JP5385616B2 - オリビン構造を有する化合物及びその製造方法、並びにオリビン構造を有する化合物を使用する正極活物質及び非水電解質電池 - Google Patents

オリビン構造を有する化合物及びその製造方法、並びにオリビン構造を有する化合物を使用する正極活物質及び非水電解質電池

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Description

本発明は、低コストで安全性が高く、さらにエネルギー密度にも優れた電池特性を有する正極活物質となるオリビン型の正極活物質およびその製造方法と、これを含む正極を有する非水電解質電池に関する。
現在、リチウム二次電池は携帯電話、ビデオカメラやノートパソコン等の電子機器の電源として、広く普及している。また、環境保全問題やエネルギー問題から、電気自動車や夜間電力用の安価で安全性の高い大型リチウム二次電池の開発も進められている。
従来、リチウム二次電池の正極活物質には層状岩塩型のLiCoOが主に用いられてきた。LiCoOは充放電サイクル特性において優れているが、原料であるコバルトの資源量は少なく、コストも高価である。そのため、代替の正極活物質として、層状岩塩型のLiNiOやスピネル型LiMnが研究されてきたが、LiNiOは充電状態の安全性に問題があり、LiMnは高温域における化学的安定性に問題がある。小型電池用としては、これらの元素を組み合わせた新規正極材が提案されてきているが、コスト、安全性の面でさらに要求レベルの高くなる大型電池用正極活物質として、新たな代替材料が望まれてきた。
オリビン型の正極活物質であるLiFePOは、コスト、安全性、信頼性に優れた材料として近年開発が活発になってきている。このオリビン型LiFePOは、極めて高い安全性と安定性を有し、かつ、低コストであるため、注目されているが、実用化への問題点として電子伝導性の低さがある。これを改善するため方法として、主には反応表面積を増やすための微粒子化、導電性を付与するためのカーボンコートなどは周知である(例えば、非特許文献1)。微粒子化では特にナノサイズの均一な粒子によって、電池特性の改善が図られることが報告されている(非特許文献2,3)。また、カーボンの添加に関しては、各種カーボン材料について非常に多くの報告がある(例えば、特許文献3や非特許文献4)。
オリビン型リン酸鉄リチウムの製造方法としては、従来、シュウ酸鉄や酢酸鉄を出発原料とした固相法(特許文献1、非特許文献5)が一般的であった。近年では、りん酸鉄を原料とした固相法(特許文献2)や、より微細な粒子を得るためのゾルゲル法や、水熱法(非特許文献6、7)などが報告されている。しかしながら、いずれの方法も、原料が高価であったり、二価の鉄の酸化を防ぐ設備が必要であったり、均一で結晶性の良い目的物を得ることが困難であった。そのため、いずれの方法によっても、均一な微細粒子を安価な原料と単純な製造設備で、工業的に製造することは難しく、実用的な電池特性を有するオリビン型リン酸鉄リチウムを低コストで実現できる製造方法が必要とされている。
特許第3484003号公報 特許第3319258号公報 特開2001−15111号公報 A.Yamada;Electrochemistry 71,No.3,717−722(2003) A.Singhal,G.Skandan,G.Amatucci,F.Badway,N.Ye,A.Manthiram,H.Ye,J.J.Xu,Journal of Power Sources 129,38−44(2004) K.Striebel,J.Shim,V.Srinivasan,and J.Newman J.Electrochem.Soc.,152,No.4,A554−A670(2005) N.Ravet,Y.Chouinard,J.F.Magnan,S.Besner,M.Gauthier,M.Armand Journal of Power Sources 97−98,503−507(2001) A.K.Padhi,K.S.Nanjundaswamy,and J.B.Goodenough,J.Electrochem.Soc.,144,No.4,1188−1194(1997) S.Yang,P.Y.Zavalji,M.S.Whittingham Electrochemistry Communication 3,505−508(2001) J.Yang and J.J.Xu Electrochemical and Solid−State Letters,7(12)A515−A518(2004)
本発明は、コスト、安全性、信頼性に優れ、高容量の非電解質電池の安価な工業的製造を可能にする正極活物質及びその製造方法、並びにこれを用いた非水電解質電池を提供することを目的とする。
