JP3653409B2 - リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法、この正極活物質を用いたリチウム二次電池用正極及びその製造方法、この正極を用いたリチウム二次電池及びその製造方法 - Google Patents
リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法、この正極活物質を用いたリチウム二次電池用正極及びその製造方法、この正極を用いたリチウム二次電池及びその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な正極活物質に係り、特にサイクル特性および負荷特性が向上したリチウム二次電池用正極活物質およびその製造方法、この正極活物質を用いたリチウム二次電池用正極及びその製造方法、この正極を用いたリチウム二次電池及びその製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型ビデオカメラ、携帯電話、ノートパソコン等の携帯用電子・通信機器等に用いられる電池として、金属リチウム、リチウム合金あるいはリチウムイオンを吸蔵・放出できる炭素材料などを負極活物質とし、リチウム−コバルト複合酸化物(LiCoO2)、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiO2)、リチウム−マンガン複合酸化物(LiMn2O4)等のリチウム含有遷移金属複合酸化物を正極材料とするリチウムイオン電池で代表されるリチウム二次電池が、4V級の高い放電電圧が得られるとともに、エネルギー密度が高く、小型軽量でかつ高容量で充放電可能な電池として注目されるようになり、これらのうちリチウム−コバルト複合酸化物(LiCoO2)を正極材料とするリチウム二次電池が実用化されるようになった。
【0003】
しかしながら、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiO2)を正極材料とするリチウム二次電池は実用化に至っていない。この原因の1つとして、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiO2)はリチウムイオンの吸蔵・放出に伴い、結晶構造に乱れを生じ易く、その結果、良好なサイクル特性が得られないことが挙げられる。また、結晶構造が脆いため、高率での充放電によるリチウムイオンの急激な吸蔵・放出に耐えられないことが挙げられる。
【0004】
そこで、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiO2)のニッケル元素の一部を他の元素で置換し、結晶構造を強化してサイクル特性を向上させる検討が行われるようになった。例えば、特開平8−37007号公報においては、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiO2)のニッケル元素の一部をコバルト元素およびマンガン元素で置換させることにより、結晶構造を安定化させ、さらに+3価のマンガンを含むマンガン化合物を用いることにより、電気化学的に不活性なLi2MnO3や岩塩構造のNiOの生成を抑制することが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−37007号公報において提案された方法であっても十分ではなかった。これは、この公報において提案された方法でリチウム化合物とニッケル化合物とコバルト化合物とマンガン化合物とを熱処理した場合には、ニッケル元素の一部をコバルト元素およびマンガン元素で置換して複合化をさせていない場合と比較してサイクル特性は向上するが、まだ不十分であった。
【0006】
これは、置換されたコバルト元素およびマンガン元素の分布が不均一であり、結晶構造を強化する効果が十分に発揮されていないためと考えられる。一般に、ある物質に異種元素が不均一に固溶した場合、粉末X線回折におけるピークの半値幅が増加することが知られているが、上述した特開平8−37007号公報において提案された方法により得られたリチウム−ニッケル−コバルト−マンガン複合酸化物の粉末X線回折におけるピークの半値幅が、ニッケル以外の元素を固溶させない場合の半値幅よりも大きくなっていることからも、コバルト元素およびマンガン元素の固溶が不均一であることを示唆しているということができる。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
そこで、本発明は上記した課題を解決するためになされたものであって、リチウム−ニッケル複合酸化物の結晶構造が強化された正極活物質を得て、サイクル特性および負荷特性が向上したリチウム二次電池用正極およびリチウム二次電池が得られるようにすることを目的とするものである。
【0008】
このため、本発明のリチウム二次電池用正極活物質は、X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°である組成式LiaMnbMcNi1-(b+c)O2(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素であり、0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ0.5≦1−(b+c)≦0.95)で表されるリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を備えるようにしている。
【0009】
削除
【0010】
LiNiO2で表されるリチウム−ニッケル複合酸化物は、リチウムイオンの吸蔵・放出に伴い結晶構造が壊れて放電容量が低下するが、これは結晶構造が脆いことに原因があると考えられる。
しかしながら、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiO2)のニッケル元素の一部をMnとM(MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)で置換された上記組成式で表されるリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物は、X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°であると、ニッケル元素の一部がMnと他の元素Mと均一に置換されているので、結晶構造が強化される。
【0011】
リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiO2)のX線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°であることは、結晶構造に乱れを生じさせることなく、均一に異種元素で置換できていることを示唆している。
リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiO2)のニッケル元素の一部がMnと他の元素Mと均一に置換されたリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物は、結晶構造が強化されるため、サイクル特性および負荷特性が向上した正極活物質となる。したがって、この活物質を用いた正極のサイクル特性および負荷特性が向上するとともに、この正極を用いたリチウム二次電池のサイクル特性および負荷特性が向上する。
【0012】
そして、このような複合酸化物としてリチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物を用いると、サイクル特性および負荷特性が特に向上した正極活物質となる。したがって、このような複合酸化物からなる活物質を用いた正極のサイクル特性および負荷特性が特に向上するとともに、この正極を用いたリチウム二次電池のサイクル特性および負荷特性が特に向上する。
【0013】
