JP2008115075A5 - - Google Patents

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リチウム含有複合酸化物およびそれを用いた非水二次電池
本発明は、非水二次電池の正極活物質などに利用可能なリチウム含有複合酸化物と、それを正極に用いることにより、高温でのサイクル特性や保存特性を改善した非水二次電池に関する。
近年、携帯電話やノート型パソコンなどのポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化などに伴い、小型軽量でかつ高容量の二次電池が必要とされるようになってきた。現在、この要求に応える高容量二次電池としては、正極材料としてLiCoO2を用い、負極活物質として炭素系材料を用いた非水二次電池が商品化されている。上記非水二次電池はエネルギー密度が高く、小型、軽量化が図れることから、ポータブル電子機器の電源として注目されている。この非水二次電池の正極材料として使用されているLiCoO2は、製造が容易でありかつ取り扱いが容易なことから、好適な活物質として多用されている。しかしながら、LiCoO2は希少金属であるCoを原料として製造されるために、今後資源不足が深刻化すると予想される。さらに、Coは高価であり、価格変動も大きいため、安価で供給の安定している正極材料の開発が望まれている。
上記理由に鑑み、構成元素の価格が安価で、供給が安定しているMnを構成元素としたリチウムマンガン酸化物系の複合酸化物材料が有望視されている。その中でも、Liに対して4V付近の電圧領域で充放電が可能であるスピネル型構造のLiMn24や、層状のLiMnO2に関する研究が盛んに行われており、特に、上記LiMnO2のMnの一部をNiやCo、Alなどで置換したリチウム含有複合酸化物が、LiCoO2に代わる材料として期待されている(特許文献1〜3参照)。
特開平8−37007号公報(段落番号0027−0029) 特開平11−25957号公報(段落番号0003−0008) 特開2000−223122号公報(段落番号0002−0009)
ところが、本発明者らが上記LiMnO2のMnの一部をNiやCoなどで置換した複合酸化物について詳細な検討を行った結果、化合物の組成、特に、Liとその他金属元素との量比や、置換元素の種類や量比、および複合酸化物が形成されるまでの合成過程などにより、その構造や特性などの物性が顕著に変化することをつきとめた。
特に、Niによる置換を行った場合は、MnとNiとの量比、およびこれら元素とそれ以外の置換元素との量比により、合成される複合酸化物の物性が大きく変化し、MnとNiとの量比をほぼ1:1とし、MnおよびNiとそれ以外の置換元素との量比を一定範囲とし、Mnの平均価数を4価近傍の値としなければ均質で特性の優れた化合物が得られないこと、Mnおよびその他置換元素とLiとの量比により複合酸化物の真密度が大きく変動することなどが明らかとなった。
さらに、上記リチウム含有複合酸化物の粒子形態によって、電池の特性が大きく影響されることもわかった。
本発明は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果なされたものであり、限られた組成範囲の層状構造を有する複合酸化物で、かつ、特定の粒子形態を有するリチウム含有複合酸化物を正極の活物質として用いることにより、高容量で充放電サイクルに対する耐久性に優れ、高温下での貯蔵性が優れた非水二次電池を提供するものである。
本発明のリチウム含有複合酸化物は、一般式Li1+x+αNi(1-x-y+δ)/2Mn(1-x-y-δ)/2y2[ただし、0≦x≦0.05、−0.05≦x+α≦0.05、0≦y≦0.4であり、−0.1≦δ≦0.1(ただし0≦y≦0.2のとき)または−0.24≦δ≦0.24(ただし0.2<y≦0.4のとき)であって、MはMg、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Snからなる群から選択された1種以上の元素]で表され、一次粒子が凝集して二次粒子を形成した複合酸化物であり、その一次粒子の平均粒子径が0.3〜3μmであり、二次粒子の平均粒子径が5〜20μmであり、BET比表面積が0.3〜2m 2 /gであり、Mnの平均価数が3.3〜4価であることを特徴とする。
また本発明の非水二次電池は、上記リチウム含有複合酸化物を活物質とする正極および負極と非水電解質を備えたことを特徴とする。