上記のような優れた特性を有する正極活物質を製造するために、本発明者らは鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のものを提供する。
[1] 平均粒子径が500nm以下の酸化鉄粒子を含む鉄源、リチウム源及びリン源を混合し、焼成することを特徴とするオリビン構造を有する化合物の製造方法。
[2] 酸化鉄粒子が、鉄塩とアルカリとを反応させ、その反応物を酸化して得られたものである、[1]の方法。
[3] 酸化鉄粒子がマグネタイトである、[1]の方法。
[4] 酸化鉄粒子が、平均粒子径が500nm以下であり、かつ、粒子径の変動係数が0.5以下を有するマグネタイトである、[3]の方法。
[5] アルカリが水酸化アルカリ及び/又は炭酸アルカリである、[2]の方法。
[6] 酸化が30〜90℃の温度で行われる、[2]又は[5]の方法。
[7] 平均粒子径が500nm以下の酸化鉄粒子を含む鉄源、リチウム源及びリン源と炭素または/および炭素前駆体を混合し、焼成することを特徴とするオリビン構造を有する化合物の製造方法。
[8] 焼成を不活性ガス雰囲気または還元雰囲気で行う、[1]〜[7]の何れかの方法。
[9] 焼成をN雰囲気で行う、[8]の方法。
[10] [1]〜[9]の何れかの方法により得られた平均粒子径が1000nm以下であるオリビン構造を有する化合物。
[11] [1]〜[9]の何れかの方法により得られた平均粒子径が1000nm以下であり、かつ、粒子径の変動係数が0.6以下を有するオリビン構造を有する化合物。
[12] [1]〜[9]の何れかの方法により得られたオリビン構造を有する化合物又は[10]又は[11]のオリビン構造を有する化合物を含む正極活物質。
[13] [12]の正極活物質を含む正極を有する非水電解質電池。
図1は、実施例1で製造された酸化鉄粒子のTEM写真である。
図2は、実施例1で製造された酸化鉄粒子のX線回折図である。
図3は、実施例1で製造されたリン酸鉄リチウムのSEM写真である。
図4は、実施例1で製造されたリン酸鉄リチウムのX線回折図である。
図5は、実施例で使用したリチウム二次電池(コインセル)の概略図である。
図6は、実施例1で作製したコインセルについて充放電試験の結果を示すグラフである。
図7は、実施例2で製造されたリン酸鉄リチウムのSEM写真である。
図8は、実施例2で製造されたリン酸鉄リチウムのX線回折図である。
図9は、実施例3で製造された酸化鉄粒子のTEM写真である。
図10は、実施例3で製造されたリン酸鉄リチウムのSEM写真である。
図11は、実施例4で製造されたリン酸鉄リチウムのSEM写真である。
図12は、比較例1で使用されたヘマタイト粒子のTEM写真である。
図13は、比較例1で製造されたリン酸鉄リチウムのSEM写真である。
図14は、比較例1で製造されたリン酸鉄リチウムのTEM写真である。
図15は、比較例2で製造されたリン酸鉄リチウムのSEM写真である。
図16は、コインセルの概略図である。
図17は、実施例5で製造された酸化鉄粒子のTEM写真である。
図18は、実施例5で製造されたリン酸鉄リチウムのSEM写真である。
図19は、実施例5で製造されたリン酸鉄リチウムのX線回折図である。
[オリビン構造を有する化合物の製造方法]
本発明によれば、鉄源、リチウム源及びリン源を混合し、焼成することを特徴とするオリビン構造を有する化合物、特にオリビン型リン酸鉄リチウム、の製造方法が提供される。この方法において、鉄源が、酸化鉄粒子を含むことが重要である。
酸化鉄粒子は微細で、粒度分布を正確に制御して調製することができる。本発明者らはこの点に着目し、鉄源として酸化鉄粒子を含ませることにより、極めて微細な粒子で、かつ、粒度分布が制御されたオリビン構造を有する化合物、特にオリビン型リン酸鉄リチウムを得、この微細でかつ粒度分布の良好なオリビン構造を有する化合物を含む正極活物質を用いることにより、優れた性能の非水電解質電池を製造することに成功した。
(鉄源)
本発明で使用する鉄源は、酸化鉄粒子を含む。酸化鉄粒子は、好ましくは500nm以下の平均粒子径を有し、より好ましくは300nm以下、特に5〜300nmの平均粒子径を有する。5nm程度の平均粒子径の酸化鉄粒子からは、5〜50nm程度のオリビン構造を有する化合物が、300nm程度の平均粒子径の酸化鉄粒子からは、100〜500nm程度のオリビン構造を有する化合物が、得られる。酸化鉄粒子はまた、標準偏差σが50以下、特に30以下の粒度分布を有することが好ましく、0.50以下の粒子径の変動係数[=(標準偏差/平均粒子径)]を有することが好ましく、10〜150m/gのBET比表面積値を有することが好ましい。