また、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiO2)のニッケル元素の一部がMnと他の元素Mと均一に置換されたリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を用いた場合、粉末X線回折測定において、2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの強度をI1とし、2θ=44.54±0.25°の範囲に存在するピークの強度をI2とした場合の強度比I1/I2の値が0.8を下回ると、Li2Ni8O10などの不純物の生成が考えられ、これらの不純物は結晶構造に悪影響を及ぼし、容量低下などを招くため、強度比I1/I2の値は0.8以上にすることが望ましい。
【0014】
そして、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiO2)のニッケル元素の一部がMnと他の元素Mと均一に置換されたリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を製造する場合、従来から行われているような原料粉末を混合して焼成する等の合成法では、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiO2)のニッケル元素の一部をMnと他の元素Mと均一に置換することは難しく、その結果、粉末X線回折測定におけるピークの半値幅が大きくなり、置換によるサイクル特性の向上および負荷特性の向上が不十分となった。
【0015】
そこで、本発明の正極活物質の製造方法においては、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiO2)のニッケル元素の一部をMnと他の元素Mで均一に置換する方策が必要となる。例えば、ニッケル化合物を溶解させた水溶液とマンガン化合物を溶解させた水溶液とM化合物(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)を溶解させた水溶液との混合水溶液のpHを変化させて複合水酸化物を沈殿させる共沈工程を備えることが挙げられる。
【0016】
また、他の例としては、ニッケル化合物を溶解させた水溶液とマンガン化合物を溶解させた水溶液とM化合物(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)を溶解させた水溶液との混合水溶液を蒸発乾燥させて各化合物の極微粒子からなる複合原料を得る蒸発乾燥工程を備えることが挙げられる。
そして、これらの工程(共沈工程または蒸発乾燥工程)によって得られた複合水酸化物または極微粒子からなる複合原料と、リチウム化合物との混合物を酸素雰囲気中で熱処理することにより、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiO2)のニッケル元素の一部がMnと他の元素Mで均一に置換されたリチウム−ニッケル−マンガンM複合酸化物が得られる。
【0017】
これらの共沈工程あるいは蒸発乾燥工程を備えるようにすると、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiO2)のニッケル元素の一部がMnと他の元素M(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)と極めて均一に置換されたリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物が得られるようになる。このようなリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物は結晶構造が十分に強化され、サイクル特性および負荷特性が特に向上した正極活物質となる。したがって、このような複合酸化物からなる活物質を用いた正極のサイクル特性および負荷特性が特に向上するとともに、この正極を用いたリチウム二次電池のサイクル特性および負荷特性が特に向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
ついで、本発明の実施形態を以下に説明する。
1.正極活物質の作製
(1)参考例1〜3
まず、硫酸ニッケル水溶液のニッケルのモル比と、硫酸マンガン水溶液のマンガンのモル比を95:5、70:30および55:45に調製した3種類の混合水溶液を用意する。ついで、これらの混合水溶液を撹拌槽内に充填した後、この撹拌槽を回転させて撹拌しながら、混合水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加して、混合水溶液のpHを調製した。この撹拌により、水酸化ニッケルのニッケル元素の一部をマンガン元素により置換された構造を有する、組成式Ni0.95Mn0.05(OH)2、Ni0.70Mn0.30(OH)2およびNi0.55Mn0.45(OH)2で示される3種類のニッケル−マンガン複合水酸化物をそれぞれ得た。
【0019】
ついで、これらのニッケル−マンガン複合水酸化物と水酸化リチウム(LiOH)とを、リチウムとニッケル−マンガンとのモル比がそれぞれ1:1となるようにそれぞれ調製して混合した後、750℃の酸素雰囲気で20時間熱処理して、粒状塊を得た。この後、この粒状塊を粉砕して、組成式LiNi0.95Mn0.05O2(参考例1)、LiNi0.70Mn0.30O2(参考例2)およびLiNi0.55Mn0.45O2(参考例3)で示される3種類のリチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物からなる正極活物質をそれぞれ得た。
【0020】
(2)実施例4〜6
まず、硫酸ニッケル水溶液のニッケルのモル比と、硫酸マンガン水溶液のマンガンのモル比と、硫酸アルミニウム水溶液のアルミニウムのモル比を90:5:5、65:30:5および50:45:5に調製した3種類の混合水溶液を用意した。ついで、これらの混合水溶液を上述した参考例1〜3と同様に撹拌して、水酸化ニッケルのニッケル元素の一部をマンガン元素およびアルミニウムにより置換された構造を有する、組成式Ni0.90Mn0.05Al0.05(OH)2、Ni0.65Mn0.30Al0.05(OH)2およびNi0.50Mn0.45Al0.05(OH)2で示される3種類のニッケル−マンガン−アルミニウム複合水酸化物をそれぞれ得た。
【0021】
ついで、リチウムとニッケル−マンガン−アルミニウムとのモル比がそれぞれ1:1となるようにそれぞれ調製して混合した後、上述した参考例1〜3と同様にして熱処理および粉砕して、組成式LiNi0.90Mn0.05Al0.05O2(実施例4)、LiNi0.65Mn0.30Al0.05O2(実施例5)およびLiNi0.50Mn0.45Al0.05O2(実施例6)で示される3種類のリチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物からなる正極活物質をそれぞれ得た。
【0022】
(3)実施例7〜9
まず、硫酸ニッケル水溶液のニッケルのモル比と、硫酸マンガン水溶液のマンガンのモル比と、硫酸アルミニウム水溶液のアルミニウムのモル比を85:5:10、70:20:10および50:40:10に調製した3種類の混合水溶液を用意する。ついで、これらの混合水溶液を上述した参考例1〜3と同様にして撹拌して、水酸化ニッケルのニッケル元素の一部をマンガン元素およびアルミニウムにより置換された構造を有する、組成式Ni0.85Mn0.05Al0.10(OH)2、Ni0.70Mn0.20Al0.10(OH)2およびNi0.50Mn0.40Al0.10(OH)2で示される3種類のニッケル−マンガン−アルミニウム複合水酸化物をそれぞれ得た。
【0023】
ついで、リチウムとニッケル−マンガン−アルミニウムとのモル比がそれぞれ1:1となるようにそれぞれ調製して混合した後、上述した参考例1〜3と同様にして熱処理および粉砕して、組成式LiNi0.85Mn0.05Al0.10O2(実施例8)、LiNi0.70Mn0.20Al0.10O2(実施例9)およびLiNi0.50Mn0.40Al0.10O2(実施例10)で示される3種類のリチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物からなる正極活物質をそれぞれ得た。
