JP2015069739A - 膜・触媒層接合体の製造装置および製造方法 - Google Patents

膜・触媒層接合体の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な生産性を維持しつつ、皺の発生を抑制することができる膜・触媒層接合体の製造装置および製造方法を提供する。【解決手段】膜・触媒層接合体の製造装置1は、第1処理ユニット10と第2処理ユニット20とを備える。第1処理ユニット10にて電解質膜2の表面に電極インクを塗工して乾燥処理を行うことにより当該表面に触媒層を形成する。次いで、第2処理ユニット20にて電解質膜2の裏面に上記とは逆極性の電極インクを塗工して乾燥処理を行うことにより当該裏面にも触媒層を形成する。続いて、表裏両面に触媒層が形成された電解質膜2に給水部60から純水を供給して電解質膜2を保水状態とし、その電解質膜2を第2巻取ローラ85によって巻き取る。塗工領域であるか非塗工領域であるかにかかわらず保水状態とすることにより、電解質膜2全体を膨潤させて皺の発生を抑制することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、帯状の電解質膜の両面に触媒電極層を形成した燃料電池の膜・触媒層接合体の製造装置および製造方法に関する。
近年、自動車、家庭用、携帯電話などの駆動電源として燃料電池が注目されている。燃料電池は、燃料に含まれる水素(H)と空気中の酸素(O)との電気化学反応によって電力を作り出す発電システムであり、発電効率が高く環境への負荷も軽いという特長を有する。
燃料電池には、使用する電解質によって幾つかの種類が存在しているが、そのうちの一つに電解質としてイオン交換膜(電解質膜)を用いた固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer electrolyte fuel cell)がある。固体高分子形燃料電池は、常温での動作および小型軽量化が可能であるため、自動車や携帯機器への適用が期待されている。
固体高分子形燃料電池のセルに使用される膜・触媒層接合体(CCM:Catalyst-coated membrane)は、電解質の薄膜の両面に機能層として触媒層を形成した複合膜である。その膜・触媒層接合体の両側にガス拡散層、セパレーターを配置することで単位セルが構成される。かかる膜・触媒層接合体は、白金(Pt)を含む触媒をアルコールなどの溶媒中に分散させた電極インク(電極ペースト)を電解質膜の表面に塗工することによって作製される。ところが、電解質膜は電極インクに含まれる溶媒や雰囲気中の水分を容易に吸収して膨潤・収縮を生じ易いという性質を有している。このため、電極インクを塗工して乾燥するときに電解質膜に皺やピンホールが発生するという問題があった。電解質膜に皺やピンホールが発生すると燃料電池の発電性能が低下することとなる。
このような問題を解決するために、以下のような様々な提案がなされている。例えば、特許文献1には、作業環境の湿度を30%〜60%に調整して電解質膜に敢えて吸湿させることにより皺の発生を防止する技術が開示されている。また、特許文献2には、電解質膜を加熱しながら湿度を周期的に変動させることによって外周端部に発生した皺を除去することが開示されている。特許文献3には、水およびエタノールの高温・高圧の蒸気を電解質膜に含浸させるスチームプレスによって皺の発生を抑制することが開示されている。特許文献4には、電極インクの塗工部のみならず、非塗工部にも溶媒を浸透させて電解質膜の全体に溶媒を含浸させることにより皺の発生を防止する技術が開示されている。さらに、特許文献5には、膨潤液を浸潤させた電解質膜の外周部をワークで固定することによって皺の発生を防止することが開示されている。
特開2012−164422号公報 特開2012−113921号公報 特開2009−277442号公報 特開2007−294183号公報 特開2006−310237号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、電解質膜の片面のみに電極ペーストを塗工して電極層を形成した状態で吸湿が行われている。固体高分子形燃料電池のセルとして使用するためには、電解質膜の表面および裏面に電極層(アノード電極およびカソード電極)を形成する必要があるため、特許文献1に開示される技術にて巻き取られた電解質膜に対しては、さらに次工程で電解質膜の反対面に電極層を形成しなければならない。この工程で、電解質膜が再度巻き出されて搬送されるときに膜内の保水量が変化して電解質膜の収縮が生じ、塗工部と非塗工部との収縮差に起因した皺が発生するおそれがある。
また、特許文献2〜特許文献5に開示される技術では、高温の蒸気を発生させたり、ワークで電解質膜を固定させる必要があるため、処理工程が複雑になって生産性が低下するという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、良好な生産性を維持しつつ、皺を防止することができる膜・触媒層接合体の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、帯状の電解質膜の両面に触媒層を形成する膜・触媒層接合体の製造装置において、前記電解質膜の一方面に触媒層を形成する第1成膜部と、前記電解質膜の他方面に触媒層を形成する第2成膜部と、両面に触媒層が形成された前記電解質膜に水分を供給する給水部と、前記給水部からの給水によって保水された状態の前記電解質膜を巻き取る巻取り部と、を備え、前記給水部は、前記電解質膜の前記一方面および前記他方面から水膜が現出する程度にまで水分を供給することを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る膜・触媒層接合体の製造装置において、前記電解質膜から余剰の水分を除去する水除去部をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る膜・触媒層接合体の製造装置において、保水された状態の前記電解質膜から皺を除去する皺取りローラをさらに備えることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る膜・触媒層接合体の製造装置において、前記巻取り部によって巻き取られる前記電解質膜の張力を一定に保つダンサーローラをさらに備えることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明に係る膜・触媒層接合体の製造装置において、前記巻取り部によって巻き取られる前記電解質膜に合紙を供給して挟み込ませる合紙供給部をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかの発明に係る膜・触媒層接合体の製造装置において、前記給水部は、ミスト状の水分を前記電解質膜に吹き付けるミストスプレーを有することを特徴とする。
また、請求項7の発明は、帯状の電解質膜の両面に触媒層を形成する膜・触媒層接合体の製造方法において、前記電解質膜の一方面に触媒層を形成する第1成膜工程と、前記電解質膜の他方面に触媒層を形成する第2成膜工程と、両面に触媒層が形成された前記電解質膜に水分を供給する給水工程と、前記給水工程での給水によって保水された状態の前記電解質膜を巻き取る巻取り工程と、を備え、前記給水工程では、前記電解質膜の前記一方面および前記他方面から水膜が現出する程度にまで水分を供給することを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項7の発明に係る膜・触媒層接合体の製造方法において、前記電解質膜から余剰の水分を除去する水除去工程をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項7または請求項8の発明に係る膜・触媒層接合体の製造方法において、保水された状態の前記電解質膜から皺取りローラによって皺を除去する皺取り工程をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項7から請求項9のいずれかの発明に係る膜・触媒層接合体の製造方法において、前記巻取り工程にて巻き取られる前記電解質膜の張力をダンサーローラによって一定に保つことを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項7から請求項10のいずれかの発明に係る膜・触媒層接合体の製造方法において、前記巻取り工程にて巻き取られる前記電解質膜に合紙を供給して挟み込ませることを特徴とする。
