JP4538686B2 - 電極−電解質膜接合体製造用転写シート及びその製造方法 - Google Patents

電極−電解質膜接合体製造用転写シート及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4538686B2
JP4538686B2 JP2004186113A JP2004186113A JP4538686B2 JP 4538686 B2 JP4538686 B2 JP 4538686B2 JP 2004186113 A JP2004186113 A JP 2004186113A JP 2004186113 A JP2004186113 A JP 2004186113A JP 4538686 B2 JP4538686 B2 JP 4538686B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst layer
thermoplastic resin
resin sheet
electrolyte membrane
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004186113A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006012523A (ja
Inventor
礼 弘光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2004186113A priority Critical patent/JP4538686B2/ja
Publication of JP2006012523A publication Critical patent/JP2006012523A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4538686B2 publication Critical patent/JP4538686B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Description

本発明は、電極−電解質膜接合体製造用転写シート及びその製造方法に関する。
燃料電池は、電解質膜の両面に触媒層を配置し、水素と酸素の電気化学反応により発電する発電するシステムであり、発電時に発生するのは水のみである。燃料電池は、従来の内燃機関と異なり、二酸化炭素等の環境負荷ガスを発生しないために、次世代のクリーンエネルギーシステムとして注目されている。
固体高分子型燃料電池は、電解質膜層として水素イオン伝導性高分子電解質膜を用い、その両面に触媒層を配置し、次いでその両面に電極基材を配置し、更にこれをセパレータで挟んだ構造をしている。電解質膜層の両面に触媒層を配置し、次いでその両面に電極基材を配置したもの(即ち、電極基材/触媒層/電解質膜/触媒層/電極基材の層構成のもの)は、電極−電解質膜接合体と称されている。
従来、電極−電解質膜接合体の製造方法としては、例えば、白金を炭素粉に担持させた触媒粉のスラリー液又はペースト化した塗工液を、基材上に印刷法を適用して形成した触媒層を高温高圧下に電解質膜に転写し、基材を剥離し、次いで電解質膜の両面に転写された触媒層面に電極基材が接するように配置し、熱プレスする方法(例えば、特許文献1)等が知られている。
基材上に形成される触媒層は、電池反応層としてセルを形成すると共にモジュール化されるものであり、そのため、触媒層は、ストライプ状、格子状等の所定のモジュール構造を形成するための形状にパターンニングされる必要がある。
しかしながら、上記特許文献1に記載されている方法では、触媒層を基材上にパターニングして形成させることは不可能である。
触媒層を基材上にパターニング形成する方法として、例えば、(a)白金を炭素粉に担持させた触媒粉のスラリー液又はペースト化した塗工液を基材上にダイコーティング、リップコーティング等のコーティング手段により塗布するに当たり、コーティングヘッドを機械的に制御することにより、前記塗工液の塗工部及び非塗工部を作成し、基材上にパターン状の触媒層を直接形成する方法(特許文献2)、(b)前記塗工液を基材上の全面に塗布し、乾燥して触媒層を形成した後、レーザー光線又は電磁波(紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波等)を照射して、触媒層の不要部分を基材からパターン状に除去する方法(特許文献3)等が提案されている。
しかしながら、前記(a)の方法は、機械精度に起因してパターニングを高速下に行うことが困難であり、また基材上に形成される触媒層の厚さにバラツキが生ずる欠点を有している。また、(b)の方法は、基材から不要な触媒層を除去するのに長時間且つ多工程を要し、しかも触媒層の除去精度が低く、パターンのエッジ部が崩れやすい欠点を有している。
特開平10−64574号公報 特開平9−7610号公報 特開2002−134435
