JP2008142721A - 無鉛はんだ合金 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛フリーでかつ錫を基材としたはんだ合金を開発し、厳しい温度変化を伴う環境下であってもはんだ接合部に破断や亀裂が生じず、従来の錫鉛はんだ合金と同様に安定したはんだ接合部を構成することができる無鉛はんだ合金を提供する。
【解決手段】Cuを2重量%以下、Ni0.002重量%以上0.2重量%以下、Ga0.001重量%以上1重量%未満、残部Snからなことを特徴とする無鉛はんだ合金である。Gaを添加することにより、はんだ合金に良好な伸びが付与される。はんだの伸びは、粘りとなってストレスを吸収し、安定したはんだ接合部を形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、新規な無鉛はんだ合金、特に半導体チップ等のダイボンド材に適した組成のはんだ合金に関する。
従来、はんだ合金において鉛は流動性及びぬれ特性を改善する重要な金属とされていた。しかし、近年では、はんだ付けを行う作業環境、はんだ付けされた物品の使用環境、およびはんだを廃棄するときの地球環境等を考慮すると、毒性の強い重金属である鉛の使用を回避するのが好ましいという観点から、鉛を含まない種々の無鉛はんだ合金が提案され、実際に使用されつつある(特許文献1,2等)。また世界的にも鉛の添加は規制の方向にある。
ところで、半導体素子のメーカーでは、シリコン基板に形成された半導体チップをリードフレームや放熱板に接合させるためのダイボンド材としてはんだが用いられている。特に車載モータやその他の電動モータを駆動制御するためのパワーデバイス等のような発熱量の大きい半導体素子を銅板等の放熱板に接合する際には素子の熱を効率良く放熱板に伝えるために、はんだ合金を用いたダイボンディングが行われている。従来、ダイボンド材として用いるはんだ合金には錫鉛はんだ合金が使用されてきたが、この種の用途においても無鉛はんだ合金を使用することが好ましい。
特開平11−221695号公報 特開2000−197988号公報
しかしながら、従来の無鉛はんだ合金をダイボンド材として使用した半導体製品に多数回のヒートサイクルによる熱ストレスを負荷した場合、チップ部品と放熱板の熱膨張の違い、更にははんだ材との膨張率の違いによる破断や亀裂の発生が問題となる。この問題は、特に車載用途等のように過酷な温度変化を伴う環境下での使用が予想される製品にとっては深刻な問題となる。この点、従来の錫鉛はんだ合金をダイボンド材として使用した場合には、比較的良好な耐ヒートショック性を確保することができる。これは、錫鉛はんだは鉛の存在によって耐ヒートショック性に優れているからということができる。したがって、無鉛はんだ合金をダイボンド材として用いる場合には、これらの課題を解消することが重要である。
そこで本発明者は、無鉛はんだ合金をダイボンド材として用いた場合の一例として、主成分Snに対して0.6重量%のCu及び微量のNiを添加した組成からなるサンプルAと、主成分Snに対して3.0重量%のAg及び0.5重量%のCuを添加したサンプルBの2種類の無鉛はんだ合金について実験した。これらサンプルA及びBは、三元組成からなる無鉛はんだ合金として現在知られている組成であり、特にサンプルAの構成元素は本出願人の特許発明(特許第3152945号)と同じである。実験では、図1(a)に示す如く、サンプルA及びBのそれぞれをシート状はんだ2に成形し、これをシリコンチップ1と銅板3の間に配置した状態でリフローによるはんだ付けを行い、図1(b)に示す断面構造の試験体を得た。そしてサンプルA及びBのそれぞれの試験体に対してヒートサイクル試験を行った後、試験体を分断してはんだ接合部に生じた破断状況を観察した。
