JP2008089769A - 画像形成装置及び画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可視像を担持する像担持体1Yと、この像担持体1Y上の可視像を記録体Pの両面に転写せしめる両面転写手段15、25と、この両面転写手段15、25を経由した後の前記記録体Pを加熱してその両面に可視像を定着せしめる定着手段30と、この定着手段30の前記記録体Pに対する加熱温度を制御する加熱温度制御手段62とを備え、前記記録体Pの第1面及び第2面に画像を形成する両面処理と、前記記録体Pの片面として前記第2面だけに画像を形成する片面処理とが切り換え可能になっている画像形成装置において、前記両面処理の場合と前記片面処理の場合に関わりなく前記第1面及び第2面に同じ値の定着熱量を付与する。
【選択図】図1
Description
これに対し、ワンパス方式は、両面転写手段によって両面に画像が転写された記録体を定着手段に一度だけ通す方式である。ワンパス方式は、次の点でスイッチバック方式よりも優れている。すなわち、スイッチバック用の複雑な機構を設けることによるコストアップ、スイッチバックによる画像形成時間の長期化、定着手段による加熱でカールさせた記録体をスイッチバックさせることによるジャム等の何れも回避し得る点である。
かかるワンパス方式を実現する画像形成装置は、従来から多数研究され、具体的な構成が一般に開示されかつ知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
次いで、このトナー像を中間転写ベルトの無端移動に伴って再び前段転写部に進入させるタイミングに同期させるように、感光体上に別のトナー像を形成する。また、このタイミングに合わせて、記録体を前段転写位置に送り込む。送り込まれた記録体は、その第1面に中間転写ベルト上のトナー像を接触させた状態で、その第2面に感光体上のトナー像が静電的に転写される。
この転写により、記録体に対する両面転写が完了する。両面転写後の記録体は、互いに当接しながら順方向に回転する定着ローラ対を有する定着手段を通過する際に加熱されて、両面のトナー像がそれぞれ定着せしめられる。以上のようなプロセスを経ることで、記録体を定着手段にスイッチバックさせることなく、その両面に画像を形成することができる。
また、表裏面で定着の与える熱量が大幅に異なるため転写紙の変形が大きくなり、搬送不良が発生し易くなる。すなわち、転写紙の繊維の伸び・縮みが表裏で違うために変形が大きくなる。さらに、ジャムが発生すると転写紙及び複写工程に要したエネルギが無駄になってしまい、却って多くのエネルギが浪費されることになる。
また、請求項3に記載の発明は、前記第1面及び第2面に定着熱量を与える加熱部材の材質を異なる材質で構成し、材質による熱伝導性に応じて表面温度を変え、前記第1面及び第2面に与える定着熱量が同一になるように制御する請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記温度検知部材を前記加熱部材の何れか一方に設置し、両加熱部材の温度制御を行う請求項3記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、加熱部を主電源装置及び補助電源に接続するモードと主電源装置のみに接続するモードとを選択的に切り換え可能な制御手段を備える請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の画像形成装置と通信手段を介して接続された情報処理装置とを含む画像形成システムにおいて、前記情報処理装置から前記画像形成装置に対して作像データの送信を含む作像制御が実行される画像形成システムを特徴とする。
本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)について説明する。まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図において、このプリンタAは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kを備えている。
感光体1Yは、例えば、直径10〜100[mm]のアルミ製円筒に光導電性物質である有機半導体の表面層が被覆されたものである。アモルファスシリコン性の表面層が被覆されたものであってもよい。また、ドラム状ではなく、ベルト状のものであってもよい。
帯電装置4Yは、図示しない駆動手段によって、図中、時計回りに回転せしめられる感光体1Yの表面を一様に帯電せしめる。一様に帯電せしめられた感光体1Yの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このY用の静電潜像は、Yトナーを用いる現像装置5YによってYトナー像に現像される。