【0024】
(4)実施例10〜12
まず、硫酸ニッケル水溶液のニッケルのモル比と、硫酸マンガン水溶液のマンガンのモル比と、硫酸アルミニウム水溶液のアルミニウムのモル比を65:5:30、60:10:30および50:20:30に調製した3種類の混合水溶液を用意する。ついで、これらの混合水溶液を上述した参考例1〜3と同様にして撹拌して、水酸化ニッケルのニッケル元素の一部をマンガン元素およびアルミニウムにより置換された構造を有する、組成式Ni0.65Mn0.05Al0.30(OH)2、Ni0.60Mn0.10Al0.30(OH)2およびNi0.50Mn0.20Al0.30(OH)2で示される3種類のニッケル−マンガン−アルミニウム複合水酸化物をそれぞれ得た。
【0025】
ついで、リチウムとニッケル−マンガン−アルミニウムとのモル比がそれぞれ1:1となるようにそれぞれ調製して混合した後、上述した参考例1〜3と同様にして熱処理および粉砕して、組成式LiNi0.65Mn0.05Al0.30O2(実施例10)、LiNi0.60Mn0.10Al0.30O2(実施例11)およびLiNi0.50Mn0.20Al0.30O2(実施例12)で示される3種類のリチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物からなる正極活物質をそれぞれ得た。
【0026】
(5)実施例13〜15
まず、硫酸ニッケル水溶液のニッケルのモル比と、硫酸マンガン水溶液のマンガンのモル比と、硫酸アルミニウム水溶液のアルミニウムのモル比を55:5:40、50:10:40および50:5:45に調製した3種類の混合水溶液を用意する。ついで、これらの混合水溶液を上述した参考例1〜3と同様にして撹拌して、水酸化ニッケルのニッケル元素の一部をマンガン元素およびアルミニウムにより置換された構造を有する、組成式Ni0.55Mn0.05Al0.40(OH)2、Ni0.50Mn0.10Al0.40(OH)2およびNi0.50Mn0.05Al0.45(OH)2で示される3種類のニッケル−マンガン−アルミニウム複合水酸化物をそれぞれ得た。
【0027】
ついで、リチウムとニッケル−マンガン−アルミニウムとのモル比がそれぞれ1:1となるようにそれぞれ調製して混合した後、上述した参考例1〜3と同様に熱処理および粉砕して、組成式LiNi0.55Mn0.05Al0.40O2(実施例13)、LiNi0.50Mn0.10Al0.40O2(実施例14)およびLiNi0.50Mn0.05Al0.45O2(実施例15)で示される3種類のリチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物からなる正極活物質をそれぞれ得た。
【0028】
上述のようにして作製した参考例1‐3及び実施例4〜実施例15の各正極活物質を順次粉末X線回折測定装置内に配置し、X線源としてCu−Kαとスリット幅が1μmのスリットを用いて、各正極活物質にCu−Kαを照射角θで照射して2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅を測定すると、下記の表1に示すような結果となった。また、2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの強度I1を測定するとともに、2θ=44.54±0.25°の範囲に存在するピークの強度I2を測定した後、ピークの強度比I1/I2を求めると、下記の表1に示すような結果となった。
【0029】
【表1】
【0030】
なお、上記表1において、各元素のモル比においてLiは組成式LiaMnbMcNi1-(b+c)O2におけるaを表し、Niは1−(b+c)を表し、Mnはbを表し、Al(MがAlの場合)はcを表している。上記表1より明らかなように、X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°である各実施例4〜15の複合酸化物は、0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ、0.05≦b+c≦0.50、即ち、0.5≦1−(b+c)≦0.95の条件のいづれをも満たしていることが分かる。
【0031】
(6)比較例1
まず、硫酸ニッケル水溶液を撹拌槽内に充填した後、この撹拌槽を回転させて撹拌しながら、この水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加して、水溶液のpHを調製した。この撹拌により、水酸化ニッケルを得た。ついで、水酸化ニッケルと水酸化リチウムとを、リチウムとニッケルとのモル比がそれぞれ1:1となるようにそれぞれ調製して混合した後、750℃の酸素雰囲気で20時間熱処理して、粒状塊を得た。この後、この粒状塊を粉砕して、組成式LiNiO2(比較例1)で示されるリチウム−ニッケル複合酸化物からなる正極活物質を得た。
【0032】
(7)比較例2
まず、硫酸ニッケル水溶液のニッケルのモル比と、硫酸マンガン水溶液のマンガンのモル比を50:50に調製した混合水溶液を用意する。ついで、この混合水溶液を撹拌槽内に充填した後、この撹拌槽を回転させて撹拌しながら、混合水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加して、混合水溶液のpHを調製した。この撹拌により、水酸化ニッケルのニッケル元素の一部をマンガン元素により置換された構造を有する、組成式Ni0.50Mn0.50(OH)2で示されるニッケル−マンガン複合水酸化物を得た。
【0033】
ついで、このニッケル−マンガン複合水酸化物と水酸化リチウム(LiOH)とを、リチウムとニッケル−マンガンとのモル比がそれぞれ1:1となるようにそれぞれ調製して混合した後、750℃の酸素雰囲気で20時間熱処理して、粒状塊を得た。この後、この粒状塊を粉砕して、組成式LiNi0.50Mn0.50O2(比較例2)で示されるリチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物からなる正極活物質を得た。
【0034】
(8)比較例3,4
まず、硫酸ニッケル水溶液のニッケルのモル比と、硫酸マンガン水溶液のマンガンのモル比と、硫酸アルミニウム水溶液のアルミニウムのモル比を92:3:5および45:50:5に調製した2種類の混合水溶液を用意する。ついで、これらの混合水溶液を上述した参考例1〜3と同様にして撹拌して、水酸化ニッケルのニッケル元素の一部をマンガン元素およびアルミニウムにより置換された構造を有する、組成式Ni0.92Mn0.03Al0.05(OH)2およびNi0.45Mn0.50Al0.05(OH)2で示される2種類のニッケル−マンガン−アルミニウム複合水酸化物をそれぞれ得た。
【0035】
ついで、リチウムとニッケル−マンガン−アルミニウムとのモル比がそれぞれ1:1となるようにそれぞれ調製して混合した後、上述した参考例1〜3と同様にして熱処理および粉砕して、組成式LiNi0.92Mn0.03Al0.05O2(比較例3)およびLiNi0.45Mn0.50Al0.05O2(比較例4)で示される2種類のリチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物からなる正極活物質を得た。
【0036】
(9)比較例5
まず、硫酸ニッケル水溶液のニッケルのモル比と、硫酸アルミニウム水溶液のアルミニウムのモル比を90:10に調製した混合水溶液を用意する。ついで、これらの混合水溶液を上述した参考例1〜3と同様にして撹拌して、水酸化ニッケルのニッケル元素の一部をアルミニウムにより置換された構造を有する、組成式Ni0.90Al0.10(OH)2で示されるニッケル−アルミニウム複合水酸化物をそれぞれ得た。ついで、リチウムとニッケル−アルミニウムとのモル比がそれぞれ1:1となるようにそれぞれ調製して混合した後、上述した参考例1〜3と同様にして熱処理および粉砕して、組成式LiNi0.90Al0.10O2(比較例5)で示されるリチウム−ニッケル−アルミニウム複合酸化物からなる正極活物質を得た。
【0037】
(10)比較例6〜7
