JP5303979B2 - 固体高分子形燃料電池用触媒層転写フィルム - Google Patents
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Description
(1)触媒層の厚みが5μm〜100μmであり、
(2)触媒層が、10nm〜100nmの範囲に細孔分布のピークを有する細孔構造であり、
(3)触媒層の10nm〜100nmにおける細孔容積が0.060mL/g〜0.550mL/gである、
ことを特徴とする触媒層転写フィルム。
(4)前記触媒層がカソード極として用いられる触媒層であり、
(5)前記10nm〜100nmの範囲にあるピークが30nm〜60nmの範囲に存在し、
(6)前記10nm〜100nmにおける細孔容積が0.060mL/g〜0.550mL/gである、
触媒層転写フィルム。
触媒層が1μm〜20μmの範囲に細孔分布のピークをさらに有する細孔構造であり、且つ触媒層の1μm〜20μmにおける細孔容積が0.100mL/g〜0.790mL/gである、触媒層転写フィルム。
(7)触媒層がアノード極として用いられる触媒層であり、
(8)前記10nm〜100nmの範囲にあるピークが10nm〜40nmの範囲に存在し、
(9)前記10nm〜100nmにおける細孔容積が0.060mL/g〜0.550mL/gである、
触媒層転写フィルム。
触媒層が1μm〜20μmの範囲に細孔分布のピークをさらに有する細孔構造であり、且つ触媒層の1μm〜20μmにおける細孔容積が0.100mL/g〜0.670mL/gである、触媒層転写フィルム。
本発明は、転写基材上に触媒層が積層された、固体高分子形燃料電池用触媒層を転写するためのフィルムであって、
(1)触媒層の厚みが5μm〜100μmであり、
(2)触媒層が、10nm〜100nmの範囲に細孔分布のピークを有する細孔構造であり、
(3)触媒層の10nm〜100nmにおける細孔容積が0.060mL/g〜0.550mL/gであることを特徴とする。
本発明の転写基材上に積層された触媒層は、(1)触媒層の厚みが5μm〜100μmであり、(2)触媒層が10nm〜100nmの範囲に細孔分布のピークを有する細孔構造であり、(3)触媒層の10nm〜100nmにおける細孔容積が0.060mL/g〜0.550mL/gである。このような構造を有することにより、本発明の触媒層は、触媒層(アノード極及び/又はカソード極)内部の、電池反応が生じる反応サイトに、速やかにガスを供給でき、また、当該反応サイトにより生じる水を速やかに触媒層外部に排出できる。従って、この触媒層を転写して得られる触媒層−電解質膜積層体(さらには固体高分子形燃料電池)は、高出力で安定的に発電するといった優れた電池特性を発揮できる。
・方法:水銀圧入法
・サンプル:触媒転写フィルム
・サンプルサイズ:25mm×50mm×2枚
・使用セル:5cc POWDER用
の条件で測定することができる。
本発明で用いる転写基材は触媒層を支持することができる限り限定的でなく、公知又は市販のものを使用することができる。例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリパラバン酸アラミド、ポリアミド(ナイロン等)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン等の高分子フィルムを挙げることができる。また、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の耐熱性フッ素樹脂を用いることもできる。更に、基材は、高分子フィルム以外に、アート紙、コート紙、軽量コート紙等の塗工紙、ノート用紙、コピー用紙等の非塗工紙等の紙であってもよい。これらの中でも、安価で入手が容易な高分子フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート等がより好ましい。
本発明の触媒層転写フィルムは、例えば、(I)触媒担持炭素粒子、(II)水素イオン伝導性高分子電解質、及び(III)粘度調整用の溶剤を混合して得られる触媒層形成用ペースト組成物(触媒インキ)を転写基材に塗布及び乾燥することにより、製造することができる。
本発明の触媒層−電解質膜積層体は、本発明の触媒層転写フィルムを、電解質膜の少なくとも一方の面に転写することにより得られる。
Pt担持炭素粒子(Pt触媒:46重量%)(商品名:TEC35E51、製造会社:田中貴金属工業(株))10重量部、5重量%電解質溶液(商品名:NafionDE−520、製造会社:デュポン社)100重量部、アルコール溶剤(ブタノール)100重量部を混合及び分散することにより、カソード極触媒層形成用インキを調製した。調製したカソード極触媒層形成用インキを転写基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム、25μm)上にブレードコーターにて一定速度で塗工した後、95℃にて熱乾燥することにより、製造例1の触媒層を転写基材上に形成した。なお、塗工量は、乾燥重量が20g/m2になるようにした(触媒層の厚み:20μm)。これを製造例1のカソード極触媒層転写フィルムとした。
次にPt−Ru担持炭素粒子(Pt触媒:28重量%)(商品名:TEC62E58、製造会社:田中貴金属工業(株))10重量部、5重量%電解質溶液(商品名:NafionDE−520、製造会社:デュポン社)100重量部、アルコール溶剤(プロピルアルコール)100重量部を混合及び分散することにより、アノード極触媒層形成用インキを調製した。調製したアノード極触媒層形成用インキを転写基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム、25μm)上にブレードコーターにて一定速度で塗工した後、95℃にて熱乾燥することにより、製造例2の触媒層を転写基材上に形成した。なお、塗工量は、乾燥重量が20g/m2になるようにした(触媒層の厚み:20μm)。これを製造例2のアノード極触媒層転写フィルムとした。
Pt担持炭素粒子(Pt触媒:46重量%)10重量部、5重量%電解質溶液150重量部(商品名:NafionDE−520、製造会社:デュポン社)、アルコール溶剤(ブタノール)100重量部を混合及び分散することにより、カソード極触媒層形成用インキを調製した。調製したカソード極触媒層形成用インキを転写基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム、25μm)上にブレードコーターにて一定速度で塗工した後、95℃にて熱乾燥することにより、比較製造例1の触媒層を転写基材上に形成した。なお、塗工量は、乾燥重量が20g/m2になるようにした(触媒層の厚み:20μm)。これを比較製造例1のカソード極触媒層転写フィルムとした。
製造例1と同様にカソード極触媒層形成用インキを作製し、塗工量は、乾燥重量が8g/m2になるようにした(触媒層の厚み:8μm)。これを比較製造例2のカソード極触媒層転写フィルムとした。
Pt−Ru担持炭素粒子(Pt触媒:28重量%)を10重量部、5重量%電解質溶液150重量部(商品名:NafionDE−520、製造会社:デュポン社)、アルコール溶剤(プロパノール)100重量部を混合及び分散することにより、アノード極触媒層形成用インキを調製した。調製したアノード極触媒層形成用インキを転写基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム、25μm)上にブレードコーターにて一定速度で塗工した後、95℃にて熱乾燥することにより、比較製造例3の触媒層を転写基材上に形成した。なお、塗工量は、乾燥重量が20g/m2になるようにした(触媒層の厚み:
20μm)。これを比較製造例3のアノード極触媒層転写シートとした。
製造例1で得られたカソード極触媒層転写フィルムと、製造例2で得られたアノード極触媒層転写シートを、固体高分子電解質膜(デュポン社製、「Nafion112」)の両面に、加熱(150℃)及び加圧(5MPa)しながら接触させることにより、実施例1の触媒層−電解質膜積層体を作製した。次いで、得られた積層体の両側に電極基材(カーボンペーパー、東レ(株)製、TGP−H−090、厚み280μm)及びセパレータを順次積層させることにより、実施例1の燃料電池を作製した。
比較製造例1で得られたカソード極触媒層転写フィルムと、製造例2で得られたアノード極触媒層転写フィルムより、実施例1と同じ方法で比較例1の燃料電池を作製し、電池評価を行った。この結果を図1に示す。
比較製造例2で得られたカソード極触媒層転写フィルムと、製造例2で得られたアノード極触媒層転写フィルムより、実施例1と同じ方法で比較例2の燃料電池を作製し、電池評価を行った。この結果を図1に示す。
比較製造例3で得られたアノード極触媒層転写フィルムと、製造例1で得られたカソード極触媒層転写フィルムより、実施例1と同じ方法で比較例3の燃料電池を作製し、電池評価を行った。この結果を図2に示す。
Claims (6)
- 転写基材上に触媒層が積層された、固体高分子形燃料電池用触媒層を転写するためのフィルムであって、
(1)触媒層がアノード極として用いられる触媒層であり、
(2)触媒層が触媒担持炭素粒子及び水素イオン伝導性高分子電解質を含み、
(3)触媒層の厚みが5μm〜100μmであり、
(4)触媒層が、10nm〜100nmの範囲に細孔分布のピークを有し、且つ、1μm〜20μmの範囲に細孔分布のピークをさらに有する細孔構造であり、
(5)触媒層の10nm〜100nmにおける細孔容積が0.060mL/g〜0.550mL/gであり、且つ、1μm〜20μmにおける細孔容積が0.100mL/g〜0.670mL/gである、
ことを特徴とする触媒層転写フィルム。 - 1μm〜20μmの範囲に細孔分布のピークを2つ以上有し、且つ、1.5μm〜4μmの範囲及び5μm〜17μmの範囲の双方にピークを有する、請求項1に記載の触媒層転写フィルム。
- 請求項1又は2に記載の触媒層転写フィルムであって、
(6)前記10nm〜100nmの範囲にあるピークが10nm〜40nmの範囲に存在する、
触媒層転写フィルム。 - 触媒層の空隙率が45〜85%である、請求項1〜3のいずれかに記載の触媒層転写フィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の触媒層転写フィルムを電解質膜の少なくとも一方の面に、80〜200℃及び0.5〜20MPaの条件下で転写する工程を備える、触媒層−電解質膜積層体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の触媒層転写フィルムを電解質膜の少なくとも一方の面に、80〜200℃及び0.5〜20MPaの条件下で転写する工程を備える、固体高分子形燃料電池の製造方法。
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