また、本発明の正極活物質の好ましい態様は、一般式Li 1+x+α Ni (1-x-y+δ)/2 Mn (1-x-y-δ)/2 y 2 [ただし、0≦x≦0.05、−0.05≦x+α≦0.05、0≦y≦0.4であり、−0.1≦δ≦0.1(ただし0≦y≦0.2のとき)または−0.24≦δ≦0.24(ただし0.2<y≦0.4のとき)であって、MはMg、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Snからなる群から選択された1種以上の元素]で表され、一次粒子が凝集して二次粒子を形成した複合酸化物であり、その二次粒子の平均粒子径が5〜20μmであり、Mnの平均価数が3.3〜4価であるリチウム含有複合酸化物Aと、前記複合酸化物Aの二次粒子の平均粒子径よりも小さい平均粒子径を有するリチウム含有複合酸化物Bとを含む混合体であり、前記複合酸化物Bの平均粒子径が、前記複合酸化物Aの二次粒子の平均粒子径の3/5以下であり、前記複合酸化物Bの割合が、正極活物質全体の10〜40重量%であることを特徴とする。
また、本発明の正極活物質の上記とは異なる好ましい態様は、一般式Li 1+x+α Ni (1-x-y+δ)/2 Mn (1-x-y-δ)/2 y 2 [ただし、0≦x≦0.05、−0.05≦x+α≦0.05、0≦y≦0.4であり、−0.1≦δ≦0.1(ただし0≦y≦0.2のとき)または−0.24≦δ≦0.24(ただし0.2<y≦0.4のとき)であって、MはMg、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Snからなる群から選択された1種以上の元素]で表され、一次粒子が凝集して二次粒子を形成した複合酸化物であり、その二次粒子の平均粒子径が5〜20μmであり、Mnの平均価数が3.3〜4価であるリチウム含有複合酸化物Aと、前記複合酸化物Aの二次粒子の平均粒子径よりも小さい平均粒子径を有するリチウム含有複合酸化物Bとを含む混合体であり、前記複合酸化物Bが、一般式Li 1+a+b 1-a 2 [ただし、0≦a≦0.05、−0.05≦a+b≦0.05であって、RはMg、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Snからなる群から選択された1種以上の元素]で表されることを特徴とする。
さらに、本発明の非水二次電池の好ましい態様は、上記正極活物質を有する正極および負極と非水電解質を備えたことを特徴とする。
以下、発明の実施の形態により、本発明をより具体的に説明する。本発明のリチウム含有複合酸化物は、一般式Li1+x+αNi(1-x-y+δ)/2Mn(1-x-y-δ)/2y2[ただし、0≦x≦0.05、−0.05≦x+α≦0.05、0≦y≦0.4であり、−0.1≦δ≦0.1(ただし0≦y≦0.2のとき)または−0.24≦δ≦0.24(ただし0.2<y≦0.4のとき)であって、MはMg、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Snからなる群から選択された1種以上の元素]で表され、一次粒子が凝集して二次粒子を形成した複合酸化物であり、その一次粒子の平均粒子径が0.3〜3μmであり、二次粒子の平均粒子径が5〜20μmであり、BET比表面積が0.3〜2m 2 /gであり、Mnの平均価数が3.3〜4価であることを特徴とする。
すなわち、本発明のリチウム含有複合酸化物は、少なくともNiとMnを構成元素として含有し、かつ、NiとMnの量比が1:1となる組成を中心とした、ごく限られた組成範囲の複合酸化物である。
本発明において、上記のような限られた組成範囲のみが選択されるのは以下の理由による。すなわち、NiおよびMnを有する層状のリチウム含有複合酸化物においては、NiとMnの量比が1:1となる一般式LiNi1/2Mn1/22で表される組成を基本として、NiおよびMnがそれぞれx/2ずつLiで置換され、NiとMnの量比が1/2からそれぞれδ/2および−δ/2だけずれ、Liの量比がαだけ幅を有し、かつ、NiおよびMnが、それぞれy/2ずつ元素M(ただしMはMg、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Snより選択される1種以上の元素)で置換された組成、すなわち、一般Li1+x+αNi(1-x-y+δ)/2Mn(1-x-y-δ)/2y2[ただし、0≦x≦0.05、−0.05≦x+α≦0.05、0≦y≦0.4であり、−0.1≦δ≦0.1(ただし0≦y≦0.2のとき)または−0.24≦δ≦0.24(ただし0.2<y≦0.4のとき)であって、MはMg、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Snからなる群から選択された1種以上の元素]で表される組成範囲において、その結晶構造が安定化され、4V付近の電位領域での充放電の可逆性や充放電サイクルに対する耐久性に優れた複合酸化物が得られることによる。
上記組成範囲において、複合酸化物中のMnの平均価数が4価近傍の値(およそ3.3〜4価)をとることにより、充放電でのLiのドープおよび脱ドープの際に、結晶中のMnの移動が抑制され、高温での耐久性が優れたものになると思われる。
また、y>0で、元素Mとして少なくともCoを含有する場合は、化合物の導電性が向上し、大電流放電時の負荷特性が向上することがわかった。