まず、硫酸ニッケル水溶液のニッケルのモル比と、硫酸マンガン水溶液のマンガンのモル比と、硫酸アルミニウム水溶液のアルミニウムのモル比を87:3:10、45:45:10に調製した2種類の混合水溶液を用意する。ついで、これらの混合水溶液を上述した参考例1〜3と同様にして撹拌して、水酸化ニッケルのニッケル元素の一部をマンガン元素およびアルミニウム元素により置換された構造を有する、組成式Ni0.87Mn0.03Al0.10(OH)2およびNi0.45Mn0.45Al0.10(OH)2で示される2種類のニッケル−マンガン−アルミニウム複合水酸化物をそれぞれ得た。
【0038】
ついで、リチウムとニッケル−マンガン−アルミニウムとのモル比がそれぞれ1:1となるようにそれぞれ調製して混合した後、上述した参考例1〜3と同様にして熱処理および粉砕して、組成式LiNi0.87Mn0.03Al0.10O2(比較例6)およびLiNi0.45Mn0.45Al0.10O2(比較例7)で示される2種類のリチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物からなる正極活物質を得た。
【0039】
(11)比較例8〜9
まず、硫酸ニッケル水溶液のニッケルのモル比と、硫酸マンガン水溶液のマンガンのモル比と、硫酸アルミニウム水溶液のアルミニウムのモル比を67:3:30、45:25:30に調製した2種類の混合水溶液を用意する。ついで、これらの混合水溶液を上述した参考例1〜3と同様にして撹拌して、水酸化ニッケルのニッケル元素の一部をマンガン元素およびアルミニウム元素により置換された構造を有する、組成式Ni0.67Mn0.03Al0.30(OH)2およびNi0.45Mn0.25Al0.30(OH)2で示される2種類のニッケル−マンガン−アルミニウム複合水酸化物をそれぞれ得た。
【0040】
ついで、リチウムとニッケル−マンガン−アルミニウムとのモル比がそれぞれ1:1となるようにそれぞれ調製して混合した後、上述した参考例1〜3と同様にして熱処理および粉砕して、組成式LiNi0.67Mn0.03Al0.30O2(比較例8)およびLiNi0.45Mn0.25Al0.30O2(比較例9)で示される2種類のリチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物からなる正極活物質を得た。
【0041】
(12)比較例10〜11
まず、硫酸ニッケル水溶液のニッケルのモル比と、硫酸マンガン水溶液のマンガンのモル比と、硫酸アルミニウム水溶液のアルミニウムのモル比を57:3:40、45:15:40に調製した2種類の混合水溶液を用意する。ついで、これらの混合水溶液を上述した参考例1〜3と同様にして撹拌して、水酸化ニッケルのニッケル元素の一部をマンガン元素およびアルミニウム元素により置換された構造を有する、組成式Ni0.57Mn0.03Al0.40(OH)2およびNi0.45Mn0.15Al0.40(OH)2で示される2種類のニッケル−マンガン−アルミニウム複合水酸化物をそれぞれ得た。
【0042】
ついで、リチウムとニッケル−マンガン−アルミニウムとのモル比がそれぞれ1:1となるようにそれぞれ調製して混合した後、上述した参考例1〜3と同様にして熱処理および粉砕して、組成式LiNi0.57Mn0.03Al0.40O2(比較例10)およびLiNi0.45Mn0.15Al0.40O2(比較例11)で示される2種類のリチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物からなる正極活物質を得た。
【0043】
(13)比較例12〜13
まず、硫酸ニッケル水溶液のニッケルのモル比と、硫酸マンガン水溶液のマンガンのモル比と、硫酸アルミニウム水溶液のアルミニウムのモル比を52:3:45、45:10:45に調製した2種類の混合水溶液を用意する。ついで、これらの混合水溶液を上述した参考例1〜3と同様にして撹拌して、水酸化ニッケルのニッケル元素の一部をマンガン元素およびアルミニウム元素により置換された構造を有する、組成式Ni0.52Mn0.03Al0.45(OH)2およびNi0.45Mn0.10Al0.45(OH)2で示される2種類のニッケル−マンガン−アルミニウム複合水酸化物をそれぞれ得た。
【0044】
ついで、リチウムとニッケル−マンガン−アルミニウムとのモル比がそれぞれ1:1となるようにそれぞれ調製して混合した後、上述した参考例1〜3と同様にして熱処理および粉砕して、組成式LiNi0.52Mn0.03Al0.45O2(比較例12)およびLiNi0.45Mn0.10Al0.45O2(比較例13)で示される2種類のリチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物からなる正極活物質を得た。
【0045】
(14)比較例14〜15
まず、硫酸ニッケル水溶液のニッケルのモル比と、硫酸マンガン水溶液のマンガンのモル比と、硫酸アルミニウム水溶液のアルミニウムのモル比を47:3:50、45:5:50に調製した2種類の混合水溶液を用意する。ついで、これらの混合水溶液を上述した参考例1〜3と同様にして撹拌して、水酸化ニッケルのニッケル元素の一部をマンガン元素およびアルミニウム元素により置換された構造を有する、組成式Ni0.47Mn0.03Al0.50(OH)2およびNi0.45Mn0.05Al0.50(OH)2で示される2種類のニッケル−マンガン−アルミニウム複合水酸化物をそれぞれ得た。
【0046】
ついで、リチウムとニッケル−マンガン−アルミニウムとのモル比がそれぞれ1:1となるようにそれぞれ調製して混合した後、上述した参考例1〜3と同様にして熱処理および粉砕して、組成式LiNi0.47Mn0.03Al0.50O2(比較例14)およびLiNi0.4 5Mn0.05Al0.50O2(比較例15)で示される2種類のリチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物からなる正極活物質を得た。
【0047】
(15)比較例16〜21
水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)、硝酸アルミニウム(Al(NO3)3)および二酸化マンガン(MnO2)の各元素Li,Ni,Mn,Alのモル比がそれぞれ100:90:10:0、100:70:30:0、100:70:20:10、100:50:40:10、100:50:20:30、100:40:20:40となるように調製した。これらを乳鉢において混合した後、上述した参考例1〜3と同様にして熱処理および粉砕して、組成式LiNi0.90Mn0.10O2(比較例16)、LiNi0.70Mn0.30O2(比較例17)、LiNi0.70Mn0.20Al0.10O2(比較例18)、LiNi0.50Mn0.40Al0.10O2(比較例19)、LiNi0.50Mn0.20Al0.30O2(比較例20)、LiNi0.40Mn0.20Al0.40O2(比較例21)で示される2種類のリチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物および4種類のリチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物からなる正極活物質を得た。
【0048】
上述のようにして作製した比較例1〜比較例21の各正極活物質を順次粉末X線回折測定装置内に配置し、X線源としてCu−Kαとスリット幅が1μmのスリットを用いて、各正極活物質にCu−Kαを照射角θで照射して2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅を測定すると、下記の表2に示すような結果となった。また、2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの強度I1を測定するとともに、2θ=44.54±0.25°の範囲に存在するピークの強度I2を測定した後、ピークの強度比I1/I2を求めると、下記の表2に示すような結果となった。
【0049】
【表2】
【0050】
