JP5082470B2 - 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体に関する。
固体高分子形燃料電池は、電気自動車用、家庭用の電源として注目されている。該固体高分子形燃料電池は、2つのセパレータの間に膜電極接合体を挟んでセルを形成し、複数のセルを、セパレータと膜電極接合体とが交互に重なるように、スタックしたものである。膜電極接合体は、触媒およびプロトン伝導性ポリマーを含む触媒層を有するアノードおよびカソードと、アノードとカソードとの間に配置される固体高分子電解質膜とを備えたものである。
触媒としては、カーボンブラック等のカーボン材料からなる担体に白金または白金合金を担持した担持触媒が知られている。
プロトン伝導性ポリマーとしては、下記ポリマーが知られている。
テトラフルオロエチレンとCF=CF−(OCFCFX−O−(CF−A(ただし、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0または1であり、Aはスルホン酸型官能基ある。)の共重合体(特許文献1)。
該プロトン伝導性ポリマーを触媒層に用いた場合、高い出力電圧の膜電極接合体を得るためには、プロトン伝導性ポリマーと、担持触媒の担体であるカーボン材料との質量比(プロトン伝導性ポリマー/カーボン材料)を通常0.9以上とする必要がある。しかし、該膜電極接合体には、下記問題がある。
たとえば、電気自動車のアクセルを急に踏む等により、急激な電流変化が起こった場合、出力電圧が急激に低下し、しかも低下した出力電圧が元の出力電圧に戻るまでに時間がかかる。
よって、膜電極接合体には、急激な電流変化によって出力電圧が急激に低下したとしても、低下した出力電圧が元の出力電圧に素早く戻る性能(以下、負荷応答性と記す。)が要求される。
通常、固体分子形燃料電池においては、アノードに供給する燃料ガスおよびカソードに供給する酸化ガスの圧力および流量が大きいほど出力電流を多く取り出すことができる。そのため、通常の固体分子形燃料電池においては、燃料ガスおよび酸化ガスの圧力または流量を大きくすることによって、負荷応答性を確保している。
しかし、必要以上の圧力または流量で燃料ガスおよび酸化ガスを供給することは、燃料ガスおよび酸化ガスのロスが増えることに加え、コンプレッサを駆動する電力も無駄になり、燃料電池システムの効率低下を避けられない。
特開2004−96835号公報(段落0002〜0006)
本発明は、出力電圧が高く、かつ負荷応答性のよい固体分子形燃料電池用膜電極接合体を提供する。
本発明の固体分子形燃料電池用膜電極接合体は、プロトン伝導性含フッ素ポリマーおよびカーボン材料を含む触媒層を有するアノードおよびカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置される固体高分子電解質膜とを備え、前記プロトン伝導性含フッ素ポリマーのイオン交換容量が、1.4〜1.8ミリ当量/g乾燥樹脂であり、前記プロトン伝導性含フッ素ポリマーの含水率が、150質量%以下であり、前記プロトン伝導性含フッ素ポリマーと前記カーボン材料との質量比(プロトン伝導性含フッ素ポリマー/カーボン材料)が、0.7〜0.8であることを特徴とする。
前記プロトン伝導性含フッ素ポリマーは、イオン性基を有するパーフルオロカーボンポリマーであることが好ましい。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、出力電圧が高く、かつ負荷応答性がよい。
本明細書においては、式(α)で表される基を基(α)と記す。他の式で表される基も同様に記す。また、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
<膜電極接合体>
図1は、本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体(以下、膜電極接合体と記す。)の一例を示す断面図である。膜電極接合体10は、触媒層11およびガス拡散層12を有するアノード13と、触媒層11およびガス拡散層12を有するカソード14と、アノード13とカソード14との間に、触媒層11に接した状態で配置される固体高分子電解質膜15とを具備する。
(触媒層)
触媒層11は、触媒(担体としてカーボン材料を含む。)とプロトン伝導性含フッ素ポリマーとを含む層である。
触媒としては、担体であるカーボン材料に白金または白金合金を担持した担持触媒が挙げられる。カーボン材料とは、実質的に炭素原子からなる材料を意味する。カーボン材料としては、カーボンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等が挙げられる。
触媒層は、必要に応じて、白金または白金合金が担持されていないカーボン材料を含んでいてもよい。
プロトン伝導性含フッ素ポリマーのイオン交換容量は、1.4〜1.8ミリ当量/g乾燥樹脂であり、1.5〜1.7ミリ当量/g乾燥樹脂が好ましい。プロトン伝導性含フッ素ポリマーのイオン交換容量が1.4ミリ当量/g乾燥樹脂以上であれば、プロトン伝導性が良好となり、膜電極接合体の負荷応答性が良好となる。また、膜電極接合体の出力が高くなる。プロトン伝導性含フッ素ポリマーのイオン交換容量が1.8ミリ当量/g乾燥樹脂以下であれば、プロトン伝導性含フッ素ポリマーの膨潤が抑えられるため、触媒層およびガス拡散層の閉塞等による出力電圧の低下が抑えられる。
