JP5092132B2 - 定着装置、画像形成装置、及び画像形成システム - Google Patents

定着装置、画像形成装置、及び画像形成システム Download PDF

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Description

本発明は、被記録媒体の片面又は両面に形成された可視像を加熱して熱定着する定着装置、その定着装置を備えて被記録媒体に記録画像を形成する複写機、ファクシミリ装置、プリンタあるいはこれ等の複合機等の画像形成装置、並びにその定着装置を備えて作像データの送信を含む作像制御を実行して被記録媒体に記録画像を形成する画像形成システムに関する。
従来の電子写真方式のプリンタ等には、被記録媒体の片面又は両面に形成されたトナー画像を熱定着する定着装置が用いられる。
定着装置が熱定着する被記録媒体の両面にトナー画像を形成する方式として、いわゆるスイッチバック方式と、ワンパス方式(特許文献1、2、5を参照)とが知られている。スイッチバック方式は、転写手段と定着手段とを通過して一方の面にトナー画像が形成された被記録媒体を反転させた後、転写手段と定着手段とにスイッチバックさせて、そのもう一方の面にもトナー画像を形成する方式である。
これに対し、ワンパス方式は、両面転写手段によって両面にトナー画像が転写された被記録媒体を定着手段に一度だけ通す方式である。このワンパス方式は、次の点でスイッチバック方式よりも優れている。
即ち、スイッチバック用の複雑な機構を設けることによるコストアップ、スイッチバックによる画像形成時間の長期化、定着手段による加熱でカールさせた被記録体をスイッチバックさせることによるジャム等の何れも回避し得る点である。
かかるワンパス方式を実現する電子写真式画像形成装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この電子写真式画像形成装置は、像担持体たるドラム形状の感光体に静電潜像を形成した後、トナー画像に現像する。このようにして得たトナー画像を、前段転写部、後段転写部に順次通していく。
具体的には、まず、感光体と中間転写ベルトとが対向する前段転写部で、感光体上のトナー画像を中間転写ベルト上に静電的に中間転写する。次いで、このトナー画像を中間転写ベルトの無端移動に伴って再び前段転写部に進入させるタイミングに同期させるように、感光体上に別のトナー画像を形成する。また、この感光体上に別のトナー画像を形成するタイミングに合わせて、被記録媒体を前段転写位置に送り込む。送り込まれた被記録媒体は、その第1面に中間転写ベルト上のトナー画像を接触させた状態で、その第2面に感光体上のトナー画像が静電的に転写される。このとき、中間転写ベルト上のトナー画像は、感光体側から中間転写ベルトの表面側に向かう静電力を受けるため、被記録媒体の第1面に転写されることはない。
前段転写部を通過した被記録媒体は、転写されなかった方のトナー画像に接触した状態で、中間転写ベルトの無端移動に伴って後段転写部に進入する。そして、中間転写ベルトと所定の間隙を介して対向している転写チャージャによって第2面にチャージがかけられることで、それまで転写されずにいた中間転写ベルト上のトナー画像が第1面にも転写される。
この転写により、被記録媒体に対する両面転写が完了する。両面転写後の被記録媒体は、互いに当接しながら順方向に回転する定着ローラ対を有する定着手段を通過する際に加熱されて、両面のトナー画像がそれぞれ熱定着される。
以上のようなプロセスを経ることで、被記録媒体を定着手段にスイッチバックさせることなく、その両面に記録画像を形成することが出来る。
定着装置の加熱部材として定着ベルトが知られている。そして、定着ベルトと加圧ローラ、又は二つの加熱部材の第1耐熱性定着ベルトと第2耐熱性定着ベルトで凹面形状の定着ニップ部つくり、定着ニップ部を長くして立ち上がり時間を短縮することも知られている(特許文献2、3を参照)。
又は、定着ローラの加熱部材を主電源装置及び補助電源装置に接続するモードと主電源装置のみに接続するモードとを選択的に切換えて、加熱手段に使用できる電力を増やして短時間での昇温を可能にすることも知られている(特許文献6を参照)。
他に、定着ニップ部を出た被記録媒体が定着ベルトに密着したまま巻き付くことを曲率分離方式と分離回転体によって阻止することも知られている(特許文献4を参照)。
即ち、定着ニップ部よりも定着ベルトの移動方向下流側の定着ベルト部分(B)と定着ベルトを巻き掛けた支持ローラとの間にベルトガイド部材を設ける。そのベルトガイド部材によって、その定着ベルト部分(B)が支持ローラの周面から離間するように定着ベルトを案内する。そして、定着ニップ部よりも下流側の定着ベルト部分(A)を支持ローラに接触させる。更に、ベルトガイド部材に接触する定着ベルト部分(B)に対向して微小なギャップをあけた位置に、定着ベルト表面の移動方向と逆方向に移動する向きに回転駆動する分離回転体を配置する。
