JP2008108468A - 燃料電池用膜、膜電極接合体及び燃料電池 - Google Patents

燃料電池用膜、膜電極接合体及び燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池用膜を識別でき、燃料電池及び膜電極接合体の組立の間違いを防止可能な燃料電池用膜、膜電極接合体及び燃料電池を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の燃料電池用膜は、表面の少なくとも一部には識別特性を有する識別部が備えられていることを特徴とする。本発明の燃料電池用膜によれば、膜の所定位置に識別部を設けることにより、膜を識別することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池を構成する燃料電池用膜、膜電極接合体及び燃料電池に関するものである。
近年、世界の経済成長と共にエネルギーの消費が急激に大きくなり、環境の悪化が懸念されている。そのような状況下、環境問題やエネルギー問題などの解決策として、酸素や空気などの酸化剤ガスと、水素やメタンなどの還元剤ガス(燃料ガス)を原料として電気化学反応により化学エネルギーを電気エネルギーに変換して発電する燃料電池の開発が注目されている。
燃料電池は、使用される電解質の種類によって分類される。例えば、溶融炭酸塩形、りん酸形、固体高分子形、固体酸化物形などが挙げられる。その中、近年固体高分子形燃料電池は多くの利点を有するため、最も注目されている。固体高分子形燃料電池は、基本的に、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜、電解質膜の両面に形成された白金族金属を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒層、及び触媒層の外面に形成され、通気性及び導電性を併せ持つ拡散層から構成される。拡散層と触媒層とを合わせて触媒電極とする。
高分子膜の両面に触媒電極をそれぞれ取り付けたものが膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)と呼ばれる。MEAの外側には、MEAを機械的に固定すると共に、隣接するMEAを互いに電気的に直列に接続するための導電性のセパレータ板が配置される。セパレータ板のMEAと接触する部分には、電極面に反応ガスを供給し、生成ガスや余剰ガスを運び去るためのガス流路が形成される。ガス流路は、セパレータ板と別に設けることもできるが、セパレータ板の表面に溝を設けてガス流路とする方式が一般的である。
MEAとセパレータ板とを交互に積層して燃料電池のスタックを構成している。このような高分子形燃料電池では、アノード及びカソード電極層の形状は同一であり、且つ中心軸に対して対称な形状であった。従って、このような燃料電池は、アノード及びカソード電極層の形状が共通で方向性を持たない場合、MEAの組立時にアノードとカソード電極層の誤組み合わせのおそれが高い。そのため、アノード電極層同士や、カソード電極層同士の組み合わせ、あるいはアノードとカソード電極層の逆転などの問題が発生するおそれがある。また、燃料電池スタックの組立時においても、MEAは方向性を持たないために、アノードとカソード電極層の逆転が生じるというおそれがある。
これらの問題の解決方法として、いくつかの従来技術があった。例えば、特開2003−331851(以下、特許文献1と称する)は、このような固体高分子型電解質膜を用いた燃料電池の技術を開示している。特許文献1では、各触媒層および各ガス拡散層の少なくとも一つにマーキングが施され、アノードとカソード電極層の識別が可能となった。具体的に、実施されたマーキングは、触媒層または拡散層の角部を少なくとも一箇所以上コーナーカット(以下、Cカットと称する)することによって、中心軸に対して非対称な形状とすることが可能となった。
特開2003−331851号公報 特開2001−253763号公報 特開2006−179221号公報 特開平7−183033号公報 特開2003−115319号公報 特開2004−179124号公報 特開2002−367662号公報
特許文献1では、触媒層または拡散層にCカットを実施することにより、MEA膜は中心軸に対して非対称な形状となるため、MEAを積層して燃料電池スタックを形成する際、歪んだ形になりやすく、燃料電池スタックの安定性に不利である。また、Cカットを実施することにより、セパレータ板に形成されたガス流路の均一性が悪くなり、デッドスペースが生まれやすい問題に加え、セパレータの設計の難易度が増大される。
