JP2009224119A - リチウムイオン二次電池の予備充放電方法及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の予備充放電方法及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】オリビン型構造のリチウム複合酸化物を正極活物質とするリチウムイオン二次電池において、同じSOCであっても充放電の履歴により放電容量が変化してしまうのを抑制する。
【解決手段】負極と、オリビン型構造のリチウム複合酸化物を正極活物質とする正極と、前記負極と前記正極との間に介在する非水系電解液とを備えたリチウムイオン二次電池を組み立てた直後に、充電終止時の正極の電位がリチウム金属に対して4.1V、放電終止時の正極の電位がリチウム金属に対して2.5Vとなる充放電を2Cレートで500サイクル繰り返し実行する。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の予備充放電方法及びリチウムイオン二次電池に関する。
従来より、炭素質物質を負極活物質とする負極と、コバルト酸リチウム(LiCoO2)を正極活物質とする正極と、正負極間でリチウムイオンを移動させるための非水電解液とを備えたリチウムイオン二次電池が知られている。こうしたリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度や作動電圧が高く、自己放電が小さいという優れた利点を有している。その一方で、コバルトは希少金属なので高価なうえ、供給が不安定になりやすいという問題がある。このため、コバルト酸リチウムの代替候補として、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)などのオリビン型の結晶構造をとるリチウム複合酸化物が注目されている。特に、リン酸鉄リチウムは、資源として豊富な元素で構成されているのでコストが安価で安定供給が見込まれる。また、温度を上げても酸素を放出しにくい性質のため、高温での電解液との反応性が低く、電池の信頼性向上に寄与する材料としても期待されている。
ところで、最近、リン酸鉄リチウムを正極活物質とするリチウムイオン二次電池に関して、充放電の履歴によって正極の入出力特性が変化することが報告された(非特許文献1参照)。この報告によれば、例えば、SOC0%から充電してSOC50%に調製した場合と、SOC100%から放電してSOC50%に調製した場合とでは、どちらもSOC50%のリチウムイオン二次電池であるにもかからわず、入出力特性が異なる。この報告では、その理由を次のように推察している。すなわち、SOC0%から充電してSOC50%に調製された場合には、図1に示すように、正極中の正極活物質はリン酸鉄リチウム(LiFePO4)がコアとなりその表面にリン酸鉄(FePO4)が存在すると考えられる。一方、SOC100%から放電してSOC50%に調製された場合には、図2に示すように、正極中の正極活物質はリン酸鉄がコアとなりその表面にリン酸鉄リチウムが存在すると考えられる。そして、図1の状態で放電するとリチウムイオンは表面のリン酸鉄中に挿入されるのに対し、図2の状態で放電するとリチウムイオンは表面のリン酸鉄リチウムを通ってコアのリン酸鉄に挿入される。このため、図1の状態の方が図2の状態よりもリチウムイオンの移動距離が短くて済む。実際、同じSOC50%の電池であっても、SOC0%からSOC50%に調製された場合の方がSOC100%からSOC50%に調製された場合に比べて放電容量が大きくなるが、これはリチウムイオンの移動距離が短いことによると考えられる。
Electrochemcal and Solid-State Letters, 9(3), A110-A114(2006))
しかしながら、リチウムイオン二次電池において、同じSOCであってもそれまでの充放電履歴によって放電容量が変化するのは、電池寿命の予測が困難になるため好ましくない。特に、電動工具などのパワーツールやハイブリッド自動車などのモータ搭載車両のように高出力が要求される装置においては、予想外の電池切れが起こるのは好ましくない。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、オリビン型構造のリチウム複合酸化物を正極活物質とするリチウムイオン二次電池において、同じSOCであっても充放電の履歴により放電容量が変化してしまうのを抑制することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、オリビン型構造のリチウム複合酸化物を正極活物質とするリチウムイオン二次電池を組み立てた直後に、充電終止時の正極の電位がリチウム金属に対して4.1V、放電終止時の正極の電位がリチウム金属に対して2.5Vとなる充放電を2Cレートで500サイクル繰り返し実行する予備充放電を行ったところ、その後同じSOCであれば充放電の履歴によらず放電容量がほとんど変化しないことを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の予備充放電方法は、負極と、オリビン型構造のリチウム複合酸化物を正極活物質とする正極と、前記負極と前記正極との間に介在する非水系電解液とを備えたリチウムイオン二次電池の予備充放電方法であって、電池組立直後に、充電終止時の正極の電位がリチウム金属に対して3.5〜5.0V、放電終止時の正極の電位がリチウム金属に対して0〜3.3Vとなる充放電を2Cレート以上で繰り返し実行するものである。