JP2008133539A - 疲労特性と伸線性に優れた硬引きばね用鋼線 - Google Patents

疲労特性と伸線性に優れた硬引きばね用鋼線 Download PDF

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Abstract

【課題】伸線加工後に焼入れ・焼戻し処理して鋼ばねに加工される冷間巻き用ばね用鋼線としての使用はもとより、伸線のままで鋼ばねに加工される冷間巻き用ばね用鋼線としても、優れた伸線性を示すと共にばね状に加工した後は優れた疲労特性のばねを与えるばね用鋼線を提供すること。
【解決手段】C,Si,Mn,Cr,Ti,Bなどの含有量が特定され、B,Ti,Nの含有量(質量%)が下記式(1)の関係を満たす他、固溶B量が0.0005〜0.0040%で、残部がFeおよび不可避不純物よりなる鋼からなり、前記固溶Bがパーライトノジュールの粒界に濃化している疲労特性と伸線性に優れたばね用鋼線を開示する。
0.03≦B/(Ti/3.43−N)≦5.0……(1)
【選択図】図1

Description

本発明は、疲労特性と伸線性に優れたばね用鋼線に関し、より詳細には、伸線加工後に焼入れ・焼戻し処理して鋼ばねに加工される冷間巻き用ばね用鋼線としての使用はもとよりのこと、伸線のままで鋼ばねに加工される冷間巻き用ばね用鋼線としても、優れた伸線性を示すと共にばね状に加工した後は優れた疲労特性のばねを与えるばね用鋼線に関するものである。
自動車などの軽量化や高応力化に伴い、エンジン、クラッチ、サスペンション等に使用される弁ばねやクラッチばね、あるいは懸架ばねについても高応力化が指向されており、それに伴ってばねに対する負荷応力はますます増大する傾向があるため、疲労強度に優れたばねが求められている。
近年、弁ばねや懸架ばね等の殆どは、オイルテンパー線と呼ばれる焼入れ・焼戻し処理されたばね用鋼線を使用し、常温でばね状に巻き加工して製造されている。
この様なオイルテンパー線は、金属組織が焼戻しマルテンサイトであるため高強度が得られ易く、しかも疲労特性や耐へたり性にも優れているといった利点を有している反面、焼入れ・焼戻し等の熱処理に大がかりな設備と処理コストを要するという欠点がある。そこで、伸線のままで冷間巻きしてばね状に加工するタイプの鋼線も知られており、例えばJIS規格におけるピアノ線(JIS G3522)の中で、特に弁ばねやこれに準ずるばね用としてピアノ線V種が定められている。
上記の様な焼入れ・焼戻しの熱処理を行うことなく冷間引抜きによって製造されるばね(以下では、この種のばねを「硬引きばね」と呼ぶことがある)は、熱処理を必要としないので、製造コストを低減できる。ところが、熱処理なしでフェライト・パーライト組織やパーライト組織の鋼線材を伸線したばね用鋼線は、疲労特性や耐へたり性が低いという欠点があり、こうした鋼線材を素材として用いたのでは、ますます高度化している最近の要望を満たす性能の鋼ばねは得られ難い。
低コストで製造できる硬引きばねについても、より高レベルのばね性能を得るべく様々な研究が行われており、本出願人も先に、特許文献1に開示の技術を提供している。この特許文献1は、硬引きばね用鋼線におけるパーライト分率を炭素含有量との関係で規定し、更に、Vを必須元素として含有させることでパーライトノジュールサイズの微細化を図り、例えば線径3.5mmで引張強さ1890MPaレベル以上の高強度を得ると共に、優れた耐へたり性も確保している。
しかし、単に炭素量を多くして高強度化したのでは、伸線加工性や靱性の低下が避けられず、また、パーライト分率を上げるにしても工業的な生産性に限界がある。更に、Vを添加すると鋼の焼入れ性が増大するので、パーライト組織を得るため伸線前に必要となるパテンティング処理工程で線速を落とさなければならず、生産性の低下により製造コストが上昇する。
他方、本出願人は他の技術として、スチールコードやワイヤロープの如き細線材の製造に用いる高炭素鋼材として、主相がパーライトで表層部のフェライト面積率を抑えることで耐縦割れ性を改善した鋼線を開発し、先に特許文献2を開示した。
この鋼線は、1)主相がパーライトで表層部のフェライト面積率を抑えている点、2)表層部におけるフェライトの生成量を抑えるため、B含量をTiやN含量との関係で規定している点、更に3)トータルB量(鋼中B量と同義)のみならず固溶B量までも制御している点で、本件発明と類似している。
しかしこの特許文献2に開示された技術は、相対的に炭素含量の多い高炭素鋼線からなる、スチールコードやビードワイヤ、ワイヤロープの如き極細線材を適用対象として、強伸線加工に伴う耐縦割れ性の改善を目的とする鋼材であって、中炭素鋼からなる弁ばねや懸架ばねなどのばね用鋼線を対象とし、ばね疲労特性や伸線性の改善を意図する本件発明とは用途も要求特性も異なる。