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、燃料電池用膜を識別でき、燃料電池及び膜電極接合体の組立の間違いを防止可能な燃料電池用膜、膜電極接合体、燃料電池及び燃料電池の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の燃料電池用膜は、表面の少なくとも一部には識別特性を有する識別部が備えられていることを特徴とする。また、本発明の燃料電池用膜の識別特性は、光学的、磁気的、視覚的、または触覚的特性のうちの少なくともひとつであることが好ましい。光学的特性は、光吸収および/または光反射性に基づく識別性である。磁気的に特性は、磁極、磁束密度などによる識別性である。視覚的特性は、人の肉眼による識別性である。触覚的特性は、接触面の表面状態により接触面との圧力の変化による識別性である。光学的、磁気的、視覚的、または触覚的特性を有する識別部を燃料電池用膜の表面の少なくとも一部に備えることにより、燃料電池用膜の表面と裏面が識別でき、作業者や製造装置などが膜の表面の表裏を区別することができる。特に、膜の表面、裏面には異なる性質を有する際、膜の表面、裏面の区別に有効である。なお、燃料電池用膜は、電解質膜及び/またはその付属物(例えば、補強膜)を含む。
また、本発明の燃料電池用膜の識識別部は、文字、数字、記号、模様、凸凹状態のうちの少なくともひとつで構成されていることが好ましい。識別部として、文字、数字、記号、模様、または凸凹状態などが例示できる。また、バーコード、ORコードが例示できる。
また、本発明の燃料電池用膜は厚み方向に透光性を有し、識別部は表面からの輪郭と裏面からの輪郭とが非対称な形状であることが好ましい。燃料電池用膜が厚み方向に透光性を有することにより、識別部の輪郭は表面と裏面から観察した際、輪郭が非対称な形状であるため、表面であるか裏面であるかを識別することができる。つまり、識別部が非対称な形状であることにより、裏面視輪郭と表面視輪郭が一致しないことから、膜の表面と裏面を識別することができる。
また、本発明の燃料電池用膜は非透光性または難透光性を有し、識別部は、膜の表面に設けられていることが好ましい。膜が厚み方向に透光性を有しない、または光を透過させることが難しい場合において、識別部は膜の表面の一方に設けることにより、膜の表面、裏面を識別することができる。つまり、識別部が設けられた面を予め決めれば、少なくとも識別部の有無から膜の表面裏面を識別することができる。
また、本発明の燃料電池用膜は表面視の輪郭と裏面視の輪郭とが一致する形状であることが好ましい。これにより、膜の表面視の輪郭と裏面視輪郭が一致する場合においても、識別部から膜の表面裏面を区別することができる。つまり、膜の形状から膜の表裏が区別できない場合には、識別部から膜の表裏を識別することができる。
また、本発明の燃料電池用膜は表面視の輪郭と裏面視の輪郭とが相違する形状であることが好ましい。これにより、膜の表面視輪郭と裏面視の輪郭が一致しない形状を有するため、膜の形状から膜の表面の表裏を確認することもできる。つまり、膜自体の形状からも識別部を構成することができ、膜の表面の表裏を識別することができる。また、膜の表面に設けられた識別部が積層加工などによって識別部が重なって認識できなくなった場合でも、膜自体の形状から膜または膜構造の表裏を識別することができる。
また、本発明の燃料電池用膜の識別部は、膜の表裏、上下、左右のうちの少なくともひとつを識別する機能を有することが好ましい。識別部を構成する文字、数字、記号、模様、または凸凹状態などの形状もしくは膜上の配置により、膜の表面と裏面が区別できると共に、膜の上下、左右などの位置関係を区別することもできる。つまり、識別部の識別特性に基づき、膜に配置された識別部の位置、形状などから膜の表面の表裏、上下、左右などの情報を表示することができる。
また、本発明の燃料電池用膜の識別部は、印刷、機械刻印、切削加工、インクスタンプ、インクジェット、エッチング、熱による刻印、光による刻印、プレス加工、付着加工のうち少なくともひとつにより形成できる。なお、染料、インクなどを使用して識別部を形成する際、染料、インクの組成が加熱分解しにくいものが好ましい。好ましくは、レーザービームの高エネルギー密度ビームなどを用いて照射(熱)によって膜の表面が炭化され識別部が形成される。このように、識別部の形成に伴って発生する生成物が膜の性能に悪い影響を与えにくい識別部の形成方法が好ましい。
本発明の燃料電池用膜は、有機高分子膜であることが好ましい。なお、これに限らず、無機系の膜でもよく、要するに燃料電池用膜はイオン伝導性を有するものであれば良い。
本発明の膜電極接合体(MEA)は、表面の少なくとも一部には識別特性を有する識別部が備えられた燃料電池用膜と、燃料電池用膜の表面の一方の面に積層されたアノード電極層と、燃料電池用膜の表面の他方の面に積層されたカソード電極層と、を備えることを特徴とする。これにより、膜電極接合体(MEA)を製造する際、燃料電池用膜の表面と裏面が識別でき、作業者や製造装置などが燃料電池用膜の表面の表裏を区別することができる。
また、本発明の膜電極接合体(MEA)は、アノード電極層がアノード触媒層とアノード拡散層と備え、カソード電極層がカソード触媒層とカソード拡散層とを備えることが好ましい。また、本発明の膜電極接合体は、アノード電極層とカソード電極層とは異なる組成(同一でない組成)で構成されていることが好ましい。例えば、アノード触媒層はCの担体に担持されたPtとRuの合金からなり、カソード触媒層はCの担体に担持されたPtからなる。したがって、このようにアノード電極層とカソード電極層の組成が異なるとき(同一でないとき)、膜電極接合体を製造する際においてアノード電極層とカソード電極層を区別して組み立てる必要がある。本発明の膜電極接合体が識別部を備えるため、膜電極接合体をセパレータで挟持して単セルを構成する際、膜電極接合体の表裏などの情報が識別でき、アノード電極層とカソード電極層を区別して組み立てることができる。このため、アノード電極層とカソード電極層の組立の間違いによって発生する製品問題を未然に防ぐことができる。