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、負極と、オリビン型構造のリチウム複合酸化物を正極活物質とする正極と、前記負極と前記正極との間に介在する非水系電解液とを備えたリチウムイオン二次電池であって、SOC0%から充電してSOC50%に調製したあと電池を放電させたときの放電容量をX、SOC100%から放電してSOC50%に調製したあと電池を放電させたときの放電容量をYとしたときの評価指数Z=100×Y/X(%)が90%以上のものである。
本発明の予備充放電方法によれば、オリビン型構造のリチウム複合酸化物を正極活物質とするリチウムイオン二次電池において、同じSOCであっても充放電の履歴により放電容量が変化してしまうのを抑制することができる。こうした効果が得られる理由は定かではないが、予備的な充電だけでなく放電も行うことで、正極活物質であるオリビン型構造のリチウム複合酸化物に何らかの特異的な変化が生じ、同じSOCでも充放電履歴によって正極活物質で表裏二層に分かれる現象(図1及び図2参照)が生じにくくなったためと推察される。
こうした予備充放電方法を施したリチウムイオン二次電池は、SOC0%から充電してSOC50%に調製したあと電池を放電させたときの放電容量をX、SOC100%から放電してSOC50%に調製したあと電池を放電させたときの放電容量をYとしたときの評価指数Z=100×Y/X(%)が90%以上になる。このため、電池寿命を精度よく予測することができ、電動工具などのパワーツールやハイブリッド自動車などのモータ搭載車両のように高出力が要求される装置において予想外の電池切れが起きるのを防止することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の予備充放電方法は、負極と、オリビン型構造のリチウム複合酸化物を正極活物質とする正極と、前記負極と前記正極との間に介在する非水系電解液とを備えたリチウムイオン二次電池の予備充放電方法であって、電池組立直後に、充電終止時の正極の電位がリチウム金属に対して3.5〜5.0V、放電終止時の正極の電位がリチウム金属に対して0〜3.3Vとなる充放電を2Cレート以上で繰り返し実行するものである。
オリビン型構造のリチウム複合酸化物を正極活物質とする正極は、3.4V付近に電位平坦部を有するので、充電終止時の正極の電位はリチウム金属に対して3.5〜5.0V、好ましくは3.9〜4.3Vとし、放電終止時の正極の電位はリチウム金属に対して0〜3.3V、好ましくは2.3〜2.7Vとする。充電終止時の正極の電位をリチウム金属に対して3.5V以上としたのは電位平坦部である3.4V付近を上回るようにして確実に充電できるようにするためであり、5.0V以下としたのは非水系電解液が酸化分解してしまうことのないようにするためである。また、放電終止時の正極の電位をリチウム金属に対して3.3V以下としたのは電位平坦部である3.4V付近を下回るようにして十分放電できるようにするためであり、0V以上としたのは電極へのリチウムの析出が起きないようにするためである。
本発明のリチウムイオン二次電池の予備充放電方法は、充放電速度を2Cレート以上とする。充放電速度が低すぎると、同じSOCのときに充放電の履歴により放電容量が変化してしまうのを抑制できないことがあるからである。
本発明のリチウムイオン二次電池の予備充放電方法は、充放電の繰り返しサイクル数は、特に限定されないが、5〜1000サイクルが好ましく、10〜700サイクルがより好ましい。5サイクル以上としたのは本発明の効果を確実に得るためであり、1000サイクル以下としたのはそれを超えると予備充放電に時間がかかりすぎて好ましくないためである。また、充放電の温度は、特に限定されないが、例えば0〜80℃が好ましく、20〜60℃がより好ましい。0℃を下回ったり80℃を上回ると電池の劣化が懸念されるためである。