本発明の課題は、電極−電解質膜接合体製造用転写シートを製造するに当たり、基材上に形成される触媒層のパターニングを、精度よく、効率的に行うことができ、電池性能と共に生産性及び経済性に優れた電極−電解質膜接合体製造用転写シートの製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねてきた。その結果、電極−電解質膜接合体製造用転写シートを製造するに当たり、基材に形成された触媒層の上に熱可塑性樹脂シートを重ね合わせ、次に該熱可塑性樹脂シートの触媒層に接する面の反対側から触媒層の所定領域と熱可塑性樹脂シートとを熱圧着し、次いで熱可塑性樹脂シートを基材から剥離して、前記触媒層の所定領域を熱可塑性樹脂シートに転移させることにより、本発明の課題を解決できることを見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
本発明は、下記1〜に示す発明を提供する。
1.基材の片面に複数個の触媒層が一定間隔で形成された、電極−電解質膜接合体製造用転写シートを製造する方法であって、
基材に形成された触媒層の上に熱可塑性樹脂シートを重ね合わせ、
次に触媒層の所定領域が熱可塑性樹脂シートに固着されるように触媒層と熱可塑性樹脂シートとを熱圧着し、
次いで触媒層の所定領域が固着した熱可塑性樹脂シートを、基材から剥離することにより、基材から触媒層の所定領域を離脱させ、結果として、基材上に複数個の触媒層を形成させる、
転写シートの製造方法。
2.触媒層と熱可塑性樹脂シートとを熱圧着するに当たり、基材側から熱板を、熱可塑性樹脂シートを挟んで反対側に位置する支持体に向かって押圧する、上記1に記載の転写シートの製造方法。
3.熱板を押圧するに当たり、熱可塑性樹脂シートと支持体との間に剥離可能な耐熱性シートを介在させる、上記2に記載の転写シートの製造方法。
4.触媒層は、(1)触媒粒子を担持した炭素粒子、(2)水素イオン伝導性高分子物質及び(3)溶剤を含有する塗工液を、基材上に塗布し、乾燥することにより形成されたものである、上記1〜3のいずれかに記載の転写シートの製造方法。
5.触媒層が、離型層を介して基材上に形成される、上記1〜4のいずれかに記載の転写シートの製造方法
電極−電解質膜接合体製造用転写シート
本発明の電極−電解質膜接合体製造用転写シートは、基材の片面に複数個の触媒層が一定間隔で形成されてなるものである。本発明では、基材と触媒層との間に離型層が形成されているのが好ましい。以下、離型層が形成されている態様の転写シートを一例にとって説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、離型層が形成されていない態様の転写シートも本発明転写シートに包含される。
本発明の電極−電解質膜接合体製造用転写シートの一例を図1及び図2に示す。図1は、本発明の電極−電解質膜接合体製造用転写シートの平面図であり、図2は、そのA−A線断面図である。図1及び図2に示す転写シートは、基材1の片面に離型層2が形成され、更に該離型層の上に触媒層3が形成されている。
基材としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリパルバン酸アラミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムを挙げることができる。
また、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の耐熱性フッ素樹脂を用いることもできる。
更に、基材は、高分子フィルム以外に、アート紙、コート紙、軽量コート紙等の塗工紙、ノート用紙、コピー用紙等の非塗工紙等の紙であってもよい。
基材の厚さは、取り扱い性及び経済性の観点から、通常6〜100μm程度、好ましくは6〜30μm程度、より好ましくは6〜15μm程度とするのがよい。
従って、基材としては、安価で入手が容易な高分子フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート等がより好ましい。
本発明において、離型層は、ワックスから構成される。ワックスとしては、例えば、石油系ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、合成系ワックス等を挙げることができる。本発明で用いられるワックスには、例えば、C16〜C32の脂肪酸とアルコールとのエステルが包含される。本発明において、これらワックスは、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
本発明で用いられるワックスは、好ましくは融点が40〜140℃、より好ましくは融点が60〜100℃の範囲にあるのがよい。
本発明において、好ましいワックスは植物系ワックスであり、より好ましいワックスはカルナウバワックス、カンデリラワックス等である。
離型層の厚さは、通常0.1〜3μm程度、好ましくは0.5〜1μm程度がよい。
基材上に離型層を形成させるに当たっては、所望の厚さになるように、上記ワックスを公知の方法に従い塗布するのがよい。また、塗布作業を容易にするために、ワックスを適当な溶剤に溶解又は分散して溶液又はエマルジョン液の形態で使用してもよい。塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ナイフコーター、バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷等の一般的な方法を適用できる。