本発明の膜電極接合体(MEA)の識別特性は、光学的、磁気的、視覚的、または触覚的特性のうちの少なくともひとつであることが好ましい。これらの特性を有する識別部を膜電極接合体の表面の少なくとも一部に備えることにより、膜電極接合体の表面と裏面が区別でき、操作者や製造装置などによりMEAの表面の表裏を識別することができる。このため、MEAの表面、裏面には異なる性質を有する際、MEAの表面、裏面を識別して作業することができる。
本発明の膜電極接合体(MEA)の識識別部は、文字、数字、記号、模様、凸凹状態のうちの少なくとも一つで構成されていることが好ましい。識別部として、文字、数字、記号、模様、または凸凹状態などが例示できる。また、バーコード、ORコードが例示できる。
本発明の膜電極接合体(MEA)の燃料電池用膜は厚み方向に透光性を有し、識別部は表面からの輪郭と裏面からの輪郭とが非対称な形状であることが好ましい。MEAの燃料電池用膜が厚み方向に透光性を有することにより、識別部の輪郭は表面と裏面から観察した際、輪郭が非対称な形状であるため、表面であるか裏面であるかが識別できる。つまり、識別部が非対称な形状であることにより、裏面視輪郭と表面視輪郭が一致しないことから、MEAの表面と裏面を識別することができる。
本発明の膜電極接合体(MEA)の燃料電池用膜は非透光性または難透光性を有し、識別部は、燃料電池用膜の表面に設けられていることが好ましい。MEAの燃料電池用膜が厚み方向に透光性を有しない、または光を透過させることが難しい場合において、識別部はMEAの表面の一方に設けることにより、MEAの表面、裏面を識別することができる。つまり、識別部が設けられた面を予め決めれば、少なくとも識別部の有無からMEAの表面裏面を識別することができる。
本発明の膜電極接合体(MEA)の燃料電池用膜は表面視の輪郭と裏面視の輪郭とが一致する形状であることが好ましい。これにより、MEAの表面視の輪郭と裏面視輪郭が一致する場合においても、識別部からMEAの表面裏面を区別することができる。つまり、MEAの形状からMEAの表裏が区別できない場合には、識別部からMEAの表裏を識別することができる。
本発明の膜電極接合体(MEA)の燃料電池用膜は表面視の輪郭と裏面視の輪郭とが相違する形状であることが好ましい。これにより、MEAの表面視輪郭と裏面視の輪郭が一致しない形状を有するため、MEAの形状からMEAの表面の表裏を確認することもできる。つまり、MEA自体の形状からも識別部を構成することができ、MEAの表面の表裏を識別することができる。また、MEAの表面に設けられた識別部が積層加工などによって識別部が重なって認識できなくなった場合でも、MEA自体の形状からMEAまたはMEA構造の表裏を識別することができる。
本発明の膜電極接合体(MEA)の識別部は、膜の表裏、上下、左右のうちの少なくともひとつを識別する機能を有することが好ましい。更には、MEAまたは膜の材質、製造者、製造工程を示す機能を有していても良い。識別部を構成する文字、数字、記号、模様、または凸凹状態などの形状もしくは燃料電池用膜上の配置により、MEAの表面と裏面が区別できると共に、燃料電池用膜の上下、左右などの位置関係を区別することもできる。つまり、識別部の識別特性に基づき、MEAに配置された識別部の位置、形状などからMEAの膜の表面の表裏、上下、左右などの情報を表示することができる。
本発明の膜電極接合体(MEA)の識別部は、印刷、機械刻印、切削加工、インクスタンプ、インクジェット、エッチング、熱による刻印、光による刻印、プレス加工、付着加工のうち少なくともひとつにより形成されることができる。なお、染料、インクなどを使用して識別部を形成する際、染料、インクの組成が加熱分解しにくいものが好ましい。好ましくは、レーザービームなどの高エネルギー密度ビームを用いて照射(熱)によってMEAの膜の表面が炭化され識別部が形成される。このように、識別部の形成に伴って発生する生成物がMEAの燃料電池用膜の性能に悪い影響を与えにくい識別部の形成方法が好ましい。
本発明の膜電極接合体(MEA)の燃料電池用膜は、有機高分子膜であることが好ましい。なお、これに限らず、MEAを構成する燃料電池用膜はイオン伝導性を有するものであれば良い。
本発明の燃料電池は、表面の少なくとも一部には識別特性を有する識別部が備えられた燃料電池用膜と燃料電池用膜の表面の一方の面に積層されたアノード電極層と燃料電池用膜の表面の他方の面に積層されたカソード電極層とを備える膜電極接合体と、アノード電極層の外側に設けられた第1セパレータと、カソード電極層の外側に設けられた第2セパレータとを有することを特徴とする。これにより、燃料電池を製造する際、作業者や製造装置などが燃料電池用膜の表面の表裏などを識別することができ、燃料電池を正しく組み付けることができる。