また、請求項12の発明は、請求項7から請求項11のいずれかの発明に係る膜・触媒層接合体の製造方法において、前記給水工程では、ミストスプレーからミスト状の水分を前記電解質膜に吹き付けることを特徴とする。
請求項1から請求項6の発明によれば、電解質膜の一方面および他方面から水膜が現出する程度にまで水分を供給して保水された状態の電解質膜を巻き取るため、複雑な処理を行うことなく電解質膜の全体を膨潤させて皺を解消することができ、良好な生産性を維持しつつ、皺を防止することができる。
特に、請求項3の発明によれば、保水された状態の電解質膜から皺を除去する皺取りローラをさらに備えるため、電解質膜の保水だけでは完全に解消されなかった皺をも確実に解消することができる。
特に、請求項4の発明によれば、巻取り部によって巻き取られる電解質膜の張力を一定に保つダンサーローラをさらに備えるため、張力のバラツキに起因した皺を防止することができる。
特に、請求項5の発明によれば、巻取り部によって巻き取られる電解質膜に合紙を供給して挟み込ませる合紙供給部をさらに備えるため、極性の異なる触媒層の接触を防止することができる。
特に、請求項6の発明によれば、給水部は、ミスト状の水分を電解質膜に吹き付けるミストスプレーを有するため、水分供給による電解質膜の汚染を防止することができる。
請求項7から請求項12の発明によれば、電解質膜の一方面および他方面から水膜が現出する程度にまで水分を供給して保水された状態の電解質膜を巻き取るため、複雑な処理を行うことなく電解質膜の全体を膨潤させて皺を解消することができ、良好な生産性を維持しつつ、皺を防止することができる。
特に、請求項9の発明によれば、保水された状態の電解質膜から皺取りローラによって皺を除去するため、電解質膜の保水だけでは完全に解消されなかった皺をも確実に解消することができる。
特に、請求項10の発明によれば、巻取り工程にて巻き取られる電解質膜の張力をダンサーローラによって一定に保つため、張力のバラツキに起因した皺を防止することができる。
特に、請求項11の発明によれば、巻取り工程にて巻き取られる電解質膜に合紙を供給して挟み込ませるため、極性の異なる触媒層の接触を防止することができる。
特に、請求項12の発明によれば、ミストスプレーからミスト状の水分を電解質膜に吹き付けるため、水分供給による電解質膜の汚染を防止することができる。
本発明に係る膜・触媒層接合体の製造装置の全体概略構成を示す図である。 吸着ローラおよび第2乾燥炉の構成を示す図である。 吸着ローラおよび第2乾燥炉の正面図である。 製造装置において膜・触媒層接合体が製造される手順を示すフローチャートである。 製造装置において膜・触媒層接合体が製造される手順を示すフローチャートである。 電解質膜の表面に電極インクが間欠塗工された状態を示す平面図である。 表面に触媒層が形成された電解質膜の断面図である。 第1プレスローラによってバックシートを剥離して電解質膜を吸着ローラに吸着させる様子を示す図である。 表裏両面に触媒層が形成された電解質膜の断面図である。 表裏両面に触媒層が形成された電解質膜に純水が供給された状態を示す断面図である。 電解質膜が皺取りローラに接触した状態を示す図である。 水分供給および水除去の他の例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る膜・触媒層接合体の製造装置1の全体概略構成を示す図である。この膜・触媒層接合体の製造装置1は、帯状の電解質膜2の表面および裏面に電極インク(電極ペースト)を塗工し、その電極インクを乾燥させて電解質膜2の両面に触媒層(電極層)を形成して固体高分子形燃料電池の膜・触媒層接合体5を製造する装置である。なお、図1および以降の各図には、それらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を適宜付している。また、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
製造装置1は、電解質膜2の表面側の成膜処理を行う第1処理ユニット10、および、裏面側の成膜処理を行う第2処理ユニット20を備える。また、製造装置1は、第1処理ユニット10および第2処理ユニット20の全体を管理する制御部90を備える。
第1処理ユニット10は、第1巻出ローラ11、表面塗工ノズル12、第1乾燥炉13および第1巻取ローラ14を備え、電解質膜2の表面に電極インクを塗工して触媒層を形成する。なお、電解質膜2の表面とは、電解質膜2の2つの面のうちの一方面であり、アノード電極またはカソード電極のいずれか一方の触媒層が形成される。また、電解質膜2の裏面とは、表面の反対側の他方面であり、表面とは異なる極性の触媒層が形成される。すなわち、表面および裏面は、電解質膜2の両面を単に識別するための表記であり、いずれか特定の面が表面または裏面に限定されるものではない。
第1巻出ローラ11は、バックシート6付きの電解質膜2が巻回されており、そのバックシート6付きの電解質膜2を連続的に送り出す。バックシート6付きの電解質膜2は、第1巻出ローラ11から送り出されて第1巻取ローラ14によって巻き取られることにより、表面塗工ノズル12および第1乾燥炉13の順にロールトゥロール方式にて連続して搬送される。第1処理ユニット10では、電解質膜2がその表面を上側に向けて搬送される。
電解質膜2としては、従来より固体高分子形燃料電池の膜・触媒層接合体用途に用いられているフッ素系や炭化水素系などの高分子電解質膜を使用することができる。例えば、電解質膜2として、パーフルオロカーボンスルホン酸を含む高分子電解質膜(例えば、米国DuPont社製のNafion(登録商標)、旭硝子(株)製のFlemion(登録商標)、旭化成(株)製のAciplex(登録商標)、ゴア(Gore)社製のGoreselect(登録商標)など)を使用することができる。
上記の電解質膜2は、非常に薄くて機械的強度が弱く、大気中の少量の湿気によっても容易に膨潤する一方で湿度が低くなると収縮する特性を有しており、極めて変形しやすい。このため、第1巻出ローラ11には、電解質膜2の変形を防止するために初期状態としてバックシート6付きの電解質膜2が巻回されている。バックシート6としては、機械的な強度に富んで形状保持機能に優れた樹脂材料、例えばPEN(ポリエチレンナフタレート)やPET(ポリエチレンテレフタレート)のフィルムを用いることができる。本実施形態では、電解質膜2の裏面にバックシート6が貼り合わされている。
第1巻出ローラ11に巻回された初期状態のバックシート6付き電解質膜2において、電解質膜2の膜厚は5μm〜30μmであり、幅は最大で300mm程度である。また、バックシート6の膜厚は25μm〜100μmであり、その幅は電解質膜2の幅より若干大きい。なお、バックシート6の幅は電解質膜2の幅と同じであっても良い。
第1巻出ローラ11から第1巻取ローラ14へと向かう電解質膜2の搬送経路の上方に表面塗工ノズル12が設けられている。表面塗工ノズル12は、先端((−Z)側の端部)にスリット状の吐出口を備えたスリットノズルである。そのスリット状の吐出口の長手方向はY軸方向である。表面塗工ノズル12は、スリット状の吐出口が電解質膜2の搬送経路から所定間隔を隔てる位置に設けられている。また、表面塗工ノズル12は、図示しない駆動機構によって位置および姿勢が調整可能に設けられている。
表面塗工ノズル12には、図外の塗工液供給機構から塗工液として電極インクが供給される。本実施形態で使用される電極インクは、例えば、触媒粒子、イオン伝導性電解質および分散媒を含有する。触媒粒子としては、公知または市販のものを使用することができ、高分子形燃料電池のアノードまたはカソードにおける燃料電池反応を起こさせるものであれば特に限定されず、例えば白金(Pt)、白金合金、白金化合物等を用いることができる。このうち白金合金としては、例えば、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、イリジウム(Ir)、鉄(Fe)等からなる群から選択された少なくとも1種の金属と白金との合金を挙げることができる。一般的には、カソード用の電極インクの触媒粒子には白金、アノード用の電極インクの触媒粒子には上述の白金合金が用いられる。
