JP2007299551A - 燃料電池用膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

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真広 山本
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愛 板垣
Masami Yoshida
政美 吉田
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Abstract

【課題】 非常に薄く、形状が額縁状のエッジシール部材を所定の位置に精度良く配置することのできる燃料電池用膜電極接合体の製造方法を提供する。
【解決手段】電解質膜11とエッジシール部材(ガスケット14、ガスシール15)の少なくとも一方のアクティブエリア(触媒層にあたる部分25)の外周部に接着剤および/または粘着剤16を形成すると共に、前記電解質膜11とエッジシール部材をロール状(11a、14a、15a)とし、前記電解質膜11と前記エッジシール部材をロール(11a、14a、15a)より引き出して前記接着剤および/または粘着剤16を介して接合し、その後、前記エッジシール部材のアクティブエリア(触媒層にあたる部分)を切断除去することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体10の製造方法。
【選択図】図3A

Description

本発明は、電解質膜とエッジシール部材とを接合して燃料電池用膜電極接合体(以下、単にMEAともいう。)を製造する方法および該方法に用いられる製造装置、並びに該製方法により得られたMEAおよび該MEAを使用した燃料電池に関する。
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、常温でも作動して高出力密度が得られる燃料電池が移動体用電源、定置型電源として注目されている。燃料電池は、電極反応による生成物が原理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんどないクリーンな発電システムである。特に、固体高分子型燃料電池は、比較的低温で作動することから、燃料電池自動車から携帯機器(例えば、携帯電話、携帯情報端末、携帯音楽プレイヤー、ノート型パソコンなど)までの各種移動体用の電源として期待されている。
図1に、燃料電池セル(スタック)におけるMEAの一般的な基本構造を示す。
図1に示すように、こうした燃料電池セルにおけるMEA10の構造は、一般的には、電解質膜(以下、単に膜とも称する。)10が一対の電極(アノード触媒層12aおよびカソード触媒層12b、更にはアノードガス拡散層13aおよびカソードガス拡散層13b)により挟持されてなるものである。即ち、MEA10の構造は、膜11の両側に触媒層12、GDL13の順に配されてなるのが一般的である。さらに、燃料電池のMEA10の構成では、単セルの外周部からの微量リークやクロスリークを防止する為に該外周部をシールするために、膜の両側(空気極側及び燃料極側)の電極、GDLが形成されている部分の外周部に額縁状のガスケットがそれぞれ配置されている。さらに、燃料電池の単セル構造は、図1に示すMEA(GDLを含む。)をセパレータで挟持した構造となっている。上記したように、本明細書では、MEAにGDLを含めて説明するが、かかるGDLは、MEAとは別に、該MEAの両側に配置されてなる燃料電池セルの構成部材としてもよい。
こうしたMEA10は、電解質膜11(触媒層12を塗布したもの)の触媒層12部分の外周部に、ガスケット14をホットプレスして、ホットメルト等の接着剤16を介して接合し、更にガスケット14の両側にガスシール15をホットプレスして、ホットメルト等の接着剤16を介して接合し、GDL13をガスシール15の内周にセットして製造していた(例えば、特許文献1、2参照。)。
特開平5−242897号公報 特開平5−21077号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載してあるように従来の製造方法においては、電解質膜11の外周部にエッジシール部材であるガスケット14、ガスシール15をホットプレス等でプレスして接合している。燃料電池自動車や載置用の電源などに用いられる燃料電池では、数百セル構成の燃料電池スタックを形成する必要があり、必要なセル数だけホットプレスが必要となる。そのため生産数量の増加に対応しきれないという問題があった。また、同時に生産コストも高くなっていた。
そこで、本発明者らにより、図2のようにロールツーロール(Roll to Roll)工法でMEA(完成品)を製造する方法が検討されたが、ガスケット(厚さ数十μm程度)14、ガスシール(厚さ百μm程度)15は非常に薄く、なおかつ図4のように形状が額縁状になっているため、額縁状の細長い部分が特によれ易く形状保持か非常に難しく、圧延ローラ21、22で所定の位置に精度良く接合することが出来ないという問題があることがわかった。
そこで、本発明は、電解質膜とエッジシール部材とを接合してMEAを製造する方法であって、なおかつ非常に薄く、形状が額縁状のエッジシール部材を所定の位置に精度良く配置することのできるMEAの製造方法を提供することを目的とする。
そこで、本発明の上記目的は、電解質膜とエッジシール部材とを接合して膜電極接合体を製造する方法であって、
前記電解質膜と前記エッジシール部材の少なくとも一方のアクティブエリアの外周部に接着剤および/または粘着剤を形成すると共に、前記電解質膜とエッジシール部材をロール状とし、
前記電解質膜と前記エッジシール部材をロールより引き出して前記接着剤および/または粘着剤を介して接合し、
その後、前記エッジシール部材のアクティブエリアを切断除去することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造方法により達成することができる。
本発明によれば、電解質膜とエッジシール部材とを接合して膜電極接合体を製造する方法であって、前記電解質膜と前記エッジシール部材の少なくとも一方のアクティブエリアの外周部に接着剤および/または粘着剤を形成すると共に、前記電解質膜とエッジシール部材をロール状とし、前記電解質膜と前記エッジシール部材をロールより引き出して前記接着剤および/または粘着剤を介して接合し、その後、前記エッジシール部材のアクティブエリアを切断除去することで、エッジシール部材が所定の位置に精度良く接合されたMEAを製造することが出来る。そのため、生産能力が大幅にアップし、コストも低減出来る。
本発明のMEAの製造方法は、電解質膜とエッジシール部材とを接合して膜電極接合体を製造する方法であって、
前記電解質膜と前記エッジシール部材の少なくとも一方のアクティブエリアの外周部に接着剤および/または粘着剤を形成すると共に、前記電解質膜とエッジシール部材をロール状とし、
前記電解質膜と前記エッジシール部材をロールより引き出して前記接着剤および/または粘着剤を介して接合し、
その後、前記エッジシール部材のアクティブエリアを切断除去することを特徴とするものである。
以下、本発明につき、最良の実施形態につき、図面を用いて説明する。図3Aは、本発明の製造方法(第1の実施形態)における、電解質膜とエッジシール部材とを接合してMEAを作製するための工程概略図である。
A.第1の実施形態について
本発明の製造方法の第1の実施形態は、電解質膜とエッジシール部材とを接合してMEAを製造する方法であって、
