JP2005063832A - 触媒層−電解質膜積層体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、電池性能がより一段と向上した燃料電池の製造を可能とする触媒層−電解質膜積層体を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明は、電解質膜上に接着層を介して触媒層が積層された触媒層−電解質膜積層体であって、電解質膜面の一方面又は両面が表面粗さ1〜10μm程度に粗面化されている触媒層−電解質膜積層体を提供する。本発明の積層体は、電解質膜面の一方面又は両面を粗面化する工程、並びに基材の少なくとも片面に離型層、触媒層及び接着層を順次積層させた転写シートの接着層面を、粗面化された電解質膜面に対面するように前記転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を触媒層面から剥離する工程を経て製造される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、触媒層−電解質膜積層体及びその製造方法に関する。
燃料電池は、電解質膜の両面に触媒層を配置し、水素と酸素の電気化学反応により発電する発電するシステムであり、発電時に発生するのは水のみである。燃料電池は、従来の内燃機関と異なり、二酸化炭素等の環境負荷ガスを発生しないために、次世代のクリーンエネルギーシステムとして注目されている。
固体高分子型燃料電池は、電解質膜層として水素イオン伝導性高分子電解質膜を用い、その両面に触媒層を配置し、次いでその両面に電極基材を配置し、更にこれをセパレータで挟んだ構造をしている。電解質膜層の両面に触媒層を配置し、次いでその両面に電極基材を配置したもの(即ち、電極基材/触媒層/電解質膜/触媒層/電極基材の層構成のもの)は、電極−電解質膜接合体と称されている。
従来、電極−電解質膜接合体の製造方法としては、例えば、白金を炭素粉に担持させた触媒粉のスラリー液又はペースト化した塗工液を、(1)電極基材の片面に印刷法又はスプレー法を適用して触媒層を形成した2個の電極基材を用い、該電極基材の触媒層面が電解質膜の両面に接するように配置し、熱プレスする方法(例えば、特許文献1、特許文献2等)、(2)電解質膜の両面に印刷法又はスプレー法を適用して触媒層を形成し、各々の触媒層面に電極基材が接するように配置し、熱プレスする方法(例えば、特許文献3等)、(3)基材上に印刷法を適用して形成した触媒層を高温高圧下に電解質膜に転写し、基材を剥離し、次いで電解質膜の両面に転写された触媒層面に電極基材が接するように配置し、熱プレスする方法(例えば、特許文献4等)等が知られている。
しかしながら、これらの方法には種々の欠点がある。
(1)の方法は、印刷法又はスプレー法を適用して触媒層を電極基材上に形成する際に、触媒層が多孔質の電極基材の中に入り込むので、触媒層の膜厚調整が困難になったり、触媒層を電極基材上に均一に形成させることが困難になる。更に、(1)の方法は、電極基材表面乃至内部の孔を塞ぎ、ガスの通流性能を阻害する。その結果、(1)の方法で得られる電極−電解質膜接合体を使用した燃料電池は、その性能が低下するのが避けられない。
(2)の方法は、触媒層構成成分を有機溶剤に溶解又は分散させた液を電解質膜の両面に印刷又はスプレーして触媒層を形成させるが、電解質膜が有機溶媒により膨潤し、変形して電解質膜の形状を維持することが困難になる。そのために、触媒層の膜厚調整が困難になったり、触媒層を電解質膜上に均一に形成させることが困難になる。その結果、(2)の方法で得られる電極−電解質膜接合体を使用した燃料電池は、その性能にバラツキが生じる。従って、(2)の方法で得られる電極−電解質膜接合体では、均一な性能を備えた燃料電池を製造できない。
(3)の方法は、触媒層の電解質膜への転写を高温高圧下に行う必要があるが、高圧下での転写の際に電解質膜が過剰に圧縮される部分が生じ、電解質膜が局所的に破壊される危険がある。また、高温下での転写の際、電解質膜が溶融し、膜自体が変性する危険がある。その結果、(3)の方法で得られる電極−電解質膜接合体を使用した燃料電池は、所望の性能を備えた燃料電池にはなり得ない。
特公昭62−61118号公報 特公昭62−61119号公報 特公平2−48632号公報 特開平10−64574号公報