図2はサンプルAの拡大断面写真を示し、同図(a)はシリコンチップエッジ部分の拡大断面であり、(b)はチップ中央の拡大断面である。図2(a)から明らかなように、サンプルAの無鉛はんだ合金をダイボンド材として用いた場合、ヒートサイクル試験によりチップエッジ部分からはんだ接合部の内部に破断が生じている。また図2(b)に示すように、チップ中央において、シリコンチップの破損や銅板との界面剥離は確認されなかった。
図3はサンプルBの拡大断面写真を示し、同図(a)はシリコンチップエッジ部分の拡大断面図であり、(b)はチップ中央の拡大断面図である。図3(a)から明らかなように、サンプルBの場合にも、サンプルAと同様に、ヒートサイクル試験によりチップエッジ部分からはんだ接合部の内部に破断が生じている。しかし、サンプルBの場合には、サンプルAには見られない現象として、シリコンチップ自体の割れが観察された。このような現象が生じることは、単に放熱効果が低下するという問題に止まらず、素子そのものを破壊するという重大な問題を生じさせる原因になる。また図3(b)に示すように、チップ中央においても、はんだが銅板表面と広範囲に界面剥離を起こしていることが判明した。
上記実験から言えることは、従来の無鉛はんだ合金は熱膨張時若しくは熱収縮時にシリコンチップと銅板の間に発生するストレス(応力)を吸収することができず、このストレスが破断や界面剥離、更にはシリコンチップの破壊等を生じさせているということである。ここで図2と図3を対比すると、サンプルAは上述のように試験後もシリコンチップ又は銅板との接合状態を維持しており、破断ははんだ内部に生じていると言えるから、ヒートサイクルに対する粘りがはんだ合金に不足していると考えられる。それに対し、サンプルBはシリコンチップを破損しており、しかも銅板と界面剥離を起こしていることから、はんだ合金の粘りが不足していることは勿論、はんだの凝固状態が硬すぎると考えられる。一般には、金属継手が硬すぎる場合、ストレスが作用すると継手部分の破壊に至るからである。
ところで、はんだ合金にAgを添加すると、はんだの融点が降下してぬれ始めが早くなると共に、合金自体が硬くなることが知られている。そこで本発明者は、サンプルA、サンプルB及び錫鉛はんだを含む7種類の組成について硬さ或いは脆さ(シャルピーインパクト試験)を確認した。図4はその結果を示すグラフである。この結果から明らかなように、Agを添加した組成のはんだは、Agを添加していないはんだよりも衝撃に強く、破損には至らない硬さを備えていることが判る。従って、Agを添加したはんだ合金は強固な硬さを有する反面、ヒートショックによるストレスをシリコンチップや接合界面に作用させてしまうという欠点がある。
はんだ合金は、はんだ接合のためにある程度の硬さは必要であるが、上述のAgを添加した組成のように硬すぎる構成の場合は却ってヒートサイクルに耐えられない。したがって、はんだ接合のための十分な機械的強度を保持しつつも必要以上の硬さとなることを抑制することが必要である。また、はんだの粘りは、外力が作用した場合のはんだ合金の強度と伸びで評価することができ、ヒートサイクルによって生じるストレスをはんだが吸収するためには、はんだ合金自体の伸び性を改善することが必要である。
本発明者は、サンプルBに比してサンプルAの方がより良好な結果を示していることから、サンプルAの組成を更に改良することにより、ダイボンド材にも適用し得る無鉛はんだ合金の開発を行うこととした。
そこで本発明は、鉛フリーでかつ錫(Sn)を基材としつつ、合金自体が硬すぎず、しかも粘りのあるはんだ合金を開発し、厳しい温度変化を伴う環境下で使用される場合であってもはんだ接合部に破断や亀裂が生じることを抑制し、安定したはんだ接合部を構成することができる無鉛はんだ合金を提供することを目的とするものである。