触媒層は、公知のものである。
触媒層は、触媒粒子を担持させた炭素粒子及び水素イオン伝導性高分子電解質を含有する。
触媒粒子としては、例えば白金、白金化合物等が挙げられる。白金化合物としては、例えば、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデン、イリジウム、鉄等からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と白金との合金等が挙げられる。
水素イオン伝導性高分子電解質としては、例えばパーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂等が挙げられる。
基材又は離型層上に触媒層を形成させるに当たっては、触媒粒子を担持させた炭素粒子及び水素イオン伝導性高分子電解質を適当な溶剤に混合、分散してペースト状にしておき、形成される触媒層が所望の厚さになるように、このペーストを公知の方法に従い基材又は離型層上に塗布するのがよい。
溶剤としては、例えば、各種アルコール類、各種エーテル類、各種ジアルキルスルホキシド類、水又はこれらの混合物等が挙げられる。
ペーストの塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ナイフコーター、バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷等の一般的な方法を適用できる。
斯かるペーストを塗布した後、乾燥することにより、触媒層が形成される。乾燥温度は、ワックスの融点以下であることが望ましく、通常40〜100℃程度、好ましくは60〜80℃程度である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常5分〜2時間程度、好ましくは30分〜1時間程度である。
触媒層の厚さは、通常10〜50μm程度、好ましくは15〜30μm程度がよい。
上記のように形成した電極−電解質膜接合体製造用転写シートの触媒層は、所定の形状にパターニングされるが、その方法の一例を図3を用いて説明する。
図3は、本発明転写シートの製造方法の一例を示す概略図である。
図3において、20は熱板、21は支持体、22は触媒層及び離型層が形成された基材、24は熱可塑性樹脂シート、25は耐熱性シートである。
図3に示すように、上下に可動して熱圧着する熱板20と支持体21との間に、基材22、熱可塑性樹脂シート24及び耐熱性シート25が配置されている。
基材22は、巻き出し用ローラ22a及び巻き取り用ローラ22bからなる一対のローラの間に、一定の張力で繰り出されている。
基材22は、図4に示すように、触媒層面23が上になるように配置されている。図4は、図3における基材22の拡大図である。
熱可塑性樹脂シート24は、巻き出し用ローラ24a及び巻き取り用ローラ24bからなる一対のローラの間に、一定の張力で繰り出されている。
耐熱性シート25は、巻き出し用ローラ25a及び巻き取り用ローラ25bからなる一対のローラの間に、一定の張力で繰り出されている。
熱板20の先端部は、触媒層の不要部分、即ち、基材から取り除かれるべき触媒層の所定領域に熱可塑性樹脂シート24を熱圧着して、触媒層の所定領域と熱可塑性樹脂シート24とを熱圧着できる形状に加工されている。
熱板20を上昇させて支持体21に向けて押し当てることにより、耐熱性シート25を介して、熱可塑性樹脂シート24と触媒層が形成された基材22とが熱板20と支持体21との間で熱圧着され、熱可塑性樹脂シート24が、触媒層が形成された基材22の触媒層面23に熱接着される。
次に、熱板20を下降させて取り去り、耐熱性シート25、熱可塑性樹脂シート24及び基材22を移動させながら、基材22を放冷又は強制冷却することにより、前記熱接着部の触媒層23が熱可塑性樹脂シート24に強固に固着される。
次に、耐熱性シート25を熱可塑性樹脂シート24から剥がし、また、熱可塑性樹脂シート24を基材22から剥がすことにより、熱接着された触媒層の所定領域が、熱板20の形状に沿って選択的に熱可塑性樹脂シート24に転移して、基材22から除去され、触媒層を生産性よくパターニングすることができる。
前記熱圧着に際して、支持体21と熱可塑性樹脂シート24との間には、耐熱性シート25が介在するため、支持体21に熱可塑性樹脂シート24が粘着することを防止することができる。
このような熱可塑性樹脂シート24の支持体21への粘着は、例えば、支持体21の熱圧着面に、テフロン(登録商標)加工等の耐熱性離型加工を施すことによっても防止することができる。従って、このような耐熱性離型加工を施した場合には、耐熱性シート25の使用を省略することができる。
また、熱板20及び支持体21はロール状のものでもよく、触媒層の不要部分に対応する箇所が凸状に形成されたヒートロール及び凹凸のない支持ロールを使用しても、本発明の転写シートを製造することができる。
