JP5277707B2 - リチウム二次電池用正極活物質及びリチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム二次電池用正極活物質及びリチウム二次電池に関するものである。
近年、携帯電話、ノートパソコン等の携帯機器用、電気自動車用などの電源としてエネルギー密度が高く、かつ自己放電が少なくてサイクル特性の良いリチウム二次電池に代表される非水電解質二次電池が注目されている。現在のリチウム二次電池の主流は、2Ah以下の携帯電話用を中心とした小型民生用である。リチウム二次電池用の正極活物質としては数多くのものが提案されているが、最も一般的に知られているのは、作動電圧が4V付近の六方晶系のリチウムコバルト酸化物(LiCoO)やリチウムニッケル酸化物(LiNiOあるいは正方晶系のスピネル構造を持つリチウムマンガン酸化物(LiMn)等を基本構成とするリチウム含有遷移金属酸化物である。なかでも、リチウムコバルト酸化物は、充放電特性とエネルギー密度に優れることから、電池容量2Ahまでの小容量リチウム二次電池の正極活物質として広く採用されている。
ポータブル機器の多機能化や電気自動車の航続距離の延長の観点から、リチウム二次電池に対する高エネルギー化の要求は強まるものの、リチウム二次電池のエネルギー密度の伸び率は近年鈍化傾向にある。この要因の一つとして挙げられるのが、LiCoOに代わる高容量の正極活物質が現れないことである。高容量系としては同じ六方晶系のLiNiOの研究が長く行われているが、十分な安全性が未だに確保できないため、実用化には至っていない。ここ最近、Co価格の上昇により活物質構造中のCo比率を減らしたリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(Li(NiMnCo)O)が普及し始めているものの、同じ六方晶系でLiサイトの数も変わらない為に、理論容量はLiCoOと同等である。また、寿命と安全性を確保する為にLiCoO同様、Liの引き抜き量が制限されるのでエネルギー密度の向上は殆ど見られない。正方晶系スピネル構造のLiMnは高い安全性を有するものの理論容量が小さいため高容量化正極活物質としては適さない。
そこで、これまでとは異なる結晶系において活物質の高容量化を実施しようという試みが始まっている。そうした試みの中でいくつかの活物質候補が現れたが、その中の一つに単斜晶系の空間群C2/cに属するホウ酸鉄リチウム(LiFeBO)が存在する。このLiFeBOは理論容量が220mAh/gという大きな容量を有すると共に、LiサイトからLiを全て引き抜いても高い安全性を示すことから、今後の高容量活物質として有用な化合物と考えられる。
非特許文献1には、カーボンと複合化したLiFeBOの合成とその正極特性について報告されている。
しかしながら、高率放電特性が充分でないという問題点があった。
特許文献1には、請求項1に「式A(式中、Aはアルカリ金属であり、Dは、アルカリ土類金属及び元素周期表の第3族元素(Bを除く)から選択され、Mは、遷移金属又は遷移金属の混合物であり、Zは、S、Se、P、As、Si、Ge、Sn及びBから選択される非金属であり、Oは酸素であり、Nは窒素であり、及びFはフッ素であり、a、d、m、z、o、n及びfは、0以上の実数であり、且つ電気的中性を保証するように選択される)の電極活性化合物」と記載され、請求項4に「Dが、Mg、Al及びGa、並びにそれらの混合物から選択される」と記載され、請求項6「Aが、Li又はNaであり、且つ前記電極活性化合物が、LiFePO、LiFeBO又はNaFeBOのようなリチウム挿入化合物又はナトリウム挿入化合物である」と記載されているから、上記記載は本発明に係る化合物についても上位概念として含むといえる。
しかしながら、特許文献1の発明の詳細な説明の欄には、LiFeBOについての記載は皆無であるから、特許文献1の請求項1記載の一般式において、電極活性化合物として請求項6に列挙された化合物の中からどのように選択し、Dとして請求項4に列挙された元素の中からどのように選択して組み合わせ、さらにdの値をどのように選択することで、どのような効果が奏されるかについては、不明である。
特許文献2には、FeBOなる化合物とそれを正極活物質として用いた電池が記載されている(例えば、図1、図3参照)。しかしながら、本発明に係る化合物は空間群C2/cに属する単斜晶系結晶を有するものであるのに対し、特許文献2に記載のFeBOは、実施例に記載された合成条件や図1の記載からみて、空間群R3−c(カルサイト型)に属する六方晶系結晶を有するものと認められるから、両者は全く異なる化合物である。
第48回電池討論会(平成19年11月開催)要旨集2A19(p.86) 特表2007−520038号公報 特開2005−135866号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ホウ酸鉄リチウム化合物系正極活物質を用い、高率放電特性に優れたリチウム二次電池を提供することを目的としている。
