JP2015530729A - 光起電力のためのジピリン系材料、極性媒体中で対称性破壊性分子内電荷移動が可能な化合物およびこれを含む有機光起電力デバイス - Google Patents

光起電力のためのジピリン系材料、極性媒体中で対称性破壊性分子内電荷移動が可能な化合物およびこれを含む有機光起電力デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2015530729A
JP2015530729A JP2015512780A JP2015512780A JP2015530729A JP 2015530729 A JP2015530729 A JP 2015530729A JP 2015512780 A JP2015512780 A JP 2015512780A JP 2015512780 A JP2015512780 A JP 2015512780A JP 2015530729 A JP2015530729 A JP 2015530729A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
groups
optionally substituted
compound
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015512780A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6339561B2 (ja
Inventor
フォレスト,ステファン,アール.
トンプソン,マーク,イー.
チェン,ジョン,ジェイ.
ソマー,ジョナサン,アール.
ジューロビッチ,ピーター,アイ.
アレン,キャスリン,アール.
Original Assignee
ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァシティ オブ ミシガン
ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァシティ オブ ミシガン
ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア
ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US13/564,953 external-priority patent/US20150303377A1/en
Application filed by ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァシティ オブ ミシガン, ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァシティ オブ ミシガン, ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア, ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア filed Critical ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァシティ オブ ミシガン
Priority claimed from PCT/US2013/041079 external-priority patent/WO2014025435A2/en
Publication of JP2015530729A publication Critical patent/JP2015530729A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6339561B2 publication Critical patent/JP6339561B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

本開示は、全般に、少なくとも1つのホウ素ジピリン化合物を含む有機感光性光電子デバイスに関する。加えて、本開示は、少なくとも1つのホウ素ジピリン化合物を含む有機感光性光電子デバイスの製造方法に関する。本開示はまた、全般に、可視波長の光の強い吸収と対称性破壊性分子内電荷移動(ICT)を生じる能力とを兼ね備える、発色団を有する化合物、ならびにその有機光起電力セル(OPV)における自由キャリアおよび電場安定化双生ポーラロン対の生成のための使用に関する。本開示はまた、このような化合物の合成、製造方法ならびに光起電力システムおよび有機レーザーにおける適用に関する。【選択図】図35

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年5月15日に出願された米国仮特許出願第61/647,360号の優先権を主張し、2012年8月2日に出願された米国特許出願第13/564,953号の一部継続出願であり、その優先権を主張する。これら2つの出願の内容は参照により本明細書に引用される。
連邦政府支援の研究に関する声明
本発明は、エネルギー省により授与された契約番号DE−SC0001013の下で米国政府の支援を受けてなされた。本発明において、政府は一定の権利を有する。
共同研究協定
本出願の対象は、合同大学法人研究協定の1つ以上の以下の参加者:サザン カリフォルニア大学、ミシガン大学およびグローバルフォトニックエナジーコーポレーションを代表して、および/またはこれに関連してなされた。この協定は、本出願の対象がなされた日およびそれ以前に有効であり、本出願の対象はこの協定の範囲内で行われた活動の結果としてなされた。
本開示は、全般に、少なくとも1つのホウ素ジピリン化合物を含む有機感光性光電子デバイスに関する。加えて、本開示は、少なくとも1つのホウ素ジピリン化合物を含む有機感光性光電子デバイスの製造方法に関する。
本開示はまた、全般に、可視から近赤外の波長の光の強い吸収と対称性破壊性分子内電荷移動(ICT)を生じる能力とを兼ね備える、ジピリン化合物を含む発色団を有する化合物、ならびにその有機光起電力セル(OPV)における自由キャリアおよび電場安定化双生ポーラロン対の生成のための使用に関する。本開示はまた、このような化合物の合成、製造方法、ならびに光起電力システムおよび有機レーザーにおける適用に関する。
光電子デバイスは、物質の光学的および電子的性質によっており、電子的に電磁放射線を発生するか検出する、または、周囲の電磁放射線から電気を発生させるものである。
感光性光電子デバイスは電磁放射線を電気に変換する。太陽電池は、光起電力(photovoltaic)(PV)デバイスとも称され、電力を発生させるために特に使用される感光性光電子デバイスの一種である。PVデバイスは、太陽光以外の光源から電気エネルギーを生成してもよいが、電力を消費する負荷を駆動して、例えば、照明、暖房を与えるために、あるいは、電子回路または計算機、ラジオ、コンピュータのようなデバイスまたは遠隔モニタリングまたは通信機器に電力を供給するために用いられうる。これらの電力生成の用途はまた、太陽またはその他の光源からの直接照射が得られないときでも動作を続けることができるように、または、PVデバイスの出力を特定の用途の要求とバランスをとるために、多くの場合は、バッテリーまたは他のエネルギー貯蔵デバイスデバイスを充電することを含む。本明細書中、「抵抗負荷」の用語は、電力を消費するもしくは貯蔵する任意の回路、デバイス、機器またはシステムを指す。
感光性光電子デバイスの他のタイプは、光伝導体セル(photoconductor cell)である。この機構において、信号検出回路がデバイスの抵抗をモニターし、光の吸収による変化を検出する。
感光性光電子デバイスの他のタイプは、光検出器である。動作中、光検出器は、光検出器が電磁放射線にさらされたときに発生する電流を測定し、印加バイアス電圧を有してもよい電流検出回路とともに使用される。本明細書中に記載されるような検出回路は、バイアス電圧を光検出器に供給し、電磁放射線に対する光検出器の電子的応答を測定することができる。
これらの3種類の感光性光電子デバイスは、以下に定義する整流接合が存在するかどうかによって特徴づけられてもよく、バイアスまたはバイアス電圧としても知られる外部印加電圧によって動作されるかどうかによって特徴づけられてもよい。光伝導体セルは整流接合を有さず、通常バイアスで動作する。PVデバイスは少なくとも1つの整流接合を有し、バイアスなしで動作する。光検出器は少なくとも1つの整流接合を有し、常にではないが通常はバイアスで動作する。原則として、光起電力セルは回路、装置または機器に電力を供給するが、検出回路を制御するための信号もしくは電流は供給せず、または検出回路からの情報を出力しない。反対に、光検出器または光伝導体は検出回路を制御するための信号もしくは電流を供給し、または検出回路からの情報を出力するが、回路、装置、または機器に電力を供給しない。
従来、感光性光電子デバイスは多数の無機半導体、例えば結晶、多結晶およびアモルファスシリコン、ガリウムヒ素、テルル化カドミウムなどより構成されてきた。ここで、「半導体」の用語は、電荷キャリアが熱的または電磁的な励起により誘起されたときに電気を通しうる材料を意味する。「光伝導性」の用語は、通常は電磁放射線エネルギーが吸収され、それにより電荷キャリアの励起エネルギーに変換され、そのためキャリアが材料中の電荷を伝導させる、すなわち輸送するプロセスに関連する。本明細書中、「光伝導体」および「光伝導性材料」の用語は、電磁放射線を吸収して電荷キャリアを生成する特性より選択される半導体材料を表すのに用いられる。
PVデバイスは入射太陽光を有益な電力に変換することができる効率により特徴づけられてもよい。結晶シリコンまたはアモルファスシリコンを利用したデバイスは商業的応用を支配しており、23%以上の効率を達成しているものもある。しかしながら、高効率な結晶性デバイス、特に大きい表面積を有するものは、重大な効率を低下させる欠陥なしに大きな結晶を製造することに内在する問題のため、生産することが困難であり高価である。一方、高効率なアモルファスシリコンデバイスはまだ安定性の問題に悩まされている。現在の商業的に入手できるアモルファスシリコンセルは4〜8%の安定化された効率を有する。
PVデバイスは、光電流および光起電力の最大の積として、標準照射条件(すなわち、1000W/m、AM1.5スペクトル照射の標準試験条件)下での電力生成を最大にするために最適化されうる。このようなセルの標準照射条件下での電力変換効率は以下の3つのパラメータに依存する:(1)ゼロバイアス下での電流(すなわち短絡回路電流Isc)、単位はアンペア、(2)開回路状態下での光起電力(すなわち開回路電圧Voc)、単位はボルト、および(3)曲線因子(ff)。
PVデバイスは、負荷に接続され光照射されたときに光生成電流を生成する。無限負荷の下で照射されたとき、PVデバイスはその最大可能電圧(Vopen−curcuit、またはVOC)を生成する。その電気的接触が短絡している状態で照射されるとき、PVデバイスはその最大可能電流(Ishort−circuitまたはISC)を生成する。実際に電力の生成に使用されるとき、PVデバイスは有限抵抗負荷に接続されており、電力出力は電流と電圧との積(I×V)で与えられる。PVデバイスによって生成される最大総電力は、本質的にISC×VOCの積を超えることができない。負荷の値が最大電力を引き出すために最適化されるとき、電流および電圧はそれぞれImaxおよびVmaxの値を有する。
PVデバイスの性能指数は曲線因子ffであり、以下のように定義される:
ここで、実際の使用においてISCおよびVOCが同時に得られることはないため、ffは常に1より小さい。それにもかかわらず、ffが1に近づくにつれて、デバイスは直列または内部抵抗がより小さくなり、したがって最適条件下では、ISCおよびVOCの積のより大きなパーセンテージを負荷に運搬する。ここで、Pincはデバイスに入射する電力であり、デバイスの電力効率ηは、以下で計算されうる:
半導体の相当な大きさを占める内部生成電場を生じるための通常の方法は、特に分子の量子エネルギー状態の分布に対して、適当に選択した導電性を有する材料の2層を並列することである。これら2つの材料の界面は光起電力接合と呼ばれている。従来の半導体理論では、PV接合を形成する材料は、一般的にn型またはp型であるとされている。ここで、n型とは、キャリア種の大部分が電子であることを意味する。このことは、相対的に自由エネルギー状態にある多くの電子を有する材料と見ることができる。p型とは、大部分のキャリア種が正孔であることを意味する。このような材料は、相対的に自由エネルギー状態にある多くの正孔を有している。バックグラウンド、すなわち光生成されていない、の型は、大部分のキャリア濃度は、主に、欠陥または不純物による意図的ではないドーピングに依存する。不純物の種類および濃度は、伝導帯の最低エネルギーと価電子帯の最高エネルギーとの間のギャップ内にある、フェルミエネルギー(またはフェルミ準位)の値を決定する。フェルミエネルギーは、占有確率が1/2に等しくなるエネルギーの値で表される、分子の量子エネルギー状態の統計的な占有を特徴づける。伝導帯の最低エネルギーに近いフェルミエネルギーは、電子が主要なキャリアであることを示す。価電子帯の最高エネルギーに近いフェルミエネルギーは、正孔が主要なキャリアであることを示す。したがって、フェルミエネルギーは従来の半導体の第1の特徴的な性質であり、プロトタイプのPV接合は従来はp−n界面であった。
「整流」の用語は、とりわけ界面が非対称な導電特性を有する、すなわち界面が一方向の電荷輸送を優先して支持することを意味する。整流は、通常は、適当に選択された材料間の接合で生じる内部(built−in)電場を伴う。
有機材料において、「ドナー」および「アクセプター」の用語は、2つの接触しているが異なる有機材料のHOMOおよびLUMOエネルギー準位の相対的な位置を意味する。これは、無機材料において、「ドナー」および「アクセプター」がそれぞれ無機n型およびp型の層を生成するために用いられうるドーパントの型を意味するのと対照的である。有機材料においては、他の材料に接触しているある材料のLUMOエネルギー準位がより低ければ、その材料はアクセプターである。そうでなければ、ドナーである。このことは、外部のバイアスがない場合に、ドナー−アクセプター接合でアクセプター材料に移動する電子にとって、および、ドナー材料に移動する正孔にとって、エネルギー的に好ましい。
有機半導体の重要な性質はキャリア移動度である。移動度は電荷キャリアが電場に応答して導電性材料中を移動するときの容易さの指標である。有機感光性デバイスにおいて、高い電子移動度により優先的に電子によって導電する材料を含む層は電子輸送層またはETLと呼ばれる。高い正孔移動度により優先的に正孔によって導電する材料を含む層は正孔輸送層またはHTLと呼ばれる。一実施形態において、アクセプター材料はETLであり、ドナー材料はHTLである。
従来の無機半導体PVセル(PV cell)は、内部電場を形成するためにp−n接合を使用する。TangによってAppl.Phys Lett.48,183(1986)に報告されたような初期の有機薄膜電池は、従来の無機PVセルで使用されたものに類似するヘテロ接合を含む。しかしながら、現在では、p−n型接合の確立に加えて、ヘテロ接合のエネルギー準位オフセットも重要な役割を果たすことが認識されている。有機D−Aヘテロ接合でのエネルギー準位オフセットは、有機材料中の光生成プロセスの基本的な性質のゆえに、有機PVデバイスの動作に重要であるとされている。有機材料が光励起すると、局在化したFrenkelまたは電荷移動励起子が生成する。電気的検出または電流発生が起こるためには、束縛された励起子がそれを構成する電子および正孔に解離しなければならない。このようなプロセスは内部電場によって誘起されうるが、有機デバイスで通常観察される電場(F〜10V/cm)での効率は低い。有機材料中での最も効率的な励起子の解離はドナー−アクセプター(D−A)界面で生じる。そのような界面では、低イオン化ポテンシャルのドナー材料は、高電子親和力のアクセプター材料とヘテロ接合を形成する。ドナーおよびアクセプター材料のエネルギー準位の配置によっては、励起子の解離はそのような界面でエネルギー的に好ましいものとなり、アクセプター材料中の自由電子ポーラロンおよびドナー材料中の自由正孔ポーラロンを生じる。
有機PVセルは、従来のシリコン系デバイスに比較すると、潜在的に多くの優位点を有している。有機PVセルは軽量で、材料の使用が経済的であり、フレキシブルなプラスチック膜などの低コストの基板上に被覆できる。しかしながら、有機PVデバイスは典型的には、1%以下のオーダーの相対的に低い外部量子効率(external quantum efficiency)(電磁放射線の電気への変換効率)を有する。このことは、部分的に、固有の光伝導性プロセスの二次的な性質によると考えられる。すなわち、キャリア生成は、励起子の発生、拡散およびイオン化または収集(collection)を必要とする。これらの各プロセスに伴う効率ηがある。添字は以下のように用いられる:Pは電力効率であり、EXTは外部量子効率であり、Aは光子吸収励起子生成であり、EDは拡散であり、CCは収集であり、INTは内部量子効率である。この表記を用いると:
励起子の拡散距離(L)は、典型的には光吸収長(〜500Å)よりも大幅に小さく(L〜50Å)、厚い、したがって高抵抗の、多層にまたは高度に折りたたまれた界面を有するセルを用いるか、または光吸収効率の低い薄いセルを用いるかのトレードオフが要求される。
有益な吸収および電荷移動度の特性により、ポリマー有機PVは最も高効率な有機PVデバイスの1つであるが、ポリマー有機PVにはいくつかの欠点がある。例えば、ポリマーは合成が難しく、モルフォロジーに関して予測しにくく、昇華できない。したがって、光起電力に適用するための新しい種類の化合物を継続して開発する必要がある。
有機光電子デバイス、特にPVに使用するための新しい種類の4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(BODIPY)色素が本明細書中に開示される。したがって、本開示は、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む、有機感光性光電子デバイスを提供する:
式中:Rは、置換されていてもよい単環式基、置換されていてもよいC6−24の多環式基、および置換されていてもよいメソ位で結合された(meso−linked)BODIPYから選択されるか、または、RおよびRおよびRは共に任意の介在原子(intervening atom)とともに置換BODIPYを構成し、ここでRはメソ位で結合され、RおよびRはβ位で結合され;
は、水素、アルキル基およびシアノ基から選択されるか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成するか、または、RおよびRおよびRは共に任意の介在原子とともに置換BODIPYを構成し、ここでRはメソ位で結合され、RおよびRはβ位で結合され;
は、水素、アルキル基およびシアノ基から選択されるか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成するか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成し;
は、水素、アルキル基およびシアノ基から選択されるか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成し;
は、水素、アルキル基およびシアノ基から選択されるか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成し;
は、水素、アルキル基およびシアノ基から選択されるか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成するか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成し;
は、水素、アルキル基およびシアノ基から選択されるか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成するか、または、RおよびRおよびRは共に任意の介在原子とともに置換BODIPYを構成し、ここでRはメソ位で結合され、RおよびRはβ位で結合され;
前記置換されていてもよい単環式基および多環式基はアリール基およびヘテロアリール基から選択される。
いくつかの実施形態において、Rは、置換されていてもよいベンゼンおよび置換されていてもよい縮合ベンゼンから選択される。
いくつかの実施形態において、RおよびRは共に任意の介在原子とともに、RおよびRは共に任意の介在原子とともに、いずれも置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成し、前記置換されていてもよい単環式基および多環式基はアリール基およびヘテロアリール基から選択される。
いくつかの実施形態において、RおよびRは共に任意の介在原子とともに、RおよびRは共に任意の介在原子とともに、いずれも置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成し、前記置換されていてもよい単環式基および多環式基はアリール基およびヘテロアリール基から選択される。
いくつかの実施形態において、RおよびRがいずれも水素、アルキル基およびシアノ基から選択される。
いくつかの実施形態において、RおよびRがいずれも水素、アルキル基およびシアノ基から選択される。
いくつかの実施形態において、RおよびRがいずれも水素、アルキル基およびシアノ基から選択される。
いくつかの実施形態において、R、R、R、R、R、およびRが、すべて水素、アルキル基およびシアノ基から選択される。
本開示はまた、本開示の感光性光電子デバイスの製造方法を提供する。いくつかの実施形態において、前記方法は基板上に光活性領域を被覆することを含み、前記光活性領域は少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、前記光活性領域はドナー材料およびアクセプター材料を含み、前記ドナー材料および前記アクセプター材料の少なくとも1つは、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。
加えて、光誘起電子移動反応は、生物学的および光起電力システムの双方におけるエネルギー貯蔵プロセスにおいて重要である。界面での電荷分離は、OPVにおける自由キャリアの生成における段階である。光合成反応中心において、「スペシャルペア(special pair)」からの電子移動は、対称性の破壊を通して二量体内電荷移動状態の超高速生成により始まる。原理的には、同じ種類の対称性破壊性の戦略をOPVにおける自由キャリアの生成を促進するために使用することができるが、いくつかの重要な制約のため使用されてこなかった。第1に、光化学系IIにおける二量体内電荷移動(CT)状態に似た分子内電荷移動(lCT)状態を生成するためには、CT状態の生成のための駆動力がなければならない。第2に、候補分子は、可視波長の光の強い吸収と対称性破壊性ICTを生じる能力とを兼ね備えなければならない。これらの基準に合致する二量体分子はほとんどない。今日まで、この種の最もよく研究されている系は、9,9−ビアントリルである。しかしながら、9,9−ビアントリルは主に紫外光を吸収する。
先に文献に記載されるように、対称性破壊性CT状態が含まれると、最小限のエネルギー損失および遅い再結合を伴って、電荷分離が促進されうる。これは、光合成反応中心が、速い(ピコ秒の)二量体間CT状態の生成を伴って、その電子移動カスケードを開始する理由であるとみられる。したがって、最小限のエネルギー損失の機構は、OPVの開回路電圧を最大化するのに有用でありうる。しかしながら、ニートフィルム中ではCT励起子の拡散係数が低いため、薄膜太陽電池に標準的なドナー/アクセプター化合物を使用することは、あまり望ましくないことがわかっている。
したがって、このような状態は一般に極性環境でしか形成されないため、到達可能な対称性破壊性ICT状態を有する化合物の開発もまた求められている。そういった分子の典型的な例は9,9’−ビアントリルであり、これは非極性溶媒中で通常の一重項励起状態(S)を形成するが、より極性の環境中では超高速溶媒誘起ICTが起こる。
理論に縛られることなく、極性環境中で対称性破壊性ICTを生じる分子は、分極性ドナー/アクセプター界面での対称性破壊によって、ICT状態への内部転換(internal conversion)の前に、フェルスターエネルギー移動プロセスによって、励起エネルギーをより速く、ニートフィルム(neat film)中のバルク材料を通って長い距離にわたって、移動させることができると考えられる(図14)。
したがって、極性媒体中で対称性破壊性分子内電荷移動を生じさせることができる、少なくとも1つのダイアド(dyad)、トライアド(triad)、およびテトラド(tetrad)などの高次化合物(higher order compound)を含む有機感光性光電子デバイスもまた開示される。一実施形態において、分子内電荷移動は分極性(polarizing)ドナー/アクセプター界面で起こる。
本明細書中に開示される高次化合物は、可視または近赤外スペクトルにおいて、高い吸光係数を示す。少なくとも1つの実施形態において、「高い吸光係数」は、350〜1500nmの範囲の可視から近赤外の1以上の波長での>10−1cm−1の吸光係数を含む。
いくつかの実施形態において、高次化合物は、ドナー−アクセプターヘテロ接合において、少なくとも1つのドナーおよび/またはアクセプター領域を形成する。いくつかの実施形態において、ドナー−アクセプターヘテロ接合は光子を吸収して励起子を形成する。
いくつかの実施形態において、前記デバイスは、有機光検出器、有機太陽電池、または有機レーザーなどの有機デバイスである。
また、高次化合物を含む有機感光性光電子デバイスの製造方法が開示される。一実施形態において、前記デバイスは有機光検出器であってよく、他の実施形態において、有機太陽電池でありうる。
本開示の上述のおよび他の特徴は、添付の図面とともに、以下の例示的な実施形態の詳細な説明からより容易に明らかになるであろう。便宜的にすべてのデバイスの図は幅に対して高さの次元を誇張して示している。
図1は、BenzoBODIPYを合成するためのスキームを表す。 図2は、IndoBODIPYを合成するためのスキームを表す。 図3は、CyanoBODIPYを合成するためのスキームを表す。 図4は、BenzoBODIPYの核磁気共鳴(NMR)データを表す。 図5は、IndoBODIPYのNMRデータを表す。 図6は、CyanoBODIPYのNMRデータを表す。 図7(a)は、合成したBenzoBODIPYの、その溶液状態および固体状態における吸収スペクトルを示す。図7(b)は、合成したIndoBODIPYの、その溶液状態における吸収スペクトルを示す。図7(c)は、BenzoBODIPYの、その溶液状態および固体状態における励起スペクトルおよび発光スペクトルを示す。 図8(a)は、CyanoBODIPYの溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを示す。図8(b)は、CyanoBODIPYのフィルムの励起スペクトル、発光スペクトル、および吸収スペクトルを示す。 図9(a)、9(b)および9(c)は、CuPcをドナー材料として用いた有機PVおよびさまざまな厚さでBenzoBODIPYをドナー材料として用いた有機PVのPV性能データを示す。特に、図9(a)は、電流−電圧曲線を示し、図9(b)は、外部量子効率(EQE)を示し、図9(c)は、暗電流曲線を示す。 図10(a)および10(b)は、さまざまな厚さでBenzoBODIPYをドナー材料として用いた有機PVのさらなるPV性能データを示す。特に、図10(a)は、電流−電圧曲線を示し、図10(b)は、EQEを示す。 図11(a)および11(b)は、ドナー層の被覆の後、アクセプター層の被覆の前に熱アニーリングした有機PVであって、さまざまな厚さでBenzoBODIPYをドナー材料として用いた有機PVのPV性能データを示す。特に、図11(a)は、電流−電圧曲線を示し、図11(b)は、EQEを示す。図11(c)は、未処理および熱処理した有機PVの吸収スペクトルを示す。 図12(a)および12(b)は、ドナー層およびアクセプター層の被覆の後に熱アニーリングした有機PVであって、さまざまな厚さでBenzoBODIPYをドナー材料として用いた有機PVのPV性能データを示す。特に、図12(a)は、電流−電圧曲線を示し、図12(b)は、EQEを示す。 図13(a)および13(b)は、CuPcおよびC60をそれぞれドナー材料およびアクセプター材料として用いた有機PV、およびCuPcをドナー材料として、1:1比のCyanoBODIPYおよびC60をアクセプター材料として用いた有機PVのPV性能データを示す。1つのCyanoBODIPYデバイスは、アクセプター層の被覆後に熱アニーリングした。図13(a)は、電流−電圧曲線を示し、図13(b)は、EQEを示す。 図14は、分極性ドナー/アクセプター界面での電荷分離を容易にする対称性破壊性ICTの模式図である。 図15は、対称性破壊性ICTのために二量体、三量体などに結合しうる色素の例を示す。 図16は、対称性破壊性ICTのために合成されたジピリン発色団の例を示す。 図17は、図16のBODIPYダイアド23の合成スキームおよび楕円体で置き換えた表示を示す。 図18は、BODIPYダイアド26の合成スキームを示す。 図19は、CHCl中でのダイアド23の規格化した吸収および発光スペクトルならびに3,5−MeBODIPY−Phの吸収スペクトルを示す。 図20は、CHCl中のダイアド23のサイクリックボルタンメトリーを示す。 図21(a)および21(b)は、ダイアド23の508nmでの励起後の超高速過渡吸収スペクトル、ならびに507nmおよび550nmでの過渡吸収の時間領域スライスを速度論的パラメータに基づく予測トレースとともに示す。 図22は、ダイアド23のトルエン中での過渡吸収を示す。 図23は、ダイアド26のCHCl中での吸収スペクトル、および26のさまざまな極性の溶媒中での発光スペクトルを示す。 図24は、405nmで励起した後のダイアド26のシクロヘキサン中(564nm)およびCHCl中(651nm)での規格化した発光減衰を示す。 図25は、ダイアド26のCHCl中での過渡吸収を表す。 図26は、電場存在下での安定化分子間ポーラロン対の生成を示す。 図27(a)、27(b)および27(c)は、対称性破壊性ICTダイアド、トライアド、およびテトラド(それぞれ、(a)、(b)および(c))を構成する方法を表し、ここでRは色素間を連結する分子を表す。 図28は、対称性破壊性ICTを容易にするために2つの色素を結合する方法を表す。 図29は、ダイアド23のアセトニトリル中での過渡吸収を示し、すべての過渡吸収の特徴は約150ps以内に完全に緩和した。 図30は、ダイアド23のトルエン中での過渡吸収の時間領域スライスを表す。 図31は、435nmで励起した後のダイアド23のトルエン中での規格化した発光減衰(535nm)を示す。 図32は、475nmおよび575nmでの過渡吸収の時間領域スライスを速度論的パラメータに基づく予測トレースとともに表す。 図33は、ダイアド23のX線構造を示す。 図34(a)は、図16の化合物31を用いた有機PVのデバイス構造を示し;図34(b)は、AM1.5G照射下での有機PVの電流−電圧特性を示し;図34(c)はEQEを示す。 図35は、少なくとも1つの式(I)の化合物をドナー材料として用いた有機PVの層状デバイス構造の非制限的な例を示す。
本明細書中に開示される化合物は、有機感光性光電子デバイスに適用される。いくつかの実施形態において、前記有機感光性光電子デバイスは太陽電池である。他の実施形態において、前記有機感光性光電子デバイスは光検出器である。いくつかの実施形態において、前記有機感光性光電子デバイスは光センサである。他の実施形態において、前記有機感光性光電子デバイスは光伝導体である。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの式(I)の化合物は、450〜900nmの範囲の1以上の波長で、10−1cm−1を超える吸光係数を示す。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの式(I)の化合物は、450〜900nmの範囲の1以上の波長で、10−1cm−1を超える吸光係数を示す。
本明細書中、「単環式」の用語は、単一の環のみを含む炭素環基または複素環基を意味する。
本明細書中、「多環式」の用語は、少なくとも2つの環を含む炭素環基または複素環基を意味する。「多環式」基のいくつかの、またはすべての環は、ペリ縮合(peri−fused)、オルト縮合(ortho−fused)および/または架橋(bridged)していてもよい。
本明細書中、「アルキル」の用語は、直鎖または分岐の飽和炭化水素基を意味する。
本明細書中、「アリール」の用語は、芳香族炭化水素基を意味する。「アリール」基は単環式または多環式である。
本明細書中、「ヘテロアリール」の用語は、少なくとも1つのN、O、またはS環原子と、残りの環原子としてのC原子を有するアリール基を意味する。
本明細書中、「置換された」の用語は、化学基の少なくとも1つの水素原子が置換基で置き換えられていることを意味する。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの式(I)の化合物は以下から選択される:
式中、Rは、置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される。いくつかの実施形態において、Rの置換されていてもよい単環式基または多環式基はアリール基またはヘテロアリール基である。いくつかの実施形態において、Rは以下から選択される:
式中、R’は、H、アルキル基、およびアリール基またはヘテロアリール基から選択される。
特定の実施形態において、少なくとも1つの式(I)の化合物は以下を含まない。
本開示の感光性光電子デバイスのいくつかの実施形態において、前記デバイスは少なくとも1つのドナー材料および少なくとも1つのアクセプター材料を含み、前記ドナー材料および前記アクセプター材料の少なくとも1つは、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのドナー材料は、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのアクセプター材料は、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、ドナー材料およびアクセプター材料の両方が、少なくとも1つの式(I)の化合物を含み、ドナー材料を構成する少なくとも1つの式(I)の化合物は、アクセプター材料を構成する少なくとも1つの式(I)の化合物と異なる。当業者が理解するように、本明細書中に開示されるBODIPY化合物のドナーおよび/またはアクセプター材料としての使用は、2つのBODIPY化合物の間、またはBODIPY化合物とドナー−アクセプター対を完全にするために用いられる第2有機半導体材料との間のHOMO準位およびLUMO準位の関係に依存する。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのドナー材料は少なくとも1つの式(I)の化合物を含み、少なくとも1つのアクセプター材料はフラーレンまたはその誘導体を含む。特定の実施形態において、少なくとも1つのアクセプター材料は、C60、C70およびフェニル−C71−酪酸−メチルエステル(PCBM)の少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのアクセプター材料は少なくとも1つの式(I)の化合物を含み、少なくとも1つのドナー材料は銅フタロシアニン(CuPc)を含む。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのアクセプター材料は少なくとも1つの式(I)の化合物および第2有機半導体材料を含む。特定の実施形態において、前記第2有機半導体材料はC60を含む。
いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのドナー材料および前記少なくとも1つのアクセプター材料は、ドナー−アクセプターへテロ接合を形成する。ドナー−アクセプターへテロ接合は平面であっても非平面(non−planar)であってもよい。例えば、ドナー材料およびアクセプター材料は、混合ヘテロ接合(mixed heterojunction)、平面ヘテロ接合(planar heterojunction)、バルクヘテロ接合、およびハイブリッド平面−混合ヘテロ接合の少なくとも1つを形成しうる。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのドナー材料および少なくとも1つのアクセプター材料は層状構造を形成し、この際、少なくとも1つのドナー材料は少なくとも1つの式(I)の化合物を含み、約1〜150nm、または約10〜150nm、または約10〜100nm、または約20〜80nmの厚さを有する。層状構造を構成する少なくとも1つのドナー材料および少なくとも1つのアクセプター材料を含み、少なくとも1つのドナー材料が少なくとも1つの式(I)の化合物を含むデバイスの非制限的な例を図35に示す。
本開示の有機感光性光電子デバイスは、アノードとカソードとを含む2つの電極をさらに含んでもよい。光活性領域はアノードとカソードとの間に配置されてよく、光活性領域は少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、前記光活性領域は少なくとも1つのドナー材料および少なくとも1つのアクセプター材料を含み、前記ドナー材料および前記アクセプター材料の少なくとも1つは、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。前記ドナー材料および前記アクセプター材料は、本明細書中に記載されるようなドナー−アクセプターへテロ接合を形成してもよい。
積層型有機感光性光電子デバイスが本明細書中でさらに考慮される。本開示による積層型デバイスは、複数の感光性光電子サブセルを含み、この際、少なくとも1のサブセルが、積層関係にあるアノードおよびカソードを含む2つの電極、ならびに2つの電極間の光活性領域を含み、前記光活性領域は少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、前記光活性領域は少なくとも1つのドナー材料および少なくとも1つのアクセプター材料を含み、前記ドナー材料および前記アクセプター材料の少なくとも1つは、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。前記ドナー材料および前記アクセプター材料は、本明細書中に記載されるようなドナー−アクセプターへテロ接合を形成してもよい。前記ドナー材料および前記アクセプター材料は、本明細書中に記載されるような層状構造を形成してもよい。
感光性光電子デバイスとしてサブセルが個々に用いられる場合、それは典型的には、電極の完全な1セット、すなわち、正極および負極を含む。いくつかの積層型形態において、隣接したサブセルは共通の、すなわち共用の、電極、電荷移動領域または電荷再結合ゾーンを利用することができる。他の場合、隣接したサブセルは共通の電極または電荷移動領域を共用しない。本明細書中、「サブセル」という用語は、各サブユニットが各自の明確な電極を有するか、または隣接するサブユニットと電極または電荷移動領域を共用するかどうかにかかわらず、サブユニット構造を包含するものである。サブセルは、並列または直列で電気的に接続されうる。
本開示の有機感光性光電子デバイスはまた、2つの電極の間に、励起子阻止層(EBL)などの1以上の阻止層を含みうる。いくつかの実施形態において、1以上の阻止層は、光活性領域とアノードとの間、光活性領域とカソードとの間、またはその両方に配置される。阻止層の例は、米国特許出願公開第2012/0235125号および第2011/0012091号、ならびに米国特許第7,230,269号および第6,451,415号に記載され、これらは、その阻止層の開示について、参照により本明細書中に組み込まれる。
本開示の有機感光性デバイスは、さまざまな材料の組み合わせを用いて、さまざまな形態で構成されうる。デバイスの形態および材料の例は、米国特許出願第13/666,664号、米国特許出願公開第2012/0235125号および第2010/0102304号、ならびに米国特許第6,657,378号;第6,580,027号、および第6,352,777号に記載され、これらは、その有機感光性光電子デバイスの構造、特に光起電力デバイスの構造および材料の開示について、参照により本明細書中に組み込まれる。
本開示の感光性光電子デバイスの製造方法もまた本明細書中に開示される。いくつかの実施形態において、前記方法は、基板上に光活性領域を被覆することを含み、前記光活性領域は少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、前記光活性領域は少なくとも1つのドナー材料および少なくとも1つのアクセプター材料を含み、前記ドナー材料および前記アクセプター材料の少なくとも1つは、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのドナー材料は、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのアクセプター材料は、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、ドナー材料およびアクセプター材料の両方が少なくとも1つの式(I)の化合物を含み、ドナー材料を構成する少なくとも1つの式(I)の化合物は、アクセプター材料を構成する少なくとも1つの式(I)の化合物と異なる。
いくつかの実施形態において、前記光活性領域の被覆は、少なくとも1つの式(I)の化合物を基板上に被覆することを含む。いくつかの実施形態において、光活性領域の被覆は、有機半導体材料および少なくとも1つの式(I)の化合物を基板上に共蒸着することを含む。光活性領域の被覆は、ドナー−アクセプター混合ヘテロ接合、平面ヘテロ接合、バルクヘテロ接合、およびハイブリッド平面−混合ヘテロ接合の少なくとも1つを形成しうる。いくつかの実施形態において、光活性領域の被覆は、層状のデバイス構造を形成する。
いくつかの実施形態において、光活性領域の被覆は、少なくとも1つのドナー材料を基板上に被覆し、基板および前記少なくとも1つのドナー材料を熱アニーリングし、少なくとも1つのアクセプター材料を前記少なくとも1つのドナー材料の上に被覆することを含む。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのドナー材料は少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのドナー材料は少なくとも1つの式(I)の化合物を含み、前記少なくとも1つのアクセプター材料はC60を含む。他の実施形態において、前記少なくとも1つのアクセプター材料は少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。
いくつかの実施形態において、光活性領域の被覆は、少なくとも1つのドナー材料を基板上に被覆し、少なくとも1つのアクセプター材料を前記少なくとも1つのドナー材料の上に被覆し、基板、前記少なくとも1つのドナー材料、および前記少なくとも1つのアクセプター材料を熱アニーリングすることを含む。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのドナー材料は少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのドナー材料は少なくとも1つの式(I)の化合物を含み、前記少なくとも1つのアクセプター材料はC60を含む。他の実施形態において、前記少なくとも1つのアクセプター材料は少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのアクセプター材料は少なくとも1つの式(I)の化合物を含み、前記少なくとも1つのドナー材料はCuPcを含む。
いくつかの実施形態において、アニーリングは、90〜150℃で、0〜30分間行われる。アニーリングの適当な時間および温度は、使用される特定の材料に基づいて選択されうる。
有機層は、公知の方法を用いて被覆されうる。本明細書中に開示されるBODIPY色素のひとつの利点は、溶液加工でき、昇華できることである。したがって、いくつかの実施形態において、少なくとも1つの式(I)の化合物は、スピンキャスティングおよび真空蒸着から選択される技術を用いて基板上に被覆される。
本開示の他の形態は、OPVへの適用に必要とされる光吸収および対称性破壊特性を示す化合物に関する。さらに、本開示のこれらの化合物は、光合成反応中心にみられる特性を模倣する。
OPVへの適用に必要とされる光吸収および対称性破壊特性を示す化合物としては、例えば、対称ダイアド、トライアド、テトラドなどの高次化合物が挙げられる。これらの化合物は、対称性破壊によって極性媒体中で分子内電荷移動状態に分布しうるが、これらの対称性のため、極性媒体の不在下ではそのようにできない。高次化合物は、少なくともC対称性を有し、他の放射性または非放射性の減衰プロセスの前に電荷移動が起こるように、少なくとも1psの発光寿命を有する必要がある。
一実施形態において、前記高次化合物は、例えば、ペリレン、マラカイト、キサンテン、シアニン、ビピリジン、ジピリン、クマリン、アクリジン、フタロシアニン、サブフタロシアニン、ポルフィリン、およびアセンから選択される色素化合物を含みうる。これらの色素は、色素の物理的および電子的特性を制御するために、結合部位以外の任意の位置で、アルキル、H、電子供与基または電子求引基で置換されていてもよい。関連する物理的特性としては、溶解度、昇華温度および融解温度が挙げられる。関連する電子的特性としては、吸収エネルギーおよび発光エネルギー、ならびに酸化電位および還元電位が挙げられる。
他の実施形態において、前記高次化合物は、以下のジピリン発色団から選択される:
本開示の他の実施形態は、 対称性破壊性ICT化合物、およびその電場安定化双生ポーラロン対を生成させるための発色団としての使用を提供する。これらのポーラロン対は、電場がなければ高濃度の励起子を生成しながら崩壊するため、有機レーザーを構成するのに有用でありうる。このプロセスにおいては、大きな電場を印加することにより、光吸収によって形成された励起子の電荷分離を行わせ、双生ポーラロン対を再結合側に安定化させる。これはわずかにドープされたマトリックスによって達成され、ここで、ドーパントは光を吸収し、マトリックス材料上のもう一方のポーラロンと共に、ポーラロンの1つ(カチオンまたはアニオン)としてふるまう。本明細書中に記載されるBODIPYダイアドおよび関連する化合物は、発色団自体の中で双生対の形成のための電荷分離が効率的に達成されるように(ただし電場の不在下では励起状態での電荷分離のための駆動力がない)、同じ分子の中にドナーおよびアクセプターを有する。これにより発色団を非導電性ホスト材料中にドープすることができ、キャリアリークを防ぐことができる。置換ポルフィリンの固有のC2対称性は、ほとんどすべての分子が、電荷分離を促進する配向で存在することを保証する(図26)。電場と効率的に結合することができない配向は、ダイアドの面が印加された電場に垂直な配向である。ランダムにドープされたフィルムを使用することによって、非生産的な配向で存在するドーパントはほんの数パーセントとなる。
太陽電池の用途での有用性を示すために、構成要素である高次の色素化合物は、可視から近赤外(350〜1500nm)のある波長で高い吸光係数(ε>10−4−1cm−1)を有していなければならず、中でも、例えば、キサンテン色素(例えば、フルオレセイン、エオシン、およびローダミン)、クマリン、アクリジン、フタロシアニン、サブフタロシアニン、ポルフィリン、テトラセンまたはペンタセンなどのアセン、ペリレン、マラカイト、シアニン、ビピリジンおよびジピリンのダイアドが挙げられる。いくつかの太陽電池の用途(例えば、単セル太陽電池)では、前記高次の色素化合物は、350〜950nmの可視から近赤外のある波長において高い吸光係数を示してもよい。他の太陽電池の用途(例えば、タンデム太陽電池)においては、高次の色素化合物は、350nmから少なくとも1200nmの間の可視から近赤外のある波長において高い吸光係数を示してもよい。有機光検出器では、高次の色素化合物は、350nmから少なくとも1500nmの間の可視から近赤外のある波長において高い吸光係数を示してもよい。
ダイアド(またはトライアド、テトラドなど)は、極性媒体中で、光生成S状態からエネルギー的に到達できる分子内電荷移動(ICT)状態もまた有する必要がある。ICT状態のエネルギーは、以下のように近似されうることが知られている:
ここで、IP(D)はドナーのイオン化ポテンシャルであり、EA(A)はアクセプターの電子親和力であり、Cは系中の隣接するカチオンとアニオンとのクーロン安定化(Coulombic stabilization)であり、ΔEsolvは、(溶媒などによる)周辺の極性環境によるイオン対の安定化である。
提案された分子については、ドナーとアクセプターとは同じ部分にあるため、対称性破壊性ICT状態のエネルギーのおおよその近似は、サイクリックボルタンメトリーまたは他の電気化学的方法によって決定されるように、一電子酸化および還元の事象の間の電位差を1つの電子が超えるのに必要なエネルギーからもたらされる。CおよびΔEsolvはICT状態の安定化にのみ寄与するため、この方法ではいつもエネルギーを過剰に見積もってしまう。したがって、例えば、ある色素の酸化および還元の事象の差が2.50Vである場合、その色素から構成されるダイアドのICT状態のエネルギーは2.50eV未満になる。第一近似として、EICT−0.260eV(すなわち、この方法により決定したEICT−10kT)よりも大きな第1の一重項励起状態(S)エネルギーを有する色素の二量体(およびより高次の構造)は、分極性ドナー/アクセプター界面での対称性破壊性分子内電荷移動を生じさせることが可能であり、光起電力デバイスにおける電荷分離を容易にする。図16のいくつかの化合物の酸化還元電位およびE00エネルギーを表1に示す。
図16の発色団の吸収プロファイルは、一般に、それぞれの色素のモノマーユニットと同様であり、発色団分子上の2つ(または3つ以上)の色素ユニット間の励起子結合は最小限であることを示す。これらはまた、任意のICT状態へ接近するには、はじめにS状態に直接励起しなければならないため、異なる溶媒の極性にわたって一般に不変である。図16の発色団の異なる溶媒での吸収を表2に示す。
各発色団の蛍光(表3)は溶媒環境に基づいて変化し、溶媒の極性が増加すると、CT状態への接近が安定化され、そのCT状態のエネルギーが低下する。したがって、蛍光スペクトルにおいて任意の発光性CT状態のレッドシフトがみられ、直接結合ダイアドである26、27、28および29で顕著である。発色団31〜34は、より長波長において、溶媒の極性が高くなるにつれて大きくなる分離したCTバンドを示す。しかしながら、残りの発色団は、非発光性CT状態を有するようである。これらのCT状態についての証拠は、フォトルミネセンス量子収率の測定をした際に見ることができ(表3)、フォトルミネセンス量子収率は、すべての候補について溶媒の極性が増大するにつれて減少している。量子収率の減少は、溶媒の極性が高くなるにつれて非発光性になる状態があることを示している。
極性溶媒中でのICT状態の生成の裏付けは、フェムト秒過渡吸収測定によって与えられる(表4)。BOPIPY発色団の525〜600nmからの誘導放出バンドの発現に反映されているように、アセトニトリル中でのBODIPYの波長(〜500nm)での励起によってS状態に分布される。10psの間に、このバンドはBODIPYラジカルアニオンと報告されている吸収スペクトルと一致する〜545nmにピークを有する弱い誘導吸収バンドの立ち上がりに付随して消失する。データ全体のフィッティングによりこのICT状態の生成速度(kCT −1)が得られる。続いて、すべての過渡スペクトル特性は、krec −1で与えられる速度定数で減衰する。このCT状態の証拠は、溶媒の極性がアセトニトリルからジクロロメタン、トルエンへと低下するにつれて、対応して再結合が増大する(より速くなる)につれて、減少する。また、立体障害が増大する(すなわち、1〜4)につれて、kCT −1が増加し(より速くなり)、krec −1が減少する(より遅くなる)。
このような対称性破壊性電荷移動を生じさせるために、(基底状態の相互作用がある必要はないが)色素は電子的にやり取りできなければならない。ゆえに、これらの結合の仕方が重要である。対称性破壊性ICTを起こすために、色素を互いに結合する多くの可能な方法がある。図27に、2つ、3つ、または4つの色素を一緒にしている3つの例を示す。ダイアド型構造では、2つの構成要素である色素は、直接結合していてもよく、これらを線形または共対面(cofacial)の配置で位置させるリンカーを介して結合していてもよい(図28)。リンカーは、色素からリンカーへの直接エネルギー移動を防ぐために、色素よりも高エネルギーの光学遷移を有する必要がある。飽和および不飽和の炭化水素リンカーを含めて、多くのリンカーを使用することができるが、最も重要な要求は、リンカーが光励起色素によって還元も酸化もされないような基底状態の酸化還元電位を有していることである。
図27(a)から、様々な高効率な二価のリンカーが考えられる。リンカーは、図16の化合物31〜34の亜鉛系材料に示すように、単一原子であってもよい。この二価の基はまた、化合物23〜25に示されるような二置換アレーンまたは化合物26〜29に示されるような単結合であってもよい。当業者であれば、他の二価の原子または、アリール、ナフチル、アントリル等の縮合アリール、アルキル、アルキニル、アルケニル、単結合(Rは単結合である)、ヘテロ環、ジアゾ、またはオルガノシラン部分から構成される効果的な二価のリンカーを使用したさまざまな類似の二価のリンカーを想到することができる。リンカーがそれぞれの色素への2つの共有結合を作る場合は、四価の原子もまたダイアドを結合するために用いられうる。このような炭素またはケイ素原子との結合はスピロ結合と呼ばれ、スピロ炭素またはケイ素によって架橋された2つの分子の固い直交構造が形成される。
図27(b)は、リンカーの周りに配置された3つの色素を表している。この効果的な三価の結合は、図16の化合物30の1,3,5−ベンゼンで実証されている。この結合はまた、AlまたはGa、または遷移金属などの三価の金属原子でありうる。これらの錯体は、中心金属原子が3つの二座配位子に囲まれていることを除いては、図16の化合物31〜34に類似している。当業者であれば、三価の原子またはアリール、ナフチル、アントリルなどの縮合アリール、アルキル、アルケニル、ヘテロ環、またはオルガノシラン部分から構成される効果的な三価のリンカーを用いたさまざまな類似の三価のリンカーを想到することができる。
図27(c)は、中心のリンカーに結合した4つの色素を表す。この結合は、Ti、ZrまたはHfなどの四価の金属原子でありうる。これらの錯体は、中心金属原子が4つの二座配位子に囲まれていることを除いては、図16の化合物31〜34に類似している。当業者であれば、三価の原子またはアリール、ナフチル、アントリルなどの縮合アリール、アルキル、アルケニル、ヘテロ環、またはオルガノシラン部分から構成される効果的な四価のリンカーを用いたさまざまな類似の四価のリンカーを想到することができる。極性媒体の不在下ではICTのための駆動力がないため基底状態で対称または擬対称である必要があるが、高次構造の多くの他の幾何構造が考えられる。さらに、基底状態または励起状態にある2つの分子の相互作用は、三重項またはエキシマ励起状態などのICTよりも低いエネルギーの励起状態を形成しないことが必要である。これらの別の励起状態が存在してもよいが、ICTよりもエネルギー的に高くなければならない。
一実施形態において、対称性破壊性電荷移動化合物は少なくともC対称性を有し、この対称性はダイアド、トライアド、テトラドなどにおける結合で保持される。前記対称性は、シアニン、マラカイト、キサンテン、およびペリレンのように、C軸上にあるリンカーに色素を結合する原子を有することによって保持されうる。または、前記色素は、結合した構造においてC対称性が保持される−結合中心に結合した原子がどれもC軸上にないように結合されうる。
BODIPY−ポルフィリンハイブリッドにおける電荷およびエネルギー移動反応についての研究を続けるために、本開示の一形態は、ユニットがフェニレンを介して間接的に、またはC−C結合によって直接的にメソ位で結合した、対称BODIPYダイアドの合成および独特な対称性破壊ICT特性を提供する。さらなる研究によって、直接結合ダイアドが9,9’−ビアントリルにみられる挙動に似た励起状態特性を有することがわかった。
図16のフェニレン架橋BODIPYダイアド23は、その構造がBODIPY−ポルフィリンハイブリットに似ていることから、最初に研究対象とされた。
ダイアド23は、テレフタルアルデヒドおよび2−メチルピロールの酸触媒型縮合、その後、N,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび三フッ化ホウ素ジエチルエーテレートの存在下で、DDQによる酸化およびジフルオロホウ素化を行うことによって調製した。単結晶X線回折によるダイアド23の分析から、2つの同一平面上のBODIPYユニットが結晶学的対称中心によって同一になることが明らかになった(図33)。フェニレン架橋はBOPIPY平面に対して47°の角度で傾いており、リンカーに対するBODIPYユニットの部分的な回転への立体的な負担が最小限であることを示している。したがって、BODIPYとフェニレンのn軌道との相互作用を必要とする電子超交換がフェニレン架橋を越えて可能である。
ダイアド23のさまざまな極性の溶媒中での吸収スペクトルは、モデル化合物である3,5MeBODIPY−Phとほとんど同一であり、ダイアド23の発色団の間の基底状態の相互作用または起子結合が最小限であることを示している(図19)。ダイアド23の発光スペクトルは、60の溶媒のすべてでほとんど不変の小さいストークスシフトを示す。しかしながら、フォトルミネセンス量子効率(QE)は、0.1よりも小さく、ほとんどの極性溶媒中で急激に低下する(表5)。対照的に、3,5MeBODIPY−Phのシクロヘキサン中でのQEは0.29であり、アセトニトリル中で0.17に減少する。ダイアド23のQEの急激な減少は、BODIPYユニットがリンカーと同一であるため、ある程度の対称性破壊を伴う非発光性電荷移動状態の生成の可能性を示す。
対称性破壊性ICTを生じるダイアド23の電位は、電気化学によって調べられた。ダイアド23のサイクリックボルタンメトリーは、可逆還元(E1/2=−1.37V)および不可逆酸化(EPA=940mV、いずれもFc/Fcに対して)を示した。酸化と還元との値の差(2.31V)は、ZanderおよびRettigによって以前に検討されたように、ダイアド23のS状態(シクロヘキサン中でE00=2.38eV)がICTを生じるのにエネルギー的に十分であることを示している。
極性溶媒中でのICT状態の生成の裏付けは、フェムト秒過渡吸収測定によって与えられた(図21)。S発光の線形に合致する525〜600nmの誘導放出バンドの出現に反映されるように、アセトニトリル中でのダイアド23の508nmでの励起はS状態に分布させる。10psの間に、このバンドはBODIPYラジカルアニオンと報告されている吸収スペクトルと一致する545nmにピークを有する弱い誘導吸収バンドピークの立ち上がりに付随して消失する。データ全体のフィッティング(図21(b))によりこのICT状態の生成速度4.8psが得られる。続いて、すべての過渡スペクトルの特徴は、速度定数34psで減衰し、S状態への速い非放射性の回復を示しており、BODIPYアクセプターを含む非対称性ダイアドに一致する。一方、ダイアド23のトルエン中での励起は、発光の研究から決定された寿命(τ=850ps)に一致する速度で減衰するS状態の生成をもたらす。
ドナー/アクセプター分子のICT励起状態のねじれおよび他の構造上の変化の重要性は、これまでに広く探索されてきた。さらに、BODIPY発色団に対するメソ−アリール置換基の回転が、非放射性不活性化の主な経路として従来は考えられてきた。本発明の場合、ダイアド23のフェニレン架橋の容易な回転もまた、ICT状態を基底状態に超高速直接表面交差させる要因であると考えられる。したがって、これらの研究は、C−C結合によってメソ位で直接結合された2つのBODIPYユニットを有し、これによって回転の自由度が著しく抑制される、図16のダイアド26を用いて拡張された。ダイアド26は、1,1,2,2−テトラキス(5−メチル−1H−ピロール−2イル)エテンから低い収率(<3%)で調製され、これは同じく、標準的な酸化およびジフルオロホウ素化条件(式1)を用いてMcMurry反応によって合成された。ダイアド26のX線品質の単結晶は得られなかったが、DFT(B3LYP/631g)法を用いた構造最小化によって、ダイアド26の平面のBODIPYユニットはダイアド23のものと同様の局所的幾何構造を有し、互いに71°の二面角で傾いていることが示された。
ダイアド26の吸収スペクトルはいくつかの溶媒でほとんど不変であり、ダイアド23および他のBODIPY発色団のものと同様である。530nmにおける第1(S→S)吸収バンドのわずかな分裂はBODIPYユニット間の励起子結合の程度が低いことを示している。一方、蛍光スペクトルは、溶媒に大きく影響を受ける。シクロヘキサン中では、小さいストークスシフトおよび高い量子効率が観察された。溶媒の極性が上昇するにつれて発光波長の漸進的なレッドシフトが観測され、付随してブロードニングおよびQEの減少が観測された(図23および表6)。このスペクトルは、ダイアド26が非平面の基底状態を有し、2つの構成要素である発色団が同一であるにもかかわらず励起状態において非常に高い双極子モーメントを有することを示す。同様の挙動が9,9’−ビアントリル分子で観察された。
ダイアド26は、シクロヘキサン中で単純な一次発光減衰を示したが(τ=9.3ns)、ジクロロメタン中では、より長寿命の(約7ns)減衰を伴って、速い成分(<200ps)から構成される、2つの指数関数(biexponential)の減衰が観察された(図24)。ダイアド26のCHCl中での非放射減衰速度(knr=1.4×10−1)は、ダイアド23のアセトニトリル中のものよりも2桁以上遅かった。これらの結果は、ダイアド26の光励起によって生成する局所的なS状態が、極性溶媒中で溶媒によって誘起される対称性破壊によって発光性ICT状態に超高速変換されることを示している。
ダイアド26の極性媒体中での電荷移動挙動をさらに明らかにするために、CHCl中のフェムト秒過渡吸収分光法を用いた。508nmで励起したときに観察されるS状態は、速く変化し(kIC −1=570±80fs)、580nmで吸収する励起状態を生成し、BODIPYラジカルアニオンの生成と一致する(図25)。しかしながら、ダイアド23で観察されるICT状態と対照的に、ダイアド26におけるICT状態に伴うスペクトル特性は、1nsの間に最小限の強度変化しか示さず、この状態が発光状態と同程度の寿命を有することを示した。
いくつかのビアセン(biacene)は同様の発光特性を示すが、我々の知る限りでは、ダイアド26は、発光性ICT状態の対称性破壊性の生成と、スペクトルの可視領域の強い吸収とを兼ね備える初めての例である。ポルフィリンは多くの点でジピリンに関連するが、ダイアド26のメソ位で結合されたポルフィリン類似体は、このような励起状態の形成はS状態に対して吸熱的であるため、対称性破壊性ICTを生じない。α位またはβ位で直接結合したBODIPYダイアドもまた、このような発光挙動を示さない。しかしながら、ベニストンらは、エキシプレックスのように極性溶媒中で容易に発光性ICT状態を生成する、ダイアド26と9,9’−ビアントリルとのハイブリッドである、メソ位で結合した9−アントラセニル−BODIPY化合物を報告した。
これらの直接結合したダイアドは、9,9’−ビアントリルの可視光吸収性類似体としてはたらく。
BODIPYダイアド23および26は、溶媒誘起対称性破壊によって極性媒体中でICT状態を生成する。さらに、可視波長での強い吸収の存在によって、これらの分子を光合成反応中心でみられる特徴に似せることができる。これらの両方の特徴を有するモデル系はまれである。ダイアドの回転の自由度が異なるとICT状態の挙動が劇的に変化する。ダイアド23は基底状態に速い非放射減衰をするが、よりかさ高いダイアド26は長寿命のICT状態を有し、中程度から高い蛍光量子効率を与える。
フェムト秒過渡吸収測定は、Ti:サファイア再生増幅器(Coherent Legend、3.5mJ、35fs、繰り返し数1kHz)を用いて行った。増幅器の出力の約10%を、タイプII OPA(Spectra Physics OPA−80OC)のポンプに用い、508nmを中心とし、バンド幅11.5nmの励起パルスを発生させた。試料の位置で、50cmのCaFレンズを使用してポンプ光を0.29mm(FWHM)のスポットサイズに軽く焦点を合わせた。少量の増幅器の出力を回転CaFプレートに焦点を合わせることによりプローブパルスを生成させ、320〜950nmの範囲にわたる超連続光を得た。一対の軸外アルミニウム放物面鏡で超連続プローブ光をコリメートし、試料に焦点を合わせた。
適当な溶媒に溶解させたダイアド23または26から構成される試料を1cmの光路長の石英セルに保持し、ピーク光学密度を0.13〜0.18とした。垂直に配向させたポンプ光およびプローブ光についてデータを収集した。これによって、プローブ光が試料の後ろの分析用偏光子を通過することによるポンプ光由来の散乱を抑制することができる。透過したプローブ光を波長の関数として多重検出できる256ピクセルのシリコンダイオードアレイ(Hamamatsu)上に超連続(supercontinuum)プローブ光を分散させるために分光器(Oriel MS127I)を用いた。他のすべてのポンプパルスを遮断し、プローブ光中のポンプ光に誘導された変化の差分検出(differential detection)を可能にするために光チョッパーを使用した。本明細書中のデータは、1500回のon/offポンプパルス対について測定した平均プローブ光透過率変化を表す。
初期の遅延時間において、試料セルおよび溶媒からの強い非共鳴信号が観察されるが、300fs以内に緩和する。この非共鳴信号を注意深く測定することにより過渡データからの部分的な差し引きが可能になる。この非共鳴溶媒応答はまた、CaFプレートおよび試料を通した伝搬から生じる超連続プローブ光の一時的な分散の指標を与える。提示したデータは、この分散を補正している。
過渡実験は、265μJ/cmのポンプフルエンスを使用して実施した。ダイアド23および26の断面積に基づいて、このフルエンスでダイアド1分子あたり1未満の励起を期待した。135μJ/cmのフルエンスで行った過渡実験は、より高いフルエンスで測定されたものと線形に比例し、同様のフィッティングの時定数を与え、消滅プロセスが信号に寄与しないことを示唆した。
測定された過渡スペクトルは、ダイアド23において、初期に励起された分布(population)が時間の経過と共に変化して非放射的に基底状態に戻るICT状態を生成するが、ダイアド26においては、ICT状態はナノ秒またはより長い時間スケールで持続することを示している。それぞれのダイアドのICT状態の生成速度およびダイアド23における基底状態の非放射再分布(non−radiative repopulation)の速度を得るために、過渡スペクトルは、一連の連続的な一次速度プロセスによって支配された三状態モデルを用いて表すことができると仮定する:
式中、kICTおよびknrは、それぞれ、ICT状態の生成速度および基底状態への非放射回復(non−radiative return)の速度を表す。式S1に基づいて、それぞれのダイアドの過渡スペクトルS(λ,t)を以下のように線形に分解することができる:
式中、σS1(t)およびσICT(t)は所定のダイアドのS1およびICT状態の時間依存性の分布を表し、σS1(λ)およびσICT(λ)はそれぞれの状態の分布に起因する、過渡吸収スペクトルの時間に依存しない特性を表す。これらの基準スペクトルは、励起状態の吸収による正の性質および誘導放出と基底状態の分布の減少(ブリーチング)との組み合わせによる負に向かうピークを有する。
S1(t)およびcICT(t)の時間依存性の挙動は、式S1で表される一組の微分方程式の解によって与えられる。
式中、Iは、励起パルスによってS1状態に置かれた初期分布(initial population)を表す。アセトニトリル中のダイアド23の挙動をモデル化するために、最小二乗最小化ルーチンによってkICTおよびknrの両方を決定した。26のジクロロメタン中での過渡スペクトルは、実験時間窓(1ns)の間に基底状態への非放射緩和の最小限の特徴しか示さないため、knrを発光測定によって決定された26の非放射減衰速度(1.4×10−1)に一致させた。
グローバル解析モデルにより得られたフィッティングは、図21(b)および図32にプロットされた実験での過渡信号のそばに現れた。全体に、実験データと我々のモデルとの一致は非常に良好である。ダイアド23について、図21(b)は、開示されたモデルが、ICT状態(1/kICT=4.8ps)の生成によって生じる550nmでの誘導吸収の成長を再現することを示す。この特徴は、その後、507nmでの脱励起と基底状態への回復と一致する速度で減衰し(1/knr=34ps)、ICT状態の減衰は基底状態の再充填をもたらすことを示す。対照的に、ダイアド26のICT状態は、575nmの誘導吸収バンドの速い生成によって裏付けられるように(図32)、ダイアド23よりも1桁近く速く生じる(1/kICT=570fs)が、実験時間窓(1ns)にわたって、基底状態の再生成を示す指標はみられなかった。
ダイアド23の結晶データおよび構造精密化
実験式 C2824
分子量 514.13
温度 123(2)K
波長 0.71073Å
結晶系 斜方晶
空間群 Pbca
単位格子長さ a=12.808(3)Å α=90°
b=12.205(2)Å β=90°
c=15.019(3)Å γ=90°
体積 2347.8(8)Å
Z 4
密度(計算値)1.455Mg/m
吸収係数 0.108mm−1
F(000) 1064
結晶サイズ 0.10×0.09×0.07mm
データ収集θ範囲 2.67〜27.55°
指数領域 −16≦h≦16、−10≦k≦15、−19≦i≦18
反射収集(Reflections collected) 13598
独立反射(Independent reflections) 2688[R(int)=0.1065]
θ=25°完了率(Conpleteness to theta) 100.0%
吸収補正 等価物から半経験的
最大および最小透過率(Max. and Min. transmission) 0.7456および0.5788
精密化方法(Refinement method) Fの完全マトリックスの最小二乗法
データ/抑制/パラメータ 2688/0/174
のフィッティング度合 1.119
最終Rインデックス[I>2シグマ(I)] R1=0.0571,wR2=0.0838
Rインデックス(全データ) R1=0.0571,wR2=0.0838
最大微分ピークとホール(Largest diff. and hole) 0.285および−0.209eÅ。
強い可視光吸収と励起状態ICTとの組み合わせは、ダイアド23および26ならびにこれらの類似体を上述したような用途のための有望な候補にし、この際、到達可能なICT状態を有する有機材料は、分子内電荷移動が起こる前に一重項励起エネルギーをD/A界面に効率的に移動させ、逆界面再結合プロセスを最小にしつつ、正電子移動速度を最大にする。
本開示は、高次構造から選択される少なくとも1つの化合物を含み、前記化合物のある可視波長での吸光係数が>約10−1cm−1であり、前記化合物は励起状態で対称性破壊性分子内電荷移動を生じうる、有機感光性光電子デバイスを提供する。本明細書中に開示される有機感光性デバイスは、例えば、有機光検出器または有機太陽電池でありうる。
いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つの化合物は、キサンテン色素、クマリン、アクリジン、フタロシアニン、サブフタロシアニン、ポルフィリン、アセン、ペリレン、マラカイト、シアニン、ビピリジン、およびジピリンのダイアド(dyad)から選択される。他の実施形態において、前記化合物は、トライアドおよび(triad)およびテトラド(tetrad)などのさらに高次の構造から選択される。
いくつかの実施形態において、分子内電荷移動は、極性媒体(polarizing medium)中で起こる。
いくつかの実施形態において、励起状態における分子内電荷移動は、極性媒体中で、光生成S状態からエネルギー的に到達可能である。
いくつかの実施形態において、ダイアドが線形もしくは共対面の形態で配置されるように、ダイアドは直接またはリンカー(飽和または不飽和の、直鎖または分岐した炭化水素、または芳香環(例えば、フェニレンなど)、またはアリール、ナフチル、アントリルなどの縮合アリール、アルキル、アルキニル、アルケニル、ヘテロ環、ジアゾまたはオルガノシラン部分から構成されるもの)を介して結合されうる。
いくつかの実施形態において、前記高次化合物は、1,4−ビス(4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−8−イル)ベンゼンまたはその塩もしくは水和物である。他の実施形態において、前記高次化合物は、ビス(4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−8−イル)、またはその塩もしくは水和物である。
さらなる実施形態は、1,4−ビス(4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−8−イル)ベンゼン、またはその塩もしくは水和物を調製する方法であって、テレフタルアルデヒドおよび2−メチルピロールを含む混合物を、ハロゲン化カルボン酸、酸化剤、およびルイス酸で処理し、1,4−ビス(4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−8−イル)ベンゼンを生成することを含む、方法を対象とする。さらなる実施形態において、ハロゲン化カルボン酸はトリフルオロ酢酸であり、酸化剤はDDQであり、ルイス酸は三フッ化ホウ素ジエチルエーテレートでありうる。
