JP2008109845A - モータ制御装置、原稿読取装置およびモータ制御方法 - Google Patents

モータ制御装置、原稿読取装置およびモータ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】適切な初期Dutyでモータを駆動させることにより、読み取り画質の向上を図ること。
【解決手段】搬送対象物の動き出しを開始させることができる初期電力をモータに印加して前記モータの回転を開始させる制御部と、前記モータの回転に応じて出力される信号に基づいて前記搬送対象物の位置を求める位置演算部であって、目標位置に前記搬送対象物を移動させるように前記モータが制御された後の前記搬送対象物の位置を求める位置演算部と、前記目標位置と求めた前記搬送対象物の位置との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用する前記初期電力を補正する補正部と、を備えるモータ制御装置を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、モータ制御装置、原稿読取装置およびモータ制御方法に関するものである。
従来からDC(直流)モータ、ステッピングモータなどの様々なモータが、スキャナ、プリンタなどの装置に使用されている。例えば、プリンタでは、紙送り用モータ、印刷ヘッドを搭載したキャリッジを搬送するモータなどが設けられている(例えば特許文献1参照)。
特開2001−219613号公報
上記の装置などにおいて、モータを極めて低い速度で回転させたいという要求がある。例えば、スキャナにおいては、キャリッジ搬送用モータを極めて低い速度(極低速)で回転させ、キャリッジに搭載されたイメージセンサの読み取り位置を極めて低い速度で移動させることで、読み取り解像度を高くすることができるからである。
ところで、かかる極低速でのモータの駆動を実現するために、モータに印加する電圧を、例えばエンコーダ等が出力する出力信号の検出の度に低下させる状態で駆動させる手法の採用が検討されている。ところが、かかる手法で、モータが停止している状態から動き出させる場合、動き出しの初期のDutyが問題となる。
つまり、初期Dutyが、上述の極低速制御には適合しない高い状態である場合、モータは目標とする停止位置で停止できずに、行き過ぎてしまう(停止位置のオーバーが生じてしまう。)。このとき、イメージセンサは、本来の目標位置で原稿を読み取らずに、目標位置を所定だけ行き過ぎた位置で、原稿の読み取りを行う。その場合、いわゆるジャギーと呼ばれる現象が目立ってしまう。
また、これとは逆に、初期Dutyが、上述の極低速制御に対して低すぎる場合、モータは、目標とする時間内に、目標位置まで到達できない(モータを駆動する駆動時間がオーバーしてしまう。)。その場合、イメージセンサには、目標位置に到達するまで、いわゆる暗電流が蓄積されてしまい、イメージセンサにおいて、電荷の蓄積時間が余分にオーバーする状態となる(電荷オーバーの状態が生じる。)。その場合、イメージセンサが読み取る前後において、色むらの変化が生じてしまう。
そのため、原稿の読み取り画質を向上させるためには、モータを適切な初期Dutyで駆動させることが求められている。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、適切な初期Dutyでモータを駆動させることにより、読み取り画質の向上を図ることが可能なモータ制御装置、原稿読取装置およびモータ制御方法を提供しよう、とするものである。
上記目的を達成するための主たる発明は、
搬送対象物の動き出しを開始させることができる初期電力をモータに印加して前記モータの回転を開始させる制御部と、
前記モータの回転に応じて出力される信号に基づいて前記搬送対象物の位置を求める位置演算部であって、目標位置に前記搬送対象物を移動させるように前記モータが制御された後の前記搬送対象物の位置を求める位置演算部と、
前記目標位置と求めた前記搬送対象物の位置との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用する前記初期電力を補正する補正部と、
を備えるモータ制御装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
搬送対象物の動き出しを開始させることができる初期電力をモータに印加して前記モータの回転を開始させる制御部と、
前記モータの回転に応じて出力される信号に基づいて前記搬送対象物の位置を求める位置演算部であって、目標位置に前記搬送対象物を移動させるように前記モータが制御された後の前記搬送対象物の位置を求める位置演算部と、
前記目標位置と求めた前記搬送対象物の位置との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用する前記初期電力を補正する補正部と、
を備えるモータ制御装置。
このように構成する場合、目標位置と求められた搬送対象物の位置との差に応じて、次回に搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用される初期電力が補正される。そのため、例えば、搬送対象物の位置が、目標位置に対して、所定量以上超えて、行き過ぎる状態(位置オーバー状態)にある場合、当該位置オーバー状態を解消するように、初期電力を補正することが可能となる。また、初期電力に補正を行って、当該初期電力の適正化を図ることにより、原稿の読み取り画質を向上させることが可能となる。
かかるモータ制御装置において、前記初期電力は、印加してもなお前記搬送対象物を動き出させることができない電力である待機電力に、前記搬送対象物の動き出しを開始させるための起動電力を加算した電力であり、前記補正部は、求められた前記搬送対象物の位置が前記目標位置を超えているとき、前記次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用される前記待機電力を減ずることで前記初期電力の補正を行うことが望ましい。
このように構成する場合、待機電力の補正により、当該待機電力が減じられる。そのため、位置オーバー状態にある場合、当該待機電力を減じることにより、その位置オーバーの分量を小さくすることが可能となり、位置オーバー状態の解消を図ることが可能となる。
また、前記補正部は、前記求められた前記搬送対象物の位置が前記目標位置を超えている量に応じて前記待機電力を減じさせる量を変化させることが望ましい。
このように構成する場合には、搬送対象物の位置が目標位置を超えている程度に応じて、待機電力を減じさせる程度が変化させられるので、モータの初期の駆動における位置オーバー状態を効果的に解消可能となる。
また、前記待機電力は、補正前の待機電力に相当する規定のホールド値に対して、所定の倍率を乗算することにより決定されると共に、この倍率は分数形式で表現可能であり、前記補正部は、上記分数形式の分子を減じることにより、前記待機電力を減じさせることが望ましい。
このように構成する場合、所定の倍率の分子を減ずることにより、モータの初期の駆動における位置オーバー状態を、効果的に、かつ微調整により解消可能となる。
かかるモータ制御装置は、さらに、目標位置に搬送対象物を移動させるようにモータが制御されるときにおいて、前記搬送対象物を前記目標位置に移動させるまでの前記モータの駆動時間を計測する時間計測部を備え、前記補正部は、さらに、前記搬送対象物を前記目標位置に移動させるときの目標駆動時間と求めた前記駆動時間との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用する前記初期電力を補正することが望ましい。
このように構成する場合、目標駆動時間とモータの実際の駆動時間との差に応じて、次回に搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用される初期電力が補正される。そのため、例えば、モータの駆動時間が目標駆動時間を所定時間だけ超えて、モータの動き出しが悪い(遅い)場合、その動き出しの悪さを解消するように、初期電力を補正することが可能となる。また、初期電力に補正を行って、当該初期の電力の適正化を図ることにより、いわゆる暗電流が蓄積されるという不具合を解消することが可能となる。そして、原稿読み取りの画質を向上させることが可能となる。
