JP2008109097A - 光起電力素子用材料および光起電力素子 - Google Patents

光起電力素子用材料および光起電力素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2008109097A
JP2008109097A JP2007232350A JP2007232350A JP2008109097A JP 2008109097 A JP2008109097 A JP 2008109097A JP 2007232350 A JP2007232350 A JP 2007232350A JP 2007232350 A JP2007232350 A JP 2007232350A JP 2008109097 A JP2008109097 A JP 2008109097A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit voltage
open circuit
metal complex
electron
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007232350A
Other languages
English (en)
Inventor
Daisuke Kitazawa
大輔 北澤
Jun Tsukamoto
遵 塚本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2007232350A priority Critical patent/JP2008109097A/ja
Publication of JP2008109097A publication Critical patent/JP2008109097A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Abstract

【課題】開放電圧(Voc)の高い光起電力素子を提供する。
【解決手段】(a)ピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体、および(b)電子供与性有機材料を含む光起電力素子用材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、光起電力素子用材料、および、これを用いた光起電力素子に関する。
太陽電池は環境に優しい電気エネルギー源として、現在深刻さを増すエネルギー問題に対して有力なエネルギー源と注目されている。現在、太陽電池の光起電力素子の半導体素材としては単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、化合物半導体などの無機物が使用されている。しかし、無機半導体を用いて製造される太陽電池は、火力発電や原子力発電などの発電方式と比べてコストが高いために、一般家庭に広く普及するには至っていない。コスト高の要因は主として、真空かつ高温下で半導体薄膜を製造するというプロセスにある。そこで、製造プロセスの簡略化が期待される半導体素材として、共役系重合体や有機結晶などの有機半導体や有機色素を用いた有機太陽電池が検討されている。
しかし、共役系重合体に代表される有機太陽電池では、従来の無機半導体と比べて光電変換効率が低いことが最大の課題であり、まだ実用化には至っていない。従来の有機太陽電池の光電変換効率が低いのは、主として入射光によって生成された電子と正孔が分離しにくいエキシトンという束縛状態が形成されることと、キャリア(電子、正孔)を捕獲するトラップが形成されやすいため生成したキャリアがトラップに捕獲されやすく、キャリアの移動度が遅いことによる。すなわち、半導体素材には一般にその素材が有するキャリアに高い移動度μが要求されるが、共役系重合体では従来の無機結晶半導体やアモルファスシリコンと比べて移動度μが低いという課題がある。
このため、生成した電子と正孔をエキシトンからうまく分離する手段と、共役系重合体の非晶領域や共役系重合体鎖間でのキャリアの散乱やトラップによるキャリアの捕捉を抑制して移動度を向上できる手段を見出すことが、有機半導体素材による太陽電池を実用化するための鍵となる。
これまでの有機半導体による光電変換素子は、現在のところ一般的に次のような素子構成に分類することができる。電子供与性有機材料(p型有機半導体)と仕事関数の小さい金属を接合させるショットキー型、電子受容性有機材料(n型有機半導体)と電子供与性有機材料(p型有機半導体)を接合させるヘテロ接合型などである。これらの素子は、接合部の有機層(数分子層程度)のみが光電流生成に寄与するため光電変換効率が低く、その向上が課題となっている。
光電変換効率向上の一つの方法として、電子受容性有機材料(n型有機半導体)と電子供与性有機材料(p型有機半導体)を混合し、光電変換に寄与する接合面を増加させたバルクへテロ接合型(例えば、非特許文献1参照)がある。なかでも、共役系重合体を電子供与性有機材料(p型有機半導体)として用い、電子受容性有機材料としてn型の半導体特性をもつ導電性高分子のほかC60などのフラーレンやカーボンナノチューブを用いた光電変換材料が報告されている(例えば、非特許文献2、特許文献1、2参照)。
ネイチャー(Nature)J.J.M.Halls、C.A.Walsh、N.C.Greenham、E.A.Marseglla、R.H.Frirnd、S.C.Moratti、A.B.Homes著、376号、498号(1995年) アプライド フィジクス レターズ(Applied Physics Letters)(米国)、80巻、112号、2002年 特開2003−347565号公報(請求項1、3) 特開2004−165474号公報(請求項1、3)
光起電力素子の光電変換効率は次式で表されるため、光電変換効率を向上させるためには、短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、フィルファクター(FF)のうち、1つ以上を向上させることが必須である。
光電変換効率(%)=[(短絡電流密度(Jsc)×開放電圧(Voc)×フィルファクター(FF))/入射光強度]×100(%)
バルクヘテロ接合型などを用いた従来の光電変換材料の多くは短絡電流密度(Jsc)やフィルファクター(FF)を増加させるものではあるが、必ずしも開放電圧(Voc)を向上させるものではない。光電変換効率のさらなる向上には開放電圧(Voc)をいかに向上させるかが鍵となる。そこで本発明の目的は、開放電圧(Voc)の高い光起電力素子を提供するものである。
すなわち本発明は、(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体、および(b)電子供与性有機材料を含む光起電力素子用材料である。
Figure 2008109097
〜Rは同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル、アリール、アルケニル、複素環、隣接置換基との間に形成される縮合環の中から選ばれる。
本発明によれば、開放電圧(Voc)の高い光起電力素子を提供することが可能となる。

本発明の光起電力素子用材料は、(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体、および(b)電子供与性有機材料を含む。
Figure 2008109097
〜Rは同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル、アリール、アルケニル、複素環、隣接置換基との間に形成される縮合環の中から選ばれる。