本発明者らは、先に、基材の少なくとも片面に離型層、触媒層及び接着層を順次積層させた電極−電解質膜接合体製造用転写シートの開発に成功し、該転写シートの接着層面が電解質膜面に対面するように転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を剥離することにより触媒層−電解質膜積層体を製造し、更に該積層体の触媒層上に電極基材を配置することにより所望の電極−電解質膜接合体、ひいては所望の燃料電池を製造できることを見い出し、特許出願した(特願2002−236446)。本発明は、電池性能がより一段と向上した燃料電池の製造を可能とする触媒層−電解質膜積層体を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねてきた。その結果、基材の少なくとも片面に離型層を介して触媒層が形成された電極−電解質膜接合体製造用転写シートと膜面が粗面化された電解質膜とを用い、前記転写シートの離型層面が前記粗面化された電解質膜面に対面するように転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を剥離することにより、所望の触媒層−電解質膜積層体を製造できることを見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
1.本発明は、電解質膜上に接着層を介して触媒層が積層された触媒層−電解質膜積層体であって、電解質膜面の一方面又は両面が表面粗さ1〜10μm程度に粗面化されている触媒層−電解質膜積層体である。
2.本発明は、電解質膜と触媒層との間に接着層が介在している上記1に記載の触媒層−電解質膜積層体である。
3.本発明は、
電解質膜面の一方面を表面粗さ1〜10μm程度に粗面化する工程、及び
基材の少なくとも片面に離型層及び触媒層を順次積層させた転写シートの触媒層面を、粗面化された電解質膜面に対面するように前記転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を触媒層面から剥離する工程
を備えた触媒層−電解質膜積層体の製造方法である。
4.本発明は、
電解質膜面の一方面を表面粗さ1〜10μm程度に粗面化する工程、及び
基材の少なくとも片面に離型層、触媒層及び接着層を順次積層させた転写シートの接着層面を、粗面化された電解質膜面に対面するように前記転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を触媒層面から剥離する工程
を備えた触媒層−電解質膜積層体の製造方法である。
5.本発明は、
電解質膜面の両面を表面粗さ1〜10μm程度に粗面化する工程、及び
基材の少なくとも片面に離型層及び触媒層を順次積層させた転写シートの触媒層面を、粗面化された電解質膜の両面に対面するように前記転写シート2枚を配置し、加圧した後、該転写シートの基材を触媒層面から剥離する工程
を備えた触媒層−電解質膜積層体の製造方法である。
6.本発明は、
電解質膜面の両面を表面粗さ1〜10μm程度に粗面化する工程、及び
基材の少なくとも片面に離型層、触媒層及び接着層を順次積層させた転写シートの接着層面を、粗面化された電解質膜の両面に対面するように前記転写シート2枚を配置し、加圧した後、該転写シートの基材を触媒層面から剥離する工程
を備えた触媒層−電解質膜積層体の製造方法である。
電極−電解質膜接合体製造用転写シート
本発明で使用される電極−電解質膜接合体製造用転写シートは、基材の少なくとも片面に離型層を介して触媒層が形成されてなるものである。
本発明で使用される電極−電解質膜接合体製造用転写シートの一例を図1に示す。図1に示す転写シートは、基材の片面に離型層が形成され、更に該離型層の上に触媒層が形成されている。
基材としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリパルバン酸アラミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムを挙げることができる。
また、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の耐熱性フッ素樹脂を用いることもできる。
更に、基材は、高分子フィルム以外に、アート紙、コート紙、軽量コート紙等の塗工紙、ノート用紙、コピー用紙等の非塗工紙等の紙であってもよい。
基材の厚さは、取り扱い性及び経済性の観点から、通常6〜100μm程度、好ましくは6〜30μm程度、より好ましくは6〜15μm程度とするのがよい。
従って、基材としては、安価で入手が容易な高分子フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート等がより好ましい。
