JP2008053220A - 非水電解質電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 LiFePO4等のポリアニオン系活物質を用いた非水電解質電池をハイレート性能に優れたものとすることを目的とする。
【解決手段】 リチウムイオンを吸蔵・放出しうるポリアニオン系活物質と、Co、Al又はNiの水酸化物を混合することで、上記課題を解決できる。これは、上記水酸化物が、充放電に伴う酸化還元を受けることで、ポリアニオン系活物質に対して導電経路が付与されるためと推察される。なお、極めて高率の放電を行うことを想定した仕様の非水電解質電池を設計する場合には、添加量が多すぎないように留意することが望ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアニオン系活物質を用いた非水電解質電池及びその製造方法に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン等の携帯機器類用、電気自動車用などの電源としてエネルギー密度が高く、かつ自己放電が少なくてサイクル特性の良いリチウム二次電池に代表される非水電解質電池が注目されている。
現在のリチウム二次電池の主流は、2Ah以下の携帯電話用を中心とした小型民生用である。リチウム二次電池用の正極活物質としては数多くのものが提案されているが、最も一般的に知られているのは、作動電圧が4V付近のリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)やリチウムニッケル酸化物(LiNiO2)、あるいはスピネル構造を持つリチウムマンガン酸化物(LiMn24)等を基本構成とするリチウム含有遷移金属酸化物である。なかでも、リチウムコバルト酸化物は、充放電特性とエネルギー密度に優れることから、電池容量2Ahまでの小容量リチウム二次電池の正極活物質として広く採用されている。
しかしながら、今後の中型・大型、特に大きな需要が見込まれる産業用途への非水電解質電池の展開を考えた場合、安全性が非常に重要視されるため、現在の小型電池向けの仕様では必ずしも充分であるとはいえない。この要因の一つに、正極活物質の熱的不安定性が挙げられ、様々な対策がなされてきたが、未だ十分とはいえない。また、産業用途では小型民生用では使用されないような高温環境において電池が使用されることを想定する必要がある。このような高温環境では、従来のリチウムイオン二次電池はもとより、ニッケル−カドミウム電池や鉛電池も非常に短寿命であり、ユーザーの要求を満足する従来電池は存在しないのが現状である。また、キャパシターは、唯一この温度領域で使用できるものの、エネルギー密度が小さく、この点においてユーザーの要求を満足するものではなく、高温長寿命でエネルギー密度の高い電池が求められている。
そこで最近、熱的安定性が優れるポリアニオン系の活物質が注目を集めている。このポリアニオン系の活物質は酸素が遷移金属以外の元素と共有結合することで固定化されているため、高温においても酸素を放出することが無く、電極活物質として使用することで電池の安全性を飛躍的に高めることができると推察される。例えばオリビン構造を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO4)は、Liイオンの吸蔵・放出が3.4V付近で行われることから、電極で生じる副反応量が少なくなることが予測され、電池の長寿命化が期待できる。
しかしながら、ポリアニオン系活物質は、LiCoO2等のリチウム遷移金属複合酸化物と比べて、電子伝導性が低いため、電池の活物質に用いた場合に充分な電流を取り出すことができず、従って電池のハイレート性能が劣るという問題があった。
特許文献1には、オキシ水酸化ニッケルをリチウム電池の正極活物質として用いた電池が記載されているが、ポリアニオン系活物質を用いた非水電解質電池のハイレート性能を向上させるために、オキシ水酸化ニッケル等を含有させることについては記載がない。
特開平10−149811号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ポリアニオン系活物質を用いた非水電解質電池をハイレート性能に優れたものとすることを目的とする。
本発明の構成は次の通りである。但し、作用機構は推定を含むものであり、その正否は本発明を何ら制限するものではない。
(1)リチウムイオンを吸蔵・放出しうるポリアニオン系活物質と、Co、Al又はNiの水酸化物、酸化物又はオキシ水酸化物と、を含有する電極を備えた非水電解質電池。