本発明者は、硬すぎず、かつ粘りのあるはんだ合金について鋭意研究を行ったところ、Agを含まない組成のはんだ合金を基調としつつ、それに微量のガリウム(Ga)を添加すれば、はんだを必要以上に硬くすること無く、良好な伸びを示すはんだ合金が得られることを見出した。そして更なる検討を行った結果、以下の組成を有する無鉛はんだ合金の発明に至った。
すなわち本発明は、Cuを2重量%以下、Ni0.002重量%以上0.2重量%以下、Ga0.001重量%以上1重量%未満、残部Snからなる無鉛はんだ合金である。本発明に係る無鉛はんだ合金の成分中、Snは融点が約232℃であり、接合母材に対するぬれを得るために必須の金属である。ところが、Snのみでははんだ付けに適した流動性を得ることができないし、又、結晶組織が柔らかく機械的強度が十分に得られない。従って、Snを主成分とし、これにCuを加えて合金自体を強化する。CuをSnに約0.7%加えると、融点がSn単独よりも約5℃低い約227℃の共晶合金となる。Cuの添加量としては、0.9重量%以下が最適であり、これ以上Cuを添加すればはんだ合金の融点が再び上昇する。融点が上昇するとリフロー時のはんだ付け温度も上げなければならないので、半導体の特性上好ましくはない。しかし、本発明の主な用途がダイボンド材であることを考慮すると、300℃程度まで許容範囲ということができる。そして、液相温度が300℃の場合にはCuの添加量は約2重量%である。そこで本発明ではCu添加量の最適値と上限値を上述した通りに設定した。
また本発明においては、Snを主成分としてこれに少量のCuを加えるだけでなく、Niを0.002〜0.2重量%添加する。NiはSnとCuが反応してできるCu6Sn5或いはCu3Snのような金属間化合物が銅板との接合界面で発生するのを抑制するバリア効果を持つ。このような金属間化合物は、放熱板等の接合対象と機械的結合を行うためには必須であるが、その反面、過剰な金属間化合物の生成は接合界面を脆くする。NiとCuは互いにあらゆる割合で溶け合う全固溶の関係にあり、接合対象が銅板である場合、Niは接合界面近傍でCuと反応し、ニッケルバリア層を形成する。このニッケルバリア層は接合界面での脆いSn−Cu金属間化合物の生成を抑制し、ヒートサイクルによるはんだ接合部の界面剥離を防止する作用を示すのである。またNiははんだの流動性を向上させる作用を示すので、Ni添加により良好なはんだ付けが期待できる。
Niの添加量としては0.02重量%以上0.1重量%以下が最適であり、この範囲であれば金属間化合物を抑制してはんだ接合性及びはんだ継手としての十分な強度などが確保される。さらにはNiを添加しない組成と比較して溶融時の流動性が向上するので、リフローはんだ付けの場合でも接合面を良好にする。一般に、Snに融点の高いNiを過剰に添加すると液相温度が上昇するので、本発明では、リフローはんだ付け時の温度を考慮して添加量の上限を0.2重量%に規定した。また、Niの添加量は0.002重量%以上であれば、Niを添加しない場合と比較して流動性が向上し、しかもニッケルバリア層の形成を期待できる。従って、本発明ではNiの添加量として下限を0.002重量%に規定した。
また本発明において重要な構成は、ガリウムを0.001重量%以上1重量%未満添加したことである。Gaは融点が30℃であり、接合時の拡散ぬれが速くなり、接合強度が向上する。また、Gaは酸化防止材としても作用し、はんだ合金の溶解中に発生する酸化滓を減少させる。従来は、Gaのこのようなぬれ性向上、接合強度向上及び酸化防止作用に着目して、無鉛はんだ合金にGaを添加することが提案されているが、本発明では、Gaが本発明組成のはんだ合金自体に良好な伸びを与えるという知見に基づき、Ga添加によって無鉛はんだ合金を必要以上に硬くすること無く、しかも良好な伸びを示すように構成するものである。