本発明において、離型層は、ワックスから構成される。ワックスとしては、例えば、石油系ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、合成系ワックス等を挙げることができる。本発明で用いられるワックスには、例えば、C16〜C32の脂肪酸とアルコールとのエステルが包含される。本発明において、これらワックスは、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
本発明で用いられるワックスは、好ましくは融点が40〜140℃、より好ましくは融点が60〜100℃の範囲にあるのがよい。
本発明において、好ましいワックスは植物系ワックスであり、より好ましいワックスはカルナウバワックス、カンデリラワックス等である。
離型層の厚さは、通常0.1〜3μm程度、好ましくは0.5〜1μm程度がよい。
基材上に離型層を形成させるに当たっては、所望の層厚になるように、上記ワックスを公知の方法に従い塗布するのがよい。また、塗布作業を容易にするために、ワックスを適当な溶剤に溶解又は分散して溶液又はエマルジョン液の形態で使用してもよい。塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ナイフコーター、バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷等の一般的な方法を適用できる。
触媒層は、公知のものである。
触媒層は、触媒粒子を担持させた炭素粒子及び水素イオン伝導性高分子電解質を含有する。
触媒粒子としては、例えば白金、白金化合物等が挙げられる。白金化合物としては、例えば、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデン、イリジウム、鉄等からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と白金との合金等が挙げられる。
水素イオン伝導性高分子電解質としては、例えばパーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂等が挙げられる。
離型層上に触媒層を形成させるに当たっては、触媒粒子を担持させた炭素粒子及び水素イオン伝導性高分子電解質を適当な溶剤に混合、分散してペースト状にしておき、形成される触媒層が所望の層厚になるように、このペーストを公知の方法に従い離型層上に塗布するのがよい。
溶剤としては、例えば、各種アルコール類、各種エーテル類、各種ジアルキルスルホキシド類、水又はこれらの混合物等が挙げられる。
ペーストの塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ナイフコーター、バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷等の一般的な方法を適用できる。
斯かるペーストを塗布した後、乾燥することにより、触媒層が形成される。乾燥温度は、ワックスの融点以下であることが望ましく、通常40〜100℃程度、好ましくは60〜80℃程度である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常5分〜2時間程度、好ましくは30分〜1時間程度である。
触媒層の厚さは、通常10〜50μm程度、好ましくは15〜30μm程度がよい。
本発明においては、上記で形成された触媒層の上に更に接着層が形成されているのが好ましい。
接着層は、触媒層に含まれる水素イオン伝導性高分子電解質膜と異種の高分子材料からなるものでもよいが、触媒層に含まれる水素イオン伝導性高分子電解質膜と同種の高分子材料、例えばパーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂等からなるものが好ましい。
接着層の厚さは、通常1〜15μm程度、好ましくは3〜10μm程度がよい。
触媒層上に接着層を形成させるに当たっては、上記高分子材料を適当な溶剤に混合、分散してペースト状にしておき、形成される接着層が所望の層厚になるように、このペーストを公知の方法に従い触媒層上に塗布するのがよい。
溶剤としては、例えば、各種アルコール類、各種エーテル類、各種ジアルキルスルホキシド類、水又はこれらの混合物等が挙げられる。
