JP2008174122A - 車体後部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、リアフレーム2と、リアフロアクロスメンバ10と、ミドルフロアクロスメンバ3と、各リアフレーム2とリアフロアクロスメンバ10とミドルフロアクロスメンバ3とで囲まれる空間に配置された燃料タンクTの下方を覆う補強パネル1とを備える車体後部構造Sであって、補強パネル1は、上板と、下板と、上板および下板の間を連結する連結部材とを備えて構成されており、補強パネル1は、後面衝突時の荷重を前方の骨格部材へ伝達する厚みを有していることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
この補強構造は、図6に示すように、サポート部材109と、一対の圧縮緊張バー101(タンクロアフレーム)とで略Y字が形成されている。サポート部材109は、車体Bの幅方向の略中央に配置されて、車体Bの前後方向に延びている。このサポート部材109は、その後端がクロスサポート部材106(リアフロアエンドクロスメンバ)に接続されるとともに、その前端がレシービングブラケット110に接続されている。ちなみに、クロスサポート部材106は、リアフレーム102の後端側に接続されている。
圧縮緊張バー101は、それぞれの後端が車体Bの中央寄りでレシービングブラケット110に接続されるとともに、サイドシル105まで略V字状に延びたそれらの先端がサイドシル105と接続されている。
この車体後部構造は、図7に示すように、各リアフレーム202に渡し掛けられて接続されるリアフロアエンドクロスメンバ206、およびリアフロアクロスメンバ210と、リアフロアクロスメンバ210の前方で各サイドシル205に渡し掛けられて接続されるミドルフロアクロスメンバ203とを備えている。そして、この車体後部構造は、一対のタンクロアフレーム201と、一対の前記したスペアパンフレーム209とをさらに備えている。
を備える車体後部構造であって、前記補強パネルは、上板と、下板と、前記上板および前記下板の間を連結する連結部材とを備えて構成されており、前記補強パネルは、後面衝突時の荷重を前方の骨格部材へ伝達する厚みを有していることを特徴とする。
この車体後部構造では、荷重が補強パネルの前後方向に沿うように入力されると、補強パネルは、荷重を効率よくミドルフロアクロスメンバを介して骨格部材に伝達する。その結果、この車体後部構造では、車体の上方にオフセットされることとなるリアフレームを介しての荷重の伝達が減少する。つまり、この車体後部構造では、補強パネルによって後面衝突時における荷重の伝達効率が向上するので優れたエネルギ吸収能力を発揮することとなる。
したがって、この車体後部構造は、後面衝突時における衝突安全性能を向上させることができる。また、この車体後部構造では、補強パネルが燃料タンクの下方を覆うので、燃料タンクを上方からのみでなく下方からも保護することができる。
そして、この車体後部構造では、補強パネルが車体の底側の凹凸を低減するので、この車体後部構造Sを搭載した車両は、その走行時に空力性能が向上する。
次に、本発明の第1実施形態に係る車体後部構造について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。ここで参照する図1(a)は、第1実施形態に係る車体後部構造を含む車体構造を模式的に示す底面図、(b)は、第1実施形態に係る車体後部構造を模式的に示す側面図である。図2は、図1(a)のA−A断面における補強パネルの様子を部分的に示す部分断面図である。図3(a)から(c)は、第1実施形態に係る車体後部構造に使用される補強パネルの変形例を示す断面図である。なお、以下の説明において、上下左右の方向については、通常の状態で接地している車両(自動車)の上下左右の方向を基準とする。
ここでは、まず本実施形態に係る車体後部構造Sを含む全体的な車体構造について説明する。
このような本実施形態でのリアフレーム2、リアフロアエンドクロスメンバ6、スペアパンフレーム9、およびリアフロアクロスメンバ10は、上面が開放したチャンネル状の部材で形成されている。
図1(a)に示すように、補強パネル1は、各リアフレーム2とリアフロアクロスメンバ10とミドルフロアクロスメンバ3とで囲まれる空間に配置された燃料タンクTの下方を覆うように配置されている。
さらに具体的にいうと、本実施形態での補強パネル1は、図1(b)に示すように、ミドルフロアクロスメンバ3とリアフロアクロスメンバ10の間で略水平に配置されており、補強パネル1の前端がミドルフロアクロスメンバ3の後側に接続されるとともに、補強パネル1の後端がリアフロアクロスメンバ10の前側に接続されている。この補強パネル1の水平高さは、スペアパンフレーム9の水平高さと略同じに設定されることが望ましい。
このような補強パネル1の板厚や、断面のサイズ、および材質は、求められる変位−強度特性に応じて適宜に決定することができる。
図3(b)および(c)に示す補強パネル1は、図3(a)に示す補強パネル1と異なって、補強パネル1が形成する一連の波型構造に補強部材14のハット型が組み込まれている。そして、図3(b)に示す補強パネル1では、補強部材14が、補強パネル1の左右両端側にのみ配置され、図3(c)に示す補強パネル1では、補強パネル1の中程にも配置されている。このような波板部材15への補強部材14の組み込みは、テイラードブランク接合により行うことができる。
また、補強部材14は、ハット型のものに限定されるものではなく、複数の山谷部を有する波型の断面形状を有するものであってもよい。