然し、両面転写手段によって両面にトナー画像が転写された被記録媒体を定着手段に一度だけ通すワンパス方式においては、両面のトナー画像が未定着状態にある被記録媒体を同時に熱定着する必要がある。両面の画質差を無くする為に、定着部材はシリコン護謨の組み合わせが必須となる。従って、定着部材表面に分離手段を直接当接することが出来ないために定着後の分離性が悪く、定着ニップ部を出た被記録媒体が定着ベルトに密着したまま巻き付く不具合も生じていた。
特開平1−209470号公報 特許第3460430号 特開平10−307496号公報 特開2003−307956公報 特開2004−77843公報 特開2006−324226公報
従来の定着装置、及びその定着装置を備えた画像形成装置にあっては、機構が複雑で画像形成時間や立ち上がり時間が長く、定着ニップ部を出た被記録媒体が巻き付き分離性が悪くジャム等が発生する。そして、加熱用のエネルギーのロスも多くコスト高で形成する画像品質も低下すると言う問題が発生していた。
そこで本発明の課題は、このような問題点を解決するものである。即ち、簡易な機構で画像形成時間や立ち上げ時間が短く、ジャム等の発生やエネルギーのロスを防止する。そして、優れた被記録媒体の分離性を有して信頼性の高い高品質の記録画像を形成する低コストの定着装置、及びその定着装置を備える画像形成装置、並びに画像形成システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、被記録媒体の片面又は両面に形成されたトナー像を加熱して熱定着する定着装置において、被記録媒体の第1面に形成されたトナー像を加熱する第1面加熱手段と、被記録媒体の第2面に形成されたトナー像を加熱する第2面加熱手段と、からなり、第1面加熱手段は、発熱部材を有する第1加熱ローラと第1定着ローラとに張架された第1定着ベルトを備え、第2面加熱手段は、発熱部材を有する第2加熱ローラと第2定着ローラとに張架された第2定着ベルトを備え、第1定着ローラと第2定着ローラとは、第1、第2定着ベルトを介して互いに当接して、第2定着ローラが凹形状となる定着ニップを形成し、第1定着ベルトの、前記定着ニップの被記録媒体出口側近傍において、該ベルトの内側面の幅方向両端部を押し出し、該ベルトの幅方向中央部との間で凹凸形状部を形成する回転体からなる凹凸形状形成手段を有し、第1加熱ローラと第2加熱ローラに発熱用電力を供給する発熱用電力供給手段を備えることを特徴とする。
求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の定着装置において、第1定着ローラの外径は、第2定着ローラの外径よりも小さく、第2定着ローラはその周面に弾性体層を備えていることを特徴とする。
求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の定着装置において、前記凹凸形状形成手段は、第1定着ベルトの両端部を押し出す方向に移動可能な移動軸と、前記移動軸に保持されて第1定着ベルトの両端部を押し出すコロ部材を備えることを特徴とする。
求項4に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の定着装置において、請求項1又は2に記載の定着装置において、前記凹凸形状形成手段は、鼓形状部材を備えることを特徴とする。
求項5に記載の本発明は、請求項1、2又は3に記載の定着装置において、前記凹凸形状部は、その両端部と中央部との高低差を5〜10mmとすることを特徴とする。
求項6に記載の本発明は、請求項3に記載の定着装置において、前記コロ部材は、第1定着ベルトの両端部を内側に傾斜して押し出す傾斜面を備えることを特徴とする。
求項7に記載の本発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の定着装置において、前記凹凸形状形成手段は、被記録媒体の両面に形成されたトナー像を加熱定着する時に、被記録媒体の先端が前記定着ニップ部を通過するタイミングで作動することを特徴とする。
求項8に記載の本発明は、請求項1乃至7の何れか一項に記載の定着装置において、前記凹凸形状部に非接触で配置され、第1定着ベルトから被記録媒体を剥離する分離部材を備えることを特徴とする。
求項9に記載の本発明は、請求項2に記載の定着装置において、前記弾性体層の硬さは、ショア硬さ20〜40(Hs)であることを特徴とする定着装置。