本発明の構成及び作用効果は以下の通りである。但し、本明細書中に記載する作用機構には推定が含まれており、その正否は本発明を何ら制限するものではない。
本発明は、空間群C2/cに属し、一般式LiFe(1−y)MgBO(0.5≦x≦1.5、0<y≦0.5)で表される結晶を含有するリチウム二次電池用正極活物質である。
また、本発明は、前記正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解質を備えたリチウム二次電池である。
空間群C2/cに属し、一般式LiFe(1−y)MgBO(0.5≦x≦1.5、0<y≦0.5)で表される結晶は、単斜晶系結晶に属する。
本発明に係る正極活物質が含有する、空間群C2/cに属し、一般式LiFe(1−y)MgBO(0.5≦x≦1.5、0<y≦0.5)で表される結晶は、Fe、Mg以外の遷移金属元素が一部固溶していることを妨げない。また、ポリアニオン構造としてPO、SiOが一部固溶していることを妨げない。
一般式LiFe(1−y)MgBOにおけるMg置換量yが少なすぎると本発明の効果が得られにくくなるので好ましくない。また、LiMgBOはLiの吸蔵・放出を行わないのでMg置換量が多すぎると活物質の理論容量が低下するため好ましくない。よって好ましいMg置換量yは0.001≦y≦0.5であり、より好ましくは0.01≦y≦0.2である。
本発明によれば、ホウ酸鉄リチウム化合物系正極活物質を用い、高率放電特性に優れたリチウム二次電池とすることのできる正極活物質を提供することができる。また、本発明に拠れば、ホウ酸鉄リチウム化合物系正極活物質を用い、高率放電特性に優れたリチウム二次電池提供することができる。
本発明に係る正極活物質の合成過程は、LiFeBO型結晶の単一相が合成できるようであれば特に限定されるものではない。具体的には、固相法、液相法、ゾル−ゲル法、水熱法等が挙げられる。また、電子伝導性を補う目的でLiFe(1−y)MgBO粒子表面にカーボンを機械的にあるいは有機物の熱分解等により付着及び被覆させることが好ましい。
本発明に係る正極活物質は、平均粒子サイズ100μm以下の粉体としてリチウム二次電池用正極に用いることが好ましい。特に、粒径が小さい方が好ましく、二次粒子の平均粒子径は0.5〜20μmであり、一次粒子の粒径は1〜500nmであることがより好ましい。また、粉体粒子の比表面積は正極のハイレート性能を向上させるために大きい方が良く、1〜100m/gが好ましい。より好ましくは5〜100m/gである。粉体を所定の形状で得る目的で、粉砕機や分級機を用いることができる。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等を用いることができる。粉砕時には水、あるいはアルコール、ヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いてもよい。分級方法としては、特に限定はなく、必要に応じて篩や風力分級機などを乾式あるいは湿式にて用いることができる。
LiFe(1−y)MgBOには、不可避的に、あるいは、活物質としての性能の向上を目的として、不純物が共存していてもよく、そのような場合にも本発明の効果が失われることはない。
導電剤、結着剤については周知のものを周知の処方で用いることができる。
本発明の正極活物質を含有する正極中に含まれる水分量は少ない方が好ましく、具体的には500ppm未満であることが好ましい。
また、電極合材層の厚みは電池のエネルギー密度との兼ね合いから本発明を適用する電極合材層の厚みは20〜500μmが好ましい。
本発明電池の負極は、何ら限定されるものではなく、リチウム金属、リチウム合金(リチウム―アルミニウム、リチウム―鉛、リチウム―錫、リチウム―アルミニウム―錫、リチウム―ガリウム、およびウッド合金等のリチウム金属含有合金)の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えばグラファイト、ハードカーボン、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)、金属酸化物、リチウム金属酸化物(LiTi12等)、ポリリン酸化合物等が挙げられる。これらの中でもグラファイトは、金属リチウムに極めて近い作動電位を有し、高い作動電圧での充放電を実現できるため負極材料として好ましい。例えば、人造黒鉛、天然黒鉛が好ましい。特に,負極活物質粒子表面を不定形炭素等で修飾してあるグラファイトは、充電中のガス発生が少ないことから望ましい。
一般的に、リチウム二次電池の形態としては、正極、負極、電解質塩が非水溶媒に含有された非水電解質から構成され、一般的には、正極と負極との間に、セパレータとこれらを包装する外装体が設けられる。
非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネ−ト等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエ−テル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