また、触媒粒子は、触媒微粒子が炭素粉に担持された、いわゆる触媒担持炭素粉であっても良い。触媒担持炭素の平均粒子径は、通常10nm〜100nm程度、好ましくは20nm〜80nm程度、最も好ましくは40nm〜50nm程度である。触媒微粒子を担持する炭素粉は特に制限されるものではなく、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、黒鉛、活性炭、カーボン繊維、カーボンナノチューブ等が挙げられる。これらは、1種単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
上記のような触媒粒子に溶媒を加えてスリットノズルから塗布可能なペーストとする。溶媒としては、水、エタノール、n−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール系、並びに、エーテル系、エステル系およびフッ素系などの有機溶剤を用いることができる。
さらに、溶媒中に触媒粒子を分散させた溶液にイオン交換基を有する高分子電解質溶液を加える。一例として、白金を50wt%担持したカーボンブラック(田中貴金属工業(株)製の「TEC10E50E」)を水、エタノールおよび高分子電解質溶液(米国DuPont社製のNafion液「D2020」)に分散させて電極インクを得ることができる。このようにして混合されたペーストを電極インクとして表面塗工ノズル12に供給する。
表面塗工ノズル12は、供給された上述の如き電極インクを吐出口から吐出して連続搬送される電解質膜2の表面に塗工する。表面塗工ノズル12は、連続して電極インクを吐出するときには連続塗工を行うことができ、断続的に電極インクを吐出するときには間欠塗工を行うことができる。
第1乾燥炉13は、電解質膜2の搬送経路の経路途中であって、表面塗工ノズル12よりも下流側に設置されている。第1乾燥炉13は、その内部を通過する電解質膜2に熱風を吹き付けて加熱することによって、電解質膜2の表面に塗工された電極インクの乾燥処理を行う。この乾燥処理によって電極インクから溶剤が蒸発して触媒層9が形成される(図7参照)。第1乾燥炉13としては、公知の熱風乾燥炉を用いることができる。
第1乾燥炉13を通過した電解質膜2は第1巻取ローラ14によって巻き取られる。第1巻取ローラ14は、裏面にバックシート6が貼り合わされたまま表面のみに触媒層9が形成された電解質膜2を巻き取る。また、第1巻取ローラ14は、第1巻出ローラ11から送り出された電解質膜2に一定の張力を与える。
第2処理ユニット20は、電解質膜2の裏面側の成膜処理を行うための主たる要素として、電解質膜2からバックシート6を剥離する剥離部30と、電解質膜2を吸着支持して搬送する吸着ローラ21と、電解質膜2の裏面に電極インクを塗工する裏面塗工ノズル40と、塗工された電極インクを加熱して乾燥させる第2乾燥炉50と、を備える。また、第2処理ユニット20は、皺防止処理のための主たる要素として、両面に触媒層9が形成された電解質膜2に水分を供給する給水部60と、電解質膜2の張力を一定に保つダンサーローラ69と、電解質膜2から余剰の水分を除去する水除去部70と、電解質膜2から皺を除去する皺取りローラ80と、を備える。
剥離部30は第1プレスローラ31を備える。また、第2処理ユニット20は、第2巻出ローラ32、補助ローラ33およびバックシート巻取ローラ34を備える。第2巻出ローラ32には、第1処理ユニット10の第1巻取ローラ14によって巻き取られた電解質膜2のロールが装着される。すなわち、第2巻出ローラ32に巻回される電解質膜2の裏面にはバックシート6が貼り合わされるとともに、表面には触媒層9が形成されている。第2巻出ローラ32は、そのような電解質膜2を連続的に送り出す。
第2巻出ローラ32から送り出された電解質膜2は、補助ローラ33に懸架され、第1プレスローラ31によって吸着ローラ21に押し付けられる。第1プレスローラ31は、図示を省略するシリンダーによって吸着ローラ21の外周面から所定の間隔を隔てた位置に近接支持されている。第1プレスローラ31と吸着ローラ21の外周面との間隔は、バックシート6付き電解質膜2の厚さよりも小さい。従って、バックシート6付き電解質膜2が第1プレスローラ31と吸着ローラ21との間を通過するときに、触媒層9を含む電解質膜2の表面が吸着ローラ21に押し付けられる。第1プレスローラ31がバックシート6付き電解質膜2を吸着ローラ21に押し付ける力は、上記のシリンダーによって第1プレスローラ31と吸着ローラ21との間隔を調整することによって制御される。
第1プレスローラ31が電解質膜2の表面を吸着ローラ21に押し付けることによって、電解質膜2は吸着ローラ21の外周面に吸着される。このとき、バックシート6は電解質膜2の裏面から剥離され、バックシート巻取ローラ34に巻き取られる。すなわち、剥離部30の第1プレスローラ31は、バックシート6付きの電解質膜2からバックシート6を剥離するとともに、電解質膜2を吸着ローラ21に押し付けて吸着させる役割を担っている。バックシート巻取ローラ34は、図示省略のモータによって連続的に回転されることにより、バックシート6を連続的に巻き取るとともに、第2巻出ローラ32から補助ローラ33を経て第1プレスローラ31に至るバックシート6付き電解質膜2に一定の張力を与える。
吸着ローラ21は、中心軸がY軸方向に沿うように設置された円柱形状の部材である。吸着ローラ21の大きさは、例えば、高さ(Y軸方向の長さ)が400mmであり、直径が400mm〜1600mmである。吸着ローラ21は、図示省略のモータによってY軸方向に沿った中心軸を回転中心として図1中矢印AR1に示す向きに回転される。
吸着ローラ21は、多孔質カーボンまたは多孔質セラミックスにて形成された多孔質ローラである。多孔質セラミックスとしては、例えばアルミナ(Al)または炭化ケイ素(SiC)の焼結体を用いることができる。多孔質の吸着ローラ21における気孔径は5μm以下であり、気孔率は15%〜50%の範囲内である。また、吸着ローラ21の外周面(円柱の周面)の表面粗さは、Rz(最大高さ)が5μm以下であり、この値は小さいほど好ましい。さらに、回転時の吸着ローラ21の全振れ(回転軸から外周面までの距離の変動)は10μm以下とされている。
図2は、吸着ローラ21および第2乾燥炉50の構成を示す図である。吸着ローラ21の上面および/または底面には吸引口23が設けられている。吸引口23は、図外の吸引機構(例えば、排気ポンプ)によって吸引されて負圧が与えられる。吸着ローラ21は、気孔率が15%〜50%の多孔質であるため、吸引口23に負圧が付与されると、内部の気孔を介して吸着ローラ21の外周面にも所定値の負圧(周辺雰囲気から外周面に吸引する圧力)が均一に作用することとなる。例えば、本実施形態では、吸引口23に90kPa以上の負圧が付与されることによって、吸着ローラ21の外周面には10kPa以上の負圧が均一に作用することとなる。これにより、吸着ローラ21は、電解質膜2を幅方向(Y軸方向)の全域にわたって均等に吸着することができる。
また、吸着ローラ21には、複数の水冷管22が設けられている。水冷管22は、吸着ローラ21の内部を巡るように均一な配設密度にて設けられている。水冷管22には図外の給水機構から所定温度に温調された恒温水が供給される。水冷管22の内部を流れた恒温水は図外の排液機構へと排出される。水冷管22に恒温水を流すことによって、吸着ローラ21は冷却されることとなる。
図1に戻り、吸着ローラ21の外周面に対向して裏面塗工ノズル40が設けられている。裏面塗工ノズル40は、吸着ローラ21による電解質膜2の搬送方向において、第1プレスローラ31よりも下流側に設けられている。裏面塗工ノズル40は、先端((+X)側の端部)にスリット状の吐出口を備えたスリットノズルである。そのスリット状の吐出口の長手方向はY軸方向である。裏面塗工ノズル40は、スリット状の吐出口が吸着ローラ21の外周面から所定間隔を隔てる位置に設けられている。また、裏面塗工ノズル40は、図示しない駆動機構によって吸着ローラ21に対する位置および姿勢が調整可能に設けられている。
裏面塗工ノズル40には、図外の塗工液供給機構から塗工液として電極インクが供給される。裏面塗工ノズル40に供給される電極インクは、上述したのと同様のものであるが、表面塗工ノズル12に供給される電極インクとは逆極性である。例えば、表面塗工ノズル12にアノード用の電極インクが供給される場合には、裏面塗工ノズル40にはカソード用の電極インクが供給される。
裏面塗工ノズル40は、供給された電極インクを吐出口から吐出して吸着ローラ21によって吸着搬送される電解質膜2の裏面に塗工する。表面塗工ノズル12と同様に、裏面塗工ノズル40は、連続して電極インクを吐出するときには連続塗工を行うことができ、断続的に電極インクを吐出するときには間欠塗工を行うことができる。但し、第1処理ユニット10にて表面塗工ノズル12が連続塗工を行ったときには裏面塗工ノズル40も連続塗工を行い、表面塗工ノズル12が間欠塗工を行ったときには裏面塗工ノズル40も間欠塗工を行う。