Gaの添加量が0.005重量%以上であれば、はんだは良好な伸びを示すことが確認できた。しかしその一方で、Ga添加により接合強度が向上するので、添加量の増加に伴ってはんだは硬くなる。そしてGaの添加量が0.2重量%を超えると、はんだは次第に強度を増して硬くなっていくと共に、はんだの伸び率が低下する。従って、ガリウムの添加量としては0.005重量%以上0.2重量%以下が最適である。ただし、はんだの硬さや伸び率の低下がチップ破損や界面剥離といった問題に至らない程度であればよいので、本発明では、Ga添加量の下限を0.001重量%とし、上限を1重量%未満とした。
また、Gaは接合界面近傍でSn−Cu金属間化合物の異常な生成を抑制するという作用も示す。接合対象がニッケル板である場合には上述のニッケルバリアは機能しなくなるが、本発明において添加するGaは、接合対象がニッケルである場合には接合界面近傍にバリア層を形成し、接合界面からの過剰なニッケルの溶出を抑制できる。一般にシリコンにははんだが付かないため、シリコンチップのはんだ接合面には順にTi層,Ni層,Au層からなる薄膜層が形成されている。このはんだ接合面に対してはんだ付けを行うと、Auははんだ合金に溶出してしまうので、はんだはNi層に対して反応する。本発明において添加するGaは、このようなシリコンチップのNi層に接合する際、接合界面にバリア層を形成してNi層からの過剰なニッケルの溶出を抑制できるので有利である。
尚、上記組成は、錫、銅及びニッケルから成る組成の無鉛はんだ合金に微量のガリウムを添加することを基本としている。しかし、本発明者は更なる研究により、銅を含まない錫とニッケルから成る組成に対して上記添加量のガリウムを加えた場合であっても、上記と同様の作用が得られるとの知見を得た。すなわち、Niを添加することにより、はんだ合金自体を強化できるので、Cuを添加することなく、はんだ合金を構成することができる。ただし、この場合においてもNiとGaの添加量は上述した通りである。それ故、本発明は、Ni0.002重量%以上0.2重量%以下、Ga0.001以上1重量%未満、残部Snからなる無鉛はんだ合金を含むものである。
以上のような本発明の無鉛はんだ合金は、シリコン基板に形成されたパワーデバイス等の半導体チップをリードフレームや放熱板等に接合させるためのダイボンド材としての用途に特に適した耐ヒートサイクル特性を有する合金であるが、プリント基板と電子部品のはんだ付け用途等、汎用はんだとしても利用可能である。
本発明に係る無鉛はんだ合金は、ガリウム添加により、はんだ自体が良好な伸びを示すので、ストレスに対して粘りのあるはんだ接合部を形成することができる。即ち、熱ストレスが加わった場合でも、はんだ自体の伸びによってそのストレスを吸収できるので、はんだ接合部が破断することを抑制できると共に、接合対象物の破損や界面剥離といった問題も解消できる。特に、本発明のはんだ合金をダイボンド材として用いれば、過酷なヒートサイクル条件にも十分に耐え得るはんだ接合部が形成でき、半導体素子の耐久性を飛躍的に向上することができる。
以下、本発明者が行った試験結果に基づき、本発明のはんだ組成について更に詳しく説明する。
(引張試験1)
Cu0.3重量%、Ni0.05重量%、Ga0.1重量%、残部Snから成る実施例1のはんだ合金と、Cu0.3重量%、Ni0.05重量%、残部Snから成る比較例Aのはんだ合金のそれぞれに対して引張試験を行い、その引張力(強度)と合金の伸びを測定したところ、表1の結果が得られた。尚、試験を行うために必要となった引張力は合金自体の硬さとして評価する。