本発明の燃料電池は、アノード電極層がアノード触媒層とアノード拡散層と備え、カソード電極層がカソード触媒層とカソード拡散層とを備えることが好ましい。
本発明の燃料電池は、アノード電極層とカソード電極層とは異なる組成(同一でない組成)で構成されていることが好ましい。アノード電極層とカソード電極層の組成が異なるとき、膜電極接合体を製造する際においてアノード電極層とカソード電極層を区別して組み立てる必要がある。本発明の燃料電池が識別部を備えるため、膜電極接合体をセパレータで挟持して単セルを構成する際、膜電極接合体の表裏などの情報が識別でき、アノード電極層とカソード電極層を区別して組み立てることができる。このため、アノード電極層とカソード電極層の組立の間違いによって発生する製品問題を未然に防ぐことができる。
本発明の燃料電池の識別特性は、光学的、磁気的、視覚的、または触覚的特性のうちの少なくともひとつであることが好ましい。これらの特性を有する識別部を膜電極接合体の表面の少なくとも一部に備えることにより、膜電極接合体の表面と裏面が区別でき、操作者や製造装置などによりMEAの表面の表裏を識別することができる。このため、MEAの表面、裏面には異なる性質を有する際、MEAの表面、裏面を識別して作業することができる。
本発明の燃料電池の識識別部は、文字、数字、記号、模様、凸凹状態のうちの少なくとも一つで構成されていることが好ましい。識別部として、文字、数字、記号、模様、または凸凹状態などが例示できる。また、バーコード、ORコードが例示できる。
本発明の燃料電池の燃料電池用膜は厚み方向に透光性を有し、識別部は表面からの輪郭と裏面からの輪郭とが非対称な形状であることが好ましい。MEAの燃料電池用膜が厚み方向に透光性を有することにより、識別部の輪郭は表面と裏面から観察した際、輪郭が非対称な形状であるため、表面であるか裏面であるかが識別できる。つまり、識別部が非対称な形状であることにより、裏面視輪郭と表面視輪郭が一致しないことから、MEAの表面と裏面を識別することができる。
本発明の燃料電池の燃料電池用膜は非透光性または難透光性を有し、識別部は、燃料電池用膜の表面に設けられていることが好ましい。MEAの燃料電池用膜が厚み方向に透光性を有しない、または光を透過させることが難しい場合において、識別部はMEAの表面の一方に設けることにより、MEAの表面、裏面を識別することができる。つまり、識別部が設けられた面を予め決めれば、少なくとも識別部の有無からMEAの表面裏面を識別することができる。
本発明の燃料電池の燃料電池用膜は表面視の輪郭と裏面視の輪郭とが一致する形状であることが好ましい。これにより、MEAの表面視の輪郭と裏面視輪郭が一致する場合においても、識別部からMEAの表面裏面を区別することができる。つまり、MEAの形状からMEAの表裏が区別できない場合には、識別部からMEAの表裏を識別することができる。
本発明の燃料電池の燃料電池用膜は表面視の輪郭と裏面視の輪郭とが相違する形状であることが好ましい。これにより、MEAの表面視輪郭と裏面視の輪郭が一致しない形状を有するため、MEAの形状からMEAの表面の表裏を確認することもできる。つまり、MEA自体の形状からも識別部を構成することができ、MEAの表面の表裏を識別することができる。また、MEAの表面に設けられた識別部が積層加工などによって識別部が重なって認識できなくなった場合でも、MEA自体の形状からMEAまたはMEA構造の表裏を識別することができる。
本発明の燃料電池の識別部は、膜の表裏、上下、左右のうちの少なくともひとつを識別する機能を有することが好ましい。これにより、MEAの表裏が識別できると共に、燃料電池を構成するセパレータに形成されたガス流路の上流域や下流域などの上下左右などの位置関係を識別することができ、流路の設計や制御などに有利である。
本発明の燃料電池の識別部は、印刷、機械刻印、切削加工、インクスタンプ、インクジェット、エッチング、熱による刻印、光による刻印、プレス加工、付着加工のうち少なくともひとつにより形成できる。なお、染料、インクなどを使用して識別部を形成する際、染料、インクの組成が加熱分解しにくいものが好ましい。好ましくは、レーザービームなどの高エネルギー密度ビームを用いて照射(熱)によってMEAの膜の表面が炭化による識別部が形成される。このように、識別部の形成に伴って発生する生成物がMEAの膜の性能に悪い影響を与えにくい識別部形成方法が望まれる。
本発明の燃料電池の燃料電池用膜は、有機高分子膜であることが好ましい。なお、これに限らず、MEAを構成する燃料電池用膜はイオン伝導性を有するものであれば良い。
本発明の燃料電池の燃料電池用膜は、アノード電極層、カソード電極層より大きい面積を持ち、アノード電極層、カソード電極層の表面に沿う外延方向の側端面より突出する外延部を有し、識別部は外延部の表面に設けられていることが好ましい。これにより、燃料電池用膜の中央部に電極層が配置され、電極層より外側に電極層の側端面より突出する外延部を設けられている。外延部の表面に識別部を設けることにより、燃料電池用膜の表面において、識別部は電極層から離れて配置される。このため、識別部の物性などにより電極層への影響が少なくなる。