前記電解質膜と前記エッジシール部材の少なくとも一方のアクティブエリアの外周部に接着剤および/または粘着剤を形成すると共に、前記電解質膜とエッジシール部材をロール状とし(準備段階とする)、
前記電解質膜と前記エッジシール部材をロールより引き出して前記接着剤および/または粘着剤を介して接合し(接合工程とする)、
その後、前記エッジシール部材のアクティブエリアを切断除去する(切断除去工程とする)ことを特徴とするものであって、
前記エッジシール部材のアクティブエリアの外周部にスリットが切られてロール状となっており、
前記アクティブエリアを切断除去する際に、前記エッジシール部材のアクティブエリアを前記スリットを利用して切断することを特徴とするものである。これにより、ロールツーロール工法を単に転用した場合には、非常に薄く、なおかつ形状が額縁状になっているため、額縁状の細長い部分が特によれ易く形状保持か非常に難しいエッジシール部材が所定の位置に精度良く接合されたMEAを製造することが出来る。そのため、生産能力が大幅にアップし、コストも低減出来る。また、本実施形態では、後述する他の実施形態に比べて、切断除去に要する作業工数が少なくてよい点で優れている。
本実施形態および以下に説明する第2および第3の実施形態では、上記切断除去工程後に更に外周部分やマニホールド穴をトムソン刃型等の適当なトリム手段を用いて最終トリムする(最終トリム工程とする)ことで、MEA(または電解質膜にエッジシール構造)を形成するものである。
本発明の製造方法の第1の実施形態の概略図を図3に示す。
1.準備段階
図3の工程1のように、まず、電解質膜11とエッジシール部材であるガスケット14及びガスシール15の少なくとも一方のアクティブエリアの外周部に接着剤および/または粘着剤を形成すると共に、前記電解質膜11とエッジシール部材であるガスケット14及びガスシール15をそれぞれロール状としたロール11a、14a、15aを準備する。
ここで用いた前記電解質膜には、予め触媒層(図示せず)が電解質膜11の両側に形成された電解質膜11をロール状としたロール11aを用いて説明する。また、前記エッジシール部材には、ガスケット14及びガスシール15の複数の部材を用い、予めガスケット14及びガスシール15のアクティブエリアの外周部に接着剤および/または粘着剤(図示せず)が形成され、該アクティブエリアの外周部にスリットが切られてロール状となっているロール14a、15aを用いて説明する。ただし、本発明では、これらの実施態様に制限されるものではない。
すなわち、当該工程で用いる電解質膜11のロール11aには、触媒層を塗布したものを用いてもよいが、ロール11aにする際に、曲げ応力が加わることから、ロール11aから引き出し後の搬送過程で行ってもよい。例えば、ガスケット14を接合する前の搬送過程で適当な方法、例えば、スプレーコーティング法、スクリーン印刷法、インクジェット法等の塗布手段を用いて電解質膜の両側に触媒インクを塗布し、適当な乾燥手段、例えば、ヒータ付きのロールや赤外線ヒータ等を用いて所望の触媒層を形成してもよい。あるいは、更に後の工程で、触媒層にあたる部分のシート部材であるガスケット14、ガスシール15を切断除去した後に、上記したような適当な方法にて触媒層を形成してもよい。これにより、触媒層に余分な曲げ応力等が加わらないようにすることができる点で優れている。特に、後者の場合には、電解質膜とシール部材を接合する際に触媒層との位置合わせが不要であるため、より簡便に精度良く接合することができる点で優れている。また、前者の場合には、電解質膜にシール部材が接合されていない為、触媒層の形成手段が制約されにくい点で優れている。また、予め電解質膜のアクティブエリアの外周部に接着剤および/または粘着剤を形成した電解質膜をロール状としたロール11aを用いてもよい。
ここにおいて、前記ガスケット14及び前記ガスシール15に用いるロール材14a、15aは、図5のように最終的にエッジシールを形成する部分(図4のMEAの外周に位置する額縁状のガスシール部材であるガスケット14およびガスシール15を形成する位置)51については、ホットメルト等の接着剤および/または粘着剤(以下、単に接着剤等ともいう)16が塗布してあるが、触媒層にあたる部分52についてはホットメルト等の接着剤等16を塗布していないものを用いる。更に、触媒層にあたる部分52については、後工程で除去し易いようミシン目等のスリット53が入れてあるものを用いる。この状態であれば、ガスケット14(ロール14a)、ガスシール15(ロール15a)は剛性を持つため、問題無くロールにて電解質膜11の所定の位置に精度良く接合することが出来る。
ここで用いたガスケット14の材質はPEN(ポリエチレンナフタレート)で、厚さは20μmであり、予め接着剤等16aとしてホットメルトを厚さ10μmで塗布したものを用いた。ただし、本発明では、これらの具体例に何ら制限されるものではない。なお、ガスケット14の接着剤等16aは、電解質膜11との接合面側のみに形成する。
また、ガスシール15についても材質はPEN(ポリエチレンナフタレート)で、厚さは100μmであり、予め接着剤等16bとしてホットメルトを厚さ10μmで塗布したものを用いた。ただし、本発明では、これらの具体例に何ら制限されるものではない。なお、ガスシール15の接着剤等16bは、ガスケット14との接合面側のみに形成する。
上記のように、接着剤等16にホットメルトなどの熱可塑性接着剤を用いるのが望ましい。これは、ヒータ付の圧延ローラを用いて簡単に接合させることができるためである。また、該ヒータ付の圧延ローラにより加熱溶融されるまでは接着性ないし粘着性を持たないので、ロール材14a、15aとして取り扱い性に優れる為である。即ち、フィルムシートをロール状に巻き取り易く、また該ロール材からフィルムシートを大きなテンションをかけなくとも簡単に引き出す(供給する)ことができるためである。ただし、本実施形態では、図3に示す例示に何ら制限されるものではなく、上記圧延ローラとは別に該圧延ローラの直前に加熱手段、例えば、赤外線ヒータ等や加熱炉を設けておいて、接合するようにしてもよい。
さらに、図3では、予めガスケット14やガスシール15に接着剤等16を形成したロール14a、15aを準備することとしたが、ガスケット14やガスシール15のロール14a、15aの段階では、予め接着剤等を形成することなく、ロール14a、15aからガスケット14やガスシール15のシートを搬送する過程で、接着剤等16を塗布した後、電解質膜11と接合させてもよい。この場合には、接着剤等16としてホットメルト等の熱可塑性接着剤に何ら制限されること無く、任意の接着剤ないし粘着剤を用いることができる。尚、粘着剤でもよいとしたのは、ガスケット14やガスシール15として、Oリングなどの弾性部材を用いてエッジシールする場合には、あくまでも当該粘着剤は、製造過程で精度良く電解質膜11とエッジシール部材(ガスケット14やガスシール15)を位置合わせするためのものであるからである。この場合、電池運転中のエッジシール機構は、当該粘着剤により行うのではなく、燃料電池スタックのエンドプレートにより当該MEA10を両側から所定の圧力で締め付けられるので、Oリングなどと同様にガスケット14やガスシール15自身の弾性反発力を利用して行うことができるためである。
2.接合工程(準備段階を含む場合もある)
次に図3の工程2、3のように、前記電解質膜11と前記エッジシール部材のガスケット14及びガスシール15をロール11a、14a,15aより引き出して前記接着剤および/または粘着剤を介して接合する。