しかも、この技術は伸線限界のみに着目したもので疲労特性には言及されておらず、また追って詳述する如く、パーライトノジュールへのフリーB(固溶B)の偏析による不純物元素(リンなど)の偏析抑制やそれに伴う伸線性や、更には強度や延性の向上、といった観点からの追及は全くなされていない点で、本願発明とは異質の発明である。
また本発明者らが確認したところによると、該特許文献2に開示された鋼線は、細径で4000MPaレベルの高強度を有している点で極めて有用な鋼種であるが、ばね用鋼線としては必ずしも満足し得るものは得られなかった。
特開2002−180200号公報 特開2000−355736号公報
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、熱延後の伸線加工性やパテンティング処理後の伸線加工性を高めつつ、疲労特性や、更には高強度化と高応力化を増進することができるばね用鋼線を提供すること、具体的には、パーライト分率を向上させるためフェライト分率を極力低減することによって疲労特性の向上およびばね用鋼線材自体の強度を高めると共に、固溶Bの存在状態を工夫することによって優れた伸線性を有する鋼ばねを与えるばね用鋼線を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明のばね用鋼線とは、
C:0.50〜0.70%(化学成分の場合は質量%を表わす、以下同じ)、
Si:1.0〜2.5%、
Mn:0.5〜1.5%、
Cr:0.5〜1.5%、
Ti:0.005〜0.10%、
B:0.0010〜0.0050%、
N:0.005%以下(0%を含まない)、
P:0.015%以下(0%を含まない)、
S:0.015%以下(0%を含まない)、
Al:0.03%以下(0%を含まない)、
O:0.0015%以下(0%を含まない)
を含み、上記B,Ti,Nの含有量(質量%)が下記式(1)の関係を満たす他、固溶B量が0.0005〜0.0040%で、残部がFeおよび不可避不純物よりなる鋼からなり、鋼線の直径をDとしたとき、表面から深さ方向1/4・D位置におけるフェライト分率が1面積%以下で、且つ前記固溶Bがパーライトノジュールの粒界に濃化しているところに特徴がある。
0.03≦B/(Ti/3.43−N)≦5.0……(1)
本発明で用いる上記鋼は、更に他の元素として、
V:0.07〜0.4%、
Nb:0.01〜0.1%、
Mo:0.01〜0.5%、
Ni:0.05〜0.8%、
Cu:0.01〜0.7%
よりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有させることで、更なる改善を図ることも有効である。
そして、本発明の上記ばね用鋼線を用いて製造されたる鋼ばねは、優れた疲労特性を有するものとなるが、このばねも本発明の技術的範囲に包含される。
本発明によれば、C含量が0.50〜0.70%で、Si,Mn,Crなどの含有量の特定された中炭素鋼を対象とし、適量のBと適量の固溶Bを含有させることで初析フェライトの生成を抑制すると共に、鋼線の直径をDとしたとき、表面から深さ方向1/4・D位置におけるフェライト分率を1面積%以下に抑え、更に固溶Bをパーライトノジュールの結晶粒界に濃化して存在させ、該結晶粒界へのPなどの偏析を抑制することで脆化を阻止し、強度や伸線性に優れると共にばね加工後は優れた疲労特性を発揮するばね用鋼線を提供できる。
本発明らの知見によれば、ばね用鋼線の高強度化を期してC量を高めたとしても、工業生産性を考えるとパーライト分率には自ずと限界があるため、第2相組織として存在する初析フェライトを起点として伸線加工中に断線したり、ばねの使用中に疲労折損を起こし、これが、ばねの疲労寿命を低下させたり疲労寿命のバラツキを大きくしたりする原因になっているとの確信を得た。初析フェライトの生成原因として、おそらく、熱間圧延や伸線前の熱処理(パテンティング)工程で生じる脱炭によるものも含まれると推測される。
これらの知見に基づき、表層部における疲労寿命バラツキの原因と考えられる初析フェライトの生成を抑制すれば、高強度と靱性のバランスを保ちつつ、伸線加工性を高めると共にばね疲労特性の安定性を図ることができることを確認し、本発明に想到したものである。以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明における特徴的要素を纏めると、次の通りである。
1)中炭素鋼に適量のBを添加することで、初析フェライトの生成を抑える。
2)Tiを添加することにより、鋼中に不可避的に混入してくるNを捕捉し、BをフリーB(固溶B)として存在させることで初析フェライトの生成を抑える。