さらに詳細な組成検討によれば、Ni、MnおよびMの量比が1:1:1となる組成、すなわち一般式LiNi1/3Mn1/31/32で表される組成の近傍において、化合物の安定性が向上することもわかった。
本発明の複合酸化物は、真密度が4.55〜4.95g/cm3と大きな値となり、高い体積エネルギー密度を有する材料となる。Mnを一定範囲で含む複合酸化物の真密度は、その組成により大きく変化するが、上記の狭い組成範囲において構造が安定化され、単一相が形成されやすくなるため、LiCoO2の真密度に近い値となるものと考えられる。特に、化学量論比に近い組成のときにその値は大きくなり、−0.015≦x+α≦0.015において、およそ4.7g/cm3以上の高密度複合酸化物が得られる。
上記一般式Li1+x+αNi(1-x-y+δ)/2Mn(1-x-y-δ)/2y2[ただし、0≦x≦0.05、−0.05≦x+α≦0.05、0≦y≦0.4であり、−0.1≦δ≦0.1(ただし0≦y≦0.2のとき)または−0.24≦δ≦0.24(ただし0.2<y≦0.4のとき)であって、MはMg、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Snからなる群から選択された1種以上の元素]において、NiとMnの量比は基本的には1:1であることを必要とし、中央値からのずれ(δ/2)は、−0.1≦δ≦0.1と小さい値しか許容されない。ただし、0.2<y≦0.4の組成範囲では、結晶構造の安定性がより高くなり、単一相が形成されやすくなるため、上記ずれが大きくなっても目的とする複合酸化物を得ることができる。このため、上記一般式において、δのとり得る範囲は、基本的には−0.1≦δ≦0.1と狭いのであるが、0.2<y≦0.4の組成範囲では、δの値を−0.24≦δ≦0.24の範囲まで拡張してもよい。
ここで、yの上限値を0.4としたのは、y>0.4の組成、すなわち元素Mでの置換量が0.4より多くなると、目的とする複合酸化物中に異相が形成され、化合物の安定性が損なわれるなどの問題を生じやすくなるからである。
また、上記組成を有する複合酸化物の形態として、一次粒子が凝集して二次粒子を形成したもので、二次粒子の平均粒子径が5〜20μmである複合酸化物が選択される。これは、一次粒子が凝集して二次粒子を形成したものにおいて、充放電における反応性や複合酸化物の充填性を高めることができるからであり、二次粒子の平均粒子径を5〜20μmとすることにより、複合酸化物の充填性を高めて電極を高容量化することができる。また、一次粒子の平均粒子径を0.3〜3μmとすることにより、充放電における反応性を高めて電池の負荷特性を向上させることもできる。
さらに、上記複合酸化物のBET比表面積は、0.3〜2m2/gの範囲にあることが望ましい。これは、BET比表面積が0.3m2/g以上であるものは反応性に優れており、2m2/g以下であるものは粒子自体の密度が大きいため、電極を形成したときの電極合剤密度を大きくすることができるからである。
上述した粒子形態のリチウム含有複合酸化物は、例えば、NiおよびMn、またはNi、Mnおよび元素Mの塩を溶解した水溶液アルカリ水溶液中投入し、NiおよびMnまたはNi、Mnおよび元素Mの共沈水酸化物を合成し、これをリチウム化合物とともに焼成し、さらに必要に応じて合成された複合酸化物を機械的に粉砕およびふるい分けすることにより得ることができる。焼成は、空気中あるいは酸素ガス中など酸素を10体積%以上含む雰囲気中で行うことが望ましく、焼成温度はおよそ700℃〜1100℃で、焼成時間は1〜24時間とするのが一般的である。また、上記焼成処理の前に、焼成温度よりも低い温度(およそ250〜850℃)で0.5〜30時間程度予備加熱を行い、さらに上記焼成処理を行うようにすれば、複合酸化物の均質化が促進されるので好ましい。ここで、複合酸化物の一次粒子径は、予備加熱あるいは焼成の温度およびその処理時間を調整することにより制御することができ、二次粒子径は、機械的な粉砕の程度およびふるい分けにより制御することができる。
以上述べたリチウム含有複合酸化物を正極活物質として用いることにより、例えば以下のようにして非水二次電池が作製される。
正極は、上記複合酸化物に、要すれば、例えば鱗片状黒鉛、アセチレンブラックなどのような導電助剤と、たとえばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのバインダーを加えて混合し、得られた正極合剤を成形体として用いるか、あるいは集電体としての作用を兼ねる基体に塗布し、基体と一体化したものが用いられる。ここで基体としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、銅などの金属の網、パンチングメタル、エキスパンドメタル、フォームメタル、金属箔などを用いることができる。