ここでアルキルとは例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基のような飽和脂肪族炭化水素基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよい。また、アリールとは例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。また、アルケニルとは例えばビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。また、複素環とは例えばチエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、キノリニル基、イソキノリル基、キノキサリル基、アクリジニル基、カルバゾリル基などの炭素以外の原子を有する環状構造基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。なお、アリール、アルケニル、複素環が置換される場合の置換基としては例えば、上述のアルキルや、アルコキシ基、アルキルチオ基、シアノ基、ハロゲンなどが挙げられる。隣接置換基との間に形成される縮合環および脂肪族環とは、RとR、RとR、RとR、RとRの部位で共役または非共役の縮合環を形成するものである。そしてこれら縮合環は環内構造に窒素、酸素、硫黄原子を含んでいてもよいし、さらに別の環と縮合していてもよい。
金属錯体における金属は、特に限定されるものではないが、通常用いられる元素の一例として、ホウ素、ベリリウム、マグネシウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、白金などを挙げることができる。これらの中でも、毒性が低く資源的制約の少ないホウ素、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛が好ましく用いられる。金属がマグネシウム、鉄、銅、亜鉛の場合、一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する金属錯体は、ピロメテン骨格を2個有することが好ましい。
一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体は、従来、蛍光標識剤や有機EL素子用材料などの発光材料や、光記録媒体用材料などの光吸収材料として知られている。本発明は、一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体を電子供与性有機材料(p型有機半導体)と組み合わせることによって、一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体が電子受容性有機材料(n型有機半導体)としての機能を発現することを見出したものである。(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体、および(b)電子供与性有機材料を用いる本発明は、開放電圧(Voc)の大きな光起電力素子を得ることができるが、それは、開放電圧(Voc)の支配因子の一つである実効バンドギャップ((b)電子供与性有機材料の最高被占軌道(HOMO)準位と、(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体の最低空軌道(LUMO)準位との差)が、従来の電子供与性有機材料(p型有機半導体)と電子受容性有機材料(n型有機半導体)の組合せにおける実効バンドギャップよりも大きいためと考えられる。
一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体は、より光吸収を増大させるために、一般式(1)のR〜Rの少なくとも一つが芳香環を含むかあるいは隣接置換基との間に縮合環を形成していることが好ましい。ここでいう芳香環とはフェニル基、ナフチル基、アントラニル基のような芳香族炭化水素基のみならず、ピリジル基、キノリル基、チエニル基などの複素環芳香族基も含有する。また、隣接置換基との間に形成される縮合芳香環とは、RとR、RとR、RとR、RとRの部位で縮合芳香環を形成するものである。そしてこれら縮合芳香環は、上記の芳香環基と同じく環内構造に窒素、酸素、硫黄原子を含んでいてもよいし、さらに別の芳香環あるいは脂肪族環と縮合していてもよい。
また、より高い光化学的安定性を確保するために、ピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体は一般式(2)で表される構造を有していることが好ましい。
Figure 2008109097
〜R14のうち少なくとも一つは芳香環を含むかあるいは隣接置換基との間に縮合芳香環を形成し、残りは水素、アルキル、アリール、アルケニル、複素環、隣接置換基との間に形成される縮合環の中から選ばれる。R15およびR16は同じでも異なっていてもよく、ハロゲンまたはアリール基である。
ここで、芳香環は上述の置換基であり、隣接置換基との間に形成される縮合芳香環とは、一般式(2)のRとR、RとR10、R11とR12、R12とR13の部位で縮合芳香環を形成するものである。そしてこれら縮合芳香環は、上記の芳香環基と同じく環内構造に窒素、酸素、硫黄原子を含んでいてもよいし、さらに別の芳香環あるいは脂肪族環と縮合していてもよい。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の中から選ばれるが、より化学的安定性に優れるフッ素であることが好ましい。
上記のピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体として、下記のような構造が挙げられる。
Figure 2008109097
Figure 2008109097
Figure 2008109097
Figure 2008109097
Figure 2008109097
Figure 2008109097
Figure 2008109097
Figure 2008109097
Figure 2008109097
なお、(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体は、例えば、米国特許第4774339号明細書、米国特許第5187288号明細書、米国特許第5248782号明細書、米国特許第5433896号明細書、米国特許第5451663号明細書等に記載されている方法により合成することができる。例えば、2位が水素であるピロール誘導体と2位がカルボニル基であるピロール誘導体とをオキシ塩化リンを用いて脱水縮合させる方法や、o−ジカルボニルベンゼン誘導体をアンモニア水を用いて脱水縮合させる方法が挙げられる。
本発明で用いる電子供与性有機材料とはp型半導体特性を示す有機材料であり、例えばポリチオフェン系重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体、ポリ−p−フェニレン系重合体、ポリフルオレン系重合体、ポリピロール系重合体、ポリアニリン系重合体、ポリアセチレン系重合体、ポリチエニレンビニレン系重合体などの共役系重合体や、Hフタロシアニン(HPc)、銅フタロシアニン(CuPc)、亜鉛フタロシアニン(ZnPc)等のフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン(NPD)等のトリアリールアミン誘導体、4,4’−ジ(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)等のカルバゾール誘導体、オリゴチオフェン誘導体(ターチオフェン、クウォーターチオフェン、セキシチオフェン、オクチチオフェンなど)等の低分子有機化合物が挙げられる。
また、(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体と組み合わせる(b)電子供与性有機材料は、低分子有機化合物よりも薄膜の熱的安定性に優れる共役系重合体であることがさらに好ましい。このような共役系重合体の例としては、特に限定されるものではないが、ポリチオフェン系重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体、ポリ−p−フェニレン系重合体、ポリフルオレン系重合体、ポリピロール系重合体、ポリアニリン系重合体、ポリアセチレン系重合体、ポリチエニレンビニレン系重合体などが挙げられる。