3)更に、フリーBをパーライトノジュールの粒界に濃化して析出させることにより、Pなどの不純物元素がパーライトノジュールの粒界に偏析するのを抑え、鋼の脆化を防止することによって伸線性を高めると共に、強度・疲労強度・延性を高める。
4)初析フェライト分率を低減することで伸線材の強度を高め、且つばね疲労寿命を向上させ、バラツキを低減する。
即ち、本発明ではこれらの特徴を生かすため、鋼中に合金元素としてBを添加し、更に適量のTiを含有させてBを固溶Bとすることでフェライトの生成を抑え、さらに固溶Bを適正位置に濃化して存在させることでPなどの偏析を抑制して脆化を阻止しており、これにより、優れた伸線性及びばね疲労特性を安定して確保できる様にしている。
以下、まず本発明で定める鋼材の成分組成について、各元素の含有率とその限定理由を明らかにする。
C:0.50〜0.70%
Cは、伸線材の引張強度を高め、疲労特性や耐へたり性を確保するために有用な元素であり、通常のピアノ線では通常0.8%程度以上含まれている。しかし、本発明で目的とする高強度のばね用鋼線においては、Cの含有量が0.70%を超えると欠陥感受性が増大し、表面疵や介在物からの亀裂の進展が容易になるなど、疲労寿命が著しく劣化するので、0.70%をC含量の上限とする。一方、C含量が少な過ぎると、高応力ばねとして必要な引張強度を確保できなくなる他、初析フェライト量が増大して疲労寿命の低下を抑制できなくなるので、少なくとも0.50%以上含有させねばならない。Cの好ましい含有量は、0.55%以上0.68%以下であり、より好ましくは0.60%以上0.65%以下である。
Si:1.0〜2.5%
Siは、固溶強化元素として強度向上に寄与し、疲労特性と耐へたり性の改善に貢献する元素である。また、ばね加工工程では、コイリング後の歪み取りのため400℃以上で熱処理(焼鈍)されるが、Siはその際の軟化抵抗を高める作用も有しており、こうした作用を有効に発揮させるには、少なくとも1.0%以上含有させねばならない。しかし、多過ぎると表面脱炭を増進して疲労特性を劣化させるので、多くとも2.5%以下に抑えるべきである。Si含有率の好ましい下限は1.6%、好ましい上限は2.2%である。
Mn:0.5〜1.5%
Mnは、主相となるパーライトを緻密で整然としたものとし、疲労特性を高めるうえで欠くことのできない元素である。こうした効果は、Mnを0.5%以上含有させることによって有効に発揮されるが、多過ぎると熱間圧延やパテンティング処理の際にベイナイト組織が生成し易くなって伸線加工性を害するので、1.5%を上限とする。Mn含量の好ましい下限は0.70%で、好ましい上限は1.0%である。
Cr:0.5〜1.5%
Crは、パーライトのラメラ間隔を狭くし、熱間圧延後や伸線前熱処理として行われるパテンティング後の強度を高め、耐へたり性や疲労強度を高めるうえで欠くことのできない元素であり、こうした効果を有効に発揮させるには、0.5%以上含有させる必要がある。しかし、多過ぎるとパーライト変態の終了を遅延させ、その結果としてパテンティングの線速を下げねばならなくなって生産性を害するばかりでなく、セメンタイトが強化され過ぎて靱性や延性も劣化するので、1.5%を上限とする。Cr含量の好ましい下限は0.7%、好ましい上限は1.2%である。
Ti:0.005〜0.10%
Tiは、BをフリーBとして存在させるため、鋼中に不可避的に存在するNがBと結合しない様にNをTiNとして固定するために添加する。またTiは、微細な炭化物(TiC)を生成してパーライトノジュールを微細化させ、伸線性や靱性の向上にも寄与する。これらの作用を有効に発揮させるため、下限を0.005%と定めた。しかし過度にTiを添加すると、余剰Tiによって過剰量のTiCが生成し、ラメラフェライトの析出強化によって伸線性をかえって劣化させる他、TiN自体も粗大化して介在物起点の疲労折損を誘発する原因になるため、上限を0.10%とした。なおTi量の下限は、後で詳述する如く、式(1)で規定するBおよびNの含有量も考慮して決めるべきである。Ti量の好ましい下限は0.01%である。
B(ホウ素):0.0010〜0.0050%で、固溶Bとして0.0005〜0.0040%
Bは、鋼線の表層部におけるフェライトの生成を抑制するために添加する重要な元素である。一般的にBは、亜共析鋼において旧オーステナイト結晶粒界に偏析して粒界エネルギーを下げフェライト生成速度を低下させるので、初析フェライトの低減に有効に作用する。一般に共析鋼や過共析鋼では、Bはフェライト抑制効果がなくなると考えられているが、本発明の如くたとえ共析や過共析の成分系であっても、脱炭により表層のC含量が低下すると推定される鋼種では、表層部の初析フェライト抑制元素として有効に作用するものと思われる。