電解質膜11を搬送ローラ25、26、更には、圧延ローラ21、22等の搬送手段を用いて、ロール11aより引き出す。同様にしてガスケット14、ガスシール15をロール14a、15aより引き出し、搬送中の電解質膜11の両側にそれぞれ供給し、ヒータ23付の圧延ローラ21およびヒータ24付きの圧延ローラ22にて電解質膜11の両側に順に接合する。
なお、図3、5では、電解質膜11とガスケット14との接合のために、ガスケット14に接着剤等16を形成した例を示したが、かかる例示に何ら制限されるものではなく、電解質膜11とガスケット14のいずれか少なくとも一方に接着剤等16を設ければよい。電解質膜11に接着剤等16を設ける場合には、ガスケット14との接合面側(両側)に接着剤等16を形成すればよい。同様にガスケット14とガスシール15との接合のために、ガスシール15に接着剤等16を形成した例を示したが、かかる例示に何ら制限されるものではなく、ガスケット14とガスシール15のいずれか少なくとも一方に接着剤等16を設ければよい。ガスシール15に接着剤等16を設ける場合には、ガスケット14との接合面側に接着剤等16を形成すればよい。したがって、場合によっては、ガスケット14の両側に接着剤等16を設けることで、電解質膜11との接合およびガスシール15との接合を行うようにすることもできる。
ここまでの段階で電解質膜11の両側にガスケット14、ガスシール15の接合を完了したものが出来上がっているが、ここからガスケット14、ガスシール15のそれぞれ触媒層にあたる部分52(図5参照)を除去する必要がある。
3.切断除去工程
そこで、図3に示すように、次の工程4において、前記エッジシール部材のアクティブエリアを切断除去する。
ここでは、電解質膜11の両側にエッジシール部材であるガスケット14及びガスシール15が接合されて搬送されているシートから、ガスケット14、ガスシール15のアクティブエリアである触媒層にあたる部分(単に、触媒層部分ともいう)52(図5参照)のガスケット14、ガスシール15を適当な切断除去手段を用いて切断除去する。本実施形態では、アクティブエリアである触媒層部分52を切断除去する際に、エッジシール部材のガスケット14及びガスシール15のアクティブエリアである触媒層部分52を前記スリット53を利用して切断する。
図3A,Bでは、適当な切断除去手段として、吸着パッド28にガスケット14、ガスシール15の触媒層部分52を吸着した状態で引張って引き剥がす吸着引き剥がし装置27を用いて切断除去する例を示したが、これらに何ら制限されるものではない。この他にも、例えば、ロボットの爪などで、ガスケット14、ガスシール15の触媒層部分52をつまんで、当該触媒層部分52を切断除去する等の方法で引き剥がしてもよい。触媒層部分52のガスケット14、ガスシール15は、いずれもミシン目53等のスリット(図5参照)を起点に、比較的簡単に(わずかな外部からの引張力で)切断除去される。なお、図3Bに示すように、吸着引き剥がし装置27では、固定部29を設け、該固定部29でガスケット14、ガスシール15の最終的にエッジシールを形成する部分(単にエッジシール部分ともいう)51が引き剥がれないように押さえつけてから、触媒層部分52の吸着引き剥がし操作を行うのが望ましい。なお、固定部29は、エッジシール部分51の形状と同様に額縁状の構造としてもよいし、当該エッジシール部分51の額縁状の部分の任意に何点かを押さえて固定するものであってもよいなど、その使用目的が達成されるものであれば、如何なる構成(構造)であってもよい。また、吸着パッド28も、車両の駆動電源のように大型の燃料電池が求められるような場合などにおいては、対応する触媒層の面積も大きくなり、触媒層部分52全体を1つの吸着パッド28で吸引するのは困難となることから、複数の吸着パッド28を触媒層部分52の各所に適当に配置するようにしてもよい。これにより、各吸着パッド28の吸引力を抑えることができ、効率よく触媒層部分52を引き剥がすことができる。
なお、図3Bでは、電解質膜11の片側(上部側)のみに吸着引き剥がし装置27が設置されている様子を示したが、実際には、図3Aに示すように、膜の両側に吸着引き剥がし装置27を設けておき、上下の吸着引き剥がし装置27の固定部29により電解質膜を挟んで固定するのが望ましい。ロールツーロール工法にて搬送中の電解質膜11には、一定のテンションが掛かっているため、膜の片側のみから該固定部29をエッジシール部分51に押し当ててもよい。同様に、図3Aでは、搬送方向の上下にそれぞれ1台ずつ吸着引き剥がし装置27を配置しているが、実際には、ガスケット14用とガスシール15用とを別々に搬送方向の上下にそれぞれ1台ずつ配置(全体で4台の吸着引き剥がし装置27を配置)してもよい。この点に関しては、後述する第2および第3の実施形態に用いる切断除去手段に関しても同様であり、図10にあるように、1台のトムソン刃型装置だけではなく、最も効率が良くなるように、複数のトムソン刃型装置やレーザー装置を搬送方向に適当に配置するのが望ましい。
4.最終トリム工程
最後に、図3Aに示すように、工程5にて外周部分(図示せず)やマニホールド穴41(図4参照)をトムソン刃型等の適当なトリム手段を用いて最終トリムすること(最終トリム工程とする)により、完成品(例えば、MEA10)を得ることが出来る。なお、図3Aに示す完成品には、以下に説明するように、触媒層やGDLが含まれていない場合もある。
すなわち、触媒層やGDL(図示せず)は、図3Aの額縁状に中央部が切断除去される前のロールシート状のガスケット14及びガスシール15を適用して、電解質膜とエッジシール部材とを接合してMEA10を作製する方法にて、所望の完成品(例えば、電解質膜にエッジシール部材が形成され、最終トリムされたもの)を完成させた後に、個々の完成品に触媒層やGDLを設置してもよいし、上記工程4の切断除去工程後に、必要に応じて行ってもよい。即ち、電解質膜11に触媒層を形成していれば、直ちにGDLを設置すればよいが、電解質膜11に触媒層が形成されていない場合には、上記工程4と当該工程5の間の搬送過程で、適宜、触媒層形成工程、更にはGDL形成工程を行ってもよい。量産化により大量生産を行う場合には、図3Aに示す電解質膜とエッジシール部材とを接合してMEAを作製する方法にて完成品(電解質膜にエッジシール部材が形成され、最終トリムされたもの)を完成させた後に、触媒層やGDLを設置するよりは、適当な段階(上記工程2の接合前の段階、あるいは上記工程4と当該工程5の間など)で所定の位置に触媒層を形成し、更に上記工程4と当該工程5の間の搬送過程で、触媒層上にGDLを設置するのが望ましいと言える。
B.第2の実施形態について
本発明の製造方法の第2の実施形態は、電解質膜とエッジシール部材とを接合してMEAを製造する方法であって、
前記電解質膜と前記エッジシール部材の少なくとも一方のアクティブエリアの外周部に接着剤および/または粘着剤を形成すると共に、前記電解質膜とエッジシール部材をロール状とし(準備段階とする)、
前記電解質膜と前記エッジシール部材をロールより引き出して前記接着剤および/または粘着剤を介して接合し(接合工程とする)、
その後、前記エッジシール部材のアクティブエリアを切断除去する(切断除去工程とする)ことを特徴とするものであって、
前記アクティブエリアを切断除去する際に、前記エッジシール部材のアクティブエリアを、適当な切断(除去)手段としてトムソン刃型を用いたハーフカットにて切断(除去)することを特徴とするものである。