なお、上記リチウム含有複合酸化物は、単独で正極活物質として用いることができるが、この場合は、一次粒子の平均粒子径を0.3〜3μmとする。また、上記リチウム含有複合酸化物(以下、リチウム含有複合酸化物Aとする。)と、これよりも平均粒子径の小さいリチウム含有複合酸化物(以下、リチウム含有複合酸化物Bとする。)とを混合して用いることにより、活物質の充填性が一層向上し、電極の容量を高めることができる。これは、平均粒子径の小さいリチウム含有複合酸化物、リチウム含有複合酸化物の粒子間の空隙に入りこむことにより、正極合剤の密度が3.0g/cm 3 より大きくなるからである。
本発明のリチウム含有複合酸化物をAとし、混合して用いる平均粒子径の小さいリチウム含有複合酸化物をBとした場合、リチウム含有複合酸化物Bの平均粒子径を、リチウム含有複合酸化物Aの二次粒子の平均粒子径の3/5以下とすることが望ましい。Bの平均粒子径が前記値より大きい場合、すなわちAとBの平均粒子径の差が小さい場合は、前述した効果が小さくなり、Aを単独で使用する場合との違いが少なくなる。また、Bの平均粒子径の下限値は、0.1μm程度と考えられ、これより小さくなると、活物質としての特性が低下し、混合使用する効果が生じにくくなる。なお、上記Bの平均粒子径とは、Bが一次粒子の場合はその粒子径の平均を、一次粒子が凝集して二次粒子を形成したものである場合は二次粒子の粒子径の平均を意味する。また、Aと同様の理由から、Bも一次粒子が凝集して二次粒子を形成した複合酸化物であることが望ましい。
リチウム含有複合酸化物Bは、リチウム含有複合酸化物Aと同一組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。組成がAと異なる場合は、一般式Li1+a+b1-a2[ただし、0≦a≦0.05、−0.05≦a+b≦0.05であって、RはMg、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Snからなる群から選択された1種以上の元素]で表される複合酸化物を好ましく用いることができる。中でも、Rが少なくともCoを含む場合は、LiCoO2に比べて導電性に劣るリチウム含有複合酸化物Aを用いた電極の導電性を向上させることができる。
リチウム含有複合酸化物Bの割合は、正極活物質中で10〜40重量%とすることが望ましい。これより少ない場合は、リチウム含有複合酸化物Aを単独で使用する場合との違いが少なくなり、これより多い場合は、リチウム含有複合酸化物Aの割合が少なくって、その効果が減少するためである。
上記正極と対向させる負極の活物質としては、通常は、リチウムまたはLi−Al合金、Li−Pb合金、Li−In合金、Li−Ga合金などのリチウム合金や、Si、Sn、Mg−Si合金など、リチウムとの合金化が可能な元素あるいはそれら元素の合金が挙げられる。さらに、Sn酸化物、Si酸化物、Li4Ti512などの酸化物系材料のほか、黒鉛や繊維状炭素などの炭素質材料、リチウム含有複合窒化物などを用いることができる。また、上記の複数の材料を複合化したものを活物質とすることもできる。なお、負極についても、上記正極の場合と同様の方法により作製される。
上記正極と負極における活物質の量比としては、負極活物質の種類によっても異なるが、一般的には、正極活物質/負極活物質=1.5〜3.5(質量比)にすることにより、正極活物質の特性をうまく利用することができる。
本発明の非水二次電池における非水電解質としては、有機溶媒に電解質を溶解させた有機溶媒系の液状電解質すなわち電解液や、前記電解液をポリマー中に保持させたポリマー電解質などを用いることができる。その電解液あるいはポリマー電解質に含まれる有機溶媒は特に限定されるものではないが、負荷特性の点からは鎖状エステルを含んでいることが好ましい。そのような鎖状エステルとしては、たとえば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートに代表される鎖状のカーボネートや、酢酸エチル、プロピロン酸メチルなどの有機溶媒が挙げられる。これらの鎖状エステルは、単独でもあるいは2種以上を混合して用いてもよく、特に、低温特性の改善のためには、上記鎖状エステルが全有機溶媒中の50体積%以上を占めることが好ましく、特に鎖状エステルが全有機溶媒中の65体積%以上を占めることが好ましい。
ただし、有機溶媒としては、上記鎖状エステルのみで構成するよりも、放電容量の向上をはかるために、上記鎖状エステルに誘電率の高い(誘電率:30以上)エステルを混合して用いることが好ましい。このようなエステルの具体例としては、たとえば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートに代表される環状のカーボネートや、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールサルファイトなどが挙げられ、特にエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状構造のエステルが好ましい。