この除電により、感光体1Yの表面が初期化せしめられて次の画像形成が可能になる。他のプロセスカートリッジ6M、6C、6Kにおいても、同様にして感光体1M、1C、1K上にM、C、Kトナー像が形成され、第1中間転写ベルト8上に1次転写される。
潜像形成手段である露光装置7は、この露光走査制御信号に基づいて発したレーザ光Lを、プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kにおけるそれぞれの感光体1Y、1M、1C、1Kに照射する。この照射を受けて露光された感光体1Y、1M、1C、1K上には、Y、M、C、K用の静電潜像が形成される。なお、露光装置7は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体1Y、1M、1C、1Kに照射するものである。
画像データ処理装置E1の図中下側には、第1紙収容カセット26a、第2紙収容カセット26b、これらのカセット26a、26bにそれぞれ個別に組み込まれた給紙ローラ27a、27b、レジストローラ対28など有する給紙手段が配設されている。
これら給紙ローラ27a、27bが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転させられると、一番上の転写紙Pが記録体供給路である給紙路35に向けて送られる。そして、給紙路35の最下流側に配設されているレジストローラ対28のローラ間に至る。レジストローラ対28は、転写紙Pを挟み込むべく両ローラを回転駆動させるが、挟み込んですぐに回転をいったん停止させる。
そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。なお、プリンタAの下方には、多量の転写紙Pをストックしている給紙バンク60が設けられており、ここからも転写紙Pが給紙ローラ61を介して給紙路35に向けて送り出されるようになっている。
また、2次転写バックアップローラ12、第1クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14なども備えている。第1中間転写ベルト8は、これら3つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中反時計回りに無端移動させられる。
第1中間転写ベルト8は、1次転写バイアスによる静電転写を実現するのに適した電気抵抗条件になっている。具体的には、樹脂フィルムやゴムなどからなる50〜500[μm]の厚みのベルト基体に、低表面エネルギの材料からなる表面層がコートされ、全体の体積抵抗値が10E6〜10E14[Ωcm]になっている。
また、表面抵抗率は、10E5〜10E15[Ω/cm]の範囲に調整されている。1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kを除くローラは、図示してないが、全て電気的に接地されている。
これにより、第1中間転写ベルト8上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。第1中間転写ベルト8を張架している2次転写バックアップローラ12は、後述の第2中間転写ベルト16に食い込むような配設位置になっている。このような食い込み配置により、第1中間転写ベルト8と第2中間転写ベルト16とをそれぞれ周長方向に広く当接させる2次転写ニップが形成されている。
これは、第1クリーニング装置10によってクリーニングされる。具体的には、第1中間転写ベルト8は、その表面(ループ外面)側に当接するように配設された第1クリーニング装置10と、その裏面側に配設された第1クリーニングバックアップローラ13との間に挟まれる。そして、表面上の転写残トナーが第1クリーニング装置10に機械的あるいは静電的に回収されてクリーニングされる。
また、第1転写ユニット15の図中右側方には、第2中間転写ベルト16を張架しながら無端移動せしめる第2転写ユニット25が配設されている。この第2転写ユニット25は、第2中間転写ベルト16の他、第2クリーニング装置18、転写チャージャ23、廃トナー収容器24などを備えている。
また、ニップ拡張ローラ19、2次転写ローラ17、テンションローラ20、第2クリーニングバックアップローラ21、3次転写バックアップローラ22なども備えている。第2中間転写ベルト16は、これら5つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中時計回りに無端移動させられる。
