JP5957930B2 - 固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置 - Google Patents

固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法、製造装置に関するものである。
燃料電池は、水素、酸素を燃料として、水の電気分解の逆反応を起こさせることにより電気を生み出す発電システムである。これは、従来の発電方式と比較して高効率、低環境負荷、低騒音といった特徴を持ち、将来のクリーンなエネルギー源として注目されている。なかでも、室温付近で使用可能な固体高分子形燃料電池は、車載用電源や家庭用定置電源などへの使用が有望視されており、近年、様々な研究開発が行われている。燃料電池の実用化に向けての課題は、電池の性能向上、インフラ整備と共に低コストで効率的な膜・電極複合体の製造技術を見出すことにある。
固体高分子形燃料電池は、一般的に、多数の単セルが積層されて構成されている。単セルは、酸化極と還元極の二つの電極で高分子電解質膜を挟んで接合された膜・電極接合体を、ガス流路を有するセパレーターで挟んだ構造をしている。典型的な膜・電極接合体では、高分子電解質膜の両面に接合された触媒層の間を電気的に絶縁状態に保つため、高分子電解質膜に触媒層を接合した範囲の周辺に、触媒層が付いていない高分子電解質膜の範囲が設けられている。
固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を形成する方法としては、例えば特許文献1に記載されているように、基材上に目的とする形状の触媒層を形成した転写シートを高分子電解質膜の両面または一方面に配置し、触媒層を高分子電解質膜に転写する方法がある。
また、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を形成する別の方法としては、例えば特許文献2に記載されているように、高分子電解質膜に目的とする触媒層形状を切り抜いた額縁状のマスキングフィルムを貼り付けて、開口部よりも広い範囲に触媒インクを塗布した後に、マスキングフィルムを剥がす方法がある。また、例えば特許文献3に記載されているように、塗工動作を制御することにより高分子電解質膜へ間欠的に触媒インクを塗布する方法や、例えば特許文献4に記載されているように、コーティングロール上の凹部に形成した目的とする形状の触媒インクを半乾燥状態として高分子電解質膜に塗布する方法が知られている。なお、上述したいずれの方法においても、生産効率を高めるためにロールトゥロールの方式が望ましいとされている。
特開2006−185762号公報 特開2010−129247号公報 特開2006−43505号公報 特許第4821136号公報
しかしながら、特許文献1による方法では、副資材である転写シート基材を用いているため、基材自体だけでなくロールトゥロールの方式をとった場合には、その巻き出しや回収のための設備が必要であり、製造コストの低減が難しいという問題を有している。その上、転写シート上に形成され乾燥・固化した触媒層を熱圧着等により高分子電解質膜上に貼り合わせるため、高分子電解質膜と触媒層を良好に密着させることが難しく、界面の抵抗が高いという性能上の問題も有している。
また、特許文献2、3による方法では、転写シートを用いず直接高分子電解質膜に触媒インクを塗布するため、低コスト化が期待されるが、触媒インクに含まれる溶媒成分によって高分子電解質膜が膨潤し、次いで乾燥によって電極触媒層、及び高分子電解質膜が収縮するために、高分子電解質膜が変形して皺が発生するという問題や、触媒層の表面にひび割れが生じるという問題を有している。これらの問題は電池性能や耐久性に悪影響を及ぼす。
さらに、特許文献2による方法では、副資材である目的とする触媒層形状を切り抜いた額縁状のマスキングフィルムが必要であり、特許文献1による方法と同様に、副資材自体だけでなく、製造ラインの複雑化によってコスト低減が難しいという問題を有している。
また、特許文献3による方法は、スリットダイコート等を用いて塗工動作を制御することにより間欠的に触媒インクを塗布するものであるが、スリットダイ等による塗工では塗工開始や塗工終わりの部分では膜厚が安定せず、全面に渡って均一な塗膜を得ることが難しい。さらに、塗工開始の部分では気泡や異物が混入することが多く、これによっても不均一な塗膜となってしまう。そして、上述したような塗膜を電極触媒層として用いた場合には、発電性能の低下や、高分子電解質膜にダメージを与えて耐久性が低下したりする問題が生じる可能性がある。また、ダイコーティングにより間欠的に触媒インクを塗布する場合、その面形状は略矩形に限定されてしまう。
また、特許文献4による方法は、コーティングロール上の凹部に形成した目的とする形状の触媒インクを半乾燥状態として高分子電解質膜に塗布するものであるが、触媒インク中の溶媒成分を加熱により部分的に除去して、常に同一の乾燥状態とする制御は困難であり、乾燥状態の違いによって、出来上がる膜・電極接合体のなかに高分子電解質膜と触媒層の界面抵抗が大きいものや、高分子電解質膜の変形による皺や触媒層表面のひび割れが生じたものが混在して品質が安定しないという問題を有している。上述したような問題を有した膜・電極接合体を燃料電池に用いた場合には、発電性能の低下や、耐久性の低下の問題が生じる可能性がある。さらに、製造プロセスのマージンが狭くなることによる歩留まりの低下、ひいてはコストアップにつながるという問題を有している。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、目的とする形状で膜厚均一性の良い電極触媒層を高分子電解質膜の両面に備えた、界面抵抗の低い固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を、副資材であるフィルム類を使用せずに、低コスト且つ高効率で製造することを課題とする。