図1(b)に示すように、この車体後部構造Sでは、後面衝突時の荷重Fがバンパビーム8に入力されると、荷重Fは、リアフレーム2からサイドシル5側に伝達されるとともに、リアフロアエンドクロスメンバ6、スペアパンフレーム9、リアフロアクロスメンバ10、補強パネル1、およびミドルフロアクロスメンバ3を介して、フロントフロアフレーム7a側、およびサイドシル5側に伝達される。つまり、荷重Fは、リアフレーム2方向と、スペアパンフレーム9方向とに分散される。この際、スペアパンフレーム9は、従来の車体後部構造(例えば、特許文献1参照)のサポート部材109(図6参照)と異なって、水平となるように配置されているので、スペアパンフレーム9方向への荷重Fの分散成分は、スペアパンフレーム9を介して補強パネル1に効率よく伝達される。その結果、車体後部構造Sでは、荷重Fの分散が効果的に行われる。
したがって、この車体後部構造Sは、後面衝突時における車両の衝突安全性能を向上させることができる。また、この車体後部構造Sでは、補強パネル1が燃料タンクTの下方を覆うので、燃料タンクTを上方からのみでなく下方からも保護することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る車体後部構造について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。この第2実施形態では、車体後部構造に使用される補強パネルの構造のみが前記第1実施形態と異なるので、ここでは第2実施形態で使用される補強パネルについて主に説明する。ここで参照する図4(a)から(d)は、第2実施形態に係る車体後部構造に使用される補強パネルの断面図である。なお、図4(a)から(d)は、補強パネルの図1(a)中のA−A断面に相当する。
この芯部材16aの材質としては、例えば、金属、樹脂等が挙げられる。また、芯部材16aの材形は、例えば、発泡体、充填材を板状に保形したもの、ハニカム等が挙げられる。
上側パネル17bおよび下側パネル17aの材質としては、例えば、金属、樹脂等が挙げられる。
ちなみに、本実施形態での芯部材16aと上側パネル17bおよび下側パネル17aとの接合は、それらの材質に応じて、例えば、溶接、接着、リベットやボルトによる機械的結合等によって行われる。
また、本実施形態での補強パネル1aは、図4(b)に示すように、図4(a)に示す芯部材16aを複数の板部材16bに代えたものであってもよい。板部材16bのそれぞれは、補強パネル1aの前後方向(車両Bの前後方向)に延びるとともに、上側パネル17bと下側パネル17aとの間を繋いでいる。具体的には、各板部材16bは、その上下に設けられた支持部16cで上側パネル17bおよび下側パネル17aと接合されるとともに、ミドルフロアクロスメンバ3とリアフロアクロスメンバ10との間で延びて、これらのミドルフロアクロスメンバ3、およびリアフロアクロスメンバ10に接合されている。つまり、特許請求の範囲にいう芯部材に相当する板部材16bは、その剛性の高い長手方向が、車体Bの前後方向に沿うように配置されることとなる。
そして、この図4(b)に示す補強パネル1aは、後面衝突時にリアフロアクロスメンバ10側から入力された荷重を、補強パネル1aの前方に配置されるフロントフロアフレーム7a等の骨格部材に伝達することとなる。
前記第1実施形態および前記第2実施形態に係る車体後部構造Sは、補強パネル1,1aに、これを貫通するメンテナンス孔(図示省略)を設けたものであってもよい。
図5に示すように、波板部材15は、その波形が、例えば正弦波のような円弧状のものであってもよい。そして、この波板部材15では、山部11aの頂上部近傍が下板13aに相当し、谷部11bの底部近傍が上板13bに相当し、山部11aと谷部11bを繋ぐ傾斜部近傍が連結板13cに相当する。また、図示しないが、波板部材15の波形は、三角または五角以上の断面形状を有するものであってもよい。
1a 補強パネル
2 リアフレーム
3 ミドルフロアクロスメンバ
7a フロントフロアフレーム
7b トンネルフレーム
10 リアフロアクロスメンバ
11a 山部
11b 谷部
12 角部(骨部)
13 面部
14 補強部材
15 波板部材
16a 芯部材(骨部)
16b 板部材(骨部)
17 スキンパネル
B 車体
T 燃料タンク
S 車体後部構造
Claims (5)
- 車体の後部の両側に配置されるリアフレームと、
前記各リアフレームに渡し掛けられて接続されるリアフロアクロスメンバと、
前記リアフロアクロスメンバの前方で車幅方向に延びるように配置されるミドルフロアクロスメンバと、
前記各リアフレームと前記リアフロアクロスメンバと前記ミドルフロアクロスメンバとで囲まれる空間に配置された燃料タンクの下方を覆う補強パネルと、
を備える車体後部構造であって、
前記補強パネルは、上板と、下板と、前記上板および前記下板の間を連結する連結部材とを備えて構成されており、前記補強パネルは、後面衝突時の荷重を前方の骨格部材へ伝達する厚みを有していることを特徴とする車体後部構造。 - 前記補強パネルは、波型の断面形状を呈しており、前記波型の山部と谷部とが車幅方向に連続するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車体後部構造。
- 前記補強パネルは、さらに補強構造を備えており、この補強構造は、前記波型の断面形状における一部の前記山部および前記谷部を形成するとともに、車体の前後方向に入力された荷重を流すことを特徴とする請求項2に記載の車体後部構造。
- 前記補強パネルは、発泡材、充填材、およびハニカム材の少なくともいずれか1つを挟み込んだサンドイッチ構造を有することを特徴とする請求項1に記載の車体後部構造。
- 前記補強パネルは、芯部材を挟み込んだサンドイッチ構造を有しており、前記芯部材は、この芯部材の剛性の高い方向が車体の前後方向に沿うように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車体後部構造。
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