JP2007207637A - 非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物及びその製造方法 - Google Patents

非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007207637A
JP2007207637A JP2006026540A JP2006026540A JP2007207637A JP 2007207637 A JP2007207637 A JP 2007207637A JP 2006026540 A JP2006026540 A JP 2006026540A JP 2006026540 A JP2006026540 A JP 2006026540A JP 2007207637 A JP2007207637 A JP 2007207637A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron phosphate
lithium
aqueous electrolyte
lithium iron
electrolyte battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006026540A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiro Fujii
明博 藤井
Tokuo Inamasu
徳雄 稲益
Toshiyuki Onda
敏之 温田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GS Yuasa Corp
Original Assignee
GS Yuasa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GS Yuasa Corp filed Critical GS Yuasa Corp
Priority to JP2006026540A priority Critical patent/JP2007207637A/ja
Publication of JP2007207637A publication Critical patent/JP2007207637A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】 リン酸鉄リチウムを用い、特に低温性能に優れた非水電解質電池とすることのできる非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物とその製造方法を提供することを目的とする。また、リン酸鉄リチウムを用い、特に低温性能に優れた非水電解質電池を提供することを目的とする。
【解決手段】 CuKα線を使用した粉末エックス線回折図において2θ=25.5±0.5°における回折線強度(a)に対する2θ=29.6±0.5°における回折線強度(b)の比(b/a)が1.0±0.1であり、かつ、2θ=40.3±0.3°における回折線が観察されないか又は2θ=35.5±0.5°における回折線強度(c)に対する2θ=40.3±0.3°における回折線強度(d)の比(d/c)が0.05以下であることを特徴とする非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非水電解質電池の正極活物質として用いることのできるリン酸鉄リチウム化合物及びその製造方法、並びに、これを用いた非水電解質電池に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン等の携帯機器類用、電気自動車用などの電源としてエネルギー密度が高く、かつ自己放電が少なくサイクル特性の良いリチウム二次電池に代表される非水電解質電池が注目されている。現在のリチウム二次電池の主流は、電池容量2Ah以下の携帯電話用を中心とした小型民生用である。現在、リチウム二次電池用の正極活物質として用いることのできる材料としては数多くのものが提案されているが、最も一般的に知られているのは、4V付近に作動電圧を有するリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)やリチウムニッケル酸化物(LiNiO2)、あるいはスピネル構造を持つリチウムマンガン酸化物(LiMn24)等を基本構成とするリチウム含有遷移金属酸化物群である。なかでも、リチウムコバルト酸化物は、電池容量2Ah以下の小容量リチウム二次電池においては、充放電特性とエネルギー密度に優れることから正極活物質として広く採用されている。
しかしながら、今後、リチウム二次電池技術を中型乃至大型の電池に展開すること、特に大きな需要が見込まれる産業用途に展開することを考えた場合、電池の安全設計が非常に重要視される。このとき、現在の小型電池の仕様をそのまま展開することでは、要求される安全性を満足することについては必ずしも十分であるとはいえないと考えられている。その理由の一つとして、従来の4V級正極活物質が有する熱的不安定性が挙げられ、この課題を解決するために種々の対策が検討されているが、まだ十分とはいえない現状である。
そこで最近、熱安定性が優れるオリビン構造を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO4)を正極活物質に用いることが検討されている。このオリビン構造を有するリン酸鉄リチウムは、リンと酸素が共有結合しているため、高温においても酸素を放出することがなく、リチウム二次電池の正極活物質として使用することで電池の安全性を飛躍的に向上できると期待されている。
さらに、このリン酸鉄リチウムは、理論容量が170mAh/gと大きく、リチウムの挿入脱離反応が約3.4V(vs.Li/Li+)という比較的高い電位で進行するため、エネルギー密度はLiCoO2に匹敵する程度に高く、次世代の正極活物質としての期待も大きい。
しかしながら、このリン酸鉄リチウム固有の物性として、電子電導性が低いため、電池の正極活物質に用いた場合に充分な電流を取り出すことができず、充放電特性と低温放電特性が低いという問題があった。
リン酸鉄リチウムの合成方法としては、これまでいくつかの方法が提案されている。特許文献1、2には、シュウ酸鉄二水和物とリン酸二水素アンモニウムと炭酸リチウムの混合物を原料として使用し、不活性雰囲気において焼成する固相法の技術が開示されている。しかしながら、焼成雰囲気は窒素又はアルゴンを用いている。従って、特許文献1、2には、本発明が特徴とするような、焼成時の雰囲気ガスとして水素を一定量含むガスを用いることによって、特定のエックス線回折図上の特徴を有する材料が得られ、これを用いた電池の低温性能を向上させることができる非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物が得られることについては記載がない。