2次転写ローラ17は、金属製ローラか、あるいは芯金に導電性のゴム層が被覆されたローラで、図示しない電源によってトナーと反対極性(例えば、プラス極性)の2次転写バイアスが印加される。第2転写ユニット25におけるこれ以外のローラは全て接地されている。
上述したレジストローラ対28は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを第1中間転写ベルト8上に1次転写された上記4色トナー像に密着させ得るタイミングで上記2次転写ニップに向けて送り出す。ただし、この4色トナー像が、転写紙Pの第1面(後述のスタック部40上で上を向く面)に転写されるべき第1トナー像である場合には、転写紙Pを送り出さない。
よって、第2トナー像は、2次転写ニップにおいて転写紙Pの第2面に2次転写される。そして、転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。この時、2次転写ニップで転写紙Pの第1面と第2中間転写ベルト16との間に挟まれている第1トナー像は、2次転写バイアスの作用によってベルト側に引き寄せられる。このため、転写紙Pの第1面に密着しているが、そこに2次転写されるわけではない。
上述の第1転写ユニット15において、2次転写バックアップローラ12は、第1中間転写ベルト8を、その移動方向がほぼ反転するような形状で張架している。そして、移動方向を反転させつつある第1中間転写ベルト部分を第2中間転写ベルト16に当接させて2次転写ニップを形成している。
従って、2次転写ニップの出口では、第1中間転写ベルト8が転写紙Pから離間し、転写紙Pが第2中間転写ベルト16の表面だけに保持されて搬送されるようになる。そして、第2中間転写ベルト16の無端移動に伴って、後段転写部である3次転写部に送られる。
以上のようにして両面転写を実現する本プリンタAでは、第1転写ユニット15と第2転写ユニット25との組合せにより、記録体である転写紙Pの両面に可視像である4色トナー像を静電転写する両面転写手段が構成されている。なお、1次転写バイアスや2次転写バイアスが印加される部材として、ローラ(9、17)ではなく、ブラシなど他の形状のものを用いてもよい。また、転写バイアスを部材に印加する静電転写方式ではなく、非接触放電式を採用してもよい。
定着装置30は、互いに順方向に回転しながら当接して定着ニップを形成する第1定着ローラ30a、第2定着ローラ30bを有している。表面の材質はシリコンゴム(厚さ1mm)、芯金はアルミ合金で両定着ローラは同一形状のローラで構成されている。
この場合、第1定着ローラ30aは、転写紙Pの第1面に接触しながら回転して第1面を加熱する。また、第2定着ローラ30bは、転写紙Pの第2面に接触しながら回転して第2面を加熱する。転写紙Pが加熱されると、転写紙Pの第1面、及び第2面に保持されている第1トナー像、及び第2トナー像中のトナーが軟化して、それぞれ紙面の微妙な凹凸に馴染んでいく。
そして、その後の冷却によって硬化して転写紙P上に定着する。定着装置30は、転写紙Pを2つの定着ローラ30a、30b間に挟み込んで両面側から加熱することで、片面側だけから加熱してその両面を昇温せしめる場合に比べ、トナー像を効率良く両面に定着させることができる。片面定着を2回繰り返すのと比較すると30〜40%の効率アップ(消費電力が減少)になることが確かめられている。
このことにより、先端側が2つの定着ローラ30a、30b間に挟み込まれた転写紙Pを定着ローラの回転に伴って引っ張って、その後端側を第2中間転写ベルト16上で引きずってしまうことによる第1トナー像の乱れを抑えることができる。また、転写紙Pをプロセス線速よりも遅い線速で定着ニップに通過させて、第1トナー像及び第2トナー像をより確実に定着させることができる。
定着装置30を通過した転写紙Pは、反転ガイド部材31に沿って移動して反転した後、排紙ローラ対32を経て機外へと排出される。そして、プリンタ本体の筺体の上面に形成されたスタック部40にスタックされる。
制御部E2では、温度検知手段から送られてくる表面温度の検知結果に基づいて、各定着ローラ30a、30bの上述した発熱手段に対する電源供給をオン/オフ制御して、それぞれの表面温度を一定範囲(目標範囲)に維持する。よって、本プリンタAでは、定着手段の記録体に対する加熱温度を制御する加熱温度制御手段が構成されている。
第2クリーニング装置18が第2中間転写ベルト16に常に当接していると、第2中間転写ベルト16上に2次転写された第1トナー像もクリーニングしてしまうことになる。そこで、第2クリーニング装置18は、図示しない揺動機構によって揺動軸18aを中心に図中矢印方向に揺動せしめられることで、第2中間転写ベルト16に接離するようになっている。そして、少なくともそのクリーニング位置を第1トナー像が通過する間は、第2中間転写ベルト16から離間して、第1トナー像のクリーニングを回避する。