求項10に記載の本発明は、請求項1乃至9の何れか一項に記載の定着装置において、前記発熱用電力供給手段は、発熱用電源の発熱用供給電力を選択的に切替えて第1加熱ローラと第2加熱ローラに供給する供給電力切換手段を備えることを特徴とする。
求項11に記載の本発明は、請求項1乃至10の何れか一項に記載の定着装置において、前記発熱用電力供給手段は、被記録媒体の第1面と第2面に形成する可視像を同時に加熱する際に当接する第1定着ベルトの表面温度と第2定着ベルトとの表面温度差を20(℃)以下に備えることを特徴とする。
求項12に記載の本発明は、被記録媒体に記録画像を形成する画像形成装置において、被記録媒体に記録画像を形成する画像形成ユニットと、前記画像形成ユニットで被記録媒体の片面又は両面に形成するトナー像を加熱して熱定着する請求項1乃至11の何れか一項に記載の定着装置を備えることを特徴とする。
求項13に記載の本発明は、請求項12に記載の画像形成装置において、前記画像形成ユニットは、被記録媒体の第1面に転写するトナー像を被記録媒体の第2面にトナー像を転写するよりも多くの転写工程を経由して少なくとも1つの中間転写体を備えることを特徴とする。
求項14に記載の本発明は、請求項12に記載の画像形成装置において、前記画像形成ユニットは、第1定着ベルトと第2定着ベルトの線速よりも速い第2転写ユニット外へ被記録媒体を搬送するプロセス線速を備えることを特徴とする。
求項15に記載の本発明は、作像データの送信を含む作像制御を実行して被記録媒体に記録画像を形成する画像形成システムにおいて、作像データの送信を含む作像制御を実行する情報処理装置と、前記情報処理装置と請求項1乃至11の何れか一項に記載の定着装置を搭載する画像形成装置とを接続する通信手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、簡易な機構で画像形成時間や立ち上げ時間を短縮し、ジャム等の発生やエネルギーのロスを防止することができる。そして、優れた被記録媒体の分離性を有して信頼性の高い高品質の記録画像を形成する低コストの定着装置、及びその定着装置を備える画像形成装置、並びに画像形成システムを提供することが出来る。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態例にかかる定着装置10の基本構成図である。
図2は、本発明の実施の形態例にかかる定着装置10の凹凸形状形成手段5の基本構成拡大図である。
図3は、本発明の実施の形態例にかかる定着装置10のコロ部材52の斜視図である。
図4は、本発明の実施の形態例にかかる定着装置10の鼓形状部材53の斜視図である。
図5は、本発明の実施の形態例にかかる定着装置10の分離部材6の基本構成図である。
図6は、本発明の実施の形態例にかかる定着装置10の発熱用電力供給手段4のブロック図である。
図1乃至図6において、被記録媒体の片面又は両面に形成する可視像を加熱して熱定着する定着装置10は、矢印(A)方向に進入する被記録媒体Pの第1面(P1)を加熱する第1面加熱手段1を備えている。そして、第1面加熱手段1の第1加熱ローラ11と第1定着ローラ12に張架される可撓性を有する回動自在な第1加熱定着部材13のベルト形状の第1定着ベルト130を備えている。更に、第1定着ベルト130に当接して被記録媒体Pの第2面(P2)に形成する可視像を加熱する第2面加熱手段2を備えている。更に、第2面加熱手段2の第2加熱ローラ21と第2定着ローラ22に張架される可撓性を有する回動自在な第2加熱定着部材23のベルト形状の第2定着ベルト230を備えている。更に、第1定着ローラ12と第2定着ローラ22で第1定着ベルト130と第2定着ベルト230の間に被記録媒体Pを挟み込んで形成する定着ニップ部(N)の第1面加熱手段1側に形成する凹形状部3を備えている。更に、第1加熱ローラ11と第2加熱ローラ21に発熱用電力を供給する発熱用電力供給手段4を備えている。
第1定着ベルト130と第2定着ベルト230は、互いに順方向の矢印(B)方向と矢印(C)方向に回動しながら当接して定着ニップ部(N)を形成する。第1定着ベルト130と第2定着ベルト230の基材は、厚さ90(μm)のポリイミド(PI)で、表面の材質は厚さが0.2(mm)のシリコン(Si)護謨である。
第1面加熱手段1の第1定着ローラ12は、外径が30(mm)以下で鉄系の金属ローラである。第2面加熱手段2の第2定着ローラ22は、鉄系の芯金221の外周に厚さ8(mm)で、ショアかたさ20(Hs)乃至ショアかたさ40(Hs)のシリコン(Si)スポンジ材の弾性体層220を配置している。その外径は50(mm)を備えている。