特許文献3、4には、密閉容器中で焼成反応を行うと伴に、原料に塩化鉄四水和物を用いる合成方法が開示されているが、この方法では、反応中に発生する塩素ガスの影響を受けやすくなるため十分な充放電特性が得られない。
特許文献5には、焼成雰囲気中に結晶成長抑制剤として水素ガスや熱分解により水素を放出する物質を共存させて焼成する技術が開示されているが、熱分解により水素を放出する物質を共存させた場合には、その物質の分解生成物などの副生成物が混入してしまうために、さらに充放電特性が低下する虞がある。また、特許文献5には、本発明が特徴とするような、焼成時の雰囲気ガスとして水素を0.5体積%以上4.0体積%以下の範囲で含むガスを用いることにより、さらには、このときの雰囲気ガスを露点温度−30℃以上の水分を含んだものとすることにより、特定のエックス線回折図上の特徴を有する材料が得られ、これを用いた電池の低温性能を向上させることができる非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物が得られることについては記載がない。
特許文献6、7には、3価の鉄原料を用い、CO/CO2、H2/H2O、NH3/H2Oの混合還元性ガス中で焼成する技術が公開されているが、3価の鉄原料を還元するためには強い還元性雰囲気が必要となる。該公報に示される還元性雰囲気を用いることは、LiFePO4が生成するまでの温度上昇時の焼成反応段階では有効であるが、その後の結晶成長のための温度保持段階、冷却段階ではそのような強い還元性雰囲気は不必要であるばかりでなく、さらなる還元物の生成を促す結果に繋がるため、好ましくなく、得られる活物質の充放電特性が低下してしまう結果となる。
このように、特許文献1〜7の技術をもってしても、上記課題を解決するには至っていない。
特開2000−294238号公報 特開2002−015735号公報 特開2002−151082号公報 特開2003−323892号公報 特開2003−157845号公報 特表2004−509058号公報 特表2004−509447号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、特に低温性能に優れた非水電解質電池とすることのできる非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物とその製造方法を提供することを目的とする。また、特に低温性能に優れた非水電解質電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、エックス線回折図上特定の特徴を有するリン酸鉄リチウムを用いた場合に、上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。また、リン酸鉄リチウムの合成条件を特定のものとすることにより、上記エックス線回折図上特定の特徴を有するリン酸鉄リチウムを製造できることを見出し、本発明に至った。本発明の構成は次の通りである。但し、作用機構は推定を含むものであり、その正否は本発明を何ら制限するものではない。
(1)CuKα線を使用した粉末エックス線回折図において2θ=25.5±0.5°における回折線強度(a)に対する2θ=29.6±0.5°における回折線強度(b)の比(b/a)が0.9≦b/a≦1.1の関係を満たし、かつ、2θ=40.3±0.3°における回折線が観察されないか又は2θ=35.5±0.5°における回折線強度(c)に対する2θ=40.3±0.3°における回折線強度(d)の比(d/c)が0.05以下であることを特徴とする非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物。
(2)平均粒子径が5μm以下である(1)項記載の非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物。
(3)正極、負極及び非水電解質を具備した非水電解質電池であって、(1)項又は(2)項記載の非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物を正極活物質として用いて組み立てたことを特徴とする非水電解質電池。
(4)鉄又は有機酸鉄(II)塩と、リン酸アンモニウム塩と、リチウム塩と、を含む混合物を準備する工程と、該混合物を焼成する焼成工程を含むリン酸鉄リチウムの製造方法であって、前記焼成工程の雰囲気ガスとして、水素を0.5体積%以上4.0体積%以下含有するガスを用いることを特徴とする非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物の製造方法。
(5)前記雰囲気ガスは、露点温度−30℃以上の水分を含んでいることを特徴とする(4)項記載の非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物の製造方法。
本発明にいうリン酸鉄リチウムは、オリビン構造を有し、組成式LiFePO4で表される物質に代表されるものである。リン酸鉄リチウムが、CuKα線を使用した粉末エックス線回折図において2θ=25.5±0.5°における回折線強度(a)に対する2θ=29.6±0.5°における回折線強度(b)の比(b/a)が0.9≦b/a≦1.1の関係を満たし、かつ、2θ=40.3±0.3°における回折線が観察されないか又は2θ=35.5±0.5°における回折線強度(c)に対する2θ=40.3±0.3°における回折線強度(d)の比(d/c)が0.05以下であることを特徴とすることにより、これを非水電解質電池の正極活物質として用いることにより、特に低温放電特性に優れた二次電池とすることができる。
オリビン構造を有するLiFePO4において、CuKα線を使用した粉末エックス線回折図での2θ=25.5±0.5°のピークは(111)面に、2θ=29.6±0.5°は(020)面にそれぞれ対応する。(111)面と(020)面のピーク強度比(b/a)が1に近いLiFePO4においては、結晶格子内の元素分布の偏りによる歪みが比較的小さいものとなっているか、または、LiサイトのパスがLiイオンが通過しやすい状態に整列しているものと推察される。逆に、このピーク強度比(b/a)が1からずれると、一方の面に元素の偏りが生じることで、元々歪んだ形を取っているLiFePO4がさらに歪み、リチウムイオンパスが十分に確保されなくなるものと推測される。このことは、一次元リチウム伝導体であるLiFePO4にとっては大きな影響を与える因子であると推察される。よって、2θ=25.5±0.5°における回折線強度(a)に対する2θ=29.6±0.5°における回折線強度(b)の比(b/a)は0.9≦b/a≦1.1の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは0.95≦b/a≦1.05である。