前記熱可塑性樹脂シートは、触媒層の所定領域に選択的に熱圧着して、触媒層に熱圧着させた後、これを剥離することにより、触媒層の前記所定領域を、熱可塑性樹脂シート側に転移させて基材から除去するために用いるものであり、触媒層に対して熱接着性を有していることが必要である。このような熱可塑性樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のポリオレフィン系樹脂からなるシートが好適に使用される。
熱可塑性樹脂シートの厚みは、通常10〜200μm程度、好ましくは25〜100μm程度がよい。熱可塑性樹脂シートの厚みが薄すぎる場合、触媒層を十分に除去することが困難になる傾向が生じ、逆に熱可塑性樹脂シートの厚みが厚すぎる場合、触媒層をシャープな形状にパターニングすることが困難になる傾向が生じる。
上記のような方法を採用することにより、触媒層を精度よく、効率的にパターニングすることができる。
前記耐熱性シートは、熱板等の加熱ヘッドで熱圧着した後に、前記熱可塑性樹脂シートから剥離可能な材質の耐熱性シートである限り、公知の耐熱性シートを広く使用することができる。このような耐熱性シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等の耐熱性ポリマーからなるシートを挙げることができる。耐熱性シートは、一軸延伸されたものであってもよいし、二軸延伸されたものであってもよい。
耐熱性シートの厚みは、触媒層をシャープな形状にパターニングする観点から、10〜100μm程度が好ましく、25〜50μm程度がより好ましい。
熱圧着の条件は、前記熱可塑性樹脂シートを触媒層に熱接着し、熱接着された所定領域の触媒層を除去できればよく、前記熱接着性樹脂シートにポリオレフィン系樹脂シートを用いた場合、温度は100〜160℃、圧力は0.1〜1.0MPa、圧着時間は5秒以下が適当である。
耐熱性シートを使用すると、触媒層を精度よく、効率的にパターニングすることができることは勿論のこと、熱圧着の際に、加熱ヘッドに熱可塑性樹脂シートが粘着することを防止できるので、繰り返しスムーズに熱圧着して触媒層をパターニングすることができる。
また、前記耐熱性シートは、例えば、図3に示すように、環状に接続してローラ間に巻き回し、使用部位を移動させて使用することより、繰り返し使用することができる。
更に、前記耐熱性シート及び熱可塑性樹脂シートの代わりに、耐熱性シートの片面にヒートシール性フィルム層を形成した積層フィルムを使用することもできる。例えば、ヒートシール性を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、耐熱性シート及び熱可塑性樹脂シートの特性を兼備しているので、該フィルムからなる1枚のシートを用いるだけで、触媒層の不要部分を転移させ、除去することが可能である。
尚、上記で説明した製造方法は単なる一例であり、本発明の製造方法はこれらに限定されるものではない。
触媒層−電解質膜積層体
本発明の電極−電解質膜接合体製造用転写シートを用いることにより、触媒層が積層された電解質膜(触媒層−電解質膜積層体)を製造することができる。
触媒層−電解質膜積層体は、例えば本発明転写シートの触媒層面が電解質膜面に対面するように転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を剥離することにより製造される。この操作を2回繰り返すことにより、触媒層面が電解質膜の両面に積層された触媒層−電解質膜積層体が製造される。
作業性を考慮すると、触媒層面を電解質膜の両面に同時に積層するのがよい。この場合には、例えば、本発明転写シートの触媒層面が電解質膜の両面に対面するように転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を剥離すればよい。
使用される電解質膜は、公知のものである。電解質膜の膜厚は、通常20〜250μm程度、好ましくは20〜80μm程度である。電解質膜の具体例としては、デュポン社製の「Nafion」膜、旭硝子(株)製の「Flemion」膜、旭化成(株)製の「Aciplex」膜、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」膜等が挙げられる。
本発明において、電解質膜の一方面又は両面は、表面粗さ(Ra)が1〜10μm程度、好ましくは1〜3μm程度に粗面化されていてもよい。
加圧レベルは、転写不良を避けるために、通常0.5〜20Mpa程度、好ましくは1〜10Mpa程度がよい。また、この加圧操作の際に、転写不良を避けるために、加圧面を加熱するのが好ましい。加熱温度は、電解質膜の破損、変性等を避けるために、通常200℃以下、好ましくは150℃以下がよい。
また、本発明の触媒層が積層された電解質膜は、本発明転写シートの接着層面が電解質膜の両面に対面するように転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を接着層面から剥離することにより製造することができる。
離型層は、基本的には転移せず、基材側に残る。しかし、離型層の一部が転移しても、(i)電極基材との接合をワックスの融点よりも高い温度で行うためにワックスが蒸発する、(ii)初期の電池反応時にワックスが電気分解を受けて分解される、等のために、離型層転移による問題は生じない。
電極−電解質膜接合体
本発明の電極−電解質膜接合体は、触媒層−電解質膜積層体の両面に電極基材を配置し、加圧することにより製造される。