また、前記位置演算部は、前記出力される信号の立ち上がりの変化と立ち下がりの変化に基づいて前記モータの搬送対象物の位置を求めることが望ましい。
このように構成する場合、出力信号におけるハイレベルおよびローレベルの間のエッジを検出する度に、搬送量を高精度に算出することが可能となる。
搬送対象物の動き出しを開始させることができる初期電力をモータに印加して前記モータの回転を開始させる制御部と、
目標位置に搬送対象物を移動させるようにモータが制御されるときにおいて、前記搬送対象物を前記目標位置に移動させるまでの前記モータの駆動時間を計測する時間計測部と、
前記搬送対象物を前記目標位置に移動させるときの目標駆動時間と求めた前記駆動時間との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用する前記初期電力を補正する補正部と、
を備えるモータ制御装置。
このように構成する場合、目標駆動時間とモータの実際の駆動時間との差に応じて、次回に搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用される初期電力が補正される。そのため、例えば、モータの駆動時間が目標駆動時間を所定時間だけ超えて、モータの動き出しが悪い(遅い)場合、その動き出しの悪さを解消するように、初期電力を補正することが可能となる。また、初期電力に補正を行って、当該初期の電力の適正化を図ることにより、いわゆる暗電流が蓄積されるという不具合を解消することが可能となる。そして、原稿読み取りの画質を向上させることが可能となる。
また、前記モータは、DCモータであることが望ましい。このように構成した場合には、ステッピングモータを用いる場合等よりも、騒音の発生を低減させることが可能となる。
さらに、上述の各発明に関わるモータ制御装置を備え、かつモータ制御装置により制御されるモータと、モータにより原稿読取位置を移動させられる搬送対象物と、を備えることが望ましい。
このように構成する場合には、原稿読取装置において、モータの初期の駆動において行き過ぎる状態(位置オーバー状態)を効果的に解消可能となる。また、モータの初期の駆動において、駆動時間が長くなり過ぎるといった、動き出しの悪さを解消することが可能となる。そのため、いわゆるジャギー、または色むら等の不具合を解消することが可能となる。
搬送対象物の動き出しを開始させることができる初期電力をモータに印加して前記モータの回転を開始させるステップと、
目標位置に前記搬送対象物を移動させるように前記モータが制御された後の前記搬送対象物の位置を求めるステップと、
前記目標位置と求めた前記搬送対象物の位置との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用する初期電力を補正するステップと、
を含むモータ制御方法。
このように構成する場合、目標位置と求められた搬送対象物の位置との差に応じて、次回に搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用される初期電力が補正される。そのため、例えば、搬送対象物の位置が、目標位置に対して、所定量以上超えて、行き過ぎる状態(位置オーバー状態)にある場合、当該位置オーバー状態を解消するように、初期電力を補正することが可能となる。また、初期電力に補正を行って、当該初期電力の適正化を図ることにより、原稿の読み取り画質を向上させることが可能となる。
搬送対象物の動き出しを開始させることができる初期電力をモータに印加して前記モータの回転を開始させるステップと、
搬送対象物を目標位置に移動させるまでの前記モータの駆動時間を計測するステップと、
前記搬送対象物を前記目標位置に移動させるときの目標駆動時間と求めた前記駆動時間との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用する前記初期電力を補正するステップと、
を含むモータ制御方法。
このように構成する場合、目標駆動時間とモータの実際の駆動時間との差に応じて、次回に搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用される初期電力が補正される。そのため、例えば、モータの駆動時間が目標駆動時間を所定時間だけ超えて、モータの動き出しが悪い(遅い)場合、その動き出しの悪さを解消するように、初期電力を補正することが可能となる。また、初期電力に補正を行って、当該初期の電力の適正化を図ることにより、いわゆる暗電流が蓄積されるという不具合を解消することが可能となる。そして、原稿読み取りの画質を向上させることが可能となる。
モータ制御装置を動作させるためのプログラムであって、
搬送対象物の動き出しを開始させることができる初期電力をモータに印加して前記モータの回転を開始させるステップと、
目標位置に前記搬送対象物を移動させるように前記モータが制御された後の前記搬送対象物の位置を求めるステップと、
前記目標位置と求めた前記搬送対象物の位置との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用する初期電力を補正するステップと、
を前記モータ制御装置に行わせるプログラム。
このように構成する場合、目標位置と求められた搬送対象物の位置との差に応じて、次回に搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用される初期電力が補正される。そのため、例えば、搬送対象物の位置が、目標位置に対して、所定量以上超えて、行き過ぎる状態(位置オーバー状態)にある場合、当該位置オーバー状態を解消するように、初期電力を補正することが可能となる。また、初期電力に補正を行って、当該初期電力の適正化を図ることにより、原稿の読み取り画質を向上させることが可能となる。
モータ制御装置を動作させるためのプログラムであって、
搬送対象物の動き出しを開始させることができる初期電力をモータに印加して前記モータの回転を開始させるステップと、
前記搬送対象物を目標位置に移動させるまでの前記モータの駆動時間を計測するステップと、
前記搬送対象物を前記目標位置に移動させるときの目標駆動時間と求めた前記駆動時間との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用する前記初期電力を補正するステップと、
を前記モータ制御装置に行わせるプログラム。
このように構成する場合、目標駆動時間とモータの実際の駆動時間との差に応じて、次回に搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用される初期電力が補正される。そのため、例えば、モータの駆動時間が目標駆動時間を所定時間だけ超えて、モータの動き出しが悪い(遅い)場合、その動き出しの悪さを解消するように、初期電力を補正することが可能となる。また、初期電力に補正を行って、当該初期の電力の適正化を図ることにより、いわゆる暗電流が蓄積されるという不具合を解消することが可能となる。そして、原稿読み取りの画質を向上させることが可能となる。
以下、一実施の形態について、図1から図10に基づいて説明する。
<全体の概略構成>
図1は、一実施の形態に係る原稿読取装置10の構成を示す図である。図1に示す原稿読取装置10は、透明なコンタクトガラス11に載置された原稿を、イメージセンサ20を走査して、コンタクトガラス11越しに読み取るフラットベッド型のスキャナである。
図1に示すイメージセンサ20は、CIS(Contact Image Sensor)方式のイメージセンサであり、長手方向である主走査方向に所定の画素密度で配列された受光素子(CCD:Charge Coupled Device )と、各受光素子に対応するレンズと、RGB3色のそれぞれの光を原稿に照射する露光ランプとを備える。各受光素子は、所定期間ごとに、原稿からの反射光を受光し、受光量に応じた電荷を生成し蓄積し、電気信号として出力する。
