JP2012018871A - 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低加湿条件においても高い発電性能を発現でき、充分な機械的強度および寸法安定性を有し、湿潤と乾燥等を繰り返す環境下においても優れた耐久性を有する固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法を提供する。
【解決手段】触媒層22と、ガス拡散性基材からなるガス拡散層26との間に、ポリマーからなる多孔質のシート状補強材および導電性ファイバーを含む補強層24を有する膜電極接合体10の製造方法であって、補強層24を、導電性ファイバーを含む液をシート状補強材に含浸させてなるウエット層をガス拡散性基材と接した状態で乾燥して形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法に関する。
固体高分子形燃料電池は、通常、触媒層およびガス拡散層を有するカソードと、触媒層およびガス拡散層を有するアノードと、カソードの触媒層とアノードの触媒層との間に配置される固体高分子電解質膜とを備えた膜電極接合体の両側に、ガス流路が形成された導電性のセパレータを配置してなるセルから構成される。
膜電極接合体の寸法安定性および機械的強度が低い場合、セルを組み立てる際の取扱性が悪くなったり、運転中に固体高分子電解質膜が破れたりする場合がある。そのため、膜電極接合体には、充分な機械的強度および寸法安定性を有していることが求められている。
また、固体高分子形燃料電池には、燃料電池システムの簡素化や低コスト化のために、反応ガス(燃料ガスおよび酸化剤ガス)の相対湿度が低い、低加湿条件における運転が求められている。低加湿条件下で安定的に発電が行えると、加湿装置等の周辺装置を設ける必要がなくなることから、燃料電池システムの低価格化および小型化を達成できる。そのため、膜電極接合体の固体高分子電解質膜には、低加湿においてもイオン伝導性を維持するために、イオン交換容量が高いこと(すなわち、当量重量(イオン性基1当量あたりのポリマーのg数。以下、EWと記す。)が小さいこと)および厚さが薄いこと(25μm以下)が求められている。
しかし、固体高分子電解質膜は、EWが小さいほど、湿度環境の変化により大きな膨潤と収縮とを起こす性質がある。該膨潤と収縮は、セル温度、反応ガスの相対湿度、反応ガスの量、出力等の運転条件の変化によって発生するため、実用用途においては、該膨潤と収縮とが繰り返されることにより、固体高分子電解質膜が無秩序に寸法変化を起こし、その結果、固体高分子電解質膜に皺を発生させる。そして、固体高分子電解質膜の厚さが薄い場合、該皺によって固体高分子電解質膜が破れる場合がある。
寸法安定性が高められた固体高分子電解質膜および膜電極接合体としては、たとえば、下記のものが提案されている。
(1)多孔質微細構造を有する延伸膨張テトラフルオロエチレン膜にイオン交換樹脂を含浸させた厚さ約25μm以下の薄い複合膜(固体高分子電解質膜)(特許文献1)。
(2)無作為に配向した個々の繊維の多孔質体内にイオン伝導性ポリマーを含ませた複合膜(固体高分子電解質膜)(特許文献2)。
(3)固体高分子電解質膜の少なくとも片面に、導電性ナノ繊維を含む補強材を配置した膜電極接合体(特許文献3)。
しかし、(1)の複合膜は、補強されていない膜に比べて、イオン伝導性が低下してしまい、特に低加湿条件での発電性能が低くなる問題がある。
(2)の複合膜も、充分な化学安定性および量産性を有する多孔質体を選定した場合、補強されていない膜に比べて、イオン伝導性が低下してしまい、特に低加湿条件での発電性能が低くなる問題がある。
(3)の膜電極接合体においては、寸法安定性および機械的強度はいまだ不充分であり、特に固体高分子電解質膜の厚さが25μm以下の場合には、前記膨潤と収縮との繰り返しに耐え得ることができない。すなわち、(3)の膜電極接合体のように、固体高分子電解質膜の外側に補強材を設ける場合、固体高分子電解質膜の寸法安定性を高めるためには、補強材とこれに隣接する層との界面の接着力を高め、補強材により固体高分子電解質膜が充分に補強されている必要がある。しかし、ガス拡散層を構成するガス拡散性基材(カーボンペーパー等)と補強材を構成する導電性ナノ繊維とは熱融着できないため、補強材とガス拡散層の界面の接着力は低い。
米国特許第5547551号明細書 特開平10−312815号公報 特開2006−252967号公報
本発明は、低加湿条件においても高い発電性能を発現でき、充分な機械的強度および寸法安定性を有し、湿潤と乾燥等を繰り返す環境下においても優れた耐久性を有する固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法を提供する。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法は、触媒層と、ポリマーからなる多孔質のシート状補強材および導電性ファイバーを含む補強層と、ガス拡散性基材からなるガス拡散層とを有する第1の電極と;触媒層と、ポリマーからなる多孔質のシート状補強材および導電性ファイバーを含む補強層と、ガス拡散性基材からなるガス拡散層とを有する第2の電極と;前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置される固体高分子電解質膜とを備えた固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、下記の工程(I)を有することを特徴とする。
(I)導電性ファイバーを含む液をシート状補強材に含浸させてなるウエット層とガス拡散性基材とが接した状態でウエット層を乾燥して補強層を形成し、補強層付きガス拡散性基材(A)を得る工程。
前記工程(I)は、下記の工程(Ia)または下記の工程(Ib)であることが好ましい。
(Ia)基材フィルムの表面に、導電性ファイバーを含む液をシート状補強材に含浸させてなるウエット層を形成し、該ウエット層にガス拡散性基材を重ねた後、ウエット層を乾燥して補強層を形成し、補強層付きガス拡散性基材(A)を得る工程。
(Ib)ガス拡散性基材の表面に、導電性ファイバーを含む液をシート状補強材に含浸させてなるウエット層を形成した後、ウエット層を乾燥して補強層を形成し、補強層付きガス拡散性基材(A)を得る工程。
本発明の製造方法は、前記工程(I)に加えて、下記の工程(II)および工程(III)をさらに有することが好ましい。
(II)固体高分子電解質膜の表面または補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層の表面に触媒層を形成する工程。
(III)前記固体高分子電解質膜と前記補強層付きガス拡散性基材(A)とを、いずれかの表面に形成された触媒層を介して接合する工程。
本発明の製造方法は、前記工程(I)に加えて、下記の工程(IIa)および工程(IIIa)をさらに有することが好ましい。
(IIa)固体高分子電解質膜の両面に触媒層を形成して膜触媒層接合体(B)を得る工程。
(IIIa)前記膜触媒層接合体(B)の両面に、前記補強層付きガス拡散性基材(A)を、前記(B)の触媒層と前記(A)の補強層とが接するように接合して膜電極接合体を得る工程。
本発明の製造方法は、前記工程(I)に加えて、下記の工程(IIb)、工程(IIc)および工程(IIIb)をさらに有することが好ましい。
(IIb)固体高分子電解質膜の片面に触媒層を形成して触媒層付き固体高分子電解質膜(C)を得る工程。
(IIc)前記補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層上に触媒層を形成して電極(D)を得る工程。
(IIIb)前記触媒層付き固体高分子電解質膜(C)に、前記補強層付きガス拡散性基材(A)および前記電極(D)を、前記(C)の触媒層と前記(A)の補強層とが接し、かつ前記(C)の固体高分子電解質膜と前記(D)の触媒層とが接するように接合して膜電極接合体を得る工程。
本発明の製造方法は、前記工程(I)に加えて、下記の工程(IIc)および工程(IIIc)をさらに有することが好ましい。
(IIc)前記補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層上に触媒層を形成して電極(D)を得る工程。
(IIIc)固体高分子電解質膜の両面に、前記電極(D)を、前記固体高分子電解質膜と前記(D)の触媒層とが接するように接合して膜電極接合体を得る工程。
本発明の製造方法は、前記工程(I)に加えて、下記の工程(IIc)、工程(IId)および工程(IIId)をさらに有することが好ましい。
(IIc)前記補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層上に触媒層を形成して電極(D)を得る工程。
(IId)前記補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層と固体高分子電解質膜との間に触媒層を形成して電極付き固体高分子電解質膜(E)を得る工程。
(IIId)前記電極付き固体高分子電解質膜(E)に、前記電極(D)を、前記(E)の固体高分子電解質膜と前記(D)の触媒層とが接するように接合して膜電極接合体を得る工程。
前記工程(IIc)において補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層上に触媒層を形成する方法は、下記の工程(κ1)〜(κ4)を有する方法(κ)であることが好ましい。
(κ1)基材フィルムの表面に触媒塗工液を塗布し、触媒塗工液層を形成する工程。
(κ2)前記触媒塗工液層に前記補強層付きガス拡散性基材(A)を、前記触媒塗工液層と前記補強層とが接するように重ねる工程。
(κ3)前記触媒塗工液層を乾燥して触媒層を形成する工程。
(κ4)前記触媒層から前記基材フィルムを剥離して電極(D)を得る工程。
前記工程(IId)において補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層と固体高分子電解質膜との間に触媒層を形成する方法は、下記の工程(λ1)〜(λ4)を有する方法(λ)であることが好ましい。
(λ1)基材フィルムの表面に形成された固体高分子電解質膜の表面に触媒塗工液を塗布し、触媒塗工液層を形成する工程。
(λ2)前記触媒塗工液層に前記補強層付きガス拡散性基材(A)を、前記触媒塗工液層と前記補強層とが接するように重ねる工程。
(λ3)前記触媒塗工液層を乾燥して触媒層を形成する工程。
(λ4)前記固体高分子電解質膜から前記基材フィルムを剥離して電極付き固体高分子電解質膜(E)を得る工程。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法によれば、低加湿条件においても高い発電性能を発現でき、充分な機械的強度および寸法安定性を有し、湿潤と乾燥等を繰り返す環境下においても優れた耐久性を有する固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を製造できる。
膜電極接合体の一例を示す断面図である。 膜電極接合体の他の例を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(Ia1)の一例(方法(α))を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(Ia1)の他の例(方法(β))を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(Ia1)の他の例(方法(γ))を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(Ia1)の他の例(方法(δ))を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(Ia2)の一例を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(Ia2)の他の例を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(Ia3)の一例を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(Ib1)の一例(方法(ε))を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(Ib1)の他の例(方法(ζ))を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(Ib2)の一例を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(IIa)の一例を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(IIb)の一例を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(IIc)の一例(方法(ι))を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(IIc)の他の例(方法(κ))を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(IId)の一例(方法(λ))を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(IIIa)の一例を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(IIIb)の一例を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(IIIc)の一例を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法における工程(IIId)の一例を示す断面図である。