プロトン伝導性含フッ素ポリマーのイオン交換容量は、下記方法により求める。
プロトン伝導性含フッ素ポリマーを、水およびメタノールを溶媒とする一定濃度の水酸化ナトリウム溶液に浸漬して加水分解し、該溶液を逆滴定することによりイオン交換容量を求める。
プロトン伝導性含フッ素ポリマーの含水率は、150質量%以下であり、140質量%以下が好ましく、130質量%以下がより好ましい。プロトン伝導性含フッ素ポリマーの含水率が150質量%以下であれば、プロトン伝導性含フッ素ポリマーの膨潤が抑えられるため、ガス拡散層の閉塞等による出力電圧の低下が抑えられる。プロトン伝導性含フッ素ポリマーの含水率は、65質量%以上が好ましい。
プロトン伝導性含フッ素ポリマーの含水率は、下記方法により求める。
プロトン伝導性含フッ素ポリマーを80℃の温水中に16時間浸漬した後、温水ごとプロトン伝導性含フッ素ポリマーを室温まで冷却する。水中よりプロトン伝導性含フッ素ポリマーを取り出し、表面に付着した水滴をふき取り、直ちにプロトン伝導性含フッ素ポリマーの含水時の質量を測定する。ついで、該プロトン伝導性含フッ素ポリマーをグローブボックス中に入れ、乾燥窒素を流した雰囲気中に24時間以上放置し、プロトン伝導性含フッ素ポリマーを乾燥させる。そして、グローブボックス中でプロトン伝導性含フッ素ポリマーの乾燥質量を測定する。プロトン伝導性含フッ素ポリマーの含水時の質量と乾燥質量との差が、プロトン伝導性含フッ素ポリマーが含水時に吸収する水の質量となる。そして、下式よりプロトン伝導性含フッ素ポリマーの含水率を求める。
含水率=(プロトン伝導性含フッ素ポリマーが含水時に吸収する水の質量/プロトン伝導性含フッ素ポリマーの乾燥質量)×100。
プロトン伝導性含フッ素ポリマーが後述する液状組成物である場合は、液状組成物を適当な基材に塗布し、乾燥、熱処理して、膜状にしてから含水率を求める。熱処理の温度は、180〜200℃が好ましい。熱処理の温度が低すぎると、プロトン伝導性含フッ素ポリマーの種類によっては、ポリマー骨格が安定せず、本来の含水率より高い含水率になるおそれがある。熱処理の温度が高すぎると、イオン性基の熱分解が始まり、本来の含水率より低い含水率になるおそれがある。
本発明においては、化学的な耐久性の点から、プロトン伝導性ポリマーとして、プロトン伝導性含フッ素ポリマーを用いる。プロトン伝導性含フッ素ポリマーとしては、化学的な耐久性の点から、イオン性基を有するパーフルオロポリマーが好ましい。イオン性基としては、スルホン酸基、スルホンイミド基、スルホンメチド基等が挙げられる。
イオン性基を有する含フッ素ポリマーとしては、基(α)を有する繰り返し単位を有するポリマー(以下、ポリマーQと記す。)が好ましい。
Figure 0005082470
ただし、Qは、エーテル性の酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキレン基であり、Qは、単結合またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキレン基であり、Rf1は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキル基であり、Xは、酸素原子、窒素原子または炭素原子であり、aは、Xが酸素原子の場合0であり、Xが窒素原子の場合1であり、Xが炭素原子の場合2であり、Yは、フッ素原子または1価のパーフルオロ有機基である。
、Qのパーフルオロアルキレン基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、パーフルオロアルキレン基の炭素原子−炭素原子結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよい。
パーフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
パーフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。炭素数が多すぎると、含フッ素モノマーの沸点が高くなり、蒸留精製が難しくなる。また、炭素数が多すぎると、ポリマーQのイオン交換容量が低下する。
は、エーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のパーフルオロアルキレン基であることが好ましい。Qがエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のパーフルオロアルキレン基であれば、Qが単結合である場合に比べ、長期にわたって固体高分子形燃料電池を運転した際に、出力電圧の安定性に優れる。
、Qの少なくとも一方は、エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のパーフルオロアルキレン基であることが好ましい。エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のパーフルオロアルキレン基を有する含フッ素モノマーは、フッ素ガスによるフッ素化反応を経ずに合成できるため、収率が良好で、製造が容易である。