また、2θ=40.3±0.3°に現れるピークは、主に焼成雰囲気中の水素濃度に比例しており、このピーク強度が増すとLiFePO4の充放電容量が小さくなる。このピークが現れることは、焼成雰囲気中に還元性を有する水素を入れることで、焼成段階において何らかの還元反応が進行し、結果としてLiFePO4のLi、Fe、P、Oの組成バランスが崩れたことを表しているものと考えられる。従って、2θ=40.3±0.3°における回折線は観察されないか又は2θ=35.5±0.5°における回折線強度(c)に対する2θ=40.3±0.3°における回折線強度(d)の比(d/c)は0.05以下であることが好ましい。
また、本発明は、前記リン酸鉄リチウムの平均粒子径が5μm以下であることを特徴としており、このように正極活物質の平均粒子径が小さいものとすることで、粒子表面と非水電解質(電解液)との接触界面を飛躍的に増加させることができ、リチウムイオンの挿入・脱離反応に伴う抵抗を充分に低減させることができる。従って、特に低温放電特性に優れる本発明電池の特徴を損なう虞を低減できる。
また、本発明の非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物の製造方法は、鉄又は有機酸鉄(II)塩と、リン酸アンモニウム塩と、リチウム塩と、を含む混合物を準備する工程と、該混合物を焼成する焼成工程を含むリン酸鉄リチウムの製造方法であって、前記焼成工程の雰囲気ガスとして、水素を0.5体積%以上4.0体積%以下含有するガスを用いることを特徴とするものであり、このような構成とすることにより、特に低温放電特性に優れた非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物を製造することができる。
即ち、有機酸鉄(II)塩が熱分解する際、主に炭酸ガスなどの酸化性ガスが発生するため、Fe(II)化合物がFe(III)化合物に酸化される反応が起こってしまう。そこで、焼成雰囲気中に還元性の水素を混合することで、発生する酸性ガスを素早く中和して、Fe(III)化合物の生成を抑制でき、LiFePO4中に存在するFe(III)化合物の割合を少なくできる。これにより、これを正極活物質に用いた非水電解質電池の充放電特性を向上させ、特に低温性能に優れたものとすることができる。
有機酸鉄(II)塩に代えて鉄粉を用いてもよく、鉄を用いる場合においても、水素を共存させることで鉄粒子表面に存在する酸化皮膜を効果的に取り除くことが出来るため、充放電特性を向上させることができる。
ただし、焼成雰囲気中の水素ガス濃度に比例して2θ=40.3±0.3°のピークが観察されることから、水素濃度を高くしすぎないように調整する必要があり、焼成雰囲気中の水素濃度は0.5〜4.0%であることが好ましく、より好ましくは1.25〜3.0%である。
また、本発明は、前記雰囲気ガスは、露点温度−30℃以上の水分を含んでいることを特徴としており、焼成雰囲気が一定以上の水分量を有していることで、雰囲気中の水素による必要以上の還元を防止し、焼成後のLiFePO4のX線回折図に2θ=40.3±0.3°のピークの出現を抑制することが可能となる。なお、水及び水蒸気は炉内で酸化性ガスとして働くために雰囲気ガス中の水分量が多すぎると、LiFePO4の粒子表面が酸化され、充放電容量が低下してしまう。また、配管内での結露を誘発するので、水分量の上限は露点温度−10℃以下が好ましい。
なお、焼成雰囲気ガスに用いる不活性ガスの種類は限定されるものではないが、コスト等の点から窒素ガスが好ましい。
焼成温度は400℃以上900℃以下が好ましい。なかでも、550℃以上800℃以下が特に好ましい。
本発明によれば、特に低温性能に優れた非水電解質電池とすることのできる非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物とその製造方法を提供することができる。また、特に低温性能に優れた非水電解質電池を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態を例示するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明に係るリチウム二次電池は、正極活物質を主要構成成分とする正極と、負極活物質を主要構成成分とする負極と、電解質塩が非水溶媒に含有された非水電解質とから構成され、一般的には、正極と負極との間に、セパレータとこれらを包装する外装体が設けられる。
非水電解質は、一般にリチウム電池等への使用が提案されているものが使用可能である。非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
電解質塩としては、例えば、LiClO4,LiBF4,LiAsF6,LiPF6,LiCF3SO3,LiN(SO2CF32,LiN(SO2252,LiN(SO2CF3)(SO249),LiSCN,LiBr,LiI,Li2SO4,Li210Cl10,NaClO4,NaI,NaSCN,NaBr,KClO4,KSCN等のイオン性化合物が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。これらイオン性化合物の中でも、LiN(SO2252は、高温安定性に優れ、充電時におけるアルミニウム集電体、及び端子の腐食を抑制できることから、望ましい。非水電解質における電解質塩の濃度としては、高い電池特性を有する非水電解質電池を確実に得るために、0.5mol/l〜5mol/lが好ましく、さらに好ましくは、1mol/l〜2.5mol/lである。
本発明に用いるLiFePO4を合成するにあたっては、原料粉砕混合過程とその混合物を焼成する焼成工程からなる固相法が好適である。また、原料については、鉄源として鉄又は有機酸鉄(II)塩、リン酸源としてリン酸アンモニウム塩、リチウム源としてリチウム塩の三種から構成されることが好ましく、好ましい組み合わせとしては、シュウ酸鉄(II)二水和物とリン酸二水素アンモニウムと炭酸リチウムである。
焼成工程においては焼成雰囲気として水素/窒素混合ガスを用いることが好ましく、雰囲気中の水素濃度は体積比で0.5〜4.0体積%であることが好ましい。なかでも1.25〜3.0%がより好ましい。
焼成炉に流通する雰囲気ガス中の水分量は、露点温度が−30〜−10℃となるように調節することが好ましい。ガスの露点温度を調節調整する方法については限定されるものではないが、後述する実施例においては、ボンベから流量調整器を経由して直接放出するガスと、ボンベから流量調整器を経由して水中にバブリングさせた後のガスをそれぞれ同一配管に導くことによって混合し、混合後のガスの水分量を露点計によって確認しながらそれぞれのガスの流量比を調整することによって、所望の水分量のガスを得る方法を用いた。