本明細書においては、式(U1)で表される繰り返し単位を単位(U1)と記す。他の式で表される繰り返し単位も同様に記す。繰り返し単位は、モノマーが重合することによって形成された該モノマーに由来する単位を意味する。繰り返し単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
また、本明細書においては、式(M1)で表される化合物を化合物(M1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
<膜電極接合体>
本発明の製造方法で得られる固体高分子形燃料電池用膜電極接合体(以下、膜電極接合体と記す。)は、カソードまたはアノードの少なくとも一方が補強層を有し、この補強層で固体高分子電解質膜を外側から補強することにより、固体高分子電解質膜の寸法変化を充分に抑えつつ、固体高分子電解質膜を内部から補強する場合に比べて抵抗の上昇を抑えて発電特性を向上させることができる。特に、低加湿条件での発電特性を高くすることができる。
図1は、膜電極接合体の一例を示す断面図である。膜電極接合体10は、触媒層22、補強層24およびガス拡散層26を順に有する第1の電極20と;触媒層22、補強層24およびガス拡散層26を順に有する第2の電極30と;第1の電極20の触媒層22と第2の電極30の触媒層22との間に配置される固体高分子電解質膜40とを備えたものである。
第1の電極20は、アノードであってもよく、カソードであってもよい。第2の電極30は、第1の電極20がアノードの場合、カソードであり、第1の電極20がカソードの場合、アノードである。
(触媒層)
触媒層22は、触媒およびイオン交換樹脂を含む層である。第1の電極20の触媒層22および第2の電極30の触媒層22は、成分、組成、厚さ等が同じ層であってもよく、異なる層であってもよい。
触媒としては、燃料電池における酸化還元反応を促進するものであればよく、白金を含む触媒が好ましく、白金または白金合金がカーボン担体に担持された担持触媒が特に好ましい。
カーボン担体としては、活性炭、カーボンブラック等が挙げられ、化学的耐久性が高い点から、熱処理等によりグラファイト化したものが好ましい。
カーボン担体の比表面積は、200m/g以上が好ましい。カーボン担体の比表面積は、BET比表面積装置により、カーボン表面への窒素吸着により測定する。
白金合金としては、白金を除く白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム。)、金、銀、クロム、鉄、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、およびスズからなる群から選ばれる1種以上の金属と、白金との合金が好ましい。該白金合金には、白金と合金化される金属と、白金との金属間化合物が含まれていてもよい。
白金または白金合金の担持量は、担持触媒(100質量%)のうち、10〜70質量%が好ましい。
イオン交換樹脂としては、耐久性の点から、含フッ素イオン交換樹脂が好ましく、イオン性基を有するパーフルオロカーボンポリマー(エーテル性酸素原子を含んでいてもよい。)がより好ましい。該パーフルオロカーボンポリマーとしては、ポリマー(H)またはポリマー(Q)が好ましく、ポリマー(Q)が特に好ましい。
ポリマー(H):
ポリマー(H)は、テトラフルオロエチレン(以下、TFEと記す。)に基づく単位と、単位(u3)とを有するコポリマーである。
Figure 2012018871
ただし、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0または1である。
ポリマー(H)は、TFEおよび化合物(m3)の混合物を重合して前駆体ポリマー(以下、ポリマー(F)と記す。)を得た後、ポリマー(F)中の−SOF基をスルホン酸基に変換することにより得られる。−SOF基のスルホン酸基への変換は、加水分解および酸型化処理により行われる。
CF=CF(OCFCFX)−O−(CF−SOF ・・・(m3)。
ただし、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0または1である。
化合物(m3)としては、化合物(m3−1)〜(m3−3)が好ましい。
CF=CFO(CFSOF ・・・(m3−1)、
CF=CFOCFCF(CF)O(CFSOF ・・・(m3−2)、
CF=CF(OCFCF(CF))O(CFSOF ・・・(m3−3)。
ただし、nは1〜8の整数であり、mは1〜3の整数である。
ポリマー(Q):
ポリマー(Q)は、単位(U1)と単位(U2)とを有するコポリマーである。
Figure 2012018871
ただし、Qは、エーテル性の酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキレン基であり、Qは、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキレン基であり、Rf1は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキル基であり、Xは、酸素原子、窒素原子または炭素原子であり、aは、Xが酸素原子の場合0であり、Xが窒素原子の場合1であり、Xが炭素原子の場合2であり、Yは、フッ素原子または1価のパーフルオロ有機基であり、sは、0または1であり、Qは、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキレン基であり、Rf2は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキル基であり、Xは、酸素原子、窒素原子または炭素原子であり、bは、Xが酸素原子の場合0であり、Xが窒素原子の場合1であり、Xが炭素原子の場合2であり、Yは、フッ素原子または1価のパーフルオロ有機基であり、tは、0または1である。
単結合は、CYまたはCYの炭素原子と、SOのイオウ原子とが直接結合していることを意味する。
有機基は、炭素原子を1以上含む基を意味する。
単位(U1):
、Qのパーフルオロアルキレン基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、パーフルオロアルキレン基の炭素原子−炭素原子結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよい。
パーフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
パーフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。炭素数が6以下であれば、原料の含フッ素モノマーの沸点が低くなり、蒸留精製が容易となる。また、炭素数が6以下であれば、ポリマー(Q)のEWの増加が抑えられ、プロトン伝導率の低下が抑えられる。
は、エーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のパーフルオロアルキレン基であることが好ましい。Qがエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のパーフルオロアルキレン基であれば、Qが単結合である場合に比べ、長期にわたって固体高分子形燃料電池を運転した際に、発電性能の安定性に優れる。
、Qの少なくとも一方は、エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のパーフルオロアルキレン基であることが好ましい。エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のパーフルオロアルキレン基を有する含フッ素モノマーは、フッ素ガスによるフッ素化反応を経ずに合成できるため、収率が良好で、製造が容易である。
f1のパーフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
パーフルオロアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。パーフルオロアルキル基としては、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基等が好ましい。
単位(U1)が2つ以上のRf1を有する場合、Rf1は、それぞれ同じ基であってもよく、それぞれ異なる基であってもよい。
−(SO(SOf1基は、イオン性基である。
−(SO(SOf1基としては、スルホン酸基(−SO 基)、スルホンイミド基(−SON(SOf1基)、またはスルホンメチド基(−SOC(SOf1基)が挙げられる。
としては、フッ素原子、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。
単位(U1)としては、単位(u1)が好ましく、ポリマー(Q)の製造が容易であり、工業的実施が容易である点から、単位(u1−1)、単位(u1−2)または単位(u1−3)がより好ましい。
Figure 2012018871
ただし、RF11は、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖状のパーフルオロアルキレン基であり、RF12は、炭素数1〜6の直鎖状のパーフルオロアルキレン基である。
単位(U2):
のパーフルオロアルキレン基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、パーフルオロアルキレン基の炭素原子−炭素原子結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよい。
パーフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
パーフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。炭素数が6以下であれば、ポリマー(Q)のEWの増加が抑えられ、プロトン伝導率の低下が抑えられる。
f2のパーフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
パーフルオロアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。パーフルオロアルキル基としては、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基等が好ましい。
−(SO(SOf2基は、イオン性基である。
−(SO(SOf2基としては、スルホン酸基(−SO 基)、スルホンイミド基(−SON(SOf2基)、またはスルホンメチド基(−SOC(SOf2基)が挙げられる。
としては、フッ素原子またはトリフルオロメチル基が好ましい。
単位(U2)としては、単位(u2)が好ましく、ポリマー(Q)の製造が容易であり、工業的実施が容易である点から、単位(u2−1)、単位(u2−2)、単位(u2−3)または単位(u2−4)がより好ましい。
Figure 2012018871
ただし、Yは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、mは、0〜3の整数であり、nは、1〜12の整数であり、pは、0または1であり、かつ、m+p>0である。
他の単位:
ポリマー(Q)は、さらに、後述する他のモノマーに基づく繰り返し単位(以下、他の単位と記す。)を有していてもよい。他の単位の割合は、ポリマー(Q)の、EWが後述の好ましい範囲となるように、適宜調整すればよい。
他の単位としては、機械的強度および化学的な耐久性の点から、パーフルオロモノマーに基づく繰り返し単位が好ましく、TFEに基づく繰り返し単位がより好ましい。
TFEに基づく繰り返し単位の割合は、機械的強度および化学的な耐久性の点から、ポリマー(Q)を構成する全繰り返し単位(100モル%)のうち、20モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましい。
TFEに基づく繰り返し単位の割合は、電気抵抗の点から、ポリマー(Q)を構成する全繰り返し単位(100モル%)のうち、92モル%以下が好ましく、87モル%以下がより好ましい。
ポリマー(Q)は、単位(U1)、単位(U2)、他の単位を、それぞれ1種ずつ有していてもよく、それぞれ2種以上有していてもよい。
ポリマー(Q)は、化学的な耐久性の点から、パーフルオロポリマーであることが好ましい。