そのような誘電率の高いエステルは、放電容量の点から、全有機溶媒中10体積%以上、特に20体積%以上含有されることが好ましい。また、負荷特性の点からは、40体積%以下が好ましく、30体積%以下がより好ましい。
また、上記誘電率の高いエステル以外に併用可能な溶媒としては、たとえば、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。そのほか、アミンイミド系有機溶媒や、含イオウまたは含フッ素系有機溶媒なども用いることができる。
有機溶媒に溶解させる電解質としては、たとえば、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、LiC49SO3、LiCF3CO2、Li224(SO32、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiCn2n+1SO3(n≧2)などが単独でまたは2種以上混合して用いられる。中でも、良好な充放電特性が得られるLiPF6やLiC49SO3などが好ましく用いられる。電解液中における電解質の濃度は、特に限定されるものではないが、0.3〜1.7mol/dm3、特に0.4〜1.5mol/dm3程度が好ましい。
また、電池の安全性や貯蔵特性を向上させるために、非水電解液に芳香族化合物を含有させてもよい。芳香族化合物としては、シクロヘキシルベンゼンやt−ブチルベンゼンなどのアルキル基を有するベンゼン類、ビフェニル、あるいはフルオロベンゼン類が好ましく用いられる。
セパレータとしては、強度が充分でしかも電解液を多く保持できるものがよく、そのような観点から、5〜50μmの厚さで、ポリプロピレン製、ポリエチレン製、プロピレンとエチレンとの共重合体などポリオレフィン製の微孔性フィルムや不織布などが好ましく用いられる。特に、5〜20μmと薄いセパレータを用いた場合には、充放電サイクルや高温貯蔵などにおいて電池の特性が劣化しやすく、安全性も低下するが、本発明の複合酸化物正極を用いた電池は安定性と安全性に優れているため、このような薄いセパレータを用いても安定して電池を機能させることができる。
以下に本発明の実施例に関して説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例においては、一次粒子の粒子径は1万倍の走査電子顕微鏡写真をもとに測定し、二次粒子の粒子径は、マイクロトラック社製MICROTRAC HRA(Model:9320−X100)を用いてレーザー回折式粒度分布測定法により測定した。また、BET比表面積は、マイクロメリティクス社製BET法式比表面積計ASAP2000を用いて測定した。
(実施例1)
硫酸ニッケルおよび硫酸マンガンをモル比1:1で含有する水溶液に水酸化ナトリウム水溶液およびアンモニア水を添加し、強攪拌しながらNiとMnを1:1で含有する共沈水酸化物を合成した。これを乾燥させた後、上記共沈水酸化物0.2molと、0.198molのLiOH・H2Oを秤量して混合し、その混合物をエタノールで分散させてスラリー状にした後、遊星ボールミルを用いて40分間混合し、さらに室温で乾燥させて均一に混合された混合体を調製した。次いでこの混合体をアルミナ製のるつぼに入れ、1dm3/分の流量の空気気流中で700℃まで加熱し、その温度で2時間保持することにより予備加熱を行い、さらに900℃に昇温して12時間焼成することにより混合体を反応させて複合酸化物とした。合成した複合酸化物を粉砕しさらにふるい分けすることにより、一般式LiNi0.5Mn0.52で表され、一次粒子の平均粒子径:1μm、二次粒子の平均粒子径:10μm、BET比表面積:0.9m2/gのリチウム含有複合酸化物を得た。
(実施例2)
焼成温度を1000℃とし、焼成時間を20時間とした以外は実施例1と同様にして、一般式LiNi0.5Mn0.52で表され、一次粒子の平均粒子径:3μm、二次粒子の平均粒子径:10μm、BET比表面積:0.7m2/gのリチウム含有複合酸化物を得た。
(実施例3〜6および比較例1〜3)
焼成温度および焼成時間を変えて複合酸化物の合成を行い、合成した複合酸化物を粉砕しさらにふるい分けすることにより、表1に示すリチウム含有複合酸化物を得た。なお、実施例5では、共沈水酸化物としてNi、MnおよびCoを5:5:2の割合で含有する水酸化物を用い、実施例6では、Ni、MnおよびCoを1:1:1の割合で含有する水酸化物を用いた。
(比較例4)
従来法により、一次粒子の平均粒子径:0.7μm、二次粒子の平均粒子径:7μm、BET比表面積:0.6m2/gのLiCoO2を得た。
(比較例5)
従来法により、一次粒子の平均粒子径:1μm、二次粒子の平均粒子径:12μm、BET比表面積:1.8m2/gのLiMn24を得た。
Figure 2008115075