本実施形態では、上記第1の実施形態のように、ミシン目等のスリット53(図5参照)を利用してではなく、例えば、図6、7のように、トムソン刃型61、71を用いたハーフカットにてガスシール15およびガスケット14の触媒層部分52を順次切断(除去)することを特徴とするものである。これにより、ロールツーロール工法を単に転用した場合には、非常に薄く、なおかつ形状が額縁状になっているため、額縁状の細長い部分が特によれ易く形状保持か非常に難しいエッジシール部材が所定の位置に精度良く接合されたMEAを製造することが出来る。そのため、生産能力が大幅にアップし、コストも低減出来る。また、本実施形態では、位置ずれ管理が簡単で作業性がよい。即ち、ミシン目のようなスリットであれば、接合により除去すべきアクティブエリアがミシン目と微妙に位置ズレしていても、ミシン目の位置を補正できないが、本実施形態であれば、接合により除去すべきアクティブエリアに対応して、トムソン型のトムソン刃の微妙な位置補正ができるようにしておくことで、位置ズレ補正を行った上でハーフカットにて切断(除去)することができるためである。
本発明の製造方法の第2の実施形態の概略図を図10に示す。
1.準備段階から接合工程まで
まず、図10の工程1、2、3にて、電解質膜11、ガスケット14、ガスシール15を上記第1の実施形態で説明した図3の工程1、2、3と同様にしてロール状とする。次に電解質膜11、ガスケット14、ガスシール15を、工程1で得られたロール11a、14a、15aより引き出して順次供給(搬送)し、電解質膜11の両側にガスケット14及びガスシール15をヒータ23付の圧延ローラ21及びヒータ24付の圧延ローラ22等の搬送手段を用いて、接着剤等16を介して順に接合する。詳しくは、上記第1の実施形態で説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。
ただし、本実施形態の図10で用いたガスケット14、ガスシール15は、図9のように、エッジシールを形成する部分51にホットメルト等の接着剤等16が塗布してあり、触媒層部分52にはホットメルト等の接着剤等が塗布されていない(ここまでは第1の実施形態の図4のものと同じである)が、ミシン目等のスリット(図5の符号53参照)も入っていないものを用いる。
2.切断除去工程
次に、図10に示すように、工程4で、触媒層部分の切断(除去)手段として、トムソン刃型61、71(図6、7参照)を用いたハーフカットで触媒層にあたる部分52(図6、7、9、参照)を切断除去する。
まず、図6のように、ハーフカットでは、トムソン刃型61のトムソン刃62の切断高さを0.01mm以下の精度で制御することにより、ガスケット14を切断することなく、ガスシール15のみを切断する。ここにおいて、ガスシール15は図9のように触媒層部分52にホットメルト等の接着剤等が塗布されていないため、ガスシール15とガスケット14は接合されていない。従って、ガスシール15の触媒層部分52は切断後に容易に除去することが出来る。切断後のガスシール15の触媒層部分52の除去には、例えば、第1の実施形態で用いた吸着引き剥がし装置27(特に吸着機能を利用する)やロボットの爪などでガスシール15の触媒層部分52をつまんで、当該触媒層部分52を除去する方法等を適宜利用することも可能であるが、エアを吹付けるだけでも切断後のガスシール15の触媒層部分52であれば簡単に除去することができる。
続いて、図7のようにガスケット14をハーフカットにて切断する。この場合も同様にトムソン刃型71のトムソン刃72の切断高さを0.01mm以下の精度で制御することにより、電解質膜11を切断することなくガスケット14のみを切断する。ガスケット14の場合も上記ガスシール15と同様に図9のように触媒層部分52にホットメルト等の接着剤等が塗布されていないため、触媒層部分52は切断後に、上記ガスシール15と同様に容易に除去することが出来る。なお、上記除去は、機械化(自動化)するのが望ましいが、人が剥がしてもよく、かかる態様も本発明に含まれるものとする。
更に、反対側の面も同様にハーフカットにてガスシール15、ガスケット14を切断し、除去することにより、図1に示す形状の燃料電池用MEAのエッジシール構造を形成することが出来る。
4.最終トリム工程
最後に、第1の実施形態の図3Aで説明したと同様にして、図10に示すように、工程5にて外周部分(図示せず)やマニホールド穴41(図4参照)をトムソン刃型30等の適当なトリム手段を用いて最終トリムすることにより、完成品(例えば、MEA10)を得ることが出来る。なお、図10に示す完成品にも、第1の実施形態の図3Aで説明したと同様に触媒層やGDLが含まれていない場合もある。詳しくは、第1の実施形態の図3A及び工程5の最終トリム工程で説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。
C.第3の実施形態について
本発明の製造方法の第3の実施形態は、電解質膜とエッジシール部材とを接合してMEAを製造する方法であって、
前記電解質膜と前記エッジシール部材の少なくとも一方のアクティブエリアの外周部に接着剤および/または粘着剤を形成すると共に、前記電解質膜とエッジシール部材をロール状とし(準備段階とする)、
前記電解質膜と前記エッジシール部材をロールより引き出して前記接着剤および/または粘着剤を介して接合し(接合工程とする)、
その後、前記エッジシール部材のアクティブエリアを切断除去する(切断除去工程とする)ことを特徴とするものであって、
前記アクティブエリアを切断除去する際に、前記エッジシール部材のアクティブエリアを、適当な切断(除去)手段としてトムソン型を用いたハーフカットとレーザーを用いたレーザーカットにて切断(除去)することを特徴とするものである。
本実施形態でも、上記第1の実施形態の図3A,Bで説明したように、ミシン目等のスリット53(図5参照)を利用してではなく、ガスシール15の触媒層部分の切断(除去)は第2の実施形態と同様にトムソン刃型を用いたハーフカットにて行い、ガスケット14の触媒層部分52の切断(除去)はレーザーを用いたレーザーカットによって行うことを特徴とするものである。これにより、ロールツーロール工法を単に転用した場合には、非常に薄く、なおかつ形状が額縁状になっているため、額縁状の細長い部分が特によれ易く形状保持か非常に難しいエッジシール部材が所定の位置に精度良く接合されたMEAを製造することが出来る。そのため、生産能力が大幅にアップし、コストも低減出来る。また、本実施形態でも、第2の実施形態と同様に、位置ずれ管理が簡単で作業性がよい。
本発明の製造方法の第3の実施形態の概略図は、第2の実施形態の概略図と同様であるため、先に説明した図10を用いて説明する。
1.準備段階から接合工程まで
第3の実施形態においても、まず、図10の工程1、2、3にて、電解質膜11、ガスケット14、ガスシール15を上記第1の実施形態で説明した図3の工程1、2、3と同様にしてロール状とする。次に電解質膜11、ガスケット14、ガスシール15を、工程1で得られたロール11a、14a、15aより引き出して順次供給(搬送)し、電解質膜11の両側にガスケット14及びガスシール15をヒータ23付の圧延ローラ21及びヒータ24付の圧延ローラ22等の搬送手段を用いて、接着剤等16を介して順に接合する。詳しくは、上記第1の実施形態で説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。
