JP2010086699A - 触媒層転写フィルム、並びにそれを用いて得られる触媒層−電解質膜積層体及び膜−電極接合体 - Google Patents

触媒層転写フィルム、並びにそれを用いて得られる触媒層−電解質膜積層体及び膜−電極接合体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、触媒層の欠落を防ぐことができ、しかも燃料電池の性能に悪影響を与えない触媒層転写フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】基材フィルムの片面上に触媒層が形成され、さらに、前記触媒層の前記基材フィルムとは反対側に、プロトン伝導性樹脂を含むカバー層が形成されてなる、触媒層転写フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、触媒層転写フィルム、並びにそれを用いて得られる触媒層−電解質膜積層体及び膜−電極接合体に関する。
燃料電池等の触媒層を作製する方法として、今日まで様々な方法が提案されている。そのなかでも、一度別の基材を用いて作製した触媒層を電解質膜に転写する転写法は、触媒層を形成するのが容易であり、電解質膜及びガス拡散層にも悪影響が少ないため、有利である(例えば、特許文献1参照)。
転写法に用いる転写基材フィルムとしては、シリコーン樹脂が表面にコートされたポリエステルフィルム、延伸されたポリプロピレン単体フィルム、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等からなるフッ素系フィルム等が知られている。
しかしながら、これらの転写法を用いた触媒層形成方法では、触媒層が基材フィルム表面に出ているため、触媒層を所望のサイズに裁断する工程や、触媒層を形成した転写基材フィルムの運搬及び保管時に、基材フィルムの変形や触媒層への接触のため触媒層が剥がれ落ちる(欠落)という問題がある。
特開平10−64574号公報
本発明は、触媒層の欠落を防ぐことができ、しかも燃料電池の性能に悪影響を与えない触媒層転写フィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねてきた結果、触媒層転写フィルムの触媒層の自由表面(基材フィルムとは反対側の面)上にプロトン伝導性を持つ樹脂を含んだカバー層を形成することで、上記課題を解決できることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。すなわち、本発明は、以下の触媒層転写フィルム、触媒層−電解質膜積層体及び膜−電極接合体に係る。
項1.基材フィルムの片面上に触媒層が形成され、
さらに、前記触媒層の前記基材フィルムとは反対側に、プロトン伝導性樹脂を含むカバー層が形成されてなる、
触媒層転写フィルム。
項2.前記カバー層の厚さが、0.03〜9μmである、項1に記載の触媒層転写フィルム。
項3.項2に記載の触媒層転写フィルムを、電解質膜の片面又は両面に転写することにより得られる、触媒層−電解質膜積層体。
項4.電極基材が、項3に記載の触媒層−電解質膜積層体の片面又は両面に、触媒層と電極基材とが接するように積層されてなる、膜−電極接合体。
項5.項4に記載の膜−電極接合体を具備する、固体高分子形燃料電池。
1.触媒層転写フィルム
本発明の触媒層転写フィルムは、基材フィルムの片面上に触媒層が形成され、さらに、前記触媒層の前記基材フィルムとは反対側に、プロトン伝導性樹脂を含むカバー層が形成されてなるものである。その断面図の一例を図1に示す。
<基材フィルム>
本発明で使用する基材フィルムは、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン等の高分子フィルムを挙げることができる。また、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の耐熱性フッ素樹脂を用いることもできる。これらのなかでも、安価で入手が容易な高分子フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート等がより好ましい。
基材フィルムの厚さは、基材フィルム上に触媒層を形成させる作業性、経済性等の観点から、通常6〜150μm程度、好ましくは12〜75μm程度とするのがよい。