ポリマー(Q)のEWは、400〜900g乾燥樹脂/当量(以下、g/当量と記す。)が好ましく、500〜800g/当量がより好ましく、550〜780g/当量がさらに好ましく、580〜750g/当量が特に好ましい。EWが900g/当量以下であれば、プロトン伝導率が高くなる(電気抵抗が低くなる)ため、充分な電池出力を得ることできる。EWが400g/当量以上であれば、分子量の高いポリマーの合成が容易であり、また、ポリマー(Q)が過度に水で膨潤しないため、機械的強度を保持できる。
従来から汎用的に用いられているポリマーのEWは、電気抵抗と機械的強度とのバランスから、900〜1100g/当量とされている。一方、ポリマー(Q)においては、EWを小さくして、電気抵抗を下げても、機械的強度を保持できる。
ポリマー(Q)における単位(U2)の割合は、単位(U2)/(単位(U1)+単位(U2))とした場合、0.2〜0.7が好ましく、0.25〜0.6がより好ましく、0.3〜0.55(モル比)がさらに好ましい。単位(U2)の割合が0.2以上であれば、湿潤と乾燥との繰り返しに対する耐久性が高くなり、固体高分子形燃料電池を長期にわたって安定して運転できる。単位(U2)の割合が0.7以下であれば、含水率が高すぎることなく、また、軟化温度およびガラス転移温度も低くなりすぎることなく、機械的強度を保持できる。
ポリマー(Q)の質量平均分子量は、1×10〜1×10が好ましく、5×10〜5×10がより好ましく、1×10〜3×10がさらに好ましい。ポリマー(Q)の質量平均分子量が1×10以上であれば、膨潤度等の物性が経時的に変化しにくく、耐久性が充分となる。ポリマー(Q)の質量平均分子量が1×10以下であれば、溶液化および成形が容易となる。
ポリマー(Q)の質量平均分子量は、TQ値を測定することにより評価できる。TQ値(単位:℃)は、ポリマーの分子量の指標であり、長さ1mm、内径1mmのノズルを用い、2.94MPaの押出し圧力の条件でポリマーの溶融押出しを行った際の押出し量が100mm/秒となる温度である。たとえば、TQ値が200〜300℃であるポリマーは、ポリマーを構成する繰り返し単位の組成で異なるが、質量平均分子量が1×10〜1×10に相当する。
ポリマー(Q)の製造方法:
ポリマー(Q)は、たとえば、下記の工程を経て製造できる。
(i)化合物(M1)、化合物(M2)、および必要に応じて他のモノマーを重合し、−SOF基を有する前駆体ポリマー(以下、ポリマー(P)と記す。)を得る工程。
Figure 2012018871
(ii)必要に応じて、ポリマー(P)とフッ素ガスとを接触させ、ポリマー(P)の不安定末端基をフッ素化する工程。
(iii)ポリマー(P)の−SOF基をスルホン酸基、スルホンイミド基、またはスルホンメチド基に変換し、ポリマー(Q)を得る工程。
工程(i):
化合物(M1)としては、化合物(m1)が好ましく、化合物(m1−1)、化合物(m1−2)または化合物(m1−3)がより好ましい。
Figure 2012018871
化合物(M1)は、たとえば、特開2008−202039号公報に記載の方法等、公知の合成方法により製造できる。
化合物(M2)としては、化合物(m2)が好ましく、化合物(m2−1)、化合物(m2−2)、化合物(m2−3)または化合物(m2−4)がより好ましい。
Figure 2012018871
化合物(M2)は、たとえば、D.J.Vaugham著,”Du Pont Inovation”,第43巻、第3号,1973年、p.10に記載の方法、米国特許第4358412号明細書の実施例に記載の方法等、公知の合成方法により製造できる。
他のモノマーとしては、たとえば、TFE、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、エチレン、プロピレンン、パーフルオロα−オレフィン類(ヘキサフルオロプロピレン等)、(パーフルオロアルキル)エチレン類((パーフルオロブチル)エチレン等)、(パーフルオロアルキル)プロペン類(3−パーフルオロオクチル−1−プロペン等)、パーフルオロビニルエーテル類(パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオロ(エーテル性酸素原子含有アルキルビニルエーテル等)等が挙げられる。
パーフルオロビニルエーテル類としては、化合物(m4)が好ましく、化合物(m4−1)、化合物(m4−2)または化合物(m4−3)がより好ましい。
CF=CF−(OCFCFZ)−O−R ・・・(m4)、
CF=CF−O−(CFCF ・・・(m4−1)、
CF=CF−OCFCF(CF)−O−(CFCF ・・・(m4−2)、
CF=CF−(OCFCF(CF))−O−(CFCF ・・・(m4−3)。
ただし、Zは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、Rは、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基であり、uは、0〜3の整数であり、vは、1〜9の整数であり、wは、1〜9の整数であり、xは、2または3である。
他のモノマーのうち、機械的強度および化学的な耐久性の点から、パーフルオロモノマーが好ましく、TFEがより好ましい。
重合法としては、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法が挙げられる。また、液体または超臨界の二酸化炭素中にて重合を行ってもよい。
重合は、ラジカルが生起する条件で行われる。ラジカルを生起させる方法としては、紫外線、γ線、電子線等の放射線を照射する方法、ラジカル開始剤を添加する方法等が挙げられる。
重合温度は、通常、10〜150℃である。
ラジカル開始剤としては、ビス(フルオロアシル)パーオキシド類、ビス(クロロフルオロアシル)パーオキシド類、ジアルキルパーオキシジカーボネート類、ジアシルパーオキシド類、パーオキシエステル類、アゾ化合物類、過硫酸塩類等が挙げられ、不安定末端基が少ないポリマー(P)が得られる点から、ビス(フルオロアシル)パーオキシド類等のパーフルオロ化合物が好ましい。
溶液重合法にて用いる溶媒としては、20〜350℃の沸点を有する溶媒が好ましく、40〜150℃の沸点を有する溶媒がより好ましい。溶媒としては、パーフルオロトリアルキルアミン類(パーフルオロトリブチルアミン等)、パーフルオロカーボン類(パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン等)、ハイドロフルオロカーボン類(1H,4H−パーフルオロブタン、1H−パーフルオロヘキサン等)、ハイドロクロロフルオロカーボン類(3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン等)が挙げられる。
溶液重合法においては、溶媒中にモノマー、ラジカル開始剤等を添加し、溶媒中にてラジカルを生起させてモノマーの重合を行う。モノマーの添加は、一括添加であってもよく、逐次添加であってもよく、連続添加であってもよい。
懸濁重合法においては、水を分散媒として用い、該分散媒中にモノマー、非イオン性のラジカル開始剤等を添加し、分散媒中にてラジカルを生起させてモノマーの重合を行う。 非イオン性のラジカル開始剤としては、ビス(フルオロアシル)パーオキシド類、ビス(クロロフルオロアシル)パーオキシド類、ジアルキルパーオキシジカーボネート類、ジアシルパーオキシド類、パーオキシエステル類、ジアルキルパーオキシド類、ビス(フルオロアルキル)パーオキシド類、アゾ化合物類等が挙げられる。
分散媒には、助剤として前記溶媒;懸濁粒子の凝集を防ぐ分散安定剤として界面活性剤;分子量調整剤として炭化水素系化合物(ヘキサン、メタノール等)等を添加してもよい。
工程(ii):
不安定末端基とは、連鎖移動反応によって形成される基、ラジカル開始剤に基づく基等であり、具体的には、−COOH基、−CF=CF基、−COF基、−CFH基等である。不安定末端基をフッ素化または安定化することにより、ポリマー(Q)の分解が抑えられ、耐久性が向上する。
フッ素ガスは、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスで希釈して用いてもよく、希釈せずにそのまま用いてもよい。
ポリマー(P)とフッ素ガスとを接触させる際の温度は、室温〜300℃が好ましく、50〜250℃がより好ましく、100〜220℃がさらに好ましく、150〜200℃が特に好ましい。
ポリマー(P)とフッ素ガスとの接触時間は、1分〜1週間が好ましく、1〜50時間がより好ましい。
工程(iii):
たとえば、−SOF基をスルホン酸基に変換する場合は、工程(iii−1)を行い、−SOF基をスルホンイミド基に変換する場合は、工程(iii−2)を行う。
(iii−1)ポリマー(P)の−SOF基を加水分解してスルホン酸塩とし、スルホン酸塩を酸型化してスルホン酸基に変換する工程。
(iii−2)ポリマー(P)の−SOF基をイミド化して塩型のスルホンイミド基(−SONMSOf1基)(ただし、Mは、アルカリ金属または1〜4級のアンモニウムである。)とし、さらに酸型化して酸型のスルホンイミド基(−SONHSOf1基)に変換する工程。
工程(iii−1):
加水分解は、たとえば、溶媒中にてポリマー(P)と塩基性化合物とを接触させて行う。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。溶媒としては、水、水と極性溶媒との混合溶媒等が挙げられる。極性溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
酸型化は、たとえば、スルホン酸塩を有するポリマーを、塩酸、硫酸等の水溶液に接触させて行う。
加水分解および酸型化は、通常、0〜120℃にて行う。
工程(iii−2):
イミド化としては、下記の方法が挙げられる。
(iii−2−1)−SOF基と、Rf1SONHMとを反応させる方法。
(iii−2−2)アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、MF、アンモニアまたは1〜3級アミンの存在下で、−SOF基と、Rf1SONHとを反応させる方法。
(iii−2−3)−SOF基と、Rf1SONMSi(CHとを反応させる方法。
酸型化は、塩型のスルホンイミド基を有するポリマーを、酸(硫酸、硝酸、塩酸等)で処理することにより行う。
なお、イオン性基がスルホンイミド基であるポリマー(Q)は、化合物(m1)の−SOF基をスルホンイミド基に変換した化合物(m1’)と、化合物(m2)の−SOF基をスルホンイミド基に変換した化合物(m2’)と、必要に応じて他のモノマーとを重合させることによっても製造できる。
化合物(m1’)、(m2’)は、化合物(m1)、(m2)の不飽和結合に塩素または臭素を付加し、−SOF基を工程(iii−2)と同様の方法でスルホンイミド基に変換した後、金属亜鉛を用いて脱塩素または脱臭素反応を行うことにより製造できる。
以上説明したポリマー(Q)にあっては、単位(U1)と単位(U2)とを有するため、電気抵抗が低く、従来のイオン交換樹脂よりも高い軟化温度を有し、かつ柔軟性が高い。該理由は、下記の通りである。
単位(U1)の側鎖は二つのイオン性基を有しており、一つのイオン性基を側鎖に有する単位(U2)にくらべて側鎖の運動性が低い。そのため、単位(U2)を有し、かつ単位(U1)を有さないポリマーに比べて、単位(U1)と単位(U2)とを有するポリマー(Q)の軟化温度が高くなると考えられる。また、単位(U2)の側鎖は、ポリマーの主鎖の屈曲性を高める効果があるため、単位(U1)を有し、かつ単位(U2)を有さないポリマーに比べて、単位(U1)と単位(U2)とを有するポリマー(Q)は、柔軟性が高いと考えられる。
触媒層22における含フッ素イオン交換樹脂の質量(F)と触媒中のカーボンの質量(C)との質量比(F/C)は、電極の導電性および撥水性の点から、0.2〜2.5が好ましく、0.7〜2.0がより好ましい。F/Cが0.2以上であれば、触媒層22にクラック等が発生しにくい。F/Cが2.5以下であれば、触媒層22が緻密な構造とならず、ガス拡散性が良好となる。
触媒層22は、単層であってもよく、複数層であってもよい。複数層の場合、各層のF/Cは、固体高分子電解質膜40に近くなるにつれて、しだいに大きくすることが好ましい。
触媒層22に含まれる白金量は、電極反応を効率よく行うための最適な厚みの点から、0.01〜0.5mg/cmが好ましく、原料のコストと性能とのバランスの点から、0.05〜0.35mg/cmがより好ましい。
触媒層22の厚さは、触媒層22中のガス拡散を容易にし、固体高分子形燃料電池の発電性能を向上させる点から、20μm以下が好ましく、1〜15μmがより好ましい。また、触媒層22の厚さは、均一であることが好ましい。触媒層22の厚さを薄くすると、単位面積あたりに存在する触媒量が少なくなって反応活性が低くなるおそれがあるが、該場合は触媒として白金または白金合金が高担持率で担持された担持触媒を用いれば、薄くても触媒量が不足することなく電極の反応活性を高く維持できる。
触媒層22の厚さは、触媒層22の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)等によって観察することにより測定する。
