JP2008137635A - 空気入りタイヤの設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの設計・開発を高効率化し、低コストでタイヤを提供する。
【解決手段】内部構造を含むタイヤ断面形状を表し複数の要素に分割されたタイヤ基本モデル、タイヤ性能評価用物理量を表す目的関数、タイヤの各ゴム部材の物性が定まる加硫条件を決定する加硫条件変数、ゴム部材の物性を決定する設計変数及びゴム部材の物性を制約する制約条件を定める(100,102)。加硫条件変数を単位量Δq変化させたときと設計変数を単位量Δri 変化させたときのゴム部材のヤング率による目的関数の値及び制約条件の値を演算して加硫条件変数及び設計変数毎に感度を演算する(104〜114)。感度を用いて制約条件を満たし目的関数の値を最大にする加硫条件変数及び設計変数の変化量を予測し、目的関数の値が予測値に収束したとき、加硫条件変数及び設計変数に基づいてゴム部材のヤング率及び加硫条件を決定する(116〜122)。
【選択図】図2

Description

本発明は空気入りタイヤの設計方法にかかり、特に、自動車等に使用される空気入りタイヤなどのタイヤを、有限要素法などの解析方法を用いて効率的かつ容易に設計することができる空気入りタイヤの設計方法に関するものである。
一般に、物性を考慮したタイヤ設計方法としては、物性が既知の複数のゴム部材を予め設定し、各ゴム部材毎に物性を変更し、変更した物性によるタイヤを試作・試験を行い、転がり抵抗やバネ定数等について目標性能が得られるまで試作・試験を繰り返して、設計開発するのが従来の通常の方法であった。
また、近年、コンピュータの進歩に伴い、大規模な3次元有限要素法の解析モデル(以下、有限要素モデルという)を用いての設計最適化が行われている。これは、対象物の3次元形状を有限個の多数の要素に分割し、上記各要素に剛性や質量等の物性を付与して近似した有限要素モデルを作成し、このモデルを用いて、対象物の目的性能を、対象物の形状や構造あるいは物理量を含む制約条件下で解析して対象物の最適構造を求めるものである。
例えばタイヤ設計の場合には、3次元のタイヤモデルを作成し、所定の境界条件下あるいは制約条件下で、乗り心地性や操舵安定性などの目的性能を達成するための、タイヤトレッド形状やゴムの弾性率などのタイヤの形状、構造、物理量などの設計要因とその組み合わせを求めるような最適化計算方法が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
特開平7−164815号公報 特開2002−222216号公報
上述の技術を利用して、対象物の有限要素モデル(3次元のタイヤモデル)を作成し、有限要素法により、有限要素モデルに外力等の条件を与えて、その時の対象物の変形などをシミュレーションするのみで最適なタイヤ構造やゴム物性を求めることができる。
しかしながら、3次元のタイヤモデルを用いた解析では、設計当初のタイヤ形状やゴム部品の物性を考慮して計算を進めることはできるものの、製造過程で変動する物性を考慮することはできなかった。すなわち、実際にタイヤを製造する場合におけるタイヤ加硫条件の影響は考慮されていなかった。このため、最終的には加硫により定まるゴム物性を考慮して、ベストな形状、構造、物性を決定するためには、タイヤの試作・試験の試行錯誤の繰返しを余儀なくされていた。このように、タイヤ開発が試作・試験の試行錯誤の繰り返しとなる場合が多くなることによって、非常に非効率でコスト高になる等の問題があった。
本発明は、タイヤ加硫の影響を考慮して目標性能を向上することができると共に、タイヤの設計・開発を高効率化し、低コストでタイヤを提供することができる空気入りタイヤの設計方法を提供することを目的とする。
本発明は、ゴム弾性率に対するタイヤ加硫の影響を予測することにより、目的性能を満たす設計要因と加硫条件とを求めている。
具体的には、本発明の空気入りタイヤの設計方法は、(a)内部構造を含むタイヤ断面形状を表すタイヤ基本モデルと、タイヤ性能評価用物理量を表す目的関数と、タイヤの各ゴム部材の物性が定まる加硫条件を決定する加硫条件変数と、ゴム部材及び補強材の物性を決定する設計変数と、ゴム部材及び補強材の物性、性能評価用物理量及びタイヤ寸度の少なくとも1つを制約する制約条件を定めるステップ、(b)加硫条件変数に基づく加硫条件によるタイヤの各ゴム部材に対して付与される熱エネルギを求めると共に求めた熱エネルギに基づいてゴム部材の物性値を求めるステップ、(c)前記求めた物性値を用いて、制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える加硫条件変数の値及び設計変数の値を求めるステップ、(d)目的関数の最適値を与える加硫条件変数及び設計変数に基づいてタイヤを設計するステップ、を含んでいる。