ただし、本実施形態の図10で用いたガスケット14、ガスシール15でも、図9のように、エッジシールを形成する部分51にホットメルト等の接着剤等16が塗布してあり、触媒層にあたる部分52にはホットメルト等の接着剤等が塗布されていない(ここまでは第1の実施形態の図4のものと同じである)が、ミシン目等のスリット(図5の符号53参照)も入っていないものを用いる。
2.切断除去工程
次に、図10に示すように、工程4で、触媒層部分の切断(除去)手段としてトムソン刃型(図6参照)を用いたハーフカットでガスシール15の触媒層部分52(図6参照)を切断(除去)し、更にレーザー(図8参照)によるレーザーカットでガスケット14の触媒層部分52(図8参照)を切断(除去)する。
まず、図6のように、ハーフカットでは、トムソン刃型61のトムソン刃62の切断高さを0.01mm以下の精度で制御することにより、ガスケット14を切断することなく、ガスシール15のみを切断する。こうした制御は、ストローク管理することで簡単に制御することができる。例えば、トムソン刃型61のストローク軸に適当なストッパなどを設置することで簡単に調節可能である。したがって、こうした精度に対応可能なように、ガスケット14、ガスシール15および接着剤等16の厚さが同程度以下の精度に加工されたロール材を用いる必要がある。ここにおいて、ガスシール15は図9のように触媒層部分52にホットメルト等の接着剤等が塗布されていないため、ガスシール15とガスケット14は接合されていない。従って、ガスシール15の触媒層部分52は切断後に容易に除去することが出来る。切断後のガスシール15の触媒層部分52の除去には、例えば、第1の実施形態で用いた吸着引き剥がし装置27(特に吸着機能を利用する)やロボットの爪などでガスシール15の触媒層部分52をつまんで、当該触媒層部分52を除去する方法等を適宜利用することも可能であるが、エアを吹付けるだけでも切断後のガスシール15の触媒層部分52であれば簡単に除去することができる。
続いて、図8に示すように、ハーフカットにてガスシール15の触媒層部分52を除去済みの電解質膜(工程4内の搬送品)に関して、レーザーヘッド81から所定強度のレーザー光82を照射することにより、ガスケット14を切断することが出来る。
ここで、電解質膜11は無色透明であるため、上面のガスケット14bを切断したレーザー光82は電解質膜11を傷つけずに透過し、反対面のガスケット14c(更には、反対面のガスシール15c)も切断する。これにより、ガスケット14を両面同時に切断、除去することが出来る。レーザーカットを用いる場合は、ガスケット14、ガスシール15はレーザー光82を吸収し易いよう黒色等に着色することが必要である。かかる黒色等の着色剤としては、特に制限されるものではなく、電気絶縁性の顔料、染料などを用いることができる。かかる着色剤の添加量は、ガスシール特性を損なわない範囲内で、所望のレーザー光の吸収による切断が容易に行える範囲で適量加えればよく、特に制限されるものではない。
また、レーザー(装置)としては、特に制限されるものではなく、YAGレーザー、半導体レーザー、COレーザーなど、従来公知の各種レーザーを用いることができる。
また、上記レーザー(装置)によるレーザー光82の照射条件としては、上記したように着色剤の色や添加量やシール材の種類などに応じて適宜決定すればよいものであり、特に電解質膜を透過しえることから、強力なレーザー光を照射しても特に問題はない。経済性を勘案すれば、具体的には、例えば、100〜500Wでレーザーを照射すればよい。また、レーザー光82のスポットは0.1mm程度に調整するのが望ましい。レーザー光で切断後のカスケット14と触媒層12やGDL13との間は、図1に示すように、隙間が無いように形成するのが望ましいためである。かかる観点からは、切断後のカスケット14の一部が触媒層12と重なるように形成するのが望ましく、そうした場合には、第1または第2の実施形態による製造方法が適していると言える。
レーザーカットの後、反対面のガスシール15cを、ガスシール15bと同様にハーフカットにて切断し、除去することにより、図1に示す形状の燃料電池用MEAのエッジシール構造を形成することが出来る。
なお、第2または第3の実施形態で、1種のエッジシール部材を用いる場合には、トムソン型を用いたハーフカットのみで切断(除去)することもできるし、レーザー光を用いたレーザーカットのみで切断(除去)することもできる。特に後者では、トムソン刃型61のトムソン刃62の切断高さを0.01mm以下の精度で制御する必要が無く、簡便に行うことができる点で優れている。一方、前者では、黒色などの着色剤を加える必要が無い点で、使用する着色剤の添加量などの調整を行う必要が無い点で優れている。
4.最終トリム工程
本実施形態においても、最後に、第1の実施形態の図3Aで説明したと同様にして、図10に示すように、工程5にて外周部分(図示せず)やマニホールド穴41(図4参照)をトムソン刃型30等の適当なトリム手段を用いて最終トリムすることにより、完成品(例えば、MEA10)を得ることが出来る。なお、図10に示す完成品にも、第1の実施形態の図3で説明したと同様に触媒層やGDLが含まれていない場合もある。詳しくは、第1の実施形態の図3A及び工程5の最終トリム工程で説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。
尚、第1〜第3の実施形態では、電解質膜11は予め触媒層12が形成されたものを用いたが、触媒層12は上記したように、電解質膜とエッジシール部材とを接合してMEAを製造する際にロール搬送する過程、例えば、工程2でガスケット14、ガスシール15を接合する前の工程1〜2の間、あるいはガスケット14、ガスシール15を接合した後の工程4と工程5の間で塗布、形成してもかまわない。
また、第1〜第3の実施形態では、いずれもエッジシール部材として、ガスケット14、ガスシール15の2種のシール部材を用いて説明したが、本発明は、これに何ら制限されるものではなく、必要に応じて1または2以上のシール部材を用いて、エッジシール構造を形成してもよい。部品点数の削減および製造工数の低減からは、1種のエッジシール部材としてもよい。一方、エッジシール部材として、第1〜第3の実施形態で説明したようにガスケット14、ガスシール15の2種のシール部材を用いる場合には、図1に示すように、ガスケット14の大きさをガスシール15よりも大きくして段差構造とし、これに対応する段差形状を有するGDL13を設置するのが特に望ましいものである。かかる構成とすることにより、電解質膜の破損がなく、信頼性に優れた構造とすることができる。詳しくは、電解質膜11に加わる反応ガスの差圧の増大や機械的ストレスに耐える強度を大幅に高める機能が得られ、電解質膜の破損を防止し、電解質膜のガスシール機能が失われるのを防止することができる点で極めて優れている。上記したように、ガスケット14、ガスシール15の2種のシール部材は、その形状(大きさ)を変えることが性能向上につながるものであり、材質などに関しては共通化した方が接着剤等の選定が容易である。
以上が、本発明のMEAの製造方法およびその製造装置、並びに該製造方法により得られるMEAの説明である。
次に、図1に示す構成(構造)のMEAを用いた本発明の燃料電池の各構成要件につき簡単に説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
(I)構成
本発明に係るMEAを用いた燃料電池セルの基本構成を模式的に表した断面概略図を図11に示す。
図11に示すように、本発明の燃料電池セル91は、電解質膜11の両面には、触媒層12が接合され、その外側にはGDL13が配置されている。その外側には燃料極及び酸素極セパレータ17、18が配置されている。該セパレータ17、18の内部に設けられたガス流路(溝)19、20を通じて、水素含有ガス(以下、単にHとも略記する。)及び酸素含有ガス(以下、単にAirとも略記する。)が燃料極側及び酸素極側のGDL13、触媒層12にそれぞれ供給される。また、ガスが外部へ漏洩することを防止するために、電解質膜11とセパレータ17、18との間の外周部に、エッジシール部材としてガスケット14、ガスシール15にそれぞれ配置されている。以下、各構成要件ごとに説明する。
[電解質膜]
電解質膜11の材質は、特に制限されるものではない。従来公知のものであれば特に制限されることなく用いることができる。具体的には、ポリマー骨格の全部又は一部がフッ素化されたフッ素系ポリマーであってイオン交換基を備えた電解質、または、ポリマー骨格にフッ素を含まない炭化水素系ポリマーであってイオン交換基を備えた電解質、などが挙げられる。
前記イオン交換基としては、特に制限されないが、−SOH、−COOH、−PO(OH)、−POH(OH)、−SONHSO−、−Ph(OH)(Phはフェニル基を表す)等の陽イオン交換基、−NH、−NHR、−NRR’、−NRR’R’’、−NH 等(R、R’、R’’は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等を表す)等の陰イオン交換基などが挙げられる。
前記フッ素系ポリマーであってイオン交換基を備えた電解質としては、具体的には、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー、ポリトリフルオロスチレンスルフォン酸系ポリマー、パーフルオロカーボンホスホン酸系ポリマー、トリフルオロスチレンスルホン酸系ポリマー、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系ポリマー、エチレン‐テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン−g−ポリスチレンスルホン酸系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン−g−ポリスチレンスルホン酸系ポリマーなどが好適な一例として挙げられる。
前記炭化水素系ポリマーであってイオン交換基を備えた電解質としては、具体的には、ポリサルホンスルホン酸系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトンスルホン酸系ポリマー、ポリベンズイミダゾールアルキルスルホン酸系ポリマー、ポリベンズイミダゾールアルキルホスホン酸系ポリマー、架橋ポリスチレンスルホン酸系ポリマー、ポリエーテルサルホンスルホン酸系ポリマー等が好適な一例として挙げられる。
電解質膜1の材質は、高いイオン交換能を有し、化学的耐久性・力学的耐久性、などに優れることから、前記フッ素系ポリマーであってイオン交換基を備えた電解質を用いるのが好ましく、なかでも、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)などがより好ましく利用できる。
電解質膜11の膜厚は、得られる燃料電池の特性を考慮して適宜決定することができるが、5〜100μmが好ましく、より好ましくは10〜50μm、特に好ましくは15〜30μmである。電解質膜の膜厚が5μm以上であると製膜時の強度や燃料電池作動時の耐久性の点から好ましく、100μm以下であると燃料電池作動時の出力特性の点から好ましい。
なお、本発明では、燃料電池の酸素極及び燃料極の両電極間に介在される電解質成分を含有してなる構成部材を、電解質膜と称したが、決してその名称に拘泥されるものではなく、燃料電池に用いられる使用目的からみて、例えば、電解質層や電解質などと称される場合であっても、本発明でいう電解質膜に含まれる場合があることはいうまでもない。他の構成要件についても同様であり、その名称に拘泥されるものではなく、使用目的に照らしてその同一性を判断すればよい。
[触媒層]
電解質膜11の両面(空気極側および燃料極側)にそれぞれ形成される触媒層12は、いずれも導電性担体に触媒粒子が担持されてなる触媒物質(以下、電極触媒ともいう)とプロトン導電性を有する電解質樹脂(以下、バインダともいう)で構成されている。
(1)電極触媒
各触媒層に含まれる電極触媒は、触媒粒子を担持した導電性担体からなる。
(i)触媒粒子
導電性担体に担持される触媒粒子としては、アルミニウム、ケイ素、リン、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ゲルマニウム、セレン、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、すず、アンチモン、テルル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、鉛およびビスマスよりなる群から選択される1種、もしくは、この群から選択される少なくとも2種の合金を用いることができる。発電特性、耐久性、一酸化炭素などに対する耐被毒性および耐熱性などの点から、白金、白金−鉄合金、白金−コバルト合金、白金−ニッケル合金、白金−モリブデン合金、または白金−ルテニウム合金が好ましい。
触媒粒子の平均粒子径は、1〜30nmが好ましい。平均粒子径が1nm以上であると比表面積に見合った触媒活性が得られる点から好ましく、30nm以下であると触媒活性の点から好ましい。本発明における触媒の平均粒子径は、X線回折における触媒粒子の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径、または透過型電子顕微鏡像より得られる触媒粒子の粒子径の平均値を求めることにより得ることができる。
(ii)導電性担体
導電性担体は、触媒を所望の分散状態で担持させるための比表面積を有し、集電体として機能する導電性を有しているものであればよい。導電性担体の材質としては、例えば、ケッチェンブラックTMまたはアセチレンブラックなどのカーボンブラック、活性炭、コークス、天然黒鉛または人造黒鉛などのグラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ガラス状炭素粉体、およびカーボンナノチューブなどの主成分がカーボンであるものが好ましい。なお、「主成分がカーボンである」とは、主成分として炭素原子を含むことをいい、炭素原子のみからなる、実質的に炭素原子からなる、の双方を含む概念である。場合によっては、燃料電池の特性を向上させるために、炭素原子以外の元素が含まれていてもよい。なお、実質的に炭素原子からなるとは、2〜3質量%程度以下の不純物の混入が許容されることを意味する。
導電性担体の平均一次粒子径は、2nm〜1μmが好ましく、より好ましくは5〜200nm、特に好ましくは10〜100nmである。平均一次粒子径が2nm以上であると有効な導電性ネットワークを形成するという点から好ましく、1μm以下であると触媒層の厚みを適切な範囲で制御できる点から好ましい。
導電性担体への触媒粒子の担持は公知の方法で行うことができる。
例えば、触媒金属を第一の溶媒に溶解して触媒金属水溶液を調製する。次に、カーボン粒子などの導電性担体、触媒金属水溶液、および還元剤を第二の溶媒に加えた混合液を調製し、触媒金属を還元・析出させカーボン粒子などの導電性担体に担持させることができる。次に、濾過により固形分を分離した後、固形分を乾燥することにより電極触媒を得ることができる。
触媒金属水溶液として、触媒として白金を用いる場合、塩化白金酸溶液またはジニトロジアミン白金錯体溶液などを用いることができる。還元剤として例えば、炭素数1〜6の有機酸類、アルコール類、炭素数1〜3のアルデヒド類、水酸化ホウ素ナトリウムおよびヒドラジンなどを用いることができる。炭素数1〜6の有機酸類としては特に限定されないが、ギ酸、酢酸、シュウ酸またはクエン酸などが挙げられる。アルコール類としては特に限定されないが、メタノール、エタノール、エチレングリコール、2−プロパノールまたは1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。炭素数1〜3のアルデヒド類としては特に限定されないが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドまたはアクロレインなどを用いることができる。第二の溶媒として、水を用いることができる。
導電性担体に対する触媒粒子の含有率は特に限定されないが、5〜80質量%が好ましく、より好ましくは10〜75質量%、特に好ましくは15〜70質量%である。触媒粒子の含有量が5質量%以上であると高い触媒活性を維持できる点で好ましく、80質量%以下であると高い耐久性を維持できる点で好ましい。触媒粒子の担持量は誘導結合プラズマ発光分光法(ICP)により求めることができる。
(2)バインダ
触媒層に含まれるプロトン導電性を有するバインダ(ないし高分子電解質)は、電極触媒の少なくとも一部を被覆しているのが好ましい。これにより、プロトン伝導性などを向上させるだけでなく、電極構造を安定して維持することができ、電極性能を高めることができる。
上記バインダとしては、特に限定されないが、上述の電解質膜の項で記載した高分子電解質を好ましく用いることができる。即ち、Nafion溶液などのパーフルオロスルホン酸ポリマー系のプロトン導電体、リン酸などの無機酸を炭化水素系高分子化合物にドープさせたもの、一部がプロトン導電体の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたプロトン導電体などからなるイオン交換樹脂が挙げられる。パーフルオロスルホン酸ポリマー系のプロトン導電体として、具体的には、炭素原子とフッ素原子のみからなる重合体だけではなく、水素原子が全てフッ素原子と置換されていれば酸素原子等を含有するものなどが挙げられ、CF=CFに基づく重合単位とCF=CF−(OCFCFX)−O−(CF−SOHに基づく重合単位(式中、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0又は1である。)とを含む共重合体などがある。
バインダと導電性担体との質量比は、順に、0.3:1〜1.3:1が好ましく、より好ましくは0.5:1〜1.1:1である。導電性担体質量に対してバインダ成分である高分子電解質の質量比が0.3倍以上であると触媒層内の良好なイオン伝導性の点で好ましく、1.3倍以下であると触媒層内のガス拡散及び水の排出の点で好ましい。
各触媒層には、さらに、撥水性高分子や、その他の各種添加剤が含まれていてもよい。撥水性高分子が含まれていることにより、得られる触媒層の撥水性を高めることができ、発電時に生成した水などを速やかに排出することができる。撥水性高分子の混合量は、本発明の作用効果に影響を与えない範囲で適宜決定することができる。上述の撥水性高分子として例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、または、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリヘキサフルオロプロピレンもしくはこれらのモノマーの共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体など)などのフッ素系の高分子材料などを用いることができる。
本発明における触媒層の厚さ(片面)は、特に限定されないが、0.1〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜20μmである。触媒層の厚さが0.1μm以上であると所望する発電量が得られる点で好ましく、100μm以下であると高出力を維持できる点で好ましい。
[GDL]
GDL13は、MEA10の構成部材に含めてもよいし、MEA10以外の燃料電池セル91の構成部材としてもよい。
GDL13としては、特に限定されないが、炭素製の織物、紙状抄紙体、フェルト、不織布といった導電性及び多孔質性を有するシート状材料を基材とする多孔質基材などが挙げられる。また、GDLでも触媒層と同様に撥水性を高めてフラッディング現象を防ぐために、公知の手段を用いて、前記GDLの撥水処理を行ったり、前記GDL13上に炭素粒子集合体からなる層(図示せず)を形成してもよい。
本発明のMEA10の構成を有する燃料電池において、触媒層12、GDL13、および電解質膜11の厚さは、燃料ガスの拡散性などを向上させるには薄い方が望ましいが、薄すぎると十分な電極出力が得られない。従って、所望の特性を有するMEA(燃料電池)が得られるように適宜決定すればよい。
[セパレータ]
燃料極及び酸素極セパレータ17、18としては、カーボンペーパー、カーボンクロス、緻密カーボングラファイト、炭素板等のカーボン製や、ステンレス等の金属製のものなど、特に制限されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。また、前記セパレータ17、18は、空気と燃料ガスとを分離する機能を有するものであり、それらの流路を確保するために所望の形状に加工されたガス流路(溝)19、20が形成されているのが望ましく、従来公知の技術を適宜利用することができる。セパレータ4、5の厚さや大きさ、流路溝19、20の形状などについては、特に限定されず、得られる燃料電池の出力特性などを考慮して適宜決定すればよい。
[エッジシール部材]
上記エッジシール部材として用いられるガスケット14やガスシール15は、気体、特に酸素や水素ガスに対して不透過であればよいが、一般的には、ガス不透過材料からなるOリングなどと同様に、いずれも単一の不透過材料により構成されていればよい。
さらに、電解質膜11のエッジとガスケット14、更にはガスケット14とガスシール15との接着を目的とする接着剤等を設けてなる、接着剤等16付きのガスケット14やガスシール15のような複合的な構成としてもよい。ガスケット14やガスシール15を構成する材料は、設置後に所定の圧力がかかった状態で、酸素や水素ガスに対して不透過性を示すものであれば特に制限されない。
こうしたガスケット14やガスシール15を構成する材料のうち、Oリングのような弾性を有する材料としては、例えば、フッ素ゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリイソブチレンゴム等のゴム材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系の高分子材料、ポリオレフィンやポリエステル等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。
一方、弾性を持たないガスケット14やガスシール15の構成材料としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などが挙げられる。