この構成により定着ニップ部(N)は、第1面加熱手段1側に凹形状部3を形成する。定着ニップ部(N)が第1面加熱手段1側に凹形状部3を形成することにより、片面記録時において定着ニップ部(N)以後は第1定着ベルト130の方向に偏位して被記録媒体Pは搬送される。
また、第1定着ローラ12の外径(30mm以下)は、第2定着ローラ22の外径(50mm)よりも小さく構成されている。第1加熱定着部材13である第1定着ベルト130の定着ニップ部(N)以後の曲率が、第2加熱定着部材23である第2定着ベルト230よりも小さい曲率を備えるので片面時には他の分離手段が無くとも被記録媒体は分離できる。
第1定着ベルト130は、定着ニップ部(N)以後の矢印(D)方向に回動する第1定着ローラ12の回動方向下流側の近傍に長手方向に変位させて凹凸形状を形成する凹凸形状形成手段5を備えている。
凹凸形状形成手段5は、図2に図示するように支持板500に形成された摺動長穴501内に配置された移動軸50を備え、移動手段54により矢印(E)方向の作動方向に押圧することにより移動軸50を移動可能にしている。そして、移動軸50には両端部持ち上げ部材51が回動動自在に保持されている。両端部持ち上げ部材51は第1定着ベルト130の幅方向両端部を持ち上げて中央部との高低差をつける凹凸形状部131を形成する手段である。
移動手段54は、被記録媒体Pの両面に形成する可視像(トナー像)を加熱して熱定着する時に定着ニップ部(N)を通過する被記録媒体の先端を被記録媒体検知手段540で検知するタイミングで駆動モータ541が回転駆動する。駆動モータ541で回動駆動される回動駆動軸542の回動により一体のカム部材543が矢印(F)方向に回動すると、押圧された移動軸50が矢印(E)方向の作動方向に移動する。そして、両端部持ち上げ部材51により第1定着ベルト130の両端部が持ち上げられて中央部との高低差を5(mm)乃至10(mm)の凹凸形状部131を形成する。
被記録媒体の両面にトナー画像がある両面定着を行う際は、定着ニップ部(N)により第1定着ベルト130の方向に被記録媒体は向かう。然し、第1定着ベルト130側にもトナー画像が有るために第1定着ベルト130からの分離が難しくなってくる。
そこで、両面定着時には、被記録媒体Pの定着ニップ部(N)以後の分離タイミングで両端部持ち上げ部材51を矢印(E)方向の作動方向に移動させる。そして、第1定着ベルト130の長手方向に凹凸形状部131を形成して被記録媒体の第1定着ベルト130からの分離を行うことが出来る。
両端部持ち上げ部材51の作動方向への移動は、第1定着ベルト130の永久変形を招くので出来るだけ短時間が望ましい。そのための両端部持ち上げ部材51を作動方向に移動させるタイミングは、定着装置10の入り口に被記録媒体検知手段540を設置する。そして、被記録媒体の図示する矢印(A)方向の進入を検知することにより容易に同期させることが可能である。
両端部持ち上げ部材51は、図3に図示するように第1定着ベルト130の両端部だけを持ち上げるコロ部材52を両端近傍に備えている。両端のコロ部材52は、第1定着ベルト130の両端部だけ傾斜面520で内側に傾斜させることにより中央部との高低差を5(mm)乃至10(mm)で持ち上げて凹凸形状部131を形成するようになっている。
このことにより、被記録媒体Pに第1定着ベルト130の中央部から剥離される力が働き第1定着ベルト130からの分離がしやすくなり分離性が優れている。
両端部持ち上げ部材51の他の形状として、図4に図示するように第1定着ベルト130の両端部から持ち上げる鼓形状の鼓形状部材53を備える形状としてもよい。鼓形状部材53は、第1定着ベルト130の両端部から中央部との高低差を5(mm)乃至10(mm)で持ち上げて凹凸形状部131を形成するようになっている。
鼓形状部材53により、被記録媒体に第1定着ベルト130の中央部から安定して剥離される力が働き第1定着ベルト130からの分離がしやすくなる。そしてり、鼓形状部材53は加工が容易で低コストで提供することができる。
更に、第1定着ベルト130からの被記録媒体Pの分離性を確実なものとする場合には、図5に図示するように凹凸形状部131の高低差が付いた中央部の数箇所に分離部材6を設置すると分離性はより効果的なものとなる。
第1温度検知手段132が第1定着ベルト130の表面に当接又は隣接して第1定着ベルト130の表面温度の検出を行って、設定温度に保たれるように制御されている。同様に第2温度検知手段231が第2定着ベルト230の表面に当接又は隣接して第2定着ベルト230の表面温度の検出を行って、設定温度に保たれるように制御されている。
第1定着ベルト130は、ハロゲンランプ等の第1発熱手段110を有している第1加熱ローラ11によって加熱される。第2定着ベルト230も、ハロゲンランプ等の第2発熱手段210を有している第2加熱ローラ21によって加熱される。