触媒層22は、フラッディングの抑制効果が高まる点から、撥水化剤を含んでいてもよい。
撥水化剤としては、TFE−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、FEPと記す。)、TFE−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(以下、PFAと記す。)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す。)等が挙げられる。撥水化剤としては、触媒層22を撥水化処理しやすい点から、溶媒に分散できる含フッ素ポリマーが好ましい。
撥水化剤の量は、触媒層22(100質量%)中、0.01〜30質量%が好ましい。
(補強層)
補強層24は、ポリマーからなる多孔質のシート状補強材66と、導電性ファイバーと、必要に応じて結着剤とを含む層である。第1の電極20の補強層24および第2の電極30の補強層24は、成分、組成、厚さ等が同じ層であってもよく、異なる層であってもよい。
補強層24は、内部にポリマーからなる多孔質のシート状補強材66が配置されているため、機械的強度が高く、かつ多孔質のシート状補強材66の内部に空隙をもって導電性ファイバーが充填され、さらにシート状補強材66の表面にも導電性ファイバーが存在するため、導電性とガス拡散性を有する。補強層24の表面積の1%以上に導電性ファイバーが存在することが好ましく、これは後述する表皮層であってもよい。
シート状補強材66を構成するポリマーとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ナイロン、ポリアミド、PTFE、PFA、エチレン−TFE共重合体(以下、ETFEと記す。)、FEP、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド重合体(以下、PVdFと記す。)、ポリビニルフルオライド重合体(PVF)、これらのポリマーを構成するモノマー単位複数からなる共重合体、これらのポリマーのブレンド物等が挙げられる。また、該ポリマーのブレンド物等は、導電性を有していてもよい。
シート状補強材66の形態としては、織布、不織布等、発泡体、多孔質フィルム等が挙げられる。
多孔質フィルムとしては、PTFEからなる多孔質フィルムが好ましい。PTFEからなる多孔質フィルムは、PTFEフィルムを延伸して製造される。該製造方法によれば、量産性、製造コストに優れ、100μm以下の薄いフィルムを製造できる。
不織布としては、メルトブローン法またはエレクトロスピニング法で製造された不織布が好ましい。メルトブローン法によれば、繊維径が約10μm以下の細い繊維で不織布を製造でき、また、量産性にも非常に優れる。メルトブローン法に用いるポリマーとしては、ポリプロピレン、含フッ素ポリマー(ETFE、FEP等)等が挙げられ、含フッ素ポリマーが好ましい。エレクトロスピニング法によれば、繊維径が約1μm以下の細い繊維で不織布を製造でき、また、量産性にも優れる。エレクトロスピニング法に用いるポリマーとしては、ポリアミド、PVdF、ナイロン等が挙げられる。
複数の繊維からなるシート状補強材については、平均繊維径は、0.2〜7μmが好ましく、0.3〜5μmがより好ましい。該範囲とすることにより、充分な補強効果、ガス拡散性および排水性を維持できる。
シート状補強材の平均繊維径は、SEM等によって表面を観察することにより測定する。
延伸法により作製された多孔質シート等、繊維から構成されないシート状補強材については、平均細孔径は、0.4〜7μmが好ましく、0.8〜5μmがより好ましい。該範囲とすることにより、充分な補強効果、ガス拡散性および排水性を維持できる。
シート状補強材の平均細孔径は、バブルポイント法(JIS K3832)で測定できる。
シート状補強材66の厚さは、5〜300μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。該範囲とすることにより、充分な補強効果、ガス拡散性および排水性を維持できる。
シート状補強材66の厚さは、デジマチックインジケータ(Mitutoyo社製、543−250、フラット測定端子:φ5mm)を用いて4箇所の厚さを測定し、これらを平均して算出する。
導電性ファイバーは、補強層24の表面において触媒層22に含まれる電子伝導性物質(白金または白金合金、カーボン担体等)に絡まり、該電子伝導性物質同士の点接触による導電パスに加えて、新たな導電パスが発現するため、触媒層22との界面における電子伝導性が向上する。また、ガス拡散層26に接した場合においても、ガス拡散層26を構成する電子伝導性物質との絡まりあいが起きやすく、ガス拡散層26との界面における電子伝導性が向上する。
導電性ファイバーとしては、カーボンファイバー等が挙げられ、化学的耐久性が高い点から、熱処理等によりグラファイト化したものが好ましい。
カーボンファイバーとしては、微細でかつ電子伝導性が高い点から、カーボンナノファイバーが好ましい。カーボンナノファイバーとしては、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ(シングルウォール、ダブルウォール、マルチウォール、カップ積層型等)等が挙げられる。
カーボンファイバーの平均繊維径は、50〜500nmが好ましく、50〜300nmがより好ましい。カーボンファイバーの平均繊維長は、1〜50μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。該範囲とすることにより、カーボンファイバーが互いに絡み合って空隙を形成し、多孔質の空隙を埋めてしまうことがないため、高いガス拡散性が維持さ
れる。
カーボンファイバーの繊維径および繊維長は、光学顕微鏡、SEM、TEM(透過型電子顕微鏡)等による観察により測定する。カーボンナノファイバーの繊維径および繊維長は、それぞれ、カーボンナノファイバーの平均繊維径および平均繊維長を示す。
結着剤は、シート状補強材からの導電性ファイバーの欠落を抑える成分である。結着剤としては、ポリマーが好ましく、イオン交換樹脂がより好ましく、含フッ素イオン交換樹脂がさらに好ましい。含フッ素イオン交換樹脂としては、イオン性基を有するパーフルオロカーボンポリマー(エーテル性酸素原子を含んでいてもよい。)が好ましく、ポリマー(H)またはポリマー(Q)が特に好ましい。
導電性ファイバーと結着剤との質量比(導電性ファイバー/結着剤)は、1/0.05〜1/1が好ましく、1/0.1〜1/0.7がより好ましい。該範囲とすることにより、多孔質のシート状補強材の内部に導電性ファイバーを充填するときの分散性、補強層24のガス拡散性、シート状補強材と導電性ファイバーの結着性、排水性が良好となる。
補強層24の厚さは、12〜250μmが好ましく、20〜150μmがより好ましい。該範囲とすることにより、充分な補強効果、ガス拡散性および排水性を維持できる。
補強層24の厚さは、補強層の断面をSEM等によって観察することにより測定する。
なお、本発明の膜電極接合体は、図示例のものに限定はされない。たとえば、第1の電極20および第2の電極30の一方が補強層24を有し、他方が補強層24を有さない膜電極接合体であってもよい。寸法安定性の観点から、補強層24を第1の電極20および第2の電極30の両方に設けるのが好ましい。
また、シート状補強材66が薄い場合、補強層24の表面付近には、導電性ファイバーと結着剤とを含み、シート状補強材66を含まない表皮層が形成される場合がある。表皮層は、触媒層22と接する側に形成されていてもよく、ガス拡散層26と接する側に形成されていてもよい。
表皮層が形成されることにより、水が毛細管現象によって触媒層22から補強層24、補強層24からガス拡散層26へと速やかに移動し、固体高分子形燃料電池運転時のフラッディングの問題が解消されやすくなる。
表皮層の厚さは、1〜20μmが好ましい。該範囲とすることにより、触媒層22と補強層24との密着性、補強層24とガス拡散層26との密着性が良好となり、また、該界面での接触抵抗を充分小さくできる。
表皮層の厚さは、表皮層の断面をSEM等によって観察することにより測定する。
表皮層は、第1の電極20の補強層24および第2の電極30の補強層24の両方に設けてもよく、第1の電極20の補強層24および第2の電極30の補強層24の一方に設けてもよい。第1の電極20の補強層24および第2の電極30の補強層24の一方が表皮層を有し、他方が表皮層を有さない場合、カソード側の補強層が表皮層を有することが好ましい。
(ガス拡散層)
ガス拡散層26は、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等のガス拡散性基材70からなる層である。
膜電極接合体においては、ガス拡散層26を構成する繊維等が、触媒層22および固体高分子電解質膜40に突き刺さる等の物理的なダメージを補強層24によって防ぐことができる。これにより膜電極接合体の短絡を抑えることができ、膜電極接合体10の耐久性をより向上させることができる。
ガス拡散層26の表面は、撥水性の含フッ素ポリマーを含む溶液または分散液によって撥水処理されていることが好ましい。撥水処理することにより、カソード側の触媒層22で発生する水がガス拡散層26の細孔を塞ぎにくくなり、ガス拡散性の低下が抑えられる。ガス拡散層26の表面は、膜電極接合体10の導電性の点から、撥水性の含フッ素ポリマーおよび導電性カーボンを含む分散液よって撥水処理されていることがより好ましい。
撥水性の含フッ素ポリマーとしては、PTFE等が挙げられる。導電性カーボンとしては、カーボンブラック等が挙げられる。
ガス拡散層26の撥水処理された表面が、触媒層22または補強層24に接する。
ガス拡散層26の厚さは、100〜400μmが好ましく、120〜300μmがより好ましい。
ガス拡散層26の厚さは、デジマチックインジケータ(Mitutoyo社製、543−250、フラット測定端子:φ5mm)を用いて4箇所の厚さを測定し、これらを平均して算出する。
(固体高分子電解質膜)
固体高分子電解質膜40は、イオン交換樹脂の膜である。固体高分子電解質膜40は、複数のイオン交換樹脂の膜を接合した多層構造のものであってもよい。
イオン交換樹脂としては、耐久性の点から、含フッ素イオン交換樹脂が好ましく、イオン性基を有するパーフルオロカーボンポリマー(エーテル性酸素原子を含んでいてもよい。)がより好ましく、ポリマー(H)またはポリマー(Q)がさらに好ましく、ポリマー(Q)が特に好ましい。ポリマー(Q)の膜は、従来のイオン交換樹脂の膜よりも高い軟化温度を有し、かつ柔軟性が高いため、電気抵抗が低く、従来のイオン交換樹脂の膜よりも高い耐熱性を有し、かつ湿潤状態における膨潤と乾燥状態における収縮とを繰り返しても破損しにくい。
固体高分子電解質膜40は、耐久性をさらに向上させるために、セリウムおよびマンガンからなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい。セリウム、マンガンは、固体高分子電解質膜40の劣化を引き起こす原因物質である過酸化水素を分解する。セリウム、マンガンは、イオンとして固体高分子電解質膜40中に存在することが好ましく、イオンとして存在すれば固体高分子電解質膜40中でどのような状態で存在してもかまわない。
固体高分子電解質膜40は、乾燥を防ぐための保水剤として、シリカ、ヘテロポリ酸(リン酸ジルコニウム、リンモリブデン酸、リンタングステン酸等)を含んでいてもよい。
固体高分子電解質膜40の厚さは、10〜30μmが好ましく、15〜25μmがより好ましい。固体高分子電解質膜40の厚さが30μm以下であれば、低加湿条件での固体高分子形燃料電池の発電性能の低下がより抑えられる。また、固体高分子電解質膜40の厚さを10μm以上とすることにより、ガスリークおよび電気的な短絡を抑えることができる。
固体高分子電解質膜40の厚さは、固体高分子電解質膜40の断面をSEM等によって観察することにより測定する。
固体高分子電解質膜40のEWは、900g/当量以下が好ましく、700g/当量以下が特に好ましい。該範囲とすることにより、低い加湿環境においてもプロトン伝導率が高くなる(電気抵抗が低くなる)ため、充分な電池出力を得ることできる。
固体高分子電解質膜40のEWは、下記の方法により求める。
滴定によりあらかじめEWがわかっている2種のポリマー(EWが1000g/当量のものと909g/当量のもの)を用意し、それぞれのポリマーからなる2種の膜(厚さ200μm)について、蛍光X線(リガク社製、RIX3000)を用いてイオウ原子に基づくピーク強度を測定し、該ピーク強度とEWとの関係を示す検量線を作成する。ポリマー(P)またはポリマー(F)を、後述するTQ値の温度でプレスして厚さ200μmの膜を作製し、蛍光X線でイオウ原子に基づくピーク強度を測定し、前記検量線にてEWを求める。なお、ポリマー(P)またはポリマー(F)の−SOF基の割合(モル比)と、ポリマー(Q)またはポリマー(H)の−SOH基の割合(モル比)は同じであるため、ポリマー(P)またはポリマー(F)のEWは、そのままポリマー(Q)またはポリマー(H)のEWとして扱うことができる。
固体高分子電解質膜40は、たとえば、ポリマー(H)またはポリマー(Q)を膜状に成形する方法によって形成される。