第2乾燥炉50は、吸着ローラ21の外周面の一部を覆うように設けられている。図2に示すように、第2乾燥炉50は、3つの乾燥ゾーン51,52,53、および、2つの熱遮断ゾーン54,55の合計5つのゾーンに分割されている。3つの乾燥ゾーン51,52,53のそれぞれは、図外の熱風送風部からの熱風送風により、吸着ローラ21の外周面に向けて熱風を吹き付ける。第2乾燥炉50からの熱風の吹き付けによって、電解質膜2の裏面に塗工された電極インクが乾燥される。
3つの乾燥ゾーン51,52,53は、吹き付ける熱風の温度が異なる。3つの乾燥ゾーン51,52,53が吹き付ける熱風の温度は、吸着ローラ21による電解質膜2の搬送方向の上流側から下流側に向けて(図2の紙面上にて時計回りに)順次高くなる。例えば、最も上流側の乾燥ゾーン51の熱風温度は室温〜40℃であり、中間の乾燥ゾーン52の熱風温度は40℃〜80℃であり、最も下流側の乾燥ゾーン53の熱風温度は50℃〜100℃である。
2つの熱遮断ゾーン54,55は、電解質膜2の搬送方向に沿って乾燥ゾーン51,52,53の両端に設けられている。熱遮断ゾーン54は乾燥ゾーン51の上流側に設けられ、熱遮断ゾーン55は乾燥ゾーン53の下流側に設けられている。2つの熱遮断ゾーン54,55は、図外の排気部からの排気により、吸着ローラ21の外周面近傍の雰囲気を吸引する。これによって、乾燥ゾーン51,52,53から吹き出された熱風が第2乾燥炉50を超えて吸着ローラ21の上流側および下流側に流れ出るのを防止するとともに、乾燥時に電極インクから生じた溶媒蒸気などが第2乾燥炉50の外部に漏出するのを防止することができる。なお、少なくとも上流側の熱遮断ゾーン54が設けられていれば、乾燥ゾーン51,52,53から吹き出された熱風が裏面塗工ノズル40に流れ込んで吐出口近傍を乾燥させることに起因した塗工不良の発生を防止することができる。
図3は、吸着ローラ21および第2乾燥炉50の正面図である。第2乾燥炉50には、吸着ローラ21の幅方向(Y軸方向)に沿った両端にも吸引部56,57が設けられている。吸引部56,57は、熱遮断ゾーン54,55と同様に、周辺の雰囲気を吸引する。これによって、乾燥炉40の幅方向両端から漏出しようとする熱風および溶媒蒸気などをも吸引回収することができる。
図1に戻り、吸着ローラ21による電解質膜2の搬送方向に沿って第2乾燥炉50よりも下流側に第2プレスローラ39が設けられている。第2プレスローラ39は、図示を省略するシリンダーによって吸着ローラ21の外周面から所定の間隔を隔てた位置に近接支持されている。第2プレスローラ39と吸着ローラ21の外周面との間隔は、乾燥処理後の電解質膜2の厚さ(電解質膜2と表裏両面の触媒層9との合計厚さ)よりも小さい。従って、乾燥処理後の電解質膜2が第2プレスローラ39と吸着ローラ21との間を通過するときに、触媒層9を含む電解質膜2の裏面が第2プレスローラ39に押し付けられる。
電解質膜2の裏面が第2プレスローラ39に押し付けられることによって、電解質膜2は吸着ローラ21から剥離されて第2プレスローラ39に巻き付けられてさらに下流側へと送り出される。なお、第1プレスローラ31および第2プレスローラ39は、吸着ローラ21と同程度の幅を有する金属ローラであっても良いし、樹脂製のローラであっても良い。また、第1プレスローラ31および第2プレスローラ39の径は適宜のものとすることができる。
第2処理ユニット20には、さらに追加乾燥炉59、第2巻取ローラ85および合紙供給ローラ88が設けられている。第2プレスローラ39から送り出された電解質膜2が第2巻取ローラ85によって巻き取られることにより、電解質膜2は追加乾燥炉59、ダンサーローラ69、給水部60、水除去部70、皺取りローラ80の順に連続して搬送される。
追加乾燥炉59は、第2プレスローラ39とダンサーローラ69との間に配置されている。追加乾燥炉59としては、公知の熱風乾燥炉を用いることができる。第2プレスローラ39によって送り出された電解質膜2が追加乾燥炉59を通過することによって触媒層9の仕上げの乾燥が行われる。電解質膜2の両面の触媒層9が完全に乾燥されることによって膜・触媒層接合体5として完成する。
ダンサーローラ69は、追加乾燥炉59の下流側に配置されている。ダンサーローラ69は、一対の位置固定のローラ68,68の間に設けられた上下方向に可動のローラである。ダンサーローラ69は、上下方向についての位置が拘束されていないため、その高さ位置にかかわらず常に一定の張力を電解質膜2に与える。ダンサーローラ69には、張力を調整するための錘が付設されていても良い。
給水部60は、ダンサーローラ69の下流側に設けられている。本実施形態の給水部60は、電解質膜2の搬送経路の上下に一対のミストスプレー61,61を備える。一対のミストスプレー61,61には、図外の純水供給源から純水が送給される。一対のミストスプレー61,61は、給水部60を通過する電解質膜2の表面および裏面に対してミスト状の純水(純水の微小液滴)を吹き付ける。給水部60が電解質膜2に対して供給する水分の流量は、電解質膜2が給水部6を通過している間に電解質膜2の表面および裏面から水膜が現出する程度である。
水除去部70は、給水部60の下流側に設けられている。本実施形態の水除去部70は、電解質膜2の搬送経路の上下に一対のエアーナイフ71,71を備える。上側のエアーナイフ71は、電解質膜2の上面に対して斜め上方の方向から高速のエアーをカーテン状に吹き付ける。一方、下側のエアーナイフ71は、電解質膜2の下面に対して斜め下方の方向から高速のエアーをカーテン状に吹き付ける。一対のエアーナイフ71,71は、電解質膜2の搬送方向の下流側から上流側に向けてエアーを吹き付ける。エアーナイフ71,71は、高速でエアーを吹き付けることによって、電解質膜2の表面および裏面から浮き出た水膜を吹き飛ばすことができる。
皺取りローラ80は、水除去部70の下流側に設けられている。皺取りローラ80は、Y軸方向に沿った中心軸を回転中心として回転自在に設けられている。皺取りローラ80は、Y軸方向の両端部の径が最も大きく、両端部から中央部に向けて徐々に径が小さくなるような形状とされている。そして、皺取りローラ80のY軸方向中央部の径が最も小さい。すなわち、皺取りローラ80の外周面をX軸方向から見ると、両端から中央に向けてなだらかに凹むような形状となる(図11参照)。このような形状の皺取りローラ80に一定の張力で保水状態の電解質膜2を懸架させると、電解質膜2から皺を除去することができる。
皺取りローラ80を通過した電解質膜2は第2巻取ローラ85によって巻き取られる。第2巻取ローラ85は、表裏両面に触媒層9が形成された電解質膜2(つまり膜・触媒層接合体5)を巻き取る。このときに、合紙供給ローラ88から送り出された合紙7が膜・触媒層接合体5の層間に挟み込まれるように第2巻取ローラ85によって巻き取られる。これにより、第2巻取ローラ85によって巻き取られたときに、膜・触媒層接合体5のアノード電極の触媒層9とカソード電極の触媒層9とが接触することが防止される。なお、合紙7としては、バックシート6と同じ材質、すなわち例えばPEN(ポリエチレンナフタレート)やPET(ポリエチレンテレフタレート)のフィルムを用いることができる。
さらに、膜・触媒層接合体の製造装置1は、第1処理ユニット10および第2処理ユニット20を含む装置に設けられた各機構を制御する制御部90を備える。制御部90のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部90は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えて構成される。制御部90のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって、製造装置1に設けられた各動作機構が制御されて膜・触媒層接合体5の製造処理が進行する。
次に、上記の構成を有する膜・触媒層接合体の製造装置1における処理手順について説明する。図4および図5は、製造装置1において膜・触媒層接合体5が製造される手順を示すフローチャートである。図4に示すのは第1処理ユニット10における処理であり、図5に示すのは第2処理ユニット20における処理である。以下に説明する膜・触媒層接合体5の製造手順は、制御部90が製造装置1の各動作機構を制御することにより進行する。