なお、前記ステップ(a)を行った後かつ前記ステップ(b)を行う前に、有限要素法から実使用条件下での各ゴム部材の歪(この歪には、内圧による静的な歪と、実使用条件下(例えば車両走行時)での動的な歪を含めることができる)及び温度を求めるステップ(e)を行うと共に、前記ステップ(c)では、前記ステップ(b)で求めたゴム部材の物性値と前記ステップ(e)で求めた各ゴム部材の歪及び温度を用い、各ゴム部材の歪及び温度と物性値との既知の対応関係から前記ゴム部材の物性値を更新した後に、更新した物性値を用いて、制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える加硫条件変数の値及び設計変数の値を求めるようにしてもよい。
前記ステップ(b)では、前記熱エネルギを求めるために、ゴム配合の熱伝導度、比熱、密度の温度依存性、および加硫中に発生する加硫反応熱量の影響を考慮して熱伝達予測を行い、タイヤ各部材の得られる熱量及び最高到達温度を熱エネルギとして該熱エネルギに基づいてゴム部材の物性値を求めることができる。
また、前記ステップ(c)では、加硫条件変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度及び加硫条件の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感度と、設計変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度及び設計変数の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感度とに基づいて、制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える加硫条件変数の変化量及び設計変数の変化量を予測すると共に、加硫条件変数を予測量に相当する量変化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に相当する量変化させたときの制約条件の値と、設計変数を予測量に相当する量変化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に相当する量変化させたときの制約条件の値と、を演算し、予測値と演算値とに基づいて、制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える加硫条件変数の値及び設計変数の値を求めることができる。
また、前記加硫条件変数は、タイヤモールド側温度、ブラダー側温度及び加硫時間の少なくとも1つを表すことができる。
また、前記設計変数は、ゴムのヤング率、ポアソン比、及び異方性補強材の各方向のヤング率またはポアソン比の少なくとも1つを表すことができる。
本発明によれば、ステップ(a)において、内部構造を含むタイヤ断面形状を表すタイヤ基本モデルと、タイヤ性能評価用物理量を表す目的関数と、タイヤの各ゴム部材の物性が定まる加硫条件を決定する加硫条件変数と、ゴム部材及び補強材の物性を決定する設計変数と、ゴム部材及び補強材の物性、性能評価用物理量及びタイヤ寸度の少なくとも1つを制約する制約条件と、を定める。タイヤ基本モデルは、複数の要素に分割するのが良い。タイヤ性能評価用物理量を表す目的関数としては、転がり抵抗や横バネ定数等のタイヤの優劣を支配する物理量を使用することができる。タイヤのゴム部材の物性を決定する設計変数としては、各ゴム部材毎のヤング率及びポアソン比等の弾性率やロス特性を用いることができる。タイヤのゴム部材やゴム部材の配置を制約する制約条件としては、ゴム部材のヤング率及びポアソン比の値の制約、タイヤの縦バネ定数の制約、上下一次固有振動数の制約、ケース剛性の制約、ベルト弾性率等がある。タイヤの各ゴム部材の物性が定まる加硫条件を決定する加硫条件変数としては、モールド側温度、ブラダー側温度及び加硫時間で定まる加硫条件を決定する物理エネルギがある。
なお、目的関数、加硫条件変数、設計変数及び制約条件は、上記の例に限られるものではなく、タイヤ設計目的に応じて種々のものを定めることができる。
次のステップ(b)では、加硫条件変数に基づく加硫条件によるタイヤの各ゴム部材に対して付与される熱エネルギを求めると共に求めた熱エネルギに基づいてゴム部材の物性値を求める。このゴム部材の物性値を求めるときには、前記ステップ(b)では、前記熱エネルギを求めるために、ゴム配合の熱伝導度、比熱、密度の温度依存性、および加硫中に発生する加硫反応熱量の影響を考慮して熱伝達予測を行い、得られる熱量またはタイヤ各部材の最高到達温度及び熱量を熱エネルギとして該熱エネルギに基づいてゴム部材の物性値を求めると効果的である。
次のステップ(c)では、前記求めた物性値を用いて、制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える加硫条件変数の値及び設計変数の値を求める。この設計変数の値を求めるときには、制約条件を満たしながら目的関数の最適値を与える設計変数の値を求めることが含まれる。