−SOX(SOf1 基としては、スルホン酸基(−SO 基)、スルホンイミド基(−SON(SOf1基)、スルホンメチド基(−SOC(SOf1 基)が挙げられる。
f1のパーフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。Rf1の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。Rf1としては、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基等が好ましい。
スルホンメチド基の場合、2つのRf1は、同じ基であってもよく、異なる基であってもよい。
Yとしては、フッ素原子、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。
ポリマーQは、さらに、後述する他のモノマーに基づく繰り返し単位を有していてもよい。
ポリマーQとしては、化学的な耐久性の点から、パーフルオロカーボンポリマーが好ましい。該パーフルオロカーボンポリマーは、エーテル性の酸素原子を有していてもよい。
ポリマーQは、たとえば、下記工程を経て製造できる。
(I)基(β)を有するモノマー(以下、化合物(m1)と記す。)および必要に応じて他のモノマーを重合し、−SOF基を有する前駆体ポリマー(以下、ポリマーPと記す。)を得る工程。
Figure 0005082470
(II)必要に応じて、ポリマーPとフッ素ガスとを接触させ、ポリマーPの不安定末端基をフッ素化する工程。
(III)ポリマーPの−SOF基を、スルホン酸基、スルホンイミド基、またはスルホンメチド基に変換し、ポリマーQを得る工程。
(I)工程:
化合物(m1)は、たとえば、後述する例1に示す合成例によって得ることができる。
他のモノマーとしては、たとえば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニル、エチレン、CF=CFORf2、CH=CHRf3、CH=CHCHf3等が挙げられる。ただし、Rf2は、エーテル性の酸素原子を含んでもよい炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基であり、Rf3は、炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基である。
他のモノマーのうち、化学的な耐久性および機械的強度の点から、パーフルオロモノマーが好ましく、テトラフルオロエチレンがより好ましい。
重合法としては、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法が挙げられる。
重合は、ラジカルが生起する条件で行われる。ラジカルを生起させる方法としては、紫外線、γ線、電子線等の放射線を照射する方法、開始剤を添加する方法等が挙げられる。
重合温度は、通常、20〜150℃である。
開始剤としては、ビス(フルオロアシル)パーオキシド類、ビス(クロロフルオロアシル)パーオキシド類、ジアルキルパーオキシジカーボネート類、ジアシルパーオキシド類、パーオキシエステル類、アゾ化合物類、過硫酸塩類等が挙げられ、不安定末端基が少ない前駆体ポリマーPが得られる点から、ビス(フルオロアシル)パーオキシド類等のパーフルオロ化合物が好ましい。
溶液重合法にて用いる溶媒としては、ポリフルオロトリアルキルアミン化合物、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロアルカン、クロロフルオロアルカン、分子鎖末端に二重結合を有しないフルオロオレフィン、ポリフルオロシクロアルカン、ポリフルオロ環状エーテル化合物、ヒドロフルオロエーテル類、フッ素含有低分子量ポリエーテル、tert−ブタノール等が挙げられる。
(II)工程:
不安定末端基とは、連鎖移動反応によって形成される基、ラジカル開始剤に基づく基等であり、具体的には、−COOH基、−CF=CF基、−COF基、−CFH基等である。不安定末端基をフッ素化することにより、ポリマーQの分解が抑えられる。
フッ素ガスは、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスで希釈して用いてもよく、希釈せずにそのまま用いてもよい。
ポリマーPとフッ素ガスとを接触させる際の温度は、室温〜300℃が好ましく、50〜250℃がより好ましく、100〜220℃がさらに好ましく、150〜200℃が特に好ましい。
ポリマーPとフッ素ガスとの接触時間は、1分〜1週間が好ましく、1〜50時間がより好ましい。
(III)工程:
たとえば、−SOF基をスルホン酸基に変換する場合は、(III−1)工程を行い、−SOF基をスルホンイミド基に変換する場合は、(III−2)工程を行う。
(III−1)ポリマーPの−SOF基を加水分解してスルホン酸塩とし、スルホン酸塩を酸型化してスルホン酸基に変換する工程。
(III−2)ポリマーPの−SOF基をスルホンイミド化してスルホンイミド基に変換する工程。