上記課題を解決するために、
本発明の一態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法は、
プロトン伝導性高分子を含む高分子電解質膜の両面に電極触媒層を備えた固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法であって、
転写ロールの表面に、少なくともプロトン伝導性高分子と触媒担持カーボンと溶媒を含む触媒インクを塗布して触媒インク層を形成する触媒インク塗布工程と、
上記転写ロールに形成した上記触媒インク層中の溶媒成分を乾燥させて触媒層を形成する触媒インク乾燥工程と、
上記転写ロールに形成された上記触媒層の表面に、少なくとも上記高分子電解質膜中のプロトン伝導性高分子と同じ成分のプロトン伝導性高分子と溶媒を含む接着インクを塗布して接着インク層を形成する接着インク塗布工程と、
上記転写ロールに形成した上記接着インク層中の溶媒成分を乾燥させて接着層付き触媒層を形成する接着インク乾燥工程と、
上記転写ロールに形成した接着層付き触媒層を、余剰塗布液除去ロールの表面に予め定めたパターンで形成した凸部に押圧し、上記凸部に対応する上記接着層付き触媒層の余剰部分を上記転写ロールから上記余剰塗布液除去ロールに転写する転写除去工程と、
上記転写除去工程により除去されずに上記転写ロールに残った上記接着層付き触媒層を、上記高分子電解質膜に押圧して、上記高分子電解質膜の表面に接着層を介して触媒層を転写する触媒層転写工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法は、上記転写ロール、及び上記余剰塗布液除去ロールを、同一の速度で逆方向に回転させることを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法は、上記余剰塗布液除去ロールの上記凸部に転写された上記接着層付き触媒層の余剰部分を洗浄除去することを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法は、上記洗浄除去した前記余剰塗布液除去ロールを乾燥させることを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法は、上記触媒インク、及び上記接着インクの塗布を、スリットダイコーターで行うことを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法は、上記転写ロールを加熱することを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法は、上記転写ロールの表面を、フッ素化合物から成る材質とすることを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法は、上記触媒インク、及び上記接着インクの塗布を、間欠的に行うことを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法は、複数の上記転写ロール、及び複数の上記余剰塗布液除去ロールを用いることを特徴とする
本発明の一態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置は、
プロトン伝導性高分子を含む高分子電解質膜の両面に電極触媒層を備えた固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置であって、
転写ロールと、
上記転写ロールの表面に触媒インクを塗布して触媒インク層を形成する第一の塗布液供給手段と、
上記転写ロールに形成された上記触媒インク層の溶媒成分を乾燥させて触媒層を形成する第一の乾燥手段と、
上記転写ロールに形成された上記触媒層の表面に、少なくとも上記高分子電解質膜中のプロトン伝導性高分子と同じ成分のプロトン伝導性高分子と溶媒を含む接着インクを塗布して接着インク層を形成する第二の塗布液供給手段と、
上記転写ロールに形成された上記接着インク層の溶媒成分を乾燥させて接着層付き触媒層を形成する第二の乾燥手段と、
表面に予め定めたパターンの凸部を有し、上記転写ロールに形成された上記接着層付き触媒層に上記凸部が押圧されて、上記凸部に対応する上記接着層付き触媒層の余剰部分が上記転写ロールから転写される余剰塗布液除去ロールと、を備え、
上記転写ロールは、