なお、上記表2において、各元素のモル比においてLiは組成式LiaMnbMcNi1-(b+c)O2におけるaを表し、Niは1−(b+c)を表し、Mnはbを表し、Al(MがAlの場合)はcを表している。上記表2より明らかなように、各比較例1〜15および比較例21の複合酸化物は、0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ、0.05≦b+c≦0.50、即ち、0.5≦1−(b+c)≦0.95の条件のいずれかを満たしていないことが分かる。各比較例16〜20は、X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°でないことが分かる。
【0051】
2.複合酸化物正極の作製
上述のようにして作製された参考例1‐3及び実施例4〜15の正極活物質および比較例1〜21の正極活物質とを用意し、これらの各正極活物質の粉末90重量部と、人造黒鉛粉末5重量部と、ポリフッ化ビニリデン5重量部のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液とを混合して参考例1‐3及び実施例4〜15の正極活物質スラリーおよび各比較例1〜21の正極活物質スラリーを調製する。これらの各正極活物質スラリーを、それぞれアルミニウム箔からなる正極集電体の両面にドクターブレード法により塗布して、正極活物質層を形成した後、150℃で2時間真空乾燥して、参考例1‐3及び実施例4〜15の正極および比較例1〜21の正極をそれぞれ作製した。
【0052】
3.負極の作製
リチウムイオンを挿入・脱離し得る負極活物質(例えば、天然黒鉛)95重量部と、ポリフッ化ビニリデン5重量部のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液とを混合して負極活物質スラリーを調製する。この負極活物質スラリーを銅箔からなる負極集電体の両面にドクターブレード法により塗布して、負極活物質層を形成した後、150℃で2時間真空乾燥して負極を作製した。なお、負極活物質としては、リチウムイオンを挿入・脱離し得るカーボン系材料、例えば、グラファイト、カーボンブラック、コークス、ガラス状炭素、炭素繊維、またはこれらの焼成体等が好適である。また、酸化錫、酸化チタン等のリチウムイオンを挿入・脱離し得る酸化物を用いてもよい。
【0053】
4.リチウム二次試験電池の作製
上述のようにして作製した参考例1‐3及び実施例4〜15の正極板および比較例1〜21の正極板にリードを取り付けるとともに、上述のようにして作製された負極板にリードを取り付け、これらの各正・負極板をポリプロピレン製のセパレータを介して渦巻状に巻回して各渦巻状電極体とする。
【0054】
これらの各渦巻状電極体をそれぞれの電池外装缶(例えば、AAサイズ)に挿入した後、各リードを正極端子あるいは負極端子に接続する。この外装缶内にエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等容積混合溶媒に電解質塩として1モル/リットルの六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を添加した電解液を注入した後、封口して定格容量580mAHの参考例1‐3及び実施例4〜15の試験電池および比較例1〜21の試験電池を構成する。なお、電池の形状は薄型であっても、角形であっても、円筒型であってもどのような形状でも良いし、そのサイズについても特に制限はない。
【0055】
なお、混合溶媒としては、上述したエチレンカーボネート(EC)にジエチルカーボネート(DEC)を混合したもの以外に、水素イオンを供給する能力のない非プロトン性溶媒を使用し、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)を混合したものを用いることができる。また、電解質としては、上述したLiPF6以外に、LiBF4、LiClO4、LiN(SO2C2F5)2に代表されるイミド塩等を使用することができる。
【0056】
5.試験
(1)充放電サイクル試験
上述のようにして作製した参考例1‐3及び実施例4〜15の各電池および比較例1〜21の各電池を、室温(25℃)の雰囲気で200mAの充電電流で4.2Vになるまで定電流充電した後、200mAの放電電流で2.75Vになるまで定電流放電させるという工程を1サイクルとする充放電サイクル試験を繰り返して行った。このような充放電サイクルを繰り返して、放電容量が初期放電容量の90%を下回るまでのサイクル数求めた。この結果を下記の表3(参考例1〜3および実施例4〜15の各電池)及び表4(比較例1〜21の各電池)に示す。
【0057】
(2)負荷特性試験
上述のようにして作製した参考例1‐3及び実施例4〜15の各電池および比較例1〜21の各電池を、室温(25℃)の雰囲気で200mAの充電電流で4.2Vになるまで定電流充電した後、200mAの放電電流で2.75Vになるまで定電流放電させ、このときの放電容量(AmAh)を求めた。一方、室温(25℃)の雰囲気で200mAの充電電流で4.2Vになるまで定電流充電した後、400mAの放電電流で2.75Vになるまで定電流放電させ、このときの放電容量(BmAh)を求めた。このときの放電容量比B/Aを負荷特性として算出すると、下記の表3(参考例1‐3及び実施例4〜15の各電池)及び表4(比較例1〜21の各電池)に示すような結果となった。
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
上記表3と表4の比較から明らかなように、組成式LiaMnbMcNi1-(b+c)O2で表され、0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ、0.05≦b+c≦0.50、即ち、0.5≦1−(b+c)≦0.95の条件のいずれをも満たしているとともに、X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°である実施例4〜15の複合酸化物は、上記条件のいずれかを満たしていない各比較例1〜21の複合酸化物よりもサイクル特性および負荷特性が優れていることが分かる。
【0061】
これは、Li−Ni複合酸化物のNiの一部がMnおよびAlによって均一に置換されることにより、結晶構造が強化されたためと考えられる。
また、実施例15の複合酸化物と、実施例4〜14の複合酸化物を比較すると、実施例4〜14の複合酸化物を用いた方がより優れたサイクル特性および負荷特性を有することが分かる。これは、Ni、Mn以外の元素(Al)を適度に複合化させることにより、Ni、Mn、Alの均一性がより高まったためと考えられる。
【0062】
6.添加元素の検討(実施例16〜25)
上述した例においては、Li−Ni複合酸化物のNiの一部をMnおよびAlで置換する例について説明したが、Al以外の元素についても検討した。この場合、複合酸化物を作製するための原料として、硫酸ニッケルと硫酸マンガンと、下記の表5に示す化合物を用いて、上述した実施例における硫酸アルミニウムを用いた場合と同様に作製して、実施例16〜25の複合酸化物とした。
【0063】
【表5】
【0064】
ついで、上述のよう作製した実施例16〜25の各複合酸化物を用いて、上述と同様に各複合酸化物正極を作製し、これらの各複合酸化物正極と、上述と同様な負極と、セパレータと、上述と同様な電解液を用いて定格容量580mAHの実施例16〜25の各電池を構成した。これらの実施例16〜25の各電池を上述と同様な充放電サイクル試験および負荷特性試験を行うと、上記表5に示すような結果となった。
【0065】
なお、上記表5より明らかなように、実施例16〜25の各複合酸化物は、X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°の範囲にあり、また、0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ、0.05≦b+c≦0.50、即ち、0.5≦1−(b+c)≦0.95の条件のいづれをも満たしていることが分かる。
【0066】