また、接着剤等16の構成材料としては、電解質膜11とガスケット14、更にはガスケット14とガスシール15を密接に接着あるいは、製造段階での位置合わせを精度良く行う目的で簡易粘着できるものであれば特に制限されないが、ポリオレフィン、ポリプロピレン、熱可塑性エラストマー等(例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)など)のホットメルト系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル、ポリオレフィン等のオレフィン系接着剤等が使用できる。
上記(接着剤等16付の)ガスケット14やガスシール15については、市販のものを購入して用いてもよい。ここでいう市販のものには、購入者側の仕様(寸法、形状、材料、特性など)に応じてメーカーが製造したような発注品ないし特注品等も含まれるものとする。
ガスケット14やガスシール15の厚みは、特に制限されるものではなく、対応する触媒層12やGDL13の厚さに応じて適宜決定すればよい。通常10〜200μm、好ましくは15〜40μm程度である。
上記接着剤等の厚さは、特に制限されるものではなく、所望の接着性能を発現した上で、対応する触媒層12やGDL13の厚さから適宜決定すればよい。通常5〜30μm、好ましくは10〜25μm程度であればよい。
上記ヒータ付の圧延ローラ21、22により、該接着剤等16を用いて電解質膜11とガスケット14、更にはガスケット14とガスシール15を接合する場合には、該圧延ローラを通過することで、25〜150℃で10秒以上加熱できるように、ロールの送り速度やヒータ加熱温度を適宜調整すればよい。
本発明のMEAの基本構成を模式的に表した断面概略図である。 額縁状のガスケット、ガスシールを適用してロールツーロール工法にてMEAを作製するための工程概略図である。 本発明の第1の実施形態における、額縁状に中央部が切断除去される前のロールシート状のガスケット、ガスシールを適用して、電解質膜とエッジシール部材とを接合してMEAを作製するための工程概略図である。 図3Aの工程4の触媒層にあたる部分を除去する工程に用いられる代表的な吸着引き剥がし装置を模式的に表した断面概略図である。 本発明のMEAの基本構成を模式的に表した平面概略図である。 本発明の第1の実施形態において用いられるガスケット、ガスシールであって、所定の部分にスリット(ミシン目)およびホットメルト等の接着剤が形成されてなるガスケットおよびガスシールのロール材が搬送されている状態での平面概略図である。 本発明の第2および第3の実施形態において、ガスシールをトムソン型を用いてハーフカットする様子を模式的に表した断面概略図である。 本発明の第2の実施形態において、ガスケットをトムソン型を用いてハーフカットする様子を模式的に表した断面概略図である。 本発明の第3の実施形態において、ガスケットをレーザー光を用いてレーザーカットする様子を模式的に表した断面概略図である。 本発明の第2および第3の実施形態において用いられるガスケット、ガスシールであって、スリット(ミシン目)を設けることなく、所定の部分にホットメルト等の接着剤が形成されてなるガスケット、ガスシールが搬送されている状態での平面概略図である。 本発明の第2および第3の実施形態における、額縁状に中央部が切断除去される前のロールシート状のガスケット、ガスシールを適用して、電解質膜とエッジシール部材とを接合してMEAを作製するための工程概略図である。 本発明のMEAを用いた燃料電池セルの基本構成を模式的に表した断面概略図である。
符号の説明
10 MEA、
11、11a 電解質膜、
11a 電解質膜のロール(ロール材)、
12 触媒層、
13 GDL、
14、14b、14c ガスケット(エッジシール部材)、
14a ガスケットのロール(ロール材)、
15、15b、15c ガスシール(エッジシール部材)、
15a ガスシールのロール(ロール材)、
16、16a、16b 接着剤等、
17、18 セパレータ、
19、20 ガス供給溝(経路)、
21、22 圧延ローラ、
23、24 加熱手段(ヒータ)、
25、26 搬送ローラ、
27 吸着引き剥がし装置、
28 吸着パッド、
29 固定部、
30、61、71 トムソン刃型、
31、62、72 トムソン刃、
41 マニホールド穴、
51 エッジシールを形成する部分(エッジシール部分)、
52、52a、52b アクティブエリアである触媒層にあたる部分(触媒層部分)、
53 ミシン目(スリット)、
81 レーザーヘッド、
82 レーザー光、
91 燃料電池セル。

Claims (7)

  1. 電解質膜とエッジシール部材とを接合して膜電極接合体を製造する方法であって、
    前記電解質膜と前記エッジシール部材の少なくとも一方のアクティブエリアの外周部に接着剤および/または粘着剤を形成すると共に、前記電解質膜とエッジシール部材をロール状とし、
    前記電解質膜と前記エッジシール部材をロールより引き出して前記接着剤および/または粘着剤を介して接合し、
    その後、前記エッジシール部材のアクティブエリアを切断除去することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  2. 前記エッジシール部材のアクティブエリアの外周部にスリットが切られてロール状となっており、
    前記アクティブエリアを切断除去する際に、前記エッジシール部材のアクティブエリアを前記スリットを利用して切断することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  3. 前記アクティブエリアを切断除去する際に、前記エッジシール部材のアクティブエリアを、トムソン刃型を用いたハーフカットおよび/またはレーザー光を用いたレーザーカットにて切断することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  4. 前記エッジシール部材が、電解質膜上に配置されるガスケットと、該ガスケット上に配置されるガスシールからなる複数の部材であって、
    切断除去後の額縁状のガスケットが、切断除去後の額縁状のガスシールよりも大きく段差形状に形成され、
    ガス拡散層が前記ガスケットとガスシールによる段差形状に対応する段差形状に形成されているものを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法を用いて製造してなることを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
  6. 請求項5に記載の燃料電池用膜電極接合体を使用してなることを特徴とする燃料電池。
  7. 電解質膜とエッジシール部材とを接合して燃料電池用膜電極接合体を製造するための装置であって、
    ロール状となっている電解質膜及びエッジシール部材とを各々引き出して、前記電解質膜と前記エッジシール部材の少なくとも一方のアクティブエリアの外周部に形成されてなる接着剤および/または粘着剤を介して接合する手段と、
    前記接合手段により電解質膜に接合されたエッジシール部材のアクティブエリアを切断除去する手段と、
    を備えてなることを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造装置。
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