酸化鉄としては、一酸化鉄(FeO)、マグネタイトなどの四酸化三鉄(Fe)、ヘマタイトなどの三酸化二鉄(Fe)などが挙げられる。これらの中でも、特に、四酸化三鉄(Fe)が好ましい。四酸化三鉄(Fe)は、湿式法によって、比較的安価な材料と設備により、微細な粒子として且つ粒度分布を正確に制御して調製することができるので、本発明のオリビン型リン酸鉄リチウムを製造するために有用である。また、三酸化二鉄(Fe)等と比較して、酸素含有率が低いため、還元しやすく、焼成時の焼結を防いだ粒子を得ることができる。この他に、微細なFeなどからも、微細な粒子が得られるので、本発明のオリビン型リン酸鉄リチウムを製造するために使用できる。
例えば、酸化鉄は、鉄塩とアルカリとを反応させて、例えば、鉄塩とアルカリ水溶液、特に、水酸化アルカリ及び/又は炭酸アルカリ、とを混合して水酸化鉄を生成し、この水酸化鉄を含む反応物を酸素含有雰囲気下(例えば大気圧下)で30〜90℃の温度に加熱(酸化合成)することにより得られるFeなどが好ましい。
鉄塩としては、硫酸鉄、酢酸鉄、塩化鉄などが挙げられる。
水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などが挙げられる。炭酸アルカリとしては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。アルカリとしてアルカリ金属を用いても、中和反応の副生成物として生じるアルカリ金属分のほとんどは水洗により、除去が可能であるが、アルカリ金属の混入を極めて低くするためにはアンモニウム塩を用いることが適当である。また、水酸化アルカリだけでも微細粒子は得られるが、更に細かい粒子を得るには、炭酸アルカリと混合して用いることが有効である。微細な単相の酸化鉄粒子を得るためには、中和率0.8〜3.0(ここで、中和率は、中和前の酸源のモル当量に対する中和に使用したアルカリ源のモル当量の比である。例えば、FeSOの10モルにNaOHの20モルを使用した場合、中和率は20/(10×2)=1.0となる。)、温度30〜90℃の範囲で上記の酸化合成を行うことが適当である。
(リチウム源及びリン源)
上記の鉄源に、Li源及びP源を混合して、焼成して、オリビン型リン酸鉄リチウムを得る。
Li源としては、炭酸リチウム、水酸化リチウム、リン酸リチウム等、P源としては、リン酸、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素リチウム、リン酸リチウム等が挙げられる。
(混合工程)
混合方法は特に限定されず、湿式混合でも乾式混合でも良く、装置としては、遊星ボールミル、ジェットミル、マグネチックスターラー等を用いることが適当である。
(焼成工程)
焼成工程は、原料の混合物に熱エネルギーを供給することにより、その混合物を熱力学的に安定なオリビン型リン酸鉄リチウム化合物に転化させ、不純物を気化させ除去し、本発明の正極活物質の微細粒子を生成する工程である。
焼成は、不活性ガス雰囲気もしくは還元性雰囲気下で行われる。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等が挙げられる。還元性雰囲気としては、水素、低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール等の還元性化合物、還元性化合物と不活性ガスとの混合物等が挙げられる。還元性化合物と不活性ガスとの混合物を使用する場合、還元性化合物と不活性ガスとの混合比(体積比)は、特に制限を受けない。
焼成温度は、400〜800℃が好ましい。1段階の焼成でも十分な結晶性を得ることは可能であるが、仮焼成工程と本焼成工程の二段階の焼成工程を行うことによって、より結晶性を上げることも可能である。仮焼成は、通常、200〜500℃の温度で行い、本焼成は、通常、400〜800℃の温度で行い、好ましくは500〜800℃、より好ましくは500〜750℃の温度で行う。また、仮焼成と本焼成のガス雰囲気を変えることも可能である。
さらに、焼成前に、種々の導電性物質(例えば、炭素)またはその前駆体を混合し、不活性ガス雰囲気もしくは還元性雰囲気下で焼成することにより、オリビン型リン酸鉄リチウム粒子表面にそのような導電性物質を存在させた非常に微細な正極活物質を得ることができる。特に炭素源を混合した場合、還元性ガスを使わず、例えば、Nだけで、単相のオリビン型リン酸鉄リチウムを得ることができる。
導電性物質としては、炭素等が挙げられる。特に炭素が入手の容易さ、取り扱い易さの点で有利である。