その場合のBの存在形態は、一般にフリーBと呼ばれる、鋼中に介在物ではなく原子として存在する固溶Bである。固溶Bは更に、パーライトノジュールの粒界へのP等の不純物元素の偏析を抑制し、パーライトノジュール強度を高めてばね用鋼線の強度を向上させると共に、伸線加工性をも向上させる。Bが0.0010%未満で、固溶Bが0.0005%未満では、上述したBおよび固溶Bの効果が不十分となる。一方、Bが過度に多くなると、Fe23(CB)等のB化合物が生成し、フリーBとして存在できるBが少なくなって疲労強度のバラツキ低減に寄与できなくなる。しかも、Fe23(CB)等のB化合物は粗大な場合が多く、疲労折損の起点となって疲労強度を劣化させる。よってB量としては0.0050%以下、固溶Bとしては0.0040%以下に抑えるべきである。B量の好ましい範囲は0.0020〜0.0040%であり、固溶B量の好ましい範囲は0.0010〜0.0030%である。
0.03≦B/(Ti/3.43−N)≦5.0……(1)
上式(1)の(Ti/3.43−N)は、NがTiによって全て固定されたとした場合の余剰Ti量を示しており、B/(Ti/3.43−N)の値が0.03未満では、B含量に対して余剰のTi量が多過ぎるため、TiCの析出によって伸線性の劣化を引き起こす。一方、B/(Ti/3.43−N)の値が5.0を超えると、B含量に対して余剰のTiが少な過ぎるためNの固定が不十分となってフリーB量が過少となり、満足のいくフェライトの析出抑制作用が得られなくなる。この様な理由から、B/(Ti/3.43−N)の下限値は0.03、上限値は5.0と定めた。好ましい下限値は0.10、より好ましくは0.20であり、好ましい上限値は4.0、より好ましくは2.5である。
更に本発明では、トータルB量(鋼中B量)やフリーB量(固溶B量)に加えて、フリーBの存在位置がばね用鋼線としての伸線性を高める上で極めて重要となる。即ち、前掲の特許文献2を含めて従来の鋼種では、鋼の強度や加工性などの観点からトータルB量やフリーB量を規制することは試みられているが、特に本発明の対象となるばね用鋼線において、パーライトノジュールのどの領域に固溶Bを存在させたときに最良の効果が発揮されるかといった観点からの追及はなされたことがない。ところが本発明者らが追求研究を重ねたところ、固溶Bをパーライトノジュールの結晶粒界に濃化して存在させれば、安定して高レベルの伸線性を発揮するばね用鋼線が得られることを知った。
ここで、「固溶Bがパーライトノジュールの結晶粒界に濃化して存在する」とは、後記する実施例の欄に記載した測定方法に基づき、パーライトノジュールの結晶粒界に存在する固溶Bの濃度を測定したとき、上記結晶粒界に存在する固溶B量(特に、偏析B量と呼ぶ場合がある。)が0.05%以上であることを意味する。パーライトノジュールの結晶粒界は、おおむね、1〜20μmの間隔で存在している。後述する実施例に示すように、偏析B量が0.05%以上になると、伸線性が向上する。好ましくは、上記のようにして測定した偏析B量が0.05%以上であって、且つ、鋼中の固溶Bの平均濃度を1としたとき、偏析B濃度が50以上であることを満足していることが望ましい。
上記の様に、固溶Bをパーライトノジュールの結晶粒界に濃化して存在させることで高レベルの伸線性が得られる理由は、未だ完全に解明された訳ではないが、次の様に考えている。即ち、固溶Bをパーライトノジュールの結晶粒界に濃化して存在させると、該粒界に偏析して伸線性を著しく劣化させる不純元素(特にPやSなど)の偏析が該固溶Bの存在によって阻止され、これら不純元素が結晶粒内に分散状態で存在せざるを得なくなるためと思われる。その結果、伸線性だけでなく、伸線後の延性も向上し、ばねに加工する際の成形加工性が著しく改善されるのである。
この様なことから本発明では、鋼線内における固溶Bの存在状態までも規定し、固溶Bがパーライトノジュールの結晶粒界に濃化して存在することを必須の要件としている。尚、この様な固溶Bの濃化状態を得るための製造条件については、追って詳述する。
N(窒素):0.005%以下(0%を含まない)
本発明では、前述した如く適量のTiを含有させることで、不可避的に混入するNを固定し、固溶Bを確保することとしているが、Ti添加量を少なくするには、Nは少ないほど好ましい。しかし過度に脱窒を進めることは製鋼コストを高める原因になるので、実操業性を考慮してN量の許容限を0.005%と定めた。好ましくは0.0035%以下、より好ましくは0.002%以下に抑えるのがよい。
P(りん):0.015%以下(0%を含まない)
