダ樹脂が低温で短時間で分解消滅するため、有機物の残留を皆無にして残留する焼結粉末を低温で焼結させることができる。したがって、電子発生源、エミッタ、カソード電極、アノード電極、蛍光体などのフィールドエミッションディスプレイ構成部品を容易かつ精度よく作製することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
0.2Lのビーカー中で、数平均分子量7000のポリプロピレングリコール(旭硝子社製、プレミノール)70gとカーボンナノチューブ(和光純薬工業社製)30gとを、旭硝子50℃に加熱して、撹拌棒を用いて均一になるまで混合した後、遊星式攪拌脱泡機を用いて5分間攪拌、3分間脱泡して、焼結性ペーストを調製した。焼結性ペーストの粘度はB型回転粘度計で、80Pa・s(23℃、10rpm)であった。
(実施例2)
0.2Lのビーカー中で、数平均分子量3000のポリプロピレングリコール(旭硝子社製、エクセノール3020)70gとカーボンナノチューブ(和光純薬工業社製)30gとを、50℃に加熱して、撹拌棒を用いて均一になるまで混合した後、遊星式攪拌脱泡機を用いて5分間攪拌、3分間脱泡して、焼結性ペーストを調製した。得られた焼結性ペーストの粘度はB型回転粘度計で、5Pa・s(23℃、10rpm)であった。
(実施例3)
0.2Lのビーカー中で、数平均分子量7000万のポリプロピレングリコール(旭硝子社製、プレミノール)50gと蛍光粉末としての青色蛍光体(日亜化学工業社製)50gとを、撹拌棒を用いて均一になるまで混合した後、遊星式攪拌脱泡機を用いて5分間攪拌、3分間脱泡して、焼結性ペーストを調製した。焼結性ペーストの粘度はB型回転粘度計で、102Pa・s(23℃、10rpm)であった。
(実施例4)
0.2Lのビーカー中で、数平均分子量3000のポリプロピレングリコール(旭硝子社製、エクセノール3020)50gと数平均分子量2万の変性ポリプロピレングリコール(カネカ社製MSポリマーS−303)50gとカーボンナノチューブ(和光純薬工業社製)30gとを、撹拌棒を用いて均一になるまで混合した後、遊星式攪拌脱泡機を用いて5分間攪拌、3分間脱泡して、焼結性ペーストを調製した。得られた焼結性ペーストの粘度はB型回転粘度計で、150Pa・s(23℃、10rpm)であった。
(比較例1)
0.2Lのビーカー中で、ブチルカルビトール50g、メチルメタクリレート50gとジアシルフォスフィンオキシド化合物(チバスペシャルティーケミカル社製、商品名「イルガキュアー819」)1gとを、遮光下で50℃に加熱して、撹拌棒を用いて均一になるまで混合した後、窒素を10分間バブリングして溶存酸素を除去し、重合性モノマー溶液調製した。ここに、高圧水銀灯を用いて、1mW/cm2(365nm)の強度で10分間照射して、ポリラウリルメタクリレートのブチルカルビトール溶液を調製した。ここにカーボンナノチューブ(社製、)15gとを、撹拌棒を用いて均一になるまで混合した後、遊星式攪拌脱泡機を用いて5分間攪拌、3分間脱泡して、焼結性ペーストを調製した。得られた焼結性ペーストの粘度はB型回転粘度計で、3Pa・s(23℃、10rpm)であった。
(評価)
実施例1〜4及び比較例1において調整したペーストについて、下記の方法により、180℃、250℃及び300℃のそれぞれに加熱した場合の消滅までに要する時間について以下に示すような評価方法で評価し、その結果を表1に示した。
(消滅時間の評価)
スライドガラス上にペーストを5mm×5mm×100μmになるように塗布し、180℃、250℃及び300℃のいずれかの温度に設定したホットプレート上に載せた。目視によりバインダ樹脂が消滅するまでの時間を測定した。また、消滅後にスライドガラス上に残留した残渣の重量を測定し、加熱による重量の減少率を算出した。
Figure 2006291132
上記表1から、本発明にかかる焼結性組成物によれば、低温でも10分以内の短時間でバインダ樹脂が消滅することがよくわかる。

Claims (4)

  1. (a)ポリオキシアルキレン樹脂をバインダ樹脂として含有し、かつ(b)焼結粉末を含有することを特徴とする電界放出ディスプレイ構成部品用焼結性組成物であって、上記バインダ樹脂が、空気中で180℃に加熱されたときに60分以内に95重量%以上が消滅することを特徴とする電界放出ディスプレイ構成部品用焼結性組成物。
  2. 上記ポリオキシアルキレン樹脂が、ポリオキシプロピレン樹脂、ポリオキシエチレン樹脂、ポリオキシテトラメチレン樹脂、ポリオキシアルキレンをセグメントとして含む共重合体からなる群より選ばれた少なくともいずれか1種である請求項1に記載の電界放出ディスプレイ構成部品用焼結性組成物。
  3. 23℃におけるB型粘度計の10回転での粘度が、3〜100Pa・sである請求項1または請求項2に記載の電界放出ディスプレイ構成部品用焼結性組成物。
  4. 上記焼結粉末が、蛍光粉末、電子放出性粉末、導電性粉末、ガラス粉末およびセラミック粉末のいずれか1種である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電界放出ディスプレイ構成部品用焼結性組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009249608A (ja) * 2008-04-11 2009-10-29 Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc ペースト組成物、焼成体およびフラットパネルディスプレイ用部品
JP2010138369A (ja) * 2008-11-14 2010-06-24 Univ Of Fukui 焼成ペースト組成物
JP2014047338A (ja) * 2012-09-04 2014-03-17 Kyoeisha Chem Co Ltd 焼結用バインダー樹脂組成物

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