また、被搬送物としてのキャリッジ30には、イメージセンサ20が固定され、ガイドレール31に沿って主走査方向とは垂直の副走査方向に移動可能であり、環状のタイミングベルト40の一箇所に固定される。
また、モータ50は、イメージセンサ20を副走査方向に沿って移動させる。本実施の形態では、モータ50はDCモータとされる。ウォームギア60はモータ50の軸51に固定され、平歯車70はウォームギア60と噛み合っている。さらに、プーリ71は、平歯車70と同一の軸に固定されており、平歯車70と同一の回転量で回転する。プーリ72は、回転自在に設置されており、タイミングベルト40は、適度な引張力が生じるようにしてプーリ71およびプーリ72の外側に配置されている。このような駆動系の構成により、モータ50は、ウォームギア60、平歯車70およびプーリ71を介して、タイミングベルト40に回転力を与え、タイミングベルト40をプーリ71およびプーリ72の周りで回転させることで、キャリッジ30を副走査方向に搬送する。
他方、円盤52は、周方向に所定の角度間隔で、径方向に沿って形成された所定数のスリットを有し、モータ50の軸51に対して垂直に、かつ中心にて軸51に固定され、軸51の回転とともに回転する。
また、フォトインタラプタ80は、発光ダイオード81とフォトダイオード82とを有し、発光ダイオード81から出射した光のうち、円盤52のスリットを通過した光をフォトダイオード82で受光し、受光量に応じた電気信号を出力する。つまり、フォトインタラプタ80の出力信号(ENC信号)は、円盤52のスリットを光が通過したときだけハイレベルとなり、円盤52のスリット以外の部分で光が遮断されたときにはローレベルとなる。従って、モータ50が回転する場合、ENC信号はパルス状となり、モータ50の回転角度または回転数に比例した数のパルスを有する。このため、フォトインタラプタ80の出力信号のパルス数を計測することで、モータ50の回転量を得ることができる。
なお、本実施の形態では、フォトインタラプタ80は、2組の発光ダイオード81とフォトダイオード82とを有し、位置検出手段の一部に対応する。2つのフォトダイオード82は、それぞれのENC信号の位相差が所定の角度(例えば90度)となるように配置される。また、円盤52およびフォトインタラプタ80により、ロータリエンコーダが構成される。
また、制御回路100は、フォトインタラプタ80からの信号に基づいてイメージセンサ20、モータ50の動作を制御して読み取り動作を実行するとともに、読み取り動作により得られた画像データを出力する回路である。なお、制御回路100は、パーソナルコンピュータなどの外部装置、装置内外に設けられた記憶装置(メモリカード、ハードディスクドライブなど)へその画像データを出力する。
また、制御回路100は、位置検出手段の一部(主として位置演算部122)、停止位置判定手段(主として判断部111の停止位置判定機能111a)、駆動時間計測手段(主としてタイマカウント機能111c)、駆動時間判定手段(主として判断部111の駆動時間判定機能111b)、初期電力補正手段(主として上述の停止位置判定機能111a、駆動時間判定機能111bおよびDuty計算部112)、電力印加制御手段(主としてDuty計算部112、モータ制御部125等)に対応する。
図2は、図1における制御回路100の構成を示すブロック図である。制御回路100は、CPU(Central Processing Unit )101、メモリ102、インタフェース103、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)104、バス105、タイマ106、RC回路107およびモータドライバ108を有する。
CPU101は、メモリ102に格納されている制御プログラムに従って動作する。メモリ102はRAMおよびROMを有し、ROMには制御プログラムが予め記憶されている。CPU101が制御プログラムを実行することにより、スキャナ制御部110、判断部111、およびDuty計算部112が実現される。
また、メモリ102には、目標情報テーブルおよび目標時間テーブルが記憶されている。これらのうち、目標情報テーブルには、副走査方向における各画素データの取得位置に関する情報(位置情報テーブル)が記憶されている。なお、この情報(位置テーブル)は、原稿読み取りの解像度に応じて、ただ一つに定められる。また、副走査方向の一端側から他端側までの全体に亘り、原稿読み取りの解像度は変化しないため、各画素データの取得ピッチは、等しくなっている。また、このメモリ102には、目標時間情報が記憶されている。この目標時間情報は、原稿読み取りの解像度に応じた、当該原稿読み取りの目標時間である。
また、スキャナ制御部110は、外部装置との通信、原稿読取動作の開始、図示せぬ操作部への利用者の操作に応じた制御などを行う。
また、判断部111には、タイマ106からタイマ割り込み信号、位置演算部122から位置情報に関する信号(位置検出信号)、周期演算部123から周期情報に関する信号(周期検出信号)、およびENC割込み信号出力部124からENC割り込み信号が入力される。
この判断部111には、停止位置判定機能111a、駆動時間判定機能111b及びタイマカウント機能111cが設けられている。これらのうち、停止位置判定機能111aは、位置情報テーブルに存在する目標位置情報(前回の目標位置;新たな(今度の)目標位置ではなく、キャリッジ30が現在停止している場合に、その停止位置に対して本来目標としていた(前回の)目標停止位置)と、キャリッジ30の現在の位置(現在位置に対応;なお、ほとんどの場合は、キャリッジ30が停止している停止位置)とを比較する。そして、キャリッジ30の現在位置と、上述の目標位置との差分(エッジ数n)を算出する。そして、この差分のエッジ数nが、所定量よりも大きいか否かを判断する。そして、この判断において、所定量よりも大きいと判断される場合、Duty計算部112に向けてホールドDuty倍率の補正指令を出力する。
なお、キャリッジ30の現在位置および目標位置は、ENC信号のエッジをカウントすることにより算出される。そのため、上述の差分のエッジ数nも、ENC信号のエッジ数の差分となる。また、所定量とは、補正を行わずとも許容可能なオーバーシュートの量(エッジ数)を指す。
また、駆動時間判定機能111bは、モータ50の駆動時間(駆動時間に対応)と、そのときの目標とする駆動時間(目標駆動時間)との大小を判断する。そして、この判断において、駆動時間が目標駆動時間よりも大きいと判断される場合、Duty計算部112に向けてホールドDuty倍率の補正指令を出力する。また、駆動時間に関する情報(駆動時間情報)も、Duty計算部112に向けて出力する。
また、タイマカウント機能111cは、タイマ106から発せられるタイマ割り込み信号をカウントすることにより、駆動時間を算出する。ここで、駆動時間とは、モータ50が原稿読み取りの1画素データに対応する1ステップ分の駆動を開始してから、その1ステップ分の読み取りが終了するまでの時間である。なお、読み取りが終了すると、モータ50は原則として停止するが、必ずしも停止するのみならず、慣性によって多少動き続ける場合もある。そして、算出された駆動時間は、上述の駆動時間判定機能111bへと出力される。また、本実施の形態における駆動時間とは、既に計測済みの駆動時間となる関係上、前回の読み取りの1ステップにおける駆動時間であり、目標時間とは、その前回の読み取りの1ステップにおいて目標とする時間である。
また、上述の判断部111では、ENC割り込み信号に基づいて、周期情報に関する周期T(計測周期に対応)と、後述する極低速制御(BS制御)における目標周期To (基準周期に対応)とを比較する。そして、判断部111では、周期Tが、目標周期To よりも小さい場合に、Duty比をホールド電流値(待機電力に対応)まで低下させる処理を行う。