炭素源の添加量は限定されないが、焼成後に残留する炭素分が正極として過剰にならない範囲であることは言うまでもなく、好ましくは、正極活物質の重量を基準として20重量%以下、特に3〜20重量%の範囲で添加することが望ましく、更に好ましくは、5〜15重量%である。
炭素源は、炭素粒子及び焼成により導電性炭素に変化する炭素前駆体の少なくとも一方を含む。炭素源として炭素前駆体を使用すると、粒子表面を炭素で平坦に被覆でき、比較的低い表面積を有する正極活物質を製造することができる。
炭素粒子としては、公知のものを制限無く使用でき、例えば、アセチレンブラックなどのカーボンブラック;フラーレン;カーボンナノチューブ等が挙げられる。
炭素前駆体としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン類、ポリアクリロニトリル、セルロース、デンプン、グルコース、グラニュー糖などの糖類等及び天然の有機高分子化合物(特に、水溶性のもの);アクリロニトリル、ジビニルベンゼン、ビニルアセテート等の重合性単量体(特に、炭素−炭素二重結合を有する不飽和有機化合物)等が挙げられる。
炭素源は、焼成工程のどの段階で原料に加えてもよく、例えば、仮焼成の前に加えてもよく、仮焼成後本焼成の前に加えてもよく、仮焼成の前と本焼成の前と両段階で加えてもよい。また、炭素源を加えることにより、不活性ガスのみで焼成し、オリビン単相を得ることも可能となる。
以上述べてきたように、本方法の特徴は、均一な酸化鉄微粒子を合成し、これを原料とした固相合成を行うことにより、電池特性に優れた微細で均一なオリビン型材料を、低コストで工業的にも容易に製造できることである。
[正極活物質]
本発明の正極活物質は、オリビン型リン酸鉄リチウムを主成分として含むことが必要であるが、オリビン型リン酸鉄リチウム以外の他の成分として、炭素などの導電性物質などを含ませることができる。他の成分の配合割合は、正極活物質の30%以下とすることが必要である。
正極活物質の平均粒子径は、好ましくは5〜500nmであり、より好ましくは30〜300nmである。導電性の低いオリビン型正極活物質の場合、その平均粒子径が大きすぎると十分な容量が得られない。正極活物質また標準偏差σが50以下、特に30以下の粒度分布を有することが好ましく、粒子径の変動係数が0.60以下、特に0.50以下を有することが好ましく、5〜50m/gのBET比表面積値を有することが好ましい。
[非水電解質電池]
(電池の構造)
本発明の正極活物質を用いた非水電解質電池の一例を添付図面を用いて説明する。
図16は電池の概略を示す断面図である。この図において非水電解質電池1は、大まかに言って電池の外部負極として機能する負極部材2と、電池の外部正極として機能する正極部材3と、両部材間に負極集電体4、負極活物質層5、セパレータ8、正極活物質層7及び正極集電体6をこの順番で有してなる。負極部材2はほぼ円筒形をしており、その内部に負極集電体4及び負極活物質5を収容できるように構成されている。一方、正極部材3もほぼ円筒形をしており、その内部に正極集電体6及び正極活物質層7を収容できるように構成されている。正極部材3及びセパレータ8の半径方向の寸法は負極部材2のものよりもやや大きめに設定されており、負極部材2の周端部とセパレータ8及び正極部材3の周端部とが重なり合うようになっている。電池内部の空間は非水電解質9が充填され、負極部材2、セパレータ8及び正極部材3の周端部の重なり合う部分には封止材10が施されて、電池内部が気密状態に保たれている。
負極は、負極部材2を外部負極として、それに接する負極集電体4、及び負極集電体上の負極活物質層5が形成されてなる。負極集電体としては、例えばニッケル箔、銅箔等が用いられる。負極活物質層としては、リチウムをドープ/脱ドープ可能なものを用い、具体的には、金属リチウム、リチウム合金、リチウムがドープされた導電性高分子、層状化合物(炭素材料や金属酸化物等)等を用いる。負極活物質層に含有される結着材としては、この種の非水電解質電池の負極活物質層の結着材として通常用いられている公知の樹脂材料等を用いることができる。特に、金属リチウム箔は負極活物質としてのみならず負極集電体としても用いることができるので、負極に金属リチウム箔を使用することにより電池構造を簡易なものとすることができる。
正極は、正極部材3を外部正極として、それに接する正極集電体6、及び正極集電体上の正極活物質層7が形成されてなる。正極活物質として、上述した本発明の正極活物質を使用する。正極集電体としては、例えばアルミニウム箔等が用いられる。正極活物質層に含有される結着材としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のこの種の非水電解質電池の正極活物質層の結着材として通常用いられている公知の樹脂材料等を用いることができる。正極活物質層には、導電性を向上させるために導電材を配合することができる。この導電材としては、例えば、グラファイト、アセチレンブラック等が挙げられる。