(2)リチウムイオンを吸蔵・放出しうるポリアニオン系活物質と、Co、Al又はNiの水酸化物と、を含有する電極を用いる非水電解質電池の製造方法。
本発明において、ポリアニオン系活物質とは、ポリアニオン構造を有する活物質であって、具体的には、一般式LiXO(Mは少なくとも1種以上の遷移金属、XはB、Al、Si、P、S、Cl、Ti、V、Cr、Mo、Wから選ばれる1種以上元素、0<a≦3、0<m≦2、2≦b≦4、0≦c≦1)で表されるリチウム化合物が挙げられる。例えば、LiFePO4、LiCoPO4、LiFe0.5Co0.5PO4、LiMnPO4、LiCrPO4、LiFeVO4、LiFeSiO4、LiFeSO4、LiTiPO4、LiFeBO3、Li3Fe2PO4、LiFe0.9Al0.1PO4、LiFePO3.90.1等がこれにあたる。なお、電子電導性を改善する目的で構造の一部を他元素で置換したり、活物質粒子の表面を炭素などの導電性物質で被覆したり、粒子内部に導電性物質を内包させたものであっても、本発明の効果を阻害することなく好適に用いることができ、このようなものを用いた場合も本発明の範囲内である。
本発明に係る「Co、Al又はNiの水酸化物、酸化物又はオキシ水酸化物」は、Co(OH)2、CoO、CoO(OH)、Al(OH)3、Al23、AlO(OH)、Ni(OH)2、NiO、NiO(OH)等を具体的に挙げることができ、従来正極活物質として周知のLiCoO2やLiNiO2等のリチウムイオンを吸蔵・放出可能なα−NaFeO2型層状結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物は除外される。
電極を構成する活物質、導電材、結着剤等に、Co、Al又はNiの水酸化物、即ち、Co(OH)2、Al(OH)3又はNi(OH)2を1種又は2種以上混合して電極板を作製し、これを用いて発電要素を構成し、非水電解質を適用後、必要に応じて初期充放電を行って非水電解質電池を完成させることができる。このようにして完成した非水電解質電池の前記電極中には、Co、Al又はNiの水酸化物の他に、Co、Al又はNiの酸化物又はオキシ水酸化物の存在が認められることがある。これは、混合したCo、Al又はNiの水酸化物が、充放電によってCo、Al又はNiの酸化物又はオキシ水酸化物に変化したものと認められる。また、前記電極中に、Co、Al又はNiを含む有機化合物が存在している可能性もある。
「Co、Al又はNiの水酸化物、酸化物又はオキシ水酸化物」をあらかじめ正極活物質と混合してから電池を組み立ててもよいが、上記のように、「Co、Al又はNiの水酸化物」を正極活物質と混合して電池を組み立てる方法を採用することもできる。後者の方法を採用すると、製造工程中の初期充放電工程を経ることにより水酸化物が酸化物やオキシ水酸化物に変化し、ポリアニオン系活物質に対して効果的に電子伝導性が付与できる。
「リチウムイオンを吸蔵・放出しうる活物質と、Co、Al又はNiの水酸化物、酸化物又はオキシ水酸化物と、を含有する電極」は正極に用いても負極に用いてもよく、いずれを選択するかは要求される電池仕様に沿って決定することができる。また、両方の極に用いてもよい。
本発明によれば、ポリアニオン系活物質を用いた非水電解質電池をハイレート性能に優れたものとすることができる。また、ハイレート性能に優れたポリアニオン系活物質を用いた非水電解質電池の製造方法を提供することができる。
電極中に含有させるCo、Al又はNiの水酸化物の量は、リチウムイオンを吸蔵・放出しうる活物質の質量に対して1wt%以上であることが好ましい。Co、Al又はNiの水酸化物の含有量が1wt%以上であることにより、リチウムイオンを吸蔵・放出しうる活物質に対し、電子伝導度を向上させることのできる導電性経路を効果的に付与することができ、もって、ハイレート性能に優れた非水電解質電池とすることができる。また、電極中に含有させるCo、Al又はNiの水酸化物の量は、リチウムイオンを吸蔵・放出しうる活物質の質量に対して5wt%以下であることが好ましい。Co、Al又はNiの水酸化物の含有量が5wt%以下であることにより、Co、Al又はNiの水酸化物が余剰となることがないので、電極の抵抗を高くなりすぎる虞を低減できる。
「リチウムイオンを吸蔵・放出しうるポリアニオン系活物質」は、平均粒子サイズ100μm以下の粉体であることが好ましい。特に、本発明の効果を有効に引き出すためには粒径が小さい方が好ましく、二次粒子の平均粒子径は0.5〜20μmであり、一次粒子の粒径は50〜500nmであることがより好ましい。
