JP2002280012A - 燃料電池用電解質膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

燃料電池用電解質膜電極接合体の製造方法

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JP2002280012A
JP2002280012A JP2001073999A JP2001073999A JP2002280012A JP 2002280012 A JP2002280012 A JP 2002280012A JP 2001073999 A JP2001073999 A JP 2001073999A JP 2001073999 A JP2001073999 A JP 2001073999A JP 2002280012 A JP2002280012 A JP 2002280012A
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Japan
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conductive polymer
hydrogen ion
ion conductive
catalyst layer
gasket
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JP2001073999A
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English (en)
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Hiroaki Matsuoka
広彰 松岡
Susumu Kobayashi
晋 小林
Yoshihiro Hori
堀  喜博
Kazuhito Hado
一仁 羽藤
Masato Hosaka
正人 保坂
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素イオン伝導性高分子膜にシワおよびマイ
クロクラックのない状態で、燃料電池用電解質膜電極接
合体を形成する。 【解決手段】 形状保持フィルムの一方の面に水素イオ
ン伝導性高分子膜を形成し、第一の触媒層を水素イオン
伝導性高分子膜上に形成し、水素イオン伝導性高分子膜
に第一のガスケットを低温度で仮固定し、形状保持フィ
ルムを剥離し、剥離により出現した水素イオン伝導性高
分子膜の他方の面に第二の触媒層を形成し、ついで水素
イオン伝導性高分子膜に第二のガスケットを高温度で溶
着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池に使用す
る電解質膜電極接合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、一般に燃料電池に使用される
水素イオン伝導性高分子膜の厚みは非常に薄いため、水
素イオン伝導性高分子膜の両面に触媒層を直接形成する
ことは非常に困難である。より具体的には、水素イオン
伝導性高分子膜の厚みは通常約20〜50μmであり、
膜自体の機械的強度も不充分なため、この水素イオン伝
導性高分子膜を単独で機械的に加工することは困難であ
る。例えば、水素イオン伝導性高分子膜は、引張りによ
り容易に伸びてしまったり、不用意な折り曲げによりマ
イクロクラックまたはピンホールが発生したり、さらに
はせん断力に弱く簡単に切断されてしまったりする。従
来の水素イオン伝導性高分子膜は、これらの問題に注意
しながら取り扱われるため、作業時のハンドリング性に
劣り、作業効率の大幅な低下を招いている。
【0003】さらに、この水素イオン伝導性高分子膜
は、水または有機溶剤の付着により短時間で膨潤したり
収縮するという性質を有し、寸法変化および形状変化を
起こすという問題がある。水素イオン伝導性高分子膜
は、水または有機溶剤の付着直後に若干膨潤し、その後
放置した際に水または有機溶剤が揮発して著しく収縮す
る。最終的に約5〜10%もの大きな収縮をする場合も
ある。通常、触媒層は水素イオン伝導性高分子膜の中央
部分に水または有機溶剤を含有したインク用ペーストを
付着させることにより形成されるが、前記現象により中
央の触媒層が付着した部分は著しく収縮してしまうのに
対し、外周の触媒層が付着していない部分は全く収縮し
ないため、結果的に外周部分に大きなシワ(たるみ)が
発生することになる。
【0004】このシワ(たるみ)は、燃料電池製造のた
めに必要な後工程、すなわちカーボンペーパーまたはガ
スケットとをホットプレスによって一体化させる際に残
存するため、ガスケットのシールが不完全になったり、
シワが折れ曲がって重なり、水素イオン伝導性高分子膜
自体にマクロクラックが発生して供給ガスのリークを起
こす。そうして、電池特性の劣化を招くことになるので