また、(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体、と(b)電子供与性有機材料の含有比率(重量分率)は特に限定されないが、(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体:(b)電子供与性有機材料の重量分率が、1〜99:99〜1の範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜80:80〜20の範囲である。(a)の化合物もしくはその金属錯体と(b)電子供与性有機材料を混合する場合、その混合方法としては特に限定されるものではないが、所望の比率で溶媒に添加した後、加熱、攪拌、超音波照射などの方法を1種または複数種組み合わせて溶媒中に溶解させる方法が挙げられる。なお、後述するように、光起電力素子用材料が一層の有機半導体層を形成する場合は、上述の含有比率はその一層に含まれる(a)の化合物もしくはその金属錯体と(b)電子供与性有機材料の含有比率となり、有機半導体層が二層以上の積層構造である場合は、有機半導体層全体における(a)の化合物もしくはその金属錯体と(b)電子供与性有機材料の含有比率を意味する。
光電変換効率を向上させるためには、キャリアのトラップとなるような不純物は極力除去することが好ましい。本発明では、(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体、および(b)電子供与性有機材料の不純物を除去する方法は特に限定されないが、カラムクロマトグラフィー法、再結晶法、昇華法、再沈殿法、ソクスレー抽出法、濾過法、イオン交換法、キレート法等を用いることができる。一般的に低分子有機材料の精製にはカラムクロマトグラフィー法、再結晶法、昇華法が好ましく用いられる。他方、共役系重合体のような高分子量体の精製には、低分子量成分を除去する場合には再沈殿法やソクスレー抽出法が好ましく用いられ、金属成分を除去する場合には再沈殿法やキレート法、イオン交換法が好ましく用いられる。これらの方法のうち、1種を単独で用いるか、あるいは複数を組み合わせてもよく、特に限定されない。
図1は本発明の光起電力素子の一例を示す模式図である。図1において符号1は基板、符号2は正極、符号3は(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体、および(b)電子供与性有機材料を含む有機半導体層、符号4は負極である。
有機半導体層3は(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体、および(b)電子供与性有機材料を含む。これらの材料は混合されていても積層されていてもよい。混合されている場合は、(a)と(b)は分子レベルで相溶しているか、相分離している。この相分離構造のドメインサイズは特に限定されるものではないが通常1nm以上50nm以下のサイズである。積層されている場合は、p型半導体特性を示す(b)電子供与性有機材料を有する層が正極側、n型半導体特性を示す(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体を有する層が負極側であることが好ましい。有機半導体層3が積層されている場合の光起電力素子の一例を図2に示す。符号5は(b)電子供与性有機材料を有する層、符号6は(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体を有する層である。有機半導体層は5nmから500nmの厚さが好ましく、より好ましくは30nmから300nmである。積層されている場合は、(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体を有する層は上記厚さのうち1nmから400nmの厚さを有していることが好ましく、より好ましくは15nmから150nmである。
また、有機半導体層3には本発明における(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体、および(b)電子供与性有機材料以外の電子受容性有機材料(n型有機半導体)を含んでいてもよい。ここで用いる電子受容性有機材料(n型有機半導体)としては、特に限定されるものではないが、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシリックジアンハイドライド(NTCDA)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシリックジアンハイドライド(PTCDA)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシリックビスベンズイミダゾール(PTCBI)、N,N'−ジオクチル−3,4,9,10−ナフチルテトラカルボキシジイミド(PTCDI−C8H)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、2,5−ジ(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)等のオキサゾール誘導体、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)等のトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、フラーレン誘導体(C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C94を始めとする無置換のものと、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドメチルエステル([6,6]−PCBM)、[5,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドメチルエステル([5,6]−PCBM)、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドn−ブチルエステル([6,6]−PCBNB)、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドi−ブチルエステル([6,6]−PCBIB)、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドヘキシルエステル([6,6]−PCBH)、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドドデシルエステル([6,6]−PCBD)、フェニル C71 ブチリックアシッドメチルエステル(PC70BM)、フェニル C85 ブチリックアシッドメチルエステル(PC84BM)など)、カーボンナノチューブ(CNT)、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体にシアノ基を導入した誘導体(CN−PPV)などが挙げられる。
図1に示した基板1は、光電変換材料の種類や用途に応じて、電極材料や有機半導体層が積層できる基板、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス等の無機材料、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン、エポキシ樹脂やフッ素系樹脂等の有機材料から任意の方法によって作製されたフィルムや板が使用可能である。また基板側から光を入射して用いる場合は、上記に示した各基板に80%程度の光透過性を持たせておくことが好ましい。ここで、本発明における光透過性は、[透過光強度(W/m)/入射光強度(W/m)]×100(%)で求められる値である。
