JP2018022587A - 膜電極接合体製造方法 - Google Patents

膜電極接合体製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒反応による触媒インクの発熱・発火を抑制しながら、触媒層外観及び発電性能が良好な膜電極接合体の製造方法を提供する。【解決手段】触媒層と固体高分子電解質膜とからなる膜電極接合体を製造する製造方法であって、揮発成分における水の比率が35%以上65%未満の触媒インクを加熱しながら塗布する工程を少なくとも備える。また、前記触媒インクの揮発成分が水およびアルコールであり、前記アルコールは水よりも揮発性が高い。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池の膜電極接合体(MEA:membrane−electrode
assembly)の製造方法に関する。
従来、膜電極接合体の製造方法としては、所望の形状を有する触媒層が付与された転写基材と固体高分子電解質膜をホットプレス、熱ラミネートロールなどで熱圧着した後、基材を剥離する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、ホットプレスを用いる手法、及び熱ラミネートロールを用いる手法が開示されている。上記熱ラミネートロールを用いる手法は、長尺の固体高分子電解質膜とその両側に配された所望の形状を有する触媒層が付与された転写基材とを接触させ、一対の熱ラミネートロールで熱圧着することによって、固体高分子電解質膜と触媒層とを一体的に接合し、その後転写基材から基材のみを一対の剥離ロールを用いて触媒層から剥離し、触媒層を固体高分子電解質膜表面に転写している。
また、上記熱転写による手法のほかに、特許文献2に示すような、固体高分子電解質膜に触媒インクを直接塗布・乾燥し、触媒層を形成する手法がある。この方法では、転写基材・転写工程を必要としないため、コスト削減、工程の簡略化が可能である。
特開平10−64574号公報 特開2015−162308号公報
しかし、特許文献1のような触媒層を固体高分子電解質膜に熱転写する方式でも、特許文献2のような触媒層を電解質膜に直接形成する方式においても、触媒インクの調製は必要である。
この触媒インク中には、触媒、電解質膜同様の導電性高分子、溶媒、水が含まれている。触媒インク中に含まれる水の比率が低く、溶媒比率が多いと、触媒インク調製中やインクの塗布・乾燥工程で、触媒の作用により溶媒が酸化され、発熱・発火してしまう危険性がある。
燃料電池の触媒インクに用いられる触媒はカーボンの粉末からなるのが一般的で、このカーボンは疎水性であるため、水比率が多くなると、触媒インクを塗布・乾燥して形成された触媒層にクラックが発生しやすい。クラックのある触媒層が形成されたMEAは、燃料電池として用いた際に、低加湿条件下での発電性能が低下する。また、固体高分子電解質膜が破膜する恐れがあるため、MEAの耐久性が劣るという問題がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、
触媒インクの水比率を高く維持することで、安全性を考慮しつつ、膜電極接合体の外観及び発電性能低下を抑制することができる膜電極接合体の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
触媒層と固体高分子電解質膜とからなる膜電極接合体を製造する製造方法であって、
揮発成分における水の比率が35%以上65%未満の触媒インクを加熱しながら塗布する工程を少なくとも備えることを特徴とする膜電極接合体製造方法である。
また、請求項2に記載の発明は、
前記触媒インクの揮発成分が水及びアルコールであり、前記アルコールは水よりも揮発性が高いことを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体製造方法である。
また、請求項3に記載の発明は、
転写用基材の表面に前記触媒インクを塗布・乾燥して触媒層を形成し、固体高分子電解質膜の対向する表面に前記触媒層を接触させて熱加圧による転写を行う工程を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の膜電極接合体製造方法である。
また、請求項4に記載の発明は、
固体高分子電解質膜の対向する表面に、順次触媒インクを塗布・乾燥する工程を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の膜電極接合体製造方法である。
また、請求項5に記載の発明は、
固体高分子電解質膜の対向する表面に、同時に触媒インクを塗布・乾燥する工程を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の膜電極接合体製造方法である。
また、請求項6に記載の発明は、
転写用基材の表面に前記触媒インクを塗布・乾燥して触媒層を形成し、固体高分子電解質膜の一方の表面に前記触媒層を接触させて熱加圧による転写を行う工程と、触媒インクを固体高分子電解質膜の異なる一方の表面に塗布・乾燥する工程とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の膜電極接合体製造方法である。
また、請求項7に記載の発明は、
請求項3〜5のいずれか1つに記載の製造方法において、全ての工程が連続であることを特徴とする膜電極接合体製造方法である。
また、請求項8に記載の発明は、
請求項3〜5のいずれか1つに記載の製造方法において、各工程間が不連続であることを特徴とする膜電極接合体製造方法である。
本発明の膜電極接合体製造方法によれば、触媒の作用による発火の危険性を低減しつつ、触媒層にクラックのない外観が良好なMEAを製造することが出来る。外観が良好なMEAが得られることによって、発電性能や耐久性の低下を抑制することができる。
本発明の第一の実施形態の膜電極接合体製造方法の概略図である。 本発明の第二の実施形態の膜電極接合体製造方法の概略図である。
次に、本発明の一実施形態を説明する。
なお、本発明は、以下に記す実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて設計の変更などの変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の実施形態の範囲に含まれるものである。
図1は、本発明の第一の実施形態の膜電極接合体製造方法を説明するための概略図である。膜電極接合体製造方法は、まず、高分子からなる転写基材1を平滑に保持した状態で加熱装置の加熱部20に積載する(図1(a))。
次に、塗布装置にて液状の触媒インク3を転写基材1上に塗布し(図1(b))、乾燥することにより、アノード用の触媒層50が形成された触媒層付き転写基材1aを得る(図1(c))。さらに同様の方法で、カソード用の触媒層50が形成された触媒層付き転写基材1cを作製する。
次に、固体高分子電解質膜10の対向する表面に、上記で作製した触媒層付き転写基材1a及び1cをそれぞれ配置し、熱転写装置30により、熱加圧を行う(図1(d))。
熱加圧後、転写基材1aおよび1cを除去することで、固体高分子電解質膜10表面に触媒層50が形成された膜電極接合体18を得る(図1(e))。
さらに、本発明の別の一実施形態を説明する。
図2は、本発明の第二の実施形態の膜電極接合体製造方法を説明するための概略図である。まず、背面にバックシート11を有する固体高分子電解質膜10を平滑に保持した状態で加熱装置の加熱部20に積載する(図2(a))。その後、塗布装置にて液状の触媒インク3を固体高分子電解質膜10上に塗布し(図2(b))、加熱部20の熱により揮発成分を除去し、触媒層50を得る(図2(c))。
さらに、電解質膜10よりバックシート11を剥離除去し(図2(d))、表裏逆転させ、平滑に保持した状態で加熱部20に積載する(図2(e))。
次に再度、固体高分子電解質膜10表面に、塗布装置にて液状の触媒インク3を塗布し(図2(f))、加熱部20の熱により揮発成分を除去し(図2(g))、両面に触媒層を有する膜電極接合体18を得る(図2(h))。
以上の製造方法で用いられる固体高分子電解質膜10は、湿潤状態で良好なプロトン導電性を示す高分子材料である。また、触媒インク3は、揮発成分である水と溶媒、及び不揮発成分である白金又は白金と他の金属との合金からなる触媒を担持した粉末カーボンと、固体高分子電解質膜10と同様に良好なプロトン導電性を示す樹脂により構成され、乾燥、固化により触媒層50を形成する。
以下、固体高分子電解質膜10、触媒層50、転写基材1を構成する材料の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
固体高分子電解質膜10を構成する高分子材料としては、具体的には、炭化水素系高分子電解質、フッ素系高分子電解質を用いることができる。
炭化水素系高分子電解質膜としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレンなどの電解質膜を用いることができる。
フッ素系高分子電解質としては、例えば、デュポン製Nafion(登録商標)、旭硝子製Flemion(登録商標)、旭化成製Aciplex(登録商標)、ゴア製Gore Select(登録商標)などを用いることができる。
炭化水素系電解質膜は、フッ素系高分子電解質に比べ、溶媒による浸透、膨潤が少ないため、触媒インクを固体電解質膜に塗布するのにより好ましい。固体高分子電解質膜10の厚みは、5μm以上100μm以下程度に形成される。
固体高分子電解質膜10の背面に設置されるバックシート11は、固体高分子電解質膜10の成膜時に支持体として用いられる。バックシート11を構成する材料は、成膜後に容易に剥離してしまわない程度の密着性を有していれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムを用いることができる。
触媒層50を構成する樹脂としては、前記高分子材料と同様のものを用いることができる。また、触媒層50を構成する触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウムの白金族元素のほか、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属もしくは白金とこれらの合金、又はこれらの酸化物、複酸化物などを用いることができる。
その中でも、白金や白金合金がより好ましい。
触媒の粒径は、大きすぎると触媒の活性が低下し、小さすぎると触媒の安定性が低下するため、0.5nm以上20nm以下が好ましい。
また、触媒層50を構成する粉末カーボンとしては、微粒子状で導電性を有し、触媒に侵さないものであれば特に限定されない。具体的には、カーボンブラックやグラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレンなどを用いることができる。粉末カーボンの粒径は、触媒より小さい10nm以上100nm以下程度が好適に用いられる。
触媒層50は、前記材料を溶媒及び水に分散させて調合した触媒インク3を固体高分子電解質膜10上に塗布・乾燥することで得ることができる。
触媒インク3はインクの調液時に触媒反応により溶媒が酸化され、発熱・発火の恐れがある。そのため、触媒インク3の揮発成分における水の比率は35%以上であることが好ましい。しかし、カーボンは疎水性であるため、水との親和性が低く触媒インク3中で分離してしまうため、水の比率は65%未満であることがより好ましい。
前記溶媒は前記材料を好適に分散させるため、且つ、水よりも低沸点の溶媒の方が固体高分子電解質膜10に塗布した際には浸透し膨潤してしまう前に乾燥させることができるため、エタノール、1-プロパノール、2−プロパノールなどの低級アルコール類を用いることがより好ましい。
水比率の高い触媒インク3の乾燥に熱風による乾燥方式を用いると、塗布後の触媒層表面からの溶媒の揮発が先行し、水が多く残ってしまい、形成される触媒層50にはクラックが発生してしまう。このため、塗布直後より、加熱部20上で触媒層を乾燥することにより、内部から加熱が出来、且つすばやく乾燥が可能なため、水及び溶媒の揮発速度に差が生じにくいため好ましい。また、すばやい乾燥は、固体高分子電解質膜10に塗布した際には、触媒インク3の浸透を抑制できるため、好ましい。
転写基材1を構成する材料としては、その表面に触媒層50を形成でき、形成した触媒層50を固体高分子電解質膜10に転写できれば、特に限定されないが、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリパルバン酸アラミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアクリレート、ポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムを用いることができる。また、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等の耐熱性フッ素樹脂を用いることもできる。
加熱部20における加熱温度は触媒インク3に含まれる溶媒の沸点程度であるため、70℃以上であることが好ましく、水を含んでいるため、加えてすばやく乾燥させるため、100℃以上であることがより好ましい。
更に、120℃以上だと、溶媒と触媒の反応により、発火の恐れがあるため好ましくないため、120℃未満であることが好ましい。また、加熱部20は平板状またはロール状でもよく、転写基材1及び固体高分子電解質膜10を、吸着又は張力により平滑にすることが好ましい。
転写基材1及び固体高分子電解質膜10上に触媒層50を形成する塗布装置は、触媒層を均一な厚みで塗布が可能であれば良く、例えばダイコーター方式、ロールコーター方式等の方式を用いることができる。
固体高分子電解質膜10の対向する面に直接触媒インク3を塗布する方法は、固体高分子電解質膜10の片面ずつ、順次形成する方法でも良いが、コストダウンが可能な一度の加工で行える、両面同時に形成する方法でも良い。
転写基材1を用いて作製した触媒層付き転写基材1a及び1cを、固体高分子電解質膜10面に熱転写装置30の熱加圧により転写するための加熱温度は、触媒層50及び固体高分子電解質膜10に含まれる高分子材料の軟化点付近であると転写が良好であるため、70〜200℃であればよい。熱加圧の方式は平板状またはロール状でも良い。
また、固体高分子電解質膜10の一方の表面に触媒層50を熱加圧による転写工程を行い、もう一方の表面に触媒インク3を塗布・乾燥工程を行う方法であっても良い。このとき、転写工程、固体高分子電解質膜への塗布・乾燥工程の順番はどちらが先であっても良い。
膜電極接合体製造方法は、製造効率を考慮すると、図1、あるいは図2で示したような工程において、その全工程が連続で行われることが好ましい。すなわち、図1(a)〜(e)あるいは図2(a)〜(h)で示された一連の工程において、各工程間の処理待ち時間が殆どなくなるように、例えば製造装置の配置を連接させて基材の移動を最小限にしたり、基材の移動を自動化したりすることにより、各工程間で無駄な処理待ち時間をなくすことにより、製造効率を上げることが好ましい。
ただし、触媒層50の塗布工程の歩留まりを考慮する場合には、例えば触媒層の膜厚平滑性や外観欠陥品質が低下しないように、触媒インクの塗布・乾燥工程と固体高分子電解質膜への転写工程の間では、一定時間の自然冷却時間を入れたり、触媒層の検査工程を入れたりするなどして、不連続な工程とすることが好ましい。
以上説明した膜電極接合体製造方法によれば、触媒インク3の発熱・発火が抑制できるため、安全に膜電極接合体18を製造することができる。加えて、触媒層50にクラックによる外観不良による性能低下が抑制された膜電極接合体18の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の製造方法を実施例によって具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
[膜電極接合体の製造]
<実施例1>
触媒インク調液は、白金触媒(田中貴金属製TEC10F50E−HT)に水、フッ素系高分子電解質膜分散溶液(旭化成イーマテリアルズ製SS700C/25)を混合した後、攪拌装置にてプレ分散を行った。これは、触媒が十分に水に浸されていない状態で、溶媒と接触してしまうと、触媒反応により発火してしまうためである。
次に、1−プロパノールを追加し、再度プレ分散を行った後、ビーズミル分散装置を用いて本分散を行った。このとき、揮発成分における水の比率Wを35%とし、インク中の固形分濃度は10%とした。
100℃に加熱した吸着ステージにて高い平面性を維持された状態のフッ素系転写基材(旭硝子製アフレックス、厚み50μm)上にダイコーターにて触媒インクを塗布・乾燥(5分間)し、触媒層付き転写基材を得た。
カソード用の触媒層形成には、固形分中に含まれる白金量が0.4mg/cmになるように厚みを調整し、アノード用の触媒層形成には、0.1mg/cmになるように厚み調整を行った。得られた触媒層付き転写基材でフッ素系電解質膜(ケマーズ製ナフィオンHP)の表面を狭持し、120℃で熱加圧した後、転写基材のみを剥離し、膜電極接合体を得た。
触媒インク調液時のインクの発熱の目安である温度、触媒層の外観評価、膜電極接合体の発電性能結果を以下の表1に示す。
<実施例2>
実施例2として、触媒インクの揮発成分における水比率Wを60%とした他は実施例1と同様の方法で、触媒層付き転写基材を作製した後、膜電極接合体を作製した。
実施例1と同様の評価を行った結果を、以下の表1に示す。
<比較例1、比較例2>
触媒インクの水比率Wを25%(比較例1)、65%(比較例2)とした他は実施例1と同様の方法で、触媒層付き転写基材を作製した後、膜電極接合体を作製した。実施例1と同様の方法で評価を行った結果を表1に示す。
Figure 2018022587
(評価結果1)
表1におけるインク温度の良否判断は、ビーズミル分散中のインクの温度上昇が10℃未満であるケースを○、10℃以上であるケースを×判断とした。これは、インク温度が上昇することで溶媒の揮発が進みやすく、インクの組成に変化が生じる恐れがあることによる。
実施例1に示すように、揮発成分における水の比率Wが35%以上であるとインク温度評価が良好なのは、最初に触媒が水で十分濡れるため、溶媒を混合したときの触媒反応によるインクの発熱が抑制されたのが原因である。
また比較例1のW25%の場合では、10℃以上のインクの温度上昇がみられたため、×評価とした。また、最初に投入する水の量が少なかったため、調液容器底部に触媒のダマ残りの発生が確認された。
次に外観の評価では、比較例2のW65%以上であると、触媒層付き転写基材の外観にクラックが多数確認されたため、×評価とした。
次に、実施例1、2、および比較例1、2の膜電極接合体の発電性能をそれぞれ評価したところ、クラックの多い比較例2において顕著に性能低下が生じたため×評価とした。
<比較例3>
さらに比較例3として、実施例1と同じ転写基材、触媒インクを用いて、24℃の状態の吸着ステージ上で塗布での加熱無しで触媒インクを塗布し、熱風乾燥装置にて100℃で5分間乾燥させ、触媒層付き転写基材を得た。また、評価結果1と同様にして触媒付き転写基材の外観を評価した結果を表2に示した。
Figure 2018022587
(評価結果2)
比較例3の、塗布部加熱が無しの乾燥では、塗膜表面から溶媒の乾燥が優先的に進み、塗膜内部に水が残りやすい。水が多い状態では触媒との相溶性が悪いのに加え、表面が乾燥した状態で水が後から乾燥するため、クラックが発生した。
そのため、比較例3の外観は×評価とした。実施例1のような塗布部加熱が有りの乾燥では、塗膜内部の乾燥が初期から始まるため、揮発成分における水比率Wが35%以上であってもクラックが発生しにくかった。
1 ・・・転写基材
1a、1c・・・触媒層付き転写基材
3 ・・・触媒インク
10 ・・・固体高分子電解質膜
11 ・・・バックシート
18 ・・・膜電極接合体
20 ・・・加熱部
30 ・・・熱転写装置
50 ・・・触媒層

Claims (8)

  1. 触媒層と固体高分子電解質膜とからなる膜電極接合体を製造する製造方法であって、
    揮発成分における水の比率が35%以上65%未満の触媒インクを加熱しながら塗布する工程を少なくとも備えることを特徴とする膜電極接合体製造方法。
  2. 前記触媒インクの揮発成分が、水及びアルコールであり、前記アルコールは水よりも揮発性が高いことを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体製造方法。
  3. 転写用基材の表面に前記触媒インクを塗布・乾燥して触媒層を形成し、固体高分子電解質膜の対向する表面に前記触媒層を接触させて熱加圧による転写を行う工程を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の膜電極接合体製造方法。
  4. 固体高分子電解質膜の対向する表面に、順次触媒インクを塗布・乾燥する工程を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の膜電極接合体製造方法。
  5. 固体高分子電解質膜の対向する表面に、同時に触媒インクを塗布・乾燥する工程を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の膜電極接合体製造方法。
  6. 転写用基材の表面に前記触媒インクを塗布・乾燥して触媒層を形成し、固体高分子電解質膜の一方の表面に前記触媒層を接触させて熱加圧による転写を行う工程と、触媒インクを固体高分子電解質膜の異なる一方の表面に塗布・乾燥する工程とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の膜電極接合体製造方法。
  7. 請求項3〜5のいずれか1つに記載の製造方法において、全ての工程が連続であることを特徴とする膜電極接合体製造方法。
  8. 請求項3〜5のいずれか1つに記載の製造方法において、各工程間が不連続であることを特徴とする膜電極接合体製造方法。
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