負極材料としては、リチウム金属、リチウム合金(リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−錫、リチウム−アルミニウム−錫、リチウム−ガリウム、およびウッド合金等のリチウム金属含有合金)の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えばグラファイト、ハードカーボン、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)、金属酸化物、リチウム金属酸化物(Li4Ti512等)、ポリリン酸化合物等が挙げられる。これらの中でもグラファイトは、金属リチウムに極めて近い作動電位を有し、高い作動電圧での充放電を実現できるため負極材料として好ましい。例えば、人造黒鉛、天然黒鉛が好ましい。特に,負極活物質粒子表面を不定形炭素等で修飾してあるグラファイトは、充電中のガス発生が少ないことから望ましい。また、Li4Ti512は電解質塩としてリチウム塩を採用した場合に自己放電を少なくでき、かつ高温での保存特性が優れた電池系となるので負極材料として好ましい。
正極活物質の粉体は、平均粒子径5μm以下であることが望ましい。特に、電子伝導性の観点から2μm以下であることが望ましい。粉体を所定の形状で得るためには粉砕機や分級機が用いられる。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用いられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、特に限定はなく、篩や風力分級機などが、乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
前記正極及び負極には、活物質の他に、導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等が含有されたものとすることができる。
以下に、実施例並びに比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の記載により限定されるものではない。
(実施例1)
(LiFePO4の作製)
有機酸鉄(II)塩であるシュウ酸鉄二水和物(FeC24・2H2O)と、リン酸アンモニウム塩であるリン酸二水素アンモニウム(NH42PO4)と、リチウム塩である炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が2:2:1になるように計り取り、乾式混合した。さらに、エタノールを加えてペースト状とし、窒素雰囲気下にて、ボールミル(FRITSCH社製プラネタリーミル、ボール径1cm)を用いて2時間湿式粉砕混合を行った。このようにして、鉄源、リン源及びリチウム源を含む混合物を準備した。
前記混合物をアルミナ製の匣鉢(外形寸法90×90×50mm)に入れ、雰囲気置換式焼成炉(デンケン社製卓上真空ガス置換炉KDF−75)を用いて、露点温度−20℃の水分量に調節した水素0.5体積%を含む水素/窒素混合ガスの流通下(流速2.0リットル/分)で焼成した。焼成温度は750℃とし、焼成時間(前記焼成温度を維持する時間)は5時間とした。なお、昇温速度は5℃/分、降温は自然放冷とした。このようにしてリン酸鉄リチウム化合物を作製した。
得られたリン酸鉄リチウム化合物粉末の凝集を解砕し、粒径を揃えるため、原料粉砕混合工程と同様に、エタノールを加え、窒素雰囲気下にて、ボールミルを用いて湿式粉砕を行った。40℃減圧乾燥により溶媒であるエタノールを除去し、正極の作製に供した。粉砕後のリン酸鉄リチウム化合物の粉末の平均粒子径は2μmであった。なお、粒径測定には、HORIBA社製レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いた。
(実施例2)
焼成工程に用いる流通ガスの水素分率を変更し、水素1.25体積%を含む水素/窒素混合ガスを用いたことを除いては、実施例1と同様にして平均粒子径2μmのリン酸鉄リチウム化合物を作製した。
(実施例3)
焼成工程に用いる流通ガスの水素分率を変更し、水素2.5体積%を含む水素/窒素混合ガスを用いたことを除いては、実施例1と同様にして平均粒子径2μmのリン酸鉄リチウム化合物を作製した。
(実施例4)
焼成工程に用いる流通ガスの水素分率を変更し、水素3.0体積%を含む水素/窒素混合ガスを用いたことを除いては、実施例1と同様にして平均粒子径2μmのリン酸鉄リチウム化合物を作製した。
(実施例5)
焼成工程に用いる流通ガスの水素分率を変更し、水素4.0体積%を含む水素/窒素混合ガスを用いたことを除いては、実施例1と同様にして平均粒子径2μmのリン酸鉄リチウム化合物を作製した。
(比較例1)
焼成工程に用いる流通ガスの水素分率を変更し、水素5.0体積%を含む水素/窒素混合ガスを用いたことを除いては、実施例1と同様にして平均粒子径2μmのリン酸鉄リチウム化合物を作製した。
(比較例2)
焼成工程に用いる流通ガスとして水素/窒素混合ガスに代えて水素を含まない純窒素ガス(露点−50℃)を用いたことを除いては、実施例1と同様にして平均粒子径2μmのリン酸鉄リチウム化合物を作製した。
(実施例6)
焼成工程に用いる流通ガスの水分含有量を変更し、露点温度−30℃の水分量に調節したことを除いては、実施例2と同様にして平均粒子径2μmのリン酸鉄リチウム化合物を作製した。
(比較例3)
焼成工程に用いる流通ガスの水分含有量を変更し、露点温度−50℃の水分量に調節したことを除いては、実施例2と同様にして平均粒子径2μmのリン酸鉄リチウム化合物を作製した。
(比較例4)
焼成温度を1000℃としたことを除いては、実施例2と同様にして平均粒子径2μmのリン酸鉄リチウム化合物を作製した。
(比較例5)
焼成温度を300℃としたことを除いては、実施例2と同様にして平均粒子径2μmのリン酸鉄リチウム化合物を作製した。
(実施例7)
焼成後のボールミルによる湿式粉砕時間を調整し、平均粒子径を5μmとしたことを除いては、実施例2と同様にして粉末状のリン酸鉄リチウム化合物を作製した。
(比較例6)
焼成後のボールミルによる湿式粉砕に代えて乳鉢による乾式粉砕としたことを除いては、実施例2と同様にして粉末状のリン酸鉄リチウム化合物を作製した。この結果、平均粒子径は7μmであった。
(実施例8)
鉄粉(高純度化学研究所社製、試薬、平均粒子径2〜3μm)と、リン酸アンモニウム塩であるリン酸二水素アンモニウム(NH42PO4)と、リチウム塩である炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が2:2:1になるように計り取り、乾式混合した。さらに、エタノールを加えてペースト状とし、窒素雰囲気下にて、ボールミル(FRITSCH社製プラネタリーミル、ボール径1cm)で2時間湿式粉砕混合を行った。このようにして、鉄源、リン源及びリチウム源を含む混合物を準備したことを除いては実施例2と同様にして平均粒子径2μmのリン酸鉄リチウム化合物を作製した。
(比較例7)
焼成工程に用いる流通ガスとして水素/窒素混合ガスに代えて水素を含まない純窒素ガス(露点−50℃)を用いたことを除いては、実施例8と同様にして平均粒子径2μmのリン酸鉄リチウム化合物を作製した。