上記実施例1〜6および比較例1〜5のリチウム含有複合酸化物を正極活物質として用い、非水二次電池を作製した。リチウム含有複合酸化物を94重量部とカーボンブラック3重量部を乾式混合し、これにポリフッ化ビニリデンをN−メチル−2−ピロリドンに溶解したバインダー溶液を、ポリフッ化ビニリデンが3重量部となるように加え、さらにN−メチル−2−ピロリドンを加えて充分に混合してペーストを調製した。この塗料を厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、乾燥した後、ローラープレス機により加圧成形し、280mm×38mmの大きさに裁断して厚みが約170μmの帯状正極を作製した。また、作製した各正極の合剤層の重量を測定し、この値から求めた合剤の密度を表1に併せて示した。
表1より明らかなように、実施例1〜6のリチウム含有複合酸化物は、一般式Li1+x+αNi(1-x-y+δ)/2Mn(1-x-y-δ)/2y2[ただし、0≦x≦0.05、−0.05≦x+α≦0.05、0≦y≦0.4であり、−0.1≦δ≦0.1(ただし0≦y≦0.2のとき)または−0.24≦δ≦0.24(ただし0.2<y≦0.4のとき)であって、MはMg、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Snからなる群から選択された1種以上の元素]で表される組成範囲にあり、一次粒子が凝集して二次粒子を形成した複合酸化物であって、一次粒子および二次粒子の平均粒子径がそれぞれ本発明の請求範囲である0.3〜3μmおよび5〜20μmの範囲内であることにより、正極を構成したときの合剤密度が、従来より汎用されている比較例4のLiCoO2とほぼ同程度の密度となり、充填性を高めることができた。一方、上記組成を有していても、一次粒子および二次粒子の平均粒子径のいずれかが本発明の請求範囲を逸脱した比較例1〜3のリチウム含有複合酸化物は、合剤の密度が低く、比較例5のLiMn24と同程度の充填性しか得られなかった。
次に、天然黒鉛92重量部、低結晶性カーボン3重量部、ポリフッ化ビニリデン5重量部を混合したペーストを厚さ10μmの銅箔の両面に均一に塗布し、乾燥した後、ローラープレス機により加圧成形し、310mm×41mmの大きさに裁断して厚みが約165μmの帯状負極を作製した。
上記帯状正極と帯状負極との間に厚さ20μmの微孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを配置し、渦巻状に巻回して電極体とした後、外径14mm、高さ51.5mmの有底円筒状の電池ケース内に挿入し、正極リード体および負極リード体の溶接を行った。その後、電池ケース内にエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの体積比1:2の混合溶媒にLiPF6を1.2mol/l溶解させてなる非水電解液を1.7cm3注入した。上記正極と負極の活物質の質量比(正極活物質/負極活物質)は、実施例1のリチウム含有複合酸化物を用いた電極体では1.9とした。
上記電池ケースの開口部を常法に従って封口して筒形の非水二次電池を作製し、放電容量の測定を行った。20℃の環境下で、600mAの定電流で4.2Vまで充電した後、定電圧方式で充電して、充電の合計時間が2.5時間となるように充電を行い、120mAの定電流で3.0Vまで放電したときの放電容量を測定した。この結果を表2に示した。
Figure 2008115075
実施例1〜6のリチウム含有複合酸化物を用いた電池は、正極合剤の充填密度が高いことにより、LiCoO2を用いた比較例4の電池と同様に大きな放電容量を示した。一方、比較例1〜3のリチウム含有複合酸化物を用いた電池は、活物質の充填性が低いため、LiMn24を用いた比較例5の電池と同様、低い放電容量しか得られなかった。
また、実施例1、実施例6、比較例4および比較例5のリチウム含有複合酸化物を用いた電池について、20℃の温度下で、上記と同様の条件での充電と600mAの定電流で3.0Vまでの放電による充放電サイクルを行い、100サイクル後の放電容量の割合〔容量維持(%)〕で室温のサイクル特性を評価した。さらに、高温でのサイクル特性を調べるため、上記のサイクル試験を60℃の温度下でも行って、20サイクル後の放電容量の割合〔容量維持(%)〕で高温のサイクル特性を評価した。
さらに、貯蔵特性を以下のようにして評価した。上記サイクル特性の測定と同じ充放電条件で充放電サイクルを5回行った後に、上記充電条件で電池を充電し、60℃の温度下で20日間貯蔵した。この貯蔵後、上記条件で放電し、貯蔵前の容量に対する貯蔵後に残存している容量の割合〔容量維持(%)〕を測定した。測定後に、充放電サイクルを1サイクル行い、貯蔵前の容量に対する貯蔵後の容量の割合〔容量回復(%)〕を測定した。上記容量維持および容量回復の割合により高温での貯蔵特性を評価した。これらの結果を表3に示した。
Figure 2008115075