本発明の燃料電池は、各膜電極接合体は識別部を外延部の一方の表面に有することが好ましい。識別部は、外延部において外延部の一方の表面に設けることにより、燃料電池の組み付ける作業を行う際、MEAの表裏、上下、左右などを判別しやすく、誤組立の防止に有利である。
また、本発明の燃料電池用膜、膜電極接合体、燃料電池において、燃料電池用膜は、イオン伝導性を有する電解質膜と、電解質膜の外面に設けられ電解質膜を補強する補強膜とを備えており、識別部は補強膜の外面の所定位置に設けられていることが好ましい。これにより、燃料電池用膜の外延部を介して燃料電池スタックを重なって積層するとき、燃料電池用膜(外延部を含み)の強度を維持することができる。
本発明の燃料電池の膜電極接合体の積層順に基づいて識別部は一定の規則を有することが好ましい。一定の規則とは、順番を示したり、暗示したりする規則であり、ある一定の規則を満たす数列、また模様などのものである。例えば:数列1、2、3・・・、数列1、3、5・・・、英字列A、B、C、ひらがな列あ、い、う・・・などの一定の規則を有するものである。なお、識別部を同一のもので構成することもできる。例えば:「カ」などの非対称な文字を用いることができる。
また、本発明の燃料電池の製造方法は、燃料電池用膜と燃料電池用膜の表面の一方の面に積層されたアノード電極層と燃料電池用膜の表面の他方の面に積層されたカソード電極層とを備えた膜電極接合体を準備し、膜電極接合体の燃料電池用膜の表面の少なくとも一部に識別特性を有する識別部を形成する膜電極接合体準備工程と、膜電極接合体を厚み方向に挟むように第1セパレータ及び第2セパレータを設け、識別部に基づき膜電極接合体を所定の方向に配置してセル構造体を組み立てるセル構造体組立工程と、を有することを特徴とする。この方法によれば、燃料電池を製造する際、作業者や製造装置などが燃料電池用膜の表面の表裏などを識別することができ、燃料電池を正しく組み付けることができる。
本発明の燃料電池用膜によれば、膜の所定位置に識別部を設けることにより、膜を識別することができる。例えば、膜の表裏、上下、左右などの方向性を識別することができる。また、本発明の燃料電池を構成するMEAのアノード電極層とカソード電極層が区別でき、正しくMEAを組み付けることができる。さらに、MEAの表裏、上下、左右が識別され、燃料電池スタックの製造工程での取り間違えることを解消できる。また、膜自体の形状が維持できるため、Cカットなどの切割工程により発生する燃料電池スタックの構造上の歪みが解消でき、セパレータ板やガス流路の設計に有利である。このように、本発明によれば、燃料電池用膜の表裏、上下、左右などを識別でき、燃料電池の組立の間違いを防止することが可能である。
以下、図面を参照しながら、本発明の各実施形態について説明する。
(実施形態1)
本実施形態の燃料電池用膜の概念図を図1に示す。なお、本実施形態では、燃料電池用膜は膜電極接合体(MEA)を構成するものである。以下、燃料電池用膜を電解質膜1と称する。図1に示すように、電解質膜1の表面中央部において電極層2(A、B)が設けられている。電解質膜1は電極層2(2A,2B)より大きい面積を有する。また、図2はMEAの断面図を示すものである。図2から分かるように、電解質膜1の二つの表面(1A,1B)に電極層2A,2Bがそれぞれ設けられている。また、電極層2A、2Bの側端面211より電解質膜1が突出して外延部110を形成している。外延部110の表面111には、識別部3が設けられている。なお、識別部3は外延部110の二つの表面111の一面に設けられている。また、本実施形態の電解質膜1は光透過性を有するものである。本実施形態の電解質膜1は、高分子イオン交換膜である。
識別部3は、インク質のマーキングMから構成される。また、図1に示すように、マーキングMは印刷された文字、例えば「カ」で構成することができる。図3は電解質膜1の裏面1Bを示すものである。図3から分かるように、電解質膜1の表面1A(図1に示す)とは反対に、電解質膜1の裏面1B(図3)には識別部3のマーキングMが逆の文字「カ」と写されている。このように、識別部3から電解質膜1の表面1Aと裏面1Bを識別することができる。
次に、具体的に本実施形態の膜電極接合体(MEA)及び燃料電池の製造方法について説明する。図4はMEAの基本構造を示す平面概念図である。図5はMEAの断面概念図を示したものである。
図5に示すように、電解質膜1の表面の中央部に、アノード触媒層21A、カソード触媒層21Bが設けられている。電解質膜1の外延部110の表面111には電解質膜1の強度を維持するための補強膜4が設置されている。補強膜4は外延部110の表面111を包囲し、中央部に位置する触媒層21A,21Bと若干重なるように形成されている。さらに、触媒層21A,21Bの外面には、多孔質のガス拡散層22A,22Bが形成されている。なお、電極層2Aは触媒層21Aとガス拡散層22A、とからなり、電極層2Bは触媒層21Bとガス拡散層22Bとからなる。また、補強膜4が取付られた場合には、識別部3は補強膜4の外面41の所定位置に設けられる。
ガス拡散層22A、22Bは、まず市販のカーボンペーパーTGP−H−60(東レ株式会社、190μ)にVXC−72R(キャボット、380m/g)100gとポリフロンD−1(ダイキン工業、PTFEディスパージョン、固形分60wt%)166.7g、分散剤、純水を混練したペーストを含浸したものを、80度で1時間予備乾燥した後、380度で1時間焼成したものである。
カソード触媒層21Bは、Pt担持カーボンTEC10E70TPM(田中貴金属製Pt67wt%)10g、SS−1100/05(イオン交換樹脂5wt%、旭化成製)82.5g、イオン交換水38gをサンドミル(ジルコニアボール2Φ、周速15m/S)にて、一時間分散したもの(イオン交換樹脂/Pt−C中のC=1.25)を、ペースト状にし、ガス拡散層22Aにドクターブレードにてギャップ250μ(約1mgPt/cm)で塗布したものである。
アノード触媒層21Aは、白金ルテニウム担持カーボンTEC62E58(田中貴金属製Pt27.8wt%、Ru28.8wt%、Pt:Ru原子比=1:2)10g、SS−1100/05(イオン交換樹脂5wt%、旭化成製)108.5g、イオン交換水38gをサンドミル(ジルコニアボール2Φ、周速15m/S)にて、一時間分散したもの(イオン交換樹脂/Pt−C中のC=1.25)を、ペースト状にし、ガス拡散層22Bにドクターブレードにてギャップ200μ(約0.25mgPt/cm)で塗布したものである。
また、本実施形態に用いた電解質膜1はイオン交換膜ゴア30−III−B(ジャパンゴアテックス)である。
なお、本実施形態では、電解質膜1の厚さは30μmであり、触媒層21A、21Bの厚さは8〜15μmであり、ガス拡散層22A,22Bの厚さは210〜250μmである。
反応面積100cmに打ち抜いた電極層2(A,B)を12cm角に切り抜いた電解質膜1の両側に配置し、140度、8MPaの圧力下、3分間ホットプレスしてMEAを形成する。
MEAを後述するセパレータ5(図6に示す)で挟んで燃料電池セルを構成する際、ガス拡散層22Aを介してアノード触媒層側21Aには改質ガス(COや硫黄などを含む)が供給されている。一方、カソード触媒層側21Bには、ガス拡散層22Bを介して酸素ガスが供給される。これにより発電反応を行う。
CO等はPt電極に強い吸着性を有するため、Pt電極に強く吸着して表面を覆ってPtの触媒活性を阻害する。いわゆる、Pt触媒のCOによる被毒である。主にPtで構成されたカソード触媒層21Bに比べ、Pt−Ru合金で構成されたアノード触媒層21AはCO、硫黄などの被毒に耐性を持っている。つまり、被毒を防止するために、Pt−Ru合金で構成されたアノード触媒21Aに燃料ガスが供給される。燃料ガスにはCOが含まれている場合がある。このため、アノード触媒層21Aとカソード触媒層21Bを識別してMEAを組み付ける必要がある。
このように、MEAの電解質膜1の表裏両面(1A,1B)にそれぞれ性質の違った電極層2A,2Bが配置されているため、MEAの表裏を識別する必要がある。アノード電極層2A、カソード電極層2Bの誤組みつけは触媒電極の被毒に繋がり、燃料電池の性能にダメージを与える。
図6は、MEAとセパレータ5A,5Bとを有する燃料電池セルSの概念図である。セパレータ5A、5Bはシーリング部材52を介してMEAに接着され、ガス流路51A,51Bを形成している。ガス流路51A、51Bには、燃料ガスと酸素ガスがそれぞれ運ばれる。これにより、燃料ガスはアノード電極層2Aに、酸素ガスはカソード電極層2Bに供給される。
また、電解質膜1に設けられた識別部3はセパレータ5(A,B)のシーリング部材52より外側にあり、燃料電池セルSの表裏を識別することができると共に、識別部3のマーキングMを構成するインクなどの染料成分がガス流路に入りにくい。電池セルSをスタック化(複数のセルでセル構造化)する際、識別部3によりカソード電極層2Bとアノード電極層2Aを識別することができる。また、組み込み後(スタック化後)、識別部3のマーキングMが接着部分に入り、外観に影響しない。図7は同じマーキングMで識別部3を構成するセル構造である。図7に示すように、所定方向にセルSがスタック化されているため、マーキングMが電解質膜1の所定位置に現れる。なお、図7はセパレータ5(A,B)を省略した説明図である。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池(図4、図5に示す)は、表面の少なくとも一部には識別特性を有する識別部3が備えられイオン伝導性を有する電解質膜1と電解質膜1の表面の一方の面(表面1A)に積層されたアノード電極層2Aと電解質膜1の表面の他方の面(裏面1B)に積層されたカソード電極層2Bとを備える膜電極接合体MEAと、アノード電極層2Aの外側に設けられた第1セパレータ5Aと、カソード電極層2Bの外側に設けられた第2セパレータ5Bとを備えるセルSからなる。これにより、燃料電池を製造する際、電解質膜1の表面1Aと裏面1Bが識別でき、作業者や製造装置などが膜1の表面の表裏を識別することができ、燃料電池を正しく組み付けることができる。
また、本実施形態の燃料電池(図5、図6に示す)は、アノード電極層2Aがアノード触媒層21Aとアノード拡散層22Aと備え、カソード電極層2Bがカソード触媒層21Bとカソード拡散層22Bとを備える。
また、本実施形態の燃料電池は、アノード触媒層21Aとカソード触媒層21Bとは異なる組成(同一でない組成)であり、膜電極接合体MEAを製造する際においてアノード電極層2Aとカソード電極層2Bを区別して組み立てる必要がある。本実施形態の燃料電池が識別部3を備えるため、膜電極接合体MEAをセパレータ5で挟持して単セルSを構成する際、膜電極接合体MEAの表裏などの情報を読み取ることができ、アノード電極層2Aとカソード電極層2Bを区別して組み立てることができる。このため、アノード電極層2Aとカソード電極層2Bの組立の間違いによって発生する製品問題を未然に防ぐことができる。
また、本実施形態の燃料電池の電解質膜1(図2、図5に示す)は、アノード電極層2A、カソード電極層2Bより大きい面積を持ち、アノード電極層2A、カソード電極層2Bの表面に沿う外延方向の側端面211(図2に示す)より突出する外延部110を備え、識別部3は外延部110の表面に設けられている。これにより、電解質膜1の中央部に電極層2A,Bが配置され、電極層2A,Bより外側に電極層2A,Bの側端面211より突出する外延部110を設けられている。外延部110の表面に識別部3を設けることにより、電解質膜1の表面において、識別部3は電極層2A,Bから離れて配置される。このため、識別部3の物性などにより電極層2A,Bへの影響が少なくなる。
また、本実施形態の燃料電池は、積層により形成されたセル積層体S内のすべての膜電極接合体(MEA)の外延部110の一方の表面に識別部3を設ける。識別部3を外延部110において外延部の一方の表面に設けることにより、燃料電池を組み付ける作業を行う際、MEAの表裏を判別しやすく、誤組立の防止に有利である。
(実施形態2)
本実施形態では、識別部3は同一のマーキングMで構成する必要がないため、一定の規則を有する文字列、数字列などで識別部3を構成することができる。図8に示すように、一定の規則を有する数字列のマーキングMで識別部3を構成するセル構造である。同様に、バーコード、QRコードなどで識別部3を構成することもでき、数字列のマーキングMで識別部3を構成することにより、電解質膜1を特定することもでき、燃料電池の検査、評価などに有効である。なお、図8はセパレータ5(A,B)を省略した説明図である。
(実施形態3)
本実施形態では、図9に示すように、電解質膜1にマーキングMとコーナーカットCとを共有する識別部3が設けられている。識別部3をマーキングMとコーナーカットCで構成することにより、電解質膜1の表裏関係がより容易に判別することができる。
(実施形態4)
本実施形態の燃料電池の電解質膜1は厚み方向に透光性を有し、識別部3は表面からの輪郭と裏面からの輪郭とが非対称な形状である。MEAの電解質膜1が厚み方向に透光性を有することにより、識別部3の輪郭は表面と裏面から観察した際、輪郭が非対称な形状であるため、表面であるか裏面であるかが識別できる。つまり、識別部3が非対称な形状であることにより、裏面視輪郭と表面視輪郭が一致しないことから、MEAの表面と裏面を識別することができる。
(実施形態5)
本実施形態の燃料電池の電解質膜1は非透光性または難透光性を有し、識別部3は、電解質膜1の表面に設けられている。MEAの電解質膜1が厚み方向に透光性を有しない、または光を透過させることが難しい場合において、識別部3はMEAの表面の一方に設けることにより、MEAの表面、裏面を識別することができる。つまり、識別部3が設けられた面を予め決めれば、少なくとも識別部3の有無からMEAの表面裏面を識別することができる。
(実施形態6)
本実施形態の燃料電池の電解質膜1(図1、図3に示す)は表面視の輪郭と裏面視の輪郭とが一致する形状である。これにより、MEAの表面視の輪郭と裏面視輪郭が一致する場合においても、識別部3からMEAの表面裏面を区別することができる。つまり、MEAの形状からMEAの表裏が区別できない場合には、識別部3からMEAの表裏を識別することができる。
(実施形態7)
本実施形態の燃料電池の電解質膜1(図9に示す)は表面視の輪郭と裏面視の輪郭とが相違する形状である。これにより、MEAの表面視輪郭と裏面視の輪郭が一致しない形状を有するため、MEAの形状からMEAの表面の表裏を確認することもできる。つまり、MEA自体の形状からも識別部3を構成することができ、MEAの表面の表裏を識別することができる。また、MEAの表面に設けられた識別部3が積層加工などによって識別部3が重なって認識できなくなった場合でも、MEA自体の形状からMEAまたはMEA構造の表裏を識別することができる。
(実施形態8)
本実施形態の燃料電池の識別部3は、電解質膜1の表裏、上下、左右のうちの少なくともひとつを識別する機能を有する。これにより、MEAの表裏が識別できると共に、燃料電池を構成するセパレータ5に形成されたガス流路の上流域や下流域などの上下左右などの位置関係を識別するとこができ、流路の設計や制御などに有利である。
(実施形態9)