以上述べた実施例及び比較例におけるリン酸鉄リチウムの製造条件と平均粒子径を表1に整理して示す。得られたリン酸鉄リチウムについて、CuKα線を使用した粉末エックス線回折測定(XRD)を行ったところ、全ての実施例においてLiFePO4の存在が確認された。得られたエックス線回折図から、2θ=25.5±0.5°における回折線強度(a)に対する2θ=29.6±0.5°における回折線強度(b)の比(b/a)と、2θ=35.5±0.5°における回折線強度(c)に対する2θ=40.3±0.3°における回折線強度(d)の比(d/c)を求めたので、この結果を表1に併せて示す。ここで、2θ=40.3±0.3°における回折線が観察されなかったものについては表1の「回折線強度比(d/c)」欄に横棒で示した。なお、「回折線強度比(b/a)」欄が空欄のものについてはエックス線回折測定を行っていない。エックス線回折図のいくつかを代表して図1〜7に示す。
(正極の作製)
上記実施例及び比較例で得られたリン酸鉄リチウム化合物の粉末をそれぞれ正極活物質として用い、次の手順で正極を作製した。上記正極活物質、導電剤であるアセチレンブラック及び結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)が質量比80:8:12の割合で混合されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒とする正極ペーストを準備した。該正極ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔集電体上の両面に塗布、乾燥した後、プレス加工を行い、正極とした。該正極にはアルミニウム製の正極端子を超音波溶接により接続した。
(負極の作製)
負極活物質としてリチウム金属を使用した。厚さ100μmのリチウム金属箔を厚さ10μmのニッケル箔集電体上に貼り付けたものを負極とした。負極にはニッケル製の負極端子を抵抗溶接により接続した。
(電解液の調製)
エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びメチルエチルカーボネートを体積比1:1:1の割合で混合した混合溶媒に、含フッ素系電解質塩であるLiPF6を1mol/lの濃度で溶解させ、非水電解質を作製した。該非水電解質中の水分量は30ppm未満とした。
(電池の作製)
露点温度が−40℃以下の乾燥雰囲気下において非水電解質電池を作製した。正極と負極とを厚さ20μmのポリプロピレン製セパレータを介して1枚ずつ対向させた。外装体として、ポリエチレンテレフタレート(15μm)/アルミニウム箔(50μm)/金属接着性ポリプロピレンフィルム(50μm)からなる金属樹脂複合フィルムを用い、この極群を前記正極端子及び負極端子の開放端部が外部露出するように注液孔となる部分を除いて気密封止した。
前記注液孔から一定量の非水電解質を注液後、減圧状態で前記注液孔部分を熱封口し、非水電解質電池を組み立てた。
(電池初期活性化)
次に、温度25℃において、3サイクルの充放電を行うことで初期活性化を行った。このときの充電条件は、電流0.05ItmA(20時間率)、電圧3.8V、30時間の定電流定電圧充電とし、放電条件は、電流0.05ItmA(20時間率)、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。
(低温放電試験)
続いて、温度25℃において、電流0.005ItmA(200時間率)、電圧3.8V、300時間の定電流定電圧充電、電流0.005ItmA、終止電圧2.0Vの定電流放電を1サイクル行った。このときの正極活物質質量換算した放電容量を「25℃放電容量(mAh/g)」とした。次に、電流0.005ItmA、電圧3.8V、300時間の定電流定電圧充電行った後、温度−20℃にて放電電流0.1ItmA(10時間率)、終止電圧2.0Vの定電流放電を行った。このときの温度−20℃における0.1ItmA放電容量を、上記温度25℃における0.005ItmA放電容量に対する百分率として表し、これを「低温放電率(%)」とした。これらの結果を表1に併せて示す。
Figure 2007207637
(焼成工程に用いる雰囲気ガス中の水素濃度の影響)
表1の「回折線強度比(d/c)」欄に示されるように、2θ=40.3±0.3°における回折線は、焼成工程に用いる雰囲気ガス中の水素濃度を3体積%以下とした比較例2及び実施例1〜4では観察されなかったが、水素濃度を4体積%以上とした実施例5及び比較例1では観察された。また、「回折線強度比(b/a)」欄に示されるように、2θ=25.5±0.5°における回折線強度(a)に対する2θ=29.6±0.5°における回折線強度(b)の比(b/a)については、水素濃度を0.5〜4.0体積%の範囲とした実施例1〜5においては1.0±0.1の範囲内であるが、水素を含まないガスを用いた比較例2や、水素濃度を5体積%とした比較例1では、(b/a)の値が1.0±0.1の範囲から外れていることがわかる。
これを電池性能と併せ見ると、2θ=25.5±0.5°における回折線強度(a)に対する2θ=29.6±0.5°における回折線強度(b)の比(b/a)が1.0±0.1であり、かつ、2θ=40.3±0.3°における回折線が観察されないか又は2θ=35.5±0.5°における回折線強度(c)に対する2θ=40.3±0.3°における回折線強度(d)の比(d/c)が0.05以下である実施例1〜5では25℃放電容量も低温放電率も良好な非水電解質電池が得られている。
ところが、焼成工程に用いる雰囲気ガス中の水素濃度を0%とし、(b/a)の値が1.0±0.1の範囲から外れたものとなった比較例2の電池は、25℃放電容量は実施例1〜5に近い値を示しているものの、低温放電率は劣る結果となっている。これは、2θ=29.6±0.5°の回折線に相当する(020)面の結晶成長が十分でないために、LiFePO4の結晶が構造的に歪みの大きいものとなり、リチウムイオンの伝導径路が狭められているためであろうと本発明者らは推察している。
一方、焼成工程に用いる雰囲気ガス中の水素濃度を5%とした比較例1の電池は、25℃放電容量も低温放電率も劣っている。比較例1に係るリン酸鉄リチウムは、図3に示した回折図からもわかるように、2θ=40.3±0.3°の回折線が明確に観察されている。これは、焼成雰囲気の水素濃度が高すぎるために、余分な還元反応が生じ、LiFePO4の組成バランスの崩れが生じたためであろうと本発明者らは推察している。
(焼成雰囲気中の露点温度の影響)
上記からもわかるように、2θ=40.3±0.3°の回折線が発達しているリン酸鉄リチウムは、電池性能の点で劣るものとなるが、この回折線は、焼成雰囲気の水分が不足した場合にも現れることが表1からわかる。即ち、焼成工程に用いる雰囲気ガス中の水分量を露点温度−20℃(水分量約0.1体積%に相当)と高く設定した実施例では、例えば実施例2の回折図を示した図1や実施例3の回折図を示した図2からもわかるように、2θ=40.3±0.3°の位置に回折線は観察されていないが、水分量を減ずるにつれて2θ=40.3±0.3°の回折線が成長し、水素を含有した雰囲気ガスを用いながらも露点温度−50℃の水分量とした比較例3では、この回折線が明確に観察されている(図5参照)。