ポリマー(H)またはポリマー(Q)を膜状に成形する方法としては、ポリマー(H)またはポリマー(Q)を含む膜形成用塗工液を基材フィルムの表面に塗布し、乾燥する方法が挙げられる。
膜形成用塗工液は、アルコール類および水を含む分散媒に、ポリマー(H)またはポリマー(Q)を分散させた分散液である。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−1−ペンタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキサノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクタノール等が挙げられる。
アルコール類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
水の割合は、分散媒(100質量%)のうち、10〜99質量%が好ましく、40〜99質量%がより好ましい。水の割合を増やすことにより、分散媒に対するポリマー(H)またはポリマー(Q)の分散性を向上できる。
アルコール類の割合は、分散媒(100質量%)のうち、1〜90質量%が好ましく、1〜60質量%がより好ましい。
膜形成用塗工液は、含フッ素溶媒を含んでいてもよい。含フッ素溶媒としては、たとえば、ポリマー(Q)の製造における溶液重合法にて用いた含フッ素溶媒が挙げられる。
膜形成用塗工液の固形分濃度は、1〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
膜形成用塗工液の塗布方法としては、公知の方法を用いればよい。
膜形成用塗工液の乾燥温度は、40〜130℃が好ましい。
固体高分子電解質膜40を安定化させるために、熱処理を行うことが好ましい。熱処理の温度は、130〜200℃が好ましい。熱処理の温度が130℃以上であれば、ポリマー(H)またはポリマー(Q)が過度に含水しなくなる。熱処理の温度が200℃以下であれば、イオン性基の熱分解が抑えられ、固体高分子電解質膜40のプロトン伝導率の低下が抑えられる。
固体高分子電解質膜40は、必要に応じて過酸化水素水で処理してもよい。
(サブガスケット)
本発明の膜電極接合体は、図2に示すように、膜電極接合体10の周縁部の固体高分子電解質膜40および補強層24を挟み込むように配置された2つのフレーム状のサブガスケット50(図示略)を有していてもよい。サブガスケット50は、外縁部が固体高分子電解質膜40の周縁部と接し、内縁部が補強層24の周縁部とガス拡散層26の周縁部との間に挟まれている。
サブガスケット50は、外縁部が固体高分子電解質膜40と接することができる大きさを有し、かつ開口部の面積が補強層24、ガス拡散層26の面積よりも小さくされたものである。この際、固体高分子電解質膜40の面積は、補強層24、ガス拡散層26の面積よりも大きくされている。
サブガスケット50の材料としては、非フッ素系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等)、含フッ素樹脂(PTFE、ETFE、FEP、PFA等)等が挙げられる。
<膜電極接合体の製造方法>
本発明における膜電極接合体は、補強層を形成する工程(I)、触媒層を形成する工程(II)、各層を構成する部材を接合して膜電極接合体を得る工程(III)を有する製造方法によって製造される。
本発明の製造方法は、工程(I)において、導電性ファイバーを含む液(以下、導電性塗工液と記す。)をシート状補強材に含浸させてなるウエット層を、ガス拡散性基材と接した状態で乾燥して補強層を形成することに特徴がある。
工程(I)〜(III)は、具体的には、下記の工程である。
(I)導電性塗工液をシート状補強材に含浸させてなるウエット層とガス拡散性基材とが接した状態でウエット層を乾燥して補強層を形成し、補強層付きガス拡散性基材(A)を得る工程。
(II)固体高分子電解質膜の表面または補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層の表面に触媒層を形成する工程。
(III)前記固体高分子電解質膜と前記補強層付きガス拡散性基材(A)とを、いずれかの表面に形成された触媒層を介して接合する工程。
以下、第1の電極および第2の電極の両方が補強層を有する、図1に示す膜電極接合体10の製造方法を例にとり、本発明の製造方法を詳細に説明する。
(工程(I))
工程(I)は、ウエット層を、基材フィルムの表面に形成するか、ガス拡散性基材の表面に形成するかによって、下記の工程(Ia)、工程(Ib)に分類できる。
(Ia)基材フィルムの表面に、導電性塗工液をシート状補強材に含浸させてなるウエット層を形成し、該ウエット層にガス拡散性基材を重ねた後、ウエット層を乾燥して補強層を形成し、補強層付きガス拡散性基材(A)を得る工程。
(Ib)ガス拡散性基材の表面に、導電性塗工液をシート状補強材に含浸させてなるウエット層を形成した後、ウエット層を乾燥して補強層を形成し、補強層付きガス拡散性基材(A)を得る工程。
工程(Ia):
工程(Ia)は、さらに下記工程(Ia1)〜工程(Ia3)に分割できる。
(Ia1)基材フィルムの表面に、導電性塗工液をシート状補強材に含浸させてなるウエット層を形成する工程。
(Ia2)ウエット層にガス拡散性基材を重ねた後、ウエット層を乾燥して補強層を形成する工程。
(Ia3)補強層から基材フィルムを剥離して補強層付きガス拡散性基材(A)を得る工程。
工程(Ia1):
基材フィルムの表面にウエット層の形成方法としては、下記の方法(α)〜方法(δ)が挙げられる。
方法(α)は、図3に示すように、下記工程(α1)〜工程(α4)を有する方法である。
(α1)基材フィルム60の表面に導電性塗工液を塗布し、乾燥させて下地層62を形成する工程。
(α2)下地層62の表面に導電性塗工液を塗布し、導電性塗工液層64を形成する工程。
(α3)導電性塗工液層64にシート状補強材66を重ね、導電性塗工液層64の一部をシート状補強材66に含浸させる工程。
(α4)シート状補強材66の表面に導電性塗工液を塗布し、含浸させてウエット層68を形成する工程。
方法(β)は、図4に示すように、下記工程(β1)〜工程(β3)を有する方法である。
(β1)基材フィルム60の表面に導電性塗工液を塗布し、乾燥させて下地層62を形成する工程。
(β2)下地層62の表面にシート状補強材66を重ねる工程。
(β3)シート状補強材66の表面に導電性塗工液を塗布し、含浸させてウエット層68を形成する工程。
方法(γ)は、図5に示すように、下記工程(γ1)〜工程(γ3)を有する方法である。
(γ1)基材フィルム60の表面に導電性塗工液を塗布し、導電性塗工液層64を形成する工程。
(γ2)導電性塗工液層64にシート状補強材66を重ね、導電性塗工液層64の一部をシート状補強材66に含浸させる工程。
(γ3)シート状補強材66の表面に導電性塗工液を塗布し、含浸させてウエット層68を形成する工程。
方法(δ)は、図6に示すように、下記工程(δ1)、工程(δ2)を有する方法である。
(δ1)基材フィルム60の表面にシート状補強材66を重ねる工程。
(δ2)シート状補強材66の表面に導電性塗工液を塗布し、含浸させてウエット層68を形成する工程。
導電性塗工液は、導電性ファイバーを溶媒に分散させ、必要に応じて結着剤を溶媒に溶解または分散させることにより調製される。
溶媒としては、結着剤がイオン交換樹脂の場合、水とアルコール類(エタノール等)との混合溶媒が好ましい。
導電性塗工液の固形分濃度は、5〜30質量%が好ましい。
各工程で用いる導電性塗工液は、成分、組成等が同一であってもよく、異なっていてもよい。
基材フィルムとしては、樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムの材料としては、非フッ素系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等)、含フッ素樹脂(PTFE、ETFE、エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、PFA、PVdF等)が挙げられ、耐熱性、化学的安定性、離型性の点から、含フッ素樹脂が好ましい。
導電性塗工液の塗布方法としては、公知の方法を用いればよい。
下地層62を形成する際の乾燥温度は、40〜130℃が好ましい。
工程(Ia2):
図7または図8に示すように、ウエット層68にガス拡散性基材70を重ねた後、ウエット層68を乾燥して、補強層24を形成する。この際、補強層24の両面には、導電性ファイバーと結着剤とを含み、シート状補強材66を含まない表皮層が形成される。また、基材フィルム60の表面に下地層62を形成した場合、該下地層62は、ウエット層68を乾燥させる際にウエット層68と一体化して、表皮層の一部となる。
ウエット層68の乾燥温度は、40〜130℃が好ましい。
工程(Ia3):
図9に示すように、補強層24から基材フィルム60を剥離して補強層付きガス拡散性基材(A)72を得る。
基材フィルム60の表面に下地層62を形成していた場合、下地層62からなる表皮層が比較的硬質となっているため、基材フィルム60を剥離する際に補強層24にクラック等が発生しにくい。
工程(Ib):
工程(Ib)は、さらに下記工程(Ib1)、工程(Ib2)に分割できる。
(Ib1)ガス拡散性基材の表面に、導電性塗工液をシート状補強材に含浸させてなるウエット層を形成する工程。
(Ib2)ウエット層を乾燥して補強層を形成し、補強層付きガス拡散性基材(A)を得る工程。
工程(Ib1):
ガス拡散性基材の表面にウエット層の形成方法としては、下記の方法(ε)、方法(ζ)が挙げられる。
方法(ε)は、図10に示すように、下記工程(ε1)〜工程(ε3)を有する方法である。
(ε1)ガス拡散性基材70の表面に導電性塗工液を塗布し、導電性塗工液層64を形成する工程。
(ε2)導電性塗工液層64にシート状補強材66を重ね、導電性塗工液層64の一部をシート状補強材66に含浸させる工程。
(ε3)シート状補強材66の表面に導電性塗工液を塗布し、含浸させてウエット層68を形成する工程。
方法(ζ)は、図11に示すように、下記工程(ζ1)、工程(ζ2)を有する方法である。
(ζ1)ガス拡散性基材70の表面にシート状補強材66を重ねる工程。
(ζ2)シート状補強材66の表面に導電性塗工液を塗布し、含浸させてウエット層68を形成する工程。
導電性塗工液は、工程(Ia)で用いたものと同様のものである。
各工程で用いる導電性塗工液は、成分、組成等が同一であってもよく、異なっていてもよい。
導電性塗工液の塗布方法としては、公知の方法を用いればよい。
工程(Ib2):
図12に示すように、ウエット層68を乾燥して、補強層24を形成し、補強層付きガス拡散性基材(A)72を得る。この際、補強層24の両面には、導電性ファイバーと結着剤とを含み、シート状補強材66を含まない表皮層が形成される。
ウエット層68の乾燥温度は、40〜130℃が好ましい。
(工程(II))
工程(II)は、触媒層をどこに形成するかによって、下記の工程(IIa)〜(IId)に分類できる。
(IIa)固体高分子電解質膜の両面に触媒層を形成して膜触媒層接合体(B)を得る工程。
(IIb)固体高分子電解質膜の片面に触媒層を形成して触媒層付き固体高分子電解質膜(C)を得る工程。
(IIc)補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層の表面に触媒層を形成して電極(D)を得る工程。
(IId)補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層と固体高分子電解質膜との間に触媒層を形成して電極付き固体高分子電解質膜(E)を得る工程。
工程(IIa):
図13に示すように、固体高分子電解質膜40の両面に触媒層22を形成して膜触媒層接合体(B)74を得る。
触媒層22の形成方法としては、下記の方法(η)、方法(θ)が挙げられる。
(η)固体高分子電解質膜40の表面に触媒塗工液を塗布し、乾燥させて触媒層22を形成する方法。
(θ)基材フィルムの表面に触媒塗工液を塗布し、乾燥させて触媒層22を形成し、該触媒層22を固体高分子電解質膜40の表面に転写する方法。
工程(IIb):
図14に示すように、固体高分子電解質膜40の片面に触媒層22を形成して触媒層付き固体高分子電解質膜(C)76を得る。
触媒層22の形成方法としては、上述の方法(η)、方法(θ)が挙げられる。
工程(IIc):
補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層の表面に触媒層を形成する方法としては、下記の方法(ι)、方法(κ)が挙げられる。
方法(ι)は、図15に示すように、下記工程(ι1)、工程(ι2)を有する方法である。
(ι1)補強層付きガス拡散性基材(A)72の補強層24の表面に触媒塗工液を塗布し、触媒塗工液層32を形成する工程。
(ι2)触媒塗工液層32を乾燥し、触媒層22を形成して電極(D)78を得る工程。
方法(κ)は、図16に示すように、下記工程(κ1)〜工程(κ4)を有する方法である。
(κ1)基材フィルム60の表面に触媒塗工液を塗布し、触媒塗工液層32を形成する工程。