まず、第1処理ユニット10の第1巻出ローラ11がバックシート6付きの電解質膜2を巻き出す(ステップS1)。上述したように、固体高分子形燃料電池用途の電解質膜2は大気中に含まれる少量の湿気によっても極めて容易に変形するため、電解質膜2の製造時に巻き取られる段階で形状保持のための帯状の樹脂フィルムであるバックシート6が貼り付けられた状態となっている。バックシート6は電解質膜2の裏面に貼り合わされている。第1巻出ローラ11から連続的に引き出されたバックシート6付きの電解質膜2は、表面塗工ノズル12から第1乾燥炉13の順に搬送されて第1巻取ローラ14によって巻き取られる。第1巻出ローラ11から送り出される電解質膜2は、その表面を上側に向けて(つまり、バックシート6が下側となるように)搬送される。
第1巻出ローラ11から送り出されて第1巻取ローラ14によって巻き取られることによりロールトゥロール方式で連続搬送される電解質膜2の表面には、表面塗工ノズル12から電極インクが塗工される(ステップS2)。固体高分子形燃料電池の電解質膜2に塗工する電極インクは、上述した通りのものであり、例えば白金や白金合金などの触媒粒子、イオン伝導性電解質および分散媒を含有する。表面塗工ノズル12が塗工する電極インクは、カソード用であってもアノード用であっても良い。
また、本実施形態では、表面塗工ノズル12が断続的に電極インクを吐出することによって、連続搬送される電解質膜2の表面に間欠塗工を行っている。図6は、電解質膜2の表面に電極インクが間欠塗工された状態を示す平面図である。第1巻出ローラ11から第1巻取ローラ14に向けて一定速度で搬送されるバックシート6付き電解質膜2の表面に表面塗工ノズル12から電極インクを断続的に吐出することによって、図6に示すように、電解質膜2の表面には一定サイズの矩形状の電極インク層8が一定間隔で不連続に形成される。
電解質膜2の表面に形成される各電極インク層8の幅は、表面塗工ノズル12のスリット状吐出口の幅によって規定される。各電極インク層8の長さは、表面塗工ノズル12の電極インク吐出時間と電解質膜2の搬送速度とによって規定される。また、電極インク層8の厚さ(高さ)は、表面塗工ノズル12のスリット状吐出口と電解質膜2の表面との間隔および電極インクの吐出流量と電解質膜2の搬送速度とによって規定され、例えば10μm〜300μmである。電極インクは表面塗工ノズル12から塗工可能なペーストであり、電解質膜2上にて電極インク層8の形状を維持できる程度の粘性を有している。なお、表面塗工ノズル12のスリット状吐出口と電解質膜2の表面との間隔を安定させるために、表面塗工ノズル12の直下にて電解質膜2を裏面側から支持(厳密にはバックシート6の裏面から支持)するバックアップローラを設けるようにしても良い。
次に、表面に電極インク層8が形成された電解質膜2が第1乾燥炉13に搬送されて通過するときに、電極インク層8の乾燥処理が行われる(ステップS3)。表面側の電極インク層8の乾燥処理は、第1乾燥炉13から電極インク層8に熱風を吹き付けることによって行われる。熱風が吹き付けられることによって電極インク層8が加熱されて溶媒成分が揮発し、電極インク層8が乾燥される。溶媒成分が揮発することによって電解質膜2の表面に形成された電極インク層8が乾燥されて触媒層9となる。なお、本実施形態においては、第2処理ユニット20に追加乾燥炉59を設けて最終の仕上げ乾燥を行うため、第1乾燥炉13では触媒層9に接触する物体にインクが付着しない程度にまで乾燥させておけば良い。
図7は、表面に触媒層9が形成された電解質膜2の断面図である。電解質膜2の裏面にバックシート6が貼り合わされているとともに、表面には断続的に触媒層9が形成されている。触媒層9は、白金などの触媒粒子が担持された電極層である。触媒層9は、電極インク層8から溶媒成分が揮発して固化したものであるため、その厚さは電極インク層8よりも薄い。乾燥後の触媒層9の厚さは、例えば3μm〜50μmである。
第1乾燥炉13を通過した図7に示すような電解質膜2は第1巻取ローラ14によって巻き取られる。このときには、電解質膜2の表面に形成された触媒層9と裏面に貼り合わされたバックシート6とが接触することとなるが、触媒層9は第1乾燥炉13によってインクが付着しない程度にまで乾燥されているので問題は生じない。以上のようにして、第1処理ユニット10における、電解質膜2の表面に電極インクを塗工して触媒層9を形成する成膜処理が完了する。
次に、第1処理ユニット10の第1巻取ローラ14によって巻き取った電解質膜2のロールを第2処理ユニット20の第2巻出ローラ32に再装着する(ステップS5)。この作業は、リフターなどによって自動で行うようにしても良いし、作業員が手動で行っても良い。
表面に触媒層9が形成された電解質膜2が第2巻出ローラ32に装着された後、第2巻出ローラ32がその電解質膜2を巻き出す(ステップS6)。このときに第2巻出ローラ32から送り出される電解質膜2は、裏面にバックシート6が貼り合わされるとともに、表面に触媒層9が形成されている(図7)。第2巻出ローラ32は、第1巻取ローラ14の巻取り方向とは逆方向に回転して電解質膜2を巻き出すことにより、触媒層9が形成された表面が下側を向くように(つまり、バックシート6が上側となるように)電解質膜2を送り出す。第2巻出ローラ32から連続的に引き出された電解質膜2は、補助ローラ33に懸架され、剥離部30の第1プレスローラ31へと送り出される。
剥離部30では、第1プレスローラ31によって電解質膜2の表面を吸着ローラ21に押し付けることにより、バックシート6を剥離して電解質膜2を吸着ローラ21に吸着支持させる(ステップS7)。換言すれば、第1プレスローラ31は、吸着ローラ21に電解質膜2の表面が吸着された状態でバックシート6を剥離する。図8は、第1プレスローラ31によってバックシート6を剥離して電解質膜2を吸着ローラ21に吸着させる様子を示す図である。第1プレスローラ31と吸着ローラ21との間にてバックシート6が電解質膜2の裏面から剥離され、電解質膜2の表面が吸着ローラ21に吸着される。
電解質膜2の表面には既に第1処理ユニット10にて触媒層9が形成されているため、第1プレスローラ31は触媒層9を含めて電解質膜2の表面を吸着ローラ21に押し付ける。第1プレスローラ31は、強度の弱い電解質膜2および触媒層9を変形させることなく吸着ローラ21の外周面に確実に電解質膜2を吸着させることができる範囲の力にて電解質膜2を吸着ローラ21に押し付けている。但し、第1プレスローラ31は、吸着ローラ21の外周面から所定の間隔を隔てて近接するように設置されている。第1プレスローラ31が電解質膜2を吸着ローラ21に押し付ける力は、当該間隔によって調整される。
吸着ローラ21は、電解質膜2の表面を吸着する。気孔率が15%〜50%の多孔質セラミックスにて形成された吸着ローラ21の吸引口23に90kPa以上の負圧を付与することによって、電解質膜2を吸着しているか否かに関わらず、吸着ローラ21の外周面には10kPa以上の負圧が均一に作用する。従って、電解質膜2の幅の大小に関わらず、また電解質膜2の表面に触媒層9が形成されているか否かに関わらず、吸着ローラ21は電解質膜2を一定の吸引圧にて安定して吸着支持することができる。また、吸着ローラ21の吸着による電解質膜2の変形も抑制することができる。
さらに、吸着ローラ21の外周面の表面粗さは、Rzが5μm以下であるとともに、吸着ローラ21の気孔径は5μm以下であるため、電解質膜2には吸着支持にともなう吸着痕は生じにくい。すなわち、本実施形態の吸着ローラ21は、脆弱な機械的性質を有する触媒層9および電解質膜2を変形させたり吸着痕を生じさせることなく安定して吸着支持することができるのである。
図8に示すように、電解質膜2を吸着支持した吸着ローラ21がY軸方向に沿った中心軸を回転中心として回転することにより、バックシート6が剥離された電解質膜2が吸着ローラ21の外周面に支持されて搬送される。一方、電解質膜2から剥離されたバックシート6は、バックシート巻取ローラ34によって巻き取られる。
次に、吸着ローラ21に吸着支持されて搬送される電解質膜2の裏面には、裏面塗工ノズル40から電極インクが塗工される(ステップS8)。裏面塗工ノズル40が塗工する電極インクは、表面塗工ノズル12が塗工する電極インクとは逆極性である。例えば、表面塗工ノズル12がアノード用の電極インクを電解質膜2の表面に塗工した場合には、裏面塗工ノズル40はカソード用の電極インクを電解質膜2の裏面に塗工する。逆に、表面塗工ノズル12がカソード用の電極インクを塗工した場合には、裏面塗工ノズル40はアノード用の電極インクを電解質膜2の裏面に塗工する。