「リチウムイオンを吸蔵・放出しうるポリアニオン系活物質」の比表面積は正極のハイレート性能を向上させるために大きい方が良く、1〜100m2/gが好ましい。また、「Co、Al又はNiの水酸化物、酸化物又はオキシ水酸化物」により形成される導電径路を有効に利用するためには「リチウムイオンを吸蔵・放出しうるポリアニオン系活物質」の比表面積は10〜100m2/gがより好ましい。
「リチウムイオンを吸蔵・放出しうるポリアニオン系活物質」の粉体を所定の形状で得るため、粉砕機や分級機を用いることができる。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等を用いることができる。粉砕時には水、あるいはアルコール、ヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いてもよい。分級方法としては、特に限定はなく、必要に応じて篩や風力分級機などを乾式あるいは湿式にて用いることができる。
導電剤、結着剤については周知のものを周知の処方で用いることができる。
一般に、非水電解質電池においては、正極中に含まれる水分量は少ない方が良いとされているが、本発明においては電極に含有した「Co、Al又はNiの水酸化物、酸化物又はオキシ水酸化物」が活物質表面において導電性あるものとなるために、ある程度水分が含まれていることがむしろ好ましく、50〜1000ppmであることが好ましい。但し、あまりに水分を含みすぎていると電池特性に悪影響を与える虞があるため好ましくない。
また、本発明の効果は、電極合剤層の厚みが厚いほど有効に発揮される。電池のエネルギー密度との兼ね合いからは本発明を適用する電極合剤層の厚みは30〜600μmが好ましい。
一般的に、非水電解質電池の形態としては、正極、負極、電解質塩が非水溶媒に含有された非水電解質から構成され、一般的には、正極と負極との間に、セパレータとこれらを包装する外装体が設けられる。
非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネ−ト等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエ−テル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
電解質塩としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiBOB等のイオン性化合物が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。非水電解質における電解質塩の濃度としては、高い電池特性を有する非水電解質電池を確実に得るために、0.5mol/l〜5mol/lが好ましく、さらに好ましくは、1mol/l〜2.5mol/lである。
以下に、本発明の非水電解質電池の製造方法について、「リチウムイオンを吸蔵・放出しうるポリアニオン系活物質」がリン酸鉄リチウムであり、「Co、Al又はNiの水酸化物」がCo(OH)2である場合を取り上げて実施の形態を例示するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、「Co、Al又はNiの水酸化物」としてAl(OH)2を用いた場合、Ni(OH)2を用いた場合も同様の結果が得られる。リン酸鉄リチウム以外の「リチウムイオンを吸蔵・放出しうるポリアニオン系活物質」を用いた場合も同様である。
(LiFePO4の作製)
シュウ酸鉄二水和物(FeC24・2H2O)と、リン酸二水素アンモニウム(NH42PO4)と、炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が2:2:1になるように計り取り、さらに、エタノ−ルを加えてペースト状とし、ボ−ルミル(FRITSCH社製プラネタリーミル、ボール径1cm)を用いて2時間湿式混合を行った。このようにして、鉄源、リン源及びリチウム源を含む混合物を準備した。
前記混合物をアルミナ製の匣鉢(外形寸法90×90×50mm)に入れ、雰囲気置換式焼成炉(デンケン社製卓上真空ガス置換炉KDF−75)を用いて、窒素ガスの流通下(流速2.0リットル/分)で焼成した。焼成温度は700℃とし、焼成時間(前記焼成温度を維持する時間)は2時間とした。なお、昇温速度は5℃/分、降温は自然放冷とした。このようにしてリン酸鉄リチウム化合物LiFePO4を合成した。