ある。一方、特開平10−64574号公報には、予め
別のフィルムに形成した2つの触媒層を同時に水素イオ
ン伝導性高分子膜の両側にローラーで加熱および加圧に
より転写する方法が示されている。この方法によれば、
水または有機溶剤による膨潤および収縮を防ぐことがで
き、同時に量産効果に優れる。
【0005】しかし、水素イオン伝導性高分子膜を単品
で取り扱い、ロールで送る点に大きな問題がある。前述
したように、使用する水素イオン伝導性高分子膜自体が
非常に薄く、その機械的強度が不充分なために、ロール
送りの際に加えられるテンションにより水素イオン伝導
性高分子膜にマイクロクラックが発生したり、場合によ
っては水素イオン伝導性高分子膜が破断することもある
からである。さらに、例え水素イオン伝導性高分子膜自
体に送り用のスプロケット穴などの機械加工を施して
も、膜が薄いためにこの穴が歪んだり、破れてしまった
りして、スプロケット穴としての役目を充分果たすこと
ができない。
【0006】さらには、加熱されたロールで挟んで触媒
層を転写するため、局部的な熱ストレスによりどうして
もシワ(たるみ)などが発生する。テンションと熱の影
響により、水素イオン伝導性高分子膜が伸びて位置ズレ
も起こし易い。これらの現象は、前述と同様に電池特性
の劣化を招いている。また、前記公報の中では触媒層を
転写した後の水素イオン伝導性高分子膜の巻き取りにつ
いては明記されていないが、両面に触媒層が付いた水素
イオン伝導性高分子膜を単品で巻き取ることは非常に困
難であり、触媒層にクラックが発生したり、異なる触媒
層同士の接触など、磨耗の問題が起きると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来か
ら水素イオン伝導性高分子膜が非常に薄いために、取扱
い作業時のハンドリング性に劣り、かつシワなどの欠陥
のない燃料電池用電解質膜電極接合体を安定して大量に
製造することは非常に困難であった。そこで、本発明の
目的は、薄い水素イオン伝導性高分子膜を用い、シワな
どの欠陥のない燃料電池用電解質膜電極接合体を安定し
て製造および供給することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)形状保
持フィルムの一方の面に水素イオン伝導性高分子膜を形
成する工程、(b)前記水素イオン伝導性高分子膜上に
第一の触媒層を形成する工程、(c)前記水素イオン伝
導性高分子膜上において第一の触媒層の周囲に第一のガ
スケットを低温度で仮固定する工程、(d)前記形状保
持フィルムを剥離する工程、(e)剥離により出現した
前記水素イオン伝導性高分子膜の他方の面に第二の触媒
層を形成する工程、(f)前記水素イオン伝導性高分子
膜上において第二の触媒層の周囲に第二のガスケットを
高温度で溶着する工程を、工程(a)〜(f)の順に含
むことを特徴とする燃料電池用電解質膜電極接合体の製
造方法に関する。
【0009】前記形状保持フィルムは、膜厚50〜50
0μmの熱可塑性樹脂からなるフィルムであるのが有効
である。また、前記工程(a)において、水素イオン伝
導性高分子膜を加熱および加圧により積層するラミネー
ト工法、または水素イオン伝導性高分子を分散した分散
液を塗布および乾燥させるキャスト工法により、前記形
状保持フィルム上に前記水素イオン伝導性高分子膜を形
成するのが有効である。
【0010】また、前記工程(b)および(e)におい
て、水素イオン伝導性高分子膜への第一および第二の触
媒層の形成は、直接印刷または塗布によって行うのが有
効である。前記工程(c)においては、30〜100℃
での加熱および加圧により第一のガスケットを仮固定
し、前記工程(e)においては、100〜180℃での
加熱および加圧により第二のガスケットを溶着させるの
が有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】上述の課題を解決するため、本発
明者らは、(a)形状保持フィルムの一方の面に水素イ
オン伝導性高分子膜を形成する工程、(b)水素イオン
伝導性高分子膜上に第一の触媒層を形成する工程、
(c)前記水素イオン伝導性高分子膜上において第一の
触媒層の周囲に第一のガスケットを低温度で仮固定する
工程、(d)前記形状保持フィルムを剥離する工程、
(e)剥離により出現した前記水素イオン伝導性高分子
膜の他方の面に第二の触媒層を形成する工程、(f)前
記水素イオン伝導性高分子膜上において第二の触媒層の
周囲に第二のガスケットを高温度で溶着する工程を、工
程(a)〜(f)の順に含むことを特徴とする燃料電池
用電解質膜電極接合体の製造方法を見出した。
【0012】以下に、本発明に係る製造方法を工程順に
説明する。 (1)工程(a)について まず、工程(a)において、形状保持フィルムの一方の
面に水素イオン伝導性高分子膜を形成する。このときに
用いる前記形状保持フィルムは、膜厚50〜500μm