また、裏面塗工ノズル40は、電解質膜2の表面側における触媒層9の形成位置に対応する裏面(つまり、表面側の触媒層9とは電解質膜2を挟んで反対側面)に電極インクを間欠塗工する。具体的には、制御部90が裏面塗工ノズル40からの電極インクの吐出タイミングおよび吸着ローラ21の回転速度を制御する。その結果、電解質膜2の裏面には、表面側の触媒層9に対応する位置にその触媒層9と同じサイズの電極インク層8が一定間隔で不連続に形成される(図6参照)。なお、電解質膜2の表面側における触媒層9の形成位置を正確に特定するために、例えば第2巻出ローラ32から第1プレスローラ31に至る搬送経路のいずれかに電解質膜2の表面を撮像する撮像カメラとその撮像カメラが撮像した画像のデータを解析する画像解析部とを設けておくのが好ましい。
回転時の吸着ローラ21の全振れは10μm以下であり、吸着ローラ21の外周面の表面粗さは、Rzが5μm以下であるため、回転する吸着ローラ21の外周面と裏面塗工ノズル40のスリット状吐出口との間隔はほぼ一定値に安定している。このため、裏面塗工ノズル40からの間欠塗工によって高い精度にて均一な電極インク層8を形成することができる。
電解質膜2の裏面に形成される各電極インク層8の幅および長さは、表面に形成されている触媒層9の幅および長さと同じである。また、電極インク層8の厚さも、表面塗工ノズル12から塗工されて形成された電極インク層8の厚さと同じ(例えば10μm〜300μm)である。
次いで、吸着ローラ21の回転によって、電極インク層8が第2乾燥炉50に対向する位置にまで搬送され、電極インク層8の乾燥処理が行われる(ステップS9)。裏面側の電極インク層8の乾燥処理は、第2乾燥炉50から電極インク層8に熱風を吹き付けることによって行われる。熱風が吹き付けられることによって電極インク層8が加熱されて溶媒成分が揮発し、裏面側の電極インク層8が乾燥される。溶媒成分が揮発することによって電解質膜2の裏面に形成された電極インク層8が乾燥されて触媒層9となる。なお、本実施形態においては、追加乾燥炉59を設けて最終の仕上げ乾燥を行うため、第2乾燥炉50では触媒層9からインクが第2プレスローラ39に付着しない程度にまで乾燥させておけば良い。
図9は、表裏両面に触媒層9が形成された電解質膜2の断面図である。電解質膜2の表裏両面の同じ位置に触媒層9が形成されている。換言すれば、電解質膜2を挟んで相対向する位置に触媒層9が形成されている。乾燥後の触媒層9の厚さは、表裏ともに例えば3μm〜50μmである。
また、第2乾燥炉50は、3つの乾燥ゾーン51,52,53を備えており、それらからは異なる温度の熱風が吹き付けられる。具体的には、吸着ローラ21による電解質膜2の搬送方向の最も上流側に位置する乾燥ゾーン51から中間の乾燥ゾーン52を経て最も下流側の乾燥ゾーン53の順に熱風温度が高くなる。乾燥ゾーンを分割することなく、塗工直後の電極インク層8に直ちに高温の熱風を吹き付けると、電極インク層8が急激に乾燥されて表面にクラックが生じることがある。或いは、吸着ローラ21にヒータを内蔵して塗工直後の電極インク層8を急激に乾燥した場合も同様である。
本実施形態では、第2乾燥炉50を3つの乾燥ゾーン51,52,53に分割し、電解質膜2の搬送方向の上流側から下流側に向けて乾燥温度を順次に高くしている。すなわち、最も上流側の乾燥ゾーン51は、塗工直後の電極インク層8に比較的低温の熱風を吹き付けることによって、電極インク層8を僅かに昇温させる。次に、中間の乾燥ゾーン52がやや高温の熱風を吹き付けることによって、電極インク層8を緩やかに乾燥させる。そして、最も下流側の乾燥ゾーン53が高温の熱風を吹き付けることによって、電極インク層8を強く乾燥させる。このように、乾燥温度を徐々に高くして電極インク層8を段階的に乾燥させることにより、乾燥処理時のクラックの発生を防止することができる。
クラックの発生を防止しつつ電極インク層8を適切に乾燥させるためには、乾燥処理時間も適切に管理する必要があり、例えば約60秒とするのが好ましい。乾燥処理時間は、1つの電極インク層8が3つの乾燥ゾーン51,52,53を通過する合計時間である。例えば、吸着ローラ21の直径が400mmで3つの乾燥ゾーン51,52,53が吸着ローラ21の外周面の約半周を覆っていたとすると、その長さは約628mmとなる。この条件で乾燥処理時間として60秒を確保するためには、電解質膜2の搬送速度を10.4mm/秒とすれば良い。電解質膜2の搬送速度は吸着ローラ21の回転速度によって規定される。
また、第2乾燥炉50は、電解質膜2の搬送方向に沿って最も上流側に熱遮断ゾーン54を備え、最も下流側に熱遮断ゾーン55を備えている。これにより、乾燥ゾーン51,52,53から吹き出された熱風が第2乾燥炉50を超えて吸着ローラ21の上流側および下流側に流れ出るのを防止することができる。その結果、第2乾燥炉50の上流側に位置する裏面塗工ノズル40や下流側に位置する第2プレスローラ39が不必要に加熱されるのを防止することができる。
さらに、第2乾燥炉50には、熱遮断ゾーン54,55に加えて吸引部56,57も設けられており、これらによって第2乾燥炉50の周囲に熱風が流れ出るのを防止するとともに、乾燥時に電極インク層8から揮発した溶媒の蒸気等が漏出するのを防止することができる。以上のようにして、第2処理ユニット20における、電解質膜2の裏面に電極インクを塗工して触媒層9を形成する成膜処理は完了する。
次に、吸着ローラ21のさらなる回転によって、電解質膜2が第2プレスローラ39に到達し、触媒層9を含む電解質膜2の裏面が第2プレスローラ39に押し付けられる。これにより、電解質膜2は吸着ローラ21から剥離されて第2プレスローラ39に懸架される。このときには、電解質膜2の裏面に形成された触媒層9と第2プレスローラ39とが接触することとなるが、触媒層9は第2乾燥炉50によってインクが付着しない程度にまで乾燥されているので問題は生じない。吸着ローラ21から剥離された電解質膜2は、第2巻取ローラ85によって巻き取られることにより第2プレスローラ39からさらに下流側へと送り出される。
第2プレスローラ39から送り出された図9に示す如き電解質膜2は追加乾燥炉59を通過する。電解質膜2が追加乾燥炉59の内部を通過するときに、追加乾燥炉59が触媒層9に熱風を吹き付けることにより、触媒層9の最終の仕上げ乾燥が行われる(ステップS10)。第1乾燥炉13および第2乾燥炉50で触媒層9が十分には乾燥されていない場合であっても、追加乾燥炉59によって触媒層9を確実に乾燥させることができる。これにより、両面に触媒層9が形成された電解質膜2が膜・触媒層接合体5として完成する。
追加乾燥炉59から送り出された電解質膜2は、一対の位置固定のローラ68,68およびダンサーローラ69を通過する。一対の位置固定のローラ68,68の間に設けられたダンサーローラ69は、上下方向についての位置が拘束されておらずに自由に昇降できるため、その高さ位置にかかわらず自重によって常に一定の張力を電解質膜2に与えることができる。ダンサーローラ69により、第2プレスローラ39から第2巻取ローラ85に至る電解質膜2に作用する張力は一定となる。その結果、第2巻取ローラ85によって巻き取られる電解質膜2の張力を一定に保つことができる。
ダンサーローラ69を通過した電解質膜2は給水部60に到達する。給水部60を通過する電解質膜2に対しては一対のミストスプレー61,61から純水が供給される(ステップS11)。電解質膜2の搬送経路よりも上側のミストスプレー61からは電解質膜2の裏面にミスト状の純水が吹き付けられ、下側のミストスプレー61からは電解質膜2の表面にミスト状の純水が吹き付けられる。なお、電解質膜2が給水部60および水除去部70を通過するときには、その表面を下側に向けて搬送されている。
給水部60は、電解質膜2の表面および裏面に対して十分な量の純水を供給する。具体的には、給水部60は、電解質膜2が十分に水分を含んでその表面および裏面から水膜が現出する程度にまで純水を供給している。すなわち、給水部60は、電解質膜2の吸水可能限界を超える量の純水を供給するのである。これは、電解質膜2の搬送速度に応じてミストスプレー61,61からの供給流量を調整することによって実現することができる。