この場合には、加硫条件変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度及び加硫条件の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感度と、設計変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度及び設計変数の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感度とに基づいて、制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える加硫条件変数の変化量及び設計変数の変化量を予測すると共に、加硫条件変数を予測量に相当する量変化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に相当する量変化させたときの制約条件の値と、設計変数を予測量に相当する量変化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に相当する量変化させたときの制約条件の値と、を演算し、予測値と演算値とに基づいて、制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える加硫条件変数の値及び設計変数の値を求めると効果的である。これによって、制約条件を考慮し目的関数の値が最適になるときの加硫条件変数の値及び設計変数の値が求められる。
そしてステップ(d)では、目的関数の最適値を与える加硫条件変数及び設計変数に基づいてタイヤ基本モデル等を変更することによりタイヤを設計する。
本発明の設計法に基づき設計・開発した場合、従来の試行錯誤を基本とした設計・開発と異なり、コンピューター計算を主体にしてかつ製造時の加硫条件を考慮してベストモードの設計から設計されたタイヤの性能評価までがある程度可能となり、著しい効率化を達成でき、開発にかかる費用が削減可能となるものである。
以上説明したように本発明によれば、制約条件を考慮し目的関数の最適値を与える加硫条件変数及び設計変数を求め、これらの加硫条件変数及び設計変数から最適なゴム部材及び補強材の物性となるタイヤを設計しているので、設計・開発が高効率化し、低コストでベストな構造のタイヤを設計することができる、という効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の空気入りタイヤの設計方法を実施するためのパーソナルコンピュータの概略を示すものである。このパーソナルコンピュータは、データ等を入力するためのキーボード10、予め記憶されたプログラムに従って制約条件を満たしかつ目的関数を最適、例えば、最大または最小にする加硫条件変数及び設計変数を演算するコンピュータ本体12、及びコンピュータ本体12の演算結果等を表示するCRT14から構成されている。
先ず、タイヤ加硫を予測しつつ転がり抵抗を低減させる各ゴム部材の物性である弾性率(ヤング率)を求める例を説明する。
なお、このヤング率を求めるに際しては、転がり抵抗を低減させるために、タイヤの歪みエネルギーロス(ヒステリシス損失)を最適値である最小値にする各ゴム部材の物性であるヤング率を求めてもよい。
図2は、本実施の形態のプログラムの処理ルーチンを示すものある。ステップ100では、自然平衡状態のタイヤ断面形状を基準形状とし、この基準形状を、有限要素法等のように荷重転動時の転がり抵抗値を数値的・解析的に求めることができる手法によりモデル化し、内部構造を含むタイヤ断面形状を表すと共にメッシュ分割によって複数の要素に分割されたタイヤ基本モデルを求める。なお、基準形状は、自然平衡状態のタイヤ断面形状に限らず任意の形状でよい。ここで、モデル化とは、タイヤ形状、構造、材料、パターンを、数値的・解析的手法に基づいて作成されたコンピュータプログラムへのインプットデータ形式に数値化することをいう。
図3はこのタイヤ基本モデルを示すもので、複数のゴム部材毎に分割されたカーカス22を有する空気入りタイヤ20を示している。このカーカス22はビード26により折り返されている。このカーカス22の内側はインナーライナー24とされ、インナーライナー24に延長上にはビードゴム36が配置している。また、折り返されたカーカス22により形成される略三角形状の領域はビードフィラー28とされている。カーカス22の上方には、ベルト30が配置しており、このベルト30の半径方向外側には溝が形成されたトレッドゴム32が配置し、カーカス22の軸方向外側にはサイドゴム34が配置している。なお、タイヤ基本モデルをゴム部材毎に複数分割した例を挙げたが、設計目的によって3角形等の任意の形状に分割してもよい。
次のステップ102では、タイヤ性能評価用物理量を表す目的関数、ゴム部材の物性を制約する制約条件、タイヤの各ゴム部材の物性が定まる加硫条件を決定する加硫条件変数、及びゴム部材の物性を決定する設計変数を決定する。本実施の形態では、タイヤの転がり抵抗を低減させる加硫条件及び弾性率(ヤング率)を設計するため、目的関数OBJ、制約条件G、及び加硫条件Vを次のように定めている。
目的関数OBJ:転がり抵抗値
制約条件G :ケース剛性が現行同等(既存のタイヤについてのケース剛性)
加硫条件V :現行同等(例えば、モールド側温度、ブラダー側温度及び加硫時間の少なくとも1つで定まる条件)。
なお、ゴム部材の物性を決定する設計変数は、タイヤ基本モデルにおけるゴム部材のヤング率から予め定められた範囲を変化可能なように、以下の式(1)で示したヤング率を定める係数が対応される。このヤング率を定める係数は、係数r,r,r,・・・(以下、一般式rと表す。但し、i=1,2,・・・,予め定めた自然数)と順に予め定めた所定増分量で増加または減少してヤング率が変動するように設定され、ゴム部材のヤング率を得るためタイヤ基本モデルにおけるゴム部材のヤング率に係数を乗算するときの係数ri を設計変数として設定する。
i =ri ・eo −−−(1)
但し、ei :ヤング率
i :係数
eo:タイヤ基本モデルにおけるゴム部材のヤング率、
である。
また、加硫条件を決定する加硫条件変数は、タイヤ製造時に付与可能な予め定められたエネルギ範囲を変化可能なように、以下の式(2)で示した加硫条件を定める係数が対応される。この加硫条件を定める係数は、係数q,q,q,・・・(以下、一般式qと表す。但し、j=1,2,・・・,予め定めた自然数)と順に予め定めた所定増分量で増加または減少して加硫条件が変動するように設定され、ゴム部材に対する加硫条件を規定する条件値に係数を乗算するときの係数qを加硫条件変数として設定する。
=q・vo −−−(2)
但し、V:加硫条件
:係数(加硫条件変数)
vo:現行タイヤにおける加硫条件、である。
このようにして目的関数OBJ、制約条件G、加硫条件変数q及び設計変数rを決定した後、図2のステップ104において、目的関数及び制約条件の初期値を演算する。すなわち、現行タイヤ構造(対象とするタイヤのタイヤ基本モデルである形状)、現行ゴム配合(対象とするタイヤのゴム部材の要素配合)、及び現行加硫条件(対象とするタイヤを製造するときの現行の加硫条件)において、目的関数(例えばタイヤ転がり抵抗)の初期値、制約条件(例えばケース剛性やべルト弾性率)の初期値を演算する。
この初期値の演算は、現行ゴム配合によるゴム部材を有する現行タイヤ構造のタイヤ基本モデルに対して、現行加硫条件によりエネルギ付与した場合の熱伝導計算を、有限要素法により行って、ゴム部材の物性計算を実施する。この得られた物性値(例えばヤング率)を用いて、目的関数の値、及び制約条件の値を求める。
なお、上記熱伝導計算は、以下に説明する伝熱予測により行ってもよく、初期値として予め実験的に求めた値を記憶しておき、これを読み取ることによって実行してもよい。
次のステップ106では、加硫条件によるタイヤ基本モデルの物性を変化させるためにタイヤのゴム部材に対する加硫条件変数qを各々単位量Δqずつ変化させ、熱伝導計算を実行する。これにより加硫条件によって与えられる、タイヤ各部位の熱量(熱エネルギ)を求めることができる。
このステップ106の熱伝導計算では、ゴム部材の熱伝導度や反応熱を予め材料単位で実験的に求めておき、データベース化し、記憶することが好ましい。本実施の形態では、加硫条件(例えば、モールド側温度、ブラダー側温度及び加硫時間等)における伝熱予測を行うために、予測パラメータを予め求めてデータベース化している。
予測パラメータは、加硫条件に基づきタイヤ各部材への熱伝達性を計算する際に用いるものである。具体的には、各ゴム部材の熱伝導度、比熱、密度、及び加硫時反応熱や、それらの温度依存性に相当するものであるが、これらは実測して、データベース化することが好ましいがゴム配合内容から推定することも可能である。
従って、任意の加硫条件において、有限要素法を活用した予測パラメータに基づく非定常熱伝導計算を行うことで各ゴム部材の熱伝達性を求めることができ、結果としてタイヤ各部位の熱量(熱エネルギー)を計算(予測)することができる。
ステップ108では、上記ステップ106で求めたタイヤ各部位の熱量演算結果からゴム部材の物性値(ヤング率)を予測する。このステップ108のゴム部材の物性予測演算では、ゴム部材の物性値と熱量との関係を予め材料単位で実験的に求めておき、データベース化し、記憶することが好ましい。本実施の形態では、ゴム部材の物性値を予測するために、加硫温度及び加硫時間の各々とゴム物性との相関関係を予め求めてデータベース化している。
すなわち、各種ゴム配合による複数のゴム部材の各々について、加硫温度及び加硫時間の各々を変化させたときのゴム部材の物性値をラボ等の試験環境において予め実測する。この結果から最高加硫温度と総熱量に対するゴム部材の物性値(ヤング率などのゴム弾性率やロス特性)の特性をマスター曲線として求め、データベース化する。図4には、ゴム部材の物性の一例として、ゴムロス特性を示した。このゴムロス特性の例は、熱エネルギー量が増加するに従ってゴムロス特性値が一旦減少したのち増加する特性を示している。また、図5には、ベルトゴム弾性率の特性を示した。このベルトゴム弾性率の例は、熱エネルギー量が増加するに従ってゴム弾性率が概ね徐々に増加する特性を示している。
従って、ステップ108では、まず、上記ステップ106で求めたタイヤ各部位の熱量演算結果から、タイヤ各部材(または要素)における最高加硫温度、及び総熱量を求める。次にデータベース化したマスター曲線を用いて、タイヤ各部材(または要素)の最高加硫温度、及び総熱量に対応するゴム部材の物性値を求めることによって、ゴム部材の物性値(ヤング率)を予測する。
次のステップ110では、タイヤ基本モデルの物性を変化させるために所定のゴム部材の設計変数ri を各々Δri ずつ変化させる。次のステップ112では、設計変数をΔri 変化させた後の目的関数の値OBJi 及び制約条件の値Gi を演算して、その結果から以下の式(3)、(4)に従って、設計変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度dOBJ/dri と、設計変数の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感度dG/dri と、を各設計変数毎に演算する。
Figure 2008137635
また、加硫条件を考慮するため、ステップ110及び112において、初期値の演算と同様に、上記変化させた加硫条件によりエネルギー付与した場合の熱伝導計算によりゴム部材の物性計算を実施し、得られた物性値(例えばヤング率)を用いて、目的関数の値、及び制約条件の値を求める。そして、加硫条件変数をΔq変化させた後の目的関数の値OBJ及び制約条件の値Gを演算して、その結果から以下の式(5)、(6)に従って、加硫条件変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度dOBJ/dqと、加硫条件変数の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感度dG/dqと、を各加硫条件変数毎に演算する。
Figure 2008137635
これらの感度によって、加硫条件変数を単位量Δq変化させたとき、設計変数を単位量Δri 変化させたときの各々について目的関数の値がどの程度変化するか予測することができる。
次のステップ114では、全ゴム部材について演算が終了したか否かを判断し、全てのゴム部材について演算が終了していない場合には、ステップ106からステップ112を繰り返し実行する。
次のステップ116では、目的関数の初期値OBJo、制約条件の初期値Go、加硫条件変数の初期値qo、設計変数の初期値ro及び感度を用いて、数理計画法により制約条件を満たしながら目的関数を最小にする設計変数の変化量を予測する。これら加硫条件変数及び設計変数の予測値を用いて、ステップ118でタイヤを構成するゴム部材の構造は変化することはないが各ゴム部材のヤング率が修正されたヤング率修正モデルを決定すると共に、目的関数値を演算する。
次のステップ120では、ステップ118で演算した目的関数値OBJとステップ104で演算した目的関数の初期値OBJoとの差と、予めインプットされたしきい値とを比較することで目的関数の値が収束したか否かを判断し、目的関数の値が収束していない場合にはステップ116で求められた加硫条件変数及び設計変数の予測値を初期値として、ステップ104からステップ118を繰り返し実行する。目的関数の値が収束したと判断されたときには、このときの設計変数の値をもって制約条件を満たしながら目的関数を最小にする加硫条件変数の値及び設計変数の値とし、ステップ122において、加硫条件変数の値及び設計変数の値を用いてタイヤを構成する各ゴム部材のヤング率及び加硫条件を決定する。
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態を説明する。なお、本第2実施形態は第1実施形態と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、以下図6を参照し、本第2実施形態に係る処理ルーチンについて、第1実施形態で説明した処理ルーチン(図2)と異なる部分についてのみ説明する。
上述した第1実施形態では、「ケース剛性が現行同等」等の制約条件を満たし、かつ目的関数としての転がり抵抗値が最小になるように、各ゴム部材の物性値(ヤング率)及び加硫条件を決定する態様を説明したが、タイヤの実使用条件下では、まず内圧が加えられることでタイヤの各ゴム部材に歪(静的な歪)が生じ、タイヤが転動されることで各ゴム部材の歪が更に変化する(静的な歪に動的な歪が加わる)と共に、タイヤの転動に伴って各ゴム部材の温度も変化する。そして、各ゴム部材の歪や温度が変化すると各ゴム部材のヤング率等の物性値が変化する。第1実施形態では実使用条件下での各ゴム部材の歪や温度の影響を考慮していないので改善の余地がある。
上記に基づき本第2実施形態に係る処理ルーチン(図6)では、ステップ104で目的関数及び制約条件の初期値を演算した後に、次のステップ105において、タイヤを構成する各ゴム部材のうち演算対象の特定ゴム部材について、実使用条件下での歪及び温度を演算する処理を行う。実使用条件下でのゴム部材の歪及び温度の演算は、例えば以下のようにして行うことができる。
すなわち、まず路面をモデル化した路面モデルを作成すると共に、作成した路面モデルに対し、実際の路面状態を模するための路面状態の設定を行う。路面モデルは路面形状を要素分割することで作成され、路面状態の設定は路面の摩擦係数μを選択設定することで行われる。路面の摩擦係数μは、例えば乾燥(DRY)、濡れ(WET)、氷上、雪上、非舗装等の路面状態によって相違するので、路面の摩擦係数μとして適切な値を選択設定することで、実際の路面状態を再現させることができる。なお、路面とタイヤモデルの間に流体モデルを設けても良い。流体モデルは、タイヤの一部(又は全部)及び接地面、タイヤが移動・変形する領域を含む流体領域を要素分割してモデル化したものである。
次に境界条件の設定を行う。この境界条件とは、タイヤモデルの解析上、すなわちタイヤの挙動をシミュレートする上で必要なものであり、タイヤモデルに付与する各種条件である。境界条件の設定では、まずタイヤモデルに内圧を与えると共に、回転変位及び直進変位(変位は力、速度でも良い)の少なくとも一方と、予め定めた負荷荷重とを与える。なお、路面との摩擦を考慮する場合は、回転変位(若しくは力、速度)及び直進変位(若しくは力、速度)の何れか一方のみでよい。
続いて、タイヤモデル及び上記で与えた境界条件に基づき、有限要素法により実使用条件下(所定速度でタイヤが転動している状態)でのタイヤモデルの変形計算を行う。タイヤモデルの変形計算では、タイヤ転動時の状態(過渡的な状態)を得るために変形計算を繰り返し(例えば1msec以内の計算を繰り返して行い)、その度に境界条件を更新するようにしてもよい。また、タイヤモデルの変形計算における計算時間としては、タイヤ変形が定常状態となることを想定し予め定めた時間を採用することができる。上記の変形計算により、タイヤモデルを構成する個々の要素毎に、実使用条件下で生ずる応力や歪(内圧による静的な歪及びタイヤ転動時の動的な歪を含む)が算出される。
次に、タイヤモデルに対して実使用条件下での発熱計算を行った後に、タイヤ内部の伝熱計算を行う。発熱計算は、実使用条件の一部として使用温度(環境温度)等を設定した後に、当該実使用条件下で生じる発熱現象をタイヤの各部位毎に特定し、その熱エネルギーを用いて行う。この場合、歪エネルギーロス等を基にタイヤの各部位に生じる発熱を計算することができる。また、この発熱計算では、タイヤの使用による路面との接触で生じる摩擦により発生するトレッド部分の発熱エネルギーを用いることができる。この場合にも、歪エネルギーロス等を基に、各部位に生じる発熱を計算することができる。なお、発熱計算はタイヤ各部位の温度予測を含む。温度予測は、予め設定した使用温度により、タイヤの全ての部位についてどの程度の温度になるのかを計算により求めるものである。この計算は、前述した変形計算によって算出されたタイヤ各部位の応力や歪に基づき、FEM等による熱解析によって予測することができる。
また、伝熱計算は、タイヤ内部から付与される熱エネルギーがタイヤ内部で伝達されるときのエネルギー伝達を計算したり、タイヤ内部で発生した熱エネルギーが周囲に伝達されるときのエネルギー伝達を計算する。この計算は、前述した変形計算によって算出されたタイヤ各部位の応力や歪に基づき、FEM等による熱解析によって計算することができる。これらの発熱計算と伝熱計算は、計算結果が収束するまで、例えば所定時間が経過するか、又は温度平衡状態になるまで繰り返し行われる。
上述した演算(変形計算や発熱計算、伝熱計算)により、タイヤモデルを構成する個々の要素毎に、実使用条件下での歪(内圧による静的な歪及びタイヤ転動時の動的な歪を含む)や温度が算出されるので、各要素のうち演算対象の特定ゴム部材に対応する複数の要素について、算出された歪及び温度の例えば平均値を各々演算する。これにより、演算対象の特定ゴム部材について、実使用条件下での歪及び温度を算出することができる。
また、本第2実施形態に係る処理ルーチン(図6)では、第1実施形態で説明した熱伝導計算(ステップ106)及び演算対象の特定ゴム部材の物性値(ヤング率)の予測演算(ステップ108)を行った後に、次のステップ109において、先のステップ105で演算した特定ゴム部材の実使用条件下での歪及び温度に基づき、ステップ108で予測演算した特定ゴム部材の物性値(ヤング率)を更新する。ゴム部材の歪及び温度の変化に対し、ゴム部材の物性値(ヤング率)は例として図7に示すように変化する。本第2実施形態に係るパーソナルコンピュータの記憶部には、図7に示すようなゴム部材の歪及び温度と物性値との対応関係がマップ、或いはテーブル等の形態で記憶されており、ステップ109では上記の対応関係を表すマップ、或いはテーブル等を記憶部から読み出し、ステップ105で演算した特定ゴム部材の実使用条件下での歪及び温度に対応する物性値をマップ、或いはテーブル等から導出することで、ステップ108で予測演算した特定ゴム部材の物性値(ヤング率)を更新する。
これにより、演算対象の特定ゴム部材の物性値が、実使用条件下での歪及び温度の影響を考慮した値(実使用条件下での値により近い値)へ更新される。また、本第2実施形態に係る処理ルーチン(図6)では、第1実施形態と同様に、演算対象の特定ゴム部材の設計変数ri を各々Δri ずつ変化させ(ステップ110)、目的関数の感度及び制約条件の感度を各設計変数毎に演算(ステップ112)した後に、全ゴム部材について演算が終了していないと判定された場合(ステップ114の判定が否定された場合)にステップ105に戻り、ステップ114の判定が肯定される迄ステップ105〜ステップ114を繰り返すので、タイヤを構成する全てのゴム部材について、実使用条件下での歪及び温度が各々演算され、実使用条件下での歪及び温度の影響を考慮した物性値が各々設定されることになる。
更に、本第2実施形態に係る処理ルーチン(図6)では、第1実施形態と同様に、ステップ120で目的関数の値が収束していないと判断された場合にステップ104に戻り、ステップ116で求めた加硫条件変数及び設計変数の予測値を初期値として、ステップ120の判定が肯定される迄ステップ104〜ステップ120を繰り返すが、この際、ステップ105で個々のゴム部材毎に行われるゴム部材の歪及び温度の演算は、ゴム部材の物性値(ヤング率)として、当該演算を最初に行う際に用いていた静止状態のタイヤを前提として仮に設定した値に代えて、先のステップ109で実使用条件下でのゴム部材の歪及び温度に基づいて更新した後の値を用いる。
これにより、ステップ104〜ステップ120が繰り返されることで、ステップ105におけるゴム部材の歪及び温度の演算結果の精度が向上していき(実使用条件下でのゴム部材の実際の歪及び温度との偏差が小さくなっていき)、これに伴ってステップ109で更新されるゴム部材の物性値(ヤング率)も実使用条件下での値により近づいていくことになり、目的関数の値が収束することでステップ120の判定が肯定された段階で、ステップ122において、「ケース剛性が現行同等」等の制約条件を満たし、かつ目的関数としての転がり抵抗値が実使用条件下で最小になるように、設計変数としての各ゴム部材の物性値(ヤング率)及び加硫条件を決定することができる。従って、本第2実施形態によれば、タイヤ加硫の影響に加え、実使用条件下でのゴム部材の歪及び温度の影響も考慮して目標性能を向上させたタイヤの設計・開発を高効率に行うことができ、前記タイヤを低コストで提供することが可能となる。
なお、本第2実施形態に係る処理ルーチン(図6)では、ステップ105におけるゴム部材の歪及び温度の演算を個々のゴム部材毎に行っていたが、これに限定されるものではなく、例えば前述した変形計算や発熱計算、伝熱計算を行うことで、タイヤモデルを構成する個々の要素毎に歪及び温度が算出されるので、この演算結果に基づいてタイヤを構成する全てのゴム部材の歪及び温度の演算を一度に行うようにしてもよい。この場合、ステップ105で全てのゴム部材の歪及び温度を演算した後は、ステップ114の判定が肯定される迄の間、個々のゴム部材についてステップ106〜ステップ114を繰り返すようにすればよい。
また、上記ではゴム部材の歪及び温度に基づいて更新するゴム部材の物性値としてヤング率を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ゴム部材の他の物性値を適用することも可能である。
次に、本発明の実施例を説明する。本実施例では、より転がり抵抗を向上させたタイヤを設計することを可能としたものである。
まず、トレッド部ゴム配合を低ロスのものを用いれば、低転がり抵抗のタイヤを得ることができる。ところが、タイヤとしては、トレッド部剛性、ケース部剛性などタイヤヘの入力を考慮しなければならない。ケース剛性が変化すると、トレッドゴムヘの入力が変化するのでタイヤ性能が変化する。また、タイヤを加硫することにより、ケース部材とトレッド部材への熱量が変化するため、タイヤゴム物性のバランスが決定される。
これらのことから、低ロスなトレッドゴム配合によりタイヤ性能を改良するだけでなく、ケース部剛性、トレッド部への入力、加硫による剛性バランスを加味することが好ましく、これらを総合的に考慮することによって、より転がり抵抗を改良したタイヤを設計することができる。
そこで、本実施例では、現行ゴム配合、現行構造を用いて、転がり抵抗を改良する加硫条件を算出する。
対象とするタイヤとして、TBR 11R22.5 Ribパターンのタイヤを用いて有限要素モデルを作成する(図2のステップ100)。目的関数は「タイヤ転がり抵抗を最小にする」とし、制約条件は「ケース剛性を現行同等」とし、加硫条件は「現行条件」としている(図2のステップ102)。
次に、現行タイヤ構造、現行ゴム配合、現行加硫条件において、目的関数(タイヤ転がり抵抗)、制約条件(ケース剛性またはべルト弾性率)の初期値を演算する(図2のステップ104)。
次に、加硫条件を微小変化させて、熱伝導計算を行う(図2のステップ106)。予めの実験結果からマスター曲線を事前に作成しておき、ゴム部材の各部位の熱伝導計算結果(最高加硫温度、全加硫度)から、ゴム物性を予測する(図2のステップ108)。そして、設計変数(各部材の弾性率、ロス特性)を微小変化させて、目的関数(タイヤ転がり抵抗)、制約条件(ケース剛性:ベルト弾性率)の値を算出し、加硫条件毎に変化幅(感度)を演算する(図2のステップ110〜112)。
これらのことを全ゴム部材について演算し(図2のステップ114)、上記感度を用いて、制約条件(ケース剛性やベルト弾性率)を満たしながら、目的関数(タイヤ転がり抵抗)を最小にする加硫条件変化を予測する(図2のステップ116)。予測結果から、加硫条件を修正したモデルを用いて目的関数(タイヤ転がり抵抗)が収束するまで再計算実施し、目的関数(タイヤ転がり抵抗)を最小とするタイヤ加硫条件が決定される(図2のステップ118〜122)。
以上のことにより、次の結果を得た。現行条件がIndex 100であるのに対して、上記実施の形態による最適化を行った最適加硫条件はIndex 110(良方向)、という結果であった。