これは、焼成工程に用いる水素を含んだ雰囲気ガス中に露点温度−30℃以上の量の水分を含ませることにより、還元性を有する水素ガスにより原料混合物や生成したLiFePO4が必要以上に還元されることによる悪影響が防止できるためであろうと本発明者らは推察している。
(焼成温度の影響)
焼成温度を1000℃とした比較電池4や、焼成温度を300℃とした比較例5では、25℃放電容量が極めて低く、−20℃の低温に至ってははほとんど電池が作動していない。これは、焼成温度が高すぎる場合には、LiFePO4の物質としての安定性が低下すると共に、水による水素の中和のバランスも崩れた結果であると本発明者らは推察している。また、焼成温度が低すぎる場合には、LiFePO4が生成する反応自体が十分に進行しておらず、図6に示した回折図からもわかるように、LiFePO4が生成し始めている状態であるため、これを正極活物質として用いてもほとんど充放電ができなかったものと本発明者らは推察している。なお、焼成温度については、400℃以上900℃以下が好ましい。なかでも、550℃以上800℃以下が特に好ましいことを本発明者らは実験により確認済みである。
(平均粒子径の影響)
平均粒子径を変化させた実施例7、比較例6の結果からもわかるように、平均粒子径が5μm以下であれば電池性能に問題はないが、平均粒子径が7μmと大きい場合には低温性能が優れない結果となった。これは、平均粒子径を5μm以下とすることにより比表面積が増加したこと及び粒子内のイオンパスの長さが短縮されたことの効果によるものと本発明者らは推察している。
(鉄粉原料における焼成雰囲気の影響)
実施例8より、鉄源の原料として鉄粉を用いても、本発明の特徴を有する非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物が得られることがわかる(表1、図7参照)。鉄粉を原料に用いる場合は、有機酸鉄塩とは異なり、それ自身の熱分解による酸性ガスの放出が起こらないことから、焼成時のキャリアガス中の水素の量が与える影響は小さいものの、水素の体積分率を1.25体積%とした実施例8の方が、水素を含まないガスを用いた比較例7よりも、充放電容量、低温放電特性とも良い結果となっている。これは、焼成雰囲気中に水素を共存させることで、鉄粒子表面に存在する酸化皮膜を効果的に取り除くことができたためであると本発明者らは推察している。
なお、本発明品において本明細書に記載したエックス線回折図上の回折線の特徴、即ち、CuKα線を使用した粉末エックス線回折図において2θ=25.5±0.5°における回折線強度(a)に対する2θ=29.6±0.5°における回折線強度(b)の比(b/a)が1.0±0.1であり、かつ、2θ=40.3±0.3°における回折線が観察されないか又は2θ=35.5±0.5°における回折線強度(c)に対する2θ=40.3±0.3°における回折線強度(d)の比(d/c)が0.05以下である特徴は、電池組み立て前の活物質材料自体の物性として確認することができるが、少なくとも電池において最初の充電を行った以降は、電池を解体して正極を取り出し、正極活物質のエックス線回折図を得たとしても、上記特徴を満たさないことが多い。これは、リン酸鉄リチウムをLixFePO4で表したときのxの値が充放電に伴って変化すると共に回折線強度比(b/a)が変化するところ、初充電以降は完全に最初のxの値にまで戻ることがないためである。但し、最初の充電を行った以降であっても、xの値の変化と回折線強度比(b/a)の値をプロットし外挿することによって最初の充電を行う前の回折線強度比(b/a)の値を求め得る可能性が考えられるが、現時点では未確認である。
実施例2に係るリン酸鉄リチウムの粉末エックス線回折図である。 実施例3に係るリン酸鉄リチウムの粉末エックス線回折図である。 比較例1に係るリン酸鉄リチウムの粉末エックス線回折図である。 比較例2に係るリン酸鉄リチウムの粉末エックス線回折図である。 比較例3に係るリン酸鉄リチウムの粉末エックス線回折図である。 比較例5に係るリン酸鉄リチウムの粉末エックス線回折図である。 比較例8に係るリン酸鉄リチウムの粉末エックス線回折図である。

Claims (5)

  1. CuKα線を使用した粉末エックス線回折図において2θ=25.5±0.5°における回折線強度(a)に対する2θ=29.6±0.5°における回折線強度(b)の比(b/a)が1.0±0.1であり、かつ、2θ=40.3±0.3°における回折線が観察されないか又は2θ=35.5±0.5°における回折線強度(c)に対する2θ=40.3±0.3°における回折線強度(d)の比(d/c)が0.05以下であることを特徴とする非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物。
  2. 平均粒子径が5μm以下である請求項1記載の非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物。
  3. 正極、負極及び非水電解質を具備した非水電解質電池であって、請求項1又は2記載の非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物を正極活物質として用いて組み立てたことを特徴とする非水電解質電池。
  4. 鉄又は有機酸鉄(II)塩と、リン酸アンモニウム塩と、リチウム塩と、を含む混合物を準備する工程と、該混合物を焼成する焼成工程を含むリン酸鉄リチウムの製造方法であって、前記焼成工程の雰囲気ガスとして、水素を0.5体積%以上4.0体積%以下含有するガスを用いることを特徴とする非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物の製造方法。
  5. 前記雰囲気ガスは、露点温度−30℃以上の水分を含んでいることを特徴とする請求項4記載の非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物の製造方法。
JP2006026540A 2006-02-03 2006-02-03 非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物及びその製造方法 Pending JP2007207637A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006026540A JP2007207637A (ja) 2006-02-03 2006-02-03 非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006026540A JP2007207637A (ja) 2006-02-03 2006-02-03 非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007207637A true JP2007207637A (ja) 2007-08-16

Family