Pは旧オーステナイト粒界に偏析して粒界を脆化させ、伸線性を低下させるため、できるだけ低い方がよいが、実操業での脱りん効率を考慮して、0.015%程度を許容限界とする。
S(硫黄):0.015%以下(0%を含まない)
Sも旧オーステナイト粒界に偏析して粒界を脆化させ、伸線性を低下させるため、できるだけ少ない方がよく、実操業での脱硫効率を考慮して同じく0.015%を上限とする。
Al:0.03%以下(0%を含まない)
Alは製鋼時に添加する脱酸剤として含まれてくるが、多過ぎると粗大な非金属介在物となって疲労強度を劣化させるので、0.03%以下に抑制すべきであり、好ましくは0.005%以下に抑えるのがよい。
O(酸素):0.0015%以下(0%を含まない)
Oは、多過ぎると粗大な非金属介在物の生成源となって疲労強度を劣化させるので、多くとも0.0015%以下に抑えるべきであり、好ましくは0.0010%以下に抑えるのがよい。
本発明で用いる鋼材の成分組成は上記の通りであり、残部成分は実質的に鉄である。ここで「実質的に」とは、スクラップを含めた鋼原料や製鉄・製鋼工程、更には製鋼予備処理工程などで不可避的に混入してくる微量元素の混入を、本発明の特徴を損なわない範囲で許容するという意味である。
本発明では、更に他の元素として、V:0.07〜0.4%、Nb:0.01〜0.1%、Mo:0.01〜0.5%、Ni:0.05〜0.8%、Cu:0.01〜0.7%よりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含んでいてもよい。これらは単独で含んでいても良いし、2種以上を併用しても構わない。以下、これらの選択成分について詳しく説明する。
V:0.07〜0.4%
Vは、パーライトノジュールサイズを微細化して伸線加工性を高め、更には、ばねの靱性や耐へたり性の向上にも寄与する有用な元素である。こうした効果を有効に発揮させるには、0.07%以上含有することが好ましい。しかし過剰に含有させると、焼入れ性が増大して熱間圧延後にマルテンサイト組織やベイナイト組織が生成して後工程が困難になり、またパテンティング処理時の線速も下げねばならなくなって生産性を低下させ、更には、V炭化物を生成し、ラメラセメンタイトとして使用されるべきCを減少させることで却って強度を下げたり、初析フェライトを過剰に生成させたり、或はフェライト脱炭を誘発させる等の障害を招くので、多くとも0.4%以下に抑えることが好ましい。V含量のより好ましい下限は0.1%、より好ましい上限は0.2%である。
Nb:0.01〜0.1%
Nbは、パーライトノジュールを微細化して伸線加工性やばね靱性、および耐へたり性を向上させる有用な元素であり、これらの効果を有効に発揮させるには、少なくとも0.01%以上含有することが好ましい。しかし、過度に含有させると炭化物を過剰に生成し、ラメラセメンタイトとして使用されるべきC量を減少させて強度を低下させ、或は初析フェライトを過剰に生成させる原因になるので、0.1%を上限とすることが好ましい。Nb含量のより好ましい下限は0.02%、より好ましい上限は0.05%である。
Mo:0.01〜0.5%
Moは、焼入れ性を高めると共に、軟化抵抗を高めて耐へたり性を向上させるうえで有用な元素であり、こうした効果は、好ましくは、0.01%以上含有させることによって有効に発揮される。しかし、多過ぎるとパテンティング時間が過度に長くなる他、伸線性も劣化するので、0.5%を上限とすることが好ましい。
Ni:0.05〜0.8%
Niは、セメンタイトの延性を向上させて伸線性を高める作用を有する他、鋼線自体の伸線性向上にも寄与する。また、熱間圧延時やパテンティング処理時における表層部の脱炭を抑制する作用も有しており、それらの効果を有効に発揮させるには、少なくとも0.05%以上含有することが好ましい。しかし、多過ぎると焼入れ性が高まり、熱間圧延後にマルテンサイト組織やベイナイト組織が生成して後加工が困難になる他、パテンティング処理時の線速を落とさなければならなくなって製造コストを高める原因になるので、0.8%を上限とすることが好ましい。Ni含量のより好ましい下限は0.15%、さらに好ましい下限は0.2%、より好ましい上限は0.7%である。
Cu:0.01〜0.7%
Cuは、電気化学的にFeよりも貴な元素であり、耐食性を高めると共にメカニカルデスケーリング時のスケール剥離性を改善し、ダイス焼付きなどのトラブルを防止するのに有効な元素である。また、熱間圧延時のフェライト脱炭を抑制し、表層部の初析フェライト分率を低下させる作用も有している。これらの作用を有効に発揮させるには、Cuを少なくとも0.01%以上含有することが好ましい。しかし、多過ぎると熱間圧延割れを生じる恐れが生じてくるので、0.7%を上限とすることが好ましい。Cuのより好ましい下限は0.2%、より好ましい上限は0.5%である。