本発明では、正極2と有機半導体層3の間に正孔輸送層を設けてもよい。正孔輸送層を形成する材料としては、ポリチオフェン系重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体、ポリフルオレン系重合体などの導電性高分子や、フタロシアニン誘導体(HPc、CuPc、ZnPcなど)、ポルフィリン誘導体などのp型半導体特性を示す低分子有機化合物が好ましく用いられる。特に、ポリチオフェン系重合体であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)やPEDOTにポリスチレンスルホネート(PSS)が添加されたものが好ましく用いられる。正孔輸送層は5nmから600nmの厚さが好ましく、より好ましくは30nmから600nmである。
また本発明の光起電力素子は、有機半導体層3と負極4の間に電子輸送層を設けてもよい。電子輸送層を形成する材料として、特に限定されるものではないが、上述の電子受容性有機材料(NTCDA、PTCDA、PTCDI−C8H、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、フラーレン誘導体、CNT、CN−PPVなど)のようにn型半導体特性を示す有機材料が好ましく用いられる。電子輸送層は5nmから600nmの厚さが好ましく、より好ましくは30nmから600nmである。
本発明の光起電力素子においては、正極2もしくは負極4のいずれかに光透過性を有する。電極薄膜の光透過性は、有機半導体層3に入射光が到達して起電力が発生する程度であれば、特に限定されるものではない。電極薄膜の厚さは光透過性と導電性とを有する範囲であればよく、電極素材によって異なるが20nmから300nmが好ましい。なお、もう一方の電極は導電性があれば必ずしも透明性は必要ではなく、厚さも特に限定されない。
電極材料としては、一方の電極には仕事関数の大きな導電性素材、もう一方の電極には仕事関数の小さな導電性素材を使用することが好ましい。また、仕事関数の大きな導電性素材を用いた電極は正極となる。この仕事関数の大きな導電性素材としては金、白金、クロム、ニッケルなどの金属のほか、透明性を有するインジウム、スズなどの金属酸化物、複合金属酸化物(インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)など)が好ましく用いられる。ここで、正極2に用いられる導電性素材は、有機半導体層3とオーミック接合するものであることが好ましい。さらに、正孔輸送層を用いた場合においては、正極2に用いられる導電性素材は正孔輸送層とオーミック接合するものであることが好ましい。
仕事関数の小さな導電性素材を用いた電極は負極となるが、この仕事関数の小さな導電性素材としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属、具体的にはリチウム、マグネシウム、カルシウムが使用される。また、錫や銀、アルミニウムも好ましく用いられる。さらに、上記の金属からなる合金や上記の金属の積層体からなる電極も好ましく用いられる。また、負極4と電子輸送層の界面に金属フッ化物などを導入することで、取り出し電流を向上させることも可能である。ここで、負極4に用いられる導電性素材は、有機半導体層3とオーミック接合するものであることが好ましい。さらに、電子輸送層を用いた場合においては、負極4に用いられる導電性素材は電子輸送層とオーミック接合するものであることが好ましい。
次に本発明の光電変換素子の製造方法の例について説明する。基板上にITOなどの透明電極(この場合正極に相当)をスパッタリング法などにより形成する。次に、本発明の(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体、および(b)電子供与性有機材料を含む光電変換素子用材料を溶媒に溶解させて溶液を作り、透明電極上に塗布し有機半導体層を形成する。このとき用いられる溶媒は、例えば有機溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、ブタノール、トルエン、キシレン、o−クロロフェノール、アセトン、酢酸エチル、エチレングリコール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、必要に応じて溶媒を選ぶことができる。
本発明で用いられる(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体、および(b)電子供与性有機材料を混合して有機半導体層を形成する場合は、(a)と(b)を所望の比率で溶媒に添加し、加熱、攪拌、超音波照射などの方法を用いて溶解させ溶液を作り、透明電極上に塗布する。また、本発明で用いられる(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体、および(b)電子供与性有機材料を積層して有機半導体層を形成する場合は、例えば(b)電子供与性有機材料の溶液を塗布して(b)を有する層を形成した後に、(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体の溶液を塗布して層を形成する。ここで、(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体、および(b)電子供与性有機材料は、分子量が1000以下程度の低分子量体である場合には、蒸着法を用いて層を形成することも可能である。
有機半導体層の形成には、スピンコート塗布、ブレードコート塗布、スリットダイコート塗布、スクリーン印刷塗布、バーコーター塗布、鋳型塗布、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法、スプレー法など何れの方法を用いることができ、塗膜厚さ制御や配向制御など、得ようとする塗膜特性に応じて塗布方法を選択すればよい。例えばスピンコート塗布を行う場合には、本発明の(a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体、および(b)電子供与性有機材料が1〜20g/Lの濃度((a)と(b)と溶媒を含む溶液の体積に対する(a)と(b)の重量)であることが好ましく、この濃度にすることで厚さ5〜200nmの均質な塗膜を得ることができる。形成した塗膜に対して、溶媒を除去するために、減圧下または不活性雰囲気下(窒素やアルゴン雰囲気下)などでアニーリング処理を行ってもよい。アニーリング処理の好ましい温度は40℃〜300℃、より好ましくは50℃〜200℃である。また、アニーリング処理を行うことで、積層した層が界面で互いに浸透して接触する実行面積が増加し、短絡電流を増大させることができる。このアニーリング処理は、負極の形成後に行ってもよい。
次に、有機半導体層上にAlなどの金属電極(この場合負極に相当)を蒸着法やスパッタ法により形成する。金属電極は、電子輸送層に低分子有機材料を用いて真空蒸着した場合は、引き続き、真空を保持したまま続けて形成することが好ましい。
正極と有機半導体層の間に正孔輸送層を設ける場合には、所望のp型有機半導体材料(PEDOTなど)を正極上にスピンコート法、バーコーティング法、ブレードによるキャスト法等で塗布した後、真空恒温槽やホットプレートなどを用いて溶媒を除去し、正孔輸送層を形成する。フタロシアニン誘導体やポルフィリン誘導体などの低分子有機材料を使用する場合には、真空蒸着機を用いた蒸着法を適用することも可能である。
有機半導体層と負極の間に電子輸送層を設ける場合には、所望のn型有機半導体材料(フラーレン誘導体など)を有機半導体層上にスピンコート法、バーコーティング法、ブレードによるキャスト法、スプレー法等で塗布した後、真空恒温槽やホットプレートなどを用いて溶媒を除去し、電子輸送層を形成する。フェナントロリン誘導体やC60などの低分子有機材料を使用する場合には、真空蒸着機を用いた蒸着法を適用することも可能である。