なお、ホールド電流は、例えば起動時またはその他の所定のタイミングで、モータ50を駆動させ、その際、所定の回転速度となるときのDutyを計測する(メジャメントを行う)ことにより、決定される。かかるメジャメントを行う場合、所定の回転速度となるときのDutyを計測するのみならず、所定のDutyでモータ50を駆動させた場合の回転速度を計測するようにしても良い。
また、本実施の形態では、このメジャメントを行うことにより、ホールド電流が決定される。このホールド電流は、規定(固定値)のホールドDuty(規定のホールド値に対応)に対して、所定の倍率(ホールドDuty倍率)を乗算することにより決定される。なお、このホールドDuty倍率は、Y/Xで表されるが、このうちXは固定値であり、Yは変数である。そして、メジャメントの結果に応じて、このYが変動することにより、ホールド電流が決定される。
また、Duty計算部112は、スキャナ制御部110によって、後述する極低速制御(BS制御)の実行が指示された場合、極低速制御(BS制御)のための計算を実行する。また、極低速制御(BS制御)においては、Duty計算部112は、タイマ106からのタイマ割り込み信号を受信する度に、所定のDuty(ステップDuty)を加算する。
また、Duty計算部112では、停止位置判定機能111aから補正指令を受け取る。また、補正指令と共に、上述の停止位置判定機能111aから、上述の差分のエッジ数nに関する情報も受け取る。そして、このDuty計算部112では、この差分のエッジ数nに関する情報に基づいて、補正量Aを算出する。なお、この補正量Aは、後述する図7に示すように、差分のエッジ数nの大きさに応じて、決定される。
また、Duty計算部112では、駆動時間判定機能111bから補正指令を受け取る。また、この補正指令と共に、上述の駆動時間に関する情報(駆動時間情報)も受け取る。そして、このDuty計算部112では、この駆動時間情報に基づいて、補正量Bを算出する。
ここで、補正量Aおよび補正量Bの一例について、図7および図8に示す。図7に示すように、補正量Aは、差分のエッジ数nの大きさに応じて、段階的に変化するように設定されている。また、補正量Bも、駆動時間情報の大きさに応じて、段階的に変化するように設定されている。
また、インタフェース103は、外部装置とのデータ通信を行うUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェース回路や、装置内に設けられたメモリカードスロット等とのデータ通信を行うインタフェース回路を有する。ASIC104は、イメージセンサ制御部121、位置演算部122、周期演算部123、ENC割込み信号出力部124、およびモータ制御部125を有する。
このASIC104において、イメージセンサ制御部121は、イメージセンサ20を制御して、RGB各色についての読取動作を行わせ、各色について読み取った画像データを取得する。位置演算部122は、フォトダイオード82から出力されるENC信号のパルス数をカウントすることにより、キャリッジ30の現在位置を算出する。また、周期演算部123は、ENC信号のエッジ間の周期を計測し、この周期計測に基づいて、キャリッジ30の現在の速度を算出する。
また、ENC割込み信号出力部124は、フォトダイオード82からのENC信号を受信すると、このENC信号に基づくENC割り込み信号を、CPU101に向けて出力する。そして、CPU101に実現される判断部111では、このENC割り込み信号が受信されると、上述したような周期Tと目標周期To とを比較する等の処理を行う。なお、ENC割込み信号出力部124では、フォトダイオード82から出力される全てのエッジにおいて、ENC割り込み信号を出力する。すなわち、ENC割込み信号出力部124では、A相のENC信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジ、B相のENC信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジを検出する度に、ENC割り込み信号を出力する。
また、モータ制御部125は、CPU101(Duty計算部112)からの制御指令に基づいて、イメージセンサ制御部121から出力されるタイミングパルスに同期して、モータ50を制御するための制御信号を出力する。本実施の形態では、モータ制御部125は、モータ50の回転量に応じたデューティ比のPWM(Pulse Width Modulation)信号を出力する。
また、タイマ106は、不図示のクロック信号をカウントすることで計時する。そして、このカウントにより、予め設定されている時間に到達すると、CPU101に対して、タイマ割り込み信号を出力する。
また、RC回路107は、ローパスフィルタ回路であって、出力電圧を、入力されるPWM信号のデューティ比に応じた直流電圧にする回路である。図3は、図2におけるRC回路107の一例を示す回路図である。図3に示すように、このRC回路107は、抵抗R1および抵抗R2により分圧され、キャパシタCにより平滑化される回路となっている。本実施の形態では、RC回路107の出力電圧は、入力されるPWM信号のデューティ比に比例した電圧値となる。
また、モータドライバ108は、RC回路107を介してモータ制御部125から印加される電流値指令電圧Vrefの値に応じた電流をモータ50に導通させるドライバ回路である。本実施の形態では、電流値指令電圧Vrefの値に比例した電流がモータ50に導通する。
図4は、図2におけるモータドライバ108の一例を示す図である。スイッチング素子Q1〜Q4は、ブリッジ接続されており、それぞれスイッチング用のトランジスタであり、ダイオードD1〜D4は、スイッチング素子Q1〜Q4のコレクタ・エミッタ間(ゲート・ドレイン間)にそれぞれ設けられ、スイッチング素子Q1〜Q4を導通する電流とは逆方向に電流を導通させる回生用のダイオードである。抵抗Rdは、モータ50に流れる電流値を両端電圧として検出する微小抵抗である。ゲート回路131は、電流値指令電圧Vrefの値、および抵抗Rdの両端電圧から得られるモータ50の駆動電流の値に基づき、スイッチング素子Q1〜Q4のオン・オフ制御を行う回路である。なお、本実施の形態では、スイッチング素子Q1〜Q4は、それぞれP型のトランジスタであるが、N型のトランジスタを使用してもよい。その場合、抵抗Rdは電源VBB側に設けられる。
例えば、スイッチング素子Q1,Q4がオンでありスイッチング素子Q2,Q3がオフであると、電源電圧VBBがモータ50(および電流検出用の微小抵抗Rd)に印加され、順方向にモータ50が回転する。また、スイッチング素子Q2,Q3がオンでありスイッチング素子Q1,Q4がオフであると、電源電圧VBBが反転してモータ50(および電流検出用の微小抵抗Rd)に印加され、逆向きにモータ50が回転する。ゲート回路131は、スイッチング素子Q1,Q4がオンでありスイッチング素子Q2,Q3がオフである場合、モータ50の駆動電流が電流値指令電圧Vrefにより指定された値以上となったときに、スイッチング素子Q1を一定期間オフさせてモータドライバ108を回生動作させ、その後、スイッチング素子Q1をオンさせる。
この動作を繰り返すことで、モータ50の駆動電流は、電流値指令電圧Vrefにより指定された値にほぼ維持される。その場合、スイッチング素子Q2,Q3は、継続的にオフのままである。同様に、ゲート回路131は、スイッチング素子Q2,Q3がオンでありスイッチング素子Q1,Q4がオフである場合、モータ50の駆動電流が電流値指令電圧Vrefにより指定された値以上となったときに、スイッチング素子Q2を一定期間オフさせてモータドライバ108を回生動作させ、その後、スイッチング素子Q2をオンさせる。この動作を繰り返すことで、モータ50の駆動電流は、電流値指令電圧Vrefにより指定された値にほぼ維持される。その場合、スイッチング素子Q2,Q3は、継続的にオフのままである。
<モータの駆動制御について>
以上のような構成の原稿読取装置10において、モータ制御を行う場合について、図5の動作フロー等に基づいて、以下に説明する。