ID=38486898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006026540A Pending JP2007207637A (ja) 2006-02-03 2006-02-03 非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007207637A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008105490A1 (ja) * 2007-02-28 2008-09-04 Santoku Corporation オリビン型構造を有する化合物、非水電解質二次電池用正極、非水電解質二次電池
JP2009218104A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Toyota Central R&D Labs Inc リチウムイオン二次電池
JP2011077036A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Qinghua Univ リチウムイオン二次電池正極活物質の製造方法
WO2012128144A1 (ja) * 2011-03-23 2012-09-27 住友大阪セメント株式会社 リチウムイオン電池用正極活物質とその製造方法及びリチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池
WO2014069207A1 (ja) * 2012-10-31 2014-05-08 シャープ株式会社 正極活物質および正極並びに非水電解質二次電池
CN114068918A (zh) * 2020-08-06 2022-02-18 比亚迪股份有限公司 磷酸铁锂正极活性材料及其制备方法及电池

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09213330A (ja) * 1996-01-30 1997-08-15 Mitsui Toatsu Chem Inc 非水電解液電池の電極活物質の製造方法
JP2000012019A (ja) * 1998-06-19 2000-01-14 Kawatetsu Mining Co Ltd リチウム二次電池用正極材料の製造方法
WO2000060679A1 (en) * 1999-04-06 2000-10-12 Sony Corporation Method for manufacturing active material of positive plate and method for manufacturing nonaqueous electrolyte secondary cell
WO2000060680A1 (fr) * 1999-04-06 2000-10-12 Sony Corporation Materiau actif pour plaque positive, cellule secondaire a electrolyte non aqueuse, et leurs procedes de fabrication respectifs
JP2000294238A (ja) * 1999-04-06 2000-10-20 Sony Corp LiFePO4の合成方法及び非水電解質電池の製造方法
JP2002015735A (ja) * 2000-06-29 2002-01-18 Toyota Central Res & Dev Lab Inc リチウム二次電池正極活物質用リチウム鉄複合酸化物、その製造方法およびそれを用いたリチウム二次電池
JP2003520182A (ja) * 2000-01-18 2003-07-02 ヴァレンス テクノロジー インコーポレーテッド 電気化学的電極活物質及びそれを使用した電極並びにリチウムイオンバッテリー
JP2004095386A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd リチウムイオン電池用正極材料の製造方法およびリチウムイオン電池
JP2004303496A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Kyushu Univ 2次電池用正極材料の製造方法、および2次電池
JP2005116393A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 電極材料粉体の製造方法と電極材料粉体及び電極並びにリチウム電池

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09213330A (ja) * 1996-01-30 1997-08-15 Mitsui Toatsu Chem Inc 非水電解液電池の電極活物質の製造方法
JP2000012019A (ja) * 1998-06-19 2000-01-14 Kawatetsu Mining Co Ltd リチウム二次電池用正極材料の製造方法
WO2000060679A1 (en) * 1999-04-06 2000-10-12 Sony Corporation Method for manufacturing active material of positive plate and method for manufacturing nonaqueous electrolyte secondary cell
WO2000060680A1 (fr) * 1999-04-06 2000-10-12 Sony Corporation Materiau actif pour plaque positive, cellule secondaire a electrolyte non aqueuse, et leurs procedes de fabrication respectifs
JP2000294238A (ja) * 1999-04-06 2000-10-20 Sony Corp LiFePO4の合成方法及び非水電解質電池の製造方法
JP2003520182A (ja) * 2000-01-18 2003-07-02 ヴァレンス テクノロジー インコーポレーテッド 電気化学的電極活物質及びそれを使用した電極並びにリチウムイオンバッテリー
JP2002015735A (ja) * 2000-06-29 2002-01-18 Toyota Central Res & Dev Lab Inc リチウム二次電池正極活物質用リチウム鉄複合酸化物、その製造方法およびそれを用いたリチウム二次電池
JP2004095386A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd リチウムイオン電池用正極材料の製造方法およびリチウムイオン電池
JP2004303496A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Kyushu Univ 2次電池用正極材料の製造方法、および2次電池
