JP2003331851A - 高分子電解質型燃料電池 - Google Patents
高分子電解質型燃料電池Info
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Abstract
み合わせの危険をなくす。 【解決手段】 MEA、およびアノードに対向する面に
燃料ガスを供給・排出するためのガス流路を有し、カソ
ードに対向する面に酸化剤ガスを供給・排出するための
ガス流路を有し、MEAの間に挿入された導電性セパレ
ータ板を含む燃料電池において、各触媒層及び各ガス拡
散層の少なくとも一つにマーキングを施し、アノードと
カソードの識別を可能とした。燃料ガスの入り口側およ
び出口側マニホールド孔から遠い方の角部に、コーナー
カットを設けるのが好ましい。
Description
電気自動車用電源、家庭内コージェネレーションシステ
ム等に使用する高分子電解質を用いた燃料電池に関す
る。
を含有する燃料ガスと、空気など酸素を含有する酸化剤
ガスとを、電気化学的に反応させることで、電力と熱と
を同時に発生させるものである。この燃料電池は、基本
的には、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質
膜、電解質膜の両面に形成された白金族金属触媒を担持
したカーボン粉末を主成分とする触媒層、及び触媒層の
外面に形成された、通気性と電子導電性を併せ持つ拡散
層から構成される。拡散層と触媒層とを合わせて電極と
する。
ークしたり、二種類のガスが互いに混合したりしないよ
うに、電極の周囲には高分子電解質膜を挟んでガスシー
ル材やガスケットが配置される。シール材やガスケット
は、電極及び高分子電解質膜と一体化してあらかじめ組
み立てられる。これを電解質膜・電極接合体(MEA)
と呼ぶ。MEAの外側には、これを機械的に固定すると
ともに、隣接するMEAを互いに電気的に直列に接続す
るための導電性のセパレータ板が配置される。セパレー
タ板のMEAと接触する部分には、電極面に反応ガスを
供給し、生成ガスや余剰ガスを運び去るためのガス流路
が形成される。ガス流路は、セパレータ板と別に設ける
こともできるが、セパレータ板の表面に溝を設けてガス
流路とする方式が一般的である。
を交互に重ねていき、10〜200セル積層した後、集
電板と絶縁板を介して、端板でこれを挟み、締結ボルト
で両端から固定するのが一般的な積層電池の構造であ
る。このような高分子電解質型の燃料電池では、アノー
ド及びカソードの電極の形状は同一であり、かつ中心軸
に対して対称な形状であった。
燃料電池のように、アノード及びカソードの形状が共通
で方向性を持たない場合、MEAの組立時にアノードと
カソードの誤組み合わせの危険性が高い。そのためアノ
ード同士やカソード同士の組み合わせ、あるいはアノー
ドとカソードの逆転などが発生するという問題を有して
いた。また、燃料電池スタックの組立時においても、M
EAに方向性がないために、アノードとカソードの逆転
が生じるという問題を有していた。
流れは、セパレータ板に形成されたガス流路の入口部か
ら出口部に向けて対角方向に流れる傾向があり、この流
れと反対側の角部には十分なガスが供給されず、デッド
スペースとなるという問題も有していた。
め本発明の高分子電解質型燃料電池は、水素イオン伝導
性の高分子電解質膜、及び前記高分子電解質膜を挟むカ
ソード及びアノードを具備し、前記カソード及びアノー
ドがそれぞれ触媒層及びガス拡散層からなる複数の膜・
電極接合体、並びに前記アノードに対向する面に燃料ガ
スを供給・排出するためのガス流路を有し、前記カソー
ドに対向する面に酸化剤ガスを供給・排出するためのガ
ス流路を有し、前記膜・電極接合体の間に挿入された導
電性セパレータ板を含み、前記各触媒層及び各ガス拡散
層の少なくとも一つにマーキングが施され、アノードと
カソードの識別が可能であることを特徴とする。
なくとも1箇所以上コーナーカット(以下Cカットとい
う)することによって、中心軸に対して非対称な形状と
することが有効である。また、Cカットの位置が燃料ガ
スの入り口側マニホールド孔及び出口側マニホールド孔
から遠い方の角部であることが有効である。
電解質膜、及び前記高分子電解質膜を挟むカソード及び
アノードを具備し、前記カソード及びアノードがそれぞ
れ触媒層及びガス拡散層からなる複数の膜・電極接合
体、並びに前記アノードに対向する面に燃料ガスを供給
・排出するためのガス流路を有し、前記カソードに対向
する面に酸化剤ガスを供給・排出するためのガス流路を
有し、前記膜・電極接合体の間に挿入された導電性セパ
レータ板を含み、前記アノードの触媒層の表面の光沢度
とカソードの触媒層の表面の光沢度が異なることを特徴
とする高分子電解質型燃料電池を提供する。
ノード触媒層の表面の85°光沢度は、前記カソード触
媒層の表面の85°光沢度より大きいことが有効であ
る。
ソードの外形形状をコーナーカットなどによってマーキ
ングすることにより、アノードとカソードの識別を可能
としたことである。本発明の別の観点においては、アノ
ード触媒層及びカソード触媒層の表面の光沢度を変化さ
せることによって、アノードとカソードの識別を可能と
する。以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら
説明する。
EAを図1に示す。高分子電解質膜13の表面に形成さ
れたアノードの拡散層11に、マーキング12が施さ
れ、このマーキング12によってアノードとカソードの
識別が可能となり、組立時の誤組立を防止することがで
きる。図では、燃料ガス及び酸化剤ガスのマニホールド
孔は省いている。このようなMEAの作製方法の例を以
下に述べる。
電性カ−ボン粒子であるケッチェンブラックEC(オラ
ンダ国、AKZO Chemie社)に、平均粒径約3
0Åの白金粒子を50重量%担持してカソード側の触媒
とする。また、同じケッチェンブラックECに、平均粒
径約30Åの白金粒子とルテニウム粒子とを、それぞれ
25重量%担持してアノード側の触媒とする。これらの
触媒粉末をイソプロパノールに分散させる。一方、パー
フルオロカーボンスルホン酸の粉末をエチルアルコール
に分散させる。これらの触媒粉末分散液とパーフルオロ
カーボンスルホン酸粉末の分散液とを混合して、触媒層
用ペーストを調製する。これらのペーストを原料としス
クリーン印刷法を用いて、厚み250μmのカ−ボン不
織布の一方の面に触媒層を形成する。電極中に含まれる
触媒金属量は0.5mg/cm2、パーフルオロカーボ
ンスルホン酸の量は1.2mg/cm2となるように調
整する。このとき、アノードあるいはカソードのカーボ
ン不織布のいずれか一つの印刷面と反対側にはあらかじ
めカーボンペーストや鉛筆などを用いてマーキングを施
す。
り一回り大きい面積を有するプロトン伝導性高分子電解
質膜の中心部の両面に、印刷した触媒層が電解質膜側に
接するようにホットプレスによって接合する。プロトン
伝導性高分子電解質膜として、パーフルオロカーボンス
ルホン酸を薄膜化したもの(米国デュポン社製:ナフィ
オン112)を用いる。さらに、電極の外周には、電解
質膜を挟んで両側に、外形がセパレータ板と同一の形状
に打ち抜かれたガスケットをホットプレスによって接合
し、膜・電極接合体(MEA)を作成する。こうして図
1に示すようなMEAが得られる。
ソードの触媒層を図2(a)に、アノードの触媒層を図
2(b)にそれぞれ示す。これらの図は、支持シート上
に形成した触媒層をその表面側から見た図であり、カソ
ード触媒層21は図中左上部にCカット22を設けてい
る。一方、アノードの触媒層23は図中右上部にCカッ
ト24を設けた形状となっている。これによって、カソ
ード触媒層とアノード触媒層の識別が可能となる。した
がって、このあとの、転写工程において、カソードとア
ノードの組み合わせ間違いを完全に防止できる。このよ
うなMEAの作製方法の例を以下に述べる。
ード及びアノード触媒粉末を、水及び水素イオン伝導性
高分子電解質のアルコール分散液(旭硝子(株)製、商
品名:9%FSS)と混合し、これをビーズミル分散機
(独国、GETZMANN社製:Dispermat
SL−C12Z)を用いて分散処理し、触媒インクとす
る。得られたカソード触媒インクとアノード触媒インク
を支持シートとしてのポリプロピレンフィルム(東レ
(株)製:トレファン50−2500)上に、コンマコ
ーターを用いて塗工し、乾燥してカソード触媒層及びア
ノード触媒層を形成する。このカソード触媒層及びアノ
ード触媒層をそれぞれトムソン型を用いてポリプロピレ
ンフィルムと共に切り抜く。図2はこの状態を示してい
る。
より一回り大きいプロトン伝導性高分子電解質膜の一方
の面に、アノード触媒層をプロトン伝導性高分子電解質
膜の他方の面にそれぞれ転写してMEAを作製する。次
いで、炭素粒子(電気化学工業(株)製:デンカブラッ
ク)と、ポリテトラフルオロエチレンの分散液(ダイキ
ン製:ルブロンLDW−40)とを混合して撥水層イン
クを作製し、カーボン不織布の上に塗工し、熱風乾燥機
を用いて380℃で熱処理してガス拡散層を作製する。
この拡散層も触媒層同様、トムソン型を用いてカソード
用及びアノード用の各形状に切り抜く。
部分が一致するように、上記のMEAの両面に接合し、
セルを作製する。これによって、セルの外観でアノード
及びカソードの識別が可能となり、スタック組立時にお
けるカソード、アノードの誤組立を完全に防止できる。
法で、支持シート上に塗工した触媒層を、図3に示した
形状にトムソン型を用いて切り抜く。図は触媒層側から
見た図で、カソード触媒層31は図中左上と右下の対角
をカット32した形状となっており、逆にアノード触媒
層33は図中右上と左下の対角をCカット34した形状
となっている。
ックに組み立てる際に、燃料ガスの入り口側マニホール
ド孔及び出口側マニホールド孔が配置される対角の反対
側の対角になっている。また、ガス拡散層を同様の形状
とすることによって、実施の形態2と同様にカソード、
アノードの識別が可能となり、誤組立を完全に防止でき
る。
散層でのガスの流れの模式図を示す。セルに供給される
燃料ガスの一部はセパレータ板41に構成された入り口
側マニホールド孔43からガス流路42に沿って出口側
マニホールド孔44に流れる。また一方で、燃料ガスの
一部は入り口側マニホールド孔43から出口側マニホー
ルド孔44に向かって、一点鎖線45で囲まれた部分に
位置する拡散層を流れる傾向にある。このため、拡散層
を流れるガスの分布は図に示したような分布となる。す
なわち、ガスの出入口と反対側の対角部分には、ガスが
流れにくく、この部分の触媒層はもともと電池性能には
寄与していないと考えられる。このため、電池性能を損
なうことなく、Cカットを施すことが可能となる。な
お、46は酸化剤ガスの入り口側マニホールド孔、47
は酸化剤ガスの出口側マニホールド孔を表す。
積層電池を構成し、運転したときの電池電圧を測定した
結果を図5に示す。実験の条件は、模擬改質ガス(水素
80体積%、二酸化炭素20体積%、一酸化炭素50p
pm)と、空気を反応ガスとして、水素利用率80%、
酸素利用率50%、水素加湿バブラー温度75℃、空気
加湿バブラー温度50℃、電池温度75℃、電流密度
0.3A/cm2とした。なお、触媒層などの仕様は、
実施の形態2の具体例と同じである。この結果より、C
カットの距離がC20(カットされた二等辺三角形の等
辺側の長さ20mm)以下の時には電池性能に大きな影
響を与えないことが判った。
ードとアノードの触媒層の表面の光沢度を異ならせる。
具体例を説明すると、実施の形態2の具体例で述べたも
のと同様の方法でカソード触媒層インクとアノード触媒
層インクを調製する。そして、カソード触媒層インク
は、プロトン伝導性電解質膜にスクリーン印刷する。一
方、アノード触媒層インクは、ポリプロピレンフィルム
上に塗工して触媒層を形成し、これを前記プロトン伝導
性電解質膜の他方の面に転写する。こうしてMEA−A
を作製した。
法によりそれぞれの触媒層の表面の85°光沢度を測定
した結果、カソード触媒層は20〜35%、アノード触
媒層は40〜60%を示した。これにより、触媒層の光
沢度を測定することによって、MEAにおけるカソード
とアノードの識別が可能となる。
クを電解質膜の一方の面にスクリーン印刷し、カソード
触媒層インクをポリプロピレンフィルムからの転写によ
り電解質膜の他方の面に形成してMEA−Bを作製し
た。この結果、アノード触媒層の表面の85°光沢度は
20〜35%となり、カソード触媒層の表面の85°光
沢度は40〜60%となった。
層電池を構成し、運転したときの電池電圧を測定した結
果を図6に示した。実験の条件は、実施の形態3の具体
例と同じである。
て約30mV程度、電圧値が高くなることがわかる。こ
れより、アノード触媒層は、表面の85°光沢度をカソ
ード触媒層のそれより高くすることが効果的であること
がわかった。
の外形形状をCカットなどによってマーキングすること
により、アノードとカソードの識別が可能となり、誤組
み合わせや誤組立を防止できる。また、アノード触媒層
及びカソード触媒層の表面の光沢度を変化させることに
より、アノードとカソードの識別を可能となる。
正面図である。
れた転写用触媒層の正面図である。
れた触媒層の正面図である。
れを模式的に示したセパレータ板のアノード側の正面図
である。
能を示した図である。
能を示した図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 水素イオン伝導性の高分子電解質膜、及
び前記高分子電解質膜を挟むカソード及びアノードを具
備し、前記カソード及びアノードがそれぞれ触媒層及び
ガス拡散層からなる複数の膜・電極接合体、並びに前記
アノードに対向する面に燃料ガスを供給・排出するため
のガス流路を有し、前記カソードに対向する面に酸化剤
ガスを供給・排出するためのガス流路を有し、前記膜・
電極接合体の間に挿入された導電性セパレータ板を含
み、前記各触媒層及び各ガス拡散層の少なくとも一つに
マーキングが施され、アノードとカソードの識別が可能
であることを特徴とする高分子電解質型燃料電池。 - 【請求項2】 前記マーキングが、前記触媒層またはガ
ス拡散層の少なくとも1箇所の角部がカットされたコー
ナーカット部であり、これにより前記触媒層またはガス
拡散層が中心軸に対して非対称な形状となっている請求
項1記載の高分子電解質型燃料電池。 - 【請求項3】 前記コーナーカット部の位置が、前記燃
料ガスの入り口側マニホールド孔及び出口側マニホール
ド孔から遠い方の角部である請求項2記載の高分子電解
質型燃料電池。 - 【請求項4】 水素イオン伝導性の高分子電解質膜、及
び前記高分子電解質膜を挟むカソード及びアノードを具
備し、前記カソード及びアノードがそれぞれ触媒層及び
ガス拡散層からなる複数の膜・電極接合体、並びに前記
アノードに対向する面に燃料ガスを供給・排出するため
のガス流路を有し、前記カソードに対向する面に酸化剤
ガスを供給・排出するためのガス流路を有し、前記膜・
電極接合体の間に挿入された導電性セパレータ板を含
み、前記アノードの触媒層の表面の光沢度とカソードの
触媒層の表面の光沢度が異なることを特徴とする高分子
電解質型燃料電池。 - 【請求項5】 JIS−Z8741の評価法による前記
アノードの触媒層の表面の85°光沢度が前記カソード
の触媒層の表面の85°光沢度より大きい請求項4記載
の高分子電解質型燃料電池。
Priority Applications (1)
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JP2002138935A JP3989771B2 (ja) | 2002-05-14 | 2002-05-14 | 高分子電解質型燃料電池 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
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JP2003331851A true JP2003331851A (ja) | 2003-11-21 |
JP3989771B2 JP3989771B2 (ja) | 2007-10-10 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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-
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- 2002-05-14 JP JP2002138935A patent/JP3989771B2/ja not_active Expired - Fee Related
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