ユーザが、コンタクトガラス11に読み取り対象である原稿をセットすると共に、例えば原稿読取装置10の操作パネルでの操作により、高解像度での読み取りモードが設定されると、原稿読取装置10では、高解像度での読み取りモードに対応する極低速制御の起動が開始される。このとき、原稿読取装置10では、後述するオーバーシュート補正処理を実行する(S10)。なお、このオーバーシュート補正処理の詳細については、後述する図6に基づいて、説明する。
上述のオーバーシュート補正処理を終了した後、判断部111の指令により、モータ50には、加速のための通電が開始される(S11)。この加速のための通電開始により、極低速制御(BS制御)が開始される。また、この通電においては、判断部111からの指令により、Duty計算部112は、メモリ102から、前回のメジャメントによって得られているホールドDuty倍率を、固定値であるホールドDutyに対して乗算する。また、このホールドDutyに対して、所定の起動Dutyを加算する。そして、ホールドDutyと起動Dutyを合計したもの(初期Duty;なお、この初期Dutyは、初期の電力に対応)に相当する電流が、ASIC104およびドライバ108を介して、モータ50に印加される。
また、極低速制御(BS制御)における加速のための通電においては、モータ50を起動開始させて、例えばA相の立ち上がりエッジを検出後(このとき、CPU101には、ENC割り込み信号が入力される。)、同じA相の立ち下がりエッジを所定の個数(1つ以上)だけ検出するまで行う。
続いて、キャリッジ30の現在位置が、加速領域に存在しているか否かを判断する(S12)。この判断においては、所定の個数だけエッジを検出するか否かによって行う。そして、このS12の判断において、キャリッジ30の現在位置が、加速領域に存在していないと判断される場合(Noの場合)、続いて、上述のホールド電流まで電流を低下させる(S13)。このとき、ホールドDuty倍率は、メモリ102に記憶されている、メジャメントの結果等を反映した初期値を用いる。
また、ホールド電流までの低下後、判断部111では、次のENC割り込み信号が受信されたか否かを判断する(S14)。
なお、S12においてYesの場合(加速領域に存在する場合)、再びS11の前に戻り、処理を継続させる。
S14の判断において、ENC割り込み信号が受信されないと判断される場合(Noの場合)、続いて判断部111では、タイマ106からタイマ割り込み信号が受信されたか否かを判断する(S15)。この判断においてタイマ割り込み信号が受信されないと判断される場合(Noの場合)、上述のS14に戻る。
また、このS15において、タイマ割り込み信号が受信されたと判断される場合(Yesの場合)、Duty計算部112では、所定のDutyを加算する(S16)。ここで、加算される所定のDutyとは、ホールド電流に対して、段階的に加算されるDuty比のことであり、各段階で加算されるDuty比は等しくなっている。
なお、Duty比に対応する電圧は、図3に示すRC回路107を経ることにより、実際には所定の分圧および平滑化が為された電流(直流)に変換される。このとき、Duty比が段階的に加算されると、電流も段階的に加算される状態となる。また、タイマ106から発せられるタイマ割り込み信号は、ENC割込み信号出力部124から発せられるENC割り込み信号よりも小さな時間間隔で発せられる状態となっている。
上述のS14の判断において、ENC割り込み信号が受信されていると判断する場合(Yesの場合)、続いて、キャリッジ30が目標位置まで移動したか否か(ENC信号のカウント数が、目標となるカウント数に到達したか否か)の判断を行う(S17)。このS17の判断において、キャリッジ30が目標位置に到達したと判断される場合(Yesの場合)、続いてモータ50を停止させる(S18)。
また、このモータ50の停止の後に、モータ50の駆動時間を、不図示のレジスタまたはメモリ102等に記憶させる(S19)。なお、タイマカウント機能111cでカウントされるカウント数は、駆動時間に対応するため、この駆動時間をレジスタ等に記憶させる場合、上述のカウント数を記憶させるようにしても良い。
また、上述の駆動時間の記憶を行った後に、イメージセンサ20での電荷の蓄積が終了しているか否かを判断する(S20)。すなわち、モータ50が予定よりも速く回転している状態で、目標位置まで移動している場合、その目標位置に到達した状態では、イメージセンサ20での電荷の蓄積時間が不十分な状態となる。そのため、この場合には、イメージセンサ20での電荷の蓄積を、規定の蓄積時間に到達するまで継続させる(これが、S20においてNoの場合に対応)。なお、規定の蓄積時間に到達すると、モータ50の1ステップ分の動作が終了する。
また、上述のS17において、キャリッジ30が目標位置まで移動していないと判断される場合(Noの場合)、目標位置に向けて、キャリッジ30をさらに移動させる必要がある。そのため、この場合には、極低速制御を継続する。具体的なS17以後の処理としては、現在の周期Tが、目標周期To と比較して、小さいか否かを判断する(S21)。なお、周期は、速度の逆数であるため、この判断においては、現在の速度と目標速度を比較するようにしても良い。
このS21において、周期Tが目標速度To よりも小さいと判断される(Yesと判断される)と、間近の2つのエッジ間におけるキャリッジ30の速度は、目標とする速度よりも速い状態となる。そのため、この場合、Duty計算部112では、Duty比をホールド電流に対応するDuty比まで、低下させる処理(計算)を行う(S22)。そして、このS22の処理が終了した後に、再びS14に戻る。
また、S21の判断において、周期Tが目標速度To よりも大きいと判断される(Noと判断される)と、間近の2つのエッジ間におけるキャリッジ30の速度は、目標とする速度よりも遅い状態となる。この遅い状態で、S22のようにホールド電流に対応するDuty比まで、Duty比を下げたのでは、原稿読み取りのスループットが低下する原因となる。そこで、この場合(S21においてNoと判断される場合)には、S22の処理を行わず(ホールド電流まで電流を低下させず)に、再びS14に戻り、次のENC割り込み信号が受信されたか否かを判断する。以上の処理フローを実行するようにして、モータ50の極低速制御が為される。
<オーバーシュート補正処理の詳細>
続いて、上述のS10における、オーバーシュート補正処理の詳細について、図6に基づいて説明する。
このオーバーシュート補正処理においては、まず、停止位置判定機能111aは、キャリッジ30の現在の位置と、前回の目標位置との間の差分のエッジ数nを算出し、この差分のエッジ数nが、所定のオーバーシュート量に対して大きいか否かを判断する(S101)。
このS101の判断において、差分のエッジ数nが所定のオーバーシュート量よりも大きいと判断される場合(Yesの場合)、オーバーシュート量が許容範囲を超えて、補正が必要な状態に対応する。すなわち、キャリッジ30が目標位置を行き過ぎてしまっており、モータ50に印加される初期Duty(=ホールドDuty+起動Duty)相当の電流が大き過ぎると考えられる。そのため、S101においてYesの場合には、続いて、ホールドDuty倍率Y/Xのうち、Yの値に補正量Aを加算する(S102)。すなわち、Y1 =Y+Aとすると、新たなホールドDuty倍率は、Y1 /Xとなる。
なお、この補正量Aに関して、図7に基づいて説明する。図7に示すように、補正量Aは、オーバーシュート量であるENC信号のエッジ数nに応じて、決定される。すなわち、極低速制御のうち、解像度等に応じて例えばモード2を選択すると、エッジ数nがa2 以下である場合には、補正量Aは0である。しかしながら、エッジ数が、a2 <n≦a3 の範囲内にあるとき補正量Aは−1(このとき、Y1 =Y−1)、エッジ数が、a3 <n≦a4 の範囲内にあるとき補正量Aは−2(このとき、Y1 =Y−2)、エッジ数が、a4 <n≦a5 の範囲内にあるとき補正量Aは−3(このとき、Y1 =Y−3)、エッジ数が、a5 <nの範囲内にあるとき補正量Aは−4(このとき、Y1 =Y−4)となっている。