JP2005116393A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 電極材料粉体の製造方法と電極材料粉体及び電極並びにリチウム電池

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008105490A1 (ja) * 2007-02-28 2008-09-04 Santoku Corporation オリビン型構造を有する化合物、非水電解質二次電池用正極、非水電解質二次電池
JPWO2008105490A1 (ja) * 2007-02-28 2010-06-03 株式会社三徳 オリビン型構造を有する化合物を含む粒子、その製造方法、非水電解質二次電池用正極、非水電解質二次電池
JP2009218104A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Toyota Central R&D Labs Inc リチウムイオン二次電池
JP2011077036A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Qinghua Univ リチウムイオン二次電池正極活物質の製造方法
WO2012128144A1 (ja) * 2011-03-23 2012-09-27 住友大阪セメント株式会社 リチウムイオン電池用正極活物質とその製造方法及びリチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池
JP2012204014A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd リチウムイオン電池用正極活物質とその製造方法及びリチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池
US9496554B2 (en) 2011-03-23 2016-11-15 Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. Positive electrode active material for lithium ion battery, method of producing the same, electrode for lithium ion battery, and lithium ion battery
WO2014069207A1 (ja) * 2012-10-31 2014-05-08 シャープ株式会社 正極活物質および正極並びに非水電解質二次電池
JP5957536B2 (ja) * 2012-10-31 2016-07-27 シャープ株式会社 正極活物質および正極並びに非水電解質二次電池
CN114068918A (zh) * 2020-08-06 2022-02-18 比亚迪股份有限公司 磷酸铁锂正极活性材料及其制备方法及电池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5381024B2 (ja) リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池
JP5479096B2 (ja) リチウム金属リン酸化物の製造方法
JP5272756B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池、並びに、その製造方法
JP5268042B2 (ja) 正極活物質の製造方法およびそれを用いた非水電解質電池
JP5489063B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池
KR101457974B1 (ko) 리튬 2차 전지용 양극 활물질 및 리튬 2차 전지
JP5434720B2 (ja) 非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池
JP5017778B2 (ja) 非水電解質電池用正極及び非水電解質電池
JP5298659B2 (ja) リチウム二次電池用活物質及びリチウム二次電池
WO2018083937A1 (ja) リチウムイオン二次電池用黒鉛系材料及びその製造方法、並びに負極及びリチウムイオン二次電池
JP5262318B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質およびリチウム二次電池。
JP2008115075A (ja) リチウム含有複合酸化物およびそれを用いた非水二次電池
JP2008115075A5 (ja)
JP5145745B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質及びそれを用いた非水電解質二次電池
JP5385616B2 (ja) オリビン構造を有する化合物及びその製造方法、並びにオリビン構造を有する化合物を使用する正極活物質及び非水電解質電池
JP2007207637A (ja) 非水電解質電池用リン酸鉄リチウム化合物及びその製造方法
JP2008053220A (ja) 非水電解質電池及びその製造方法
JP5055780B2 (ja) 正極活物質の製造方法およびそれを用いた電池
WO2019235469A1 (ja) 還元型グラフェン系材料
JP5277707B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質及びリチウム二次電池
JP2014075254A (ja) 蓄電デバイス材料の前駆体、蓄電デバイス材料、蓄電デバイス材料の前駆体の製造方法、蓄電デバイス用電極、及び蓄電デバイス
JP5445912B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質及びリチウム二次電池
JP2004284845A (ja) リチウムニッケル銅酸化物及びその製造方法並びに非水電解質二次電池
JP5446036B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質およびリチウム二次電池
JP5277929B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質及びリチウム二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081117

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100507

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110920

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120919

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130402