得られたLiFePO4にポリビニルアルコール(分子量約1500)を重量比が1:1になるように乾式混合し、この混合物をアルミナ製の匣鉢に入れ、雰囲気置換式焼成炉にて窒素流通下(2.0l/min)で700℃、1時間熱処理することでLiFePO4に対してカーボンコート処理を行った。以下、これを正極活物質として用いた。
(正極の作製)
前記正極活物質、導電剤であるアセチレンブラック、及び、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を80:8:12の重量比で用い、さらに、平均粒径7.3μmのCo(OH)2粉を添加してN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒とする正極ペーストを調整した。該正極ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔集電体上の片面に塗布、乾燥した後、プレス加工を行い、正極とした。プレス後の正極合剤層の厚みは70〜75μmであった。該正極にはアルミニウム製の正極端子を超音波溶接により接続した。
(負極の作製)
本実施例では、ポリアニオン系活物質を用いた正極の性能を単独で評価する目的ため、負極についてはリチウム金属を使用した。厚さ100μmのリチウム金属箔を厚さ10μmのニッケル箔集電体上に貼り付けたものを負極とした。負極にはニッケル製の負極端子を抵抗溶接により接続した。
(電解液の調製)
エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びメチルエチルカーボネートを体積比6:7:7の割合で混合した混合溶媒に、含フッ素系電解質塩であるLiPF6を1mo
l/lの濃度で溶解させ、非水電解質を作製した。該非水電解質中の水分量は50ppm未満とした。
(電池の組み立て)
露点−40℃以下の乾燥雰囲気下において非水電解質電池を組み立てた。正極と負極とを各1枚、厚さ20μmのポリプロピレン製セパレ−タを介して対向させた。外装体として、ポリエチレンテレフタレ−ト(15μm)/アルミニウム箔(50μm)/金属接着性ポリプロピレンフィルム(50μm)からなる金属樹脂複合フィルムを用い、この極群を前記正極端子及び負極端子の開放端部が外部露出するように注液孔となる部分を除いて気密封止した。前記注液孔から一定量の非水電解質を注液後、減圧状態で前記注液孔部分を熱封口し、電池を組み立てた。
(初期充放電工程)
温度20℃にて、5サイクルの充放電を行うことで初期活性化を行った。このときの充電条件は、電流0.1ItmA(約10時間率)、電圧3.8V、15時間の定電流定電圧充電とし、放電条件は、電流0.1ItmA(約10時間率)、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。以上の手順により、実施例及び比較例に係る非水電解質電池を作製した。
(実施例1)
上記正極の作製にあたり、Co(OH)2の添加量をLiFePO4に対して1wt%とした。
(実施例2)
上記正極の作製にあたり、Co(OH)2の添加量をLiFePO4に対して5wt%とした。
(実施例3)
上記正極の作製にあたり、Co(OH)2の添加量をLiFePO4に対して10wt%とした。
(実施例4)
上記正極の作製にあたり、Co(OH)2に代えてNi(OH)2を用い、添加量をLiFePO4に対して5wt%とした。
(実施例5)
上記正極の作製にあたり、Co(OH)2に代えてAl(OH)2を用い、添加量をLiFePO4に対して5wt%とした。
(比較例1)
上記正極の作製にあたり、Co(OH)2を添加しなかった。
(LiMnPOの作製)
炭酸マンガン水和物(MnCO・nHO)と、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)と、炭酸リチウム(LiCO)とをモル比が2:2:1になるように計り取り、さらに、エタノ−ルを加えてペースト状とし、ボ−ルミル(FRITSCH社製プラネタリーミル、ボール径1cm)を用いて2時間湿式混合を行った。このようにして、マンガン源、リン源及びリチウム源を含む混合物を準備した。
前記混合物をアルミナ製の匣鉢(外形寸法90×90×50mm)に入れ、雰囲気置換式焼成炉(デンケン社製卓上真空ガス置換炉KDF−75)を用いて、窒素ガスの流通下(流速2.0リットル/分)で焼成した。焼成温度は600℃とし、焼成時間(前記焼成温度を維持する時間)は2時間とした。なお、昇温速度は5℃/分、降温は自然放冷とした。このようにしてリン酸マンガンリチウム化合物LiMnPOを合成した。