表3より明らかなように、実施例1および実施例6のリチウム含有複合酸化物を正極に用いることにより、サイクル特性および貯蔵特性に優れた電池が構成できたが、LiCoO2やLiMn24を用いた場合は、本発明のリチウム含有複合酸化物よりもサイクル特性や貯蔵特性が劣っていた。この原因を調べるため、以下の実験を行った。実施例1、比較例4および比較例5のリチウム含有複合酸化物を用いた正極をアルゴン雰囲気中で直径15mmに切り取り、5mlの電解液に浸漬して、60℃で5日間保持した。こうして得られた電解液にICP分光分析を行い、電解液中に溶出したMnおよびCoの濃度を定量した。溶出量を複合酸化物1gあたりに換算した値を表4に示した。
Figure 2008115075
実施例1のリチウム含有複合酸化物は、比較例5のLiMn24よりもMnの溶出量が1桁小さく、高温で貯蔵した場合でも、電解液へのMnの溶解が充分に抑制されていることがわかった。実施例1のMn溶出量は、比較例4のLiCoO2のCo溶出量よりも少なく、高温での耐久性に優れた材料であることがわかる。LiMn24は、高温になるとMnの溶解が起こり、高温で充放電サイクルをした場合や、高温で貯蔵した場合に容量の劣化が著しいことが知られているが、表4の結果はそれを裏付けている。一方、LiCoO2は、そのような問題が生じにくい材料であるが、本発明のリチウム含有複合酸化物が、このLiCoO2よりもさらに優れた材料であることは明らかである。
(実施例7)
実施例1で合成したリチウム含有複合酸化物を二次粒子径の平均値が5μmになるまで粉砕、ふるい分けし、リチウム含有複合酸化物Bを得た。次いで、一般式LiNi0.5Mn0.52で表され、一次粒子の平均粒子径:1μm、二次粒子の平均粒子径:10μm、BET比表面積:0.9m2/gである実施例1のリチウム含有複合酸化物Aと上記リチウム含有複合酸化物Bとを60:40の重量比率で混合し、これを正極活物質として用いることにより前記と同様の非水二次電池を作製した。
(実施例8)
リチウム含有複合酸化物Bの二次粒子の平均粒子径を3μmとした以外は実施例7と同様にして非水二次電池を作製した。
(実施例9)
リチウム含有複合酸化物Aとリチウム含有複合酸化物Bとの重量比率を80:20とした以外は実施例8と同様にして非水二次電池を作製した。
(実施例10)
リチウム含有複合酸化物Aとリチウム含有複合酸化物Bとの重量比率を95:5とした以外は実施例8と同様にして非水二次電池を作製した。
(実施例11)
リチウム含有複合酸化物Bの二次粒子の平均粒子径を7μmとした以外は実施例7と同様にして非水二次電池を作製した。
上記実施例7〜11についても、前述と同様にして、電池組み立て前の正極合剤の密度と、非水二次電池の放電容量の測定を行った。その結果を実施例1の結果と併せて表5に示した。これより明らかなように、本発明のリチウム含有複合酸化物Aを、その二次粒子の平均粒子径の3/5以下の平均粒子径を有するリチウム含有複合酸化物Bと混合して用いた実施例7〜9の非水二次電池では、正極合剤の密度が大きくなり、活物質の充填性が向上して電池の放電容量を増加させることができた。一方、リチウム含有複合酸化物Bの平均粒子径は充分小さいが、その混合割合が少ない実施例10や、リチウム含有複合酸化物Bの平均粒子径がリチウム含有複合酸化物Aとさほど変わらない実施例11の非水二次電池では、リチウム含有複合酸化物Aを単独で使用した実施例1と同程度の正極合剤密度および放電容量となり、活物質の混合による効果は明確とならなかった。
Figure 2008115075
以上説明したように、本発明では、充填性が高く、高温下でのサイクル耐久性や高温貯蔵時の安定性に優れたリチウム含有複合酸化物を用いることにより、高容量で、サイクル耐久性および高温下での貯蔵性に優れた非水二次電池を提供することができる。さらに、本発明で用いるリチウム複合酸化物は、Coに比べて資源的に豊富で安価なMnやNiを主要な構成元素としているので、大量生産にも適しており、また電池のコスト低減にも貢献できるものである。

Claims (19)

  1. 一般式Li1+x+αNi(1-x-y+δ)/2Mn(1-x-y-δ)/2y2[ただし、0≦x≦0.05、−0.05≦x+α≦0.05、0≦y≦0.4であり、−0.1≦δ≦0.1(ただし0≦y≦0.2のとき)または−0.24≦δ≦0.24(ただし0.2<y≦0.4のとき)であって、MはMg、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Snからなる群から選択された1種以上の元素]で表され、一次粒子が凝集して二次粒子を形成した複合酸化物であり、その一次粒子の平均粒子径が0.3〜3μmであり、二次粒子の平均粒子径が5〜20μmであり、BET比表面積が0.3〜2m 2 /gであり、Mnの平均価数が3.3〜4価であることを特徴とするリチウム含有複合酸化物。
  2. 前記一般式において、y>0であり、Mが少なくともCoを含む1種以上の元素であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有複合酸化物。