図10は、表裏両面に触媒層9が形成された電解質膜2に純水が供給された状態を示す断面図である。給水部60の一対のミストスプレー61,61から電解質膜2の吸水可能限界を超える量の純水を供給することによって、電解質膜2の表面および裏面から水分が浮き出て水膜3が現出する。表面および裏面から水膜3が現出する程度にまで十分に電解質膜2が水分を吸収すると、触媒層9が形成された塗工領域であるかそれ以外の非塗工領域であるかにかかわらず、電解質膜2の全体が膨潤する。電解質膜2の全体が膨潤すると、塗工液の溶媒成分の乾燥による塗工領域と非塗工領域との収縮差に起因して生じていた皺を解消することができる。
次に、給水部60にて水膜3が現出する程度にまで水分を含んだ電解質膜2が水除去部70に到達する。水除去部70を通過する電解質膜2に対しては一対のエアーナイフ71,71から高速のエアーが吹き付けられて余剰の水分が除去される(ステップS12)。一対のエアーナイフ71,71は、電解質膜2の搬送方向の下流側から上流側に向かう斜め方向から高速のエアーをカーテン状に吹き付ける。すなわち、上側のエアーナイフ71は、(+X)側から(−X)側に向かう斜め上方から電解質膜2の裏面に高速のエアーを吹き付ける。一方、下側のエアーナイフ71は、(+X)側から(−X)側に向かう斜め下方から電解質膜2の表面に高速のエアーを吹き付ける。エアーナイフ71,71から高速のエアーを吹き付けることによって、電解質膜2の表面および裏面に現出している水膜3を吹き飛ばして余剰の水分を除去することができる。なお、エアーナイフ71,71によるエアーの吹き付けによって余剰の水分を除去したとしても、電解質膜2が乾燥されるものではなく、電解質膜2が水分を十分に含んだ保水状態は維持される。
水除去部70にて余剰の水分が除去された電解質膜2は皺取りローラ80を通過する。図11は、電解質膜2が皺取りローラ80に接触した状態を示す図である。皺取りローラ80の外周面は、両端から中央に向けてなだらかに凹むような形状である。このような形状の皺取りローラ80に一定の張力で保水状態の電解質膜2が懸架されると、給水部60での水供給による膨潤だけでは完全に解消されていなかった皺を電解質膜2から除去することができる(ステップS13)。
皺取りローラ80を通過した電解質膜2は第2巻取ローラ85によって巻き取られる(ステップS14)。このときには、水除去部70によって余剰の水分は除去されているものの、表面および裏面に触媒層9が形成された電解質膜2(膜・触媒層接合体5)が保水された状態のままで第2巻取ローラ85によって巻き取られる。これにより、一連の膜・触媒層接合体5の製造プロセスが完了する。
また、第2巻取ローラ85による巻取りに際しては、合紙供給ローラ88から供給された合紙7が膜・触媒層接合体5の層間に挟み込まれる。合紙7を挟み込むことなく膜・触媒層接合体5を巻き取った場合には、電解質膜2の表裏面に形成されたアノード電極の触媒層9とカソード電極の触媒層9とが互いに接触することとなるため不都合である。本実施形態では、第2巻取ローラ85によって巻き取られる電解質膜2に合紙供給ローラ88から合紙7を供給して層間に挟み込ませているため、極性の異なる触媒層9の接触を防止することができる。
本実施形態の製造装置1においては、まず、第1処理ユニット10にて電解質膜2の表面に電極インクを塗工して乾燥処理を行うことにより当該表面に触媒層9を形成している。次いで、第2処理ユニット20にて電解質膜2の裏面に表面とは極性の異なる電極インクを塗工して乾燥処理を行うことにより当該裏面にも触媒層9を形成している。続いて、表裏両面に触媒層9が形成された電解質膜2に給水部60から純水を供給して電解質膜2を保水状態としている。給水部60は、電解質膜2の表面および裏面から水膜3が現出する程度にまで純水を供給する。そして、給水部60からの給水によって保水された状態の電解質膜2を第2巻取ローラ85によって巻き取っている。
第2処理ユニット20の第2プレスローラ39よりも下流に送り出された電解質膜2については、既にバックシート6が剥離されているため、いかなる部材によっても支持されていない。このように支持部材の存在しない状態の電解質膜2においては、触媒層9が形成された塗工領域とそれ以外の非塗工領域との収縮差に起因した皺が発生しやすくなる。すなわち、電解質膜2の塗工領域では乾燥処理時に電極インクの溶剤が揮発することによって大きな収縮が生じる一方、非塗工領域では溶剤の揮発がないために収縮も生じず、この収縮差によって電解質膜2に皺が発生するのである。このような皺は特に追加乾燥炉59を通過するときに生じやすい。よって、追加乾燥炉59を通過した電解質膜2(膜・触媒層接合体5)をそのまま第2巻取ローラ85によって巻き取ると、皺が発生したままの電解質膜2を巻き取ることとなる。なお、バックシート6の剥離後に電極インクの塗工および乾燥処理が行われるときには、吸着ローラ21によって電解質膜2が吸着支持されているため皺は発生しない。
そこで、本実施形態のように、表裏両面に触媒層9が形成された電解質膜2に給水部60から純水を供給して電解質膜2を保水状態とすることにより、塗工領域であるか非塗工領域であるかにかかわらず、電解質膜2全体を膨潤させて追加乾燥処理時等に生じた皺を解消することができる。そして、給水部60からの給水によって保水された状態の電解質膜2を第2巻取ローラ85によって巻き取ることにより、最終製品としての膜・触媒層接合体5における皺を防止することができる。
また、本実施形態においては、電解質膜2をロールトゥロール方式にて連続して搬送しつつ触媒層9の成膜処理を行い、その連続搬送される電解質膜2にミストスプレー61,61からミスト状の純水を吹き付けるだけで皺の発生を抑制しているため、複雑な処理工程は介在しておらず、ロールトゥロール方式の良好な生産性を維持することができる。すなわち、本実施形態の膜・触媒層接合体の製造装置1によれば、良好な生産性を維持しつつ、膜・触媒層接合体5の皺を防止することができるのである。
なお、本実施形態では、保水状態の電解質膜2が第2巻取ローラ85によって巻き取られるため、最終製品としての膜・触媒層接合体5は水分を含んだままとなる。しかし、そもそも燃料電池の膜・触媒層接合体5においては、水素と酸素との電気化学反応によって水が発生するため、最終製品としての膜・触媒層接合体5は水分を含んでいても特段の問題は生じない。
また、本実施形態の製造装置1においては、水供給による電解質膜2の膨潤だけでは完全に解消されていなかった皺を皺取りローラ80によって除去しているため、膜・触媒層接合体5における皺をより確実に防止することができる。
また、本実施形態の製造装置1は、第2巻取ローラ85によって巻き取られる電解質膜2の張力を一定に保つダンサーローラ69を備えているため、張力のバラツキに起因した膜・触媒層接合体5の皺をも防止することができる。
さらに、本実施形態の製造装置1においては、第2巻取ローラ85によって巻き取られる電解質膜2に合紙7を供給して層間に挟み込ませているため、極性の異なる触媒層9の接触を防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、ミストスプレー61からミスト状の純水を電解質膜2に吹き付けることによって水分の供給を行っていたが、水分供給の手法はこれに限定されるものではなく、以下のようにしても良い。
図12は、水分供給および水除去の他の例を示す図である。同図において、上記実施形態と同一の要素については同一の符号を付している。図12(a)に示す例では、電解質膜2の張力を一定に保つためのダンサーローラ69を用いて水供給を行っている。この例では、純水を貯留する貯水槽65が設けられ、ダンサーローラ69に巻き掛けられた電解質膜2が貯水槽65に貯留された純水中に浸漬される。電解質膜2がダンサーローラ69を通過するときに、純水中に浸漬されることとなるため、十分な量の純水が電解質膜2の表面および裏面に対して供給されることとなり、上記実施形態と同様に、電解質膜2の表面および裏面から水膜3が現出する。このため、上記実施形態と同様に、最終製品としての膜・触媒層接合体5における皺の発生を抑制することができる。図12(a)の例における水除去は、上記実施形態と同じく、一対のエアーナイフ71,71から高速のエアーを吹き付けることによって行われる。また、ダンサーローラ69によって電解質膜2の張力が一定に維持される。なお、ダンサーローラ69が貯水槽65の水面よりも上方に移動すると、電解質膜2に作用する張力が急激に変動するとともに、電解質膜2に水分供給を行えなくなるため、ダンサーローラ69の高さ位置が貯水槽65の純水中に浸漬する位置となるように張力が調整される。