(III−1)工程:
加水分解は、たとえば、溶媒中にてポリマーPと塩基性化合物とを接触させて行う。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。溶媒としては、水、水と極性溶媒との混合溶媒等が挙げられる。極性溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール等。)、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
酸型化は、たとえば、−SOF基が加水分解されたポリマーPを、塩酸、硫酸等の水溶液に接触させて行う。
加水分解および酸型化は、通常、0〜120℃にて行う。
(III−2)工程:
スルホンイミド化としては、米国特許第5463005号明細書に記載の方法、Inorg.Chem.32(23)、5007頁(1993年)に記載の方法等、公知の方法が挙げられる。
プロトン伝導性含フッ素ポリマーとカーボン材料との質量比(プロトン伝導性含フッ素ポリマー/カーボン材料)は、0.7〜0.8であり、0.72〜0.78が好ましい。該質量比が0.7以上であれば、触媒層中のプロトン伝導性が良好となり、膜電極接合体の出力電圧が充分に高くなる。質量比が0.8以下であれば、触媒層中のガス拡散性が良好となり、膜電極接合体の負荷応答性が良好となる。
該質量比におけるカーボン材料は、担持触媒の担体として用いられたカーボン材料、および必要に応じて添加される、白金または白金合金が担持されていないカーボン材料である。
(ガス拡散層)
ガス拡散層12としては、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等が挙げられる。
ガス拡散層12は、ポリテトラフルオロエチレン等によって撥水化処理されていることが好ましい。
(固体高分子電解質膜)
固体高分子電解質膜15は、プロトン伝導性含フッ素ポリマーを含む膜である。
プロトン伝導性含フッ素ポリマーとしては、触媒層11を構成するプロトン伝導性含フッ素ポリマーと同様のポリマーが好ましく挙げられる。
固体高分子電解質膜15は、補強材を含んでいてもよい。補強材としては、多孔体、繊維、織布、不織布等が挙げられる。補強材の材料としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。
(カーボン層)
膜電極接合体10は、図2に示すように、触媒層11とガス拡散層12との間にカーボン層16を有していてもよい。カーボン層16を配置することにより、触媒層11の表面のガス拡散性が向上し、固体高分子形燃料電池の出力電圧が大きく向上する。
カーボン層16は、カーボンとフッ素系ポリマーとを含む層である。
カーボンとしては、繊維径1〜1000nm、繊維長1000μm以下のカーボンナノファイバーが好ましい。
フッ素系ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
(膜電極接合体の製造方法)
膜電極接合体10は、たとえば、下記方法にて製造される。
(a−1)固体高分子電解質膜15上に触媒層11を形成して膜触媒層接合体とし、該膜触媒層接合体をガス拡散層12で挟み込む方法。
(a−2)ガス拡散層12上に触媒層11を形成して電極(アノード13、カソード14)とし、固体高分子電解質膜15を該電極で挟み込む方法。
膜電極接合体10がカーボン層16を有する場合、膜電極接合体10は、たとえば、下記方法にて製造される。
(b−1)基材フィルム上に、カーボンおよびフッ素系ポリマーを含む分散液を塗布し、乾燥させてカーボン層16を形成し、カーボン層16上に触媒層11を形成し、触媒層11と固体高分子電解質膜15とを貼り合わせ、基材フィルムを剥離して、カーボン層16を有する膜触媒層接合体とし、該膜触媒層接合体をガス拡散層12で挟み込む方法。
(b−2)ガス拡散層12上に、カーボンおよびフッ素系ポリマーを含む分散液を塗布し、乾燥させてカーボン層16を形成し、(a−1)の方法における膜触媒層接合体を、カーボン層16を有するガス拡散層12で挟み込む方法。
固体高分子電解質膜15は、下記方法によって製造される。
(x−1)前駆体ポリマーを膜状に成形した後、−SOF基をイオン性基に変換する方法。
(x−2)プロトン伝導性含フッ素ポリマーを膜状に成形する方法。
(x−1)方法:
前駆体ポリマーを膜状に成形する方法としては、押出成形法、加圧プレス成形法、延伸法等が挙げられる。
(x−2)方法:
プロトン伝導性含フッ素ポリマーを膜状に成形する方法としては、プロトン伝導性含フッ素ポリマーの液状組成物を基材に塗工、乾燥する方法(キャスト法)が挙げられる。
液状組成物は、水酸基を有する有機溶媒および水を含む分散媒に、プロトン伝導性含フッ素ポリマーを分散させた分散液である。
水酸基を有する有機溶媒としては、主鎖の炭素数が1〜4の有機溶媒が好ましく、たとえば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、n−ブタノール等が挙げられる。水酸基を有する有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