の熱可塑性樹脂からなるシート状フィルムである。かか
る熱可塑性樹脂としては、具体的には通常市販されてい
るPET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリ
プロピレン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PI
(ポリイミド)、フッ素樹脂などがあげられる。
【0013】また、形状保持フィルムの膜厚は50〜5
00μmで、好ましくは100〜300μmである。形
状保持フィルムの膜厚が50μmより薄いと、前記水素
イオン伝導性高分子膜と同程度の厚みしかないため、ラ
ミネート工法またはキャスト工法において水素イオン伝
導性高分子膜を保持する能力が不足する。一方、500
μmより厚くなると、ロールによる巻き取りが困難にな
り、量産性が低下してしまう。なお、必要に応じて剥離
強さを調整するために、形状保持フィルムの表面を処理
することも可能である。
【0014】前記形状保持フィルム上への前記水素イオ
ン伝導性高分子膜の形成は、加熱された熱板またはロー
ラーなどで加圧するラミネート工法により一体化する方
法、または前記形状保持フィルムの上に予め水素イオン
伝導性高分子膜が分散した分散液を塗布、乾燥させるキ
ャスト工法により一体化する方法などによって行うこと
ができる。
【0015】上記ラミネート工法を用いる場合、前記形
状保持フィルム上への前記水素イオン伝導性高分子膜の
形成は、形状保持フィルムとすでにフィルム状に形成さ
れている水素イオン伝導性高分子膜とを加熱された熱板
またはローラーなどで加圧しながら一体化すればよい。
また、上記キャスト法を用いる場合は、水素イオン伝導
性高分子膜を構成する水素イオン伝導性高分子を溶剤に
分散した分散液を形状保持フィルムの上に塗布しながら
加熱および乾燥して膜を形成すればよい。
【0016】ここで使用する前記水素イオン伝導性高分
子膜としては、水素イオン伝導性を有するPFS(パー
フルオロカーボンスルホン酸)と称する高分子樹脂があ
げられ、さらに具体的には、米国デュポン社製のナフィ
オン112があげられる。現在市販されている水素イオ
ン伝導性高分子膜としてはイオン交換密度などにおいて
多少異なる種々のものがあるが、通常、燃料電池では膜
厚20〜50μm前後の非常に薄い水素イオン伝導性高
分子膜が使用されている。電池特性向上の点から言う
と、イオン伝導性の向上のために水素イオン伝導性高分
子膜は今後さらに薄くなる傾向があり、薄くなれば上述
した問題はさらに顕著に現れてくると考えられる。
【0017】また、水素イオン伝導性高分子膜の分散液
とは、水素イオン伝導性高分子膜と同じ成分の水素イオ
ン伝導性高分子電解質と称する成分を、所定の溶剤に分
散させたものであり、この溶剤を除去することにより水
素イオン伝導性高分子膜の薄膜を得ることができる。溶
剤としては、望ましくは比較的低沸点または低分子量を
有する溶剤が好ましい。具体的には、水(望ましくはイ
オン交換水または純水)、エタノール、n−プロパノー
ル、イソプロピルアルコール(IPA)、n−ブタノー
ル、2−ブタノール、tert−ブタノールなどの第一
級〜第三級アルコール、これらのアルコール誘導体、エ
ーテル系、エステル系およびフッ素系有機溶剤などを、
それぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いること
ができる。すなわち、混合溶剤を用いてもよい。
【0018】(2)工程(b)および工程(e)につい
て つぎに、工程(b)において、第一の触媒層を前記水素
イオン伝導性高分子膜上(中央部分)に形成する。ま
た、この第一の触媒層の形成は、実質的に工程(e)に
おける第二の触媒層の形成も同じであるため、ここでは
両方の触媒層の形成について説明する。前記水素イオン
伝導性高分子膜への第一の触媒層および第二の触媒層の
形成は、直接印刷または塗布により行う。
【0019】ここで、前記触媒層に含まれる触媒は、電
極反応用触媒と称するもので、貴金属触媒をカーボン微
粒子の表面に担持させて得られる。通常、アノード極に
はPt−Ru合金が表面に担持されたカーボン微粒子を
使用し、カソード極にはPtが担持されたカーボン微粒
子が使用されている。供給ガスに含まれる微量のCO
(一酸化炭素)ガスによる触媒被毒が生じないように、
アノード極側にはPt−Ru合金を用いている。
【0020】したがって、本発明においては、水素イオ
ン伝導性高分子膜の一方の面にはアノード極用の触媒層
を、残る他方の面にはカソード極用の触媒層をそれぞれ
形成する。すなわち、工程(b)でアノード極用の触媒
層を形成した場合は、工程(e)においてカソード極用
の触媒層を形成する。逆に、工程(e)でアノード用の
触媒層を形成した場合は、工程(b)においてカソード
用の触媒層を形成すればよい。
【0021】この2つの触媒層はその外観が黒色のため