セパレータ8は、正極と負極とを離間させるものであり、この種の非水電解質電池のセパレータとして通常用いられている公知の材料を用いることができ、例えば、ポリプロピレン等の高分子フィルム、ポリエチレンカーボネート多孔質膜等が用いられる。また、リチウムイオン伝導度とエネルギー密度との関係から、セパレータの厚みはできるだけ薄いことが望ましい。具体的には、セパレータの厚みは例えば50μm以下が好ましい。
封止材10としては、この種の非水電解質電池の正極活物質層の封止材として通常用いられている公知の樹脂材料等を用いることができる。
非水電解質としては、液体電解質のみならず、固体電解質、溶媒を含有するゲル状電解質など種々の形態のものが使用できる。液体電解質としては、非プロトン性非水溶媒に電解質を溶解させた溶液を用いる。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類、γ−ブチルラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル1,3−ジオキソラン、プロピオン酸メチル、酪酸メチル等を挙げることができる。特に、電圧安定性の点からは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類を使用することが好ましい。また、このような非水溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。電解質としては、例えば、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等のリチウム塩を使用することができる。これらのリチウム塩の中でも、LiPF、LiBFを使用することが好ましい。また、固体電解質としては、窒化リチウム、ヨウ化リチウム等の無機固体電解質;ポリ(エチレンオキサイド)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(アクリレート)等の有機高分子電解質等が挙げられる。更に、ゲル状電解質を形成するための材料としては、上記液体電解質を吸収してゲル化できる材料であれば特に制限無く使用することができ、例えば、ポリ(ビニリデンフルオライド)、ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン共重合体などの含フッ素重合体が挙げられる。
(電池の製造方法)
本発明の正極活物質を使用した非水電解質電池は、例えば、以下のように製造される。
まず、負極の製造方法から説明する。負極活物質と結着材とを溶媒中に分散させてスラリーを調製する。得られたスラリーを集電体上に均一に塗布、乾燥して負極活物質層を形成する。得られた負極集電体及び負極活物質層からなる積層体を負極部材内に負極集電体と負極部材内面が接するように収容して負極が形成される。また、前述したように負極集電体及び負極活物質として金属リチウム箔をそのまま用いることもできる。
次に正極の製造方法を説明する。本発明の正極活物質、導電材及び結着材を溶媒中に分散させてスラリーを調製する。スラリーを集電体上に均一に塗布、乾燥して正極活物質層を形成する。得られた正極集電体及び正極活物質層からなる積層体を正極部材内に正極集電体と正極部材内面が接するように収容して正極が形成される。
非水電解質は、液状のものを採用する場合は、電解質塩を非水溶媒中に溶解することにより調製される。
上述のようにして製造された負極及び正極を、負極活物質層と正極活物質層との間にセパレータが介在するように重ね合わせ、非水電解質を充填し、封止材により電池内部を密封することにより、非水電解質電池が完成する。
本発明の非水電解質電池は、その形状については特に限定されることはなく、円筒型、角型、コイン型、ボタン型等の形状とすることができ、また、薄型、大型等の種々の大きさにすることができる。また、本発明は、一次電池についても二次電池についても適用可能である。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の例において、酸化鉄、正極活物質及び非水電解質電池の分析は次の方法により行った。
(X線回折)
X線回折測定は、CoKα Rigaku RINT 2200V((株)リガク社製)を用いて行った。
(比表面積)