本発明の光電変換素子は、光電変換機能、光整流機能などを利用した種々の光電変換デバイスへの応用が可能である。たとえば光電池(太陽電池など)、光起電力素子、電子素子(光センサ、光スイッチ、フォトトランジスタなど)、光記録材(光メモリなど)などに有用である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。また実施例等で用いた化合物のうち、略語を使用しているものについて、以下に示す。
ITO:インジウム錫酸化物
PEDOT:ポリエチレンジオキシチオフェン
PSS:ポリスチレンスルホネート
P3HT:ポリ(3−ヘキシルチオフェン)
MEH−PPV:ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン] 。
実施例1
P3HT(アルドリッチ社製、レジオレギュラー)5mgをクロロホルム1mLの入ったサンプル瓶の中に加え、超音波洗浄機((株)井内盛栄堂(アズワン(株))製US−2(商品名)、出力120W)中で30分間超音波照射することにより溶液Aを得た。
スパッタリング法により正極となるITO透明導電層を120nm堆積させたガラス基板を38mm×46mmに切断した後、ITOをフォトリソグラフィー法により38mm×13mmの長方形状にパターニングした。得られた基板をアルカリ洗浄液(フルウチ化学(株)製、“セミコクリーン”EL56(商品名))で10分間超音波洗浄した後、超純水で洗浄した。この基板を30分間UV/オゾン処理した後に、基板上に正孔輸送層となるPEDOT:PSS水溶液(PEDOT0.8重量%、PPS0.5重量%)をスピンコート法により100nmの厚さに成膜した。ホットプレートにより200℃で5分間加熱乾燥した後、上記の溶液AをPEDOT:PSS層上に滴下し、スピンコート法により膜厚50nmのp型半導体層を形成した。その後、p型半導体層が形成された基板を真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が1×10−3Pa以下になるまで排気し、抵抗加熱法によって、下記式に示すPM−1を50nmの厚さに蒸着した。
Figure 2008109097
陰極用マスクを真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が1×10−3Pa以下になるまで再び排気し、抵抗加熱法によって、負極となるアルミニウム層を80nmの厚さに蒸着した。上下の電極から引き出し電極を取り出し、ストライプ状のITO層とアルミニウム層が交差する部分の面積が5mm×5mmである光電変換素子を作製した。
このようにして作製された光起電力素子をシールドボックス中に置き、上下の電極をヒューレット・パッカード社製ピコアンメーター/ボルテージソース4140Bに接続して、減圧下(100Pa)でITO層側からメタルハライドランプ白色光(100mW/cm)を照射し、開放電圧(電流密度が0になるときの印可電圧の値)を測定した。この時の開放電圧は0.92Vであった。
比較例1
PM−1の代わりにn型有機半導体であるフラーレンC60を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.19Vであった。
比較例2
PM−1の代わりにn型有機半導体である3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシリックビスベンズイミダゾールを用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.4Vであった。
比較例3
PM−1の代わりにn型有機半導体である1−ピレニルジフェニルホスフィンオキシドを用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.5Vであった。
比較例4
PM−1の代わりにn型有機半導体である1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシリックジアンハイドライドを用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.5Vであった。
実施例2
PM−1の代わりに下記式に示すPM−2を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は1Vであった。
Figure 2008109097
実施例3
PM−1の代わりに下記式に示すPM−3を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.95Vであった。
Figure 2008109097
実施例4
PM−1の代わりに下記式に示すPM−4を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.98Vであった。
Figure 2008109097
実施例5
PM−1の代わりに下記式に示すPM−5を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.98Vであった。
Figure 2008109097
実施例6
PM−1の代わりに下記式に示すPM−6を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.93Vであった。
Figure 2008109097
実施例7
PM−1の代わりに下記式に示すPM−7を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は1.02Vであった。
Figure 2008109097
実施例8
PM−1の代わりに下記式に示すPM−8を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は1Vであった。
Figure 2008109097
実施例9
PM−1の代わりに下記式に示すPM−9を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.99Vであった。
Figure 2008109097
実施例10
PM−1の代わりに下記式に示すPM−10を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は1Vであった。
Figure 2008109097
実施例11
PM−1の代わりに下記式に示すPM−11を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.85Vであった。
Figure 2008109097
実施例12
PM−1の代わりに下記式に示すPM−12を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.8Vであった。
Figure 2008109097
実施例13
P3HTの代わりにMEH−PPV(アルドリッチ社製)を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.92Vであった。
実施例14
PEDOT:PSSからなる正孔輸送層を形成しない以外は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。この時の開放電圧は0.9Vであった。
実施例15
P3HTを用いず、洗浄後の基板を真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が1×10−3Pa以下になるまで排気し、抵抗加熱法によって銅フタロシアニン(アルドリッチ社製)を真空蒸着して膜厚50nmのp型半導体層を形成し、真空を解除せずにPM−1を50nmの厚さに蒸着した他は実施例14と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.8Vであった。
実施例16
銅フタロシアニンの代わりに亜鉛フタロシアニン(アルドリッチ社製)を用いた他は実施例15と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.8Vであった。
実施例17