電解質塩としては、例えば、LiBF、LiPF等のイオン性化合物が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。非水電解質における電解質塩の濃度としては、高い電池特性を有するリチウム二次電池を確実に得るために、0.5mol/l〜5mol/lが好ましく、さらに好ましくは、1mol/l〜2.5mol/lである。
以下に、本発明のリチウム二次電池の製造方法について例示するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施例1)
(LiFe0.95Mg0.05BOの作製)
蓚酸鉄二水和物(FeC・2HO)、蓚酸マグネシウム(MgC・2HO)、三酸化二硼素(B)及び炭酸リチウム(LiCO)をモル比が0.95:0.05:0.50.51になるように秤取った。そこにエタノ−ルを加えてペースト状とし、ボ−ルミル(FRITSCH社製プラネタリーミル、ボール径1cm)を用いて2時間湿式混合を行った。
前記混合物をアルミナ製の匣鉢(外形寸法90×90×50mm)に入れ、雰囲気置換式焼成炉(デンケン社製卓上真空ガス置換炉KDF−75)を用いて、窒素ガスの流通下(流速1.0リットル/分)で仮焼成した。仮焼成温度は400℃とし、仮焼成時間(前記焼成温度を維持する時間)は2時間とした。なお、昇温速度は5℃/分、降温は自然放冷とした。得られた仮焼成粉にポリビニルアルコール(重合度約1500)を質量比が1:1になるように秤量した後、ボールミルで乾式混合し、この混合物をアルミナ製の匣鉢に入れ、雰囲気置換式焼成炉にて窒素流通下(1.0リットル/分)で600℃、1時間焼成することでカーボンコートされたLiFe0.95Mg0.05BOを合成した。これを正極活物質として用いた。
(正極の作製)
前記正極活物質、導電剤であるアセチレンブラック、及び、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を80:8:12の重量比で用い、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒とする正極ペーストを調整した。該正極ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔集電体上の片面に塗布、乾燥した後、プレス加工を行い、正極とした。該正極にはアルミニウム製の正極端子を超音波溶接により接続した。
(負極の作製)
厚さ100μmのリチウム金属箔を厚さ10μmのニッケル箔集電体上に貼り付けたものを負極とした。負極にはニッケル製の負極端子を抵抗溶接により接続した。
(電解液の調製)
エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びメチルエチルカーボネートを体積比6:7:7の割合で混合した混合溶媒に、含フッ素系電解質塩であるLiPFを1mol/lの濃度で溶解させ、非水電解質を作製した。該非水電解質中の水分量は50ppm未満とした。
(電池の組み立て)
露点−40℃以下の乾燥雰囲気下においてリチウム二次電池を組み立てた。正極と負極とを各1枚、厚さ20μmのポリプロピレン製セパレ−タを介して対向させる。外装体として、ポリエチレンテレフタレ−ト(15μm)/アルミニウム箔(50μm)/金属接着性ポリプロピレンフィルム(50μm)からなる金属樹脂複合フィルムを用い、この極群を前記正極端子及び負極端子の開放端部が外部露出するように注液孔となる部分を除いて気密封止した。前記注液孔から一定量の非水電解質を注液後、減圧状態で前記注液孔部分を熱封口し、電池を組み立てた。
(比較例1)
(LiFeBOの作製)
蓚酸鉄二水和物(FeC・2HO)と、三酸化二硼素(B)と炭酸リチウム(LiCO)とをモル比が0.95:0.50.51になるように秤取った。そこにエタノ−ルを加えてペースト状とし、ボ−ルミル(FRITSCH社製プラネタリーミル、ボール径1cm)を用いて2時間湿式混合を行った。
前記混合物をアルミナ製の匣鉢(外形寸法90×90×50mm)に入れ、雰囲気置換式焼成炉(デンケン社製卓上真空ガス置換炉KDF−75)を用いて、窒素ガスの流通下(流速1.0リットル/分)で仮焼成した。仮焼成温度は400℃とし、仮焼成時間(前記焼成温度を維持する時間)は2時間とした。なお、昇温速度は5℃/分、降温は自然放冷とした。得られた仮焼成粉にポリビニルアルコール(重合度約1500)を質量比が1:1になるように秤量した後、ボールミルで乾式混合し、この混合物をアルミナ製の匣鉢に入れ、雰囲気置換式焼成炉にて窒素流通下(1.0リットル/分)で600℃、1時間焼成することでカーボンコートされたLiFeBOを合成した。
上記の正極活物質を用いたこと以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を組み立てた。