また、基材フィルムは、離型層が積層されたものであってもよい。離型層としては、例えば、公知のワックスから構成されたもの、公知のフッ素系樹脂でコーティングされたプラスチックフィルム等が挙げられる。また、基材フィルム上に離型性の高いフィルムを積層して構成されたもの、例えば、PET基材と耐熱フッ素樹脂基材との積層体等の構造を有しているものでもよい。
<触媒層>
本発明の触媒層転写フィルムにおいて、触媒層は、基材フィルムの片面上に形成されるものである。
触媒層としては、従来公知のものを使用することができ、一般的には、触媒粒子を担持させた炭素粒子と水素イオン伝導性高分子電解質とを含有するものである。
触媒粒子を担持させる炭素粒子は、特に制限されず、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ランプブラックなどのカーボンブラック、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ等が1種単独又は2種以上で用いることができる。
炭素粒子の平均粒径は、一次粒子として、通常1〜200nm程度、好ましくは10〜100nm、より好ましくは10〜50nm程度である。
炭素粒子の比表面積は、通常10〜2000m/g程度、好ましくは200〜1500m/g程度である。この範囲とすることにより、触媒活性を向上させ、より一層高い出力密度の電池を得ることができる。
炭素粒子に担持させる触媒粒子は、燃料電池の燃料極又は空気極における燃料電池反応を起こさせるものであれば特に制限はない。例えば、白金、白金化合物等が挙げられる。白金化合物としては、例えば、白金と、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデン、イリジウム、鉄、コバルト等よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属との合金等が挙げられる。
触媒粒子の平均粒径は、通常1〜20nm程度であり、好ましくは1〜10nm程度、更に好ましくは1〜5nm程度である。
触媒粒子の比表面積は、通常50〜1000m/g程度、好ましくは100〜500m/g程度である。
一般的に、カソード触媒層として用いられる場合の触媒粒子は白金、アノード触媒層として用いられる場合の触媒粒子は上述した合金である。
水素イオン伝導性高分子電解質としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂等が挙げられる。また、電気陰性度の高いフッ素原子を導入することにより、化学的に非常に安定し、スルホン酸基の乖離度が高く、高い水素イオン伝導性が実現できる。このような水素イオン伝導性高分子電解質の具体例としては、例えば、デュポン社製の「Nafion」、旭硝子(株)製の「Flemion」、旭化成(株)製の「Aciplex」、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」等が挙げられる。また、炭化水素系イオン伝導性電解質としては、アルドリッチ社のスルホン化(ポリスチレン−ブロック−ポリ(エチレン−ran−ブチレン)−block−ポリスチレン)等が挙げられる。
なお、「−ran−」はランダム型のコポリマー(共重合体)の命名に用いられる接続記号であって、例えば、モノマーAとモノマーBとからなるランダム型のコポリマーに対して「poly−(A−ran−B)」と表記する。同様に「−block−」はブロック型のコポリマーを示す接続記号である。
なお、触媒層には、上記成分以外にも、本発明の効果を阻害しない程度に、他の成分を含有していてもよい。
触媒層の厚さは限定的ではないが、例えば、ダイレクトメタノール形燃料電池の場合は20〜100μm、固体高分子形燃料電池の場合は15〜30μm程度が好ましい。
<カバー層>
本発明の触媒層転写フィルムにおいて、カバー層は、触媒層の基材フィルムとは反対側に形成されるものである。
カバー層は、プロトン伝導性樹脂を含有している。カバー層が、プロトン伝導性樹脂を含有するのは、以下で説明する電解質膜上に転写した際にカバー層が抵抗となるのを防ぐために、電解質膜と同様の材料を使用する必要があるためである。また、同様の観点から、このプロトン伝導性樹脂は、カバー層中に10〜100重量%、好ましくは33〜100重量%、更に好ましくは43〜100重量%含まれるのが好ましい。プロトン伝導性樹脂の含有量が33重量%未満では、カバー層にクラックが発生し、カバー層の役目が成り立たない傾向がある。なお、プロトン伝導性樹脂の含有量を33重量%以上とするとカバー層の欠落が発生しにくく、43重量%以上とするとカバー層のクラックを抑制することができる。なお、プロトン伝導性樹脂の含有率が100重量%のときに、イオン伝導度が最大になり、好ましい。
ここで、プロトン伝導性樹脂としては、例えば、パーフルオロスルホン酸のフッ素イオン交換樹脂や、炭化水素系イオン交換樹脂等が挙げられる。
カバー層の厚さは、0.03〜9μm、好ましくは0.05〜8μmである。カバー層の厚さが0.03μm未満では、触媒層の欠落を防止する効果が得られにくい。また、カバー層の厚さが9μmをこえると、カバー層が抵抗となり、電池特性の低下が著しい。
なお、このカバー層は、触媒層の全面に形成されている必要はなく、触媒層転写フィルムの触媒層上において裁断する部分にのみ形成されていてもよい。また、裁断する部分の一部分にのみ形成されていてもよい。その場合の一例を図2に示す。
<触媒層転写フィルムの製造方法>
本発明の触媒層転写フィルムは、基材フィルムの片面上に触媒層を形成し、次いで、触媒層の基材フィルムとは反対側に、カバー層を形成して得られる。
(1)基材フィルム上への触媒層の形成
基材フィルム上に触媒層を形成させるに当たっては、触媒粒子を担持させた炭素粒子及び水素イオン伝導性高分子電解質を適当な溶剤に混合、分散してペースト状にしておき、形成される触媒層が所望の膜厚になるように、このペーストを公知の方法に従い基材フィルム上に塗布するのがよい。
この際使用される溶剤としては、例えば、各種アルコール類、各種エーテル類、各種ジアルキルスルホキシド類、水又はこれらの混合物等が挙げられる。これらの溶剤の中でも、アルコールが好ましい。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール等の炭素数1〜4の一価アルコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール等が挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
触媒層形成用ペースト組成物は、上記の触媒粒子を担持させた炭素粒子、水素イオン伝導性高分子電解質及び溶剤を混合することにより、製造される。上記成分の混合順序は、特に制限されない。例えば、上記成分を順次又は同時に混合し、分散させることにより、触媒層形成用ペースト組成物を調製できる。混合には、公知の混合手段を広く適用できる。
塗布される基材には、上述の基材フィルムを用いる。
ペースト組成物を、転写基材に塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷等の一般的な塗布方法を適用できる。
かかるペーストを塗布した後、乾燥することにより、基材フィルム上に触媒層が形成される。乾燥温度は、通常40〜100℃程度、好ましくは60〜80℃程度である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常5分〜2時間程度、好ましくは30分〜1時間程度である。
(2)触媒層の基材フィルムとは反対側へのカバー層の形成
触媒層上にカバー層を形成させるに当たっては、プロトン伝導性樹脂溶液を用いて、形成されるカバー層が所望の膜厚となるように、この溶液を公知の方法に従い触媒層の上に塗布するのがよい。
溶液の塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷等の一般的な方法を適用できる。
前記溶液を塗布した後、乾燥することにより、触媒層上にカバー層が形成される。乾燥温度は、通常40〜100℃程度、好ましくは60〜80℃程度である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常5分〜2時間程度、好ましくは30分〜1時間程度である。
3.触媒層−電解質膜積層体
本発明の触媒層−電解質膜積層体は、本発明の触媒層転写フィルムを転写することにより、電解質膜の片面又は両面に、カバー層付き触媒層が形成されたものである。その断面図の一例を図3に示す。
電解質膜は、水素イオン伝導性のものであれば限定的ではなく、公知又は市販のものを使用できる。電解質膜の具体例としては、例えば、デュポン社製の「Nafion」(登録商標)膜、旭硝子(株)製の「Flemion」(登録商標)膜、旭化成(株)製の「Aciplex」(登録商標)膜、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」(登録商標)膜等が挙げられる。
電解質膜の膜厚は、通常20〜250μm程度、好ましくは20〜80μm程度とすればよい。
<触媒層−電解質膜積層体の製造方法>
本発明の触媒層−電解質膜積層体は、例えば、本発明の触媒層転写フィルムと電解質膜とを、カバー層付き触媒層と電解質膜とが対面するように配置し、加圧してカバー層付き触媒層を電解質膜に転写した後、触媒層転写フィルム中の基材フィルムを剥離することにより製造することができる。なお、この操作を2回繰り返せば、電解質膜の両面にカバー層付き触媒層が積層された触媒層−電解質膜積層体を製造することができるが、作業性等を考慮すると、カバー層付き触媒層を電解質膜の両面に同時に積層するのがよい。
転写する際には、触媒層転写フィルムの基材フィルム側から、公知のプレス機等を用いて加圧すればよい。その際の加圧レベルは、転写不良を避けるために、通常0.5〜10MPa程度、好ましくは1〜10MPa程度がよい。また、この加圧操作の際に、転写不良を避けるために、加圧面を加熱するのが好ましい。加熱温度は、電解質膜の破損、変性等を避けるために、通常80〜200℃程度、好ましくは135〜150℃程度とすればよい。
4.膜−電極接合体
本発明の膜−電極接合体は、電極基材が、触媒層−電解質膜積層体の片面又は両面に、触媒層と電極基材とが接するように積層されたものである。
電極基材は限定的ではなく、アノード、カソードを構成する各種の電極基材を使用することができる。例えば通気性のあるカーボン基材が挙げられ、具体的には、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンフェルト等の公知のものを使用すればよい。
<膜−電極接合体の製造方法>
本発明の膜−電極接合体は、例えば、電極基材を、本発明の触媒層−電解質膜積層体の片面又は両面に、触媒層と電極基材とが対面するように配置し、熱プレスすることにより、製造することができる。
熱プレスする際の加圧レベルは、通常0.1〜100MPa程度、好ましくは5〜15MPa程度がよい。また、この際の加熱温度は、通常120〜150℃程度でよい。
5.固体高分子形燃料電池
前記膜−電極接合体に公知又は市販のセパレータを設けることにより、本発明の膜−電極接合体を具備する、固体高分子形燃料電池を得ることができる。
本発明の触媒層転写フィルムを使用することにより、触媒層の欠落なく電解質膜上に触媒層を形成することができる。
しかも、カバー層の材料が電解質膜と同様の材料の場合、触媒層を電解質膜上に良好に転写することが可能となる。
したがって、本発明の触媒層転写フィルムを用いれば、製造ロスを抑えて燃料電池を製造することができる。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
製造例1
白金担持カーボン(Pt:50wt%、田中貴金属工業(株)製「TEC10E50」)10重量部及び5重量%の電解質溶液(ナフィオン、デュポン社製「DE−520」)100重量部を、イソプロピルアルコール100重量部及びプロピレングリコール2重量部に加え、混合及び分散を行い、触媒層形成用ペースト組成物を調製した。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET、東洋紡績(株)製のエステルフィルムE5100、厚さ25μm)上に触媒層形成用ペースト組成物をブレードコーターで、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、85℃で乾燥させ、基材フィルムと触媒層とからなる(カバー層のない)触媒層転写フィルムを製造した。この時、Ptの担持量は約0.5mg/cmとなるように調整した。
実施例1
20重量%の電解質溶液(ナフィオン、デュポン社製「DE−2020」)を、製造例1で製造した触媒層転写フィルムの触媒層の基材フィルムとは反対側に、ブレードコーターで、乾燥後の厚さが8μmとなるように塗布し、85℃で乾燥させ、本発明のカバー層付き触媒層転写フィルムを製造した。
実施例2
5重量%の電解質溶液(ナフィオン、デュポン社製「DE−520」)を、製造例1で製造した触媒層転写フィルムの触媒層の基材フィルムとは反対側に、スプレーで、乾燥後の厚さが0.05μmとなるように塗布し、85℃で乾燥させ、本発明のカバー層付き触媒層転写フィルムを製造した。
比較例1
製造例1で製造したカバー層のない触媒層転写フィルムを、比較例1の触媒層転写フィルムとした。
実施例3
20重量%の電解質溶液(ナフィオン、デュポン社製「DE−2020」)20重量部と炭素繊維(昭和電工(株)製「VGCF」)1重量部を混合したペーストを、製造例1で製造した触媒層転写フィルムの触媒層の基材フィルムとは反対側に、ブレードコーターで、乾燥後の厚さが8μmとなるように塗布し、85℃で乾燥させ、本発明のカバー層付き触媒層転写フィルムを製造した。なお、実施例3におけるカバー層中のプロトン伝導性樹脂の含有率は80重量%である。
<試験例1:裁断工程での触媒層欠落の有無>
実施例1〜3及び比較例1で製造した触媒層転写フィルムを50mm×50mmのサイズに裁断することをそれぞれ10セット行い、そのときの触媒層端部の欠落を、目視で以下のように評価した。
○:欠落なし
×:欠落あり
<試験例2:保管時での触媒層欠落の有無>
実施例1〜3及び比較例1で製造した触媒層転写フィルムを50mm×50mmのサイズに裁断し、保形板(PET、サイズ60mm×60mm×1mm)に10枚重ねて、ナイロン製の袋内寸100mm×100mmの中に出し入れを10回繰り返し、触媒層転写フィルム上の傷の有無等を確認した。
○:欠落なし
×:欠落あり
<試験例3:搬送時での触媒層欠落の有無>
実施例1〜3及び比較例1で製造した触媒層転写フィルムを50mm×50mmのサイズに裁断し、保形板(PET、サイズ60mm×60mm×1mm)に10枚重ねて、5秒間脱気を行い、入り口をヒートシールして密閉した。このように梱包された触媒層転写フィルムについて、高さ60cmから10回落下させ、さらに、振盪器にて振動範囲:5〜100Hz(対数掃引)/振動加速度:±0.75G/振動方向:X軸、Y軸、Z軸の3方向(各10分)振動させた。その際の触媒層の欠落の有無を以下のように評価した。
○:欠落なし
×:欠落あり
<試験例4:電池評価>
実施例1〜3及び比較例1で製造した触媒層転写フィルムを50mm×50mmのサイズに裁断し、各々の触媒層転写フィルムを用いて触媒層−電解質膜積層体を製造した。この際、空気極には白金担持カーボン(Pt:50wt%、田中貴金属工業(株)製「TEC10E10」)を用いた。この時の白金の担持量が約0.5mg/cmになるように調整した。電解質膜にはデュポン社製のナフィオン212CSを用いた。この触媒層−電解質膜積層体の両面にガス拡散層(SGL34BC、SGLカーボン社製)を接合して、JARI標準セルにセル組みした。このセルに80℃で燃料極側に加湿水素を供給し、空気極側に加湿空気を供給した。加湿水素及び加湿空気は加えた電流に対して燃料極は燃料利用率が70%に、空気極は燃料利用率が40%になるように供給し、電池評価を行った。評価はこのセルに電流を変えた時の電圧変化から行った。結果は以下のように評価した。
○:電流密度0.8A/cmの時の電圧値が、比較例1の電圧値の90%以上の場合
×:電流密度0.8A/cmの時の電圧値が、比較例1の電圧値の90%未満の場合
上記の評価結果を表1に示す。
Figure 2010086699
図1は、本発明のカバー層付き触媒層転写フィルムの断面図の一例である。 図2は、本発明のカバー層付き触媒層転写フィルムの俯瞰図の一例である。 図3は、本発明の触媒層−電解質膜積層体の一例である。
符号の説明
1 カバー層
2 触媒層
3 基材フィルム
4 電解質膜

Claims (5)

  1. 基材フィルムの片面上に触媒層が形成され、
    さらに、前記触媒層の前記基材フィルムとは反対側に、プロトン伝導性樹脂を含むカバー層が形成されてなる、
    触媒層転写フィルム。
  2. 前記カバー層の厚さが、0.03〜9μmである、請求項1に記載の触媒層転写フィルム。
  3. 請求項2に記載の触媒層転写フィルムを、電解質膜の片面又は両面に転写することにより得られる、触媒層−電解質膜積層体。
  4. 電極基材が、請求項3に記載の触媒層−電解質膜積層体の片面又は両面に、触媒層と電極基材とが接するように積層されてなる、膜−電極接合体。
  5. 請求項4に記載の膜−電極接合体を具備する、固体高分子形燃料電池。
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