電極基材は、公知であり、燃料極、空気極を構成する各種の電極基材を使用できる。
加圧レベルは、通常0.1〜100Mpa程度、好ましくは5〜15Mpa程度がよい。この加圧操作の際に加熱するのが好ましく、加熱温度は通常120〜150℃程度でよい。
燃料電池
本発明の燃料電池は、例えば、本発明の電極−電解質膜接合体製造用転写シートから次のようにして製造される。
例えば、本発明の燃料電池は、
(1)電極−電解質膜接合体製造用転写シートの触媒層面が電解質膜の片面又は両面に対面するように転写シートを配置し、加圧した後、該転写シートの基材を触媒層面から剥離することにより触媒層−電解質膜積層体を得る工程、
(2)上記(1)工程で得られる触媒層−電解質膜積層体の両面に電極基材を配置し、加圧することにより電極−電解質膜接合体を得る工程、及び
(3)上記(2)工程で得られる電極−電解質膜接合体を用いて燃料電池を得る工程
を経て製造される。
本発明は、上記電極−電解質膜接合体を組み込んだ燃料電池を提供する。
本発明の方法によれば、基材上に形成される触媒層のパターニングを、精度よく、効率的に行うことができ、優れた電池性能を備えた電極−電解質膜接合体を製造するための電極−電解質膜接合体製造用転写シートを、短時間で且つ簡単な操作で、即ち、工業的に有利に製造することができる。
本発明の方法では、触媒層の電解質膜への転写を、従来のように高温高圧下に行う必要がないので、電解質膜が溶融することがなく、膜自体が変性する危険が少ない。
従って、本発明の電極−電解質膜接合体を使用すれば、優れた電池性能を備えた高品質の燃料電池を製造することができる。
以下に実施例及び比較例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。
実施例1
白金担持触媒10g(Pt:20wt%、田中貴金属工業製のTEC10シリーズ)及びバインダーとして5wt%ナフィオン(Nafion)溶液(デュポン社製、溶剤:n−プロパノール)40gを分散機にて攪拌混合することでペーストを調製した。
一方、基材(二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、商品名:E3120、東洋紡績(株)製、厚さ13μm)上に、カルナウバワックスのエマルジョン液(EMUSTAR−0199、日本精鑞製、液の濃度:20重量%)を0.5〜1μm程度の厚さに片面塗工し、エマルジョン液を乾燥させた。次に、カルナウバワックス層の上に、上記で調製したペーストを、ドクターブレードにより厚さ50μmとなるように塗布し、これを大気雰囲気中50℃で12時間乾燥させ、触媒層を形成した。
次に、上記触媒層のパターンニングを、図3に示す装置を用い、以下のようにして行った。
熱可塑性樹脂シート24には、厚み50μmのポリエチレンフィルムを用い、剥離可能な耐熱性シートには、厚み25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。熱板20には、基材上に50×50mmの触媒層が形成するように、押圧面が60×60mm、触媒層と触媒層との間の幅が10mmとなるように格子形状に形成した熱板を用い、温度170℃、圧力0.3MPa、圧着時間2秒の熱圧着条件で、前記基材に形成した触媒層にポリエチレンフィルムを、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを介して、間欠運動で移動させながら熱圧着し、空冷した後、ポリエチレンフィルムを剥離した。
触媒層は、熱板20の押圧面の形状通りに、ポリエチレンフィルムに熱圧着され、基材から剥離できた。
その結果、基材上に触媒層を高精度でパターニングすることができた。これらの一連の操作は簡易であり、生産性の点で優れていた。
実施例2
基材上に120×120mmの触媒層が25分割された20mm×20mmの触媒層となるような格子形状に形成した熱板を用いる以外は、実施例1と同様にして、触媒層のパターニングを行った。
その結果、基材上に触媒層を高精度でパターニングすることができた。これらの一連の操作は簡易であり、生産性の点で優れていた。
比較例1
実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上にカルナウバワックス層を形成し、更にそのの上に触媒層を形成した。その後、触媒層のパターニングを電磁波照射方式及びレーザー光照射方式の両方で行った。
いずれの方式でもパターニングに時間がかかり、生産効率が著しく劣っていた。
比較例2
実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上にカルナウバワックス層を形成した。触媒層の形成は、実施例1と同じペーストを用い、ダイコーターにより、基材を連続的に送りながら、機械的な制御により、ペーストの塗工部と非塗工部とを作り出す方法で、触媒層のパターンを形成した。
その結果、塗工速度の上昇と共に、塗工膜の厚みにバラツキが発生し、膜厚が安定した触媒層のパターンを形成することができなかった。
図1は、電極−電解質膜接合体製造用転写シートの平面図である。 図2は、電極−電解質膜接合体製造用転写シートの断面図である。 図3は、本発明転写シートの製造方法の一例を示す概略図である。 図4は、図3における基材22の拡大図である。