ペーストの塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ナイフコーター、バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷等の一般的な方法を適用できる。
斯かるペーストを塗布した後、乾燥することにより、接着層が形成される。乾燥温度は、通常40〜100℃程度、好ましくは60〜80℃程度である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常5分〜2時間程度、好ましくは30分〜1時間程度である。
本発明で使用される電極−電解質膜接合体製造用転写シートは、基材の両面に離型層が形成され、次いでこれら離型層の上に触媒層が形成され、更にこれら触媒層の上に接着層が形成されていてもよい。
触媒層−電解質膜積層体
本発明の触媒層が積層された電解質膜(触媒層−電解質膜積層体)は、例えば上記転写シートの触媒層面が粗面化された電解質膜面に対面するように転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を剥離することにより製造される。この操作を2回繰り返すことにより、触媒層面が電解質膜の両面に積層された触媒層−電解質膜積層体が製造される。
本発明において、電解質膜の一方面又は両面は、表面粗さ(Ra)が1〜10μm程度、好ましくは1〜3μm程度に粗面化されている。
本発明では、後の工程で触媒層が配置されるべき固体電解質の表面のみを粗面化処理しておくのが好ましいが、触媒層が配置されるべき固体電解質の表面だけでなく、その周辺部まで粗面化しても本発明の効果を損なわない限り何ら差し支えない。
電解質膜の一方面又は両面を粗面化しておくことにより、触媒層との密着性が向上でき、また、最終製品となる燃料電池に優れた電池性能(例えば、高い電流密度)を与えることができる。
電解質膜の粗面化には公知の技術を利用できる。公知の技術としては、例えば、エッチング処理、大気圧コロナ放電処理、大気圧プラズマによる処理、サンドブラスト処理等が挙げられる。これらの中でも、サンドブラスト処理は、電解質膜が、有機溶媒による膨潤変形、熱変形等の虞れがないので、好適である。
作業性を考慮すると、触媒層面を電解質膜の両面に同時に積層するのがよい。この場合には、例えば、前記転写シートの触媒層面が粗面化された電解質膜の両面に対面するように転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を剥離すればよい。
使用される電解質膜は、公知のものである。電解質膜の膜厚は、通常20〜250μm程度、好ましくは20〜80μm程度である。電解質膜の具体例としては、デュポン社製の「Nafion」膜、旭硝子(株)製の「Flemion」膜、旭化成(株)製の「Aciplex」膜、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」膜等が挙げられる。
加圧レベルは、転写不良を避けるために、通常0.5〜20Mpa程度、好ましくは1〜10Mpa程度、より好ましくは1〜5Mpa程度がよい。また、この加圧操作の際に、転写不良を避けるために、加圧面を加熱するのが好ましい。加熱温度は、電解質膜の破損、変性等を避けるために、通常80℃以上200℃以下(好ましくは150℃以下)、より好ましくは100℃以上135℃以下がよい。
本発明の電解質膜上に接着層を介して触媒層が積層された触媒層−電解質膜積層体は、例えば上記転写シートの接着層面が粗面化された電解質膜面に対面するように転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を剥離することにより製造される。この操作を2回繰り返すことにより、触媒層面が接着層を介して電解質膜の両面に積層された触媒層−電解質膜積層体が製造される。
また、本発明の電解質膜上に接着層を介して触媒層が積層された触媒層−電解質膜積層体は、前記転写シートの接着層面が電解質膜の両面に対面するように転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を触媒層面から剥離することにより製造することができる。
離型層は、基本的には転移せず、基材側に残る。しかし、離型層の一部が転移しても、(i)電極基材との接合をワックスの融点よりも高い温度で行うためにワックスが蒸発する、(ii)初期の電池反応時にワックスが電気分解を受けて分解される、等のために、離型層転移による問題は生じない。
本発明の触媒層−電解質膜積層体の一例を図2に示す。
電極−電解質膜接合体
