JP2008099683A - 高甘味度甘味料の呈味改善方法 - Google Patents

高甘味度甘味料の呈味改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高甘味度甘味料の不快な後味や、呈味を少ない添加量で効果的に抑制する呈味改善方法を提供する。
【解決手段】スクラロース等の高甘味度甘味料と酵素処理イソクエルシトリン及び/又はリンゴポリフェノールとを組み合わせる。酵素処理イソクエルシトリンの添加量としては、高甘味度甘味料1重量部に対し0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜3重量部であり、また、リンゴポリフェノールは、0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。
【選択図】なし

Description

本発明は高甘味度甘味料の呈味改善方法に関する。
近年の健康指向の高まりから、ショ糖の使用を控え、甘味料としてスクラロース、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウムなどの高甘味度甘味料を使用した商品が増加している。このような高甘味度甘味料はショ糖の数十倍から数千倍の甘味を有し、少ない添加量で飲食品にショ糖と同等の甘味を付与するという優れた性能を持つ反面、後味として甘味が持続し続けるため味の切れが悪く、結果として呈味の質がショ糖に比して劣るという欠点を有している。そのため、高甘味度甘味料の汎用的使用に関しては、その後味の改善が最大の課題となっている。
高甘味度甘味料の呈味改善については、L−アスパラギン等のアミノ酸や、グルコン酸、クエン酸等の有機酸やその塩を使用する方法(特許文献1〜3)、高甘味度甘味料とヘスペリジン等の天然物を組み合わせる方法(特許文献4)など各種方法が提案されているが、このような既存の方法は、少ない添加量では不快な後味を十分に低減できず、添加量を増やすと食品本来の味、香りを変化させるといった問題点を有していた。
一方、抗酸化作用を持つ天然物であるルチンも、高甘味度甘味料の呈味を改善することが特許文献5に開示されている。しかし、該ルチンは水難溶性のため飲料といった食品などへの使用が限られたものであり、また特許文献5にはルチンの誘導体であるグルコシルルチンやガラクトシルルチンの開示もあるが、これらルチン誘導体であってもその呈味改善効果は十分なものとはいえず、未だ改良の余地があった。
リンゴポリフェノールは、りんごから抽出されたポリフェノールであり、静菌作用を有すること(特許文献6)、鉄イオン由来の不快な錆味を抑制できること(特許文献7)、果実ワインを含有する低アルコール飲料の特有の甘さ、酸っぱさ、果実風味をそのままにして口に残る甘さをなくす、キレを良くすることが知られている(特許文献8)。しかしながら、特許文献6〜8には各種機能性が開示されているものの、リンゴポリフェノールが高甘味度甘味料の呈味を改善することについて一切記載されていない。特許文献8においても高甘味度甘味料を含有した低アルコール飲料が開示されているが、その主体は果実ワインを添加することを特徴とするものであって、アップルポリフェノールはリンゴワインを配合して味わいが良くなったアルコール飲料に、更にコク、ボティ感を付与することが開示されているのみである。
特開2000−270804号公報 特開2003−210147号公報 特開昭60−188035号公報 特開平8−256725号公報 特開平10−146165号公報 特開2001−157567号公報 特開2004−250390号公報 特開2005−204585号公報
本発明はかかる事情に鑑みて開発されたものであり、高甘味度甘味料の不快な後味や、呈味を少ない添加量で効果的に抑制する呈味改善方法を提供することを目的とする。更に本発明は、高甘味度甘味料に特有の苦味、エグ味および刺激味を低減する呈味改善方法を提供することを目的とする、
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意研究を重ねていたところ、高甘味度甘味料と酵素処理イソクエルシトリン及び/又はリンゴポリフェノールとを組み合わせることにより、高甘味度甘味料の不快な後味や、呈味を少ない添加量で効果的に抑制できることを見出し、本発明に至った。
本発明は、以下の態様を有する高甘味度甘味料の呈味改善方法に関する;
項1.高甘味度甘味料と酵素処理イソクエルシトリン及び/又はリンゴポリフェノールとを組み合わせることを特徴とする、高甘味度甘味料の呈味改善方法。
項2.高甘味度甘味料1重量部に対し、酵素処理イソクエルシトリンを0.01〜10重量部及び/又はリンゴポリフェノールを0.01〜10重量部添加する、項1記載の高甘味度甘味料の呈味改善方法。
項3.高甘味度甘味料がスクラロースである、項1又は2に記載の高甘味度甘味料の呈味改善方法。
本発明により、高甘味度甘味料の不快な後味や、呈味を少ない添加量で効果的に抑制する呈味改善方法を提供することができる。
本発明における高甘味度甘味料の呈味改善方法は、高甘味度甘味料と酵素処理イソクエルシトリン及び/又はリンゴポリフェノールとを組み合わせることを特徴とする。
本発明の対象となる高甘味度甘味料とは、ショ糖の数十倍から数千倍もの甘みを持つ天然及び合成の化合物であり、ショ糖より少ない添加量でショ糖と同様の甘味を与えることができるので、ショ糖の代わりに使用すれば低カロリーの飲食品等を提供できる。具体的な例としては、スクラロース、ソーマチン、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウム、アリテーム、ネオテーム、グリチルリチン,グリチルリチン酸2カリウム,グリチルリチン酸2ナトリウム,グリチルリチン酸アンモニウム塩、サッカリン、サッカリンナトリウム等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を挙げることができ、好ましくは、スクラロース、ソーマチン、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウムからなる一種以上、更に好ましくはスクラロースを挙げることができる。なお、本発明で使用するスクラロースは商業上入手可能であり、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンスイートシリーズなどを挙げることができる。
本発明で用いる「酵素処理イソクエルシトリン」とは、イソクエルシトリンに糖供与体の存在下、糖転移酵素を作用して得られるもので、下式で示される、イソクエルシトリンと種々の程度にグルコシル化されたα−グリコシルイソクエルシトリンとの混合物をいう。
Figure 2008099683
(式中、Glcはグルコース残基を、nは0または1以上の整数を示す)
上記式において具体的には、「酵素処理イソクエルシトリン」は、α−1,4結合のグルコース残基数(n)が0のイソクエルシトリンと、α−1,4結合のグルコース残基数(n)が1以上、通常1〜15、好ましくは1〜10のα−グリコシルイソクエルシトリンとの混合物である。
本発明で用いる酵素処理イソクエルシトリンは、異なるグルコース基の結合数(n)を有する種々の酵素処理イソクエルシトリンの混合物であってもよいが,グルコース基の結合数(n)が単一である一種の酵素処理イソクエルシトリンであってもよい。
かかる酵素処理イソクエルシトリンは、イソクエルシトリンをグルコース基転移酵素で処理することによって調製することができる。制限されないが、通常、酵素処理イソクエルシトリンは、グルコシダーゼまたはトランスグルコシダーゼ等のグルコース残基転移酵素を用いて、イソクエルシトリンにグルコース残基を等モル以上転移させて配糖化することによって製造することができる。
配糖化の際に用いられるグルコース源としては、そのグルコース残基の1分子以上がイソクエルシトリンの1分子に転移されうるものであればよく、例えばグルコース、マルトース、アミロース、アミロペクチン、でん粉や、でん粉液化物、でん粉糖化物、及びシクロデキストリンなどを用いることができる。グルコース源の使用量は、反応系に存在するイソクエルシトリン1重量部に対して、通常0.1〜20重量部の割合、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部の割合を挙げることができる。
グルコシダーゼとしては、例えばα−アミラーゼ(E.C.3.2.1.1)、α−グルコシダーゼ(E.C.3.2.1.20)等を用いることができ、またトランスグルコシダーゼとしては、例えばシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(E.C.2.4.1.19)(以下CGTaseと略記する)等を用いることができる。
CGTaseは、バチルス・サーキュランス、バチルス・マセランス、バチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・メガテリウム、バチルス・ポリミキサなどのバチルス属、クレブシーラ・ニューモニアエなどのクレブシーラ属などの細菌によって生産されることが知られており、いずれもこの発明に自由に使用することができる。
これらのグルコース残基転移酵素はいずれも商業的に入手できる酵素であり、簡便にはかかる市販の酵素剤(例えば、天野エンザイム(株)製、商品名:コンチザイム)を使用することもできる。当該酵素は、必ずしも精製されている必要はなく、粗精製物であってもよい。例えば、イソクエルシトリンを加えた培地に、当該グルコース残基転移酵素生成菌を植菌し、発酵法により反応を行って酵素処理イソクエルシトリンを生成してもよいし、またグルコース残基転移酵素またはグルコース残基転移酵素生産菌を固定化して、これをバッチ式若しくは連続式に、イソクエルシトリンと反応させて酵素処理イソクエルシトリンを生成してもよい。なお、グルコース残基転移酵素は、グルコシダーゼまたはトランスグルコシダーゼの各々単独を用いて行うこともできるし、また両者を組み合わせて(同時または連続して)使用することもできる。
グルコース残基転移酵素の反応条件は、イソクエルシトリン、グルコース残基転移酵素及び上記グルコース源との混合水系で、グルコース残基転移酵素が作用する条件であればよい。グルコース残基転移酵素の使用量はイソクエルシトリン1重量部に対し、グルコース残基転移酵素がCGTaseの場合〔酵素比活性約100単位(溶性デンプンからβ-シクロデキストリンを1分間あたり1mg生成する酵素量を1単位とする)〕0.001〜20重量部の範囲から適宜選択して使用することができる。好ましくは、0.005〜10重量部程度、より好ましくは0.01〜5重量部程度である。
なお、反応系中のイソクエルシトリンの量は、特に制限されないが、配糖化を効率よく行う目的からは、反応系100重量%中に、通常0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%の割合で含まれていることが望ましい。
この反応系の温度は、使用する酵素の種類により変動するが、約80℃以下の範囲を適宜選択して用いることができる。この範囲内において工業的に有利なのは約20〜80℃、好ましくは約40〜75℃である。またpH条件は通常pH3〜11程度以下、好ましくはpH4〜8である。反応は、静置または攪拌若しくは振盪しながら行うことができる。反応中の酸化を防止するために、反応系のヘッドスペースを窒素等の不活性ガスで置換してもよく、またアスコルビン酸等の酸化防止剤を反応系に添加することも可能である。斯くして、イソクエルシトリンのグルコース残基にグルコース基が結合し、目的の酵素処理イソクエルシトリンが生成される。
なお、イソクエルシトリンのグルコース残基へのグルコース基の結合数(上記式(1)においてnの数)は、特に制限されないものの、通常、前述するように1〜15、好ましくは1〜10の範囲になるように任意に調整することができる。かかる調整方法としては、例えば、酵素処理イソクエルシトリン生成後に、各種のアミラーゼ(α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、マルターゼ等)を単独もしくは複数組み合わせて処理する方法を挙げることができる。こうすることによって、前述する方法で得られた酵素処理イソクエルシトリン分子中のグルコース糖鎖数を減少させて、任意のグルコース糖鎖長を持つ酵素処理イソクエルシトリンを得ることもできる。
上記の反応系から酵素処理イソクエルシトリンを単離・精製する方法も特に制限されない。例えば、単離方法として、常法によりゲルろ過樹脂を使用して単離する方法を挙げることができる。酵素処理イソクエルシトリンの精製は、特に制限されず、慣用の方法を任意に組み合わせて実施することができる。具体的には各種の樹脂処理法(吸着法、イオン交換法、ゲルろ過法など)、膜処理法(限外濾過膜処理法、逆浸透膜処理法、イオン交換膜処理法、ゼータ電位膜処理法など)、電気透析法、塩析、酸析、再結晶、溶媒分画法および活性炭処理法等を例示することができる。
斯くして得られる酵素処理イソクエルシトリンは、イソクエルシトリン(ケルセチン3−0−モノグルコサイド)のグルコース残基に更にグルコースが等モル以上量結合したα-グリコシルイソクエルシトリンを主成分とするものであって水易溶性である。
該酵素処理イソクエルシトリンの高甘味度甘味料に対する添加量としては、その利用される食品や医薬品などに求められる甘さの質や高甘味度甘味料の甘味倍率に応じて適宜選択されるが、一般的には、高甘味度甘味料1重量部に対し0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜3重量部を好適な例として挙げることができる。ここで酵素処理イソクエルシトリンの添加量が0.01重量部より大きく下回ると、食品や医薬品、高甘味度甘味料の種類によっては呈味改善効果が期待できない場合があり、一方で添加量が10重量部を大きく上回ると、更なる呈味改善効果が期待できず、経済的に不利であり、また高甘味度甘味料の甘味度のピークの低下を引き起こすことがある場合があるからである。
本発明でいうリンゴポリフェノールはリンゴから抽出されたポリフェノールであれば特に製造方法や抽出方法などに限定されず、種々のリンゴポリフェノールを用いることができる。なお、リンゴポリフェノールはリンゴ未熟果に多く含まれていることから、リンゴポリフェノールを得るためにはリンゴ未熟果を使用することが好ましい。ここで、「未熟果」というのは、商品として店頭に陳列される以前の果実のことを意味し、このような未熟果はそれ自体としては商品価値を有さずに捨てられていたものであるから、資源の有効利用にも繋がる。なお、リンゴポリフェノールの製造方法としては、特開平7−285876号に記載の製造方法を好適な例として挙げることができる。
リンゴポリフェノールの高甘味度甘味料への添加量であるが、その利用される食品や医薬品などに求められる甘さの質や高甘味度甘味料の甘味倍率に応じて適宜選択されるが、一般的には、高甘味度甘味料1重量部に対し0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部を好適な例として挙げることができる。ここでリンゴポリフェノールの添加量が0.01重量部より大きく下回ると、食品や医薬品、高甘味度甘味料の種類によっては呈味改善効果が期待できない場合があり、一方で添加量が10重量部を大きく上回ると、更なる呈味改善効果が期待できず、経済的に不利であり、また高甘味度甘味料の甘味度のピークの低下を引き起こすことがある場合があるからである。更に、前述の酵素処理イソクエルシトリンとリンゴポリフェノールを併用する場合は、酵素処理イソクエルシトリン:リンゴポリフェノールの重量比が1:0.1〜1:80、好ましくは1:1〜1:15となるように併用することが好ましい。なお、高甘味度甘味料に対する添加量としては、酵素処理イソクエルシトリン及びリンゴポリフェノールの添加量が高甘味度甘味料1重量部に対し、0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部となるように添加することが好ましい。
このように、高甘味度甘味料と酵素処理イソクエルシトリン及び/又はリンゴポリフェノールとを組み合わせることにより、高甘味度甘味料の不快な後味や、高甘味度甘味料に特有の苦味、エグ味および刺激味を低減する呈味改善方法を提供することができる。なお、本発明において高甘味度甘味料と酵素処理イソクエルシトリン及び/又はリンゴポリフェノールの使用形態は特に限定されず、粉末、顆粒、キューブ、ペースト、液体など種々の形態を取ることができる。また、酵素処理イソクエルシトリン及び/又はリンゴポリフェノールと、高甘味度甘味料との組み合わせ方法としては、最終的に高甘味度甘味料と酵素処理イソクエルシトリン及び/又はリンゴポリフェノールが同一組成物に添加されていればよく、種々の添加方法をとることができる。例えば、あらかじめ高甘味度甘味料と酵素処理イソクエルシトリン及び/又はリンゴポリフェノールを製剤化しておく方法や、食品や医薬品などの組成物中に各々添加して組み合わせる方法などをとることができる。
なお、本発明において酵素処理イソクエルシトリン及び/又はリンゴポリフェノールは、食品や医薬品などの最終組成物に対する添加量が、非常に少ない場合であっても良好な効果を有する。なお、最終組成物に対する酵素処理イソクエルシトリン及び/又はリンゴポリフェノールの添加量としては、最終組成物の種類や添加成分によっても適宜調整できるが、具体例として、酵素処理イソクエルシトリン0.001〜0.2重量%、より好ましくは0.005〜0.1重量%、リンゴポリフェノール0.001〜2重量%、より好ましくは0.01〜0.2重量%を例示することができる。
なお、本発明の高甘味度甘味料の呈味改善方法を適用できる分野は特に限定されず、各種食品分野や医薬品分野に適用することができる。具体的には、果実類の加工品、野菜類の加工品、魚介類の加工品、練製品、調理食品、総菜類、スナック類、珍味類、加工食品、栄養食品、茶飲料およびコーヒー飲料などの嗜好飲料、果汁飲料、炭酸飲料、清涼飲料、機能性飲料、アルコール飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓類、ゼリー、キャンディー、グミ、ガム、プリン、羊かん等のデザート類、クッキー、ケーキ、チョコレート、チューイングガム、饅頭等の菓子類、菓子パン、食パン等のパン類、ジャム類、ラムネ、タブレット、錠菓類などがあげられる。さらに、日本料理のだし、例えば、鰹節、魚介類、昆布、シイタケ、鶏肉、野菜類などのだし汁および和風調味料、または、西洋料理のスープストック、牛肉、鶏肉、豚肉、魚介類、野菜類などのだし汁および洋風調味料、または、中華料理のタン(湯)、たとえば、牛肉、鶏肉、豚肉、魚介類、野菜類などからとったスープおよび中華調味料、漢方薬を含む経口医薬品、歯磨き、口腔剤等をあげることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の呈味改善方法は、高甘味度甘味料の使用量の多少によらず種々の分野において使用できるが、特に高甘味度甘味料を多量に使用する製品において、呈味改善効果が著し
く、有用性が高い。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは、「重量部」を意味するものとする。文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
実施例1〜3 酵素処理イソクエルシトリンによる高甘味度甘味料の呈味改善
表1に示す濃度となるように、砂糖溶液濃度7%の甘味に相当する以下の高甘味度甘味料水溶液を調製した。調製した各高甘味度甘味料水溶液は、酵素処理イソクエルシトリンを加え溶解したもの(実施例1〜3)、及び酵素処理イソクエルシトリンを含有しなかったもの(比較例1〜3)を調製し、それぞれ官能評価を行った。官能評価は、高甘味度甘味料の不快な後味や苦味、刺激味が顕著に改善されたものを5、水溶液中の高甘味度甘味料の不快な後味や苦味、刺激味を改善できなかったものを1として9段階の評価を行った。
Figure 2008099683
注1)酵素処理イソクエルシトリン:サンメリン※AO−1007*(酵素処理イソクエルシトリン15%)を用いた。
表1より、酵素処理イソクエルシトリンを添加することにより、顕著に水溶液中の不快な後味や苦味、刺激味が改善することができた(実施例1〜3)。中でも、特に酵素処理イソクエルシトリンを添加することにより、顕著にスクラロースの甘味の後引きを低減させ、適度な甘味がありながらもすっきりとした後味を有する水溶液となった(実施例1)。一方で、酵素処理イソクエルシトリンを添加しなかった各水溶液は、高甘味度甘味料独自の甘味の後引き感が強く、また、高甘味度甘味料の苦味や刺激味を改善することはできなかった。
実施例4、5 アルコール飲料(グレープフルーツ風味)の調製
表2に示す処方に従って高甘味度甘味料入りアルコール飲料を調製した。詳細には、水に表2に記載のスクラロース、アセスルファムカリウム、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グレープフルーツフレーバー、アップルポリフェノールを加え溶解し、全量を27.5Lに調製した。これに、更にウォッカ(40°)を12.5Lと、炭酸水を60L加え、65℃で10分間加熱殺菌してグレープフルーツ風味のアルコール飲料を調製した。調製したアルコール飲料は、官能評価によって、高甘味度甘味料の不快な後味や苦味、刺激味が顕著に改善されたものを5、飲料中の高甘味度甘味料の不快な後味や苦味、刺激味を改善できなかったものを1として9段階の評価を行った。
Figure 2008099683
調製したアルコール飲料のうち、アップルポリフェノールを添加したアルコール飲料(実施例4、5)は、スクラロース、更にはスクラロースとアセスルファムカリウムを併用した場合であっても、高甘味度甘味料の不快な後味や苦味、刺激味が顕著に改善され、飲用した後も後味はすっきりとしており、いやな後味はなく、グレープフルーツ風味が引き出されたアルコール飲料となった。一方、アップルポリフェノールを添加しなかったアルコール飲料(比較例4、5)は、高甘味度甘味料の不快な後味や苦味がアルコール飲料の風味を損なっていた。
高甘味度甘味料の不快な後味や、呈味を少ない添加量で効果的に抑制する呈味改善方法を提供することができる。

Claims (3)

  1. 高甘味度甘味料と酵素処理イソクエルシトリン及び/又はリンゴポリフェノールとを組み合わせることを特徴とする、高甘味度甘味料の呈味改善方法。
  2. 高甘味度甘味料1重量部に対し、酵素処理イソクエルシトリンを0.01〜10重量部及び/又はリンゴポリフェノールを0.01〜10重量部添加する、請求項1記載の高甘味度甘味料の呈味改善方法。
  3. 高甘味度甘味料がスクラロースである、請求項1又は2に記載の高甘味度甘味料の呈味改善方法。
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