図12(b)に示す例においては、水供給ローラ66を用いて水供給を行っている。水供給ローラ66は、一対の位置固定のローラ68,68の間に設けられており、上下方向には自由に昇降することができる。水供給ローラ66は、例えばスポンジ状のローラであり、図外の純水供給機構から純水の供給を受けることによって巻き掛けられた電解質膜2に純水を供給する。このような水供給ローラ66によっても十分な量の純水を電解質膜2に供給することができ、上記実施形態と同様に、電解質膜2の表面および裏面から水膜3が現出する。その結果、上記実施形態と同様に、最終製品としての膜・触媒層接合体5における皺の発生を抑制することができる。なお、水分を含んだ水供給ローラ66は、上記実施形態におけるダンサーローラ69と同じ作用効果を奏する。よって、図12(b)に示す例ではダンサーローラ69は不要となる。
また、図12(b)に示す例では、エアーナイフ71に代えて、一対の吸水ローラ72,72によって水除去を行っている。吸水ローラ72は、例えばスポンジ状のローラであり、図外の排水機構からの排水を受けることによって常に吸水可能な状態とされている。電解質膜2は一対の吸水ローラ72,72に挟み込まれて搬送される。一対の吸水ローラ72,72が電解質膜2の表面および裏面に接触することにより、それら表面および裏面に現出している水膜3を吸収して余剰の水分を除去することができる。
図12(c)に示す例においては、一対の水供給ローラ66,66を用いて水供給を行っている。この例では、一対の水供給ローラ66,66は位置固定とされている。電解質膜2は一対の水供給ローラ66,66に挟み込まれて搬送される。水供給ローラ66自体は、上記と同じく、例えばスポンジ状のローラであり、図外の純水供給機構から純水の供給を受けることによって接触する電解質膜2に純水を供給する。このような水供給ローラ66,66によっても十分な量の純水を電解質膜2に供給することができ、上記実施形態と同様に、電解質膜2の表面および裏面から水膜3が現出する。その結果、上記実施形態と同様に、最終製品としての膜・触媒層接合体5における皺の発生を抑制することができる。また、図12(c)の例における水除去は、図12(b)と同じく、一対の吸水ローラ72,72によって行っている。
このように、電解質膜2に水分供給および水除去には種々の手法を採用することが可能であるが、汚染防止の観点からは、上記実施形態のように、ミストスプレー61からミスト状の純水を電解質膜2に吹き付けるとともに、エアーナイフ71から非接触にて高速のエアーを電解質膜2に吹き付けるのが好ましい。
また、上記実施形態において、一対のミストスプレー61,61から加熱した温純水をミスト状にして電解質膜2に吹き付けるようにしても良い。或いは、一対のミストスプレー61,61から電解質膜2にミスト状の純水を吹き付ける空間自体を昇温された空間としても良い。
また、上記実施形態においては、第1処理ユニット10と第2処理ユニット20とを分離し、第1処理ユニット10の第1巻取ローラ14によって巻き取った電解質膜2のロールを第2処理ユニット20の第2巻出ローラ32に再装着するようにしていたが、これらをインラインで連結するようにしても良い。具体的には、第1処理ユニット10の後段に第2処理ユニット20を配置し、第1乾燥炉13から送り出された電解質膜2を直接に剥離部30に送給するようにしても良い。
また、本発明に係る製造技術は、燃料電池の膜・触媒層接合体5の製造への適用に限定されるものではなく、他の種類の薄膜上に機能層を形成する複合膜の製造に適用することもできる。特に、上記の電解質膜2の如く、膨潤・収縮によって容易に変形する薄膜に溶媒を含む塗工液を塗工して乾燥させることにより、薄膜上に機能層を形成した複合膜を製造するのに、本発明に係る製造技術は好適に用いることができる。
本発明は、膨潤・収縮によって容易に変形する電解質膜に電極インクを塗工して乾燥させることにより当該電解質膜上に触媒層を形成する膜・触媒層接合体の製造技術に適用することができ、特に固体高分子形燃料電池の膜・触媒層接合体の製造に好適である。
1 製造装置
2 電解質膜
3 水膜
5 膜・触媒層接合体
6 バックシート
7 合紙
8 電極インク層
9 触媒層
10 第1処理ユニット
11 第1巻出ローラ
12 表面塗工ノズル
13 第1乾燥炉
14 第1巻取ローラ
20 第2処理ユニット
21 吸着ローラ
30 剥離部
40 裏面塗工ノズル
50 第2乾燥炉
59 追加乾燥炉
60 給水部
61 ミストスプレー
65 貯水槽
66 水供給ローラ
69 ダンサーローラ
70 水除去部
71 エアーナイフ
72 吸水ローラ
80 皺取りローラ
85 第2巻取ローラ
88 合紙供給ローラ
90 制御部

Claims (12)

  1. 帯状の電解質膜の両面に触媒層を形成する膜・触媒層接合体の製造装置であって、
    前記電解質膜の一方面に触媒層を形成する第1成膜部と、
    前記電解質膜の他方面に触媒層を形成する第2成膜部と、
    両面に触媒層が形成された前記電解質膜に水分を供給する給水部と、
    前記給水部からの給水によって保水された状態の前記電解質膜を巻き取る巻取り部と、
    を備え、
    前記給水部は、前記電解質膜の前記一方面および前記他方面から水膜が現出する程度にまで水分を供給することを特徴とする膜・触媒層接合体の製造装置。
  2. 請求項1記載の膜・触媒層接合体の製造装置において、
    前記電解質膜から余剰の水分を除去する水除去部をさらに備えることを特徴とする膜・触媒層接合体の製造装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の膜・触媒層接合体の製造装置において、
    保水された状態の前記電解質膜から皺を除去する皺取りローラをさらに備えることを特徴とする膜・触媒層接合体の製造装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の膜・触媒層接合体の製造装置において、
    前記巻取り部によって巻き取られる前記電解質膜の張力を一定に保つダンサーローラをさらに備えることを特徴とする膜・触媒層接合体の製造装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の膜・触媒層接合体の製造装置において、
    前記巻取り部によって巻き取られる前記電解質膜に合紙を供給して挟み込ませる合紙供給部をさらに備えることを特徴とする膜・触媒層接合体の製造装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の膜・触媒層接合体の製造装置において、
    前記給水部は、ミスト状の水分を前記電解質膜に吹き付けるミストスプレーを有することを特徴とする膜・触媒層接合体の製造装置。
  7. 帯状の電解質膜の両面に触媒層を形成する膜・触媒層接合体の製造方法であって、
    前記電解質膜の一方面に触媒層を形成する第1成膜工程と、
    前記電解質膜の他方面に触媒層を形成する第2成膜工程と、
    両面に触媒層が形成された前記電解質膜に水分を供給する給水工程と、
    前記給水工程での給水によって保水された状態の前記電解質膜を巻き取る巻取り工程と、
    を備え、
    前記給水工程では、前記電解質膜の前記一方面および前記他方面から水膜が現出する程度にまで水分を供給することを特徴とする膜・触媒層接合体の製造方法。
  8. 請求項7記載の膜・触媒層接合体の製造方法において、
    前記電解質膜から余剰の水分を除去する水除去工程をさらに備えることを特徴とする膜・触媒層接合体の製造方法。
  9. 請求項7または請求項8記載の膜・触媒層接合体の製造方法において、
    保水された状態の前記電解質膜から皺取りローラによって皺を除去する皺取り工程をさらに備えることを特徴とする膜・触媒層接合体の製造方法。
  10. 請求項7から請求項9のいずれかに記載の膜・触媒層接合体の製造方法において、
    前記巻取り工程にて巻き取られる前記電解質膜の張力をダンサーローラによって一定に保つことを特徴とする膜・触媒層接合体の製造方法。
  11. 請求項7から請求項10のいずれかに記載の膜・触媒層接合体の製造方法において、
    前記巻取り工程にて巻き取られる前記電解質膜に合紙を供給して挟み込ませることを特徴とする膜・触媒層接合体の製造方法。
  12. 請求項7から請求項11のいずれかに記載の膜・触媒層接合体の製造方法において、
    前記給水工程では、ミストスプレーからミスト状の水分を前記電解質膜に吹き付けることを特徴とする膜・触媒層接合体の製造方法。
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