本発明のリチウムイオン二次電池は、負極と、オリビン型構造のリチウム複合酸化物を正極活物質とする正極と、前記負極と前記正極との間に介在する非水系電解液とを備えたリチウムイオン二次電池であって、SOC0%から充電してSOC50%に調製したあと電池を放電させたときの放電容量をX、SOC100%から放電してSOC50%に調製したあと電池を放電させたときの放電容量をYとしたときの評価指数Z=100×Y/X(%)が90%以上のものである。こうしたリチウムイオン二次電池は、本発明の予備充放電方法を実行することにより得られるものである。すなわち、電池組立直後に本発明の予備充放電方法を実行しなかった場合には、評価指数Zが90%未満であるのに対して、電池組立直後に本発明の予備充放電方法を実行した場合には、評価指数Zが90%以上になり、電池寿命の予測が容易になる。評価指数Zは95%以上であることが、電池寿命の予測をより正確に行ううえで好ましい。評価指数Zを95%以上とするには、例えば、非水系電解液にビニレンカーボネート(VC)が添加されたカーボネート系溶媒にリチウム支持塩を溶解させた電解液を用いたり、予備充放電の温度を60℃前後に設定したりすることが挙げられる。
本発明で用いるリチウムイオン二次電池において、負極は、充電時にリチウムイオンを放出し放電時にリチウムイオンを吸蔵可能な負極活物質を含むものであれば特に限定されない。ここで、負極活物質としては、例えばリチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素質物質が挙げられる。こうした炭素質物質としては、例えば天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素、樹脂焼成炭素などが挙げられる。
本発明で用いるリチウムイオン二次電池において、正極は、オリビン型構造のリチウム複合酸化物を正極活物質とするものである。こうしたリチウム複合酸化物としては、例えばリン酸鉄リチウム(LiFePO4)やリン酸マンガンリチウム(LiMnPO4)、リン酸コバルトリチウム(LiCoPO4)、リン酸ニッケルリチウム(LiNiPO4)などが挙げられるが、このうちリン酸鉄リチウムが好ましい。リン酸鉄リチウムは、資源として豊富な元素で構成されているのでコストが安価で安定供給が見込まれるばかりでなく、温度を上げても酸素を放出しにくい性質のため高温での電解液との反応性が低いからである。
本発明で用いるリチウムイオン二次電池において、正極及び負極は、導電材を含んでいてもよい。導電材としては、導電性を有する材料であれば特に限定されない。例えば、ケッチェンブラックやアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類でもよいし、鱗片状黒鉛のような天然黒鉛や人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類でもよいし、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維類でもよいし、銅や銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属粉末類でもよいし、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料でもよい。また、これらを単体で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明で用いるリチウムイオン二次電池において、正極及び負極は、バインダを含んでいてもよい。バインダとしては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などが挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。これらの材料は単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明で用いるリチウムイオン二次電池において、正極及び負極は、正極活物質又は負極活物質と導電材とバインダとを所定の配合比で混合した後、集電体にプレス成形して形成してもよい。混合方法としては、メタノールなどの溶媒存在下で湿式混合してもよいし、乳鉢などを使って乾式混合してもよい。なお、集電体としては、特に限定するものではないが、例えば、ステンレス鋼やアルミニウム、銅などの金属板や金属メッシュを用いてもよい。あるいは、InSnO2やSnO2,ZnO,In22などの透明導電材を用いてもよいし、フッ素ドープ酸化錫(SnO2:F)やアンチモンドープ酸化錫(SnO2:Sb)、錫ドープ酸化インジウム(In23:Sn)、ZnO,Alドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、Gaドープ酸化亜鉛(ZnO:Ga)などの不純物がドープされた材料等の単層又は積層層を、ガラスや高分子状に形成させたものを用いてもよい。