そして、表4の比較例1〜21の複合酸化物と、上記表5の実施例16〜25の複合酸化物を比較すると、実施例16〜25の複合酸化物の方が比較例1〜21の複合酸化物よりサイクル特性および負荷特性の両方とも優れていることが分かる。このことから、Al以外の元素として、B,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Ti等の元素から選択して用いても良いことが分かる。
ただし、表3の実施例8の複合酸化物と、表5の実施例16〜25の複合酸化物を比較すると、実施例8の複合酸化物を用いた方がサイクル特性および負荷特性の両方とも優れていることが分かる。このことから、Alの複合化の方が、Ni,Mnの均一性に対してより効果が高いということができる。
【0067】
7.ピーク比の検討
上述した参考例1‐3及び実施例4〜15の複合酸化物および実施例16〜25の複合酸化物を作製する際に、酸素雰囲気下で750℃で20時間焼成する熱処理を行ったが、この焼成温度によるピーク比の変化について検討した。
【0068】
(1)実施例26〜28
実施例8と同様の複合水酸化物と水酸化リチウムの混合物を酸素雰囲気下で800℃で20時間焼成する熱処理を行ったものを実施例26の複合酸化物とし、同様に850℃で20時間焼成する熱処理を行ったものを実施例27の複合酸化物とし、同様に900℃で20時間焼成する熱処理を行ったものを実施例28の複合酸化物とした。
【0069】
(2)実施例29〜31
実施例24と同様の複合水酸化物と水酸化リチウムの混合物を酸素雰囲気下で770℃で20時間焼成する熱処理を行ったものを実施例29の複合酸化物とし、同様に790℃で20時間焼成する熱処理を行ったものを実施例30の複合酸化物とし、同様に810℃で20時間焼成する熱処理を行ったものを実施例31の複合酸化物とした。
【0070】
ついで、上述のよう作製した実施例26〜31の各複合酸化物を用いて、上述と同様に各複合酸化物正極を作製し、これらの各複合酸化物正極と、上述と同様な負極と、セパレータと、上述と同様な電解液を用いて定格容量580mAHの実施例26〜31の各電池を構成した。これらの実施例26〜31の各電池を上述と同様な充放電サイクル試験および負荷特性試験を行うと、下記の表6に示すような結果となった。
【0071】
【表6】
【0072】
上記表6より、ピークの強度比が0.8以上である実施例8の複合酸化物および実施例26,27,29,30の複合酸化物と、ピークの強度比が0.8未満である実施例28,31の複合酸化物とを比較すると、X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°で0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ、0.05≦b+c≦0.50、即ち、0.5≦1−(b+c)≦0.95である複合酸化物であってもサイクル特性および負荷特性が低減することが分かる。これは、ピークの強度比が0.8未満であると、Li2Ni8O10などの不純物が生成し、これが結晶構造に悪影響を及ぼしたためと考えられる。このことから、ピークの強度比が0.8以上の複合酸化物を用いることが好ましい。
【0073】
以上に述べたように、X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°である組成式LiaMnbMcNi1-(b+c)O2(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素であり、0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ0.5≦1−(b+c)≦0.95)で表されるリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物は、結晶構造が強化されるため、サイクル特性および負荷特性が向上した正極活物質となる。したがって、この活物質を用いた正極のサイクル特性および負荷特性が向上するとともに、この正極を用いたリチウム二次電池のサイクル特性および負荷特性が向上する。
【0074】
なお、上述した実施の形態においては、まず、共沈工程により、硫酸ニッケルと硫酸マンガンと硫酸アルミニウム(なお、硫酸アルミニウムに代えて、B,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiを含む化合物を用いてもよい)とからなる混合水溶液を撹拌して、混合水溶液のpHを変化させて複合水酸化物を沈殿させる。ついで、この沈殿した複合水酸化物と水酸化リチウムを熱処理して複合酸化物を生成させる例について説明した。しかしながら、これに限ることなく、例えば、ニッケル化合物を溶解させた水溶液とマンガン化合物を溶解させた水溶液とM化合物(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)を溶解させた水溶液との混合水溶液を蒸発乾燥させて、各化合物の極微粒子からなる複合原料を得た後、この複合原料と水酸化リチウムを熱処理して複合酸化物を生成させるようにしてもよい。
Claims (24)
- リチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な物質を正極活物質とするリチウム二次電池用正極活物質であって、
X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°である組成式LiaMnbMcNi1-(b+c)O2(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素であり、0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ0.5≦1−(b+c)≦0.95)で表されるリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を備えたことを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。 - 前記組成式中のMをAlとしたことを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
- 前記粉末X線回折測定において、2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの強度をI1とし、2θ=44.54±0.25°の範囲に存在するピークの強度をI2とした場合の強度比I1/I2の値が0.8以上の前記リチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を用いたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
- リチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な物質を正極活物質とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法であって、
ニッケル化合物を溶解させた水溶液とマンガン化合物を溶解させた水溶液とM化合物(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)を溶解させた水溶液との混合水溶液のpHを変化させて複合水酸化物を沈殿させる共沈工程にて、リチウム−ニッケル複合酸化物のニッケル原子の一部をMn及び他の元素M(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)と均一に置換する置換工程を備え、
X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°となる組成式LiaMnbMcNi1-(b+c)O2(但し、Mは前記元素、0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ0.5≦1−(b+c)≦0.95)で表されるリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を形成するようにしたことを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。 - リチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な物質を正極活物質とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法であって、