符号の説明
1 基材
2 離型層
3 触媒層
20 熱板
21 支持体
22 基材
23 触媒層
24 熱可塑性樹脂シート
25 耐熱性シート
22a 巻き出し用ローラ
22b 巻き取り用ローラ
24a 巻き出し用ローラ
24b 巻き取り用ローラ
25a 巻き出し用ローラ
25b 巻き取り用ローラ

Claims (5)

  1. 基材の片面に複数個の触媒層が一定間隔で形成された、電極−電解質膜接合体製造用転写シートを製造する方法であって、
    基材に形成された触媒層の上に熱可塑性樹脂シートを重ね合わせ、
    次に触媒層の所定領域が熱可塑性樹脂シートに固着されるように触媒層と熱可塑性樹脂シートとを熱圧着し、
    次いで触媒層の所定領域が固着した熱可塑性樹脂シートを、基材から剥離することにより、基材から触媒層の所定領域を離脱させ、結果として、基材上に複数個の触媒層を形成させる、
    転写シートの製造方法。
  2. 触媒層と熱可塑性樹脂シートとを熱圧着するに当たり、基材側から熱板を、熱可塑性樹脂シートを挟んで反対側に位置する支持体に向かって押圧する、請求項1に記載の転写シートの製造方法。
  3. 熱板を押圧するに当たり、熱可塑性樹脂シートと支持体との間に剥離可能な耐熱性シートを介在させる、請求項2に記載の転写シートの製造方法。
  4. 触媒層は、(1)触媒粒子を担持した炭素粒子、(2)水素イオン伝導性高分子物質及び(3)溶剤を含有する塗工液を、基材上に塗布し、乾燥することにより形成されたものである、請求項1〜3のいずれかに記載の転写シートの製造方法。
  5. 触媒層が、離型層を介して基材上に形成される、請求項1〜4のいずれかに記載の転写シートの製造方法。
JP2004186113A 2004-06-24 2004-06-24 電極−電解質膜接合体製造用転写シート及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4538686B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004186113A JP4538686B2 (ja) 2004-06-24 2004-06-24 電極−電解質膜接合体製造用転写シート及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004186113A JP4538686B2 (ja) 2004-06-24 2004-06-24 電極−電解質膜接合体製造用転写シート及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006012523A JP2006012523A (ja) 2006-01-12
JP4538686B2 true JP4538686B2 (ja) 2010-09-08

Family

ID=35779532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004186113A Expired - Fee Related JP4538686B2 (ja) 2004-06-24 2004-06-24 電極−電解質膜接合体製造用転写シート及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4538686B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1949568B (zh) * 2005-10-13 2010-09-29 比亚迪股份有限公司 燃料电池膜电极的制备方法
US7785435B2 (en) * 2006-02-27 2010-08-31 Gm Global Technology Operations, Inc. Method of laminating a decal to a carrier film
JP5277546B2 (ja) * 2007-02-15 2013-08-28 大日本印刷株式会社 燃料電池用の触媒層転写フィルム及び触媒層−電解質膜積層体の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001196070A (ja) * 2000-01-12 2001-07-19 Toyota Motor Corp 接合体製造装置および接合体製造方法
JP2002158014A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子型燃料電池用触媒層・膜接合体の製造方法
JP2004039474A (ja) * 2002-07-04 2004-02-05 Mitsubishi Electric Corp 固体高分子型燃料電池およびその膜・電極接合体の製造方法
JP2004095553A (ja) * 2002-08-14 2004-03-25 Dainippon Printing Co Ltd 転写シート、触媒層−電解質膜積層体、電極−電解質膜接合体及びこれらの製造方法