表1の結果から明らかなように、実施例1と比較例Aでは、はんだ合金の全重量に対するCu濃度とNi濃度が等しいにもかかわらず、Gaを0.1重量%添加した実施例1のはんだ合金は比較例Aのはんだ合金に比して伸び率が上昇している。また強度についてはは若干の上昇がみられるものの、硬すぎるという程度には至っていない。従って、Gaを0.1重量%添加した実施例1は、比較例Aと対比すると、ほぼ同程度の引張強度でありながら、良く伸びる合金となっている。
(引張試験2)
Cu0.3重量%、Ni0.1重量%、Ga0.1重量%、残部Snから成る実施例2のはんだ合金と、Cu0.3重量%、Ni0.1重量%、残部Snから成る比較例Bのはんだ合金のそれぞれに対して試験1と同様の引張試験を行ったところ、表2の結果が得られた。
表2の結果から明らかなように、実施例2と比較例Bでは、はんだ合金の全重量に対するCu濃度とNi濃度が等しいにもかかわらず、Gaを0.1重量%添加した実施例2のはんだ合金は比較例Bのはんだ合金に比して伸び率が上昇している。また強度についてはは若干の上昇がみられるものの、硬すぎるという程度には至っていない。従って、Gaを0.1重量%添加した実施例2は、比較例Bと対比すると、ほぼ同程度の引張強度でありながら、良く伸びる合金となっている。
(引張試験3)
Cu0.7重量%、Ni0.05重量%、Ga0.01重量%、残部Snから成る実施例3のはんだ合金と、Cu0.7重量%、Ni0.05重量%、Ga0.1重量%、残部Snから成る実施例4のはんだ合金と、Cu0.7重量%、Ni0.05重量%、残部Snから成る比較例Cのはんだ合金のそれぞれに対して上記各試験と同様の引張試験を行ったところ、表3の結果が得られた。
表3の結果から明らかなように、実施例3,4と比較例Cでは、はんだ合金の全重量に対するCu濃度とNi濃度が等しいにもかかわらず、Gaを0.01重量%若しくは0.1重量%添加した実施例3,4のはんだ合金は比較例Cのはんだ合金に比して伸び率が上昇している。特に実施例3においては、比較例Cに対して伸び率が倍以上であり、優れた伸びを示している。また強度に関し、実施例3は比較例Cよりも低下しているが、問題となるレベルではない。実施例4の強度は比較例Cよりも若干高くなっているが、これも問題となるレベルではない。従って、Gaを0.01重量%添加した実施例3、および0.1重量%添加した実施例4は、比較例Cと対比すると、ほぼ同程度の引張強度でありながら、良く伸びる合金となっている。
(引張試験4)
Cu0.5重量%、Ni0.05重量%、Ga1重量%、残部Snから成る参考例のはんだ合金と、Cu0.5重量%、Ni0.05重量%、残部Snから成る比較例Dのはんだ合金のそれぞれに対して上記各試験と同様の引張試験を行ったところ、表4の結果が得られた。
表4の結果から明らかなように、Gaを1重量%添加した参考例は、比較例Dに比して伸びが低下しており、しかも強度も2倍以上になっている。従って、参考例のはんだ合金は、伸びが悪く、しかも合金自体が硬くなってしまうので、ストレスを吸収するのは難しい。この結果から、Gaの添加量は1重量%未満とすべきであることがわかる。
(接合界面の評価)
Cu0.7重量%、Ni0.05重量%、残部Snから成る組成のはんだ合金0.3gを銅板或いはニッケル板の上に置き、ロジン系フラックスを用いて240℃で2分間ホットプレート上ではんだ付けした。図5(a)は、上記はんだ合金を銅板にはんだ付けした接合界面の拡大写真であり、同図(b)はニッケル板にはんだ付けした接合界面の拡大写真である。このはんだ合金は銅板に対してはニッケルバリアが作用しており、銅板からの銅の溶出が抑制されている(図5(a))。従って、銅板に対しては十分な接合強度が得られていると言える。しかし、ニッケル板に対してはバリア効果が作用しておらず、ニッケル板からニッケルが溶出している(図5(b))。そのため、ニッケル板との接合界面は脆く、ヒートサイクル時に界面剥離を生じる虞がある。