(充放電試験)
組み立てた全ての電池に対して、温度20℃にて、5サイクルの初期充放電を行った。ここで、充電条件は、電流0.1ItmA(約10時間率)、電圧4.5V、15時間の定電流定電圧充電とし、放電条件は、電流0.1ItmA(約10時間率)、終止電圧1.5Vの定電流放電とした。
続いて、電流0.01ItmA(約100時間率)、電圧4.5V、150時間の定電流定電圧充電を行った後、電流0.01ItmA(約100時間率)、終止電圧1.5Vの定電流放電を行った。
当該0.01ItmAの電流値での放電カーブを図に示す。図1は実施例1の電池の放電カーブであり、図2は比較例1の電池の放電カーブである。
図1、図2から、LiFe0.95Mg0.05BOを正極活物質として用いた実施例1の電池は、LiFeBOを正極活物質として用いた比較例1の電池に比べて2倍近い放電容量が得られることがわかる。
前記初期充放電工程の5サイクル目に得られた0.1ItmAの電流値での放電容量の、続く0.01ItmAの電流値での放電容量に対する百分率を求め「高率放電特性値(%)」とした。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、LiFe0.95Mg0.05BOを正極活物質として用いた実施例1の電池は、LiFeBOを正極活物質として用いた比較例1の電池に比べて高率放電特性が顕著に優れていることがわかる。
本発明の構成によって、LiFeBO正極活物質の高率放電特性を改善することができる作用機構については、明らかではない。ポリアニオン化合物において、Mgは価数変化しないことから、Mgを含有することにより電気化学的容量が低下することは容易に予測されるものの、電気化学的容量や高率放電特性が向上することは通常考えられない。
事実、本出願人は、本発明と併行して、オビン型結晶構造を有するポリアニオン化合物であるLiFePO及びLiFe0.95Mg0.05POを合成し、それぞれを正極活物質として用いたリチウム二次電池を作製して、上記実施例と同様にして0.1ItmAの電流値を用いて放電性能を比較した。しかしながら、放電容量の点で両者は5%の誤差範囲内で同程度であった。また、高率放電特性についても比較したが、やはり両者は5%の誤差範囲内で同程度であった。
一般に、リチウム二次電池用正極活物質に用いる遷移金属化合物の、遷移金属サイトの一部を他の元素で置換する試みは、正方晶スピネル構造のLiMnなど他の結晶構造の活物質における例を挙げるまでもなく多数検討されている。しかしながら、異種元素置換がもたらす効果については結晶構造ごと、活物質ごとに異なっており、当該技術分野においては、異なる材料において発現した効果が別の材料においても同様に発現するかどうかについては全く予測が困難であることはいうまでもない。従って、LiFePO系における上記の例からも判るように、仮にLiFePOの系における知見があったとしても、LiFeBOに対してMgを適用することで奏された本発明の効果は、まるで類推が不可能なものであり、本発明者らも全く予測できないものであった。
ただ、本発明の効果が奏された作用機構については、本発明者らは今のところ次のように推察している。LiFeBOとLiMgBOとは、同じ単斜晶(空間群C2/c)の結晶であると共に、Fe2+とMg2+のイオン半径が比較的近いことから、LiFeBOの一部を置換する元素としてMgを選択したことで、固溶体に近い単一相を形成できたものと考えている。事実、実施例1で合成したLiFe0.95Mg0.05BOの粉末エックス線回折測定を行ったところ、得られたエックス線回折図において、LiFeBOとLiMgBOの二つの相は観測されず、LiFeBOから若干LiMgBO側にシフトしたピークプロファイルが得られたことから、Feのサイトの一部がMgにより置換されていると考えられる。この様に、Feサイトの一部がMgで置換されることによりLiFeBOにおけるLiイオンの吸蔵・放出に伴う抵抗を減少させる作用を及ぼしたのではないかと考えている。
本発明によれば、高率放電特性に優れた単斜晶系の空間群C2/cに属するホウ酸鉄リチウム化合物からなるリチウム二次電池用正極活物質とそれを用いたリチウム二次電池を提供できるので、今後の展開が期待される電気自動車等、産業用電池において特に高容量化が求められる分野への応用に適しており、産業上の利用可能性は極めて大である。
実施例に係るリチウム二次電池の放電挙動を示す図である。 比較例に係るリチウム二次電池の放電挙動を示す図である。

Claims (2)

  1. 空間群C2/cに属し、一般式LiFe(1−y)MgBO(0.5≦x≦1.5、0<y≦0.05)で表される結晶を含有するリチウム二次電池用正極活物質。
  2. 請求項1記載の正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解質を備えたリチウム二次電池。
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