本実施形態の燃料電池の識別部3は印刷により形成される。なお、染料、インクなどを使用して識別部3を形成する際、染料、インクの組成が加熱分解しにくいものが使用される。
(実施形態10)
本実施形態の燃料電池の識別部3はレーザービームなどの高エネルギー密度ビームを用いて照射(熱)によってMEAの膜1の表面が炭化による識別部3が形成される。
このように、識別部3の形成に伴って発生する生成物がMEAの膜1の性能に悪い影響を与えにくい識別部3形成方法がよい。
(実施形態11)
本実施形態の燃料電池は、外延部110の表面111に設けられ電解質膜1を補強する補強膜4が設けられている。また、本実施形態の燃料電池は、識別部3は補強膜4の外面の所定位置に設けられている。これにより、電解質膜1の外延部110を介して燃料電池スタックSを重なって積層するとき、電解質膜1(外延部を含み)の強度を維持することができる。
(実施形態12)
本実施形態の燃料電池の製造方法は、イオン伝導性を有する電解質膜1と電解質膜1の表面の一方の面(1A)に積層されたアノード電極層2Aと電解質膜1の表面の他方の面(1B)に積層されたカソード電極層2Bとを備え膜電極接合体MEAを準備し、膜電極接合体MEAの電解質膜1の表面(1A,1B)の少なくとも一部に識別特性を有する識別部3を形成するする膜電極接合体準備工程と、膜電極接合体MEAを厚み方向に挟むように第1セパレータ5A及び第2セパレータ5Bを設け、識別部3に基づき膜電極接合体MEAを所定の方向に配置してセル構造体を組み立てるセル構造体組立工程とを有する。膜電極接合体準備工程を本実施形態の燃料電池の製造方法に取り込むことにより、膜電極接合体MEAを製造する段階からMEAの方向性などの情報を識別することができ、MEA電極層の誤組み付けや、燃料電池の組立の間違いなどを防止することができる。
本発明の燃料電池用膜、膜電極接合体及び燃料電池は、燃料電池の設計、製造、評価などに使用することができる。
燃料電池用膜の平面(表面)概念図である。 燃料電池用膜の断面概念図である。 燃料電池用膜の裏面概念図である。 燃料電池を構成する膜電極接合体の平面概念図である。 燃料電池を構成する膜電極接合体の断面概念図である。 燃料電池セルの断面概念図である。 燃料電池に係るセルのスタック化(組立)工程を示す概念図である。 燃料電池に係るセルのスタック化(組立)工程を示す概念図である。 燃料電池に係る識別部の変形形態を示す平面概念図である。
符号の説明
1:(燃料電池用)電解質膜 1A:表面 1B:裏面
110:外延部 111:外延部表面
2、電極層2A アノード電極層 2B:カソード電極層
21:触媒層 21A:アノード触媒層 21B:カソード触媒層
22:拡散層 22A:アノード拡散層 22B:カソード拡散層
3:識別部 M:マーキング C:コーナーカット
4:補強膜 41:補強膜外表面
5:セパレータ 5A:第1セパレータ 5B:第2セパレータ
51A,51B:流路 52:シーリング部材
S:燃料電池セル

Claims (8)

  1. 表面の少なくとも一部には識別特性を有する識別部が備えられていることを特徴とする燃料電池用膜。
  2. 請求項1において、前記識識別部は、文字、数字、記号、模様、凸凹状態のうちの少なくともひとつで構成されていることを特徴とする燃料電池用膜。
  3. 請求項1において、前記燃料電池用膜は、表面視の輪郭と裏面視の輪郭とが相違する形状であることを特徴とする燃料電池用膜。
  4. 表面の少なくとも一部には識別特性を有する識別部が備えられた燃料電池用膜と、
    前記燃料電池用膜の表面の一方の面に積層されたアノード電極層と、
    前記燃料電池用膜の表面の他方の面に積層されたカソード電極層と、を備えることを特徴とする膜電極接合体。
  5. 表面の少なくとも一部には識別特性を有する識別部が備えられた燃料電池用膜と、前記燃料電池用膜の表面の一方の面に積層されたアノード電極層と、前記燃料電池用膜の表面の他方の面に積層されたカソード電極層とを備える膜電極接合体と、
    前記アノード電極層の外側に設けられた第1セパレータと、
    前記カソード電極層の外側に設けられた第2セパレータとを有することを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項5において、前記燃料電池用膜は、前記アノード電極層、前記カソード電極層より大きな面積を持ち、前記アノード電極層、前記カソード電極層の表面に沿う外延方向の側端面より突出する外延部を有し、前記識別部は前記外延部の表面に設けられていることを特徴とする燃料電池。
  7. 請求項5または6のいずれか1項において、前記膜電極接合体の積層順に基づいて前記識別部は一定の規則を有することを特徴とする燃料電池。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において、前記燃料電池用膜は、イオン伝導性を有する電解質膜と、電解質膜の外面に設けられ前記電解質膜を補強する補強膜とを備えており、前記識別部は前記補強膜の外面の所定位置に設けられていることを特徴とする燃料電池。
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