水の割合は、分散媒(100質量%)のうち、10〜99質量%が好ましく、40〜99質量%がより好ましい。水の割合を増やすことにより、分散媒に対するプロトン伝導性含フッ素ポリマーの分散性を向上できる。
水酸基を有する有機溶媒の割合は、分散媒(100質量%)のうち、1〜90質量%が好ましく、1〜60質量%がより好ましい。
プロトン伝導性含フッ素ポリマーの割合は、液状組成物(100質量%)のうち、1〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
固体高分子電解質膜15を安定化させるために、アニール処理を行うことが好ましい。アニール処理の温度は、プロトン伝導性含フッ素ポリマーの種類にもよるが、130〜200℃が好ましい。アニール処理の温度が130以上であれば、プロトン伝導性含フッ素ポリマーの含水率が低く抑えられる。アニール処理の温度が200℃以下であれば、イオン性基の熱分解が抑えられ、プロトン伝導性の低下が抑えられる。
触媒層11の形成方法としては、下記方法が挙げられる。
(y−1)触媒層形成用液を、固体高分子電解質膜15、ガス拡散層12、またはカーボン層16上に塗布し、乾燥させる方法。
(y−2)触媒層形成用液を基材フィルム上に塗布し、乾燥させ触媒層11を形成し、該触媒層11を固体高分子電解質膜15上に転写する方法。
触媒層形成用液は、プロトン伝導性含フッ素ポリマーおよび触媒を分散媒に分散させた液である。触媒層形成用液は、たとえば、前記液状組成物と、触媒の分散液とを混合することにより調製できる。
触媒層形成用液は、触媒層11の形成方法によって粘度が異なるため、数十cP程度の分散液であってもよく、20000cP程度のペーストであってもよい。
触媒層11中のプロトン伝導性含フッ素ポリマーを安定化させるために、アニール処理を行うことが好ましい。アニール処理の温度は、プロトン伝導性含フッ素ポリマーの種類にもよるが、130〜200℃が好ましい。アニール処理の温度が130以上であれば、プロトン伝導性含フッ素ポリマーの含水率が低く抑えられ、触媒層11におけるガス拡散性の低下が抑えられ、出力電圧の低下が抑えられる。アニール処理の温度が200℃以下であれば、イオン性基の熱分解が抑えられ、プロトン伝導性の低下が抑えられ、出力電圧の低下が抑えられる。なお、熱処理の温度が190℃を超えると、触媒の種類によっては、カーボン担体が酸化分解するおそれがある。よって、アニール処理は、窒素雰囲気下、減圧下、またはプレス等の圧力で触媒層11中の酸素を減らした環境下で行うことが好ましい。
以上説明した膜電極接合体10は、触媒層11に含まれるプロトン伝導性含フッ素ポリマーが、1.4ミリ当量/g乾燥樹脂以上の高いイオン交換容量を有し、かつプロトン伝導性含フッ素ポリマーとカーボン材料との質量比が0.8以下、すなわち従来に比べてプロトン伝導性含フッ素ポリマーの比が低いため、負荷応答性が良好である。また、触媒層11に含まれるプロトン伝導性含フッ素ポリマーのイオン交換容量が高いため、プロトン伝導性含フッ素ポリマーとカーボン材料との質量比を低くしているにもかかわらず、出力電圧が高い。
<固体高分子形燃料電池>
本発明の膜電極接合体は、固体高分子形燃料電池に用いられる。固体高分子形燃料電池は、たとえば、2つのセパレータの間に膜電極接合体を挟んでセルを形成し、複数のセルを、セパレータと膜電極接合体とが交互に重なるように、スタックすることにより製造される。
セパレータとしては、ガスの通路となる溝が形成された導電性カーボン板等が挙げられる。
固体高分子形燃料電池の種類としては、水素/酸素型燃料電池、直接メタノール型燃料電池(DMFC)等が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。
例6〜10は実施例であり、例11〜13は比較例である。
(TQ値)
TQ値(単位:℃)は、ポリマーの分子量の指標であり、長さ1mm、内径1mmのノズルを用い、2.94MPaの押出し圧力の条件でポリマーの溶融押出しを行った際の押出し量が100mm/秒となる温度である。
フローテスタCFT−500A(島津製作所社製)を用い、温度を変えてポリマーPまたはポリマーFの押出し量を測定し、押出し量が100mm/秒となるTQ値を求めた。
(イオン交換容量)
ポリマーPおよびポリマーFのイオン交換容量は、下記方法により求めた。
ポリマーを、水およびメタノールを溶媒とする一定濃度の水酸化ナトリウム溶液に浸漬して加水分解し、該溶液を逆滴定することによりイオン交換容量を求めた。なお、ポリマーP、Fの−SOF基の割合(モル比)と、ポリマーQ、Hの−SOH基の割合(モル比)は同じであり、かつ−SOF基の分子量と−SOH基の分子量はほぼ同じであるため、ポリマーP、Fのイオン交換容量は、そのままポリマーQ、Hのイオン交換容量として扱うことができる。
(導電率)
ポリマーQおよびポリマーHの導電率は、下記方法により求めた。
ポリマーからなる5mm幅のフィルムに、5mm間隔で4端子電極が配置された基板を密着させ、公知の4端子法により、温度80℃、相対湿度40%の恒温恒湿条件下にて交流10kHz、1Vの電圧でフィルムの抵抗を測定し、該結果から導電率を算出した。