ニッケル化合物を溶解させた水溶液とマンガン化合物を溶解させた水溶液とM化合物(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)を溶解させた水溶液との混合水溶液を蒸発乾燥させて前記各化合物の極微粒子からなる複合原料を得る蒸発乾燥工程にて、リチウム−ニッケル複合酸化物のニッケル原子の一部をMn及び他の元素M(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)と均一に置換する置換工程を備え、
X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°となる組成式LiaMnbMcNi1-(b+c)O2(但し、Mは前記元素、0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ0.5≦1−(b+c)≦0.95)で表されるリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を形成するようにしたことを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。 - 前記共沈工程の後、または前記蒸発乾燥工程の後、
前記共沈された複合水酸化物または前記乾燥された極微粒子からなる複合原料と、リチウム化合物との混合物を酸素雰囲気中で熱処理して複合酸化物とする熱処理工程と、
前記複合酸化物を粉砕して粉末とする粉砕工程とを備えるようにしたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。 - 前記組成式中のMをAlとしたことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記粉末X線回折測定において、2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの強度をI1とし、2θ=44.54±0.25°の範囲に存在するピークの強度をI2とした場合の強度比I1/I2の値が0.8以上の前記リチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を形成するようにしたことを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
- 少なくともリチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な正極活物質と炭素材料と結着剤とを有するリチウム二次電池用正極であって、
X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°である組成式LiaMnbMcNi1-(b+c)O2(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素であり、0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ0.5≦1−(b+c)≦0.95)で表されるリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を前記正極活物質とし、
この正極活物質に少なくとも炭素材料と結着剤とを混合して備えたことを特徴とするリチウム二次電池用正極。 - 前記組成式中のMをAlとしたことを特徴とする請求項9に記載のリチウム二次電池用正極。
- 前記粉末X線回折測定において、2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの強度をI1とし、2θ=44.54±0.25°の範囲に存在するピークの強度をI2とした場合の強度比I1/I2の値が0.8以上の前記リチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を用いるようにしたことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のリチウム二次電池用正極。
- 少なくともリチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な正極活物質と炭素材料と結着剤とからなるスラリーを集電体に塗着して形成するリチウム二次電池用正極の製造方法であって、
ニッケル化合物を溶解させた水溶液とマンガン化合物を溶解させた水溶液とM化合物(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)を溶解させた水溶液との混合水溶液のpHを変化させて複合水酸化物を沈殿させる共沈工程にて、リチウム−ニッケル複合酸化物のニッケル原子の一部をMn及び他の元素M(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)と均一に置換する置換工程を備え、
この置換工程により、X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°となる組成式LiaMnbMcNi1-(b+c)O2(但し、Mは前記元素、0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ0.5≦1−(b+c)≦0.95)で表されるリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を形成して前記正極活物質とし、
この正極活物質に少なくとも炭素材料と結着剤とを添加混合してスラリーを形成し、このスラリーを集電体に塗着するようにしたことを特徴とするリチウム二次電池用正極の製造方法。 - 少なくともリチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な正極活物質と炭素材料と結着剤とからなるスラリーを集電体に塗着して形成するリチウム二次電池用正極の製造方法であって、
ニッケル化合物を溶解させた水溶液とマンガン化合物を溶解させた水溶液とM化合物(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)を溶解させた水溶液との混合水溶液を蒸発乾燥させて前記各化合物の極微粒子からなる複合原料を得る蒸発乾燥工程にて、リチウム−ニッケル複合酸化物のニッケル原子の一部をMn及び他の元素M(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)と均一に置換する置換工程を備え、
この置換工程により、X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°となる組成式LiaMnbMcNi1-(b+c)O2(但し、Mは前記元素、0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ0.5≦1−(b+c)≦0.95)で表されるリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を形成して前記正極活物質とし、
この正極活物質に少なくとも炭素材料と結着剤とを添加混合してスラリーを形成し、このスラリーを集電体に塗着するようにしたことを特徴とするリチウム二次電池用正極の製造方法。 - 前記共沈工程の後、または前記蒸発乾燥工程の後、
前記共沈された複合水酸化物または前記乾燥された極微粒子からなる複合原料と、リチウム化合物との混合物を酸素雰囲気中で熱処理して複合酸化物とする熱処理工程と、
前記複合酸化物を粉砕して粉末とする粉砕工程とを備えるようにしたことを特徴とする請求項12又は請求項13に記載のリチウム二次電池用正極の製造方法。 - 前記組成式中のMをAlとしたことを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極の製造方法。