比表面積測定は、BET法に従って、全自動表面積測定装置 マルチソーブ12(湯浅アイオニックス(株)社製)を用いて行った。
(金属組成分析)
金属組成分析は、ICP発光分光分析(ICP発光分光分析装置SPS1500VR Seiko Instruments Inc.製)で測定し、Feに対するmol比で算出した。
(粒子径)
粒子径について、TEM(透過型電子顕微鏡 H−7600 日立製)又はSEM(走査型電子顕微鏡 DS130 (株)トプコン電子ビームサービス社製)で観察される200個の粒子を無作為に選び、各粒子の粒子径を測定し、それら測定値の平均値および標準偏差を算出し、この平均値を粒子径とした。なお、粒子径の変動係数は、このようにして求めた標準偏差を平均粒子径で除した値である。
実施例1
(1)酸化鉄の製造
60Lの反応容器にNaOHを23mol、NaCOを11molを含む水溶液40Lを仕込み、窒素ガスを通気して置換し、60℃に保持した。ここに、窒素通気、攪拌しながら、18molのFeSOと0.9molのFe(SOを含む水溶液20Lを添加して、水酸化鉄粒子を含有する懸濁液とし、60℃で60分間混合した。次に、60℃のまま、空気を10L/minで通気させ、2時間、酸化反応を行った。得られた懸濁液をろ過、洗浄、乾燥して、微粒子マグネタイト(Fe)を得た。試料の比表面積測定はBET法で測定した。得られた試料のBET値は27.4m/gであった。得られた試料のTEM写真を図1に示す。粒子径はTEM写真から200個の粒子を無作為に測定し、平均値で算出した。得られた試料の平均粒子径は65nm、変動係数は0.32であった。
得られた粒子のX線回折測定をおこなった。図2に得られた粒子のX線回折図を示す。X線回折図よりFe単相であることが確認された。
(2)LiFePOの製造方法
上記で(1)で得られたマグネタイト(Fe)を原料にLiFePOを合成した。(1)で得られた酸化鉄 0.05mol、LiCO 0.083mol、(NHHPO 0.15molおよびグルコース5gを80mL遊星ボールミル容器に入れ、更に純水 20mLを添加して、250r.p.m.で、12時間混合した。乾燥後、メノウ乳鉢で粉砕し、体積比で2:5の水素(H)及び窒素(N)の混合雰囲気下、450℃で2時間、N雰囲気下、600℃で15時間焼成し、正極活物質LiFePOを得た。得られた試料のBET値は33.8m/gであった。得られた試料のSEM写真を図3に示す。粒子径はTEM写真から200個の粒子を無作為に測定し、平均値で算出した。得られた試料の平均粒子径は52nm、変動係数は0.39であった。
得られた粒子のX線回折測定をおこなった。図4に得られた粒子のX線回折図を示す。X線回折図よりオリビン型リン酸鉄リチウム単相であることが確認された。
ICP分析による組成分析結果を表1に示す。
(3)(コインセルの作製)
(2)で得られた正極活物質を使って、リチウム二次電池を作製した。得られた試料と結着材としてポリテトラフルオロエチレン、導電材としてアセチレンブラックを用い、正極活物質:導電材:結着材=70:25(全C量として、即ち、予め処理してあるカーボン(グルコース由来)の量にアセチレンブラックを足した量として):5の重量比で混合し、メノウ乳鉢で混錬した後、コルクボーラーを用いて直径1.0cm、厚さ0.2mmのディスク状に型抜きし、これを正極ペレットとして使用した。
上記正極ペレットを用いてコインセルを作製した。正極ペレットの対極として、直径1.5cm、厚さ0.15mmのリチウム箔を用いた。セパレータとしては、直径22mm、厚さ0.02mmの多孔質ポリエチレンシートを用いた。非水電解質溶液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との体積比1:1の混合溶媒に、約1モル/リットルの濃度でLiPFを溶解させたものを使用した。これらの構成要素をステンレス製の正極容器及び負極蓋に組み込んで、ガスケットで密封して、厚さ3.2mm、直径20mm(2032型)の図5に示すコイン型測定用セルを作製した。なお、一連の電池組み立て作業はアルゴン精製装置を備えた露点−90℃以下のドライボックス内で行った。
このようにして得られた簡易リチウム二次電池について充放電試験を行った。充放電試験は25℃において、電位範囲:2000〜4500mV、レート:1C、C.C.−C.V.で行った。初期充放電特性を図6に示す(図中、「Chg.」は充電、「Dis.」は放電を表す。)。また、初期充放電容量を表2に示す。
実施例2