以上、本発明の鋼中成分について説明した。
また本発明では鋼線材の表層側組織として、鋼線を直径Dとしたときに、表面から深さ方向1/4・D位置を断面観察したとき、フェライト分率が1面積%以下であることを必須の要件とする。ちなみに、先に説明した様に本発明の鋼線材において、第2相組織としての生成を完全には回避し難い初析フェライトは、疲労寿命を低下させ、或は疲労寿命のバラツキを大きくする原因となる。従って本発明では、初析フェライトの分率を極力小さく抑えることが重要である。そこで本発明では、目的達成のために求められるフェライト分率の基準として、鋼線を直径Dとしたときに、表面から深さ方向1/4・D位置を断面観察したときのフェライト分率を1面積%以下と定めている。
ちなみに、該フェライト分率が1面積%を超えると、後述する実施例(図2)でも明らかにする如く線材の疲労折損率が明らかに増大し、ばね素材としての品質を保証できなくなる。なお本発明では、前述した如く適量のBを含有させると共に、こうしたBのフェライト抑制効果を有効に発揮させるために、TiやNの含量、更には前記(1)式の関係を規定しているのである。
次に、前記成分組成の鋼材を用いてばね用鋼線を製造する際の好ましい条件について説明する。
まず、鋼材を連続鋳造によって製造する際には、鋳造後の冷却速度を好ましくは0.1℃/sec以上、より好ましくは0.5℃/sec以上に高めるのがよく、この様に鋳造後の冷却速度を高めることで、鋼中に生成するTiN介在物の粗大化が極力抑制される。
また、鋳片を熱間圧延するに当たっては、本発明で特に重要となる固溶Bの量を確保するには、仕上げ圧延の後載置温度(好ましくは、以下に示すように900℃以上)から850℃までの温度域を30秒以内で冷却することが好ましい。850℃未満の温度域では、恒温保持などを行わず常法で放冷する限り、鋼材中の固溶BはNと化合することがなく、巻き取り後においてもBは固溶状態に保たれる。それに伴って、フェライトの生成も可及的に抑制される。
また、熱延のままでパテンティング処理すること無しに伸線加工を行う工程も考慮すると、圧延後の状態でフェライト分率を十分に低減しておくことが好ましい。そのためには、圧延後の載置温度を好ましくは900℃以上とし、その載置温度から700℃までの冷却速度を好ましくは3℃/sec以上、より好ましくは5℃/sec以上とする。具体的には、ブロアーによるエアーやミスト噴霧などの補助冷却手段を採用することが望ましい。
次いで行われるパテンティング処理では、「Ae変態点(オーステナイトとフェライトが平衡に共存できる上限温度)より高い温度域」に保持(恒温保持)した後、当該「Ae変態点より高い温度域」からAe変態点(フェライトとセメンタイトが平衡に共存できる上限温度)以下の温度域にまで急冷するのが好ましい。上記の恒温保持には、熱伝導率の高い熱媒体を使用するのが好ましい。具体的には、ジルコンサンドの如き熱容量の大きい粉粒体を熱媒体とする流動槽や鉛浴を使用し、且つオーステナイト化のための加熱炉から恒温保持炉へ入る間にエアーやミストを用いた強制冷却工程を設けるのが好ましい。このときの好ましい冷却速度は3℃/sec以上、より好ましくは5℃/sec以上である。
上記のパテンティング処理において、「Ae変態点より高い温度域」に加熱して保持するのは、固溶Bをパーライトノジュールの結晶粒界に極力濃化して偏析させ、不純物元素であるPなどが結晶粒界に偏析するのを阻止するためであり、なるべく高温で加熱するのが好ましい。上記の「Ae変態点より高い温度」は、具体的には、おおむね、950〜1050℃とすることが好ましい。ちなみに、加熱温度が950℃未満では固溶B量が少なくなってパーライトノジュールへの固溶Bの濃化が起こり難くなり、また1050℃を超えて温度が過度に高くなると、オーステナイト結晶粒の粗大化に伴ってパーライトノジュールも粗大化してくる。
また、上記「Ae変態点より高い温度域」での保持時間が過度に長くなると、鋼線表層部の脱炭が進行する他、パーライトノジュールも粗大化し、且つ固溶B量も少なくなるためパーライトノジュールへのBの濃化が起こり難くなり、該温度域での保持時間は30〜180秒の範囲とするのがよい。尚、30秒未満では合金元素の溶け込み不足で強度不足となる。より好ましい保持時間は50〜150秒である。
尚、本発明のばね用鋼線を伸線加工のままで用いる場合、ばね用鋼線の引張強さ(TS)はばね用鋼線の線径(d;mm)との関係で下記式(2)式に規定するのがよく、伸線加工時の減面率は、75〜93%の範囲とすることが好ましい。75%未満では、パーライト組織の配向性が整わず均一な伸線加工組織が得られないため、疲労寿命のバラツキが発生し易くなり、逆に93%を超えると、伸線限界に近くなるため内部クラックが生じたり表面割れを誘発し、その後のばねコイリング時やばねとしての使用時に折損を生じる恐れが出てくるからである。