本発明で用いるリチウムイオン二次電池において、非水系電解液は、特に限定されるものではないが、例えば、支持塩を有機溶媒に溶解させたものを用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF6,LiClO4,LiBF4,Li(CF3SO3)、LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO2)などの公知の支持塩を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル等が挙げられる。環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等がある。鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート等がある。環状エステルカーボネートとしては、例えばガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等がある。環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等がある。鎖状エーテルとしては、例えばジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。これらの有機溶媒のうち、本発明では、VCを添加したカーボネート系溶媒を用いることが好ましい。VCを添加すると、添加しない場合に比べて本発明の効果が顕著になるからである。このVCの添加量は、VC以外のカーボネート系溶媒に対して0.1〜10体積%であることが好ましい。また、VC以外のカーボネート系溶媒としては、特に限定されないが、例えばECとDECとの混合溶媒が好ましい。
本発明で用いるリチウムイオン二次電池は、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、リチウムイオン二次電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の薄い微多孔膜が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明で用いるリチウムイオン二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、こうしたリチウムイオン二次電池を複数直列に接続して電気自動車用電源としてもよい。電気自動車としては、例えば、電池のみで駆動する電池電気自動車や内燃機関とモータ駆動とを組み合わせたハイブリッド電気自動車、燃料電池で発電する燃料電池自動車等が挙げられる。
[実施例1]
本実施例では、正極活物質としてオリビン構造のリン酸鉄リチウムLiFePO4を含む正極シート電極と、負極活物質として黒鉛を含む負極シート電極とを備えたリチウムイオン二次電池を作製した。
まず、正極シート電極を以下のようにして作製した。すなわち、正極活物質としてオリビン構造のリン酸鉄リチウムLiFePO4を、導電助材としてカーボンブラック(東海カーボン製のTB5500)を、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(クレハ製のKFポリマー)を用い、正極活物質/導電助材/バインダを78.5/13.8/7.7(重量%)で混合し、正極合材を得た。この正極合材をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)で分散させたペーストを、厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に途工乾燥させ、ロールプレスしたものを正極シート電極とした。なお、正極シート電極は54mm×450mmである。
また、負極シート電極を以下のようにして作製した。負極活物質として黒鉛(大阪ガス製のMCMB)を、バインダとして前出のポリフッ化ビニリデンを用い、それぞれ95/5(重量%)で混合し、負極合材を得た。この負極合材をNMPで分散させたペーストを、厚さ10μm銅箔の両面に途工乾燥させ、ロールプレスしたものを負極シート電極とした。なお、負極シート電極は56mm×500mmである。
このようにして作製した正極シート電極及び負極シート電極をセパレータ(東燃タピルス製、ポリエチレン製25μm厚、幅58mmのもの)を介してロール状に捲回し、18650電池缶に挿入し、電解液を注入した後に、トップキャップをかしめて密閉することにより、リチウムイオン二次電池を作製した。電解液は、ECとDECとの体積比3:7の混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を濃度が1Mとなるように溶解したものを用いた。そして、電池組立直後に予備充放電を行った。予備充放電は、20℃、2Cレートで、充電終止時の正極が4.1V(リチウム金属に対する電位、以下同じ)、放電終止時の正極が2.5Vとなるようにする充放電を1サイクルとし、これを500サイクル繰り返し実行した。なお、充電後及び放電後の休止時間は10分とした。こうした予備充放電を行ったあとのリチウムイオン二次電池を、実施例1のリチウムイオン二次電池とした。
[実施例2]
実施例2のリチウムイオン二次電池は、予備充放電を60℃で実施した以外は、実施例1のリチウムイオン二次電池と同様にして作製した。
[実施例3]