肉眼での識別はほとんど不可能であるが、本発明の実施
例において後述するように識別を容易にすることも可能
である。前記触媒層は、前記触媒の他に水素イオン伝導
性高分子膜と同じ成分の水素イオン伝導性高分子電解質
と、必要に応じて溶剤および少量の添加剤を混合してイ
ンク用のペーストを調製し、水素イオン伝導性高分子膜
の上に直接印刷または塗布することにより得られる。
【0022】ここで、水素イオン交換高分子電解質は、
これを触媒微粒子間および水素イオン伝導性高分子膜と
触媒微粒子との間に介在させて、電極反応をより効果的
に行うために添加する。上述のように、所定の溶剤に予
め分散した分散液がすでに市販されている。ここで、前
記溶剤は、通常の塗布あるいは印刷で使用される溶剤で
あればよく、望ましくは比較的低沸点または低分子量を
有する溶剤である。具体的には、水(望ましくはイオン
交換水または純水)、エタノール、n−プロパノール、
イソプロピルアルコール(IPA)、n−ブタノール、
2−ブタノール、tert−ブタノールなどの第一級〜
第三級アルコール、これらのアルコール誘導体、エーテ
ル系、エステル系およびフッ素系有機溶剤などを、それ
ぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることがで
きる。すなわち、混合溶剤を用いてもよい。
【0023】このとき、前記水素イオン伝導性高分子電
解質の分散性の低下による凝集などがないように、溶剤
を選定する必要がある。また、前記溶剤の沸点および蒸
気圧は、印刷または塗布作業上重要な項目であり、沸点
が低くかつ蒸気圧が高い場合はこれらの作業中に溶剤が
すぐに蒸発してしまい、印刷または塗布を連続でするこ
とができない。また、沸点が高くかつ蒸気圧が低い場合
は、印刷または塗布後の乾燥工程に必要以上に時間がか
かりすぎ、場合によっては長時間加熱しなければならな
いため、作業環境(温度および湿度など)を考慮しなが
ら溶剤を選定する必要がある。また、必要に応じて分散
性または作業性を良くするために、界面活性剤などの添
加剤を加えることも可能である。
【0024】前記触媒層を水素イオン伝導性高分子膜に
直接形成するためには、例えばスクリーン印刷、グラビ
ア印刷、凸版印刷、平版印刷などの印刷方法、またはド
クターブレード塗工、ロールコーター塗工、キャストコ
ータ、スプレー塗工、カーテンコータ、静電塗工などを
用いればよい。前記触媒層においては、形成後に表面に
付着した貴金属PtおよびPt−Ruの量を管理する必
要があり、通常は0.2〜0.4mg/cm2程度であ
ればよい。上記印刷方法または塗布方法を用いれば、こ
の付着量の制御を容易に行うことができる。
【0025】例えばスクリーン印刷では、印刷版のメッ
シュ、乳剤の厚み、印刷用のスキージおよび印刷時の加
圧力などを選定することにより前記付着量を制御するこ
とができる。さらに、前記触媒層のインクを調製する際
に、触媒粒子径の選定、触媒の添加量の増減、溶剤によ
るインク粘度の調整など適時行うことにより、高精度で
付着量の制御および管理が可能である。また、本発明
は、触媒層の形成時には水素イオン伝導性高分子膜は必
ず平面状態で水平に存在するために、いかなる形成方法
でも極めて容易に水素イオン伝導性高分子膜上に触媒層
を形成できることも大きな特徴である。
【0026】(3)工程(c)について つぎに、工程(b)に続いて前記水素イオン伝導性高分
子膜に第一のガスケットを低温度で仮固定する。上述の
印刷方法および塗布方法は、一枚一枚の単品でも容易に
作製できかつロール方式での供給と巻き取りによる量産
方法にも非常に適している。しかし、上述したように、
水素イオン伝導性高分子膜は、これらの印刷方法および
塗布方法を用いると水または有機溶剤の付着により短時
間で膨潤および収縮し、最終的には中央部分の5〜10
%程度の大きな収縮により外周部分にシワ(たるみ)が
発生する。
【0027】そこで、本発明においては、前記工程
(a)において水素イオン伝導性高分子膜を形状保持フ
ィルム状に形成するとともに、工程(c)において水素
イオン伝導性高分子膜上の第一の触媒層の周囲に第一の
ガスケットを仮固定する。これにより、これらの印刷ま
たは塗布を行っても膨潤と収縮が極端に低減されてシワ
をほとんど有しない燃料電池用電解質膜電極接合体を得
ることができる。
【0028】ここで、本発明において用いる第一のガス
ケットは、燃料電池で使用する供給ガス(水素ガス、都
市ガス、空気、酸素ガスなど)を反応系外へ漏れないよ
うにシールを行うもので、例えば膜厚0.2〜0.4m
m程度の樹脂シートを使用することができる。例えば、
EPDM(エチレンプロピレン共重合体)を主成分とす
る樹脂シート、または表面層がEPDMからなる樹脂シ
ートを用いることができる。このような第一のガスケッ
トを、加熱および加圧により水素イオン伝導性高分子膜
と溶着させる。この溶着により、水素イオン伝導性高分
子膜と第一のガスケットは前記供給ガスの漏れを防止す
ることができる。
【0029】通常の接合体の製造方法においては、水素
イオン伝導性高分子膜の両側に2枚のガスケットを配し
て同時に溶着しているが、本発明においては、まず工程
(c)において第一のガスケットを30〜100℃の低
温度で水素イオン伝導性高分子膜と仮固定する。そし
て、後述する工程(f)において第二のガスケットを1
00〜180℃の高温度で溶着(このとき第一のガスケ
ットも同時に溶着される)する。ここで、本発明におけ
る「仮固定」とは適度の剥離強度を有するラミネートを
作製することを意味し、「溶着」とは少なくとも一方を
溶融して両者を接着して一体化することを意味する。
【0030】工程(c)における30〜100℃の低温
度では、第一のガスケットと水素イオン伝導性高分子膜
はほとんど溶着せず、印刷工程または塗布工程の作業中
に剥離しない程度に仮固定される。すなわち、工程
(c)は、第一のガスケットをまず30〜100℃の低
温度で処理することにより、仮固定された水素イオン伝
導性高分子膜と第一のガスケットをソリまたは変形がほ
とんどない状態に維持して、つづく工程(d)および
(e)を行うためである。
【0031】なお、上記形状保持フィルムおよび第一の
ガスケットの少なくとも一方に、予め印刷もしくは塗布
工程のために必要な位置決め用の穴またはロール送りの
スプロケット穴を設けてもよい。本発明で使用する形状
保持フィルムおよびガスケットの厚みおよび構成材料な
どは、これらの加工を容易に行うことのできるように適
宜選択すればよい。
【0032】(4)工程(d)について ついで、工程(d)において、前記形状保持フィルムを
剥離する。ここで、形状保持フィルムは、機械的作用を
加えるだけで容易に剥離することができる。
【0033】(5)工程(e)について そして、上述の工程(b)について説明したように、剥
離により出現した前記水素イオン伝導性高分子膜の他方
の面の中央部分に第二の触媒層を形成する。
【0034】(6)工程(f)について さらに、工程(f)において、前記水素イオン伝導性高
分子膜上の第2の触媒層の周囲に第2のガスケットを高
温度で溶着させる。第一のガスケットの場合よりも高い
100〜180℃では、第二のガスケットと同時に仮固
定されている第一のガスケットも溶着し、第一の触媒
層、第一のガスケット、水素イオン伝導性高分子膜、第
2の触媒層および第二のガスケットからなる本発明の接
合体が得られる。
【0035】ここで注目すべき点は、第一のガスケット
をまず30〜100℃の低温度で処理することにより、
仮固定された水素イオン伝導性高分子膜と第一のガスケ
ットを、ソリまたは変形がほとんどない状態で維持する
ことができ、さらに、仮固定後に水素イオン伝導性高分
子膜の両側に第一のガスケットと第二のガスケットが配
置されてから100〜180℃の高温度で同時に溶着さ
せることにより、ソリまたは変形がほとんどない接合体
を得ることができる点にある。
【0036】なお、ここで熱処理の時間および圧力など
を変えることにより、工程(c)および(f)における
仮固定温度および溶着温度をそれぞれ適宜変更すること
もできるが、上記温度範囲を用いるのが好ましい。ま
た、上述のようにして得られる本発明の接合体は、形成
した触媒層の周辺に必ず形状保持フィルムまたはガスケ
ットが存在するため、巻き取り工程または保管工程にお
いて、触媒層のマイクロクラック、剥離、磨耗などに非
常に効果的に防止することができる。したがって、本発
明の製造方法は、得られる製品の長期保存の面からも優
れている。
【0037】さらに、前記形状保持フィルムは、ラミネ
ートまたはキャスト工法の使用前後において熱的および
化学的に全く変化および劣化することがないため、本発
明の製造方法において再利用することができる。したが
って、本発明に係る製造方法は、生産コストおよび環境
問題の面からも効果的である。以下に、図面を参照しな
がら、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する
が、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0038】
【実施例】《実施例1》工程(a) まず、上記式(1)で示した化学式で表される膜厚30
μmの水素イオン伝導性高分子膜1の一方の面1bに、
形状保持フィルム(膜厚190μmのPETフィルム)
2を積層し、加熱された2本のローラー(表面をシリコ
ーンゴムでコートしたもの。)の間に挿入することする
ことにより、図1に示す中間体3を得た。このとき、ロ
ーラーは、表面温度110℃、送り速度約10mm/
s、および加圧力約1MPaの条件で用いた。前記中間
体3は、ソリおよび変形をほとんど有さず、また、水素
イオン伝導性高分子膜1自体にもマイクロクラックおよ
びピンホールなどの欠損もなく良好な状態であった。ま
た、水素イオン伝導性高分子膜1と形状保持フィルム2
は、適度に密着しておりR50mm程度の折り曲げに対
しても互いに剥がれることはなかった。
【0039】工程(b) つぎに、前記中間体3の水素イオン伝導性高分子膜1の
他方の面1aに、アノード極のインク用ペーストをステ
ンレスメッシュ200の版とウレタンスキージを使用し
てスクリーン印刷することにより、図2に示すような触
媒層4aが表面に形成された中間体5を得た。印刷後に
は室温下で放置および乾燥し、Pt−Ru(重量比1:
1)付着量が0.3mg/cm2(膜厚約10μm)の
触媒層4aを形成した。ここで、便宜上触媒層を区別す
るために、アノード極の触媒および触媒層をそれぞれ
「触媒a」および「触媒層4a」とし、カソード極の触
媒および触媒層をそれぞれ「触媒b」および「触媒層4
b」とした。
【0040】このアノード極のインク用ペーストは、と
して平均粒径2〜3nmのPt−Ruを50重量%担持
した平均粒径50〜60nmの導電性炭素粒子(触媒
a)5gに予めイオン交換水15gを添加および混合
し、ここに水素イオン伝導性高分子電解質を9重量%含
むエタノール分散液30gおよび有機溶剤であるIPA
10gを添加し、超音波振動下で混合および分散させる
ことにより得た。
【0041】工程(c) しかる後に、前記水素イオン伝導性高分子膜1の触媒層
4aが形成されていない周辺部分に第一のガスケット6
を配置し、これらを加熱された2本のローラー(表面に
シリコーンゴムでコートしたもの。)の間に挿入するこ
とにより仮固定して、図3に示す中間体7を得た。この
第一のガスケット6は、EPDMの樹脂シートを予め第
一の触媒層4aの形状部分をトムソン型で打ち抜いて作
成し、また、ローラーは、表面温度90℃、送り速度約
10mm/sおよび加圧力約1MPaの条件で用いた。
【0042】この中間体7は、ソリおよび変形をほとん
ど有さず、また、水素イオン伝導性高分子膜1および触
媒層4a自体にもマイクロクラックおよびピンホールな
どの欠損がなく良好であった。また、水素イオン伝導性
高分子膜1、形状保持フィルム2および第一のガスケッ
ト6はそれぞれ適度に密着しており、R50mm程度の
折り曲げに対しても剥がれることはなかった。
【0043】工程(d)および(e) 前記中間体7から最初に積層した形状保持フィルム2を
手作業で剥離した後、剥離により出現した前記水素イオ
ン伝導性高分子膜1の一方の面1bに、ステンレスメッ
シュ200の版とウレタンスキージを使用してカソード
極のインク用ペーストをスクリーン印刷することにより
第二の触媒層4bを形成し、図4に示す中間体8を得
た。印刷後に室温下で放置および乾燥させ、Pt付着量
が0.3mg/cm2(膜厚約10μm)の触媒層4b
を形成した。このとき水素イオン伝導性高分子膜1の第
一の触媒層4aが形成された部分の厚みと第一のガスケ
ット6が形成された部分の厚みが異なるため、図4の下
部に破線で示した受け治具9を用いて印刷また塗布を行
った。この受け治具9は同時に位置決め用として利用で
きた。
【0044】このカソード極のインク用ペーストは、平
均粒径3nmのPtを50重量%担持した平均粒径50
〜60nmの導電性炭素粒子(触媒b)5gを、予めイ
オン交換水15gを添加および混合し、ここに水素イオ
ン伝導性高分子電解質を9重量%含むエタノール分散液
30gおよび有機溶剤であるIPA10gを添加し、超
音波振動下で混合および分散させることにより得た。こ
こで図2および4において、第一の触媒層4aおよび第
二の触媒層4bは水平状態の水素イオン伝導性高分子膜
に印刷できるため、特別な装置および技術を要すること
はなく、品質面でも安定した触媒層を形成することがで
きた。
【0045】工程(f) ついで、前記中間体8の第二の触媒層4bが形成された
周辺部分に第二のガスケット10を配置し、加熱された
2本のローラー(表面をシリコーンゴムでコートしたも
の。)の間に挿入して溶着させることにより、図5に示
す燃料電池用電解質膜電極接合体11を得た。この第二
のガスケット10としては、EPDMの樹脂シートを予
め第二の触媒層4bの形状部分をトムソン型で打ち抜い
たものを用いた。また、ローラーは、表面温度150
℃、送り速度は約5mm/sおよび加圧力約1MPaの
条件で用いた。
【0046】この接合体11は、ソリおよび変形をほと
んど有さず、また、水素イオン伝導性高分子膜1および
触媒層自体にもマイクロクラックおよびピンホールなど
の欠損もなく良好であった。また、水素イオン伝導性高
分子膜1と第一のガスケット6および第二のガスケット
10は、それぞれ完全に溶着しており、R50mm程度
の折り曲げに対しても剥がれることはなく、かつ供給ガ
スのリークもなく充分なシールを有していた。
【0047】この接合体11を使用した電池特性は、ア
ノード加湿75℃、カソード加湿65℃、セル温度75
℃、水素ガスUf=70%、空気Uo=40%におい
て、電流密度0.7A/cm2負荷時に、出力電圧0.
68Vが得られ良好なものであった。ここで、形状保持
フィルム2、ガスケット6およびガスケット10の触媒
層が配置されていない外周部分に、塗布および印刷のた
めの位置決め用の穴またはロール送り用スプロケット穴
を予め設けておくことにより、触媒層4aと触媒層4b
を相対する位置に容易に形成することができた。
【0048】さらに、第一のガスケットおよび第二のガ
スケットに含まれる着色剤の種類、および水素イオン伝
導性高分子膜と溶着されない反対側の面の表面状態を変
えることにより、2種類の触媒層の識別を容易にするこ
とができた。例えば、第一の触媒層4aが存在する側の
第一のガスケット6を黒色に、第二の触媒層4bが存在
する側の第二のガスケット10を茶色にすることによ
り、または第一の触媒層4aが存在する側の第一のガス
ケット6の表面を光沢(テカ)面仕上げにし、第二の触
媒層4bが存在する側の第二のガスケット10の表面を
ツヤ消し(マット処理)面仕上げにすることにより、第
一の触媒層と第二の触媒層の識別が可能であった。な
お、本実施例では、先にアノード極の触媒層を形成した
が、逆にカソード極の触媒層を先に形成してもよい。
【0049】《実施例2》工程(a) まず、式(1)で示される水素イオン交換高分子を9重
量%含むエタノール分散液を形状保持フィルム2の上に
キャスト工法で塗布および乾燥することにより、図1に
示すような形状保持フィルム2の上に膜厚30μmの水
素イオン伝導性高分子膜1が形成された中間体3を得
た。この形状保持フィルム2としては、膜厚50μmの
PPフィルムを使用し、キャスト工法は、フィルム送り
速度0.7m/minおよび刃高さ0.16mmでの3
回塗布(重ね塗り)を行い、室温下で放置および乾燥さ
せることにより膜厚30μmの水素イオン伝導性高分子
膜1を得た。
【0050】前記中間体3はソリおよび変形をほとんど
有さず、また水素イオン伝導性高分子膜1自体にもマイ
クロクラックおよびピンホールなどの欠損もなく良好で
あった。また水素イオン伝導性高分子膜1と形状保持フ
ィルム2は適度に密着しており、R50mm程度の折り
曲げに対しても剥がれることはなかった。
【0051】工程(b) 工程(b)においては、有機溶剤としてn−プロパノー
ルを用いた他は実施例1と同様にして、図2に示すよう
なPt−Ru付着量0.3mg/cm2(膜厚約10μ
m)の触媒層4aを形成した。
【0052】工程(c) 工程(c)においては、ローラーの代わりに2枚の熱板
(表面をシリコーンゴムをコートしたもの。)を用いた
他は、実施例1と同様にして、図3に示す中間体7を得
た。なお、熱板の表面温度は80℃で、加圧力約1MP
aとした。この中間体7は、ソリおよび変形をほとんど
有さず、また、水素イオン伝導性高分子膜1および触媒
層自体にもマイクロクラックおよびピンホールなどの欠
損もなく良好であった。また、水素イオン伝導性高分子
膜1、形状保持フィルム2および第一のガスケット6は
適度に密着しており、R50mm程度の折り曲げに対し
ても剥がれることはなかった。
【0053】工程(d) 工程(d)においては、有機溶剤としてn−プロパノー
ルを用いた他は実施例1と同様にして、第二の触媒層4
bを形成し、図4に示す中間体8を得た。
【0054】工程(e) 工程(e)においては、ローラーの代わりに2枚の熱板
(表面にシリコーンゴムでコートしたもの。)を用いた
他は、実施例1と同様にして、図5に示す接合体11を
得た。なお、熱板の表面温度を135℃とし、加圧力を
約1MPaとした。この接合体11は、ソリおよび変形
がほとんどなく、また水素イオン伝導性高分子膜および
触媒層自体にもマイクロクラックおよびピンホールなど
の欠損もなく良好であった。また、水素イオン伝導性高
分子膜1と第一のガスケット6および第二のガスケット
10はそれぞれ完全に溶着しており、R50mm程度の
折り曲げに対しても剥がれることはなく、かつ供給ガス
のリークもなく充分なシールを有していた。
【0055】この接合体11を使用した電池特性は、ア
ノード加湿75℃、カソード加湿65℃、セル温度75
℃、水素ガスUf=70%、空気Uo=40%におい
て、電流密度0.7A/cm2負荷時に、出力電圧0.