JP2004165073A (ja) * 2002-11-15 2004-06-10 Dainippon Printing Co Ltd 触媒層形成用ペースト組成物、触媒層−電解質膜積層体製造用転写シート及び触媒層−電解質膜積層体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001196070A (ja) * 2000-01-12 2001-07-19 Toyota Motor Corp 接合体製造装置および接合体製造方法
JP2002158014A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子型燃料電池用触媒層・膜接合体の製造方法
JP2004039474A (ja) * 2002-07-04 2004-02-05 Mitsubishi Electric Corp 固体高分子型燃料電池およびその膜・電極接合体の製造方法
JP2004095553A (ja) * 2002-08-14 2004-03-25 Dainippon Printing Co Ltd 転写シート、触媒層−電解質膜積層体、電極−電解質膜接合体及びこれらの製造方法
JP2004165073A (ja) * 2002-11-15 2004-06-10 Dainippon Printing Co Ltd 触媒層形成用ペースト組成物、触媒層−電解質膜積層体製造用転写シート及び触媒層−電解質膜積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006012523A (ja) 2006-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5196717B2 (ja) 触媒層転写シート、触媒層−電解質膜積層体の製造方法、電極−電解質膜接合体の製造方法、および燃料電池の製造方法
JP2007299551A (ja) 燃料電池用膜電極接合体の製造方法
JP5017776B2 (ja) 固体高分子形燃料電池用膜・触媒層接合体の製造方法、固体高分子形燃料電池の製造方法、及び固体高分子形燃料電池用膜・触媒層接合体の製造装置
JP2011065877A (ja) 固体高分子形燃料電池用部材の製造方法及び製造装置
JP4560671B2 (ja) 転写シート、触媒層−電解質膜積層体、電極−電解質膜接合体及びこれらの製造方法
JP2011165460A (ja) 膜−触媒層接合体の製造方法
JP6641812B2 (ja) 膜電極接合体の製造方法
JP4538683B2 (ja) 燃料電池用触媒層形成シート、該シートの製造方法及び触媒層−電解質膜積層体の製造方法
JP4810841B2 (ja) 固体高分子形燃料電池用電解質膜−触媒層接合体の製造方法および製造装置
WO2012081169A1 (ja) 膜-触媒層接合体の製造方法
JP2007048701A (ja) 転写シート、触媒層−電解質膜積層体、電極−電解質膜接合体及びこれらの製造方法
JP4538686B2 (ja) 電極−電解質膜接合体製造用転写シート及びその製造方法
JP4538684B2 (ja) 燃料電池用触媒層形成シート、触媒層−電解質膜積層体及びこれらの製造方法
JP4538692B2 (ja) 触媒層−電解質膜積層体の製造方法
JP2005063832A (ja) 触媒層−電解質膜積層体及びその製造方法
JP6163812B2 (ja) 支持基材付き電解質膜の製造方法、支持基材付き電解質膜の製造装置、支持基材付き電解質膜を用いた触媒層−電解質膜積層体の製造方法、および支持基材付き電解質膜を用いた触媒層−電解質膜積層体の製造装置
JP2008077986A (ja) 固体高分子形燃料電池用触媒層の転写方法及び電解質膜−触媒層接合体
JP2002280012A (ja) 燃料電池用電解質膜電極接合体の製造方法
JP5126292B2 (ja) 触媒層−電解質膜積層体製造用転写シート及びその製造方法
JP4736385B2 (ja) 触媒層−電解質膜積層体製造用転写シート及びその製造方法
JP2009004391A (ja) 触媒層−電解質膜積層体、電極−電解質膜接合体及び燃料電池
JP2016201175A (ja) 燃料電池用触媒層シートの製造方法及び燃料電池用触媒層シート、膜電極接合体、固体高分子形燃料電池
JP5277546B2 (ja) 燃料電池用の触媒層転写フィルム及び触媒層−電解質膜積層体の製造方法
JP2014067483A (ja) 固体高分子形燃料電池の製造方法
KR102295995B1 (ko) 막·촉매 접합체의 제조 방법, 및 제조 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100414

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100517

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100602

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100608

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees