JP2000285932A - 固体高分子型燃料電池用電極・膜接合体の製造方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用電極・膜接合体の製造方法

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JP2000285932A
JP2000285932A JP11093529A JP9352999A JP2000285932A JP 2000285932 A JP2000285932 A JP 2000285932A JP 11093529 A JP11093529 A JP 11093529A JP 9352999 A JP9352999 A JP 9352999A JP 2000285932 A JP2000285932 A JP 2000285932A
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electrode
electrode layer
exchange resin
films
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Satoru Motomura
了 本村
Yoshiaki Higuchi
義明 樋口
Ichiro Terada
一郎 寺田
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Asahi Glass Co Ltd
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    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】固体高分子型燃料電池において接合強度の高い
電極・膜接合体を生産効率よく製造する方法の提供。 【解決手段】支持体上に形成された電極層上にイオン交
換樹脂を含む塗工液を塗工することによりイオン交換膜
を形成したフィルムを2枚作製し、それぞれのイオン交
換膜を内側に向けて接合した後、支持体を電極層から剥
離することにより電極・膜接合体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子型燃料
電池用電極・膜接合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素・酸素燃料電池は、その反応生成物
が原理的に水のみであり、地球環境への悪影響がほとん
どない発電システムとして注目されている。なかでも、
特に固体高分子型燃料電池は近年の研究の急速な進展に
より出力密度が高められ、実用化が大いに期待されてい
る。
【0003】従来、固体高分子型燃料電池の電極・膜接
合体の製造方法には、大別して次の2つの方法が知られ
ている。 (1)イオン交換膜に直接電極触媒を析出させる方法
(特公昭58−47471参照)。 (2)触媒能を有するガス拡散電極シートを作製し、該
電極シートをイオン交換膜と接合する方法(米国特許3
134697、米国特許3297484、特公平2−7
398参照)。
【0004】最近は、少量の触媒を有効に利用できる点
で(2)の方法が主に採用されている。(2)の具体的
な方法としては、例えば電気化学的析出法(米国特許5
084144参照)、触媒ペーストの塗布(特開平4−
162365参照)等、種々の方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】固体高分子型燃料電池
では、電気化学反応が固体高分子電解質、触媒及び燃料
ガス(水素又は酸素)の三者が共存する三相界面で起こ
ると考えられている。したがって、触媒を含む電極とイ
オン交換膜とは高い強度で接合され、優れた電気的接合
状態を得る必要がある。このため、ガス拡散電極シート
をイオン交換膜に接合するには、イオン交換膜のガラス
転移点以上の温度でプレスする方法が採用されている。
しかし、温度が高すぎると、膜の変質が起こることがあ
り、また、温度が低すぎると、イオン交換膜とガス拡散
電極シートとの接着強度が不充分となる。
【0006】そこで、本発明は上記問題を解決し、高性
能な固体高分子型燃料電池用の電極・膜接合体を簡便に
製造する新規な製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に形
成された電極層上にイオン交換樹脂を含む塗工液を塗工
することによりイオン交換膜を形成したフィルムを2枚
作製し、それぞれの前記イオン交換膜を内側に向けて接
合した後、2枚の前記支持体を前記電極層から剥離する
ことを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極・膜接合
体の製造方法を提供する。
【0008】本発明は固体高分子電解質膜を形成するた
めの、イオン交換樹脂を含む溶液を電極層上に塗工し、
乾燥して溶媒を蒸発させることにより、電極と固体高分
子電解質膜となるイオン交換膜を接合している。この方
法では、電極の細孔にイオン交換樹脂が含浸して固化す
るので、電極とイオン交換膜を強固に接合できる。この
方法で厚さの厚いイオン交換膜を得る場合は、所定の膜
厚になるまでイオン交換樹脂を含む塗工液の塗工、乾燥
を繰り返してもよい。
【0009】また、本発明における電極層は触媒とイオ
ン交換樹脂を含むものであり、上記イオン交換膜と同様
に、支持体上に触媒とイオン交換樹脂を含む塗工液を塗
工し、乾燥して得ることが好ましい。塗工液には触媒と
イオン交換樹脂が分散又は溶解している。電極層に含ま
れるイオン交換樹脂はイオン交換膜を構成するイオン交
換樹脂と同じでも異なっていてもよく、触媒は白金又は
白金を含む合金がカーボンに担持されたものが好まし
い。そして、電極層の厚さを厚くする場合は、所定の膜
厚になるまで塗工液の塗工、乾燥を繰り返してもよい。
【0010】イオン交換膜及び電極層を形成するための
塗工方法は特に限定されないが、具体例を示すと、バッ
チ式の方法としてはバーコータ法、スピンコート法、ス
クリーン印刷法等があり、連続式の方法としては後計量
法と前計量法がある。後計量法は、過剰の塗工液を塗工
し、後から所定の膜圧となるように塗工液を除去する方
法である。前計量法は、所定の膜厚を得るのに必要な量
の塗工液を塗工する方法である。
【0011】後計量法としては、エアドクタコータ法、
ブレードコータ法、ロッドコータ法、ナイフコータ法、
スクイズコータ法、含浸コータ法、コンマコータ法等が
あり、前計量法としては、ダイコータ法、リバースロー
ルコータ法、トランスファロールコータ法、グラビアコ
ータ法、キスロールコータ法、キャストコータ法、スプ
レイコータ法、カーテンコータ法、カレンダコータ法、
押出コータ法等がある。電極層上に均一なイオン交換膜
を形成するためには、スクリーン印刷法及びダイコート
法が好ましく、経済性を考慮すると連続式のダイコート
法が好ましい。
【0012】本発明において、イオン交換膜を構成する
イオン交換樹脂及び電極層に含まれるイオン交換樹脂と
しては、フッ素系イオン交換樹脂、非フッ素系イオン交
換樹脂等があり、単一のイオン交換樹脂からなってもよ
いし、2種以上のイオン交換樹脂を混合したものであっ
てもよい。また、電極層に含まれるイオン交換樹脂はア
ノード側とカソード側で同じであっても異なっていても
よい。
【0013】フッ素系イオン交換樹脂としてはパーフル
オロカーボン重合体が好ましく、特に式1で表される重
合単位と式2で表される重合単位とを含む重合体が好ま
しい。なお、本明細書においてパーフルオロカーボン重
合体とは炭化水素からなる重合体の水素原子をすべてフ
ッ素原子に置換した重合体だけではなく、エーテル結合
性の酸素原子等を含有する重合体も含むものとする。
【0014】式1において、X1はフッ素原子又はトリ
フルオロメチル基であり、X2はフッ素原子又は炭素数
1〜6のパーフルオロアルキル基である。式2におい
て、A1は−SO3H、−COOH又は加水分解によりこ
れらの基に変換される基であり、X3はフッ素原子又は
炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、Yは式
3で表される基、式4で表される基、式5で表される基
及び式6で表される基からなる群から選ばれる1種以上
の基を1個以上任意の順序で配列してなる基からなり、
p、qはそれぞれ独立に0又は1である。
【0015】式3〜6において、X4、X6、X8及びX
10はフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、
5、X7、X9及びX11はフッ素原子又は炭素数1〜6
のパーフルオロアルキル基であり、a、b及びcはそれ
ぞれ独立に0〜6の整数であり、a=b=c=0ではな
く、d、e及びfは1〜6の整数である。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】また、−Op−Yq−の好ましい具体例とし
ては式7〜11が挙げられる。g、h、i、j、k、
r、s、tはそれぞれ独立に1〜6の整数であり、
1、Z2、Z3、Z4及びZ5はそれぞれ独立にフッ素原
子又は炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。
【0019】
【化3】
【0020】また、非フッ素系イオン交換樹脂の好まし
い例としては、式12で表される重合単位と式13で表
される重合単位とを含む重合体が挙げられる。ここで、
1はベンゼントリイル基、ビフェニルトリイル基、ナ
フタレントリイル基、フェナントレントリイル基又はア
ントラセントリイル基であり、P2はフェニレン基、ビ
フェニルジイル基、ナフタレンジイル基、フェナントレ
ンジイル基又はアントラセンジイル基であり、A2は、
−SO3H、−COOH、又は加水分解によりこれらの
基に変換される基であり、B1、B2はそれぞれ独立に酸
素原子、イオウ原子、スルホニル基又はイソプロピリデ
ン基である。P1及びP2の構造異性は特に限定されな
い。また、P1及びP2の水素原子の1個以上がフッ素原
子、塩素原子、臭素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
に置換されているものも好ましく使用できる。
【0021】
【化4】
【0022】イオン交換膜を構成するイオン交換樹脂及
び電極層に含まれるイオン交換樹脂のイオン交換容量
は、酸型にしたときに0.5〜4.0ミリ当量/g乾燥
樹脂、特に1.0〜3.0ミリ当量/g乾燥樹脂である
ことが好ましい。イオン交換容量が低すぎるとイオン交
換膜及び電極層のイオン導電性が低下する。
【0023】イオン交換容量が高すぎるとイオン交換膜
は強度が弱くなり、電極層は含水率が高くなる。電極層
の含水率が高くなると、電池の反応により生じる水や燃
料ガスとともに送られる水が電極層の外部に排出されに
くくなって電極層内部に留まり、電極層の細孔が水で閉
塞される。そのため、燃料ガスが電極層に供給されにく
くなり発電電圧が低下するというフラッディング現象が
起こる。
【0024】塗工液に含まれる溶媒はイオン交換樹脂を
分散又は溶解させる機能を有し、イオン交換樹脂により
好ましいものは異なる。溶媒は単独溶媒であっても2種
以上の混合溶媒であってもよい。例えばフッ素系イオン
交換樹脂を使用する場合、アルコール類や含フッ素溶媒
が使用される。
【0025】アルコール類としては、主鎖の炭素数が1
〜4のものが好ましく、例えばメチルアルコール、エチ
ルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピル
アルコール、tert−ブチルアルコール等が使用でき
る。また、アルコールに水を混合するとイオン交換樹脂
の溶解性を上げることもできる。
【0026】含フッ素溶媒としては例えば下記のものが
挙げられる。1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ
プロパン、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフ
ルオロブタン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,
5−デカフルオロペンタン、1,1,1,2,3,4,
5,5,5−ノナフルオロ−2−トリフルオロメチルペ
ンタン、1,1,1,2,3,3,4,4,5,6,
6,6−ドデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,
3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−2−トリフル
オロメチルペンタン等のハイドロフルオロカーボン。パ
ーフルオロ(1,2−ジメチルシクロブタン)、パーフ
ルオロオクタン、パーフルオロヘプタン、パーフルオロ
ヘキサン等のフルオロカーボン。
【0027】1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、
1,1,1−トリフルオロ−2、2−ジクロロエタン、
3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオ
ロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−
ペンタフルオロプロパン等のハイドロクロロフルオロカ
ーボン。1,1,2,2−テトラフルオロエチル−1,
1,1−トリフルオロエチルエーテル、メチル−1,
1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル
等のフルオロエーテル。2,2,2−トリフルオロエタ
ノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノ
ール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−
プロパノール等の含フッ素アルコール。
【0028】非フッ素系イオン交換樹脂を使用する場合
は、N、N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)、塩化メチレン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、1,1,1−トリクロロエタン、
1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、
パークロロエチレン等の溶媒が使用できる。
【0029】本発明では、電極層とイオン交換膜との密
着性を確保するため、イオン交換膜を形成するときに電
極層内部へ浸入するイオン交換樹脂の量を制御すること
が必要である。例えばイオン交換膜を形成する塗工液の
濃度が低く粘度が数百cP以下であると塗工液は電極層
に容易に含浸されるが、濃度が高くて粘度が数千cPを
超えると流動性が悪くなって電極層に含浸される量が少
なくなる。
【0030】電極層内部に浸入するイオン交換樹脂の量
が少なすぎると電極層とイオン交換膜との接着強度は低
くなり、多すぎると電極層中の気孔が樹脂により塞がれ
る。したがって、イオン交換樹脂を形成する塗工液中の
イオン交換樹脂の量は0.1〜50重量%、特に0.1
〜30重量%であることが好ましい。
【0031】本発明において、支持体は電極層の形状を
保持する役割を有するものであり、電極層を形成する塗
工液に溶解せず、かつ該塗工液の乾燥の際に溶融しない
必要がある。支持体はフィルム状であることが好まし
く、具体的には以下のものが挙げられる。ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
イミド等の非フッ素系フィルム。ポリテトラフルオロエ
チレン、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、
エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラ
フルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエー
テル)共重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系フ
ィルム。
【0032】支持体は、電極層を形成しさらにその上に
イオン交換膜を形成してから、同様に電極層、イオン交
換膜が形成された別の支持体と膜面を合わせて接合した
後、電極層から剥離する。したがって、適度に電極層か
ら剥離しやすい必要がある。その点では、支持体はフッ
素系フィルムからなることが好ましい。また、非フッ素
系フィルムをシリコーン系離型剤やフッ素系離型剤等で
処理して用いてもよく、例えば離型剤で表面処理したポ
リエチレンテレフタレートは好ましく使用できる。
【0033】本発明では、支持体上に電極層、さらにイ
オン交換膜を形成したフィルム2枚を、それぞれのイオ
ン交換膜を内側に向けて接合し、接合されたイオン交換
膜が固体高分子電解質膜となる。2つのイオン交換膜を
接合する方法としては、例えば以下の3つの方法が挙げ
られる。
【0034】1)イオン交換膜の軟化温度以上に加熱
し、熱プレスにより接合する熱プレス法、 2)イオン交換膜の軟化温度以上に加熱し、熱間ロール
により接合する熱間ロール法、 3)前記フィルムの少なくとも一方のイオン交換膜に、
該イオン交換膜を構成する樹脂を含む塗工液を接着剤と
して塗工した後に接合する溶液接着法(特開平6−26
329参照)。
【0035】生産効率よく電極・膜接合体を製造するた
めには、支持体上への電極層の形成、電極層上へのイオ
ン交換膜の形成、支持体に電極層及びイオン交換膜が形
成された2枚のフィルムのイオン交換膜どうしの接合の
行程は連続で行うことが好ましく、その点で熱間ロール
法又は溶液接着法が好ましい。
【0036】熱間ロール法の場合、例えば加熱されたロ
ール間を通す方法がある。このときロール温度は50〜
200℃が好ましく、特に100〜180℃が好まし
い。また、ロール間線圧は5〜100kg/cm2が好
ましい。
【0037】溶液接着法では、支持体上に電極層及びイ
オン交換膜が形成されたフィルム2枚の少なくとも一方
のイオン交換膜の上に、イオン交換樹脂を含む塗工液を
接着剤として塗工し、該塗工液が乾燥する前にもう一方
のフィルムのイオン交換膜の形成されている面と合わせ
られ、接合される。
【0038】溶液接着法の場合、例えば、室温で線圧1
kg/cm2以下の圧力を加えるだけで充分に接合でき
るが、良好な密着性を得るには電極・膜間に気泡等が生
じないように留意する必要がある。そのため、例えば過
大な圧力が加わらない程度に接近させたロール間を通す
等の方法が有効である。溶液接着法において軽く加圧す
る場合、接合時の加圧状態を保つ時間は接着剤により異
なるが、通常、数秒間で充分に接合され、その後接着剤
の溶媒を蒸発させればよい。
【0039】また、上記の溶液接着法は0〜70℃で行
うことができ、常温でも行うことができる。この方法で
は接着剤をイオン交換膜に塗布してから2枚のフィルム
を接合させるまでの間に接着剤が完全に乾燥しなけれ
ば、ヒーターや冷却器による温度制御は特に必要ない。
また、乾燥温度は、接着剤の乾燥時に副次的に起こるイ
オン交換膜の乾燥を防ぐには130℃以下、特に100
℃以下が好ましい。
【0040】また、本発明において、電極・膜接合体を
生産効率よく製造するには、支持体上への電極層の形
成、電極層上へのイオン交換膜の形成、2枚のイオン交
換膜の接合の3工程に続き、支持体の電極層からの剥離
の工程まで連続して行うことが好ましい。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例(例1〜3)及び比較
例(例4)により説明するが、本発明はこれらに限定さ
れない。
【0042】[例1]CF2=CF2に基づく重合単位と
CF2=CF−OCF2CF(CF3)−OCF2CF2
3Hに基づく重合単位とからなる共重合体(イオン交
換容量1.1ミリ当量/グラム乾燥樹脂)と白金担持カ
ーボンとを1:3の重量比で含みエタノールを溶媒とす
る塗工液を、シリコーン系離型剤で表面を処理したポリ
エチレンテレフタレートフィルム上にダイコート法で塗
工し、乾燥して厚さ10μm、白金担持量0.5mg/
cm2の電極層を形成した。上記電極層の上に、上記と
同じ共重合体5重量%を含みエタノールを溶媒とする塗
工液をダイコート法で塗工し、乾燥して厚さ50μmの
イオン交換膜を形成した。
【0043】次に、このようにして電極層及びイオン交
換膜を形成したフィルム2枚を、イオン交換膜どうしを
合わせて重ね、熱間ロールを通して接合した。このと
き、加圧ロールの一方は金属からなり表面温度が150
℃であり、対となるもう一方のロールはゴム硬度80、
ライニングの厚さ5mmのシリコーンゴムで金属表面を
被覆した、表面温度が120℃のロールを用いた。線圧
は20kg/cmとし、速度20cm/分でロールを通
過させた。次いで、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムを電極層から剥離し、電極・膜接合体を得た。この電
極・膜接合体を水中で30分間煮沸したが、電極層とイ
オン交換膜との剥離は見られなかった。
【0044】[例2]例1と同様に電極層及びイオン交
換膜を形成した2枚のフィルムを作製した。この2枚の
フィルムの一方のイオン交換膜の上に、イオン交換膜を
形成するための塗工液と同じ塗工液を接着剤としてダイ
コート法で塗工した後、乾燥せずに2枚のフィルムのイ
オン交換膜が形成された面を内側に向けて重ね合わせ
た。これをゴム硬度45、ライニングの厚さ10mmの
シリコーンゴムで金属表面を被覆した一対のロールから
なる加圧ロールの間を室温(24℃)、線圧5kg/c
m、速度20cm/分で通した後、室温にて1時間放置
した。
【0045】次いで、一方のポリエチレンテレフタレー
トフィルムを電極層から剥離し、100℃で1時間乾燥
させて膜中に残存するエタノールを除去した後、さらに
もう一方のポリエチレンテレフタレートフィルムを電極
層から剥離して電極・膜接合体を得た。この電極・膜接
合体を水中で30分間煮沸したが、電極層とイオン交換
膜との剥離は見られなかった。
【0046】[例3]電極を形成するための塗工液に含
まれるイオン交換樹脂を、一方の電極は例2と同じと
し、もう一方の電極はイオン交換容量が1.1のものか
ら0.91のものに変更した以外は例2と同様にして電
極・膜接合体を得た。この電極・膜接合体を水中で30
分間煮沸したが、電極層とイオン交換膜との剥離は見ら
れなかった。
【0047】[例4]イオン交換膜として厚さ80μm
のスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体か
らなる膜(商品名:フレミオンS膜、旭硝子社製、イオ
ン交換容量1.1)を用いた。ガス拡散電極としてカー
ボンブラック60重量部とPTFE40重量部とからな
る厚さ約200μmのフィルムに白金が担持された電極
(白金担持量0.5mg/cm2)を用い、上記イオン
交換膜と150℃、圧力10kg/cm2で10秒間ホ
ットプレスして接合し、電極・膜接合体を得た。この電
極・膜接合体を水中で30分間煮沸したが、電極層とイ
オン交換膜との剥離は見られなかった。
【0048】例1〜4で得られた電極・膜接合体を電池
性能測定用セルに組み込み、水素ガス及び空気を燃料ガ
スとして流し、80℃にて発電試験を行った。なお、例
3で得られた電極・膜接合体は、アノード側にイオン交
換樹脂のイオン交換容量が1.1の電極を、そして、カ
ソード側にはイオン交換樹脂のイオン交換容量が0.9
1の電極を用いた。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、電極層と固体高分子電
解質膜が高い接合強度で接合された電極・膜接合体を、
連続した生産効率の高い製造プロセスで作製することが
できる。また、ホットプレス法で電極・膜接合体を作製
する場合に比べ、低温で処理できるため膜の変質を防止
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H018 AA06 AS02 AS03 BB01 BB03 BB06 BB08 EE00 EE17 5H026 AA06 BB00 BB01 BB02 BB03 BB04 CX05 CX07 EE18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に形成された電極層上にイオン交
    換樹脂を含む塗工液を塗工することによりイオン交換膜
    を形成したフィルムを2枚作製し、それぞれの前記イオ
    ン交換膜を内側に向けて接合した後、2枚の前記支持体
    を前記電極層から剥離することを特徴とする固体高分子
    型燃料電池用電極・膜接合体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記電極層は、触媒とイオン交換樹脂を含
    む塗工液を前記支持体上に塗工し、乾燥することにより
    形成される請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用電
    極・膜接合体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記2枚のフィルムは、熱間ロールにより
    接合される請求項1又は2に記載の固体高分子型燃料電
    池用電極・膜接合体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記2枚のフィルムの少なくとも一方は、
    イオン交換膜が形成された後にさらにイオン交換樹脂を
    含む塗工液が接着剤として塗工され、該塗工液が乾燥す
    る前にもう一方のフィルムと合わせられ接合される請求
    項1又は2に記載の固体高分子型燃料電池用電極・膜接
    合体の製造方法。
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