表面に形成された接着層付き触媒層を上記高分子電解質膜に押圧して、上記高分子電解質膜の表面に接着層を介して触媒層を転写することを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置では、上記転写ロール、及び上記余剰塗布液除去ロールは、同一の速度で逆方向に回転することを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置は、上記余剰塗布液除去ロールの上記凸部に転写された上記接着層付き触媒層の余剰部分を洗浄除去するロール洗浄手段を有することを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置では、上記ロール洗浄手段は、洗浄除去した上記余剰塗布液除去ロールを乾燥させる乾燥部を有することを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置では、上記第一の塗布液供給手段、及び上記第二の塗布液供給手段は、スリットダイコーターからなることを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置は、上記転写ロールを加熱する加熱手段を備えることを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置では、上記転写ロールは、表面がフッ素化合物から成る材質であることを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置では、上記第一の塗布液供給手段、及び上記第二の塗布液供給手段は、上記触媒インク、及び上記接着インクの塗布を、間欠的に行うことを特徴とする。
本発明の他の態様に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置は、複数の上記転写ロール、及び複数の上記余剰塗布液除去ロールを備えることを特徴とする
本発明によれば、予め定めたパターンの電極触媒層を高分子電解質膜の両面に備えた、界面抵抗の低い、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を提供することが可能となる。
また、触媒インクに含まれる溶媒成分による高分子電解質膜の膨潤を抑え、高分子電解質膜の皺や触媒層表面のひび割れ等の問題のない固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を提供することが可能となる。さらに、転写シートやマスキングフィルム等の副資材、及びその巻き出しや回収のための設備を使用することなく、低コスト且つ高効率で、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を提供することが可能となる。
また、転写ロールと余剰塗布液除去ロールとを、同一の速度で逆方向に回転させることで、余剰塗布液除去ロールが転写ロールの動きを妨げることなく、確実に、余剰部分の触媒層を転写ロールから転写除去することが可能となる。
また、余剰塗布液除去ロールの凸部に転写された接着層付き触媒層の余剰部分を洗浄除去することで、余剰塗布液除去ロールを繰り返し使用することが可能となる。
また、余剰塗布液除去ロールの凸部に転写された接着層付き触媒層の余剰部分を洗浄除去してから乾燥させることで、洗浄された余剰塗布液除去ロールから洗浄液や溶媒成分を確実に除去することが可能となり、連続的に余剰塗布液除去ロールを使用することが可能となる。
また、触媒インクと接着インクの塗布を、スリットダイコーターで行うことで、膜厚均一性の良い電極触媒層を備えた固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を提供することが可能となる。
また、転写ロールを加熱することで、転写ロールから高分子電解質膜への転写性を向上させることが可能となる。
また、転写ロールの表面を、フッ素化合物から成る材質とすることで、触媒層の転写ロールからの離型性を向上させて、確実に、余剰部分の触媒層を転写除去したり、所望形状の接着層付き触媒層を高分子電解質膜へ転写したりすることが可能となる。
また、触媒インクと接着インクの塗布を、間欠的に行うことで、触媒インクの使用量を抑え、よりコストを削減することが可能となる。
また、複数の転写ロールと複数の余剰塗布液除去ロールを用いることで、高分子電解質膜の両面に同時に電極触媒層を形成することが可能となり、より高効率に、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を提供することが可能となる。
た、予め定めたパターンの電極触媒層を高分子電解質膜の両面に備えた、界面抵抗の低い、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を製造することのできる製造装置を提供することが可能となる。
また、触媒インクに含まれる溶媒成分による高分子電解質膜の膨潤を抑え、高分子電解質膜の皺や触媒層表面のひび割れ等の問題のない固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を製造することのできる製造装置を提供することが可能となる。さらに、転写シートやマスキングフィルム等の副資材、及びその巻き出しや回収のための設備を使用することなく低コスト且つ高効率で固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を製造することのできる製造装置を提供することが可能となる。
また、転写ロールと余剰塗布液除去ロールとは、同一の速度で逆方向に回転するので、余剰塗布液除去ロールが転写ロールの動きを妨げることなく、確実に、余剰部分の触媒層を転写ロールから転写除去することが可能となる。
また、余剰塗布液除去ロールの凸部に転写された接着層付き触媒層の余剰部分を洗浄除去するロール洗浄手段を有することで、余剰塗布液除去ロールを繰り返し使用することが可能となる。
また、ロール洗浄手段は、洗浄除去した余剰塗布液除去ロールを乾燥させる乾燥部を有することで、洗浄された余剰塗布液除去ロールから洗浄液や溶媒成分を確実に除去することが可能となり、連続的に余剰塗布液除去ロールを使用することが可能となる。
また、第一の塗布液供給手段と第二の塗布液供給手段とは、スリットダイコーターからなることで、膜厚均一性の良い電極触媒層を備えた固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を製造することのできる製造装置を提供することが可能となる。
また、転写ロールを加熱する加熱手段を備えることで、転写ロールから高分子電解質膜への転写性を向上させることが可能となる。
また、転写ロールは、表面がフッ素化合物から成る材質であることで、触媒層の転写ロールからの離型性を向上させて、確実に、余剰部分の触媒層を転写除去したり、所望形状の接着層付き触媒層を高分子電解質膜へ転写したりすることが可能となる。
また、第一の塗布液供給手段と第二の塗布液供給手段とは、触媒インク、及び接着インクの塗布を、間欠的に行うことで、触媒インクの使用量を抑え、よりコストを削減することが可能となる。
また、複数の転写ロールと複数の余剰塗布液除去ロールとを備えることで、高分子電解質膜の両面に同時に電極触媒層を形成することが可能となり、より高効率に、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を提供することが可能となる。
本発明の第一実施形態における、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置の概略構成を示す図である。 本発明の第一実施形態における、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法を示す説明図である。 間欠塗工を行った場合における、本実施形態の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法を示す説明図である。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態(以下、「本実施形態」と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態は本発明の一例であり、本発明を限定するものではない。
本発明は、固体高分子形燃料電池が有する固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を製造する方法(製造方法)と、固体高分子形燃料電池が有する固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を製造する装置(製造装置)を提供するものである。
具体的には、先ず、少なくともプロトン伝導性高分子と触媒担持カーボンと溶媒を含む触媒インクを転写ロールの表面に塗布・乾燥し、さらにその上に少なくともプロトン伝導性高分子と溶媒を含む接着インクを塗布・乾燥し、その転写ロール上に形成した接着層付き触媒層を、目的とするパターンと同じ形状または略同じ形状の凹部を有する余剰塗布液除去ロールに押圧して、余剰部分の触媒層を転写ロールから余剰塗布液除去ロールの凸部に転写除去する。ここで、「目的とするパターン」とは、例えば、触媒層の形状を、所望のパターンに形成するためのパターンである。
これに加え、転写ロール上に残った目的とする形状の接着層付き触媒層を、高分子電解質膜に押圧して転写して、高分子電解質膜の表面に、接着層を介して触媒層を密着させる。ここで、目的とする形状の接着層付き触媒層とは、触媒層の形状を、所望の形状に形成するために必要な、接着層付き触媒層の形状である。
以上により、目的とする形状で膜厚均一性の良い電極触媒層を高分子電解質膜の両面に備えた、界面抵抗の低い、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を、副資材であるフィルム類を使用せずに、低コスト且つ高効率で製造する方法、及び装置を提供するものである。
(構成)
先ず、図1を用いて、本実施形態の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置(以下、「製造装置」と記載する場合がある)の構成を説明する。
図1は、本実施形態における、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置の概略構成を示す図である。
製造装置では、図1に示すように、高分子電解質膜の通過する部分を挟んでアノード電極用、及びカソード電極用の、各々の転写ロール11が配置されている。なお、両転写ロール11は、同速度で逆方向に回転するのが好ましいが、これに限定されるものではない。
なお、高分子電解質膜中、触媒層中、及び接着層中のプロトン伝導性高分子には、様々なものが用いられるが、高分子電解質膜と電極の界面抵抗や、湿度変化時の電極と高分子電解質膜における寸法変化率の点から考慮すると、使用する接着層中と高分子電解質膜中のプロトン伝導性高分子、又は接着層中と触媒層中のプロトン伝導性高分子は同じ成分であることが好適である。
また、本実施形態の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体に用いられるプロトン電導性高分子は、プロトン伝導性を有するものであればよく、フッ素系高分子電解質、炭化水素系高分子電解質を用いることが可能である。
この場合、フッ素系高分子電解質としては、例えば、デュポン社製Nafion(登録商標)、旭硝子(株)製Flemion(登録商標)、旭化成(株)製Aciplex(登録商標)、ゴア社製Gore Select(登録商標)などを用いることが可能である。