これに対し、図6〜図8は本発明の組成を有するはんだ合金を用いて上記と同様にはんだ付けした接合界面を示す拡大写真である。図6は、Cu0.7重量%、Ni0.05重量%、Ga0.01重量%、残部Snから成る組成のはんだ合金の場合を示しており、(a)は銅板との接合界面を、(b)はニッケル板との接合界面を拡大したものである。このはんだ合金は銅板に対してはニッケルバリアが作用しており、銅板からの銅の溶出が抑制されているので、銅板に対しては十分な接合強度が得られていると言える。またニッケル板に対してはガリウムによるバリア効果が作用し、ニッケル板からのニッケル溶出が抑制されている。従って、銅板だけでなく、ニッケル板に対しても十分な接合強度が得られていると言える。
図7は、Cu0.7重量%、Ni0.05重量%、Ga0.1重量%、残部Snから成る組成のはんだ合金の場合を示しており、(a)は銅板との接合界面を、(b)はニッケル板との接合界面を拡大したものである。このはんだ合金は銅板に対してはニッケルバリアが作用しており、銅板からの銅の溶出が抑制されているので、銅板に対しては十分な接合強度が得られていると言える。またニッケル板に対してはガリウムによるバリア効果が作用し、ニッケル板からのニッケル溶出が抑制されている。従って、銅板だけでなく、ニッケル板に対しても十分な接合強度が得られていると言える。また、このはんだ合金は0.01重量%のGaを添加した場合(図6)よりも接合界面が均質であり、より安定したはんだ接合部が形成されている。
図8は、Ni0.05重量%、Ga0.01重量%、残部Snから成り、Cuを含有しない組成のはんだ合金の場合を示しており、(a)は銅板との接合界面を、(b)はニッケル板との接合界面を拡大したものである。このはんだ合金も銅板に対してはニッケルバリアが作用しており、銅板からの銅の溶出が抑制されているので、銅板に対しては十分な接合強度が得られていると言える。またニッケル板に対してもガリウムによるバリア効果が作用し、ニッケル板からのニッケル溶出が抑制されている。従って、銅板だけでなく、ニッケル板に対しても十分な接合強度が得られていると言える。
はんだをダイボンド材として用いた構成を示す図である。 サンプルAの拡大断面写真である。 サンプルBの拡大断面写真である。 サンプルA、サンプルB及び錫鉛はんだを含む7種類の組成について硬さ試験(シャルピーインパクト試験)を行った結果を示すグラフである。 Cu0.7重量%、Ni0.05重量%、残部Snから成る組成のはんだ合金の接合界面を拡大した写真である。 Cu0.7重量%、Ni0.05重量%、Ga0.01重量%、残部Snから成る組成のはんだ合金の接合界面を拡大した写真である。 Cu0.7重量%、Ni0.05重量%、Ga0.1重量%、残部Snから成る組成のはんだ合金の接合界面を拡大した写真である。 Ni0.05重量%、Ga0.01重量%、残部Snから成る組成のはんだ合金の接合界面を拡大した写真である。
符号の説明
1 シリコンチップ
2 シート状はんだ
3 銅板

Claims (5)

  1. Cuを2重量%以下、Ni0.002重量%以上0.2重量%以下、Ga0.001重量%以上1重量%未満、残部Snからなることを特徴とする無鉛はんだ合金。
  2. 好ましくはCuの添加量が0.9重量%以下である請求項1記載の無鉛はんだ合金。
  3. Ni0.002重量%以上0.2重量%以下、Ga0.001以上1重量%未満、残部Snからなることを特徴とする無鉛はんだ合金。
  4. 好ましくはGaが0.005重量%以上0.2重量%以下の範囲である請求項1乃至3のいずれか記載の無鉛はんだ合金。
  5. 好ましくはNiが0.02重量%以上0.1重量%以下の範囲である請求項1乃至4のいずれか記載の無鉛はんだ合金。
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