  3. 前記一般式において、0.2<y≦0.4かつ−0.1≦δ≦0.1であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム含有複合酸化物。
  4. 前記一般式において、NiとMnの量比が1:1である請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム含有複合酸化物。
  5. 前記一般式において、NiとMnとMの量比が1:1:1である請求項3に記載のリチウム含有複合酸化物。
  6. 前記一般式において、MがCoである請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム含有複合酸化物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム含有複合酸化物を活物質とする正極および負極と非水電解質を備えた非水二次電池。
  8. 一般式Li1+x+αNi(1-x-y+δ)/2Mn(1-x-y-δ)/2y2[ただし、0≦x≦0.05、−0.05≦x+α≦0.05、0≦y≦0.4であり、−0.1≦δ≦0.1(ただし0≦y≦0.2のとき)または−0.24≦δ≦0.24(ただし0.2<y≦0.4のとき)であって、MはMg、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Snからなる群から選択された1種以上の元素]で表され、一次粒子が凝集して二次粒子を形成した複合酸化物であり、その二次粒子の平均粒子径が5〜20μmであり、Mnの平均価数が3.3〜4価であるリチウム含有複合酸化物Aと、前記複合酸化物Aの二次粒子の平均粒子径よりも小さい平均粒子径を有するリチウム含有複合酸化物Bとを含む混合体であり、
    前記複合酸化物Bの平均粒子径が、前記複合酸化物Aの二次粒子の平均粒子径の3/5以下であり、
    前記複合酸化物Bの割合が、正極活物質全体の10〜40重量%である正極活物質。
  9. 一般式Li1+x+αNi(1-x-y+δ)/2Mn(1-x-y-δ)/2y2[ただし、0≦x≦0.05、−0.05≦x+α≦0.05、0≦y≦0.4であり、−0.1≦δ≦0.1(ただし0≦y≦0.2のとき)または−0.24≦δ≦0.24(ただし0.2<y≦0.4のとき)であって、MはMg、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Snからなる群から選択された1種以上の元素]で表され、一次粒子が凝集して二次粒子を形成した複合酸化物であり、その二次粒子の平均粒子径が5〜20μmであり、Mnの平均価数が3.3〜4価であるリチウム含有複合酸化物Aと、前記複合酸化物Aの二次粒子の平均粒子径よりも小さい平均粒子径を有するリチウム含有複合酸化物Bとを含む混合体であり、
    前記複合酸化物Bが、一般式Li 1+a+b 1-a 2 [ただし、0≦a≦0.05、−0.05≦a+b≦0.05であって、RはMg、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Snからなる群から選択された1種以上の元素]で表される正極活物質。
  10. 前記複合酸化物Bの割合が、正極活物質全体の10〜40重量%である請求項9に記載の正極活物質。
  11. 前記複合酸化物Bの平均粒子径が、前記複合酸化物Aの二次粒子の平均粒子径の3/5以下である請求項9または10に記載の正極活物質。
  12. 前記複合酸化物Bが、一次粒子が凝集して二次粒子を形成した複合酸化物である請求項8〜11のいずれかに記載の正極活物質。
  13. 前記複合酸化物Aを表す一般式において、y>0であり、Mが少なくともCoを含む1種以上の元素である請求項8〜12のいずれかに記載の正極活物質。
  14. 前記複合酸化物Aを表す一般式において、0.2<y≦0.4かつ−0.1≦δ≦0.1である請求項8〜13のいずれかに記載の正極活物質。
  15. 前記複合酸化物Aを表す一般式において、NiとMnの量比が1:1である請求項8〜14のいずれかに記載の正極活物質。
  16. 前記複合酸化物Aを表す一般式において、NiとMnとMの量比が1:1:1である請求項14に記載の正極活物質。
  17. 前記複合酸化物Aの一次粒子の平均粒子径が、0.3〜3μmである請求項8〜16のいずれかに記載の正極活物質。
  18. 請求項8〜17のいずれかに記載の正極活物質を有する正極および負極と非水電解質を備えた非水二次電池。
  19. 前記正極が、前記正極活物質と、導電助剤と、バインダーとを含む正極合剤を有し、前記正極合剤の密度が、3.0g/cm3より大きいことを特徴とする請求項18に記載の非水二次電池。
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