さらなる実施形態は、ビス(4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−8−イル)、またはその塩もしくは水和物を調製する方法であって、第1ルイス酸および遷移金属を含む混合物を、ビス(5−メチル−1H−ピロール−2−イル)メタノンを含む混合物で処理し、1,1,2,2−テトラキス(5−メチル−1H−ピロール−2−イル)エテンを生成し;1,1,2,2−テトラキス(5−メチル−1H−ピロール−2−イル)エテンおよび塩基を含む混合物を、酸化剤および第2ルイス酸で処理し、ビス(4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−8−イル)を生成することを含む、方法を対象とする。さらなる実施形態において、第1ルイス酸はTiClであり、遷移金属は亜鉛であり、塩基はトリエチルアミンであり、酸化剤はDDQであり、第2ルイス酸は三フッ化ホウ素ジエチルエーテレートでありうる。
本開示はまた、有機感光性光電子デバイスを含む有機感光性デバイスの製造方法であって、前記有機感光性光電子デバイスは、ダイアドまたはより高次の構造の化合物から選択される少なくとも1つの化合物を含み、前記化合物のある可視波長での吸光係数が>約10−1cm−1であり、前記化合物は励起状態で対称性破壊性分子内電荷移動が可能である、方法を提供する。
実施例
実施例1:BenzoBODIPY、IndoBODIPYおよびCyanoBODIPYの合成
図1に示すように、BenzoBODIPYは、対応するピロールおよびアルデヒドから2段階で、その後レトロDiels−Alder脱保護によって調製した。必要なピロールは、Barton−Zard合成によって、必要な前駆体から通常>80%の収率で調製した。ピロールカルボン酸エステルを水素化アルミニウムリチウムを用いてメチルピロール部分に変換し、空気に敏感であるため、さらなる精製をせずに用いた。ヒューニッヒ塩基およびBF・EtOを用いてBODIPY合成の既知の条件下で、マスク化(masked)BenzoBODIPYを約40%の収率で得た。加熱すると、マスク化BenzoBODIPYは定量的にBenzoBODIPYに変換された。次いで、この物質を再結晶して銅色の結晶を得て、昇華した。
図2に示すように、IndoBODIPYは、はじめに、その対応するジインドリルメタン前駆体を単離することによって調製した。既知の文献に記載される技術を用いて前駆体を単離した。ホウ素錯体は、BenzoBODIPYの条件と同じ条件を用いて調製したが、わずか7%の収率であった。この物質を再結晶して、紫色の固体を得た。
CyanoBODIPYは図3に示す合成スキームを用いて調製した。
実施例2:BenzoBODIPY、IndoBODIPYおよびCyanoBODIPYの光学特性
本明細書中に開示されるBODIPY色素、例えば、BenzoBODIPYおよびIndoBODIPYの吸収極大は、非置換のBODIPYコアと比較すると、レッドシフトしていた。典型的なBODIPYコアは、溶液で〜510nmの吸収極大を有するが、図7(a)および7(b)に示すように、BenzoBODIPYおよびIndoBODIPYの溶液の吸収極大は、それぞれ、604nmおよび559nmであった。さらに、図7(b)から、IndoBODIPYの溶液の吸収は、大きくブロードニングし、図7(a)のBenzoBODIPYによって示されるこの種類の材料で通常観察される狭いバンド幅から逸脱することがわかる。図7はまた、BenzoBODIPYのフィルムの励起は、強い分子間相互作用により、溶液の吸収よりもはるかに広がり、よりレッドシフトすることを示す。また、溶液および固体状態と比較して、より大きなストークスシフトが観察された。
図8(a)に示すように、CyanoBODIPYは、〜500nm付近にシャープな極大を示した。CyanoBODIPYの、BenzoBODIPYよりも小さいπ系によって、図8(b)に示すように、薄膜特性において、程度のより小さい、ピークのブロードニングおよびレッドシフトが観察された。
モル吸光係数は、ガラスキュベットで、ジクロロメタン中で測定した。3.03×10−1cm−1の値がBenzoBODIPYで測定され、1.46×10−1cm−1の値がCyanoBODIPYで測定された。
実施例3:BenzoBODIPYを用いた光起電力デバイス
BenzoBODIPYをドナー材料として用いた光起電力デバイスおよびCuPcをドナー材料として用いたデバイスを、タージトール(Tergitol)、アルコール、アセトンで洗浄し、次いで、UV−オゾン処理したITO−ガラス基板上に作製した。C60(MTR Limited)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)(Aldrich)およびBenzoBODIPYは、使用前に昇華精製した。アルミニウム(Alfa Aesar)を金属カソード蒸着に用いた。すべてのデバイスを、真空蒸着チャンバ中で、各層の蒸着速度を固定して、層状デバイスとして作製した。3つのBenzoBODIPYデバイスを、それぞれ異なるドナー層の厚さ(10nm、20nmおよび30nm)で作製した。デバイス性能(電流−電圧曲線および外部量子効率(EQE))を、模擬AM1.5G太陽光照射(Oriel Instruments)下で、Keithley 2420 3A Source Meterを用いて測定した。それぞれのデバイスのデバイス構造および性能を下記および図9にまとめた。
CuPcデバイス:ガラス/ITO/CuPc(40nm)/C60(40nm)/BCP(10nm)/Al
BenzoBODIPYデバイス:ガラス/ITO/BDPY(30〜10nm)/C60(40nm)/BCP(10nm)/Al。
電流―電圧曲線を図9(a)に示す。外部量子効率(EQE)を図9(b)にプロットした。暗電流曲線を図9(c)に示す。性能データを表7に記録した。表7に示すように、デバイス性能はドナー層の厚さに依存した。これらの実験は20nm付近に最適の厚さを与え、ここでデバイスは12.4mA/cmの最大の短絡回路電流を示した。厚さが増加すると一般に開回路電圧が大きくなるが、2つのより厚いデバイスについて、VOCは平均して730mV付近となった。10nmのデバイスは、ドナー材料の凝集があり、表面に島を形成し、直接C60およびITOが接触した。表面が完全に覆われていないと、電位および電荷生成の低下がもたらされうる。曲線因子0.53で、最も高性能のデバイスは4.17%の電力変換効率(PCE)を達成した。
BenzoBODIPYドナー層の厚さをさらに変化させた(40、70、100および130nm)ことを除いては、前の実施例と同一のデバイス構造を用いて、さらなる研究を行った。電流−電圧曲線を図10(a)に示す。EQEを図10(b)に示す。それぞれのデバイスの性能を下記表8にまとめた。最も高性能のデバイスは、5.68%のPCEを達成した。ドナー層が厚くなると、はじめはデバイス性能が改善されたが、BenzoBODIPYの厚さが70〜100nmで性能が低下した。より厚いデバイスの性能の低下は、より低いJSCが観察されたことから、主に、すべての波長にわたる光応答の全体的な落ち込みによる。
デバイスをC60層の被覆の前に熱アニーリングしたことを除いては、上記のデバイス構造を用いて、一定のBenzoBODIPY厚さ(20、25、30、35nm)で、さらなるデータを得た。ガラス基板、ITOおよびBenzoBODIPY層を加熱した。熱処理は、窒素下で100℃で15分間行った。電流−電圧曲線を図11(a)に示す。EQEを図11(b)に示す。それぞれのデバイスの性能を下記表9にまとめた。すべての厚さでデバイス性能は標準デバイスよりも有意に悪かった。J−V曲線はS−型であり、ドナー材料の結晶境界の増加から生成されるトラップ状態によるエネルギー障壁を示唆する。アニールしていないフィルムと比較して、C60の被覆の前にアニールしたフィルムは、図11(c)に示すように、吸収においてレッドシフトを示し、結晶性ドメインの間のより高度のπ−π相互作用による結晶化度の増加を示唆する。C60の被覆前のデバイスの熱アニーリングで有益な効果はみられなかった。EQEは異なる厚さで同様の光応答を示したが、C60の前の熱処理によって、すべてのパラメータが低い電流、電圧および曲線因子となった。電力変換効率の低下は、熱アニーリングの後のドナー層の結晶化度によるものでありうる。
60層の被覆後にデバイスを熱アニーリングしたことを除いては上記のデバイス構造を用いて、一定のBenzoBODIPY厚さ(40、70、100、130nm)で、さらなるデータを得た。電流−電圧曲線を図12(a)に示す。EQEを図12(b)に示す。それぞれのデバイスの性能を下記表10にまとめた。C60被覆後の熱処理は、JSCの改善を示したが、VOCおよび曲線因子はわすかに低下した。アニールしていないデバイスと同様の性能が得られた。
実施例4:CyanoBODIPYを用いた光起電力デバイス
昇華によって精製したCyanoBODIPYをデバイスの調製に用いた。上記の実施例3に記載した条件下でデバイスを調製し、試験した。アニールしていない、およびアニールしたCyanoBODIPYデバイスでは、銅フタロシアニン(CuPc)を電子ドナー材料として、CyanoBODIPYおよびC60の1:1の比の共蒸着層を電子アクセプターとして用いた。CuPcおよびC60をそれぞれドナー層およびアクセプター層として用いた対照デバイスもまた作製した。アニールしたデバイスとして、アクセプター層の被覆後、窒素下で110℃で10分間、デバイスを加熱した。デバイス構造を下記のようにまとめた:
CyanoBODIPYデバイス:
ガラス/ITO/CuPc(40nm)/CyanoBDPY:C60 1:1(40nm)/BCP(10nm)/Al
CuPcデバイス:
ガラス/ITO/CuPc(40nm)/C60(40nm)/BCP(10nm)/Al。
電流−電圧曲線を図13(a)に示す。EQEを図13(b)に示す。それぞれのデバイスの性能を下記表11にまとめた。デバイスは、類似のCuPc/C60デバイスの約50%のPCEの性能を示した。曲線因子は同様であり、これはCuPc/C60デバイスと同様のドナー−アクセプター界面によるものと推定される。他のパラメータはすべて、対照デバイスよりも低かった。開回路電圧は数百mV低く、短絡回路電流は対照デバイスの約半分であった。PCEの落ち込みは、主にCuPcからの光応答の欠如による。420nm付近のC60の吸収の欠如は、520nmのCyanoBODIPYの吸収によってほぼ補償された。しかしながら、CuPcが吸収する領域の約50%の損失があり、これは同様にPCEに反映された。CyanoBODIPYデバイスの熱処理は、性能に有益な効果を与えなかった。
実施例5〜9
全般的な検討
2−メチルピロールは、前に述べたように、ピロール−2−カルボキシアルデヒドをWolff−kishner還元することにより得た。1−メチル−4,7−ジヒドロ−2H−4,7−エタノイソインドールは、文献の手法に従い、対応するエステルの水素化アルミニウムリチウム還元によって調製した。他のすべての試薬は、市販のものを購入し、さらなる精製をせずに使用した。空気に敏感なすべての操作は、必要に応じてシュレンク技術を使用して、それぞれの調製方法について下記に示す手順に従って行った。NMRスペクトルは、Varian Mercuryの400MHzおよび600MHzの分光器で常温で記録した。H化学シフトは、残留溶媒を参照した。UV−可視スペクトルは、Hewlett−Packard 4853 ダイオードアレイ分光光度計で記録した。定常状態発光実験は、Photon Technology International QuantaMaster Model C−60SE 蛍光分光計を用いて行った。蛍光寿命測定は、405nmまたは435nmのLED励起源を備えたIBH Fluorocube寿命装置を用いて時間相関単一光子計数法によって実施した。量子効率測定は、キセノンランプ、較正された積分球およびモデルC10027フォトニックマルチチャンネルアナライザーを備えたHamamatsu C9920システムを用いて行った。
実施例5:図16のフェニレン架橋ダイアド23、24、および25の一般的な反応スキーム
フェニレン架橋ダイアド23
テレフタルアルデヒド(762mg、5.68mmol)および2−メチルピロール(2.03g、23.3mmol)を、N下で、乾燥し、脱気したCHCl(40mL)に溶解させた。得られた溶液をさらに10分間脱気し、トリフルオロ酢酸(64μL、0.84mmol)を2回に分けて添加し、溶液をすぐに暗色に変化させ、撹拌しながら2時間、反応を進行させた。DDQ(2.58g、11.4mmol)を一度に添加し、すぐに暗赤−橙色に色を変化させ、得られた混合物を13時間撹拌した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(8.0mL、46mmol)を一度に加え、暗褐色に色を変化させ、撹拌を15分間継続した。三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(8.0mL、64mmol)を1分の間にゆっくりと添加し、混合物が少し温かくなった。45分後、NaHCO(5%水溶液、200mL)を用いて混合物をクエンチし、2時間激しく撹拌した。有機物を除去し、NaSO(10%水溶液、2×100mL)、HCl(5%水溶液、1×100mL)およびブライン(2×100mL)で洗浄した。有機物を除去し、MgSOで乾燥させ、濾過し、暗色の固体に濃縮し、これをカラムクロマトグラフィー(SiOゲル、CHCl溶離液、R=0.5)で精製し、ダイアド23を純赤−橙色の固体として得た(200mg、7%)。
UV−vis(CHCl)λmax:350,513。H−NMR(CDCl):δ 7.62(s,4H,phenylene Ar−H),6.76(d,HH=4.4Hz,4H,BODIPY Ar−H),6.31(d,HH=4.4Hz,4H,BODIPY Ar−H),2.68(s,12H,−CH)。13C−NMR(CDCl):δ 158.38,141.14,135.94,134.47,130.41,130.32,119.91,15.13。MALDI,m/z for C2824 calcd 514.21(100%),513.22(51%),515.22(33%);found 512.83(100%),511.83(51%),513.82(45%)。
フェニレン架橋ダイアド24
テレフタルアルデヒド(1g、7.55mmol)および2,4−ジメチルピロール(2.98g、31.3mmol)を、N下で、乾燥し、脱気したCHCl(30mL)に溶解させた。得られた溶液をさらに10分間脱気し、トリフルオロ酢酸(1滴)を添加し、撹拌しながら5時間、反応を進行させた。DDQ(3.38g、14.9mmol)を一度に添加し、得られた混合物を一晩撹拌した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(10.4mL、59.6mmol)を一度に加え、撹拌を15分間継続した。三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(7.5mL、59.6mmol)を添加した。45分後、NaHCO(5%水溶液、200mL)を用いて混合物をクエンチし、2時間激しく撹拌した。有機物を除去し、NaSO(10%水溶液、2×100mL)、HCl(5%水溶液、1×100mL)およびブライン(2×100mL)で洗浄した。有機物を除去し、MgSOで乾燥させ、濾過し、暗色の固体に濃縮し、これをカラムクロマトグラフィー(SiOゲル、CHCl溶離液)で精製し、ダイアド24を純赤−橙色の固体として得た(427mg、10%)。
H−NMR(CDCl):δ 7.52(s,4H,phenylene Ar−H),6.01(s,4H,BODIPY Ar−H),2.57(s,12H,−CH),1.53(s,12H,−CH)。
フェニレン架橋ダイアド25
テレフタルアルデヒド(1g、7.46mmol)および2,4−ジメチル−3−エチルピロール(3.67g、29.8mmol)を、N下で、乾燥し、脱気したCHCl(40mL)に溶解させた。得られた溶液をさらに10分間脱気し、トリフルオロ酢酸(1滴)を添加し、撹拌しながら2時間、反応を進行させた。DDQ(3.39g、14.9mmol)を一度に添加し、すぐに暗赤−橙色に色を変化させ、得られた混合物を13時間撹拌した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(10.4mL、59.7mmol)を一度に加え、暗褐色に色を変化させ、撹拌を15分間継続した。三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(7.5mL、59.7mmol)を1分の間にゆっくりと添加し、混合物が少し温かくなった。45分後、NaHCO(5%水溶液、200mL)を用いて混合物をクエンチし、2時間激しく撹拌した。有機物を除去し、NaSO(10%水溶液、2×100mL)、HCl(5%水溶液、1×100mL)およびブライン(2×100mL)で洗浄した。有機物を除去し、MgSOで乾燥させ、濾過し、暗色の固体に濃縮し、これをカラムクロマトグラフィー(SiOゲル、CHCl溶離液)で精製し、ダイアド25を純赤−橙色の固体として得た(254mg、5%)。
H−NMR(CDCl):δ 7.51(s,4H,phenylene Ar−H),2.55(s,12H,−CH),2.32(q,8H,−CH),1.47(s,12H),1.00(t,12H)。
実施例6:図16の直接結合ダイアド26、27、28および29の一般的な反応スキーム
直接結合ダイアド26
2−メチルピロール(2.01g、24.8mmol)を、オーブンで乾燥させ、Nでパージした3口フラスコ中の、乾燥し、脱気したCHCl(20mL)に溶解させた。溶液を0℃に冷却し、塩化アセトキシアセチル(2.02g、14.8mmol)を暗所で一度に添加し、撹拌しながら1時間反応を進行させ、その間に、色が暗赤色に変化した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(8.58mL、49.3mmol)を室温で添加し、色を透明な橙色に変化させ、撹拌を30分間継続し、その後、BF・OEt(6.18mL、49.3mmol)を滴下して添加した。BF・OEtの添加の間に、色が暗赤色に変化した。反応を30分間撹拌したままにし、その後、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(SiOゲル、25%CHCl/ヘキサン、R=0.14)で精製して、8−アセトキシメチル−4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボロ−3a,4a−ジアザ−s−インダセンを金−桃色の固体として得た(235mg、11%)。
H−NMR(CDCl,600MHz):δ7.18(d,HH=4.2Hz,2H,BODIPY Ar−H),6.30(d,HH=4.2Hz,2H,BODIPY Ar−H),5.22(s,2H,−CH),2.62(s,6H,−CH),2.09(s,3H,−COCH)。13C−NMR(CDCl,600MHz):δ170.20,158.96,134.60,133.97,127.98,119.84,59.11,20.85,14.98。HRMS for C1416BN(MH+)calcd 293.1267,found 293.1261。
8−アセトキシメチル−4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボロ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(350mg、1.20mmol)をアセトン(60mL)に溶解させ、4MのHCl(36mL)溶液を添加した。コンデンサをフラスコに設置し、溶液が緑色に変化し、TLCが出発物質を示さなくなるまで、反応を40℃に加熱した。粗混合物をCHClで希釈し、水(2×75mL)、飽和NaHCO(2×75mL)で洗浄し、有機層を除去し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(SiOゲル、CHCl、R=0.16)で精製して、8−ヒドロキシメチル−4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボロ−3a,4a−ジアザ−s−インダセンを赤−金色の固体として得た(210mg、71%)。
H−NMR(CDCl,600MHz):δ 7.23(d,HH=4.2Hz,2H,BODIPY Ar−H),6.97(s,1H,−OH),6.27(d,HH=4.2Hz,2H,BODIPY Ar−H),4.79(s,2H,−CH),2.60(s,6H,−CH)。13C−NMR(CDCl,600MHz)δ 158.41,139.17,133.97,127.59,119.53,59.45,14.93。HRMS for C1214BNOF(MH+)calcd 251.1162,found 251.1167。
8−ヒドロキシメチル−4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボロ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(200mg、0.8mmol)を、乾燥および脱気したCHCl(15mL)に溶解させ、デス−マーチンペルヨージナン(Dess−Martin periodinane)(509mg、1.20mmol)の乾燥および脱気したCHCl(15mL)の溶液に0℃でカニューレ注入した。溶液を室温まで温め、1時間撹拌したままにした。TLCが出発物質を示さなくなったら、飽和Na(50mL)を用いて反応をクエンチし、飽和NaHCO(2×50mL)および水(2×50mL)で洗浄した。有機層を除去し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、次いで、CHClを用いてSiOゲルのプラグを通過させることによって精製した(R=0.38)。8−ホルミルメチル−4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボロ−3a,4a−ジアザ−s−インダセンを暗紫色の固体として回収した(164mg、83%)。
H−NMR(CDCl,600MHz):δ 10.33(s,1H,−CHO),7.51(d,HH=4.2Hz,2H,BODIPY Ar−H),6.40(d,HH=4.2Hz,2H,BODIPY Ar−H),2.65(s,6H,−CH)。13C−NMR(CDCl,600MHz)δ 188.75,161.39,134.87,129.74,125.87,121.86,15.33。HRMS for C1212BNOF(MH+)calcd 249.1005,found 249.1008。
8−ホルミル−4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボロ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(36mg、0.15mmol)を、乾燥し、脱気したCHCl(10mL)に溶解させ、2−メチルピロール(24mg、0.29mmol)を添加した。出発物質が残らなくなるまで反応をTLCでモニターした。DDQ(33mg、0.15mmol)を一度に添加し、縮合生成物が消費されるまでTLCで反応をモニターした。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.10mL、0.58mmol)を一度に添加し、15分後、BF・OEt(0.07mL、0.6mmol)を滴下して添加した。反応を15分間撹拌したままにし、次いで飽和Na(25mL)でクエンチし、飽和NaHCO(2×50mL)で洗浄し、有機層を除去した。粗混合物をMgSOで乾燥させ、濾過し、CHClを用いてSiOゲルのプラグを通過させて(R=0.33)、暗桃−緑色の固体を回収した(25mg、38%)。
UV−vis(CHCl)λmax:334,530。H−NMR(CDCl,400MHz):δ 6.84(d,HH=4.4Hz,4H,BODIPY Ar−H),6.23(d,HH=4.4Hz,4H,BODIPY Ar−H),2.65(s,12H,−CH)。13C−NMR(CDCl,600MHz)δ 159.55,135.04,131.87,130.06,120.13,15.06。HRMS for C2221(MH+)calcd 439.1883,found 439.1893。
直接結合ダイアド26(別の合成スキーム)
ステップ1:1,1,2,2−テトラキス(5−メチル−lH−ピロール−2−イル)エテン
四塩化チタン(87μL、0.80mmol)を、乾燥THF(15mL)の溶液に0℃で窒素下で滴下して添加した。溶液を10分間攪拌し、その後、3mLの乾燥THFに懸濁させた亜鉛粉末の懸濁液(98mg、1.5mmol)をカニューレを通して添加した。得られた青色のスラリーを還流して3時間加熱し、室温まで冷却した。乾燥ピリジン(55μL、0.68mmol)を添加し、溶液を30分間還流させた。室温まで冷却した後、3mlの乾燥THFに溶解させたビス(5−メチル−1H−ピロール−2−イル)メタノンをカニューレを通して添加し、溶液を3時間還流した。反応を室温まで冷却し、100mLのKCO溶液(10%水溶液)に注ぎ、次いでこれを10分間激しく撹拌した。有機物をジクロロメタンに抽出することによって除去し、水(2×50mL)およびブライン(1×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を除去し、粗生成物をさらなる精製をせずに用いた。
MALDI,m/z for C2224 calcd 344.20,found 344.41。
ステップ2:ビス(4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−8−イル)
1,1,2,2−テトラキス(5−メチル−1H−ピロール−2−イル)エテン(90mg、0.26mmol)を、N下で、乾燥し、脱気したCHCl(15mL)に溶解させた。溶液をさらに5分間脱気し、EtN(0.29mL、2.0mmol)をシリンジで添加した。得られた溶液を室温で30分間撹拌し、DDQ(68mg、0.30mmol)を添加した。溶液をさらに30分間撹拌し、その後、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(0.331mL、2.62mmol)をゆっくりと添加した。2時間後、混合物を飽和NaHCOでクエンチし、一晩撹拌した。有機物を除去し、NaSO(10%水溶液、3×25mL)、水(2×25mL)およびブライン(2×25mL)で洗浄した。有機物をMgSOで乾燥させ、濾過し、暗赤色の油に濃縮し、これをカラムクロマトグラフィーで精製し(SiOゲル、1:1 CHCl:ヘキサン、Rr=0.35)、ダイアド26を桃色の固体として得た(3mg、3%)。26のCHCl溶液から室温でゆっくりとエバポレーションすることで、少量の緑色の反射する結晶を得た。これらを光物理的分析に用いたが、X線回折の研究には薄すぎた。
UV−vis(CHCl)λmax:334,530。1H−NMR(CDCl):δ 6.84(d,HH=4.2Hz,4H,BODIPY Ar−H),6.23(d,HH=4.2Hz,4H,BODIPY Ar−H),2.65(s,12H,−CH)。MALDI,m/z for C2220 calcd 438.18(100%),437.18(49%),439.18(25%);found 437.94(100%),438.96(61%),437.01(45%)。
直接結合ダイアド27
8−ホルミル−4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラメチル−4−ボロ−3a,4a−ジアザ−s−インダセンは、8−ホルミル−4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボロ−3a,4a−ジアザ−s−インダセンと同様に合成した。8−ホルミル−4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラメチル−4−ボロ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(97mg、0.35mmol)を乾燥し、脱気したCHCl(30mL)に溶解させ、2,4−ジメチルピロール(70mg、0.74mmol)を添加した。出発物質が残らなくなるまで反応をTLCでモニターした。DDQ(80mg、0.35mmol)を一度に添加し、縮合生成物が消費されるまでTLCで反応をモニターした。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.25mL、14mmol)を一度に添加し、15分後、BF・OEt(0.18mL、14mmol)を滴下して添加した。反応を15分間撹拌したままにし、次いで飽和Na(25mL)でクエンチし、飽和NaHCO(2×50mL)で洗浄し、有機層を除去した。粗混合物をMgSOで乾燥させ、濾過し、CHClを用いてSiOゲルのプラグを通過させて暗桃−緑色の固体を回収した(25mg、38%)。
H−NMR(CDCl):δ 6.02(s,4H,BODIPY Ar−H),2.56(s,12H,−CH),1.89(s,12H,−CH)。
直接結合ダイアド28
8−ホルミル−4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラメチル−2,6−ジエチル−4−ボロ−3a,4a−ジアザ−s−インダセンは、8−ホルミル−4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラメチル−4−ボロ−3a,4a−ジアザ−s−インダセンと同様に合成した。8−ホルミル−4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラメチル−2,6−ジエチル−4−ボロ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(208mg、0.63mmol)を、乾燥し、脱気したCHCl(20mL)に溶解させ、2,4−ジメチル−3−エチルピロール(154mg、0.91mmol)を添加した。出発物質が残らなくなるまで反応をTLCでモニターした。DDQ(142mg、0.63mmol)を一度に添加し、縮合生成物が消費されるまでTLCで反応をモニターした。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.44mL、2.5mmol)を一度に添加し、15分後、BF・OEt(0.32mL、2.5mmol)を滴下して添加した。反応を15分間撹拌したままにし、次いで飽和Na(25mL)でクエンチし、飽和NaHCO(2×50mL)で洗浄し、有機層を除去した。粗混合物をMgSOで乾燥させ、濾過し、CHClを用いてSiOゲルのプラグを通過させて暗桃−緑色の固体を回収した(42mg、11%)。
H−NMR(CDCl):2.55(s,12H,−CH),2.32(q,8H,−CH),1.81(s,12H,−CH),0.96(t,12H,−CH)。MALDI,m/z for C2220 calcd 606.37 found 605.74。
直接結合ダイアド29
8−ホルミル−4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボロ−3a,4a−ジアザ−1,2,6,7−エタノイソインドールは、8−ホルミル−4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラメチル−4−ボロ−3a,4a−ジアザ−s−インダセンと同様に合成した。8−ホルミル−4,4−ジフルオロ−3,5−ジメチル−4−ボロ−3a,4a−ジアザ−1,2,6,7−エタノイソインドール(37mg、0.10mmol)を乾燥し、脱気したCHCl(10mL)に溶解させ、1−メチル−4,7−ジヒドロ−2H−4,7−エタノイソインドール(32mg、0.20mmol)を添加した。出発物質が残らなくなるまで反応をTLCでモニターした。DDQ(22mg、0.10mmol)を一度に添加し、縮合生成物が消費されるまで反応をTLCでモニターした。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.07mL、0.04mmol)を一度に添加し、15分後、BF・OEt(0.05mL、0.04mmol)を滴下して添加した。反応を15分間撹拌したままにし、次いで飽和Na(25mL)でクエンチし、飽和NaHCO(2×50mL)で洗浄し、有機層を除去した。粗混合物をMgSOで乾燥させ、濾過し、CHClを用いてSiOゲルのプラグを通過させて暗桃−緑色の固体を回収した(5mg、0.7%)。
H−NMR(CDCl):δ 6.32(m,4H,alkene−CH),6.01−5.91(m,4H,alkene−CH),3.80(m,4H,bridgehead−CH),3.59−3.48(m,4H,bridgehead−CH),2.58(multiple s,12H,−CH),1.25(m,16H,bridghead−CH)。
実施例7:図16のトライアド30の一般的な反応スキーム
トライアド30
1,3,5−ベンゼントリカルボニルトリクロリド(1g、3.76mmol)を、N下で、乾燥したジクロロメタン(80ml)に溶解させた。2,4−ジメチル−3−エチルピロール(2.78g、22.6mmol)を添加し、フラスコにコンデンサを設置し、一晩還流した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(7.85ml、45.12mmol)を還流で添加した。15分後、混合物を室温まで冷却し、三フッ化ホウ素エーテレート(5.66mL、45.12mmol)を一度に添加した。1時間後、飽和Na(50mL)で反応をクエンチし、飽和NaHCO(2×50mL)および水(2×50mL)で洗浄した。有機層を除去し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiOゲル、CHCl)によって精製し、微量の生成物を得た。
H−NMR(CDCl):δ 7.73(s,1H,Ar−H),2.55(s,18H,BODIPY−CH),2.31(q,12H,BODIPY−CH),1.69(s,18H,BODIPY−CH),1.01(t,18H,−CH)。
実施例8:図16の亜鉛化合物31〜34の一般的な反応スキーム
亜鉛化合物31
5−メシチルジピロメタン(2g、7.57mmol)を、窒素下で新しく蒸留したTHF200mlに溶解させた。新しく蒸留したTHF15ml中に溶解させた2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)(1.72g、7.57mmol)を、ゆっくりと溶液に添加した。反応混合物は、暗赤色に変わった。反応混合物を窒素下で1時間撹拌した。5mlのトリエチルアミン添加することによって反応をクエンチし、さらに5分間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。生成物の混合物を200mlのジクロロメタンに溶解させ、飽和NaHCO水溶液(150ml、3回)およびブライン(150ml、1回)で洗浄した。次いで、溶液を無水NaSOで乾燥させ、濾過した。この5−メシチルジピロメタンの溶液は、さらなる精製をせずに用いた。50mlのメタノールに溶解させた酢酸亜鉛二水和物(Zn(OAc)・2HO)(10g、45.5mmol)を5−メシチルジピロメタンのジクロロメタン溶液に添加し、一晩撹拌した。その後、濾紙を用いて反応混合物を濾過した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。得られた固体は、ヘキサン/ジクロロメタン(50/50)混合物を溶離液として用いて短い中性アルミナプラグを通過させ、橙色の部分を回収した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、1gの橙色の固体を得た(収率14%)。得られた10を、超高真空下(10−5torr)で、180℃−140℃−100℃の温度勾配ゾーンで、勾配昇華(gradient sublimation)によってさらに精製した。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 7.027.01(m,12H),6.22−6.21(m,8H),2.02(s,24H),1.55 (s,6H)。
亜鉛化合物32
メシトアルデヒド(4.6g、30.9mmol)と2−メチルピロール(5g、61.7mmol)との混合物を、窒素気流で10分間脱気した500mLの一口丸底フラスコに入れた200mlのジクロロメタンに溶解させた。次いで、トリフルオロ酢酸(TFA)5滴を反応混合物に添加すると、溶液は暗赤色に変わった。反応混合物を窒素下で6時間、出発物質が完全に消費されるまで撹拌した。反応を3mlのトリエチルアミンでクエンチした。次いで、反応混合物を飽和NaCO水溶液(100ml、3回)およびブライン(100、1回)で洗浄した。溶液を無水NaSOで乾燥させた。次いで、溶媒を減圧下で除去し、粘稠な淡黄色の液体(室温で静置すると固体になる)を得た。この生成物を、窒素下で新しく蒸留したTHF250mlに溶解させた。新しく蒸留したTHF35ml中に溶解させた2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)(7.02g、30.9mmol)を、ゆっくりと溶液に添加した。反応混合物は、暗赤色に変わった。反応混合物を窒素下で1時間撹拌した。10mlのトリエチルアミンを添加することによって反応をクエンチし、さらに5分間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。生成物の混合物を500mlのジクロロメタンに溶解させ、飽和NaHCO水溶液(250ml、3回)およびブライン(250ml、1回)で洗浄した。次いで、溶液を無水NaSOで乾燥させ、濾過した。100mlのメタノールに溶解させた酢酸亜鉛二水和物(Zn(OAc)・2HO)(20g、91mmol)をジクロロメタン溶液に添加し、一晩撹拌した。その後、濾紙を用いて反応混合物を濾過した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。得られた固体は、ヘキサン/ジクロロメタン(70/30)混合物を溶離液として用いて短い中性アルミナプラグを通過させ、橙−赤色の部分を回収した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、2.5gの暗緑色の固体を得た(全収率12.3%)。得られた32を、超高真空下(10−5torr)で、220℃−160℃−120℃の温度勾配ゾーンで、勾配昇華(gradient sublimation)によってさらに精製した。
1H−NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 6.92(s,4H),6.46−6.43(m,J=4.25Hz,4H),6.13(d,J=3.94Hz,4H),2.37(s,6H),2.14(s,12H),2.11(s,12H)。
亜鉛化合物33
メシトアルデヒド(5g、33.5mmol)および2,4ジメチルピロール(6.4g、67mmol)の混合物を、窒素気流で10分間脱気した500mLの一口丸底フラスコに入れた250mlのジクロロメタンに溶解させた。次いで、トリフルオロ酢酸(TFA)5滴を反応混合物に添加すると、溶液は、暗赤色に変わった。反応混合物を窒素下で7時間、出発物質が完全に消費されるまで撹拌した。反応を3mlのトリエチルアミンでクエンチした。次いで、反応混合物を飽和NaCO水溶液(100ml、3回)およびブライン(100、1回)で洗浄した。溶液を無水NaSOで乾燥させた。次いで、溶媒を減圧下で除去し、粘稠な淡黄色の液体(室温で静置すると固体になる)を得た。得られた粗生成物を、窒素下で、新しく蒸留したTHF250mlに溶解させた。新しく蒸留したTHF40ml中に溶解させたDDQ(7.61g、30.9mmol)を、ゆっくりと溶液に添加した。反応混合物は、暗赤色に変わった。反応混合物を窒素下で1時間撹拌した。10mlのトリエチルアミンを添加することによって反応をクエンチし、さらに5分間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。生成物の混合物を500mlのジクロロメタンに溶解させ、飽和NaHCO水溶液(250ml、3回)およびブライン(250ml、1回)で洗浄した。溶液を無水NaSOで乾燥させ、濾過した。この1,3,7,9−テトラメチル−5−メシチルジピロメタンの溶液は、さらなる精製をせずに用いた。100mlのメタノールに溶解させた酢酸亜鉛二水和物(Zn(OAc)・2HO)(20g、91mmol)を、1,3,7,9−テトラメチル−5−メシチルジピロメタンのジクロロメタン溶液に添加し、一晩撹拌した。その後、濾紙を用いて反応混合物を濾過した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。得られた固体は、ヘキサン/ジクロロメタン(70/30)混合物を溶離液として用いて短い中性アルミナプラグを通過させ、橙−赤色の部分を回収した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、3.0gの橙−赤色の固体を得た(全収率13%)。得られた33を、超高真空下(10−5torr)で、230℃−160℃−120℃の温度勾配ゾーンで、勾配昇華(gradient sublimation)によってさらに精製した。
H−NMR(500MHz,CDCl):δ ppm 6.93(s,4H),5.91(s 4H),2.35(s,6H),2.12(s,12H),2.04(s,12H),1.31(s,12H)。13C−NMR(500MHz,CDCl):δ ppm 155.90,143.63,143.15,137.35,136.22,135.57,134.54,128.73,119.56,21.21,19.26,16.12,14.83。HRMS:calcd for C4451Zn(MH):699.3400,found:699.3407。C4451ZnのC、H、N元素分析:calcd(%)C(75.47),H(7.20),N(8.00);found(%)C(75.84),H(7.27),N(8.06)。
亜鉛化合物34
2,8−ジエチル−1,3,7,9−テトラメチル−5−メシチルジピロメタン。メシチルアルデヒド(2g、13.4mmol)と3−エチル2,4ジメチルピロール(3.3g、26.8mmol)との混合物を、窒素気流で10分間脱気した500mLの一口丸底フラスコに入れた150mlのジクロロメタンに溶解させた。トリフルオロ酢酸(TFA)3滴を反応混合物に添加すると、溶液は暗赤色に変わった。反応混合物を窒素下で7時間、出発物質が完全に消費されるまで撹拌した。3mlのトリエチルアミンを用いて反応をクエンチした。次いで、反応混合物を飽和NaCO水溶液(100ml、3回)およびブライン(100、1回)で洗浄した。溶液を無水NaSOで乾燥させた。次いで、溶媒を減圧下で除去した。この生成物を、窒素下で新しく蒸留したTHF150mlに溶解させた。新しく蒸留したTHF15ml中に溶解させたDDQ(3.3g、13.4mmol)を、ゆっくりと溶液に添加した。反応混合物は、暗赤色に変わった。反応混合物を窒素下で1時間撹拌した。10mlのトリエチルアミンを添加することによって反応をクエンチし、さらに5分間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。生成物の混合物を300mlのジクロロメタンに溶解させ、飽和NaHCO水溶液(150ml、3回)およびブライン(150ml、1回)で洗浄した。次いで、溶液を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、さらなる精製をせずに用いた。50mlのメタノールに溶解させた酢酸亜鉛二水和物(Zn(OAc)・2HO)(8g、36.4mmol)を2,8−ジエチル−1,3,7,9−テトラメチル−5−メシチルジピロメタンのジクロロメタン溶液に添加し、一晩撹拌した。その後、濾紙を用いて反応混合物を濾過した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。得られた固体は、ヘキサン/ジクロロメタン(70/20)混合物を溶離液として用いて短い中性アルミナプラグを通過させ、赤色の部分を回収した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、0.8gの橙−赤色の固体を得た(全収率7.7%)。得られた34を、超高真空下(10−5torr)で、240℃−160℃−120℃の温度勾配ゾーンで、勾配昇華(gradient sublimation)によってさらに精製した。
H−NMR(500MHz,CDCl):δ ppm 6.92(s,4H),2.36(s,6H),2.25(q,J=7.40Hz,8H),2.11(s,12H),1.97(s,12H),1.19(s,12H),0.91(t,J=7.49Hz,12H)。13C−NMR(500MHz,CDCl):δ ppm 154.68,142.03,137.19,137.10,137.03,136.00,134.17,130.66,128.55,21.24,19.47,17.92,15.25,14.35,11.75。HSMS:calculated for C5267Zn(MH)811.4652,found 811.4658。CNH analysis for C5266Zn:calculated(%)C(76.87),H(8.19),N(6.90);found C(76.98),H(8.35),N(6.97)。
実施例9:図16の化合物31を用いた有機感光性光電子デバイス
図16の化合物31をドナー材料として、フラーレンC60をアクセプター材料として用いたOPVを、インジウムドープ酸化スズ(ITO)でコートしたガラス基板上に真空蒸着技術を用いて作製した。MoO3を正孔伝導/電子阻止層として有するOPVもまた作成した。デバイスの構造および特性を下記表および図34に示す。双方のデバイスは大きな光電流(3.06および3.49mA/cm)を示した。外部量子効率測定(図34(c))から、光電流に対する化合物31の寄与が確認された(500nmで30%までのEQE)。MoO3正孔伝導/電子阻止層によって、開回路電圧(VOC)は0.60から0.82Vに増加したが、短絡回路電流(JSC)および曲線因子(FF)はMoO3を含まないデバイスと比較してわずかに減少した。したがって、両方のデバイス(D1およびD2)は、同程度の電力変換効率(0.9%)を有する。当業者であれば、実施例9のOPVは本開示のひとつの説明のみを示すこと、およびOPVデバイスの性能は公知の方法によって改善されうることを理解するであろう。
本明細書中には本開示の特定の例が説明および/または開示されている。しかしながら、本開示の修正および変更は上記開示によって、本開示の思想および範囲から逸脱することなく添付の特許請求の範囲に包含される。

Claims (24)

  1. 少なくとも1つの式(I)の化合物を含む、有機感光性光電子デバイス:
    式中:
    は、置換されていてもよい単環式基、置換されていてもよいC6−24の多環式基、および置換されていてもよいメソ位で結合されたBODIPYから選択されるか、または、RおよびRおよびRは共に任意の介在原子(intervening atom)とともに置換BODIPYを構成し、ここでRはメソ位で結合され、RおよびRはβ位で結合され;
    は、水素、アルキル基およびシアノ基から選択されるか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成するか、または、RおよびRおよびRは共に任意の介在原子とともに置換BODIPYを構成し、ここでRはメソ位で結合され、RおよびRはβ位で結合され;
    は、水素、アルキル基およびシアノ基から選択されるか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成するか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成し;
    は、水素、アルキル基およびシアノ基から選択されるか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成し;
    は、水素、アルキル基およびシアノ基から選択されるか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成し;
    は、水素、アルキル基およびシアノ基から選択されるか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成するか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成し;
    は、水素、アルキル基およびシアノ基から選択されるか、または、RおよびRは共に任意の介在原子とともに置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成するか、または、RおよびRおよびRは共に任意の介在原子とともに置換BODIPYを構成し、ここでRはメソ位で結合され、RおよびRはβ位で結合され;
    前記置換されていてもよい単環式基および多環式基はアリール基およびヘテロアリール基から選択される。
  2. は置換されていてもよいベンゼンおよび置換されていてもよい縮合ベンゼンから選択される、請求項1に記載のデバイス。
  3. およびRは共に任意の介在原子とともに、RおよびRは共に任意の介在原子とともに、いずれも置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成する、 請求項1に記載のデバイス。
  4. およびRは共に任意の介在原子とともに、RおよびRは共に任意の介在原子とともに、いずれも置換されていてもよい単環式基および置換されていてもよいC6−24の多環式基から選択される基を構成する、 請求項1に記載のデバイス。
  5. およびRがいずれも水素、アルキル基およびシアノ基から選択される、請求項1に記載のデバイス。
  6. およびRがいずれも水素、アルキル基およびシアノ基から選択される、請求項1に記載のデバイス。
  7. およびRがいずれも水素、アルキル基およびシアノ基から選択される、請求項1に記載のデバイス。
  8. 、R、R、R、R、およびRが、すべて水素、アルキル基およびシアノ基から選択される、請求項1に記載のデバイス。
  9. 前記少なくとも1つの式(I)の化合物が以下から選択される、請求項1に記載のデバイス:
    式中、Rは、置換されていてもよい単環式のアリール基またはヘテロアリール基および置換されていてもよいC6−24の多環式のアリール基またはヘテロアリール基から選択される。
  10. Rが以下から選択される、請求項9に記載のデバイス:
    式中、R’は、H、アルキル基、およびアリール基またはヘテロアリール基から選択される。
  11. 少なくとも1つのドナー材料および少なくとも1つのアクセプター材料をさらに含み、前記ドナー材料および前記アクセプター材料の1つは、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む、請求項9に記載のデバイス。
  12. 少なくとも1つのドナー材料および少なくとも1つのアクセプター材料をさらに含み、前記ドナー材料および前記アクセプター材料の1つは、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む、請求項1に記載のデバイス。
  13. 前記少なくとも1つのドナー材料は、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む、請求項12に記載のデバイス。
  14. 前記少なくとも1つのアクセプター材料は、C60を含む、請求項13に記載のデバイス。
  15. 前記少なくとも1つのアクセプター材料は、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む、請求項12に記載のデバイス。
  16. 前記少なくとも1つのドナー材料は、CuPcを含む、請求項15に記載のデバイス。
  17. 前記少なくとも1つのドナー材料が前記少なくとも1つの式(I)の化合物を含み、前記少なくとも1つのアクセプター材料が別の式(I)の化合物を含む、請求項12に記載のデバイス。
  18. 前記少なくとも1つのドナー材料および前記少なくとも1つのアクセプター材料は、ドナー−アクセプターへテロ接合を形成する、請求項12に記載のデバイス。
  19. 前記少なくとも1つのドナー材料および前記少なくとも1つのアクセプター材料は層状構造を形成し、少なくとも1つのドナー層の厚さは、約1nm〜約150nmの範囲である、請求項13に記載のデバイス。
  20. 前記少なくとも1つのドナー層の厚さは、約20nm〜約80nmの範囲である、請求項19に記載のデバイス。
  21. 有機太陽電池である、請求項1に記載のデバイス。
  22. 請求項1に記載の有機感光性光電子デバイスの製造方法であって、基板上に光活性領域を被覆することを含み、前記光活性領域は少なくとも1つの式(I)の化合物を含む、方法。
  23. 前記光活性領域が少なくとも1つのドナー材料および少なくとも1つのアクセプター材料を含み、前記ドナー材料および前記アクセプター材料の1つは、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記光活性領域の被覆が、少なくとも1つの式(I)の化合物をスピンキャスティングおよび真空蒸着から選択される技術を用いて基板上に被覆することを含む、請求項22に記載の方法。
JP2015512780A 2012-05-15 2013-05-15 光起電力のためのジピリン系材料、極性媒体中で対称性破壊性分子内電荷移動が可能な化合物およびこれを含む有機光起電力デバイス Expired - Fee Related JP6339561B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261647360P 2012-05-15 2012-05-15
US61/647,360 2012-05-15
US13/564,953 2012-08-02
US13/564,953 US20150303377A1 (en) 2011-08-02 2012-08-02 Compounds capable of undergoing symmetry breaking intramolecular charge transfer in a polarizing medium and organic photovoltaic devices comprising the same
PCT/US2013/041079 WO2014025435A2 (en) 2012-05-15 2013-05-15 Dipyrrin based materials for photovoltaics, compounds capable of undergoing symmetry breaking intramolecular charge transfer in a polarizing medium and organic photovoltaic devices comprising the same

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015530729A true JP2015530729A (ja) 2015-10-15
JP6339561B2 JP6339561B2 (ja) 2018-06-06

Family

ID=54329335

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015512780A Expired - Fee Related JP6339561B2 (ja) 2012-05-15 2013-05-15 光起電力のためのジピリン系材料、極性媒体中で対称性破壊性分子内電荷移動が可能な化合物およびこれを含む有機光起電力デバイス

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6339561B2 (ja)
CN (1) CN105409020A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018186389A1 (ja) * 2017-04-07 2018-10-11 富士フイルム株式会社 光電変換素子、光センサ、および、撮像素子
JP2020088360A (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 住友化学株式会社 光電変換素子
WO2022014721A1 (ja) * 2020-07-17 2022-01-20 富士フイルム株式会社 光電変換素子、撮像素子、光センサ、及び化合物

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3638656A4 (en) * 2017-06-16 2021-03-17 Ubiquitous Energy, Inc. VISIBLY TRANSPARENT PHOTOVOLTAIC DEVICES, ABSORBING NEAR INFRARED AND ABSORBING ULTRAVIOLET
US11545635B2 (en) 2017-06-16 2023-01-03 Ubiquitous Energy, Inc. Visibly transparent, near-infrared-absorbing boron-containing photovoltaic devices
US11778896B2 (en) 2017-06-16 2023-10-03 Ubiquitous Energy, Inc. Visibly transparent, near-infrared-absorbing metal-complex photovoltaic devices
CN109503633A (zh) * 2017-09-14 2019-03-22 北京鼎材科技有限公司 化合物及有机电致发光器件
CN109535188A (zh) * 2017-09-22 2019-03-29 北京鼎材科技有限公司 稠杂环化合物及其用途和有机电致发光器件
CN108148086B (zh) * 2018-01-26 2019-07-09 四川大学 带有主客体识别基团的有机三重态光敏剂的制备方法
CN108336231B (zh) * 2018-03-14 2021-08-27 南京邮电大学 一种宽光谱响应的有机光电探测器
CN115003778B (zh) * 2020-01-17 2024-09-17 日东电工株式会社 含硼环状发光化合物及包含该含硼环状发光化合物的色彩转换膜
CN111825593B (zh) * 2020-08-19 2023-04-07 上海成澄科技有限公司 3-氨基吡咯-2-甲酰胺类化合物的合成方法
CN113178527B (zh) * 2021-04-27 2024-09-06 京东方科技集团股份有限公司 有机电致发光器件及显示装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008109097A (ja) * 2006-09-28 2008-05-08 Toray Ind Inc 光起電力素子用材料および光起電力素子
WO2008111554A1 (ja) * 2007-03-09 2008-09-18 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 有機el素子及び表示装置
WO2010075512A1 (en) * 2008-12-23 2010-07-01 Michigan Technological University Polymers with bodipy-based backbone for solar cells
US20100231125A1 (en) * 2009-03-12 2010-09-16 Sheng Li Organic light emitting device to emit in near infrared
JP2010225838A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Toray Ind Inc 光起電力素子
JP2012017471A (ja) * 2011-09-29 2012-01-26 Nitto Denko Corp 光学シート、画像表示装置用基板、液晶表示装置、有機el表示装置および太陽電池
JP2013168424A (ja) * 2012-02-14 2013-08-29 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機薄膜太陽電池素子用材料、及びそれを用いた有機薄膜太陽電池

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6407330B1 (en) * 2000-07-21 2002-06-18 North Carolina State University Solar cells incorporating light harvesting arrays
JP4793654B2 (ja) * 2006-06-13 2011-10-12 株式会社ダイフク スライド式のフォーク装置
EP2740166A1 (en) * 2011-08-02 2014-06-11 University of Southern California Compounds capable of undergoing symmetry breaking intramolecular charge transfer in a polarizing medium and organic photovoltaic devices comprising the same

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008109097A (ja) * 2006-09-28 2008-05-08 Toray Ind Inc 光起電力素子用材料および光起電力素子
WO2008111554A1 (ja) * 2007-03-09 2008-09-18 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 有機el素子及び表示装置
WO2010075512A1 (en) * 2008-12-23 2010-07-01 Michigan Technological University Polymers with bodipy-based backbone for solar cells
US20100231125A1 (en) * 2009-03-12 2010-09-16 Sheng Li Organic light emitting device to emit in near infrared
JP2010225838A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Toray Ind Inc 光起電力素子
JP2012017471A (ja) * 2011-09-29 2012-01-26 Nitto Denko Corp 光学シート、画像表示装置用基板、液晶表示装置、有機el表示装置および太陽電池
JP2013168424A (ja) * 2012-02-14 2013-08-29 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機薄膜太陽電池素子用材料、及びそれを用いた有機薄膜太陽電池

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
KATARZYNA CIESLIK-BOCZULA ET AL.: "Photophysics and stability of cyano-substituted boradiazaindacene dyes", PHOTOCHEMICAL & PHOTOBIOLOGICAL SCIENCES, vol. 8, JPN6017032800, 2009, pages 1006 - 1015, ISSN: 0003629634 *
MATTHEW T WHITED, CHEMICAL COMMUNICATIONS, vol. V48 N2, JPN5014009433, 21 November 2011 (2011-11-21), pages 284, ISSN: 0003629636 *
SHUICHI SUZUKI, MASATOSHI KOZAKI, KOICHI NOZAKI, KEIJI OKADA: "Recent progress in controlling photophysical processes of donor-acceptor arrays involving perylene d", JOURNAL OF PHOTOCHEMISTRY AND PHOTOBIOLOGY C: PHOTOCHEMISTRY REVIEWS, vol. Volume 12, Issue 4, JPN6015034219, 5 November 2011 (2011-11-05), pages 498 - 507, ISSN: 0003629633 *
TASUKU UENO: "Mechanism-Based Molecular Design of Highly Selective Fluorescence Probes for Nitrative Stress", JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY COMMUNICATIONS, vol. 128, JPN6017032801, 2006, pages 10640 - 10641, XP008118479, ISSN: 0003629635, DOI: 10.1021/ja061972v *

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018186389A1 (ja) * 2017-04-07 2018-10-11 富士フイルム株式会社 光電変換素子、光センサ、および、撮像素子
JPWO2018186389A1 (ja) * 2017-04-07 2020-02-20 富士フイルム株式会社 光電変換素子、光センサ、および、撮像素子
JP2020088360A (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 住友化学株式会社 光電変換素子
JP7224158B2 (ja) 2018-11-30 2023-02-17 住友化学株式会社 光電変換素子
WO2022014721A1 (ja) * 2020-07-17 2022-01-20 富士フイルム株式会社 光電変換素子、撮像素子、光センサ、及び化合物
EP4183780A4 (en) * 2020-07-17 2023-12-27 FUJIFILM Corporation PHOTOELECTRIC CONVERSION ELEMENT, IMAGING ELEMENT, OPTICAL SENSOR AND COMPOUND
JP7566910B2 (ja) 2020-07-17 2024-10-15 富士フイルム株式会社 光電変換素子、撮像素子、光センサ、及び化合物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6339561B2 (ja) 2018-06-06
CN105409020A (zh) 2016-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6339561B2 (ja) 光起電力のためのジピリン系材料、極性媒体中で対称性破壊性分子内電荷移動が可能な化合物およびこれを含む有機光起電力デバイス
JP6290079B2 (ja) 極性媒体中で対称破壊性分子内電荷輸送が可能な化合物およびこれを有する有機光起電デバイス
JP6734315B2 (ja) 有機光起電力におけるアクセプタおよびドナーのエネルギー感光化
Bessette et al. Design, synthesis and photophysical studies of dipyrromethene-based materials: insights into their applications in organic photovoltaic devices
TWI622593B (zh) 用於光伏打裝置之以次甲基二吡咯爲主之材料,可於極化基質中進行對稱斷裂分子內電荷轉移之化合物及包含其之有機光伏打裝置
US9447107B2 (en) Broadly absorbing metalloporphyrin-based multichromophoric arrays for triplet harvesting
JP2015092587A (ja) 三重項ハーベストを用いた有機感光性光電子工学装置
JP2010529695A (ja) 非平面状ポルフィリンを用いた有機感光性光電子デバイス
Mizuno et al. (Dibenzoylmethanato) boron Difluoride Derivatives Containing Triphenylamine Moieties: A New Type of Electron‐Donor/π‐Acceptor System for Dye‐Sensitized Solar Cells
Cai et al. Molecular engineering of the fused azacycle donors in the DA-π-A metal-free organic dyes for efficient dye-sensitized solar cells
US20140076403A1 (en) Dipyrin based materials for photovoltaics, compounds capable of undergoing symmetry breaking intramolecular charge transfer in a polarizing medium and organic photovoltaic devices comprising the same
Xu et al. Tuning the photoelectric response of pyrene-based coordination polymers by optimizing charge transfer
Yousaf Supramolecular BODIPY Dye Architectures for Advanced Light Harvesting and Energy Transfer Applications
Femia Improving the Field of Organic Photovoltaics through the Development of New Active Layer Materials with Unique Photophysical Properties
Bair Synthesis and Characterization of an Oligothiophene-Ruthenium Complex and Synthesis and Optical Properties of Oligothiophene-Ruthenium Complexes Bound to CdSe Nanoparticles

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170110

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170905

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20171116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180410

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180510

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6339561

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees