JP2002063911A - 高分子電解質型燃料電池の製造方法 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池の製造方法

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JP2002063911A
JP2002063911A JP2000248931A JP2000248931A JP2002063911A JP 2002063911 A JP2002063911 A JP 2002063911A JP 2000248931 A JP2000248931 A JP 2000248931A JP 2000248931 A JP2000248931 A JP 2000248931A JP 2002063911 A JP2002063911 A JP 2002063911A
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electrode ink
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Eiichi Yasumoto
栄一 安本
Masao Yamamoto
雅夫 山本
Shinya Kosako
慎也 古佐小
Makoto Uchida
誠 内田
Akihiko Yoshida
昭彦 吉田
Junji Morita
純司 森田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子電解質型燃料電池の製造方法におい
て、高分子電解質膜や基材シートの臨界表面張力と電極
インク中の分散媒の表面張力を制御することにより、電
極インクの塗工および触媒層の転写を良好にする。 【解決手段】 電極インクを高分子電解質膜の両側に塗
工し、電極インク中の分散媒を除去して触媒層−電解質
膜接合体を形成する工程、または電極インクを基材シー
トに塗工し、電極インク中の分散媒を除去して触媒層を
形成する工程と高分子電解質膜の両側に前記触媒層を転
写することにより、触媒層−電解質膜接合体を形成する
工程とを有する高分子電解質型燃料電池の製造方法にお
いて、前記分散媒の表面張力を、前記高分子電解質膜ま
たは基材シートの臨界表面張力よりも小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子電解質型燃
料電池の製造方法、特に電極の触媒層の形成方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】高分子電解質型燃料電池の電極として
は、一般的に触媒層を多孔質導電性電極基材上に形成し
たものが用いられる。通常、これらの触媒層は、貴金属
を担持した炭素粉末と、高分子電解質の分散液と、水や
イソプロピルアルコールなどの有機溶媒とを混合してイ
ンク化し、得られた電極インクをスクリーン印刷法やス
プレー法を用いて電極基材となるカーボンペーパー上に
塗工して形成するのが一般的である。このようにして作
製された電極基材および触媒層からなる電極は、高分子
電解質膜を挟んでホットプレスにより接合され、電極−
電解質膜接合体となる。
【0003】一方、高分子電解質膜に直接電極インクを
塗工して触媒層−電解質膜接合体を形成する方法も試ら
れている。しかしこの場合、高分子電解質膜上で電極イ
ンクが弾かれてしまい、均一に塗工できないという問題
がある。また、高分子フィルムなどの基材シート上に触
媒層を形成した後に、これを高分子電解質膜に転写し、
触媒層−電解質膜接合体を形成する方法もある。しか
し、この場合も電極インクが基材シート上で弾かれてし
まい、均一に塗工できない場合がある。また、電極イン
クを基材シート上に均一に塗工できたとしても、乾燥し
て分散媒を除去すると、触媒層にクラックが発生した
り、高分子電解質膜への転写時に触媒層の一部が転写で
きなかったりする、という問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高分子電解質膜に直接
触媒層を形成する場合、電極インクと高分子電解質膜と
の親和性が良くなければ、電極インクが弾かれてしま
い、均一な塗工が困難になる。また、基材シート上に触
媒層を形成した後に、これを高分子電解質膜に転写する
場合、電極インクの塗工性のみならず、高分子電解質膜
への触媒層の転写性もよくなければならない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の高分子電解質型
燃料電池の製造方法は、触媒粉末、高分子電解質および
分散媒からなる電極インクを高分子電解質膜の両側に塗
工し、前記分散媒を除去して触媒層−電解質膜接合体を
形成する工程を有する高分子電解質型燃料電池の製造方
法において、前記分散媒の表面張力が、前記高分子電解
質膜の臨界表面張力よりも小さいことを特徴とする。前
記分散媒は、少なくとも有機溶媒を含んでいることが望
ましい。
【0006】本発明の高分子電解質型燃料電池の製造方
法は、また、触媒粉末、高分子電解質および分散媒から
なる電極インクを基材シートに塗工し、前記分散媒を除
去して基材シート上に触媒層を形成する工程、および高
分子電解質膜の両側に前記触媒層を転写することによ
り、触媒層−電解質膜接合体を形成する工程を有する高
分子電解質型燃料電池の製造方法において、前記分散媒
の表面張力が、前記基材シートの臨界表面張力よりも小
さいことを特徴とする。ここでも前記分散媒は、少なく
とも有機溶媒を含んでいることが望ましい。
【0007】高分子電解質膜に転写される前の基材シー
ト上に形成された触媒層の臨界表面張力は、高分子電解
質膜の臨界表面張力よりも小さい方が望ましい。また、
基材シートの臨界表面張力は、20〜45dyne/c
m(1dyne=10μN)であることが望ましく、基
材シートは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレートおよびポリカーボネートよりなる群
から選ばれた少なくとも1種からなることが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】固体表面の濡れ性は、固体と液体
の表面張力の関係で決まると考えられている。具体的に
は、液体の表面張力(γL)が、固体の臨界表面張力
(γc)よりも小さい場合(γL<γcの場合)、固体
表面が液体で濡れやすくなる。逆に、γc<γLの場
合、固体表面が液体を弾く現象がみられる。本発明の製
造方法は、高分子電解質膜または基材シートの濡れ性を
好適な範囲に制御することにより、電極インクの塗工性
を向上させ、触媒層の転写を容易に行えるようにしたも
のである。
【0009】高分子電解質膜に電極インクを塗工する場
合、高分子電解質膜の臨界表面張力は、電極インクの分
散媒の表面張力の1.2倍以上であることが好ましい。
【0010】また、基材シートに電極インクを塗工して
基材シート上に触媒層を形成し、得られた触媒層を高分
子電解質膜に転写する場合、触媒層の転写は、基材シー
トの臨界表面張力が低い方が容易になるので、電極イン
クの塗工性がよくなるからといって、基材シートの臨界
表面張力が高い程よいというわけではない。従って、基
材シートの臨界表面張力は、電極インクの分散媒の表面
張力の1.1倍以上であることが好ましい。
【0011】従来、電極インク中の分散媒としては、純
水が多く用いられていたが、純水の表面張力は72dy
ne/cmと高いため、電極インクの表面張力を高分子
電解質膜や基材シートより小さくすることが困難であ
る。そこで、有機溶媒を含む分散媒を用いることが好ま
しい。分散媒に有機溶媒を含ませると電極インクの表面
張力を著しく低下させることができる。また、水を用い
ずに有機溶媒を単独で用いてもよい。有機溶媒として
は、表面張力が低く、乾燥し易いなどの点からイソプロ
ピルアルコール(2−プロパノール)を用いることが好
ましい。
【0012】基材シート上に形成された触媒層は、その
臨界表面張力が高分子電解質膜の臨界表面張力よりも小
さいと転写が容易になる。これは、触媒層の臨界表面張
力が高分子電解質膜の臨界表面張力よりも小さいと、基
材シートと触媒層との接着力よりも、高分子電解質膜と
触媒層との接着力の方が強くなるためと考えられる。
【0013】電極インクを基材シートに塗工して一旦基
材シート上に触媒層を形成し、得られた触媒層を高分子
電解質膜に転写する場合、特に基材シートの臨界表面張
力が20〜45dyne/cmである場合に、電極イン
クの塗工性が良好で、かつ、触媒層の高分子電解質膜へ
の転写も容易となる。
【0014】
【実施例】以下、実施例に基いて、本発明の高分子電解
質型燃料電池の製造方法について、図面を参照しながら
述べる。
【0015】《実施例1》電極インクを高分子電解質膜
の両側に直接塗工して触媒層−電解質膜接合体を形成す
る方法について検討した。まず、使用する高分子電解質
膜の臨界表面張力を測定した。測定は、固体表面の表面
張力測定に一般的に使用されるZisman法を用い
た。すなわち各種表面張力の標準溶液を用いてZism
anプロットを行い、cosθ=1.0の時の表面張力
(臨界表面張力)を求めた。高分子電解質膜にはパーフ
ルオロカーボンスルホン酸からなる膜であるNafio
n112(デュポン社製)を使用した。この高分子電解
質膜の臨界表面張力は31dyne/cmであった。
【0016】次に、電極インクを調製した。分散媒とし
ては先の高分子電解質膜の臨界表面張力よりも小さい2
−プロパノール(表面張力:21dyne/cm)を使
用した。触媒粉末としては白金を担持した炭素粉末(白
金:40重量%、炭素粉末:60重量%)を使用した。
高分子電解質としては5%のNafion分散液(アル
ドリッチ社製)から分散媒成分を除去して得たパーフル
オロカーボンスルホン酸を使用した。触媒粉末9.6
g、高分子電解質5.1gおよび2−プロパノール8
5.3gをボールミルにより混合し、電極インクAを得
た。
【0017】また、触媒粉末として白金ルテニウムを担
持した炭素粉末(白金ルテニウム:50重量%、炭素粉
末:50重量%)を用いたこと以外、電極インクAと同
様にして、電極インクBを得た。
【0018】また、比較のために、分散媒として水(表
面張力:73dyne/cm)を用いたこと以外、電極
インクAおよびBと同様にして、それぞれ電極インクC
および電極インクDを得た。
【0019】次いで、得られたインクを高分子電解質膜
上にスクリーン印刷法で塗工し、触媒層−電解質膜接合
体を作製した。まず、所定の大きさの高分子電解質膜を
スクリーン印刷機にセットし、膜上に電極インクAを塗
工した。この時、スクリーンはステンレス鋼製の200
メッシュのものを使用した。これを60℃に設定された
乾燥器中で乾燥させた後、膜の反対側に電極インクBを
塗工することによって触媒層−電解質膜接合体ABを得
た。
【0020】また、電極インクCおよびDを用いたこと
以外、触媒層−電解質膜接合体ABと同様にして、触媒
層−電解質膜接合体CDを得た。
【0021】なお、電極インクAおよびBを用いた場
合、スクリーン印刷時に高分子電解質膜上にインクを均
一に塗工できたが、電極インクCおよびDを用いた場
合、高分子電解質膜上でインクが弾かれ、均一に塗工す
ることができなかった。
【0022】得られた触媒層−電解質膜接合体ABおよ
びCDの両側にカーボンペーパ(東レ(株)製のTGP
−H−120)と所定のシール材を配して単電池を構成
した。そして、電極インクAまたはCを塗工した面が空
気極側に、電極インクBまたはDを塗工した面が燃料極
側になるようにして、単電池試験装置にセットし、電池
特性を調べた。単電池の燃料極には二酸化炭素25%お
よび一酸化炭素50ppmを含む水素ガスを、空気極に
空気を流し、電池温度を80℃、燃料利用率を80%、
空気利用率を40%、水素ガスの露点を75℃、空気の
露点を60℃に設定した。
【0023】図1に、それぞれの単電池の電流−電圧特
性を比較して示した。図1は、触媒層−電解質膜接合体
ABを用いた単電池の特性(曲線a)が、触媒層−電解
質膜接合体CDを用いた単電池の特性(曲線b)よりも
優れていることを示している。この違いは、得られた触
媒層の均一性に起因するものと考えられる。
【0024】以上より、本発明によれば、電極インク中
の分散媒の表面張力を高分子電解質膜の臨界表面張力よ
りも小さくすることにより、優れた高分子電解質型燃料
電池を提供できることが示された。また、高分子電解質
膜の臨界表面張力と電極インク中の分散媒の表面張力を
把握することにより、電極インクの塗工性を把握できる
ため、塗工時のインクの管理が容易に行え、高価な電極
インクを無駄にすることがなくなるという利点もある。
【0025】《実施例2》電極インクを基材シートに塗
工して触媒層を形成後、これを高分子電解質膜に転写す
る方法について検討した。電極インクとしては、実施例
1で使用した電極インクAおよびBを用いた。基材シー
トとしては、電極インク中の2−プロパノールの表面張
力よりも大きな臨界表面張力を有するポリエチレンテレ
フタレート(臨界表面張力:43dyne/cm)のフ
ィルムを使用した。
【0026】インクAおよびBを、図2に示す塗工装置
1を用いて、基材シート上に塗工し、触媒層を形成し
た。基材シートの厚さは50μmである。タンク2に
は、まず、電極インクAを入れ、塗工装置1の巻出し部
3から基材シート4を送りだし、塗工ロール5の上部で
インクの塗工を行い、触媒層付きフィルムAを得た。図
2中、6で示される電極インクAは、タンク2からスリ
ット状のノズル7を経て基材シート4上に塗布される。
この時、ノズル7と基材シート4とのギャップは50〜
250μm、基材シートの送り速度は1m/分に設定し
た。触媒層付きフィルムAは、温度100℃、風量10
3/分に設定された乾燥室8に送ることにより、分散
媒成分を除去した。その後、触媒層付きフィルムAはガ
イドロール9を介して巻き取り部10で巻き取った。
【0027】次に、タンク2に電極インクBを入れて基
材シート上に先と同様に塗工を行い、触媒層付きフィル
ムBを得た。
【0028】また、比較のために、実施例1で用いた電
極インクCおよびDを用いたこと以外、触媒層付きフィ
ルムAおよびBと同様にして、触媒層付きフィルムCお
よびDを得た。
【0029】なお、電極インクAおよびBを使用した場
合、塗工時に電極インクの弾きや偏りがなく、均一な塗
工ができた。しかし、水を分散媒とする電極インクCお
よびDを用いた場合、電極インクの弾きや偏りが見ら
れ、また、乾燥時に触媒層にクラックが発生した。
【0030】次いで、触媒層付きフィルムAおよびBの
間に高分子電解質膜(Nafion112)を挟み、ホ
ットローラを用いて各触媒層を高分子電解質膜上に転写
し、ポリエチレンテレフタレートのフィルムを取り外し
て、触媒層−電解質膜接合体AB’を得た。ホットロー
ラの温度は100℃、圧力は3×107Paで行った。
このとき、転写は良好に行うことができ、触媒層の一部
が転写されずにポリエチレンテレフタレートのフィルム
に残ることはなかった。
【0031】一方、触媒層付きフィルムCおよびDを用
いて、触媒層−電解質膜接合体AB’と同様にして、触
媒層−電解質膜接合体CD’を作製したところ、触媒層
の一部が膜から脱落したり、触媒層の一部が転写されず
にフィルム上に残ったりした。
【0032】触媒層−電解質膜接合体AB’およびC
D’を実施例1と同様に単電池試験装置にセットして、
電池特性を調べた。単電池の作製方法、電池動作条件等
は実施例1と同じにした。その結果、触媒層−電解質膜
接合体AB’を用いた単電池は、触媒層−電解質膜接合
体CD’を用いた単電池よりも高い特性を示すことが分
かった。
【0033】次に、電極インクAの高分子電解質量を半
分にしたこと以外、電極インクAと同様にして、電極イ
ンクEを得た。そして、先と同様にして、ポリエチレン
テレフタレートのフィルム上に塗工し、触媒層付きフィ
ルムEを得た。このとき塗膜に弾きや塗りムラは見られ
なかった。しかし、高分子電解質膜に触媒層付きフィル
ムBとともに転写したところ、触媒層付きフィルムEの
触媒層の一部がフィルム側に残り、均一に転写すること
ができなかった。
【0034】そこで、分散媒除去後の触媒層付きフィル
ムAと触媒層付きフィルムEの触媒層の臨界表面張力
を、実施例1と同様に、Zisman法を用いて測定し
たところ、触媒層付きフィルムAの触媒層の臨界表面張
力は、高分子電解質膜の臨界表面張力よりも小さい29
dyne/cmであったのに対し、触媒層付きフィルム
Eの触媒層の臨界表面張力は35dyne/cmであっ
た。このことから、分散媒除去後の触媒層の臨界表面張
力が、高分子電解質膜の臨界表面張力よりも小さい方
が、転写性が良好であることがわかる。
【0035】これらの結果より、本発明によれば、電極
インク中の分散媒の表面張力を基材シートの臨界表面張
力よりも小さくすることにより、優れた高分子電解質型
燃料電池を提供できることが示された。
【0036】本実施例では、基材シートとしてポリエチ
レンテレフタレートのフィルムを用いたが、ポリプロピ
レン、ポリ−4−メチルペンテン−1などのフィルムを
用いてもよく、特に限定されるものではない。また、基
材シートの表面をコロナ放電処理したり、他の材料をコ
ートすることにより、臨界表面張力を調整したフィルム
を用いることもできる。
【0037】《実施例3》基材シートとして、表1に示
す高分子フィルムを使用し、これらのフィルム上に実施
例2と同様にして電極インクAおよびBを塗工し、得ら
れた触媒層を高分子電解質膜に転写して、インクの塗工
性と触媒層の転写性を調べた。また、得られた触媒層−
電解質膜接合体を、実施例2と同様に単電池にセット
し、電池特性を調べた。表1には、各フィルムの臨界表
面張力と、得られた電池特性のうちの0.3A/cm2
における電池電圧を示す。
【0038】ポリテトラフルオロエチレンのフィルムを
用いた場合、臨界表面張力が電極インク中の分散媒成分
である2−プロパノールの表面張力よりも小さいため、
電極インクの弾きや偏りが起こり、インクをフィルム上
に均一に塗工することができなかった。これに対してナ
イロン−6,6を用いた場合、電極インクの塗工性は良
好であったが、触媒層の転写時にフィルム側に触媒層の
一部が残ってしまった。これは、インクの塗工性が良好
である反面、フィルムと触媒層との密着性が強くなりす
ぎたためと考えられる。
【0039】また、表1に示すように、ポリテトラフル
オロエチレンとナイロン−6,6のフィルムを用いた場
合、0.3A/cm2における電池電圧は、その他のフ
ィルムを用いた場合に比べて電池電圧がかなり低くなっ
ている。
【0040】
【表1】
【0041】これらの結果より、本発明によれば、臨界
表面張力が20〜45dyne/cmの基材シートを用
いることにより、優れた高分子電解質型燃料電池を提供
できることが示された。なお、ポリテトラフルオロエチ
レンやナイロン−6,6のフィルムでも、表面改質や表
面処理を行うことにより、その臨界表面張力を調整すれ
ば、本発明に適用できる。また、金属薄膜シート、多孔
質シート、2種の高分子シートのラミネート品等を用い
ることもできる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、電極イ
ンク中の分散媒の表面張力が、高分子電解質膜や基材シ
ートの臨界表面張力よりも小さいため、従来よりも電極
インクの塗工性、触媒層の転写性が良好となる。また、
インクの分散媒が有機溶媒を含んでいる場合や基材シー
トの臨界表面張力が20〜45dyne/cmである場
合等には、特に電極インクの塗工性と触媒層の転写性と
のバランスを良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で用いた単電池の電池特性を
示す図である。
【図2】本発明の実施例2で用いた塗工装置を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 塗工装置 2 タンク 3 巻出し部 4 基材シート 5 塗工ロール 6 電極インク 7 ノズル 8 乾燥室 9 ガイドロール 10 巻き取り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古佐小 慎也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 内田 誠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 吉田 昭彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 森田 純司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H018 AA06 BB08 BB12 EE03 EE05 HH08 5H026 AA06 BB00 BB04 BB08 CX05 HH09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒粉末、高分子電解質および分散媒か
    らなる電極インクを高分子電解質膜の両側に塗工し、前
    記分散媒を除去して触媒層−電解質膜接合体を形成する
    工程を有する高分子電解質型燃料電池の製造方法におい
    て、前記分散媒の表面張力が、前記高分子電解質膜の臨
    界表面張力よりも小さいことを特徴とする高分子電解質
    型燃料電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒粉末、高分子電解質および分散媒か
    らなる電極インクを基材シートに塗工し、前記分散媒を
    除去して基材シート上に触媒層を形成する工程、および
    高分子電解質膜の両側に前記触媒層を転写することによ
    り、触媒層−電解質膜接合体を形成する工程を有する高
    分子電解質型燃料電池において、前記分散媒の表面張力
    が、前記基材シートの臨界表面張力よりも小さいことを
    特徴とする高分子電解質型燃料電池の製造方法。
  3. 【請求項3】 転写される前の触媒層の臨界表面張力
    が、高分子電解質膜の臨界表面張力よりも小さい請求項
    2記載の高分子電解質型燃料電池の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記基材シートの臨界表面張力が、20
    〜45dyne/cmである請求項2または3記載の高
    分子電解質型燃料電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記分散媒が、少なくとも有機溶媒を含
    んでいる請求項1〜4のいずれかに記載の高分子電解質
    型燃料電池の製造方法。
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