(含水率)
ポリマーQおよびポリマーHの含水率は、下記方法により求めた。
ポリマーを80℃の温水中に16時間浸漬した後、温水ごとポリマーを室温まで冷却した。水中よりポリマーを取り出し、表面に付着した水滴をふき取り、直ちにポリマーの含水時の質量を測定した。ついで、該ポリマーをグローブボックス中に入れ、乾燥窒素を流した雰囲気中に24時間以上放置し、ポリマーを乾燥させた。そして、グローブボックス中でポリマーの乾燥質量を測定した。ポリマーの含水時の質量と乾燥質量との差から、ポリマーが含水時に吸収する水の質量を求めた。そして、下式よりポリマーの含水率を求めた。
含水率=(ポリマーが含水時に吸収する水の質量/ポリマーの乾燥質量)×100。
(出力電圧)
膜電極接合体を発電用セルに組み込み、膜電極接合体の温度を80℃に維持し、アノードに水素(利用率50%)、カソードに空気(利用率50%)を、それぞれ100kPa(絶対圧力)で供給した。ガスの加湿度を、水素は相対湿度50%、空気は相対湿度70%とし、電流密度が1.0A/cmのときのセル電圧を記録した。
(負荷応答性)
膜電極接合体を発電用セルに組み込み、膜電極接合体の温度を80℃に維持し、アノードに水素(利用率50%)、カソードに空気(利用率50%)を、それぞれ100kPa(絶対圧力)で供給した。ガスの加湿度を、水素は相対湿度50%、空気は相対湿度70とした。該雰囲気下で、電流密度を0(開回路状態)から1.0A/cmまで30秒かけて変化させた。該負荷変動を与えたとき、セル電圧は一旦オーバーシュート気味に大きく低下した後、定常値に漸近する。該経時変化を記録し、オーバーシュートしてからセル電圧が1.0A/cmにおける定常値の95%までに回復するまでの時間を回復時間とした。該時間が短いほど、膜電極接合体の負荷応答性が良好であると判断される。
〔例1〕
下記合成ルートにより化合物(m11)を合成した。
Figure 0005082470
(i)化合物(a1)の合成:
特開昭57−176973号公報の実施例2に記載の方法と同様にして、化合物(a1)を合成した。
(ii)化合物(c1)の合成:
ジムロート冷却管、温度計、滴下ロートおよび撹拌翼付きガラス棒を備えた300cmの4口丸底フラスコに、窒素雰囲気下、フッ化カリウム(商品名:クロキャットF、森田化学社製)1.6gおよびジメトキシエタン15.9gを入れた。ついで、丸底フラスコを氷浴で冷却して、滴下ロートより化合物(b1)49.1gを32分かけて、内温10℃以下で滴下した。滴下終了後、滴下ロートより化合物(a1)82.0gを15分かけて滴下した。内温上昇はほとんど観測されなかった。滴下終了後、内温を室温に戻して約90時間撹拌した。分液ロートで下層を回収した。回収量は127.6gであり、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと記す。)純度は55%であった。回収液を200cmの4口丸底フラスコに移して、蒸留を実施した。減圧度1.0〜1.1kPa(絶対圧)の留分として化合物(c1)97.7gを得た。GC純度は98%であり、収率は80%であった。
(iii)化合物(d1)の合成:
200cmのステンレス製オートクレーブに、フッ化カリウム(商品名:クロキャットF、森田化学社製)1.1gを入れた。脱気後、減圧下で、オートクレーブにジメトキシエタン5.3g、アセトニトリル5.3gおよび化合物(c1)95.8gを入れた。
ついで、オートクレーブを氷浴で冷却して、内温0〜5℃にて、ヘキサフルオロプロペンオキシド27.2gを27分かけて加えた後、撹拌しながら内温を室温に戻して一晩撹拌した。分液ロートで下層を回収した。回収量は121.9gであり、GC純度は63%であった。回収液の蒸留により沸点80〜84℃/0.67〜0.80kPa(絶対圧)の留分として化合物(d1)72.0gを得た。GC純度は98%であり、収率は56%であった。
(iv)化合物(m11)の合成:
内径1.6cmのステンレス製管を用いて、長さ40cmのU字管を作製した。該U字管の一方にガラスウールを充填し、他方にステンレス製焼結金属を目皿としてガラスビーズを充填し、流動層型反応器を作製した。流動化ガスとして窒素ガスを用い、定量ポンプを用いて原料を連続的に供給できるようにした。出口ガスはトラップ管を用いて液体窒素で捕集した。
流動層型反応器を塩浴に入れ、反応温度を340℃に保持しながら、化合物(d1)/Nのモル比が1/20となるように、流動層型反応器に化合物(d1)34.6gを1.5時間かけて供給した。反応終了後、液体窒素トラップより27gの液体を得た。GC純度は84%であった。該液体の蒸留により沸点69℃/0.40kPa(絶対圧)の留分として化合物(m11)を得た。GC純度は98%であった。
化合物(m11)の19F−NMR(282.7MHz、溶媒CDCl、基準:CFCl)。
δ(ppm):45.5(1F),45.2(1F),−79.5(2F),−82.4(4F),−84.1(2F),−112.4(2F),−112.6(2F),−112.9(dd,J=82.4Hz,67.1Hz,1F),−121.6(dd,J=112.9Hz,82.4Hz,1F),−136.0(ddt,J=112.9Hz,67.1Hz,6.1Hz,1F),−144.9(1F)。
〔例2〕
(i)ポリマーP1の合成:
100cmのステンレス製オートクレーブに、化合物(m11)9.84g、溶媒である化合物(1−1)3.09gおよび開始剤である化合物(2)1.3mgを入れ、液体窒素で冷却して脱気した。
CClFCFCHClF ・・・(1−1)、
(CHC(CN)N=NC(CH(CN) ・・・(2)。
内温を70℃に昇温し、オートクレーブにテトラフルオロエチレンを導入し、圧力を1.31MPaG(ゲージ圧)とした。温度、圧力を一定に保持して、5.7時間重合を行った。ついで、オートクレーブ内を冷却して重合を停止し、系内のガスをパージした。
反応液を化合物(1−1)で希釈した後、化合物(1−2)を加え、ポリマーを凝集させ、ろ過した。
CHCClF ・・・(1−2)。
化合物(1−1)中でポリマーを撹拌した後、化合物(1−2)を加え、ポリマーを再凝集し、ろ過した。ポリマーを80℃で一晩減圧乾燥し、テトラフルオロエチレンと化合物(m11)との共重合体であるポリマーP1の1.2gを得た。ポリマーP1のイオン交換容量およびTQ値を表1に示す。
(ii)ポリマーQ1のフィルムの製造:
ポリマーP1を下記方法で処理し、酸型のポリマーQ1のフィルムを得た。
まず、ポリマーP1のTQ温度にて、加圧プレス成形によりポリマーP1を厚さ25μmのフィルムに加工した。
ついで、該フィルムを、ジメチルスルホキシドの30質量%および水酸化カリウムの15質量%を含む水溶液に、80℃で16時間浸漬させることにより、該フィルム中の−SOF基を加水分解し、−SOK基に変換した。
ついで、該フィルムを、3モル/L塩酸水溶液に、50℃で2時間浸漬した。塩酸水溶液を交換し、同様の処理をさらに4回繰り返した。該フィルムをイオン交換水で充分に水洗し、該フィルム中の−SOK基がスルホン酸基に変換された、ポリマーQ1のフィルムを得た。
ポリマーQ1の導電率および含水率を測定した。結果を表1に示す。
(iii)液状組成物S1の調製:
ポリマーQ1に、エタノール、水および1−ブタノールの混合溶媒(エタノール/水/1−ブタノール=35/50/15質量比)を加え、固形分濃度を15質量%に調整し、オートクレーブを用い125℃で8時間、撹拌した。さらに水を加え、固形分濃度を9質量%に調製し、ポリマーQ1が分散媒に分散した液状組成物S1を得た。分散媒の組成は、エタノール/水/1−ブタノール=21/70/9(質量比)であった。
〔例3〕
(i)ポリマーP2の合成:
表1に示す条件に変更した以外は、例2と同様にして、トラフルオロエチレンと化合物(m11)との共重合体であるポリマーP2を得た。ポリマーP2の収量、イオン交換容量およびTQ値を表1に示す。
(ii)ポリマーQ2のフィルムの製造:
ポリマーP1の代わりにポリマーP2を用いた以外は、例2と同様にして酸型のポリマーQ2のフィルムを得た。
ポリマーQ2の導電率および含水率を測定した。結果を表1に示す。
(iii)液状組成物S2の調製:
ポリマーQ1の代わりにポリマーQ2を用いた以外は、例2と同様にして液状組成物S2を得た。
〔例4〕
(i)ポリマーP3の合成:
表1に示す条件に変更した以外は、例2と同様にして、トラフルオロエチレンと化合物(m11)との共重合体であるポリマーP3を得た。ポリマーP3の収量、イオン交換容量およびTQ値を表1に示す。
(ii)ポリマーQ3のフィルムの製造:
ポリマーP1の代わりにポリマーP3を用いた以外は、例2と同様にして酸型のポリマーQ3のフィルムを得た。
ポリマーQ3の導電率および含水率を測定した。結果を表1に示す。
(iii)液状組成物S3の調製:
ポリマーQ1の代わりにポリマーQ3を用いた以外は、例2と同様にして液状組成物S3を得た。
Figure 0005082470
〔例5〕
(i)ポリマーF1の合成:
テトラフルオロエチレンと化合物(3)とを特開昭60―243292号公報の実施例1に準じて共重合し、ポリマーF1を得た。ポリマーF1のイオン交換容量およびTQ値を表2に示す。
CF=CFOCFCF(CF)OCFCFSOF ・・・(3)。
(ii)ポリマーH1のフィルムの製造:
ポリマーF1を例2におけるポリマーP1と同様に酸型化処理し、酸型のポリマーH1のフィルムを得た。ポリマーH1の導電率および含水率を測定した。結果を表2に示す。
(iii)液状組成物S4の調製:
ポリマーH1に、エタノールおよび水の混合溶媒(エタノール/水=60/40質量比)を加え、固形分濃度を26質量%に調整し、オートクレーブを用い100℃で8時間、撹拌した。ポリマーH1が分散媒に分散した液状組成物S4を得た。
Figure 0005082470
〔例6〕
カーボンブラック粉末に白金を50質量%担持した担持触媒に水を適量加え、10分間超音波を照射し、触媒の分散液を得た。触媒の分散液に、ポリマーQ1とカーボンブラック粉末との質量比(ポリマーQ1/カーボンブラック粉末)が0.75となるように、液状組成物S1を加え、さらにエタノールを加えて固形分濃度を10質量%とし、触媒層形成用液を得た。該液をエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(以下、ETFEと記す。)シート上に塗布し、乾燥させ、白金量が0.4mg/cmの触媒層を形成した。触媒層中のポリマーQ1を安定化させるために、窒素雰囲気下、170〜190℃でアニール処理を行った。
例2のポリマーQ1のフィルムを固体高分子電解質膜とし、該固体高分子電解質膜を2枚の触媒層で挟み、プレス温度150℃、プレス時間5分、圧力3MPaの条件にて加熱プレスし、固体高分子電解質膜の両面に触媒層を接合し、触媒層からETFEフィルムを剥離して、電極面積25cmの膜触媒層接合体を得た。
カーボンペーパーからなるガス拡散層上に、カーボンとポリテトラフルオロエチレンとからなるカーボン層を形成した。
カーボン層と触媒層とが接するように、膜触媒層接合体をガス拡散層で挟み、膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
〔例7〕
ポリマーQ1とカーボンブラック粉末との質量比(ポリマーQ1/カーボンブラック粉末)を0.70に変更した以外は、例6と同様にして膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
〔例8〕
ポリマーQ1とカーボンブラック粉末との質量比(ポリマーQ1/カーボンブラック粉末)を0.80に変更した以外は、例6と同様にして膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
〔例9〕
ポリマーQ1の代わりにポリマーQ2を用いた以外は、例6と同様にして膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
〔例10〕
ポリマーQ1の代わりにポリマーQ3を用いた以外は、例6と同様にして膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
〔例11〕
ポリマーQ1とカーボンブラック粉末との質量比(ポリマーQ1/カーボンブラック粉末)を0.65に変更した以外は、例6と同様にして膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
〔例12〕
ポリマーQ1とカーボンブラック粉末との質量比(ポリマーQ1/カーボンブラック粉末)を0.90に変更した以外は、例6と同様にして膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
〔例13〕
カーボンブラック粉末に白金を50質量%担持した担持触媒に水を適量加え、10分間超音波を照射し、触媒の分散液を得た。触媒の分散液に、ポリマーH1とカーボンブラック粉末との質量比(ポリマーH1/カーボンブラック粉末)が0.75となるように、液状組成物S4を加え、さらにエタノールを加えて固形分濃度を10質量%とし、触媒層形成用液を得た。該液をETFEシート上に塗布し、乾燥させ、白金量が0.4mg/cmの触媒層を形成した。触媒層中のポリマーH1を安定化させるために、窒素雰囲気下、130℃でアニール処理を行った。
例5のポリマーH1のフィルムを固体高分子電解質膜とし、該固体高分子電解質膜を2枚の触媒層で挟み、プレス温度150℃、プレス時間5分、圧力3MPaの条件にて加熱プレスし、固体高分子電解質膜の両面に触媒層を接合し、触媒層からETFEフィルムを剥離して、電極面積25cmの膜触媒層接合体を得た。
カーボンペーパーからなるガス拡散層上に、カーボンとポリテトラフルオロエチレンとからなるカーボン層を形成した。
カーボン層と触媒層とが接するように、膜触媒層接合体をガス拡散層で挟み、膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005082470
本発明の膜電極接合体を用いることにより、出力電圧が高く、かつ負荷応答性が良好な固体分子形燃料電池が得られる。
本発明の膜電極接合体の一例を示す断面図である。 本発明の膜電極接合体の他の例を示す断面図である。
符号の説明
10 膜電極接合体
11 触媒層
13 アノード
14 カソード
15 固体高分子電解質膜

Claims (2)

  1. プロトン伝導性含フッ素ポリマーおよびカーボン材料を含む触媒層を有するアノードおよびカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置される固体高分子電解質膜とを備え、
    前記プロトン伝導性含フッ素ポリマーのイオン交換容量が、1.4〜1.8ミリ当量/g乾燥樹脂であり、
    前記プロトン伝導性含フッ素ポリマーの含水率が、150質量%以下であり、
    前記プロトン伝導性含フッ素ポリマーと前記カーボン材料との質量比(プロトン伝導性含フッ素ポリマー/カーボン材料)が、0.7〜0.8である、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
  2. 前記プロトン伝導性含フッ素ポリマーが、イオン性基を有するパーフルオロカーボンポリマーである、請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
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