第1定着ベルト130は、被記録媒体Pの第1面(P1)に接触しながら回動して第1面(P1)を加熱する。また、第2定着ベルト230は、被記録媒体Pの第2面(P2)に接触しながら回動して第2面(P2)を加熱する。
被記録媒体が加熱されると、被記録媒体の第1面(P1)、第2面(P2)に保持されている第1トナー画像、第2トナー画像中のトナーが軟化する。軟化するトナーは、それぞれ被記録媒体Pの記録用紙等の紙面の微妙な凹凸に馴染んでいく。そして、後の冷却によって硬化して被記録媒体Pの記録用紙等の紙面上に定着する。
定着装置10は、第1定着ローラ12と第2定着ローラ22との間に、第1定着ベルト130と第2定着ベルト230を介して被記録媒体Pを挟み込んで両面側から加熱する。従って、片面側だけから加熱してその両面を昇温する場合に比べ、トナー画像を被記録媒体Pに効率良く両面に定着させることが出来る。片面定着を二回繰り返すのと比較すると30〜40%の効率アップとなり、消費電力が減少して省資源でエネルギーのロスを防止して低コストになる。
第1加熱定着部材13は、被記録媒体Pの片面に定着する時に、トナー画像は第2面(P2)だけなので第1定着ベルト130の温度は余り必要ではなく、100(℃)程度に低下させる必要がある。温度切換えをスムースに行うために熱容量を低下させる必要があり、その為にもベルトタイプの第1定着ベルト130は最適である。
第1定着ベルト130と第2定着ベルト230が当接して矢印(B)方向と矢印(C)方向に回動する線速は、第2転写ユニット620外へ被記録媒体Pを搬送するプロセス線速よりも遅い速度に設定されている。線速を5(%)程度遅くすることにより、先端側が2つの第1定着ベルト130と第2定着ベルト230間に挟み込まれた被記録媒体Pを当接する第1定着ベルト130と第2定着ベルト230の回動に伴って引っ張ることを防止する。
そして、その後端側を第2転写ユニット620の第2中間転写体621上で引きずってしまうことによる被記録媒体Pの第1面(P1)のトナー画像像の乱れを抑えることが出来る。また、被記録媒体Pをプロセス線速よりも遅い線速で定着ニップ部(N)を通過させることにより、被記録媒体Pの第1面(P1)と第2面(P2)の各トナー画像をより確実に定着させることが出来る。
発熱用電力供給手段4は、図6に図示するように発熱用電源40の発熱用供給電力を制御部42によって選択的に切替えて第1加熱ローラ11と第2加熱ローラ21に供給する供給電力切換手段41を備えている。
制御部42は、図示しないCPUの演算手段やRAMの記憶手段等から構成されている。この制御部42は、第1定着ベルト130と第2定着ベルト230の表面温度をそれぞれ検知する第1温度検知手段132、第2温度検知手段231が接続されている。そして、受信部43、操作表示器44、第1電源スイッチ410、第2電源スイッチ411、補助スイッチ412も接続されている。
受信部43は、画像形成システム900の情報処理装置901のパソコン(PC)からの通信信号を受信して制御部42に送る。これらの他、発熱用電力供給手段4の電気回路内には、発熱用電源40、第1発熱手段110、第2発熱手段210等が配設されている。
第1発熱手段110と第2発熱手段210は、それぞれ第1加熱ローラ11、第2加熱ローラ21に内包されて発熱する。第1発熱手段110は、その定格電力が600(W)になっており、それに電源を供給する発熱用電源40に第1電源スイッチ410を介して接続されている。
一方、第2発熱手段210は、定格電力600(W)の第2主発熱手段211と、定格電力300(W)の第2副発熱手段212とを有している。第2主発熱手段211は、第2電源スイッチ411を介して発熱用電源40に接続されている。また、第2副発熱手段212は、第2電源スイッチ411と補助スイッチ412とを介して発熱用電源40に接続されている。
制御部42は、ユーザーによって両面の定着処理が指定された場合、第1温度検知手段132から送られてくる第1定着ベルト130の表面温度の検知結果と、予め記憶している第1目標値(T1)とを比較する。その比較結果に基づいて第1電源スイッチ410を入り切りさせる。そして、発熱用供給電力を選択的に切替えて第1発熱手段110に対する発熱用供給電力の供給をオン/オフ(ON/OFF)制御することで、第1定着ベルト130の表面温度を第1目標値(T1)付近に維持する。
これに対し、片面の定着処理が指定された場合、第1定着ベルト130の表面温度を第1目標値(T1)よりも低くするように切換えて発熱用供給電力の供給を制御する。これにより、無駄なエネルギー消費が抑えられる。