68Vが得られ良好なものであった。また、実施例2に
おいても前記実施例1と同様に、形状保持フィルム2、
ガスケット6およびガスケット10の触媒層が配置され
ていない外周部分に、塗布および印刷のための位置決め
用の穴またはロール送り用スプロケット穴を予め設けて
おくことにより、触媒層4aと触媒層4bを相対する位
置に容易に形成することができた。
【0056】さらに、第一のガスケットおよび第二のガ
スケットに含まれる着色剤または水素イオン伝導性高分
子膜と溶着されない反対側の面の表面状態を変えること
により、2種類の触媒層の識別を容易にすることができ
た。また、実施例2では、まず先にアノード極の触媒層
を形成したが、逆にカソード極の触媒層を先に形成して
も全く問題はない。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、予め形
状保持フィルム上に水素イオン伝導性高分子膜をラミネ
ート工法により形成し、または形状保持フィルムの一方
の面に水素イオン伝導性高分子膜をキャスト工法により
形成した後に、第一の触媒層を形成し、ついで第一のガ
スケットを低温度で仮固定してから前記形状保持フィル
ムを剥離し、出現した水素イオン伝導性高分子膜の残る
面に第二の触媒層を形成し、第二のガスケットを高温度
で溶着することにより、水素イオン伝導性高分子膜が薄
膜にも拘わらずシワおよびマイクロクラックなどの損傷
がなく、かつ取扱い作業時のハンドリング性が格段に向
上した燃料電池用電解質膜電極接合体を製造することが
できる。
【0058】さらに、触媒層形成時にインク用ペースト
に含まれる溶剤が水素イオン伝導性高分子膜に付着して
も、どの工程においても必ず形状保持フィルムまたはガ
スケットで仮固定されているため、膨潤および収縮がほ
とんど発生しない。さらには水素イオン伝導性高分子膜
を形状保持フィルムと一体化させるときも比較的低温度
でラミネートあるいはキャストし、かつ水素イオン伝導
性高分子膜と第一のガスケットも30〜100℃と低温
度で仮固定するため、熱変形がほとんどない中間体が得
られる。
【0059】さらに、第二のガスケットを高温度で溶着
するときには、水素イオン伝導性高分子膜の両側に第一
のガスケットおよび第二のガスケットを配置した状態
で、先に仮固定している第一のガスケットも同時に溶着
するため、ソリおよび変形のほとんどない燃料電池用電
解質膜電極接合体を得ることができる。さらに、色調ま
たは表面状態の異なる2種類のガスケットを用いること
により、アノード極とカソード極の異なる触媒層を容易
に識別することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の工程(a)後に得られる中
間体の概略縦断面図である。
【図2】本発明の製造方法の工程(b)後に得られる中
間体の概略縦断面図である。
【図3】本発明の製造方法の工程(c)後に得られる中
間体の概略縦断面図である。
【図4】本発明の製造方法の工程(e)後に得られる中
間体の概略縦断面図である。
【図5】本発明の製造方法の工程(f)の後に得られる
燃料電池用電解質膜電極接合体の概略縦断面図である。
【符号の説明】
1 水素イオン伝導性高分子膜 2 形状保持フィルム 3 中間体 4a 第一の触媒層 4b 第二の触媒層 5 中間体 6 第一のガスケット 7 中間体 8 中間体 9 受け治具 10 第二のガスケット 11 接合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 喜博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 羽藤 一仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 保坂 正人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 BB01 BB02 BB03 BB04 CX05 EE18 HH03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)形状保持フィルムの一方の面に水
    素イオン伝導性高分子膜を形成する工程、(b)前記水
    素イオン伝導性高分子膜上に第一の触媒層を形成する工
    程、(c)前記水素イオン伝導性高分子膜上において第
    一の触媒層の周囲に第一のガスケットを低温度で仮固定
    する工程、(d)前記形状保持フィルムを剥離する工
    程、(e)剥離により出現した前記水素イオン伝導性高
    分子膜の他方の面に第二の触媒層を形成する工程、
    (f)前記水素イオン伝導性高分子膜上において第二の
    触媒層の周囲に第二のガスケットを高温度で溶着する工
    程を、工程(a)〜(f)の順に含むことを特徴とする
    燃料電池用電解質膜電極接合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記形状保持フィルムが、膜厚50〜5
    00μmの熱可塑性樹脂からなるフィルムであることを
    特徴とする請求項1記載の燃料電池用電解質膜電極接合
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記工程(a)において、水素イオン伝
    導性高分子膜を加熱および加圧により積層するラミネー
    ト工法、または水素イオン伝導性高分子を分散した分散
    液を塗布および乾燥させるキャスト工法により、前記形
    状保持フィルム上に前記水素イオン伝導性高分子膜を形
    成することを特徴とする請求項1または2記載の燃料電
    池用電解質膜電極接合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記工程(b)および(e)において、
    水素イオン伝導性高分子膜への第一および第二の触媒層
    の形成を、印刷または塗布によって行うことを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用電解質膜
    電極接合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(c)において、30〜100
    ℃での加熱および加圧により第一のガスケットを仮固定
    し、前記工程(e)において、100〜180℃での加
    熱および加圧により第二のガスケットを溶着させること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池
    用電解質膜電極接合体の製造方法。
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