このような位置にすることで、定着装置30の熱を、第1中間転写ベルト8を介して各感光体に伝えてしまうことによる感光体劣化や画質劣化を抑えることができる。なお、冷却手段としては、第1中間転写ベルト8に接触しながらそれを冷却する冷却部材を用いる方法や、送風によって冷却する方法などが挙げられる。
ただし、後者の方法では、送風によって生じせしめた乱流によって未定着のトナー像を乱すおそれがあるので、装置内部での気流について考慮する必要がある。また、冷却部材としては、ヒートパイプを用いるとよい。
この方式では、可視像の形成、転写という工程を繰り返し行わなくてはならない。一方、タンデム方式では、重ね合わせ転写すべき複数の可視像をそれぞれに対応する像担持体上でほぼ同時に形成することができるので、画像形成速度を大幅に速めることができる。
従って、スタック部40にスタックされる転写紙Pは、先行して形成された第1トナー像を上に向け、かつその後に形成された第2トナー像を下に向けた状態で順次スタックされていく。本プリンタAは、このようにスタックされていく転写紙Pの頁番号を小さい方から順に揃えるべく、奇数、偶数と連続する2つの頁番号の画像について、頁番号の大きい方を先に上記第1トナー像として形成する。
ただし、転写紙Pの第2面だけに画像を形成する片面処理を実行する際には、頁番号の小さい画像から順に形成していき、それぞれ転写紙Pの第2面に2次転写せしめる。このことにより、片面処理においても、スタック部40で頁番号を下から順に揃えることができる。
これに対し、第1トナー像は、3次転写まで行われるため、第2トナー像よりも転写工程が1回多くなる。よって、各感光体1Y、1M、1C、1K上で鏡像として形成される。このことにより、転写毎に正像、鏡像、正像と変化して、転写紙Pの第1面において正像となることができる。
この状態では、側方カバー50とともに回転した第2転写ユニット25がプリンタ本体側に固定された第1転写ユニット15から大きく離間し、2次転写ニップを形成しなくなる。また、2つの紙収容カセット26a、26bから排紙ローラ対32に至るまでの紙搬送路が縦方向に2分して大きく露出する。
このことにより、紙搬送路内で発生したジャム紙の処理作業や、紙搬送路周りの各装置の保守点検作業が容易になる。また、第2クリーニング装置18や廃トナー収容器24の交換も可能になる。
プリンタ本体の前面左隅には、タッチパネル等からなる操作表示器51が固定されている。ユーザーは、この操作表示器51のディスプレイに現れるガイド表示に従って、作像プロセス条件や用紙条件等の各種パラメータを入力することができる。上述の片面処理と、両面処理との切り換えについては、この操作表示器51に用意されているモード切り換えボタンを操作することによって行う。
この露出により、第1転写ユニットの保守点検作業を容易にしている。また、前扉52が開かれると、支持体53の上方に配設されたボトル収容器54内のトナーボトルBY、BM、BC、BKの端面が露出する。それぞれ端面を露出させたトナーボトルBY、BM、BC、BKは、ボトル収容器54に対してプリンタ前後方向に着脱可能される。
このため、オプションの図示してないスキャナ装置をプリンタAの上方に配設して複写装置を構成する場合でも、トナーボトルBY、BM、BC、BKを着脱することができる。2つの紙収容カセット26a、26bは、前扉52の下方に配設され、前後方向のスライド移動によってプリンタ本体から着脱されるように構成されている。前扉52を開いても、紙収容カセット26a、26bの着脱や、操作表示器51への入力の操作性を損ねることはない。
なお、片面処理においては、上記3次転写部における第1トナー像の3次転写が不要になる。そこで、本プリンタAは、片面処理の場合に第2転写ユニット25の転写チャージャ23を不作動にするように構成されている。
これにより3次転写部で転写紙Pに無駄なチャージを掛けないことによって、片面処理における無駄なエネルギ消費を抑えることができる。また、転写紙Pを第1定着ローラ30a、及び第2定着ローラ30bによって両面側から加熱する例について説明したが、同温度なのでどちらが画像面であっても構わない。
また、直接方式では、加熱部材を無端移動させるなどして、転写紙Pに搬送力を付与しながら加熱処理を施すことができるので、搬送力付与部材と加熱手段とを別々に設ける場合に比べて省スペース化を図ることができる。
両面処理において、第1定着ローラ30aの表面温度と、第2定着ローラ30bの表面温度との差を大きくし過ぎると、転写紙Pの第1面と第2面とで画像の光沢性の違いを目立たせるなど、画質に大きな差が生じてしまう。よって、互いの表面温度差をある程度小さくすることが望ましい。
本プリンタAは、上述のように、転写紙Pの第1面に転写する第1トナー像に対して、転写紙Pの第2面に転写する第2トナー像よりも1回多く転写工程を経由させている。このように第1トナー像に転写工程を多く経由させることで、同一のプロセスユニット群(6Y〜6K)で形成した第1トナー像、及び第2トナー像を、それぞれ転写紙Pの反対側の面に対向せしめて転写することができる。よって、それぞれを形成するための専用のプロセスユニット群(6Y、6M、6C、6K)を設けることによるコストアップを回避することができる。
図4を参照して、定着装置30は、互いに順方向に回転しながら当接して定着ニップを形成する第1定着ローラ30a、及び第2定着ローラ30bを有している。表面の材質はシリコンゴム(厚さ1mm)、芯金はアルミ合金で両定着ローラは同一形状のローラで構成されている。
図4では、温度検知部材62が第2定着ローラ30b表面に当接され、これによって両定着ローラ30a、30bの表面温度の検出を行って、同一の温度に保たれるように制御されている。第1定着ローラ30aには温度検出部材は設置されていない。これらは、何れも図示しないハロゲンランプ等の同一W数の発熱手段を有している。
その後の冷却によって硬化して転写紙P上に定着する。定着装置30は、転写紙Pを2つの定着ローラ30a、30b間に挟み込んで両面側から加熱することで、片面側だけから加熱してその両面を昇温せしめる場合に比べ、トナー像を効率良く両面に定着させることができる。片面定着を2回繰り返すのと比較すると30〜40%の効率アップ(消費電力が減少)になることが確かめられている。
第1定着ローラ30a及び第2定着ローラ30bは温度検知部材63、64によりそれぞれの表面温度の検出を行っていて、所定の温度に保たれるように制御されている。テフロン(登録商標)表面の第2定着ローラ30bの方が第1定着ローラ30aよりも転写紙に熱を与え易いので転写紙表裏面に同量の定着熱量を与えるように10%程度低い温度に設定されている。
転写紙Pが加熱されると、転写紙Pの第1面、及び第2面に保持されている第1トナー像、及び第2トナー像中のトナーが軟化して、それぞれ紙面の微妙な凹凸に馴染んでいく。その後の冷却によって硬化して転写紙P上に定着する。表裏面で定着の与える熱量が同量になるため転写紙の変形が小さくなり搬送不良が抑えられ安定した搬送品質が得られる。
これら張架ローラのうち、何れか1つは図示しない第1発熱手段を内包しており、加熱ベルトを張架しながら昇温せしめる。第2定着ローラ30bは、互いに隣り合う2つの張架ローラ間を架橋している加熱ベルト部分に食い込んでベルト長さ方向に大きく延在する定着ニップを形成している。
そして、2つの加熱部材として実施の形態のような第1定着ローラ30a、及び第2定着ローラ30bを用いる場合、少なくとも何れか一方のローラの表面を大きな厚みの弾性材料(例えば、ゴム)で被覆する必要がある。弾性材料をもう一方との当接によって柔軟に変形させて、定着ニップを所望の長さにするためである。
このため、定着ローラ30bに弾性材料を被覆する必要がなく、被覆するにしてもその厚みを大幅に低減することができる。また、加熱ベルトを昇温せしめる張架ローラについても同様である。加熱ベルトに対しては蓄熱させることになるが、或る程度厚みの小さいものを用いることで、2つの定着ローラを当接させる場合に比べ、熱容量を小さくすることができるのである。
片面処理と両面処理とで加熱部材の表面温度の切り換えが必要になる方をより熱容量の小さな定着ベルトユニットにすることで、より迅速に表面温度を変化させることができるからである。以上のようなベルトタイプの定着装置においても本発明を適用することは可能である。
また、フルカラー画像を形成する例について説明したが、1つの感光体(像担持体)を用いて単色画像を形成する画像形成装置でもよい。また、電子写真方式のプリンタについて説明したが、直接記録方式の画像形成装置にも本発明の適用が可能である。
この直接記録方式とは、潜像担持体によらず、トナー飛翔装置からドット状に飛翔させたトナー群を中間転写体や記録体に直接付着させて画素像を形成することで、画像を直接形成する方式である。本発明に係る画像形成装置の直接記録方式では、トナー飛翔装置から飛翔したトナーが付着せしめられる中間転写体が像担持体としての機能を発揮することになる。