また、炭化水素系高分子電解質としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等を用いることが可能である。
特に、高分子電解質膜としてデュポン社製Nafion(登録商標)系材料を好適に用いることが可能である。
また、本実施形態で使用される転写ロール11の表面には、例えばエチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの転写性に優れたフッ素系樹脂や、シリコンゴム、フッ素ゴムなどを用いることが可能である。
転写ロール11の高分子電解質膜の通過する部分と異なる側には、転写ロール11に触媒インクを塗布するための第一の塗布液供給手段12と、塗布された触媒インクを乾燥させるための第一の乾燥手段13と、転写ロール11の表面に形成された触媒層上に接着インクを塗布するための第二の塗布液供給手段14と、塗布された接着インクを乾燥させるための第二の乾燥手段15と、余剰塗布液除去ロール16と、が配置されている。
なお、本実施形態で用いる触媒としては白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウムの白金族元素の他、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属、及びこれらの合金、酸化物、複酸化物、炭化物等を用いることが可能である。
また、本実施形態で用いるこれらの触媒を担持するカーボンは、微粉末状で導電性を有し、触媒に侵されないものであればどのようなものでも構わないが、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、フラーレンを好ましく用いることが可能である。
なお、本実施形態で用いる触媒の担体は、導電性を有し、触媒に侵されないものであればカーボンでなくても良い。
また、本実施形態で触媒インクの分散媒として使用される溶媒は、触媒粒子やプロトン伝導性高分子を浸食することがなく、流動性の高い状態でプロトン伝導性高分子を溶解または微細ゲルとして分散できるものあれば特に制限はない。
なお、溶媒にはプロトン伝導性高分子と馴染みがよい水が含まれていてもよい。水の添加量は、プロトン伝導性ポリマーが分離して白濁を生じたり、ゲル化したりしない程度であれば特に制限はない。
また、揮発性の液体有機溶媒が少なくとも含まれることが望ましいが、溶剤として低級アルコールを用いたものは発火の危険性が高く、このような溶媒を用いる際は水との混合溶媒にするのが好ましい。
また、本実施形態で用いられる第一の塗布液供給手段12や第二の塗布液供給手段14には、例えば、ダイコート、ロールコート、カーテンコート、スプレーコート、スキージーなど様々な塗工方法を用いることが可能であるが、塗布中間部分の膜厚が安定しており、間欠塗工にも対応可能であるダイコートを、特に好適に用いることが可能である。
余剰塗布液除去ロール16の表面には、目的とするパターンと同じ形状または略同じ形状の凹部が設けられており、余剰塗布液除去ロール16と転写ロール11は、同速度で逆方向に回転する。
なお、余剰塗布液除去ロール16の表面には、金属や樹脂を、単体又は複合して使用することが可能であるが、これに限定するものではない。また、表面層の内側にクッション層があっても良い。
また、余剰塗布液除去ロール16の転写ロール11と異なる側、つまり余剰塗布液除去ロール16の転写ロール11との近接位置から余剰塗布液除去ロール16の回転方向に離間した位置に、余剰塗布液除去ロール洗浄手段17が設けられている。
なお、実際に高分子電解質膜を流す際にはロールトゥロールの方式を用いることが可能である。
(固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法)
以下、図1を参照しつつ、図2及び図3を用いて、本実施形態の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法(以下、「製造方法」と記載する場合がある)について説明する。
図2は、本実施形態における、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法を示す説明図である。
固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法では、先ず、図2に示すように、回転している転写ロール11の表面に、第一の塗布液供給手段12により触媒インク18を塗布して、触媒インク層を形成する(触媒インク塗布工程)。続いて、第一の乾燥手段13により、触媒インク塗布工程で形成した触媒インク層中の溶媒成分を除去して、触媒層を形成する(触媒インク乾燥工程)。次に、転写ロール上11に形成された触媒層の表面に、第二の塗布液供給手段14により接着インク19を塗布して、接着インク層を形成する(接着インク塗布工程)。続いて、第二の乾燥手段15により、接着インク塗布工程で形成した接着インク層中の溶媒成分を除去して、接着層付き触媒層を形成する(接着インク乾燥工程)。
そして、表面に接着層付き触媒層を有した転写ロール11が回転して余剰塗布液除去ロール16と接触する位置に達すると、押圧されながら回転することによって、余剰塗布液除去ロール16の表面に設けられた凸部に、余剰部分の接着層付き触媒層が転写されて、転写ロール11の表面から除去される(転写除去工程)。その結果、転写ロール11の表面には、目的とする形状の接着層付き触媒層が形成される。
そして、転写ロール11がさらに回転して高分子電解質膜5と接触する位置に達すると、押圧されながら回転することによって、転写ロール11の表面に設けられた目的とする形状の接着層付き触媒層が高分子電解質膜5の表面に転写されて、転写ロール11の表面から除去される(触媒層転写工程)。
この際、アノード電極用、及びカソード電極用の各々の転写ロール11が同時に高分子電解質膜5を押圧することにより、高分子電解質膜5の両面に、アノード及びカソードの電極触媒層を同時に形成することが可能となる。
この結果、高分子電解質膜5の両面に、接着層4を介してアノード触媒層2、及びカソード触媒層3を備えた膜・電極接合体1が得られる。すなわち、高分子電解質膜5の一方の面(例えば表面)に、接着層4を介してアノード触媒層2を備え、且つ他方の面(例えば裏面)に、接着層4を介してカソード触媒層3を備えた膜・電極接合体1が得られる。
ここで、転写ロール11で高分子電解質膜5を押圧する際に、電極触媒層に作用する圧力は、膜・電極接合体の電池性能に影響するため、電池性能の良い膜・電極接合体を得るには、ロール間にかかる圧力は、0.5MPa以上20MPa以下の範囲内であることが望ましく、より望ましくは2MP以上15MPa以下の範囲内である。すなわち、20MPaより大きな圧力では電極触媒層が圧縮され過ぎ、また0.5MPaより小さな圧力では電極触媒層と高分子電解質膜の接合性が低下して、電池性能が低下する。
一方、余剰部分の接着層付き触媒層を転写ロール11から転写除去した余剰塗布液除去ロール16は、余剰塗布液除去ロール洗浄手段17を通過することによって、凸部に付着した触媒層を洗浄され、再び余剰部分の触媒層を除去可能な状態に戻る。
図3は、間欠塗工を行った場合における、本実施形態の固体高分子形膜・電極接合体の製造方法を示す説明図である。
間欠塗工を行った場合における、本実施形態の固体高分子形膜・電極接合体の製造方法では、図3に示すように、第一の塗布液供給手段12により転写ロール11に触媒インクを塗布する際、及び第二の塗布液供給手段14により転写ロール上11に形成された触媒層の表面に接着インクを塗布する際に、間欠的に塗布を行うことにより、余剰塗布液除去ロール16の凸部で転写除去する触媒インクを減らす効果があるため、触媒インクや接着インクの使用量低減、及び余剰塗布液除去ロール洗浄工程の負荷低減により製造コストをより削減することが可能である。
以下、図1から図3を参照して、実施例の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体と、比較例の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を用いて、これらの品質、及び物性を比較した結果を説明する。
なお、比較例の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体としては、製造方法の異なる二種類の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を用いた。以下の説明では、製造方法の異なる二種類の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を、「比較例1」及び「比較例2」と記載する場合がある。
(実施例)
実施例の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体は、上述した第一実施形態と同様の方法を用いて製造した。
具体的には、先ず、白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と水、エタノールの混合溶媒とプロトン伝導性高分子(ナフィオン:Nafion,デュポン社の登録商標)溶液を混合し、遊星型ボールミルで分散処理を行い、触媒インクを調製した。また、水、エタノールの混合溶媒とプロトン伝導性高分子(ナフィオン:Nafion,デュポン社の登録商標)溶液を混合し、接着インクを調製した。
そして、調整した触媒インクを、スリットダイコーターにより回転している転写ロールに塗布し、続けて、触媒インクが塗布された転写ロールを80[℃]の温風下を通過させることにより、触媒層を乾燥させた。
次に、調整した接着インクを、スリットダイコーターにより回転している転写ロール表面に形成された触媒層の上に塗布し、続けて、接着インクが塗布された転写ロールを80[℃]の温風下を通過させることにより、接着層を乾燥させた。
そして、転写ロールを、略矩形の凹部を有する余剰塗布液除去ロールに接触させて回転させ、略矩形の周囲の余剰な接着層付き触媒層を転写ロール上から転写除去した。
塗布、及び転写除去の工程を、アノード用とカソード用の各々について行い、二つの転写ロール表面に略矩形の接着層付き触媒層を形成した。
その後、上述した転写ロールを、高分子電解質膜(ナフィオン212:登録商標、Dupont社製)の両面に触媒層が対面するように配置し押圧して、同速度で逆方向に回転させることにより、転写ロール表面に形成されていた略矩形の接着層付き触媒層が高分子電解質膜に転写して、本実施形態例の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を得た。
(比較例1)
比較例1の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を製造する際には、本実施例と同様の触媒インクを、スリットダイコーターにより高分子電解質膜(ナフィオン212:登録商標、Dupont社製)の片側の面に塗布した。その際、塗布液の供給系を制御することによって略矩形に触媒インクを間欠塗布した。
そして、上記の触媒層付き高分子電解質膜を80[℃]の温風オーブンで乾燥させた後、逆側の面に触媒層が対面するように、本実施例と同様の触媒インクを、スリットダイコーターにより塗布し、さらに、この触媒層付き高分子電解質膜を80[℃]のオーブンで乾燥させることで、比較例1の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を得た。
(比較例2)
比較例2の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を製造する際には、本実施例と同様の触媒インクを、略矩形に切り抜いたマスキングフィルムを貼ったPTFEシートの表面にスリットダイコーターにより塗布し、80[℃]のオーブンで乾燥させた後、マスキングフィルムを剥離した。
そして、この転写用基材を2枚用意して、高分子電解質膜(ナフィオン212:登録商標、Dupont社製)の両面に触媒層が対面するように配置し、ホットプレスした後にPTFEシートを剥離することで、比較例2の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を得た。
(比較結果)
本実施例においては、目的とする形状であり、且つひび割れのなく膜厚均一性の良い電極触媒層を高分子電解質膜の両面に備えた、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体が得られた。
一方、比較例1においては、触媒インクに含まれる溶媒成分による高分子電解質膜の膨潤、及び収縮が発生し、得られた固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体には、触媒層のひび割れ、及びしわやうねりが見られた。さらに、間欠的に触媒インクを塗布したため、塗布開始部分の膜厚が大きくなっており、電極触媒層の膜厚均一性、及び形状が悪化する問題が生じた。
また、比較例2においては、得られた固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の抵抗が、本実施例と比較して、やや大きくなった。また、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を得るに際して、マスキングフィルムとPTFEシートが使い捨ての副資材として必要であった。
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
本実施形態の製造方法によれば、目的とする形状の電極触媒層を高分子電解質膜の両面に備えた固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体を、副資材のフィルム類を使用することなく、低コスト且つ高効率で得ることができる。
また、本実施形態の製造方法による固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体は、電極触媒層と高分子電解質膜の界面抵抗の増大、高分子電解質膜の皺や触媒層表面のひび割れ等の発生を抑えており、発電効率、及び耐久性が良好である。
したがって、本実施形態は高分子電解質膜を用いた燃料電池、特に定置型コジェネレーションシステムや電気自動車などに好適に用いることのできる性能を有し、更にコスト削減が可能であるため、産業上の利用価値が大きい。
1 膜・電極接合体
2 アノード触媒層
3 カソード触媒層
4 接着層
5 高分子電解質膜
11 転写ロール
12 第一の塗布液供給手段
13 第一の乾燥手段
14 第二の塗布液供給手段
15 第二の乾燥手段
16 余剰塗布液除去ロール
17 余剰塗布液除去ロール洗浄手段
18 触媒インク
19 接着インク

Claims (18)

  1. プロトン伝導性高分子を含む高分子電解質膜の両面に電極触媒層を備えた固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法であって、
    転写ロールの表面に、少なくともプロトン伝導性高分子と触媒担持カーボンと溶媒を含む触媒インクを塗布して触媒インク層を形成する触媒インク塗布工程と、
    前記転写ロールに形成した前記触媒インク層中の溶媒成分を乾燥させて触媒層を形成する触媒インク乾燥工程と、
    前記転写ロールに形成された前記触媒層の表面に、少なくとも前記高分子電解質膜中のプロトン伝導性高分子と同じ成分のプロトン伝導性高分子と溶媒を含む接着インクを塗布して接着インク層を形成する接着インク塗布工程と、
    前記転写ロールに形成した前記接着インク層中の溶媒成分を乾燥させて接着層付き触媒層を形成する接着インク乾燥工程と、
    前記転写ロールに形成した接着層付き触媒層を、余剰塗布液除去ロールの表面に予め定めたパターンで形成した凸部に押圧し、前記凸部に対応する前記接着層付き触媒層の余剰部分を前記転写ロールから前記余剰塗布液除去ロールに転写する転写除去工程と、
    前記転写除去工程で除去されずに前記転写ロールに残った前記接着層付き触媒層を、前記高分子電解質膜に押圧して、前記高分子電解質膜の表面に接着層を介して触媒層を転写する触媒層転写工程と、を含むことを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  2. 前記転写ロール、及び前記余剰塗布液除去ロールを、同一の速度で逆方向に回転させることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  3. 前記余剰塗布液除去ロールの前記凸部に転写された前記接着層付き触媒層の余剰部分を洗浄除去することを特徴とする請求項1又は2に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  4. 浄除去した前記余剰塗布液除去ロールを乾燥させることを特徴とする請求項3に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  5. 前記触媒インク、及び前記接着インクの塗布を、スリットダイコーターで行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  6. 前記転写ロールを加熱することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  7. 前記転写ロールの表面を、フッ素化合物から成る材質とすることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  8. 前記触媒インク、及び前記接着インクの塗布を、間欠的に行うことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  9. 複数の前記転写ロール、及び複数の前記余剰塗布液除去ロールを用いることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  10. プロトン伝導性高分子を含む高分子電解質膜の両面に電極触媒層を備えた固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置であって、
    転写ロールと、
    前記転写ロールの表面に触媒インクを塗布して触媒インク層を形成する第一の塗布液供給手段と、
    前記転写ロールに形成された前記触媒インク層の溶媒成分を乾燥させて触媒層を形成する第一の乾燥手段と、
    前記転写ロールに形成された前記触媒層の表面に、少なくとも前記高分子電解質膜中のプロトン伝導性高分子と同じ成分のプロトン伝導性高分子と溶媒を含む接着インクを塗布して接着インク層を形成する第二の塗布液供給手段と、
    前記転写ロールに形成された前記接着インク層の溶媒成分を乾燥させて接着層付き触媒層を形成する第二の乾燥手段と、
    表面に予め定めたパターンの凸部を有し、前記転写ロールに形成された前記接着層付き触媒層に前記凸部が押圧されて、前記凸部に対応する前記接着層付き触媒層の余剰部分が前記転写ロールから転写される余剰塗布液除去ロールと、を備え、
    前記転写ロールは、
    表面に形成された接着層付き触媒層を前記高分子電解質膜に押圧して、前記高分子電解質膜の表面に接着層を介して触媒層を転写することを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置。
  11. 前記転写ロール、及び前記余剰塗布液除去ロールは、同一の速度で逆方向に回転することを特徴とする請求項10に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置。
  12. 前記余剰塗布液除去ロールの前記凸部に転写された前記接着層付き触媒層の余剰部分を洗浄除去するロール洗浄手段を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置。
  13. 前記ロール洗浄手段は、洗浄除去した前記余剰塗布液除去ロールを乾燥させる乾燥部を有することを特徴とする請求項12に記載した固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置。
  14. 前記第一の塗布液供給手段、及び前記第二の塗布液供給手段は、スリットダイコーターからなることを特徴とする請求項10〜13の何れか一項に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置。
  15. 前記転写ロールを加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項10〜14の何れか一項に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置。
  16. 前記転写ロールは、表面がフッ素化合物から成る材質であることを特徴とする請求項10〜15の何れか一項に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置。
  17. 前記第一の塗布液供給手段、及び前記第二の塗布液供給手段は、前記触媒インク、及び前記接着インクの塗布を、間欠的に行うことを特徴とする請求項10〜16の何れか一項に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置。
  18. 複数の前記転写ロール、及び複数の前記余剰塗布液除去ロールを備えることを特徴とする請求項10〜17の何れか一項に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造装置。
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