また、上記結果は第1実施形態に係る処理ルーチン(図2)に従って目的関数を最小とするタイヤ加硫条件を決定した場合であるが、同一の条件で、第2実施形態に係る処理ルーチン(図6)に従い、実使用条件下でのゴム部材の歪及び温度を考慮して、目的関数としての転がり抵抗値が実使用条件下で最小になるように設計変数としての各ゴム部材の物性値(ヤング率)及び加硫条件を決定した場合には、Index 115(良方向)という結果が得られた。これにより、加硫条件に加えて実使用条件下でのゴム部材の歪及び温度の影響も考慮することで、実使用条件下での性能が更に向上するようにタイヤを設計・開発できることが確認された。
本発明の実施の形態に使用されるパーソナルコンピュータの概略図である。 本発明の実施の形態の処理ルーチンを示す流れ図である。 タイヤ基本モデルを示す線図である。 トレッドゴムロス特性を示す線図である。 ベルトゴム弾性率特性を示す線図である。 第2実施形態に係る処理ルーチンを示す流れ図である。 ゴム部材の歪、温度と物性値の対応関係の一例を示す線図である。
符号の説明
10 キーボード
12 コンピュータ本体
14 CRT

Claims (6)

  1. 次の各ステップを含む空気入りタイヤの設計方法。
    (a)内部構造を含むタイヤ断面形状を表すタイヤ基本モデルと、タイヤ性能評価用物理量を表す目的関数と、タイヤの各ゴム部材の物性が定まる加硫条件を決定する加硫条件変数と、ゴム部材及び補強材の物性を決定する設計変数と、ゴム部材及び補強材の物性、性能評価用物理量及びタイヤ寸度の少なくとも1つを制約する制約条件を定めるステップ。
    (b)加硫条件変数に基づく加硫条件によるタイヤの各ゴム部材に対して付与される熱エネルギを求めると共に求めた熱エネルギに基づいてゴム部材の物性値を求めるステップ。
    (c)前記求めた物性値を用いて、制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える加硫条件変数の値及び設計変数の値を求めるステップ。
    (d)目的関数の最適値を与える加硫条件変数及び設計変数に基づいてタイヤを設計するステップ。
  2. 前記ステップ(a)を行った後かつ前記ステップ(b)を行う前に、有限要素法から実使用条件下での各ゴム部材の歪及び温度を求めるステップ(e)を行うと共に、
    前記ステップ(c)では、前記ステップ(b)で求めたゴム部材の物性値と前記ステップ(e)で求めた各ゴム部材の歪及び温度を用い、各ゴム部材の歪及び温度と物性値との既知の対応関係から前記ゴム部材の物性値を更新した後に、更新した物性値を用いて、制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える加硫条件変数の値及び設計変数の値を求めることを特徴とする請求項1の空気入りタイヤの設計方法。
  3. 前記ステップ(b)では、前記熱エネルギを求めるために、ゴム配合の熱伝導度、比熱、密度の温度依存性、および加硫中に発生する加硫反応熱量の影響を考慮して熱伝達予測を行い、タイヤ各部材の得られる熱量及び最高到達温度を熱エネルギとして該熱エネルギに基づいてゴム部材の物性値を求めることを特徴とする請求項1又は請求項2の空気入りタイヤの設計方法。
  4. 前記ステップ(c)では、加硫条件変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度及び加硫条件の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感度と、設計変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度及び設計変数の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感度とに基づいて、
    制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える加硫条件変数の変化量及び設計変数の変化量を予測すると共に、
    加硫条件変数を予測量に相当する量変化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に相当する量変化させたときの制約条件の値と、設計変数を予測量に相当する量変化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に相当する量変化させたときの制約条件の値と、を演算し、
    予測値と演算値とに基づいて、制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える加硫条件変数の値及び設計変数の値を求める請求項1又は請求項2の空気入りタイヤの設計方法。
  5. 前記加硫条件変数は、タイヤモールド側温度、ブラダー側温度及び加硫時間の少なくとも1つを表すことを特徴とする請求項1又は請求項2の空気入りタイヤの設計方法。
  6. 前記設計変数は、ゴムのヤング率、ポアソン比、及び異方性補強材の各方向のヤング率またはポアソン比の少なくとも1つを表すことを特徴とする請求項1又は請求項2の空気入りタイヤの設計方法。
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