実施例1で得られたマグネタイト(Fe)を原料にLiFePOを合成した。実施例1で得られた酸化鉄 0.05mol、LiCO 0.083mol、(NHHPO 0.15mol、グルコース3gを80mL遊星ボールミル容器に入れ、更に純水 20mLを添加して、250r.p.m.で、5時間混合した。乾燥後、メノウ乳鉢で粉砕し、N雰囲気下、650℃で3時間、焼成し、正極活物質LiFePOを得た。得られた試料のBET値は13.8m/gであった。得られた試料のSEM写真を図7に示す。粒子径はTEM写真から200個の粒子を無作為に測定し、平均値で算出した。得られた試料の平均粒子径は60nm、変動係数は0.38であった。
得られた粒子のX線回折測定をおこなった。図8に得られた粒子のX線回折図を示す。X線回折図よりオリビン型リン酸鉄リチウム単相であることが確認された。
ICP分析による組成分析結果を表1に示す。
実施例1と同様にして、コインセルを組み立て、充放電試験を行った。初期充放電容量を表2に示す。
実施例3
(1)酸化鉄の製造
60Lの反応容器にNaOHを20mol、NaCOを10molを含む水溶液35Lを仕込み、窒素ガスを通気して置換し、60℃に保持した。ここに、窒素通気、攪拌しながら、18molのFeClを含む水溶液25Lを添加して、水酸化鉄粒子を含有する懸濁液とし、60℃で60分間混合した。次に、60℃のまま、空気を1L/minで通気させ、12時間、酸化反応を行った。得られた懸濁液をろ過、洗浄、乾燥して、微粒子マグネタイト(Fe)を得た。試料の比表面積測定はBET法で測定した。得られた試料のBET値は13.5m/gであった。得られた試料のTEM写真を図9に示す。粒子径はTEM写真から200個の粒子を無作為に測定し、平均値で算出した。得られた試料の平均粒子径は107nm、変動係数は0.28であった。
得られた粒子のX線回折図よりFe単相であることが確認された。
(2)LiFePOの製造方法
上記で(1)で得られたマグネタイト(Fe)を原料にLiFePOを合成した。(1)で得られた酸化鉄 0.05mol、LiCO 0.083mol、(NHHPO 0.15molを80mL遊星ボールミル容器に入れ、更に純水 20mLを添加して、250r.p.m.で、12時間混合した。乾燥後、メノウ乳鉢で粉砕し、体積比で2:5の水素(H)及び窒素(N)の混合雰囲気下、450℃で5時間焼成し、正極活物質LiFePOを得た。得られた試料のBET値は5.3m/gであった。得られた試料のSEM写真を図10に示す。粒子径はTEM写真から200個の粒子を無作為に測定し、平均値で算出した。得られた試料の平均粒子径は111nm、変動係数は0.39であった。
得られた粒子のX線回折図よりオリビン型リン酸鉄リチウム単相であることが確認された。
ICP分析による組成分析結果を表1に示す。
実施例1と同様にして、コインセルを組み立て、充放電試験を行った。初期充放電容量を表2に示す。
実施例4
実施例3で得られたマグネタイト(Fe)を原料にLiFePOを合成した。実施例3で得られた酸化鉄 0.05mol、LiCO 0.086mol、(NHHPO 0.15mol、グルコース5gを80mL遊星ボールミル容器に入れ、更に純水 20mLを添加して、250r.p.m.で、12時間混合した。乾燥後、メノウ乳鉢で粉砕し、N雰囲気下、650℃で3時間、焼成し、正極活物質LiFePOを得た。得られた試料のBET値は27.7m/gであった。得られた試料のSEM写真を図11に示す。粒子径はTEM写真から200個の粒子を無作為に測定し、平均値で算出した。得られた試料の平均粒子径は66nm、変動係数は0.36であった。
得られた粒子のX線回折図よりオリビン型リン酸鉄リチウム単相であることが確認された。
ICP分析による組成分析結果を表1に示す。
実施例1と同様にして、コインセルを組み立て、充放電試験を行った。初期充放電容量を表2に示す。
比較例1
図12に示すような不定形のヘマタイト((株)高純度化学研究所製 純度99%BET値 10.3m/g)を原料にLiFePOを合成した。上記ヘマタイト 0.075mol、LiCO 0.083mol、(NHHPO 0.15mol、グルコース5gを80mL遊星ボールミル容器に入れ、更に純水20mLを添加して、250r.p.m.で、12時間混合した。乾燥後、メノウ乳鉢で粉砕し、N雰囲気下、600℃で12時間、焼成し、正極活物質LiFePOを得た。得られた試料のBET値は32.9m/gであった。得られた試料のSEM写真を図13、TEM写真を図14に示す。得られた粒子も不定形であった。
得られた粒子のX線回折図よりオリビン型リン酸鉄リチウム単相であることが確認された。
ICP分析による組成分析結果を表1に示す。
実施例1と同様にして、コインセルを組み立て、充放電試験を行った。初期充放電容量を表2に示す。
比較例2