このように、エッジ数n(すなわちキャリッジ30の現在位置)が、目標位置に対して行き過ぎて、オーバーシュートの状態(位置オーバーの状態)にあるとき、補正量Aがマイナスの値をとる。そのため、当該補正量Aを加算して得られる新たなホールドDuty倍率は、加算前のホールドDuty倍率よりも小さくなる。このように、ホールドDuty倍率である、Y1 /Xが小さくなっていくと、それに応じて、初期Dutyも小さくなり、モータ50の駆動による位置オーバー状態を解消することが可能となる。
上述のS101の判断において、差分のエッジ数nが所定のオーバーシュート量よりも小さいと判断される場合(Noの場合)、またはS102の処理を経過した場合には、駆動時間判定機能111bは、続いて、駆動時間が目標駆動時間よりも大きくなっているか否かを判断する(S103)。
このS103の判断において、駆動時間が目標駆動時間よりも大きいと判断される場合(Yesの場合)、許容範囲の時間を超えて、補正が必要な状態に対応する。すなわち、キャリッジ30の移動が非常に遅くなっており、モータ50に印加される初期Duty(=ホールドDuty+起動Duty)相当の電流が小さ過ぎると考えられる。そのため、S103においてYesの場合には、続いて、ホールドDuty倍率Y/Xのうち、Yの値に補正量Bを加算する(S104)。この場合も、Y1 =Y+Bとすると、新たなホールドDuty倍率は、Y1 /Xとなる。
なお、この補正量Bに関して、図8に基づいて説明する。図8に示すように、補正量Bは、駆動時間tに応じて、決定される。すなわち、極低速制御のうち、解像度等に応じて例えばモード2を選択すると、駆動時間tがb2 以下である場合には、補正量Bは0である。しかしながら、エッジ数が、b2 <t≦b3 の範囲内にあるとき補正量Bは+1(このとき、Y1 =Y+1)、エッジ数が、b3 <t≦b4 の範囲内にあるとき補正量Bは+2(このとき、Y1 =Y+2)、エッジ数が、b4 <t≦b5 の範囲内にあるとき補正量Bは+3(このとき、Y1 =Y+3)、エッジ数が、b5 <tの範囲内にあるとき補正量Bは+4(このとき、Y1 =Y+4)となっている。
このように、駆動時間tが、目標時間よりも大きくなり、駆動時間オーバーの状態にあるとき、補正量Bがプラスの値をとる。そのため、当該補正量Bを加算して得られる新たなホールドDuty倍率は、加算前のホールドDuty倍率よりも大きくなる。このように、ホールドDuty倍率である、Y1 /Xが大きくなっていくと、それに応じて、初期Dutyも大きくなり、モータ50の駆動時間オーバーの状態を解消することが可能となる。
また、上述のS103の判断において、駆動時間tが目標駆動時間よりも小さいと判断される場合(Noの場合)、またはS104の処理を経過した場合には、タイマカウント機能111cは、駆動時間tのカウントをリセットすると共に、駆動時間tの計時を新たにスタートさせる(S105)。なお、このS105の処理を経ると、上述の図5に示すS11の処理を行う。
<実施形態のまとめ>
以下に、使用された用語について整理しつつ上述の実施形態のまとめを示す。
図11は、極低速制御の領域における各領域を説明するための図である。図には極低速制御を行う領域D0、加速領域D1、及び、加速領域後の領域D2が示されている。上述の実施形態では領域D0の前半の領域にステップS11〜S12において制御される加速領域D1があり、加速領域の終了後にステップS13〜S22において制御される領域D2がある。
また、図には、初期Duty、ホールドDuty、及び、起動Dutyが示されている。これら、初期Duty、ホールドDuty、及び、起動Dutyの間には次の関係がある。
初期Duty=ホールドDuty+起動Duty
初期Dutyは、初期電力に相当する。起動Dutyは、印加してもなお搬送対象物を動き出させることができないDuty値(ホールドDutyに対応)に対して加算することで搬送対象物の移動を開始させるための所定のDuty値である。
また、ホールドDutyは、ステップS102において、
ホールドDuty=規定のホールド値×(Y+A)/X
である。ホールドDutyは待機電力に相当する。規定のホールド値は、補正を行う前のホールドDutyである。尚、ホールドDutyを印加したときにモータに流れる電流がホールド電流値となる。
Xは所定の固定値である。Yは、メジャメントの結果により決まるモータ固有の値であり、Aは目標位置に対する実際の位置の偏差に応じて決まる補正値である。X及びYは固定値であるので、補正量AによってホールドDutyが決まることとなる。また、この補正量Aは、目標位置に対してキャリッジが行き過ぎた場合にマイナスの値が設定される。よって、キャリッジが行き過ぎた場合には、これに応じてホールドDutyも小さくなることとなり、次回の移動において初期Dutyを小さくするように補正して、位置オーバー状態を解消することができる。
また、ホールドDutyは、ステップS104において、
ホールドDuty=規定のホールド値×(Y+B)/X
である。ここでも、X及びYは固定値であるので、補正量BによってホールドDutyが決まることとなる。また、この補正量Bは、目標駆動時間に対して実際の駆動時間がオーバーの状態にあるときプラスの値が設定される。よって、実際の駆動時間が長く、キャリッジの移動速度が遅い場合には、これに応じてホールドDutyが大きくなることとなり、次回の移動において初期Dutyを大きくするように補正して、駆動時間のオーバー状態を解消することができる。
<加速領域後の領域について>
加速領域が終了すると、領域D2においてホールドDutyから段階的にDutyが加算される制御と、再度ホールドDutyに低下させられる制御とが繰り返される。ここで使用されるホールドDutyも前述のオーバーシュート補正処理において補正されたものである。
よって、キャリッジが行き過ぎた場合には、次回の移動においてホールドDutyが小さくなることとなるので、領域D2においても位置オーバー状態を解消するようなDutyで制御が行われることとなる。
また、実際の駆動時間が目標駆動時間に対して長く、キャリッジの移動速度が遅い場合には、次回の移動においてホールドDutyが大きくなることとなるので、領域D2においても駆動時間のオーバー状態を解消するようなDutyで制御が行われることとなる。
再度、図11を参照する。図には、実線で描かれたDutyと破線で描かれたDutyが示されている。実線で描かれたDutyは、次回の制御で用いられるDutyであり、破線で描かれたDutyは、今回のモータの制御で用いられたDutyである。ここでは、例えば、今回の制御で使用されたホールドDutyが小さかったため、結果としてキャリッジを目標駆動時間よりも遅く移動させてしまったとする。その結果、前述のオーバーシュート補正処理(S10)においてホールドDutyが高められる補正が行われ、次回のDutyが全体として高められることが示されている。
<メジャメントについて>
モータには、個体差があり、また、モータが移動させるキャリッジなどの搬送対象物についても個体差がある。そのため、例えばモータに同じ電流を流すことによってキャリッジを移動させる場合であっても、キャリッジを移動させるときの加速度、及び、速度にはスキャナの固体間に微少な差を生じてしまう。これは、搬送対象物の有する質量が固体間で異なっていたり、搬送対象物が移動するときに生ずる摩擦力などが固体間で異なっているためである。そうすると、モータに同じデューティを与えた場合であっても、固体間では異なる速度でキャリッジが移動することとなる。
しかしながら、初期Dutyがそれぞれのモータに印加されたとき、それぞれのモータが移動させるキャリッジは同じ加速度で動き出し、所定時間後に同じ速度となっていることが望ましい。ここでは、規定のホールド値に対するYの値を個々のスキャナによって異ならせるようにしてホールドDutyを補正することで初期Dutyを補正することとしている(よって、ホールドDuty、及び、初期Dutyは固体間で異なる値となる)。そして、初期Dutyが各スキャナのモータに印加されたとき、ほぼ同じ加速度で動き出しを開始し、所定時間後にほぼ同じ速度になるようにしている。
このようなYの値を求めるために、個々のスキャナについて、いくつかのDutyに対するキャリッジの移動速度を求めておく。そして、これらの関係に基づいて規定のホールド値を補正してホールドDutyを求めるためのYの値を求めるメジャメントを行うようにしている。
<加速領域について>
上述の実施形態では、キャリッジを所定の位置に精度良く移動させて停止させるために、前述の極低速制御が行われる。そして、キャリッジを遅い速度で移動させることによって、所定の位置に精度良く移動させやすくしている。
極低速制御で移動させる距離のうち、前半の所定の距離の移動を加速領域としている(S11〜S12)。そして、残りの距離の移動をステップS13以降の制御で行うこととしている。これは、キャリッジの移動を加速領域D1において開始させ、目標位置までの移動の微調整を領域D2において行うようにしているのである。仮に、目標位置までの全ての移動について加速領域なしで移動させるとすると、目標位置までの移動が遅くなりすぎる場合がある。その一方で、全てを加速領域だけで移動させることとすると、キャリッジが目標位置に対して行き過ぎてしまう。よって、これら両者をバランス良く用いることとし、さらに、前述の手法によって初期Duty等を補正することによって、キャリッジの移動精度を高めることとしているのである。
<本実施形態による効果>
上述のような構成の原稿読取装置10によると、停止位置判定機能111aにより、現在位置が目標位置を所定量だけ超えていると判定される場合、CPU101では、モータ50に印加される初期Dutyが補正される。そして、補正後の初期Dutyが、モータ50に印加される。そのため、現在位置が、目標位置に対して、所定量以上超えて、行き過ぎる状態(位置オーバー状態)にある場合、当該位置オーバー状態を解消するように、初期Dutyが補正される。また、初期Dutyの補正を行って、当該初期Dutyの適正化を図ることにより、いわゆるジャギーと呼ばれる現象を解消可能となる。それにより、原稿の読み取り画質を向上させることが可能となる。
かかる行き過ぎる状態(位置オーバー状態)の解消に関して、図9に示す。図9には、折れ線にて、停止位置(エッジ数)が示されていると共に、横方向の直線にて、初期Dutyが示されている。また、この図9においては、初期Dutyの補正を行わない境界(図7におけるエッジ数nでは、nがa2 である場合が境界に対応)が、エッジ数で12となっている。この図9に示すように、初期Dutyが高い段階(位置が初めの段階)では、位置オーバーが顕著に生じている。しかしながら、本実施形態を適用して、初期Dutyの補正を行い、当該初期Dutyを低下させた状態では、位置オーバーは、境界を超えずに、補正の必要がほとんど生じない状態となっている。
このようにすることにより、初期Dutyが高くなり勝ちな、モノクロ原稿の読み取りに際して、モータ50の初期Dutyを抑えて、適切に駆動させることが可能となる。
さらに、本実施形態では、駆動時間判定機能111bにより、モータ50の駆動時間が目標駆動時間を所定時間だけ超えていると判定される場合、CPU101では、モータ50に印加される初期Dutyが補正される。そして、補正後の初期Dutyが、モータ50に印加される。そのため、モータ50の駆動時間が、目標駆動時間に対して、所定時間以上超えて、モータ50の動き出しが悪い(遅い)場合、その動き出しの悪さを解消するように、初期Dutyを補正することが可能となる。また、初期Dutyに補正を行って、当該初期Dutyの適正化を図ることにより、いわゆる暗電流が蓄積されるという不具合(電荷オーバーが生じるという不具合)を解消することが可能となる。
これらのことを総合すると、本実施形態では、モータ50の動き出しが大き過ぎることによる、位置オーバーが生じて、いわゆるジャギーが生じるのを防止可能となると共に、モータ50が遅くて動き出しが悪いことによる、色むら等が生じるのを防止可能となる。それにより、原稿の読み取り画質を一層向上させることが可能となっている。
なお、動き出しの悪い状態(駆動時間にオーバーシュートが生じている、駆動時間オーバーの状態)の解消に関して、図10に示す。図10には、折れ線にて、駆動時間オーバー(動作時間)が示されていると共に、横方向の直線にて、初期Dutyが示されている。また、この図10においては、初期Dutyの補正を行わない境界(図8における駆動時間tでは、tがb2 である場合が境界に対応)が、動作時間で10000(μs)となっている。この図10に示すように、初期Dutyが高い段階(位置が初めの段階)では、駆動時間のオーバーが顕著に生じている。しかしながら、本実施形態を適用して、初期Dutyの補正を行い、当該初期Dutyを低下させた状態では、駆動時間のオーバーは、境界を超えずに、補正の必要がほとんど生じない状態となっている。
また、本実施の形態では、初期Dutyのうち、ホールドDutyについて補正を行っている。このため、キャリッジ30の現在位置および駆動時間のいずれかがオーバーシュート状態にある場合、当該ホールドDutyを減じることにより、位置オーバーの分量を小さくし、その解消を図ることが可能となる。ここで、本実施形態では、図7に示すように、初期Dutyの補正は、現在位置が目標位置を越えている程度(エッジ数)に応じて、減じさせる程度を段階的に変化させている。そのため、位置オーバーに応じて、ホールドDutyを減じさせる程度を段階的に変化させて、位置オーバー状態を効果的に解消可能となる。
さらに、本実施の形態では、ホールド電流は、規定のホールド値に対して、所定のホールドDuty倍率であるY/Xを乗算することにより決定される。そのため、このホールドDuty倍率における分子Yを減ずることにより、モータ50の初期の駆動における位置オーバー状態を、効果的に、かつ微調整により解消可能となる。
また、本実施の形態では、位置演算部122でENC信号のエッジをカウントすることにより、モータ50によるキャリッジ30の移動量(搬送量)を高精度に算出することが可能となる。
また、本実施の形態では、モータ50は、DCモータである。このため、ステッピングモータを用いる場合等よりも、騒音の発生を低減させることが可能となる。
以上、一実施の形態について述べたが、上述の技術は、種々変形可能である。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態では、モータ50として、DCモータを用いる場合について説明している。しかしながら、モータは、DCモータには限られず、例えばモータの騒音がさほど問題とならない場合には、ステッピングモータを用いるようにしても良い。また、同期モータなどのAC(交流)モータとしても良い。
また、上述の実施の形態では、制御回路100は、CPU101と、ASIC104とを備えている。しかしながら、制御回路100としては、ASICのみでモータ50の制御を司るように構成しても良く、また、これら以外に種々の周辺機器が組み込まれた1チップマイコン等を組み合わせて、制御回路100を構成するようにしても良い。また、制御回路100は、位置検出手段の一部、計時手段、電力加算制御手段、待ち時間計測手段、加算値増大手段にそれぞれ対応しているが、これら各手段を実現するために、それぞれ専用の回路を具備する構成を採用しても良い。
さらに、上述の実施の形態では、ステップDutyを、所定の増加定数を乗算するか、または一定の増加分を加算する手法を採用して、増大させている。しかしながら、ステップDutyの増大は、これらには限られず、例えば二次曲線を示す関数等、一定の関数に沿って増大させるようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、初期Dutyとして、ホールドDuty倍率であるY/Xの分子Yを変更する場合について説明している。しかしながら、ホールドDuty倍率の変更は、これには限られない。例えば、ホールドDutyではなく、上述の実施の形態における起動Dutyを補正するようにして、位置オーバーおよび駆動時間のオーバーの状態の解消を図るようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、補正量Aおよび補正量Bは、図7および図8に示されるように、段階的に変化している。しかしながら、これら補正量Aおよび補正量Bは、段階的に変化する場合には限られず、例えば所定の計算式により、連続的に変化する態様を採用しても良い。
また、上述の実施の形態においては、図5のS22についてENC割り込み信号が入力された時点のDuty比に所定の比率(0〜1)の倍率を乗算して低下させてもよい。また、上述の実施の形態における原稿読取装置10は、プリンタ機能等を備える構成(プリンタ、コピー機等)のような、複合的な機器の一部であっても良い。
一実施の形態に係る原稿読取装置の概略構成を示す図である。 制御回路の構成を示すブロック図である。 図2におけるRC回路の一例を示す回路図である。 図2におけるモータドライバの一例を示す図である。 モータ駆動開始時の動作フローを示す図である。 図5のオーバーシュート補正処理の詳細を示す動作フローである。 補正量Aの一態様を示す図である。 補正量Bの一態様を示す図である。 位置オーバー状態の解消に関して説明する図である。 駆動時間のオーバー状態の解消に関して説明する図である。 極低速制御の領域における各領域を説明するための図である。
符号の説明
10…原稿読取装置、20…イメージセンサ、30…キャリッジ(被搬送物に対応)、50…モータ、80…フォトインタラプタ(位置検出手段の一部に対応)、100…制御回路(位置検出手段の一部、停止位置判定手段、駆動時間計測手段、駆動時間判定手段、初期電力補正手段の一部、電力印加制御手段の一部に対応)、101…CPU、104…ASIC、106…タイマ、111…判断部、111a…停止位置判定機能(停止位置判定手段、初期電力補正手段の一部に対応)、111b…駆動時間判定機能(駆動時間判定手段、初期電力補正手段の一部に対応)、111c…タイマカウント機能(駆動時間計測手段に対応)、112…Duty計算部(初期電力補正手段の一部に対応)、121…イメージセンサ制御部、122…位置演算部(位置検出手段の一部に対応)、123…周期演算部、124…ENC割込み信号出力部、125…モータ制御部

Claims (13)

  1. 搬送対象物の動き出しを開始させることができる初期電力をモータに印加して前記モータの回転を開始させる制御部と、
    前記モータの回転に応じて出力される信号に基づいて前記搬送対象物の位置を求める位置演算部であって、目標位置に前記搬送対象物を移動させるように前記モータが制御された後の前記搬送対象物の位置を求める位置演算部と、
    前記目標位置と求めた前記搬送対象物の位置との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用する前記初期電力を補正する補正部と、
    を備えるモータ制御装置。
  2. 前記初期電力は、印加してもなお前記搬送対象物を動き出させることができない電力である待機電力に、前記搬送対象物の動き出しを開始させるための起動電力を加算した電力であり、
    前記補正部は、求められた前記搬送対象物の位置が前記目標位置を超えているとき、前記次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用される前記待機電力を減ずることで前記初期電力の補正を行う、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記補正部は、前記求められた前記搬送対象物の位置が前記目標位置を超えている量に応じて前記待機電力を減じさせる量を変化させる、請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記待機電力は、補正前の待機電力に相当する規定のホールド値に対して、所定の倍率を乗算することにより決定されると共に、この倍率は分数形式で表現可能であり、
    前記補正部は、前記分数形式の分子を減じることにより、前記待機電力を減じさせる、請求項3記載のモータ制御装置。
  5. さらに、目標位置に搬送対象物を移動させるようにモータが制御されるときにおいて、前記搬送対象物を前記目標位置に移動させるまでの前記モータの駆動時間を計測する時間計測部を備え、
    前記補正部は、さらに、前記搬送対象物を前記目標位置に移動させるときの目標駆動時間と求めた前記駆動時間との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用する前記初期電力を補正する、請求項1〜4のいずれかに記載のモータ制御装置。
  6. 前記位置演算部は、前記出力される信号の立ち上がりの変化と立ち下がりの変化に基づいて前記モータの搬送対象物の位置を求める、請求項1〜5のいずれかに記載の制御装置。
  7. 搬送対象物の動き出しを開始させることができる初期電力をモータに印加して前記モータの回転を開始させる制御部と、
    目標位置に搬送対象物を移動させるようにモータが制御されるときにおいて、前記搬送対象物を前記目標位置に移動させるまでの前記モータの駆動時間を計測する時間計測部と、
    前記搬送対象物を前記目標位置に移動させるときの目標駆動時間と求められた前記駆動時間との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用される前記初期電力を補正する補正部と、
    を備えるモータ制御装置。
  8. 前記モータは、DCモータである請求項1〜7のいずれかに記載のモータ制御装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のモータ制御装置と、
    前記モータ制御装置により制御されるモータと、
    上記モータにより原稿読取位置を移動させられる被搬送物と、
    を備える原稿読取装置。
  10. 搬送対象物の動き出しを開始させることができる初期電力をモータに印加して前記モータの回転を開始させるステップと、
    目標位置に前記搬送対象物を移動させるように前記モータが制御された後の前記搬送対象物の位置を求めるステップと、
    前記目標位置と求めた前記搬送対象物の位置との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用する初期電力を補正するステップと、
    を含むモータ制御方法。
  11. 搬送対象物の動き出しを開始させることができる初期電力をモータに印加して前記モータの回転を開始させるステップと、
    前記搬送対象物を目標位置に移動させるまでの前記モータの駆動時間を計測するステップと、
    前記搬送対象物を前記目標位置に移動させるときの目標駆動時間と求めた前記駆動時間との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用する前記初期電力を補正するステップと、
    を含むモータ制御方法。
  12. モータ制御装置を動作させるためのプログラムであって、
    搬送対象物の動き出しを開始させることができる初期電力をモータに印加して前記モータの回転を開始させるステップと、
    目標位置に前記搬送対象物を移動させるように前記モータが制御された後の前記搬送対象物の位置を求めるステップと、
    前記目標位置と求めた前記搬送対象物の位置との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用する初期電力を補正するステップと、
    を前記モータ制御装置に行わせるプログラム。
  13. モータ制御装置を動作させるためのプログラムであって、
    搬送対象物の動き出しを開始させることができる初期電力をモータに印加して前記モータの回転を開始させるステップと、
    前記搬送対象物を目標位置に移動させるまでの前記モータの駆動時間を計測するステップと、
    前記搬送対象物を前記目標位置に移動させるときの目標駆動時間と求めた前記駆動時間との差に応じて、次回に前記搬送対象物の移動を開始させるときにおいて使用する前記初期電力を補正するステップと、
    を前記モータ制御装置に行わせるプログラム。
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