(κ2)触媒塗工液層32に補強層付きガス拡散性基材(A)72を、触媒塗工液層32と補強層24とが接するように重ねる工程。
(κ3)触媒塗工液層32を乾燥して触媒層22を形成する工程。
(κ4)触媒層22から基材フィルム60を剥離して電極(D)78を得る工程。
工程(IId):
補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層と固体高分子電解質膜との間に触媒層を形成する方法としては、下記の方法(λ)が挙げられる。
方法(λ)は、図17に示すように、下記工程(λ1)〜工程(λ3)を有する方法である。
(λ1)基材フィルム60の表面に形成された固体高分子電解質膜40の表面に触媒塗工液を塗布し、触媒塗工液層32を形成する工程。
(λ2)触媒塗工液層32に補強層付きガス拡散性基材(A)72を、触媒塗工液層32と補強層24とが接するように重ねる工程。
(λ3)触媒塗工液層32を乾燥して触媒層22を形成する工程。
(λ4)固体高分子電解質膜40から基材フィルム60を剥離して電極付き固体高分子電解質膜(E)80を得る工程。
基材フィルム:
工程(II)に用いる基材フィルムとしては、工程(Ia)で用いたものと同様のものが挙げられる。
触媒塗工液:
工程(II)に用いる触媒塗工液は、触媒を溶媒に分散させ、イオン交換樹脂を溶媒に溶解または分散させることにより調製される。
イオン交換樹脂が含フッ素イオン交換樹脂の場合、溶媒としては、アルコール類または含フッ素溶媒が好ましい。
アルコール類としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール等が挙げられる。イオン交換樹脂の溶解性を上げるために、アルコール類と水との混合溶媒を用いてもよい。
含フッ素溶媒としては、下記のものが挙げられる。
ヒドロフルオロカーボン:2H−パーフルオロプロパン、1H,4H−パーフルオロブタン、2H,3H−パーフルオロペンタン、3H,4H−パーフルオロ(2−メチルペンタン)、2H,5H−パーフルオロヘキサン、3H−パーフルオロ(2−メチルペンタン)等。
フルオロカーボン:パーフルオロ(1,2−ジメチルシクロブタン)、パーフルオロオクタン、パーフルオロヘプタン、パーフルオロヘキサン等。
ヒドロクロロフルオロカーボン:1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジクロロエタン、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン等。
フルオロエーテル:1H,4H,4H−パーフルオロ(3−オキサペンタン)、3−メトキシ−1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン等。
含フッ素アルコール:2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等。
イオン交換樹脂が非フッ素系イオン交換樹脂の場合、溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等が挙げられる。
触媒塗工液の固形分濃度は、5〜25質量%が好ましく、8〜15質量%がより好ましい。触媒塗工液の固形分濃度が5質量%以上であれば、補強層への触媒塗工液の浸入が少ない。触媒塗工液の固形分濃度が25質量%以下であれば、均一な厚さの触媒層を形成できる。触媒塗工液の固形分濃度が8〜15質量%であれば、触媒塗工液の安定性が向上する。
触媒塗工液の粘度は、ずり速度が1(1/S)のとき、200〜8000mPa・sが好ましく、1000〜4000mPa・sがより好ましい。触媒塗工液の粘度が200mPa・s以上であれば、補強層への触媒塗工液の浸入が少ない。触媒塗工液の粘度が8000mPa・s以下であれば、均一な厚さの触媒層を形成できる。触媒塗工液の粘度が1000〜4000mPa・sであれば、触媒塗工液の安定性が向上する。
触媒塗工液中のF/Cは、0.2〜2.5が好ましく、0.7〜2.0がより好ましい。F/Cが0.2以上であれば、触媒層にクラック等が発生しにくい。F/Cが2.5以下であれば、触媒層が緻密な構造とならず、ガス拡散性が良好となる。F/Cが0.7〜2.0であれば、触媒層にクラック等がより発生しにくく、かつガス拡散性もより良好となる。
触媒塗工液層は、単層であってもよく、複数層であってもよい。複数層の場合、層数に対応する触媒塗工液を複数調製し、同時または逐次塗工する。複数層の場合、各触媒塗工液のF/Cは、固体高分子電解質膜40に近くなるにつれて、しだいに大きくすることが好ましい。
塗布方法としては、バッチ式塗工法または連続式塗工法が挙げられる。
バッチ式塗工法としては、バーコータ法、スピンコータ法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
連続式塗工法としては、後計量法または前計量法が挙げられる。後計量法は、過剰の触媒塗工液を塗工し、後から所定の厚さとなるように触媒塗工液を除去する方法である。前計量法は、所定の厚さを得るのに必要な量の触媒塗工液を塗工する方法である。
後計量法としては、エアドクタコータ法、ブレードコータ法、ロッドコータ法、ナイフコータ法、スクイズコータ法、含浸コータ法、コンマコータ法等が挙げられる。
前計量法としては、ダイコータ法、リバースロールコータ法、トランスファロールコータ法、グラビアコータ法、キスロールコータ法、キャストコータ法、スプレイコータ法、カーテンコータ法、カレンダコータ法、押出コータ法等が挙げられる。
塗布方法としては、均一な厚さの触媒塗工液層を形成できる点から、スクリーン印刷法またはダイコータ法が好ましく、生産効率の点から、ダイコータ法がより好ましい。
触媒塗工液層に補強層を重ねるのは、触媒塗工液を塗布した直後でもよく、触媒塗工液層に含まれる溶媒の一部を蒸発させた後であってもよい。通常は、溶媒として水やアルコール類を用いるため、触媒塗工液層に補強層を重ねるのは、触媒塗工液を塗布してから5分以内が好ましい。触媒塗工液層に含まれる溶媒の一部は、室温で蒸発させてもよく、加熱して蒸発させてもよい。触媒塗工液層に補強層を重ねる前に、触媒塗工液層に含まれる溶媒の一部を蒸発させる際の加熱温度は、100℃以下が好ましい。
触媒塗工液層の乾燥温度は、50〜150℃が好ましい。乾燥温度が50℃以上であれば、乾燥に時間がかからず、また、触媒層のイオン交換樹脂が充分に熱処理され、安定化する。乾燥温度が150℃以下であれば、触媒層が劣化しにくく、また、触媒層が燃焼することもない。
触媒塗工液層の乾燥を連続乾燥炉にて行う場合、乾燥温度は徐々に上昇させることが好ましく、乾燥時間が短い点、触媒層のイオン交換樹脂が充分に熱処理されて安定的な構造となる点、膜電極接合体の発電特性が良好となる点から、乾燥炉入口温度は50〜80℃とし、乾燥炉出口温度は120〜150℃とすることがより好ましい。
触媒塗工液層の乾燥時間は、3〜30分が好ましく、5〜15分がより好ましい。乾燥時間が3分以上であれば、充分に乾燥が行われ、溶媒がほとんど残存しない。乾燥時間が30分以下であれば、生産性が向上し、また、乾燥温度が130℃より高い高温条件であっても、触媒層の劣化が進行しにくい。乾燥時間が5〜15分であれば、膜電極接合体の発電特性も充分に発揮される。
(工程(III))
工程(III)は、接合する部材(固体高分子電解質膜、補強層付きガス拡散性基材(A)、膜触媒層接合体(B)、触媒層付き固体高分子電解質膜(C)、電極(D)、電極付き固体高分子電解質膜(E))の組み合わせによって、下記の工程(IIIa)〜(IIId)に分類できる。
(IIIa)膜触媒層接合体(B)の両面に、補強層付きガス拡散性基材(A)を、(B)の触媒層と(A)の補強層とが接するように接合して膜電極接合体を得る工程。
(IIIb)触媒層付き固体高分子電解質膜(C)に、補強層付きガス拡散性基材(A)および電極(D)を、(C)の触媒層と(A)の補強層とが接し、かつ(C)の固体高分子電解質膜と(D)の触媒層とが接するように接合して膜電極接合体を得る工程。
(IIIc)固体高分子電解質膜の両面に、電極(D)を、固体高分子電解質膜と(D)の触媒層とが接するように接合して膜電極接合体を得る工程。
(IIId)電極付き固体高分子電解質膜(E)に、電極(D)を、(E)の固体高分子電解質膜と(D)の触媒層とが接するように接合して膜電極接合体を得る工程。
工程(IIIa):
図18に示すように、膜触媒層接合体(B)74の両面に、補強層付きガス拡散性基材(A)72を、膜触媒層接合体(B)74の触媒層22と補強層付きガス拡散性基材(A)72の補強層24とが接するように配置し、接合して膜電極接合体10を得る。
工程(IIIb):
図19に示すように、触媒層付き固体高分子電解質膜(C)76の表面に、補強層付きガス拡散性基材(A)72および電極(D)78を、触媒層付き固体高分子電解質膜(C)76の触媒層22と補強層付きガス拡散性基材(A)72の補強層24とが接し、かつ触媒層付き固体高分子電解質膜(C)76の固体高分子電解質膜40と電極(D)78の触媒層22とが接するように配置し、接合して膜電極接合体10を得る。
工程(IIIc):
図20に示すように、固体高分子電解質膜40の両面に、電極(D)78を、固体高分子電解質膜40と電極(D)78の触媒層22とが接するように配置し、接合して膜電極接合体10を得る。
工程(IIId):
図21に示すように、電極付き固体高分子電解質膜(E)80の表面に、電極(D)78を、電極付き固体高分子電解質膜(E)80の固体高分子電解質膜40と電極(D)78の触媒層22とが接するように配置し、接合して膜電極接合体10を得る。
接合方法:
接合方法としては、熱プレス法、熱ロールプレス、超音波融着等が挙げられ、面内の均一性の点から、熱プレス法が好ましい。
プレス温度(プレス機内のプレス板の温度)は、120〜180℃が好ましく、130〜170℃がより好ましい。プレス温度が120℃以上であれば、接合が充分に行われ、接触不良による抵抗の上昇が抑えられる。プレス温度が170℃以下であれば、触媒層が劣化しにくく、また、固体高分子電解質膜が変形しにくい。プレス温度が130〜170℃であれば、膜電極接合体の発電特性、耐久性が良好となる。
プレス圧力は、0.5〜5MPaが好ましく、1〜4MPaがより好ましい。プレス圧力が0.5MPa以上であれば、接合が充分に行われ、接触不良による抵抗の上昇が抑えられる。プレス圧力が5MPa以下であれば、触媒層が劣化しにくく、また、固体高分子電解質膜が変形しにくい。プレス圧力が1〜4MPaであれば、膜電極接合体の発電特性、耐久性が良好となる。
プレス時間は、0.5〜10分が好ましく、1〜5分がより好ましい。プレス時間が0.5分以上であれば、接合が充分に行われ、接触不良による抵抗の上昇が抑えられる。プレス時間が10分以下であれば、触媒層が劣化しにくく、また、固体高分子電解質膜が変形しにくい。プレス時間が1〜5分であれば、膜電極接合体の発電特性、耐久性が良好となる。
以上説明した本発明の膜電極接合体の製造方法にあっては、導電性ファイバーを含む液をシート状補強材に含浸させてなるウエット層とガス拡散性基材とが接した状態でウエット層を乾燥して補強層を形成しているため、ウエット層を構成する導電性ファイバーを含む液の一部がガス拡散性基材に浸入し、ウエット層から形成される補強層と、ガス拡散性基材からなるガス拡散層との界面の接着力が向上する。
そして、本発明の膜電極接合体の製造方法によって得られた膜電極接合体は、固体高分子電解質膜内に補強材が存在していないため、固体高分子電解質膜のイオン伝導性が損なわれることがない。その結果、低加湿条件においても高い発電性能を発現できる。
また、第1の電極および/または第2の電極が触媒層とガス拡散層との間に補強層を有しているため、充分な機械的強度を有する。
また、補強層とガス拡散層との界面の接着力が高いため、補強層によって寸法安定性が保たれる。
また、補強層とガス拡散層との接着力が高いため、加湿度が変動した場合であっても、剥離による膜電極接合体の出力電圧の低下がない。すなわち、湿潤と乾燥等を繰り返す環境下においても優れた耐久性を有する。
さらに、補強層を有することによって、ガス拡散層を構成する繊維等が固体高分子電解質膜に突き刺さる等の物理的なダメージを補強層によって防ぐことができる。これによって、膜電極接合体の短絡を抑えることができる。すなわち耐久性に優れる。
<固体高分子形燃料電池>
本発明の製造方法で得られた膜電極接合体の両面に、ガスの流路となる溝が形成されたセパレータを配置することにより、固体高分子形燃料電池が得られる。
セパレータとしては、金属製セパレータ、カーボン製セパレータ、黒鉛と樹脂を混合した材料からなるセパレータ等、各種導電性材料からなるセパレータが挙げられる。
該固体高分子形燃料電池においては、カソードに酸素を含むガス、アノードに水素を含むガスを供給することにより、発電が行われる。また、アノードにメタノールを供給して発電を行うメタノール燃料電池にも、本発明の製造方法で得られた膜電極接合体を適用できる。
本発明の製造方法で得られた膜電極接合体を適用した固体高分子形燃料電池は、低加湿条件においても安定的発電が可能であり、加湿器などの周辺機器を簡素化することができることから、コスト的、小型化に有利である。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。