また、制御部42は、両面処理、片面処理の何れの定着が指定された場合でも、第2温度検知手段231から送られてくる第2定着ベルト230の表面温度の検知結果と、予め記憶している第2目標値(T2)とを比較する。そして、比較結果に基づいて第2電源スイッチ411を入り切りさせる。そして、第2主発熱手段211はや第2副発熱手段212に対する発熱用供給電力の供給をオン/オフ(ON/OFF)制御して、第2定着ベルト230の表面温度を第2目標値(T2)付近に維持する。
そして、被記録媒体Pの第1面(P1)と第2面(P2)に形成する可視像を同時に加熱する際における当接する第1定着ベルト130と第2定着ベルト230の表面温度差は20(℃)以下に留められている。そして、第1定着ベルト130と第2定着ベルト230の表面温度差を20(℃)以下に留めることにより、両面の画像間の光沢性の差が認められない高品質の記録画像を形成する。
両面の定着処理が指定された場合には補助スイッチ412を切るのに対し、片面の定着処理が指定された場合には補助スイッチ412を入れる。よって、両面の定着処理が指定された場合には、第2主発熱手段210だけに発熱用供給電力が供給される。両面の定着処理、片面の定着処理の何れにおいても、第2定着ベルト230の表面温度が第2目標値(T2)付近に維持されることに変わりはない。
然し、片面の定着処理の場合には、第2発熱手段210の定格電力が600(W)から900(600+300)(W)に増加するため、第2定着ベルト230の加熱能力が高められる。よって、制御部42は、供給電力切換手段41により発熱用電源40の発熱用供給電力を選択的に切替えて、片面の定着処理のときには両面の定着処理のときよりも第2定着ベルト230の加熱能力を高めている。
このように加熱能力を高めるのは、次に説明する理由による。
即ち、被記録媒体Pとしての記録用紙に対してその第2面(P2)だけに記録画像を形成する片面の定着処理では、図7に図示する第1中間転写体611上に第2トナー画像だけが形成される。このため、第1中間転写体611上の第1トナー画像を図7に図示する第2中間転写体621上に2次転写してから被記録媒体Pの第1面に3次転写するといったことが行われない。そして、複数の被記録媒体に対して片面の定着処理を施す片面連続プリント時には、2次転写ニップにおいて、第1中間転写体611から被記録媒体の第2面(P2)への第2トナー画像の転写が連続的に行われる。このような連続的な転写では、第2中間転写体621上の第1トナー画像との同期を待って被記録媒体を2次転写ニップに送るといったことが行われず、被記録媒体が連続的に送られることになる。
被記録媒体Pが連続的に送られるために、定着装置10へ供給される被記録媒体P間の間隔が飛躍的に短くなる。そして、定着装置10内において、被記録媒体Pの第2面(P2)によって第2定着ベルト230の熱を奪う頻度が増大する。
この第2定着ベルト230の熱を奪う頻度が増大することにより、奪われる熱量が第2発熱手段210の発熱量を上回り、第2定着ベルト230の表面温度が第2目標値(T2)まで昇温されなくなるおそれがある。そうなると、加熱温度不足による第2トナー画像の定着不良が発生してしまう。そこで、片面の定着処理の場合には、第2定着ベルト230の加熱能力を高めて、被記録媒体Pの第2面(P2)を確実に加熱させるようにしているのである。
上記では、両面の定着処理のときに、600(W)の第1発熱手段110と、600(W)の第2主発熱手段211との組合せによって第1面側(P1)、第2面(P2)側をそれぞれ同じ加熱能力にする例について説明した。しかしながら、300(W)の第1発熱手段110と、600(W)の第2主発熱手段211との組合せによって第1面(P1)側、第2面(P2)側をそれぞれ異なる加熱能力にしてもよい。
従って、簡易な機構で画像形成や立ち上げ時間が短く、ジャム等やエネルギーのロスを防止して、優れた被記録媒体Pの分離性を有して信頼性の高い高品質の記録画像を形成する低コストの定着装置10を提供することが出来る。
図7は、本発明の実施の形態例にかかる定着装置10を備える画像形成装置600の基本構成図である。
図7において、被記録媒体に記録画像を形成する画像形成装置600は、被記録媒体Pの記録用紙に記録画像を形成する画像形成ユニット601を備えている。そして、画像形成ユニット601で被記録媒体Pの片面又は両面に形成する可視像を加熱して熱定着する前記実施形態に示した定着装置10を備えている。
画像形成装置600として、電子写真方式のプリンタの一実施形態について説明する。
まず、画像形成装置600のプリンタにおいて、トナー画像を形成するプロセスカートリッジ700は、イエロー(Y)プロセスカートリッジ700(Y)、マゼンタ(M)プロセスカートリッジ700(M)を備えている。そして、シアン(C)プロセスカートリッジ700(C)、ブラック(Bk)プロセスカートリッジ700(Bk)の4つのプロセスカートリッジを備えている。