合成したマグネタイト(BET値2.6m/g、平均粒子径520nm、変動係数0.53)を原料にLiFePOを合成した。上記マグネタイト 0.05mol、LiCO 0.083mol、(NHHPO 0.15mol、グルコース5gを80mL遊星ボールミル容器に入れ、更に純水 20mLを添加して、250r.p.m.で、5時間混合した。乾燥後、メノウ乳鉢で粉砕し、N雰囲気下、650℃で4時間、焼成し、正極活物質LiFePOを得た。得られた試料のBET値は25.7m/gであった。得られた試料のSEM写真を図15に示す。粒子径はTEM写真から200個の粒子を無作為に測定し、平均値で算出した。得られた試料の平均粒子径は109nm、変動係数は0.62であった。
得られた粒子X線回折図よりオリビン型リン酸鉄リチウム単相であることが確認された。
ICP分析による組成分析結果を表1に示す。
実施例1と同様にして、コインセルを組み立て、充放電試験を行った。初期充放電容量を表2に示す。
Figure 0005385616
Figure 0005385616
実施例5
(1)酸化鉄の製造
60Lの反応容器にNaOHを52.8molを含む水溶液40Lを仕込み、窒素ガスを通気して置換し、80℃に保持した。ここに、窒素通気、攪拌しながら、6molのFeSOと6molのFe(SOを含む水溶液20Lを添加して、80℃で3時間混合した。得られた懸濁液をろ過、洗浄、乾燥して、微粒子マグネタイト(Fe)を得た。試料の比表面積測定はBET法で測定した。得られた試料のBET値は74.2m/gであった。得られた試料のTEM写真を図17に示す。粒子径はTEM写真から200個の粒子を無作為に測定し、平均値で算出した。得られた試料の平均粒子径は11nm、変動係数は0.34であった。
得られた粒子のX線回折図よりFe単相であることが確認された。
(2)LiFePOの製造方法
上記で(1)で得られた酸化鉄(Fe)を原料にオリビン型リン酸鉄リチウムを合成した。(1)で得られた酸化鉄 0.05mol、LiCO 0.079mol、(NHHPO 0.15molおよびグルコース4gを80mL遊星ボールミル容器に入れ、更に純水 20mLを添加して、250r.p.m.で、12時間混合した。120℃で乾燥後、メノウ乳鉢で粉砕し、N雰囲気下、650℃で6時間焼成し、正極活物質LiFePOを得た。得られた試料のBET値は12.5m/g、炭素含有量は3.3重量%であった。得られた試料のSEM写真を図18に示す。粒子径はTEM写真から200個の粒子を無作為に測定し、平均値で算出した。得られた試料の平均粒子径は80nm、変動係数は0.32であった。
得られた粒子のX線回折測定をおこなった。図19に得られた粒子のX線回折図を示す。X線回折図よりオリビン型リン酸鉄リチウム単相であることが確認された。
実施例1と同様にして、コインセルを組み立て、充放電試験を行った。初期充放電容量は、充電容量140mAh/g、放電容量138mAh/gであった。
本発明の正極活物質を利用した非水電解質電池としては、例えば、金属リチウム電池、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池等のリチウム二次電池が挙げられる。

Claims (10)

  1. 平均粒子径が500nm以下であり、かつ、粒子径の変動係数が0.5以下を有するマグネタイトである酸化鉄粒子を含む鉄源、リチウム源及びリン源を混合し、焼成することを特徴とするオリビン構造を有する化合物の製造方法。
  2. 酸化鉄粒子が、鉄塩とアルカリとを反応させ、その反応物を酸化して得られたものである、請求項1の方法。
  3. アルカリが水酸化アルカリ及び/又は炭酸アルカリである、請求項2の方法。
  4. 酸化が30〜90℃の温度で行われる、請求項2又はの方法。
  5. 平均粒子径が500nm以下であり、かつ、粒子径の変動係数が0.5以下を有するマグネタイトである酸化鉄粒子を含む鉄源、リチウム源及びリン源と炭素または/および炭素前駆体を混合し、焼成することを特徴とするオリビン構造を有する化合物の製造方法。
  6. 焼成を不活性ガス雰囲気または還元雰囲気で行う、請求項1〜の何れかの方法。
  7. 焼成をN雰囲気で行う、請求項の方法。
  8. 請求項1〜の何れかの方法により得られた平均粒子径が1000nm以下であり、かつ、粒子径の変動係数が0.6以下を有するオリビン構造を有する化合物。
  9. 求項のオリビン構造を有する化合物を含む正極活物質。
  10. 請求項の正極活物質を含む正極を有する非水電解質電池。
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