例1〜3は実施例であり、例4、5は比較例である。
(EW)
ポリマー(P)のEWは、下記の方法により求めた。
滴定によりあらかじめEWがわかっている2種のポリマー(EWが1000g/当量のものと909g/当量のもの)を用意し、それぞれのポリマーからなる2種の膜(厚さ200μm)について、蛍光X線(リガク社製、RIX3000)を用いてイオウ原子に基づくピーク強度を測定し、該ピーク強度とEWとの関係を示す検量線を作成した。ポリマー(P)を、後述するTQ値の温度でプレスして厚さ200μmの膜を作製し、蛍光X線でイオウ原子に基づくピーク強度を測定し、前記検量線にてEWを求めた。なお、ポリマー(P)の−SOF基の割合(モル比)と、ポリマー(Q)の−SOH基の割合(モル比)は同じであるため、ポリマー(P)のEWは、そのままポリマー(Q)のEWとして扱うことができる。
(繰り返し単位のモル比)
ポリマー(P)を構成する繰り返し単位のモル比を、溶融19F−NMRにより求めた。
(TQ値)
TQ値(単位:℃)は、ポリマーの分子量の指標であり、長さ1mm、内径1mmのノズルを用い、2.94MPaの押出し圧力の条件でポリマーの溶融押出しを行った際の押出し量が100mm/秒となる温度である。
フローテスタCFT−500A(島津製作所社製)を用い、温度を変えてポリマー(P)の押出し量を測定し、押出し量が100mm/秒となるTQ値を求めた。
(プロトン伝導率)
ポリマー(Q)のフィルムのプロトン伝導率は、下記の方法により求めた。
5mm幅のポリマー(Q)のフィルムに、5mm間隔で4端子電極が配置された基板を密着させ、公知の4端子法により、温度80℃、相対湿度50%の恒温恒湿条件下にて交流10kHz、1Vの電圧でフィルムの抵抗を測定し、該結果からプロトン伝導率を算出した。該プロトン伝導率は、固体高分子電解質膜の電気抵抗の目安となる。
(軟化温度、ガラス転移温度)
ポリマー(Q)の軟化温度およびガラス転移温度は、下記の方法により求めた。
動的粘弾性測定装置(アイティー計測社製、DVA200)を用い、試料幅0.5cm、つかみ間長2cm、測定周波数1Hz、昇温速度2℃/分の条件にて、ポリマー(Q)のフィルムの動的粘弾性測定を行い、貯蔵弾性率が50℃における値の半分になる値を軟化温度とした。また、tanδのピーク値からガラス転移温度(Tg)を求めた。
(寸法変化率)
膜電極接合体の寸法変化率は、下記の手順により測定した。
(手順1)膜電極接合体から切り出したサンプルを、温度25℃、相対湿度50%の雰囲気下に16時間以上置いた後、サンプルの中心部において縦と横の長さを測定し、その平均寸法(a)を算出した。
(手順2)サンプルを80℃の温水に3時間浸漬した。
(手順3)サンプルを温水から取り出して中心部において縦と横の長さを測定し、その平均寸法(b)を算出した。
(手順4)下式から寸法変化率を算出した。
寸法変化率(%)=[寸法(b)−寸法(a)]/寸法(a)×100。
(温水浸漬試験)
膜電極接合体の温水浸漬試験は、下記の手順により実施した。
(手順1)膜電極接合体を、80℃の温水に3時間浸漬した。
(手順2)膜電極接合体を温水から取り出して12時間室温で乾燥後、ガス拡散層の剥離状況を目視観察した。
(セル電圧)
膜電極接合体を発電用セルに組み込み、膜電極接合体の温度を80℃に維持し、アノードに水素(利用率70%)、カソードに空気(利用率50%)を、それぞれ150kPa(絶対圧力)に加圧して供給した。ガスの加湿度を、水素および空気ともに相対湿度100%にし、電流密度が1.5A/cmのときのセル電圧をそれぞれ記録した。
また、水素および空気ともに相対湿度を20%とし、それぞれ150kPa(絶対圧力)に加圧して供給し、その他は同条件にて電流密度が1.5A/cmのときのセル電圧をそれぞれ記録した。
(抵抗)
膜電極接合体を発電用セルに組み込み、電流遮断法により抵抗を測定した。
(絶縁抵抗)
膜電極接合体の絶縁抵抗は、下記の手順により測定した。
(手順1)2枚の集電板の間に膜電極接合体を置き、集電板にポテンショスタット(北斗電工社製、HA−301)を接続した。
(手順2)集電板/膜電極接合体/集電板の積重物を、絶縁板を介してプレス板で挟み、集電板に50mVの電圧を印加するとともに、膜電極接合体の電極部分に1MPaの圧力を加え、5秒後に電流値を測定した。
(手順3)下式から絶縁抵抗値を算出した。
絶縁抵抗(Ω・cm)=電圧(mV)/(電流値(mA)/電極面積(cm))。
測定を5回行い、絶縁抵抗が1000(Ω・cm)以上を合格としてその数を示した。
(湿潤−乾燥サイクル試験)
湿潤−乾燥サイクル試験は、下記の文献に記載の方法に準じて行った。
Yeh−Hung Lai,Cortney K. Mittelsteadt,Craig S. Gittleman,David A. Dillard,”VISCOELASTIC STRESS MODEL AND MECHANICAL CHARACTERIZATION OF PERFLUOROSULFONIC ACID (PFSA) POLYMER ELECTROLYTE MEMBRANES”,Proceedings of FUELCELL2005,Third International Conference on Fuel Cell Science,Engineering and Technology,FUELCELL2005,(2005),74120.
具体的には、下記のようにして行った。
膜電極接合体を発電用セル(電極面積25cm)に組み込み、セル温度80℃、アノードおよびカソードにそれぞれ窒素を1L/分で供給した。その際に、ガスの加湿度をアノードおよびカソードともに相対湿度150%にして2分間供給した後、相対湿度0%にして2分間供給する工程を1サイクルとして繰り返した。100サイクルごとに、アノードとカソードとの間に圧力差を生じさせ、物理的なガスリークの有無を判定した。ガスリークが生じ、かつ、ガスクロスオーバー速度が10sccm以上になった時点を寿命と判断した。該時点におけるサイクル数を耐久性能の指標とする。
サイクル数が20000サイクル未満を×、20000サイクル以上を○とした。
(ポリマー(Q))
化合物(m1−2)の合成:
特開2008−202039号公報の例1に記載の方法にしたがって、化合物(m1−2)を合成した。
ポリマー(P−1)の合成:
オートクレーブ(内容積2575cm、ステンレス製)を窒素で置換し、充分に脱気を行った。減圧下で、化合物(m1−2)の950.3g、化合物(m2−1)の291.4g、溶媒である化合物(s−1)の490.1g、メタノールの173.7mgおよびラジカル開始剤である化合物(i−1)(日本油脂社製、パーロイルIPP)の873.1mgを入れ、オートクレーブ内を蒸気圧まで脱気した。
CClFCFCHClF ・・・(s−1)、
(CHCHOC(=O)OOC(=O)OCH(CH ・・・(i−1)。
内温を40℃に昇温し、オートクレーブにTFEを導入し、圧力を0.44MPaG(ゲージ圧)とした。温度、圧力を一定に保持して、6.0時間重合を行った。ついで、オートクレーブ内を冷却して重合を停止し、系内のガスをパージした。
反応液を化合物(s−1)で希釈した後、化合物(s−2)を加え、ポリマーを凝集させ、ろ過した。
CHCClF ・・・(s−2)。
化合物(s−1)中でポリマーを撹拌した後、化合物(s−2)を加え、ポリマーを再凝集し、ろ過した。該再凝集を2回繰り返した。ポリマーを80℃で一晩減圧乾燥し、TFEと化合物(m1−2)と化合物(m2−1)とのコポリマーであるポリマー(P−1)の203.4gを得た。EW、ポリマーを構成する繰り返し単位の比およびTQ値を表1に示す。
Figure 2012018871
ポリマー(Q−1)の合成:
ポリマー(P−1)を、メタノールを含む水酸化カリウム水溶液に加熱しながら加え、−SOF基を加水分解して−SOK基に変換した。
該ポリマーを水洗し、硫酸水溶液に加えて、−SOK基をスルホン酸基に変換し酸型のポリマー(Q−1)を得た。
(基材フィルム)
基材フィルムとして、ETFEフィルム(旭硝子社製、アフレックス100N、厚さ:100μm)を用意した。
(固体高分子電解質膜)
膜形成用塗工液の調製:
ポリマー(Q−1)をエタノール/水=1/1(質量比)の混合分散媒に分散させ、固形分濃度が13質量%の膜形成用塗工液を得た。
固体高分子電解質膜の形成:
膜形成用塗工液を基材フィルムの表面にダイコータで塗布し、80℃の乾燥器内で15分間乾燥させ、さらに160℃の乾燥器内で1時間の熱処理を施して厚さ20μmの固体高分子電解質膜を形成した。
固体高分子電解質膜(ポリマー(Q−1)のフィルム)の軟化温度、ガラス転移温度、プロトン伝導率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2012018871
(触媒塗工液)
ポリマー(Q−1)をエタノール/水=1/1(質量比)の混合分散媒に分散させ、固形分濃度が13質量%のポリマー(Q−1)分散液を得た。
カーボン担体(比表面積800m/g)に白金が50%担持された触媒(田中貴金属工業社製)の10gを蒸留水の58.1gに添加してよく撹拌し、さらにエタノールの58.1gを加えて超音波印加装置を用いて粉砕し、よく撹拌した。これにポリマー(Q1)分散液の33.8gを加え、よく撹拌し、固形分濃度が9質量%、粘度が3200mPa・s、F/Cが0.95の触媒塗工液を得た。
(導電性塗工液(1))
TFEに基づく単位と、単位(u2−1)とからなるポリマー(H−1)(イオン交換容量:1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)をエタノールに分散させ、固形分濃度10質量%のポリマー(H−1)分散液を得た。
気相成長炭素繊維(昭和電工社製、VGCF−H、繊維径:約150nm、繊維長:10〜20μm)の10.0gに蒸留水35.1gを加え、よく撹拌した。これにポリマー(H−1)分散液の30.0gおよびエタノールの54.9gを加え、よく撹拌し、さらに超音波印加装置を用いて混合、粉砕させ、固形分濃度が10質量%の導電性塗工液(1)を得た。導電性塗工液(1)中の気相成長炭素繊維とポリマー(H−1)との質量比(気相成長炭素繊維/ポリマー(H−1))は、1/0.3であった。
(導電性塗工液(2))
ポリマー(H−1)をエタノールに分散させ、固形分濃度10質量%のポリマー(H−1)分散液を得た。
気相成長炭素繊維(昭和電工社製、VGCF−H、繊維径:約150nm、繊維長:10〜20μm)の10.0gに蒸留水36.8gを加え、よく撹拌した。これにポリマー(H−1)分散液の30.0gおよびエタノールの9.8gを加え、よく撹拌し、さらに超音波印加装置を用いて混合、粉砕させ、固形分濃度が15質量%の導電性塗工液(2)を得た。導電性塗工液(2)中の気相成長炭素繊維とポリマー(H−1)との質量比(気相成長炭素繊維/ポリマー(H−1))は、1/0.3であった。
(シート状補強材)
シート状補強材として、ポリプロピレン不織布(目付け量:5g/m、平均繊維径:2μm、厚さ:40μm)を用意した。
(ガス拡散基材)
ガス拡散層を構成するガス拡散性基材として、カーボンブラック粒子とポリテトラフルオロエチレンとを含む分散液により表面が撥水処理されたカーボンペーパー(NOK社製、商品名:H2315 T10X6、厚さ:210μm)を用意した。
〔例1〕
工程(Ia1):
方法(α)にてウエット層を形成した。
(α1)基材フィルムの表面に、ダイコータを用いて導電性塗工液(1)を、塗布量が0.4mg/cmとなるように塗布した後、80℃の乾燥器内で15分間乾燥させ下地層を形成した。
(α2)下地層の表面に、ダイコータを用いて導電性塗工液(2)を、塗布量が2.0mg/cmとなるように塗布し、導電性塗工液層を形成した。
(α3)導電性塗工液層にシート状補強材を重ね、導電性塗工液層の一部をシート状補強材に含浸させた。
(α4)シート状補強材の表面に、ダイコータを用いて導電性塗工液(2)を、塗布量が2.0mg/cmとなるように塗布し、含浸させてウエット層を形成した。
工程(Ia2):
ウエット層にガス拡散性基材を重ねた後、ウエット層を80℃の乾燥器内で15分間乾燥させ、厚さ100μmの補強層を形成した。この際、基材フィルム側の表面には、気相成長炭素繊維およびポリマー(H−1)を含み、シート状補強材を含まない厚さ30μmの表皮層が形成された。
工程(Ia3):
補強層から基材フィルムを剥離して補強層付きガス拡散性基材(A)を得た。あらかじめ基材フィルムの表面に下地層を形成していたため、基材フィルムをスムーズに剥離できた。
工程(IIa):
基材フィルムの表面に触媒塗工液を、白金量が0.5mg/cmとなるようにダイコータを用いて塗布し、触媒塗工液層を形成した。触媒塗工液層を80℃の乾燥器内で15分間乾燥させ、さらに140℃の乾燥器内で30分間熱処理を施して厚さ10μmの触媒層を形成した。
基材フィルムの表面の触媒層を固体高分子電解質膜の両面に転写し、膜触媒層接合体(B)を得た。
工程(IIIa):
膜触媒層接合体(B)の両面に、補強層付きガス拡散性基材(A)を、(B)の触媒層と(A)の補強層とが接するように配置し、あらかじめ150℃に加熱したプレス機の中に入れ、1.5MPaのプレス圧力で2分間熱プレスし、膜電極接合体を得た。