これら4つの各プロセスカートリッジは、トナー画像形成物質として、互いに異なる色のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各トナーを用いるが、それ以外は同様の構成であり、寿命到達時に交換される。
そこで、イエロー(Y)のトナー画像を形成するためのプロセスカートリッジ700(Y)を例に説明して、他の各プロセスカートリッジ(M、C、Bk)の詳細な説明は重複するので省略する。
イエロー(Y)プロセスカートリッジ700(Y)は、イエロー(Y)像担持体710(Y)のドラム形状の感光体、イエロー(Y)クリーニング装置711(Y)を備えている。そして、イエロー(Y)除電装置712(Y)、イエロー(Y)帯電装置713(Y)、イエロー(Y)現像装置714(Y)等を備えている。
イエロー(Y)像担持体710(Y)のドラム形状の感光体は、例えば、直径10(mm)乃至100(mm)のアルミ製円筒に光導電性物質である有機半導体の表面層が被覆されたものである。アモルファスシリコン性の表面層が被覆されたものであってもよい。また、ドラム状ではなく、ベルト状のものであってもよい。
イエロー(Y)帯電装置713(Y)は、図示しない駆動手段によって矢印(G)方向の時計回り方向に回転するイエロー(Y)像担持体710(Y)のドラム形状の感光体の表面を一様に帯電する。一様に帯電されたイエロー(Y)像担持体710(Y)の表面は、レーザ光(L)によって露光走査されてイエロー(Y)用の静電潜像を担持する。このイエロー(Y)用の静電潜像は、イエロー(Y)トナーを用いるイエロー(Y)現像装置714(Y)によってイエロー(Y)トナー画像に現像される。そして、後述の第1中間転写体611上に1次転写される。
イエロー(Y)クリーニング装置711(Y)は、1次転写工程を経た後のイエロー(Y)像担持体710(Y)表面に残留したトナーを除去する。また、イエロー(Y)除電装置712(Y)は、イエロー(Y)クリーニング装置711(Y)でクリーニング後のイエロー(Y)像担持体710(Y)の残留電荷を除電する。この除電により、イエロー(Y)像担持体710(Y)の表面が初期化されて次の画像形成が可能になる。
他のマゼンタ(M)プロセスカートリッジ700(M)、シアン(C)プロセスカートリッジ700(C)、ブラック(Bk)プロセスカートリッジ700(Bk)においても同様にして各トナー画像が形成される。そして、第1中間転写体611の第1中間転写ベルト上に1次転写される。
プロセスカートリッジ700の下方には、露光装置715が配設され、その更に下方には画像データ処理装置716が配設されている。画像データ処理装置716は、図示しない情報処理装置901のパソコン(PC)等から送られてくる画像情報信号に基づいて、露光走査制御信号を生成して露光装置715に送る。潜像形成手段たる露光装置715は、この露光走査制御信号に基づいて発したレーザ光(L)を、各プロセスカートリッジ700(Y、M、C、Bk)におけるそれぞれの各像担持体710(Y、M、C、Bk)に照射する。
この照射を受けて露光された各像担持体710(Y、M、C、Bk)上には、各イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)用の静電潜像が形成される。
尚、露光装置715は、図示しない光源から発したレーザ光(L)を、駆動モータで回転駆動するポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して各像担持体710(Y、M、C、Bk)上に照射するものである。
かかる構成の露光装置715に代えて、LEDアレイからのLED光を照射する露光手段を採用しても良い。また、露光装置715の筐体には、その上方に配設された各像担持体710(Y、M、C、Bk)から落下してくるトナーによる内部部品の汚染を防止するために、図示しないシール部材が設けられている。
画像データ処理装置716の下側には、被記録媒体給送装置602が配設されている。被記録媒体給送装置602は、被記録媒体収容部801と被記録媒体給送路802等を備えている。
被記録媒体収容部801は、第1被記録媒体収容カセット810と第2被記録媒体収容カセット811を備えている。そして、これら第1被記録媒体収容カセット810と第2被記録媒体収容カセット811にそれぞれ個別に組み込まれた第1被記録媒体給送コロ813と第2被記録媒体給送コロ814等を有する。
被記録媒体給送路802は、レジストローラ対820の第1レジストローラ821と第2レジストローラ822を備えている。