片面処理の場合には、両面処理の場合よりも転写工程が少なくなるため、CPM(処理速度)を増加することが可能となる。高速になると商用電力では温度低下をきたす場合があるため補助電源を予め設置しておくと良い。定着ローラ表面温度、複写枚数等をトリガとして補助電源からの電力供給を行うことにより安定した定着熱量供給が可能となる。
主電源装置67は、画像形成装置の設置場所に備えられているコンセントなどに接続されている。補助電源装置68は、充放電可能なコンデンサを有している。切り換え装置69は、主電源装置67を加熱部66に接続し、主電源装置67から所定の電力を加熱部66に供給して、この加熱部66を所定の温度に加熱する。
具体的には、加熱部66は、2本の加熱ローラを有しており、複写機やプリンタ装置等の画像形成装置で記録媒体に転写されたトナー像を加熱・加圧して記録媒体に固着させる定着装置からなる。
加熱部66の加熱ローラは加熱ヒータを内蔵しており、主電源装置67と補助電源装置68とから供給される電力により発熱する。主電源装置67は、加熱部66に応じた電圧の調整及び交流と直流の整流等の機能を有している。
補助電源装置68は、前述したように充放電可能なコンデンサを有しており、このコンデンサとしては、例えば日本ケミコン(株)の開発した電気二重層コンデンサ等を挙げることができ、2000F程度の静電容量を有し、数十秒の電力供給には充分な容量を備えている。
B 情報処理装置(パソコン)
C 通信手段(通信ケーブル)
E2 制御部
P 記録体(転写紙)
1Y 感光体(像担持体)
8 中間転写体(第1中間転写ベルト)
15 両面転写手段(第1転写ユニット)
16 中間転写体(第2中間転写ベルト)
25 両面転写手段(第2転写ユニット)
30 定着手段(定着装置)
30a 加熱部材(第1定着ローラ、第1加熱手段)
30b 加熱部材(第2定着ローラ、第2加熱手段)
62 加熱温度制御手段(温度検知部材)
63 加熱温度制御手段(温度検知部材)
64 加熱温度制御手段(温度検知部材)
65 加熱装置(定着装置)
66 加熱部(加熱部材)
67 主電源装置
68 補助電源装置
69 制御手段(切り換え装置)
Claims (7)
- 可視像を担持する像担持体と、この像担持体上の可視像を記録体の両面に転写する両面転写手段と、この両面転写手段を経由した後の前記記録体を加熱してその両面に可視像を定着する定着手段と、この定着手段の前記記録体に対する加熱温度を制御する加熱温度制御手段とを備え、前記記録体の第1面及び第2面に画像を形成する両面処理と、前記記録体の片面として前記第2面に画像を形成する片面処理とが切り換え可能になっている画像形成装置において、前記両面処理の場合と前記片面処理の場合に関わりなく前記第1面及び第2面に同じ値の定着熱量を付与することを特徴とする画像形成装置。
- 前記第1面及び第2面の可視像を定着する前記定着手段の表面材質を同材質とすると共に、同温度となるように制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記第1面及び第2面に定着熱量を与える加熱部材の材質を異なる材質で構成し、材質による熱伝導性に応じて表面温度を変え、前記第1面及び第2面に与える定着熱量が同一になるように制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記温度検知部材を前記加熱部材の何れか一方に設置し、両加熱部材の温度制御を行うことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 前記第1面に転写する可視像については、少なくとも1つの中間転写体を介在させることで、前記第2面に転写する可視像よりも多くの転写工程を経由させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置。
- 加熱部を主電源装置及び補助電源に接続するモードと主電源装置のみに接続するモードとを選択的に切り換え可能な制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置。
- 請求項1乃至6のいずれか1項記載の画像形成装置と通信手段を介して接続された情報処理装置とを含む画像形成システムにおいて、前記情報処理装置から前記画像形成装置に対して作像データの送信を含む作像制御が実行されることを特徴とする画像形成システム。
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2006
- 2006-09-29 JP JP2006268461A patent/JP2008089769A/ja active Pending
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