銅フタロシアニンの代わりに5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン(アルドリッチ社製)を用いた他は実施例15と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.78Vであった。
実施例18
P3HT(アルドリッチ社製、レジオレギュラー)5mgと上記PM−1の5mgをクロロホルム1mLの入ったサンプル瓶の中に加え、超音波洗浄機((株)井内盛栄堂(アズワン(株))製US−2(商品名)、出力120W)中で30分間超音波照射することにより溶液Bを得た。
実施例1で用いた溶液Aを溶液Bに換えて、その他は実施例1と同様にして、溶液BをPEDOT:PSS層上に滴下し、スピンコート法により膜厚100nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層が形成された基板と陰極用マスクを真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が1×10−3Pa以下になるまで再び排気し、抵抗加熱法によって、負極となるアルミニウム層を80nmの厚さに蒸着した。上下の電極から引き出し電極を取り出し、ストライプ状のITO層とアルミニウム層が交差する部分の面積が5mm×5mmである光電変換素子を作製した。
このようにして作製された光起電力素子をシールドボックス中に置き、上下の電極をヒューレット・パッカード社製ピコアンメーター/ボルテージソース4140Bに接続して、減圧下(100Pa)でITO層側から白色光(100mW/cm)を照射し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.8Vであった。
実施例19
PM−1の代わりに下記式に示すPM−13を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.95Vであった。
Figure 2008109097
実施例20
PM−1の代わりに下記式に示すPM−14を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.93Vであった。
Figure 2008109097
実施例21
PM−1の代わりに下記式に示すPM−15を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.92Vであった。
Figure 2008109097
実施例22
PM−1の代わりに下記式に示すPM−16を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.9Vであった。
Figure 2008109097
実施例23
PM−1の代わりに下記式に示すPM−17を用いた他は実施例1と全く同様にして光電変換素子を作製し、開放電圧を測定した。開放電圧は0.88Vであった。
Figure 2008109097
本発明の光起電力素子の一態様を示した模式図。 本発明の光起電力素子の別の態様を示した模式図。
符号の説明
1 基板
2 正極
3 有機半導体層
4 負極
5 (a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体を有する層
6 (b)電子供与性有機材料を有する層

Claims (6)

  1. (a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体、および(b)電子供与性有機材料を含む光起電力素子用材料。
    Figure 2008109097
    (R〜Rは同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル、アリール、アルケニル、複素環、隣接置換基との間に形成される縮合環の中から選ばれる。)
  2. (a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する金属錯体の金属がホウ素、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛から選ばれる少なくとも一種である請求項1記載の光起電力素子用材料。
  3. (a)一般式(1)で表されるピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体のうち、R〜Rの少なくとも一つが芳香環を含むかあるいは隣接置換基との間に縮合環を形成し、残りの置換基は水素、アルキル、アリール、アルケニル、複素環、隣接置換基との間に形成される縮合環の中から選ばれる請求項1記載の光起電力素子用材料。
  4. (a)ピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体が一般式(2)で表される金属錯体である請求項1記載の光起電力素子用材料。
    Figure 2008109097
    (R〜R14のうち少なくとも一つは芳香環を含むかあるいは隣接置換基との間に縮合芳香環を形成し、残りは水素、アルキル、アリール、アルケニル、複素環、隣接置換基との間に形成される縮合環の中から選ばれる。R15およびR16は同じでも異なっていてもよく、ハロゲンまたはアリール基である。)
  5. 電子供与性有機材料が共役系重合体である請求項1記載の光起電力素子用材料。
  6. 少なくとも正極と負極を有する光起電力素子であって、負極と正極の間に請求項1〜5のいずれかに記載の光起電力素子用材料を含む光起電力素子。
JP2007232350A 2006-09-28 2007-09-07 光起電力素子用材料および光起電力素子 Pending JP2008109097A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007232350A JP2008109097A (ja) 2006-09-28 2007-09-07 光起電力素子用材料および光起電力素子

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006264106 2006-09-28
JP2007232350A JP2008109097A (ja) 2006-09-28 2007-09-07 光起電力素子用材料および光起電力素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008109097A true JP2008109097A (ja) 2008-05-08

Family

ID=39442157

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007232350A Pending JP2008109097A (ja) 2006-09-28 2007-09-07 光起電力素子用材料および光起電力素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008109097A (ja)

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009132674A (ja) * 2007-10-31 2009-06-18 Idemitsu Kosan Co Ltd アセナフトフルオランテン化合物からなる光電変換素子用材料及びそれを用いた光電変換素子
JP2010184880A (ja) * 2009-02-10 2010-08-26 Mitsubishi Chemicals Corp ジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物及びその製造方法、並びにこれを用いた太陽電池、光重合性組成物、光記憶媒体、発光素子、光学フィルター、及び医療診断用蛍光色素
WO2010137449A1 (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機光電変換素子、それを用いた太陽電池及び光センサアレイ
JP2011222556A (ja) * 2010-04-02 2011-11-04 Idemitsu Kosan Co Ltd キノキサリン化合物及びそれを用いた有機薄膜太陽電池
JP2012199541A (ja) * 2011-03-10 2012-10-18 Mitsubishi Chemicals Corp 有機薄膜太陽電池素子、太陽電池及び太陽電池モジュール
WO2013035303A1 (ja) * 2011-09-09 2013-03-14 出光興産株式会社 有機薄膜太陽電池材料
JP2013168424A (ja) * 2012-02-14 2013-08-29 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機薄膜太陽電池素子用材料、及びそれを用いた有機薄膜太陽電池
JP2013168470A (ja) * 2012-02-15 2013-08-29 Idemitsu Kosan Co Ltd ジピリン化合物を用いた有機薄膜太陽電池材料及びそれを用いた有機薄膜太陽電池
WO2014013205A1 (fr) * 2012-07-19 2014-01-23 Centre National De La Recherche Scientifique Composés fluorescents de type thiényldipyrrométhène borés et leurs utilisations
CN103952001A (zh) * 2014-05-08 2014-07-30 安徽师范大学 一种近红外氟硼二吡咯荧光染料及其制备方法
WO2014206860A1 (de) * 2013-06-25 2014-12-31 Heliatek Organisches, halbleitendes bauelement
KR20150060810A (ko) * 2012-10-05 2015-06-03 유니버시티 오브 써던 캘리포니아 유기 광전변환 소자에서의 억셉터와 도너의 에너지 증감
JP2015530729A (ja) * 2012-05-15 2015-10-15 ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァシティ オブ ミシガン 光起電力のためのジピリン系材料、極性媒体中で対称性破壊性分子内電荷移動が可能な化合物およびこれを含む有機光起電力デバイス
JP2016166284A (ja) * 2015-03-09 2016-09-15 公立大学法人首都大学東京 新規な有機化合物およびその利用
WO2017018351A1 (ja) * 2015-07-30 2017-02-02 富士フイルム株式会社 光電変換素子、撮像素子、光センサ、化合物
JPWO2015119039A1 (ja) * 2014-02-05 2017-03-23 東レ株式会社 光電変換素子およびイメージセンサ
WO2017052279A1 (ko) * 2015-09-25 2017-03-30 주식회사 엘지화학 함질소 고리 화합물 및 이를 포함하는 색변환 필름
JP2018098517A (ja) * 2011-08-02 2018-06-21 ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア 極性媒体中で対称破壊性分子内電荷輸送が可能な化合物およびこれを有する有機光起電デバイス
JPWO2018186397A1 (ja) * 2017-04-07 2020-02-27 富士フイルム株式会社 光電変換素子、光センサ、撮像素子、および、化合物
JP2020088360A (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 住友化学株式会社 光電変換素子
US10988486B2 (en) 2015-09-25 2021-04-27 Lg Chem, Ltd. Nitrogen-containing cyclic compound and color conversion film comprising same

Cited By (43)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009132674A (ja) * 2007-10-31 2009-06-18 Idemitsu Kosan Co Ltd アセナフトフルオランテン化合物からなる光電変換素子用材料及びそれを用いた光電変換素子
JP2010184880A (ja) * 2009-02-10 2010-08-26 Mitsubishi Chemicals Corp ジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物及びその製造方法、並びにこれを用いた太陽電池、光重合性組成物、光記憶媒体、発光素子、光学フィルター、及び医療診断用蛍光色素
JPWO2010137449A1 (ja) * 2009-05-25 2012-11-12 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機光電変換素子、それを用いた太陽電池及び光センサアレイ
WO2010137449A1 (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機光電変換素子、それを用いた太陽電池及び光センサアレイ
JP5447513B2 (ja) * 2009-05-25 2014-03-19 コニカミノルタ株式会社 有機光電変換素子、それを用いた太陽電池及び光センサアレイ
JP2011222556A (ja) * 2010-04-02 2011-11-04 Idemitsu Kosan Co Ltd キノキサリン化合物及びそれを用いた有機薄膜太陽電池
JP2012199541A (ja) * 2011-03-10 2012-10-18 Mitsubishi Chemicals Corp 有機薄膜太陽電池素子、太陽電池及び太陽電池モジュール
JP2018098517A (ja) * 2011-08-02 2018-06-21 ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア 極性媒体中で対称破壊性分子内電荷輸送が可能な化合物およびこれを有する有機光起電デバイス
WO2013035303A1 (ja) * 2011-09-09 2013-03-14 出光興産株式会社 有機薄膜太陽電池材料
JP2013168424A (ja) * 2012-02-14 2013-08-29 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機薄膜太陽電池素子用材料、及びそれを用いた有機薄膜太陽電池
JP2013168470A (ja) * 2012-02-15 2013-08-29 Idemitsu Kosan Co Ltd ジピリン化合物を用いた有機薄膜太陽電池材料及びそれを用いた有機薄膜太陽電池
JP2015530729A (ja) * 2012-05-15 2015-10-15 ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァシティ オブ ミシガン 光起電力のためのジピリン系材料、極性媒体中で対称性破壊性分子内電荷移動が可能な化合物およびこれを含む有機光起電力デバイス
CN105409020A (zh) * 2012-05-15 2016-03-16 密歇根大学董事会 用于光伏的基于次甲基二吡咯的材料、能够在极化介质中经历对称性破缺分子内电荷转移的化合物以及包含它们的有机光伏器件
FR2993565A1 (fr) * 2012-07-19 2014-01-24 Centre Nat Rech Scient Composes fluorescents de type thienyldipyrromethene bores et leurs utilisations.
CN104684918A (zh) * 2012-07-19 2015-06-03 科学研究国家中心 硼噻吩基二吡咯亚甲基荧光化合物及其用途
JP2015524800A (ja) * 2012-07-19 2015-08-27 サントレ ナティオナル ド ラ ルシェルシェ シアンティフィク ホウ素チエニルジピロメテン型の蛍光化合物及びそれらの用途
US10566551B2 (en) 2012-07-19 2020-02-18 Centre National De La Recherche Scientifique Fluorescent compounds of the boron thienyldipyrromethene type, and their use
EP3418283A1 (fr) * 2012-07-19 2018-12-26 Centre National De La Recherche Scientifique Composés fluorescents de type thiényldipyrrométhène borés et leurs utilisations
WO2014013205A1 (fr) * 2012-07-19 2014-01-23 Centre National De La Recherche Scientifique Composés fluorescents de type thiényldipyrrométhène borés et leurs utilisations
KR20150060810A (ko) * 2012-10-05 2015-06-03 유니버시티 오브 써던 캘리포니아 유기 광전변환 소자에서의 억셉터와 도너의 에너지 증감
JP2015530761A (ja) * 2012-10-05 2015-10-15 ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア 有機光起電力におけるアクセプタおよびドナーのエネルギー感光化
KR102160497B1 (ko) * 2012-10-05 2020-09-28 유니버시티 오브 써던 캘리포니아 유기 광전변환 소자에서의 억셉터와 도너의 에너지 증감
US10367157B2 (en) 2012-10-05 2019-07-30 University Of Southern California Energy sensitization of acceptors and donors in organic photovoltaics
KR101878426B1 (ko) * 2013-06-25 2018-07-13 헬리아텍 게엠베하 유기 반도체 부품
JP2019054256A (ja) * 2013-06-25 2019-04-04 ヘリアテク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングHeliatek Gmbh 有機半導体デバイス
AU2014301318B2 (en) * 2013-06-25 2017-05-04 Heliatek Organic semiconductive component
US9685616B2 (en) 2013-06-25 2017-06-20 Heliatek Gmbh Organic semiconductive component
CN111640873A (zh) * 2013-06-25 2020-09-08 赫里亚泰克有限责任公司 有机半导体组件
WO2014206860A1 (de) * 2013-06-25 2014-12-31 Heliatek Organisches, halbleitendes bauelement
JP2016528720A (ja) * 2013-06-25 2016-09-15 ヘリアテク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングHeliatek Gmbh 有機半導体デバイス
JPWO2015119039A1 (ja) * 2014-02-05 2017-03-23 東レ株式会社 光電変換素子およびイメージセンサ
CN103952001A (zh) * 2014-05-08 2014-07-30 安徽师范大学 一种近红外氟硼二吡咯荧光染料及其制备方法
CN103952001B (zh) * 2014-05-08 2016-09-14 安徽师范大学 一种近红外氟硼二吡咯荧光染料及其制备方法
JP2016166284A (ja) * 2015-03-09 2016-09-15 公立大学法人首都大学東京 新規な有機化合物およびその利用
JPWO2017018351A1 (ja) * 2015-07-30 2018-07-26 富士フイルム株式会社 光電変換素子、撮像素子、光センサ、化合物
US10547012B2 (en) 2015-07-30 2020-01-28 Fujifilm Corporation Photoelectric conversion element, imaging element, optical sensor, and compound
WO2017018351A1 (ja) * 2015-07-30 2017-02-02 富士フイルム株式会社 光電変換素子、撮像素子、光センサ、化合物
US20180159039A1 (en) * 2015-07-30 2018-06-07 Fujifilm Corporation Photoelectric conversion element, imaging element, optical sensor, and compound
WO2017052279A1 (ko) * 2015-09-25 2017-03-30 주식회사 엘지화학 함질소 고리 화합물 및 이를 포함하는 색변환 필름
US10988486B2 (en) 2015-09-25 2021-04-27 Lg Chem, Ltd. Nitrogen-containing cyclic compound and color conversion film comprising same
JPWO2018186397A1 (ja) * 2017-04-07 2020-02-27 富士フイルム株式会社 光電変換素子、光センサ、撮像素子、および、化合物
JP2020088360A (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 住友化学株式会社 光電変換素子
JP7224158B2 (ja) 2018-11-30 2023-02-17 住友化学株式会社 光電変換素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008109097A (ja) 光起電力素子用材料および光起電力素子
JP5359173B2 (ja) 光起電力素子用電子供与性有機材料、光起電力素子用材料および光起電力素子
JP5309566B2 (ja) 光起電力素子用電子供与性有機材料、光起電力素子用材料および光起電力素子
Ahmed et al. Design of new electron acceptor materials for organic photovoltaics: synthesis, electron transport, photophysics, and photovoltaic properties of oligothiophene-functionalized naphthalene diimides
JP5533646B2 (ja) 光起電力素子用材料および光起電力素子
JP5655267B2 (ja) キノキサリン化合物、これを用いた電子供与性有機材料、光起電力素子用材料および光起電力素子
JP5299023B2 (ja) 光起電力素子用材料および光起電力素子
JP6610096B2 (ja) 共役系化合物、これを用いた電子供与性有機材料、光起電力素子用材料および光起電力素子
WO2015159755A1 (ja) 光起電力素子
WO2014042091A1 (ja) 共役系重合体、これを用いた電子供与性有機材料、光起電力素子用材料および光起電力素子
JP6622229B2 (ja) N−フルオロアルキル置換されたジブロモナフタレンジイミドおよびそれらの半導体としての使用
JP5900084B2 (ja) 電子供与性有機材料、それを用いた光起電力素子用材料および光起電力素子
WO2009113450A1 (ja) 光起電力素子、活性層材料および光起電力素子の製造方法
JP4983524B2 (ja) 光起電力素子に好適な組成物および光起電力素子
JP2008166339A (ja) 光起電力素子用材料および光起電力素子
JP2008147544A (ja) 光起電力素子用材料および光起電力素子
JP2009267196A (ja) タンデム型光起電力素子
JP2012039097A (ja) 光起電力素子
WO2013176156A1 (ja) 電子供与性有機材料、それを用いた光起電力素子用材料および光起電力素子
JP2010225838A (ja) 光起電力素子
WO2014156771A1 (ja) 有機薄膜太陽電池
JP2008091886A (ja) 光起電力素子用材料および光起電力素子
JP2012241099A (ja) 共役系重合体、これを用いた電子供与性有機材料、光起電力素子用材料および光起電力素子
JP2009267092A (ja) 光起電力素子用材料および光起電力素子
CN107531888B (zh) 聚合物和包含其的有机电子元件