膜電極接合体についてセル電圧、抵抗、絶縁抵抗を測定した。また湿潤−乾燥サイクル試験を行った。結果を表3に示す。
〔例2〕
工程(Ib1):
方法(ε)にてウエット層を形成した。
(ε1)ガス拡散性基材の表面に、ダイコータを用いて導電性塗工液(2)を、塗布量が2.0mg/cmとなるように塗布し、導電性塗工液層を形成した。
(ε2)導電性塗工液層にシート状補強材を重ね、導電性塗工液層の一部をシート状補強材に含浸させた。
(ε3)シート状補強材の表面に、ダイコータを用いて導電性塗工液(2)を、塗布量が2.0mg/cmとなるように塗布し、含浸させてウエット層を形成した。
工程(Ib2):
ウエット層を80℃の乾燥器内で15分間乾燥させ、厚さ90μmの補強層を形成し、補強層付きガス拡散性基材(A)を得た。
工程(IIc):
方法(ι)にて触媒層を形成した。
(ι1)補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層の表面に、触媒塗工液を、白金量が0.5mg/cmとなるようにダイコータを用いて塗布し、触媒塗工液層を形成した。
(ι2)触媒塗工液層を80℃の乾燥器内で15分間乾燥させ、さらに140℃の乾燥器内で30分間熱処理を施して厚さ10μmの触媒層を形成し、電極(D)を得た。
工程(IIIc):
固体高分子電解質膜の両面に、電極(D)を、固体高分子電解質膜と(D)の触媒層とが接するように配置し、あらかじめ150℃に加熱したプレス機の中に入れ、1.5MPaのプレス圧力で2分間熱プレスし、膜電極接合体を得た。
膜電極接合体についてセル電圧、抵抗、絶縁抵抗を測定した。また湿潤−乾燥サイクル試験を行った。結果を表3に示す。
〔例3〕
工程(Ia1)〜(Ia3)にて補強層付きガス拡散性基材(A)を得た。ついで、工程(Ib1)、(Ib2)、(IIc)にて電極(D)を得た。
工程(IIb):
方法(η)にて触媒層を形成した。
(η)基材フィルムの表面に形成された固体高分子電解質膜の表面に、触媒塗工液を、白金量が0.5mg/cmとなるようにダイコータを用いて塗布し、触媒塗工液層を形成した。触媒塗工液層を80℃の乾燥器内で15分間乾燥させ、さらに140℃の乾燥器内で30分間熱処理を施して厚さ10μmの触媒層を形成した。固体高分子電解質膜から基材フィルムを剥離して触媒層付き固体高分子電解質膜(C)を得た。
工程(IIIb):
触媒層付き固体高分子電解質膜(C)の表面に、補強層付きガス拡散性基材(A)および電極(D)を、(C)の触媒層と(A)の補強層とが接し、かつ(C)の固体高分子電解質膜と(D)の触媒層とが接するように配置し、あらかじめ150℃に加熱したプレス機の中に入れ、1.5MPaのプレス圧力で2分間熱プレスし、膜電極接合体を得た。
膜電極接合体についてセル電圧、抵抗、絶縁抵抗を測定した。また湿潤−乾燥サイクル試験を行った。結果を表3に示す。
〔例4〕
基材フィルムの表面に、ダイコータを用いて導電性塗工液(1)を、塗布量が0.4mg/cmとなるように塗布した後、80℃の乾燥器内で15分間乾燥させ下地層を形成した。下地層の表面にシート状補強材を重ね、その上にダイコータを用いて導電性塗工液(1)を、塗布量が1.6mg/cmとなるように塗布し、含浸させてウエット層を形成した。
ウエット層を80℃の乾燥器内で15分間乾燥させ、厚さ70μmの補強層を形成した。この際、基材フィルム側の表面には、気相成長炭素繊維およびポリマー(H−1)を含み、シート状補強材を含まない厚さ20μmの表皮層が形成された。
補強層から基材フィルムを剥離して補強層を得た。あらかじめ基材フィルムの表面に下地層を形成していたため、基材フィルムをスムーズに剥離できた。
基材フィルムの表面に触媒塗工液を、白金量が0.5mg/cmとなるようにダイコータを用いて塗布し、触媒塗工液層を形成した。触媒塗工液層を80℃の乾燥器内で15分間乾燥させ、さらに140℃の乾燥器内で30分間熱処理を施して厚さ10μmの触媒層を形成した。
基材フィルムの表面の触媒層を固体高分子電解質膜の両面に転写し、膜触媒層接合体(B)を得た。
膜触媒層接合体(B)の両面に補強層を、触媒層と補強層の表皮層とが接するように配置し、あらかじめ150℃に加熱したプレス機の中に入れ、1.5MPaのプレス圧力で2分間熱プレスし、補強層付き膜電極接合体を得た。
補強層付き膜触媒層接合体の両面にガス拡散性基材を、ガス拡散性基材と補強層とが接するように配置し、あらかじめ150℃に加熱したプレス機の中に入れ、1.5MPaのプレス圧力で2分間熱プレスし、膜電極接合体を得た。
膜電極接合体についてセル電圧、抵抗、絶縁抵抗を測定した。また湿潤−乾燥サイクル試験を行った。結果を表3に示す。
〔例5〕
基材フィルムの表面に触媒塗工液を、白金量が0.5mg/cmとなるようにダイコータを用いて塗布し、触媒塗工液層を形成した。触媒塗工液層を80℃の乾燥器内で15分間乾燥させ、さらに140℃の乾燥器内で30分間熱処理を施して厚さ10μmの触媒層を形成した。
基材フィルムの表面の触媒層を固体高分子電解質膜の両面に転写し、膜触媒層接合体(B)を得た。
膜触媒層接合体(B)の両面に、ガス拡散性基材(NOK社製、商品名:H2315 T10X6 CX96、厚さ240μm)を配置し、あらかじめ150℃に加熱したプレス機の中に入れ、1.5MPaのプレス圧力で2分間熱プレスし、膜電極接合体を得た。
膜電極接合体についてセル電圧、抵抗、絶縁抵抗を測定した。また湿潤−乾燥サイクル試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 2012018871
本発明の膜電極接合体は、低加湿条件や湿潤と乾燥等を繰り返す環境下において運転される固体高分子形燃料電池用膜電極接合体として有用である。
10 膜電極接合体
20 第1の電極
22 触媒層
24 補強層
26 ガス拡散層
30 第2の電極
32 触媒塗工液層
40 固体高分子電解質膜
50 サブガスケット
60 基材フィルム
62 下地層
64 導電性塗工液層
66 シート状補強材
68 ウエット層
70 ガス拡散性基材
72 補強層付きガス拡散性基材(A)
74 膜触媒層接合体(B)
76 触媒層付き固体高分子電解質膜(C)
78 電極(D)
80 電極付き固体高分子電解質膜(E)

Claims (10)

  1. 触媒層とガス拡散性基材からなるガス拡散層とを有する第1の電極と、
    触媒層とガス拡散性基材からなるガス拡散層とを有する第2の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置される固体高分子電解質膜とを備え、
    前記第1の電極および前記第2の電極のうち少なくとも一方が、ポリマーからなる多孔質のシート状補強材および導電性ファイバーを含む補強層をさらに有する固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、
    下記の工程(I)を有する、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
    (I)導電性ファイバーを含む液をシート状補強材に含浸させてなるウエット層とガス拡散性基材とが接した状態でウエット層を乾燥して補強層を形成し、補強層付きガス拡散性基材(A)を得る工程。
  2. 前記工程(I)が、下記の工程(Ia)である、請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
    (Ia)基材フィルムの表面に、導電性ファイバーを含む液をシート状補強材に含浸させてなるウエット層を形成し、該ウエット層にガス拡散性基材を重ねた後、ウエット層を乾燥して補強層を形成し、補強層付きガス拡散性基材(A)を得る工程。
  3. 前記工程(I)が、下記の工程(Ib)である、請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
    (Ib)ガス拡散性基材の表面に、導電性ファイバーを含む液をシート状補強材に含浸させてなるウエット層を形成した後、ウエット層を乾燥して補強層を形成し、補強層付きガス拡散性基材(A)を得る工程。
  4. 下記の工程(II)および工程(III)をさらに有する、請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
    (II)固体高分子電解質膜の表面または補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層の表面に触媒層を形成する工程。
    (III)前記固体高分子電解質膜と前記補強層付きガス拡散性基材(A)とを、いずれかの表面に形成された触媒層を介して接合する工程。
  5. 下記の工程(IIa)および工程(IIIa)をさらに有する、請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
    (IIa)固体高分子電解質膜の両面に触媒層を形成して膜触媒層接合体(B)を得る工程。
    (IIIa)前記膜触媒層接合体(B)の両面に、前記補強層付きガス拡散性基材(A)を、前記(B)の触媒層と前記(A)の補強層とが接するように接合して膜電極接合体を得る工程。
  6. 下記の工程(IIb)、工程(IIc)および工程(IIIb)をさらに有する、請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
    (IIb)固体高分子電解質膜の片面に触媒層を形成して触媒層付き固体高分子電解質膜(C)を得る工程。
    (IIc)前記補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層上に触媒層を形成して電極(D)を得る工程。
    (IIIb)前記触媒層付き固体高分子電解質膜(C)に、前記補強層付きガス拡散性基材(A)および前記電極(D)を、前記(C)の触媒層と前記(A)の補強層とが接し、かつ前記(C)の固体高分子電解質膜と前記(D)の触媒層とが接するように接合して膜電極接合体を得る工程。
  7. 下記の工程(IIc)および工程(IIIc)をさらに有する、請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
    (IIc)前記補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層上に触媒層を形成して電極(D)を得る工程。
    (IIIc)固体高分子電解質膜の両面に、前記電極(D)を、前記固体高分子電解質膜と前記(D)の触媒層とが接するように接合して膜電極接合体を得る工程。
  8. 下記の工程(IIc)、工程(IId)および工程(IIId)をさらに有する、請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
    (IIc)前記補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層上に触媒層を形成して電極(D)を得る工程。
    (IId)前記補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層と固体高分子電解質膜との間に触媒層を形成して電極付き固体高分子電解質膜(E)を得る工程。
    (IIId)前記電極付き固体高分子電解質膜(E)に、前記電極(D)を、前記(E)の固体高分子電解質膜と前記(D)の触媒層とが接するように接合して膜電極接合体を得る工程。
  9. 前記工程(IIc)において補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層上に触媒層を形成する方法が、下記の工程(κ1)〜(κ4)を有する方法(κ)である、請求項6〜8のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
    (κ1)基材フィルムの表面に触媒塗工液を塗布し、触媒塗工液層を形成する工程。
    (κ2)前記触媒塗工液層に前記補強層付きガス拡散性基材(A)を、前記触媒塗工液層と前記補強層とが接するように重ねる工程。
    (κ3)前記触媒塗工液層を乾燥して触媒層を形成する工程。
    (κ4)前記触媒層から前記基材フィルムを剥離して電極(D)を得る工程。
  10. 前記工程(IId)において補強層付きガス拡散性基材(A)の補強層と固体高分子電解質膜との間に触媒層を形成する方法が、下記の工程(λ1)〜(λ4)を有する方法(λ)である、請求項8に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
    (λ1)基材フィルムの表面に形成された固体高分子電解質膜の表面に触媒塗工液を塗布し、触媒塗工液層を形成する工程。
    (λ2)前記触媒塗工液層に前記補強層付きガス拡散性基材(A)を、前記触媒塗工液層と前記補強層とが接するように重ねる工程。
    (λ3)前記触媒塗工液層を乾燥して触媒層を形成する工程。
    (λ4)前記固体高分子電解質膜から前記基材フィルムを剥離して電極付き固体高分子電解質膜(E)を得る工程。
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