本発明の電極−電解質膜接合体は、触媒層−電解質膜積層体の両面に電極基材を配置し、加圧することにより製造される。
電極基材は、公知であり、燃料極、空気極を構成する各種の電極基材を使用できる。
加圧レベルは、通常0.1〜100Mpa程度、好ましくは5〜15Mpa程度がよい。この加圧操作の際に加熱するのが好ましく、加熱温度は通常120〜150℃程度でよい。
本発明の電極−電解質膜接合体の一例を図3に示す。
燃料電池
本発明の燃料電池は、例えば、次のようにして製造される。
例えば、本発明の燃料電池は、
(1)基材の少なくとも片面に離型層を形成し、次いで該離型層の上に触媒層を形成させて電極−電解質膜接合体製造用転写シートを得る工程、
(2)電解質膜の片面又は両面を粗面化する工程、
(3)上記(1)工程で得られる転写シートの触媒層面が粗面化された電解質膜の片面又は両面に対面するように転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を触媒層面から剥離することにより触媒層−電解質膜積層体を得る工程、
(4)上記(3)工程で得られる触媒層−電解質膜積層体の両面に電極基材を配置し、加圧することにより電極−電解質膜接合体を得る工程、及び
(5)上記(4)工程で得られる電極−電解質膜接合体を用いて燃料電池を得る工程
を経て製造される。
また、本発明の燃料電池は、
(1)基材の少なくとも片面に離型層を形成し、次いで該離型層の上に触媒層を形成させ、更に触媒層上に接着層を形成させて電極−電解質膜接合体製造用転写シートを得る工程、
(2)電解質膜の片面又は両面を粗面化する工程、
(3)上記(1)工程で得られる転写シートの接着層面が粗面化された電解質膜の片面又は両面に対面するように転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を触媒層面から剥離することにより触媒層−電解質膜積層体を得る工程、
(4)上記(3)工程で得られる触媒層−電解質膜積層体の両面に電極基材を配置し、加圧することにより電極−電解質膜接合体を得る工程、及び
(5)上記(4)工程で得られる電極−電解質膜接合体を用いて燃料電池を得る工程
を経て製造される。
本発明は、上記電極−電解質膜接合体を組み込んだ燃料電池を提供する。
本発明転写シートを使用すれば、触媒層が多孔質の電極基材の中に入り込む虞れがないので、触媒層の膜厚調整が容易となり、また均一な触媒層を電極基材上に容易に形成させることができる。
また、本発明転写シートを使用すれば、電極基材表面乃至内部の孔を塞ぐことはないので、ガスの通流性能を阻害する虞れがない。
本発明の方法では、触媒層の電解質膜への転写を、従来のように高温高圧下に行う必要がないので、電解質膜が溶融することがなく、膜自体が変性する危険が少ない。
本発明においては、電解質膜を粗面化しておくことにより、電解質膜と触媒層との密着性を高めることができる。触媒層でプロトン化された水素が電解質膜中を通ることになるので、電解質膜−触媒層間の密着性向上によって触媒層と電解質膜との移動距離が短くなり、そのために電解質膜−触媒層間の抵抗が小さくなり、その結果、高い電流密度を得ることができる。
従って、本発明の電極−電解質膜接合体を使用すれば、優れた電池性能を備えた高品質の燃料電池を製造することができる。
以下に実施例及び比較例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。
実施例1
白金担持触媒10g(Pt:20wt%、田中貴金属工業製のTEC10シリーズ)及びバインダーとして5wt%ナフィオン(Nafion)溶液(アルドリッチ社製、溶剤:n−プロパノール)200gを分散機にて攪拌混合することでペーストを調製した。
一方、PETフィルム(E3120、東洋紡績(株)製、厚さ13μm)上に、カルナウバワックスのエマルジョン液(EMUSTAR−0199、日本精鑞製、液の濃度:20重量%)を0.5〜1μm程度の厚さに片面塗工し、エマルジョン液を乾燥させた。次に、カルナウバワックスの上に、上記で調製したペーストを、ドクターブレードにより厚さ50μmとなるように塗布し、これを大気雰囲気中50℃で12時間乾燥させ、触媒層を形成した。
水素イオン伝導性高分子電解質膜(Nafion117、厚さ175μm、アルドリッチ社製)の両面をサンドブラストにより粗面化処理することにより、該電解質膜面に約3μmの微細な凹凸を形成した。
触媒層の転写は、一対のプレス型の間に、前記粗面化処理された高分子電解質膜の両面が2枚の転写シートの触媒層面と接触するようにして130℃、3Mpaの条件で挟持した後、PETフィルムを剥離することにより行なった。このようにして、本発明の触媒層−電解質膜積層体を製造した。
実施例2
白金担持触媒10g(Pt:20wt%、田中貴金属工業製のTEC10シリーズ)及びバインダーとして5wt%ナフィオン(Nafion)溶液(アルドリッチ社製、溶剤:n−プロパノール)200gを分散機にて攪拌混合することでペーストを調製した。
一方、PETフィルム(E3120、東洋紡績(株)製、厚さ13μm)上に、カルナウバワックスのエマルジョン液(EMUSTAR−0199、日本精鑞製、液の濃度:20重量%)を0.5〜1μm程度の厚さに片面塗工し、エマルジョン液を乾燥させた。次に、カルナウバワックスの上に、上記で調製したペーストを、ドクターブレードにより厚さ50μmとなるように塗布し、これを大気雰囲気中50℃で12時間乾燥させ、触媒層を形成した。
上記で形成した触媒層上に、20wt%ナフィオン(Nafion)溶液(アルドリッチ社製、溶剤:n−プロパノール)を塗布、含浸させ、接着層(厚さ3μm)を形成した。
水素イオン伝導性高分子電解質膜(Nafion117、厚さ175μm、アルドリッチ社製)の両面をサンドブラストにより粗面化処理することにより、該電解質膜面に約3μmの微細な凹凸を形成した。
触媒層の転写を実施例1と同様に行い、本発明の触媒層−電解質膜積層体を製造した。
比較例1
白金担持触媒10g(Pt:20wt%、田中貴金属工業製のTEC10シリーズ)及びバインダーとして5wt%ナフィオン(Nafion)溶液(アルドリッチ社製、溶剤:n−プロパノール)200gを分散機にて攪拌混合することでペーストを調製した。
一方、PETフィルム(E3120、東洋紡績(株)製、厚さ13μm)上に、上記で調製したペーストを、ドクターブレードにより厚さ50μmとなるように塗布し、これを大気雰囲気中50℃で12時間乾燥させ、触媒層を形成した。
水素イオン伝導性高分子電解質膜(Nafion117、厚さ175μm、アルドリッチ社製)は、粗面化処理しないで、そのまま使用した。
触媒層の転写は、一対のプレス型の間に転写シートの触媒層面が、前記高分子電解質膜面と接触するようにして130℃、3Mpaの条件で挟持した後、PETフィルムを剥離することにより行なった。このようにして、比較のための触媒層−電解質膜積層体を製造した。
試験例1
実施例1、実施例2及び比較例1で得られた各触媒層−電解質膜積層体の両側に、電極基材(炭素繊維からなるカーボンペーパー、TGP−H−090、東レ(株)製)を配置し、150℃、5MPaの条件にて熱プレスを行い、電極−電解質膜積層体として単セルを製造した。
上記で製造した単セルにつき、電池性能を調べた。各単セルの電圧(V)と電流密度(mA/cm2)との関係は、表1に示す通りであった。
表1から、本発明の触媒層−電解質膜積層体(実施例1及び実施例2)から製造した単セルは、高電圧になっても高い電流密度を維持でき、電池性能に優れていることが明らかである。
図1は、電極−電解質膜接合体製造用転写シートの断面図である。 図2は、触媒層が積層された電解質膜の断面図である。 図3は、電極−電解質膜接合体の断面図である。

Claims (4)

  1. 電解質膜上に触媒層が積層された触媒層−電解質膜積層体であって、電解質膜面の一方面又は両面が表面粗さ1〜10μm程度に粗面化されている触媒層−電解質膜積層体。
  2. 電解質膜と触媒層との間に接着層が介在している請求項1に記載の触媒層−電解質膜積層体。
  3. 電解質膜面の一方面を表面粗さ1〜10μm程度に粗面化する工程、及び
    基材の少なくとも片面に離型層、触媒層及び接着層を順次積層させた転写シートの接着層面を、粗面化された電解質膜面に対面するように前記転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を触媒層面から剥離する工程
    を備えた触媒層−電解質膜積層体の製造方法。
  4. 電解質膜面の両面を表面粗さ1〜10μm程度に粗面化する工程、及び
    基材の少なくとも片面に離型層、触媒層及び接着層を順次積層させた転写シートの接着層面を、粗面化された電解質膜の両面に対面するように前記転写シート2枚を配置し、加圧した後、該転写シートの基材を触媒層面から剥離する工程
    を備えた触媒層−電解質膜積層体の製造方法。
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