実施例3のリチウムイオン二次電池は、電解液として、ECとDECとの体積比3:7の混合溶媒にVCを100:1の体積比で混合したものに六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を濃度が1Mとなるように溶解したものを用いた以外は、実施例1のリチウムイオン二次電池と同様にして作製した。
[実施例4]
実施例4のリチウムイオン二次電池は、予備充放電を60℃で実施した以外は、実施例3のリチウムイオン二次電池と同様にして作製した。
[比較例1]
比較例1のリチウムイオン二次電池は、予備充放電を行わなかったこと以外は、実施例1のリチウムイオン二次電池と同様にして作製した。
[比較例2]
比較例2のリチウムイオン二次電池は、予備充放電を行わなかったこと以外は、実施例3のリチウムイオン二次電池と同様にして作製した。
[各実施例及び各比較例の評価]
実施例1〜4及び比較例1,2のリチウムイオン二次電池の各々について、以下の手順で評価試験を行った。この評価試験後、評価指数ZをZ=100×Y/X(%)と定義し、各実施例及び各比較例につきこの評価指数Zを求めた。その結果を表1に示す。
(評価試験手順)
(1)4.1Vまで0.2Cで定電流充電を行った後、4.1V定電圧充電を2時間行った。その後、0.1Cで2.5Vまで定電流放電を行い、電池の放電容量を測定した。以下の試験では、ここで得られた充放電容量を電池容量とみなした。
(2)SOC0%からSOC50%まで0.2Cで定電流充電を行い、2時間休止した。
(3)2.5Vまで2Cで定電流放電を行った(この放電容量をXとした)。
(4)4.1Vまで0.2Cで定電流充電を行った後、4.1V定電圧充電を2時間行った(SOC100%)。その後、SOC50%まで0.2Cで定電流放電を行い、2時間休止した。
(5)2.5Vまで2Cで定電流放電を行った(この放電容量をYとした)。
Figure 2009224119
表1から明らかなように、予備充放電を行わなかった比較例1,2の場合には、評価指数Zは90%未満となり、非特許文献1で報告されているように、Xの値がYの値を大きく上回る結果となった。一方、予備充放電を行った実施例1〜実施例4の場合には、評価指数Zは90%以上となり、Xの値とYの値とが近づき充放電履歴による出力特性の差が低減されることが明らかとなった。こうした効果は、実施例1と実施例2との比較及び実施例3と実施例4との比較から明らかなように、予備充放電の温度が20℃よりも60℃の方が高かった。また、実施例1と実施例3との比較及び実施例2と実施例4との比較から明らかなように、電解液にVCを添加しなかった場合よりも添加した場合の方が高かった。更に、比較例1と比較例2との比較から明らかなように、予備充放電なしでは、電解液にVCを添加しただけでは評価指数Zは90%に達しないこともわかった。
SOC0%から充電してSOC50%に調製したときの正極活物質の模式図である。 SOC100%から放電してSOC50%に調製したときの正極活物質の模式図である。

Claims (5)

  1. 負極と、オリビン型構造のリチウム複合酸化物を正極活物質とする正極と、前記負極と前記正極との間に介在する非水系電解液とを備えたリチウムイオン二次電池の予備充放電方法であって、
    電池組立直後に、充電終止時の正極の電位がリチウム金属に対して3.5〜5.0V、放電終止時の正極の電位がリチウム金属に対して0〜3.3Vとなる充放電を2Cレート以上で繰り返し実行する、
    リチウムイオン二次電池の予備充放電方法。
  2. 前記充放電を、充電終止時の正極の電位がリチウム金属に対して3.9〜4.3V、放電終止時の正極の電位がリチウム金属に対して2.3〜2.7Vとなるように実行する、
    請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の予備充放電方法。
  3. 前記充放電を、20〜60℃で実行する、
    請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池の予備充放電方法。
  4. 前記非水系電解液は、ビニレンカーボネート(VC)が添加されたカーボネート系溶媒にリチウム支持塩を溶解させた電解液である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池の予備充放電方法。
  5. 負極と、オリビン型構造のリチウム複合酸化物を正極活物質とする正極と、前記負極と前記正極との間に介在する非水系電解液とを備えたリチウムイオン二次電池であって、
    SOC0%から充電してSOC50%に調製したあと電池を放電させたときの放電容量をX、SOC100%から放電してSOC50%に調製したあと電池を放電させたときの放電容量をYとしたときの評価指数Z=100×Y/X(%)が90%以上である、
    リチウムイオン二次電池。
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