- 前記X線回折測定において、2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの強度をI1とし、2θ=44.54±0.25°の範囲に存在するピークの強度をI2とした場合の強度比I1/I2の値が0.8以上のリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を形成して前記正極活物質としたことを特徴とする請求項12から請求項15のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極の製造方法。
- 少なくともリチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な正極活物質と炭素材料と結着剤とを有する正極と、リチウム金属またはリチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な負極と、これら両極を隔離するセパレータと、非水電解液とを備えたリチウム二次電池であって、
X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°である組成式LiaMnbMcNi1-(b+c)O2(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素であり、0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ0.5≦1−(b+c)≦0.95)で表されるリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を前記正極活物質とし、
この正極活物質に少なくとも炭素材料と結着剤とが混合された正極と、リチウム金属、リチウム合金またはリチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な負極と、これら両極を隔離するセパレータと、非水電解液とを備えたことを特徴とするリチウム二次電池。 - 前記組成式中のMをAlとしたことを特徴とする請求項17に記載のリチウム二次電池。
- 前記X線回折測定において、2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの強度をI1とし、2θ=44.54±0.25°の範囲に存在するピークの強度をI2とした場合の強度比I1/I2の値が0.8以上の前記リチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を前記正極活物質として選択して用いたことを特徴とする請求項17または請求項18に記載のリチウム二次電池。
- 少なくともリチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な正極活物質と炭素材料と結着剤とを有する正極と、リチウム金属、リチウム合金またはリチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な負極と、これら両極を隔離するセパレータと、非水電解液とを備えたリチウム二次電池の製造方法であって、
ニッケル化合物を溶解させた水溶液とマンガン化合物を溶解させた水溶液とM化合物(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)を溶解させた水溶液との混合水溶液のpHを変化させて複合水酸化物を沈殿させる共沈工程にて、リチウム−ニッケル複合酸化物のニッケル原子の一部をMn及び他の元素M(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)と均一に置換する置換工程を備え、
この置換工程により、X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°となる組成式LiaMnbMcNi1-(b+c)O2(但し、Mは前記元素、0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ0.5≦1−(b+c)≦0.95)で表されるリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を形成して前記正極活物質とし、
この正極活物質に少なくとも炭素材料と結着剤とを添加混合してスラリーを形成し、このスラリーを集電体に塗着して前記正極を形成する正極形成工程と、
前記正極形成工程により形成された正極を前記セパレータを介在させて前記リチウム金属、リチウム合金またはリチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な負極とを重ね合わせて電池缶に挿入した後、この電池缶内に非水電解液を充填して形成することを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。 - 少なくともリチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な正極活物質と炭素材料と結着剤とを有する正極と、リチウム金属、リチウム合金またはリチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な負極と、これら両極を隔離するセパレータと、非水電解液とを備えたリチウム二次電池の製造方法であって、
ニッケル化合物を溶解させた水溶液とマンガン化合物を溶解させた水溶液とM化合物(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)を溶解させた水溶液との混合水溶液を蒸発乾燥させて前記各化合物の極微粒子からなる複合原料を得る蒸発乾燥工程にて、リチウム−ニッケル複合酸化物のニッケル原子の一部をMn及び他の元素M(但し、MはB,Al,Fe,V,Cr,Cu,Ga,Ca,Mg,Sr,Tiから選択される1種の元素)と均一に置換する置換工程を備え、
この置換工程により、X線源としてCu−Kαを用いた粉末X線回折測定における2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの半値幅が0.15°〜0.22°となる組成式LiaMnbMcNi1-(b+c)O2(但し、Mは前記元素、0<a<1.2、0.05≦b≦0.45、0.05≦c≦0.45かつ0.5≦1−(b+c)≦0.95)で表されるリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を形成して前記正極活物質とし、
この正極活物質に少なくとも炭素材料と結着剤とを添加混合してスラリーを形成し、このスラリーを集電体に塗着して前記正極を形成する正極形成工程と、
前記正極形成工程により形成された正極を前記セパレータを介在させて前記リチウム金属、リチウム合金またはリチウムを電気化学的に吸蔵・放出することが可能な負極とを重ね合わせて電池缶に挿入した後、この電池缶内に非水電解液を充填して形成することを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。 - 前記共沈工程の後、または前記蒸発乾燥工程の後、
前記共沈された複合水酸化物または前記乾燥された極微粒子からなる複合原料と、リチウム化合物との混合物を酸素雰囲気中で熱処理して複合酸化物とする熱処理工程と、
前記複合酸化物を粉砕して粉末とする粉砕工程とを備えるようにしたことを特徴とする請求項20又は請求項21に記載のリチウム二次電池の製造方法。 - 前記組成式中のMをAlとしたことを特徴とする請求項20から請求項 22のいずれか1項に記載のリチウム二次電池の製造方法。
- 前記X線回折測定において、2θ=18.71±0.25°の範囲に存在するピークの強度をI1とし、2θ=44.54±0.25°の範囲に存在するピークの強度をI2とした場合の強度比I1/I2の値が0.8以上の前記リチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物を形成するようにしたことを特徴とする請求項
20から請求項23のいずれか 1 項に記載のリチウム二次電池の製造方法。
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