-13.1d+160d−671d+2800≦TS≦-13.1d+160d−671d+3200…(2)
[式中、dはばね用鋼線の直径(mm)で、1.0≦d≦10.0]
以下、実施例を挙げて本発明の構成および作用効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例
表1に示す化学成分の鋼(鋼種A〜K)を小型真空炉で溶製して鋳造した後、表2に示す冷却速度で冷却してから熱間鍛造を行い、155mm角の棒材を得た、次いで、表2に示す圧延条件で熱間圧延を行い、直径9.0mmの鋼線材を得た後、皮削りを行って直径を8.4mmに調整し、その後、表2に示す条件でパテンティング処理した後、表2に示す線径まで伸線加工を行って伸線材(鋼線)を得た。
詳細には、上記のパテンティング処理工程では、表2に示すように、オーステナイト化加熱温度および加熱保持時間を変化させると共に、冷却速度(線速)を調整してパテンティング時間(鉛浴中の線の通過時間)を鋼種毎に変動させた。鉛浴温度は620℃に設定した。また、鉛浴とオーステナイト化のための加熱炉の間に高圧エアーを吹き付けて強制冷却を行ない、急冷後に鉛浴に入る様にした。
また、上記の伸線加工では連続伸線機を使用し、最終ダイス以外の各ダイスの減面率を15〜25%として、最終ダイスの減面率を5%に設定した。表2には、伸線時の総減面率を示している。伸線速度は、最終ダイスを通過する際の速度で200m/minとした。また、伸線に伴う線材の温度上昇を防ぐため、パテンティング後の線材を直接冷却しながら冷却する冷却伸線法を採用した。
次いで、各伸線材について、以下の特性を測定した。
(引張強さの測定)
上記のようにして得られた伸線材を直線に矯正したものを引張試験に供し、引張強度を求めた。
(トータルB量および固溶B量の測定)
トータルB量(鋼中B量)は、JIS K0116で規定するICP発光分析法(装置としては島津製作所製の商品名「ICPV−1017」)によって求めた。
また、固溶B量は、上記のトータルB量と、以下の方法で測定される析出B量との差として求めた。
伸線材から電解抽出した残渣についてクルクミン吸光光度法(JIS G1227−1980)を用いてB量(析出B量)を求めた。電解抽出条件は、10%アセチルアセトン−1%テトラメチルアンモニウムクロリド−メタノール溶液を電解液として使用し、200A/m以下の電流で抽出し、析出Bの濾取には網目幅が0.1μmのフィルターを用いた。
(偏析B量の測定)
パーライトノジュール結晶粒界に濃化して存在する固溶B量(偏析B量)は、下記のEPMAライン定量分析法によって行った。
EPMA測定装置:日本電子社製の商品名「JXA−8900 RL」を使用
供試材:伸線材を樹脂に埋め込み、伸線方向に垂直な断面を研磨剤で鏡面仕上げした後、電導性を保持するためオスミウムを蒸着した。
加速電圧:15kV
照射電流:0.3μA
定量分析:本実施例では、B量が0.01%以上と濃化しているものを「ピーク値」とみなし、「ピーク値」を300点測定し、それらの平均値を「偏析B量」として算出した。
本発明に係るばね用鋼線のEPMAライン定量分析チャートの一例を図1に示す。図1に示すように、本発明例では、パーライトノジュール径に対応する1〜20μmの間隔でB量のピークが繰返し現われており、パーライトノジュール結晶粒界に固溶Bが濃化していることを確認できる。尚、図1ではB量がマイナス(−)まで振れているが、これは分析装置の機構上回避できないバラツキであり、マイナスに振れている部分はB量がゼロ(0)と判断した。
本実施例では、上記のようにして測定した偏析B量が0.05%以上のものを、「固溶Bがパーライトノジュールの粒界に濃化している」と評価した。更に、このようにして測定した「偏析B量」と前述した「固溶B量」との比(偏析B量/固溶B量)を算出し、偏析B量が0.05%以上であって、且つ、上記の比が50以上のものを、「固溶Bがパーライトノジュールの粒界に、より濃化している」と評価した。
(フェライト分率の測定)
フェライト分率は、伸線後の鋼線の横断面をバフ研磨し、ナイタール腐食液によりエッチングした後、日本電子社製の商品名「JXA−8900 RL」を用いて表層部のフェライト組織をSEM組織写真撮影し、該写真画像から、Adobe社製ソフトのフォトショップでフェライト部を塗り潰した部分の面積率によって求めた。
(伸線性の評価)
上記伸線工程で、伸線加工中に断線しないことは勿論のこと、捻り試験で捻り回数が25回以上であったものを「伸線性に優れる」(合格)と評価した。