得られたLiMnPOにポリビニルアルコール(分子量約1500)を重量比が1:1になるように乾式混合し、この混合物をアルミナ製の匣鉢に入れ、少量の精製水を加えた後、雰囲気置換式焼成炉にて窒素流通下(2.0l/min)で700℃、1時間熱処理することでLiMnPOに対してカーボンコート処理を行った。
(正極の作製)
前記各正極活物質、導電剤であるアセチレンブラック、及び、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を80:8:12の重量比で用い、さらにCo(OH)(粒径は7.3μm)を正極活物質に対して5wt%添加してN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒とする正極ペーストを調整した。該正極ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔集電体上の片面に塗布、乾燥した後、プレス加工を行い、正極とした。プレス後の正極合剤層の厚みは70〜75μmであった。該正極にはアルミニウム製の正極端子を超音波溶接により接続した。
(実施例6)
この正極を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、非水電解質電池を作製し、初期充放電工程の充電電圧を4.55Vとしたこと以外は、実施例2と同様にして、非水電解質電池を作製した。
(比較例2)
上記正極の作製にあたり、Co(OH)を添加しなかったこと、及び、初期充放電工程の充電電圧を4.55Vとしたこと以外は、実施例2と同様にして、非水電解質電池を作製した。
(ハイレート放電試験)
上記実施例1〜6及び比較例1〜2に係る非水電解質電池に対して、温度20℃において、上記それぞれの初期活性化工程と同一の条件で充電を行った後、放電電流1ItmA(約1時間率)又は5ItmA(約0.2時間率)、放電終止電圧2.0Vの定電流放電を行った。このときの放電容量の前記初期放電容量に対する百分率を求め、「ハイレート放電率(%)」とした。結果を表1に示す。
Figure 2008053220
(コバルト化合物含有量とハイレート放電率)
放電電流1ItmAにおけるハイレート放電試験の結果から、正極作製時に水酸化コバルトを含有させた実施例1〜3の非水電解質電池のハイレート性能は、水酸化コバルトを含まない比較例1の非水電解質電池に比べて向上しており、本発明の効果が発揮されていることがわかる。
しかしながら、放電電流5ItmAにおけるハイレート放電試験の結果から、リン酸鉄リチウムに対して10wt%の水酸化コバルトを添加した実施例3の非水電解質電池では、ハイレート性能が逆に低下した。このことから、極めて高率の放電を行うことを想定した仕様の非水電解質電池を設計する場合には、添加量が多すぎないように留意することが望ましい。
水酸化コバルト以外の水酸化物(水酸化ニッケルまたは水酸化アルミニウム)を添加した実施例5、6においても水酸化コバルト水酸化物を添加した場合と同様に高率放電性能が向上することが明らかとなり、本発明の効果が発揮されていることがわかった。
また、LiFePO4以外のポリアニオン材料であるLiMnPOに対して同様に水酸化物を添加した場合においても、水酸化物を添加しなかった場合に比べて、高率放電性能が顕著に向上することが明らかとなり、本発明の効果が発揮されていることがわかった。
上記実施例1〜3に係る電池を試験後に解体して正極を分析したところ、CoOの存在が確認された。
本発明によれば、熱的安定性に優れたポリアニオン系活物質を用いた非水電解質電池のハイレート性能を向上できるので、今後の展開が期待される中型・大型電池、特に産業用電池への応用に適した技術であるので、産業上の利用可能性は極めて大である。

Claims (2)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出しうるポリアニオン系活物質と、Co、Al又はNiの水酸化物、酸化物又はオキシ水酸化物と、を含有する電極を備えた非水電解質電池。
  2. リチウムイオンを吸蔵・放出しうるポリアニオン系活物質と、Co、Al又はNiの水酸化物と、を含有する電極を用いる非水電解質電池の製造方法。
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