次に、以下のようにしてばね特性試験を行い、疲労限特性を評価した。
ばね特性試験:
各供試鋼線を用いて常温でばね成形し、歪取り焼鈍(400℃×20min)、座面研磨、二段ショットピーニング(直径0.6mmのラウンドカットワイヤHRc60によりカバーレッジ95%以上、投射速度80m/sで15分間ショットを行った後、直径0.1mmのラウンドカットワイヤHRc65によりカバーレッジ100%以上、投射速度200m/sで20分間ショット)、低温焼鈍(230℃×20min)および温間セッチング(200℃、τmax=1200MPa相当)を行う。得られた各ばねに588±441MPaのせん断応力を負荷し、ばね50本の1,000万回までの折損率によって判定し、疲労折損率が0であれば「○(疲労特性に優れる)」とし、それ以外の場合を「×」と評価した。
Figure 2008133539
Figure 2008133539
Figure 2008133539
表3より、以下のように考察することができる。
まず、本発明の要件を満足するA−1、B−1、C−1、D−1、E−1、F−1、G−1は、いずれも、偏析B量が0.05%以上であるために捻り回数が25回以上となって伸線性に優れていると共に、固溶B量が0.0005%以上であるためにフェライト分率が1面積%以下となり、疲労折損率が0となって疲労特性にも優れている。
これに対し、本発明で規定する要件のいずれかを満足しない以下の例は、下記に示す理由により、伸線性および疲労特性の両方に劣っている。
A−2およびF−2は、パテンティング処理の加熱温度が低く、且つ、A−2については更に加熱保持時間が長いために固溶B量が少なくフェライト分率が高い例である。
A−3、B−3、C−2、D−2、およびE−2は、パテンティング処理における冷却速度が遅いためフェライト分率が大きい例である。
B−2は、パテンティング処理における加熱温度が低く、且つ、加熱保持時間が長いため、固溶B量および偏析B量が少なく、「偏析B量/固溶B量」の比が小さく、フェライト分率が高い例である。
G−2は、圧延後の載置温度が低いため固溶B量および偏析B量が少なく、フェライト分率が大きい例である。
H−1、並びにK−1およびK−2は、いずれも、B無添加の鋼種H並びにKを使用しているため、フェライト分率が大きい例である。
I−1は、式(1)を満たしておらず、且つ、圧延時における載置〜700℃の冷却速度が低いために固溶B量および偏析B量が少なく、且つ、「偏析B量/固溶B量」の比も小さく、フェライト分率が大きい例である。
J−1は、式(1)を満たしていないため固溶B量が少ない表1の鋼種Jを用いた例であり、フェライト分率が大きい。
本発明に係るばね用鋼線のEPMAライン定量分析によるパーライトノジュール結晶粒界へのBの濃化状態を示すチャートである。 フェライト分率が疲労折損率に与える影響を示すグラフである。

Claims (3)

  1. C:0.50〜0.70%(化学成分の場合は質量%を表わす、以下同じ)、
    Si:1.0〜2.5%、
    Mn:0.5〜1.5%、
    Cr:0.5〜1.5%、
    Ti:0.005〜0.10%、
    B:0.0010〜0.0050%、
    N:0.005%以下(0%を含まない)、
    P:0.015%以下(0%を含まない)、
    S:0.015%以下(0%を含まない)、
    Al:0.03%以下(0%を含まない)、
    O:0.0015%以下(0%を含まない)
    を含み、上記B,Ti,Nの含有量(質量%)が下記式(1)の関係を満たす他、固溶B量が0.0005〜0.0040%で、残部がFeおよび不可避不純物よりなる鋼からなり、鋼線の直径をDとしたとき、表面から深さ方向1/4・D位置におけるフェライト分率が1面積%以下で、且つ前記固溶Bがパーライトノジュールの粒界に濃化していることを特徴とする疲労特性と伸線性に優れたばね用鋼線。
    0.03≦B/(Ti/3.43−N)≦5.0……(1)
  2. 前記鋼が、更に他の元素として、
    V:0.07〜0.4%、
    Nb:0.01〜0.1%、
    Mo:0.01〜0.5%、
    Ni:0.05〜0.8%、
    Cu:0.01〜0.7%
    よりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むものである請求項1に記載のばね用鋼線。
  3. 前記請求項1または2に記載のばね用鋼線を用いて製造されたものである疲労特性に優れたばね。
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