被記録媒体Pの収容手段たる被記録媒体収容部801の2つの第1被記録媒体収容カセット810と第2被記録媒体収容カセット811は、被記録媒体Pの記録用紙を複数枚重ねた記録用紙束の状態で収容している。そして、それぞれの一番上の被記録媒体Pの記録用紙には第1被記録媒体給送コロ813と第2被記録媒体給送コロ814が当接している。これら第1、2被記録媒体給送コロ813、814が図示しない駆動手段によって矢印(M)方向の反時計回り方向に回動すると、一番上の被記録媒体Pが被記録媒体供給路たる被記録媒体給送路802に向けて送られる。
そして、被記録媒体給送路802の最下流側に配設されているレジストローラ対820の第1レジストローラ821と第2レジストローラ822間に至る。レジストローラ対820は、被記録媒体Pを挟み込むべく両第1レジストローラ821と第2レジストローラ822を回動駆動させるが、挟み込んですぐに回動を一旦停止させる。そして、被記録媒体Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
各プロセスカートリッジ700(Y、M、C、Bk)の上方には、第1中間転写体611の第1中間転写ベルトを張架しながら無端移動する第1転写ユニット610が配設されている。この第1転写ユニット610は、第1中間転写体611の他、4つの各1次転写ローラ612(Y)、1次転写ローラ612(M)、1次転写ローラ612(C)、1次転写ローラ612(Bk)等を備えている。また、2次転写バックアップローラ613、第1クリーニングバックアップローラ614、テンションローラ615なども備えている。
第1中間転写体611は、これら3つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって矢印(Q)方向の反時計回り方向に無端移動される。4つの各1次転写ローラ612(Y、M、C、Bk)は、このように無端移動される第1中間転写体611を各像担持体710(Y、M、C、Bk)との間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。これらは、第1中間転写体611の裏面のループ内周面にトナーとは逆極性、例えばプラスの1次転写バイアスを印加する方式のものであるが、電極から放電させるチャージャ方式のものであってもよい。
第1中間転写体611は、1次転写バイアスによる静電転写を実現するのに適した電気抵抗条件になっている。具体的には、樹脂フィルムや護謨等からなる50(μm)乃至500(μm)の厚みのベルト基体に、低表面エネルギーの材料からなる表面層がコートされ、全体の体積抵抗値が10乃至1014(Ωcm)になっている。また、表面抵抗率は、10乃至1015(Ωcm)の範囲に調整されている。各1次転写ローラ612(Y、M、C、Bk)を除くローラは、全て電気的に接地されている。
第1中間転写体611は、その無端移動に伴って各イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)用の1次転写ニップを順次通過していく。各1次転写ニップでは、各像担持体710(Y、M、C、Bk)上の各イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)のトナー画像がニップ圧や1次転写バイアスの作用によって重ね合わせて1次転写される。これにより、第1中間転写体611上に4色重ね合わせた4色トナー画像が形成される。第1中間転写体611を張架している2次転写バックアップローラ613は、後述の第2中間転写体621の第2中間転写ベルトに食い込むような配設位置になっている。このような食い込み配置により、第1中間転写体611と第2中間転写体621とをそれぞれ周長方向に広く当接させる2次転写ニップが形成されている。
この2次転写ニップは、ワンパス方式の両面転写を実現するための前段転写部である。第1中間転写体611上に形成された可視像たる4色トナー画像は、2次転写ニップにおいて第2中間転写体621あるいは被記録媒体Pに2次転写される。2次転写ニップを通過した後の第1中間転写体611には、第2中間転写体621あるいは被記録媒体Pに2次転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、第1ベルトクリーニング装置616によってクリーニングされる。
具体的には、第1中間転写体611は、その表面のループ外面側に当接するように配設された第1ベルトクリーニング装置616と、その裏面側に配設された第1クリーニングバックアップローラ614との間に挟まれる。そして、表面上の転写残トナーが第1ベルトクリーニング装置616に機械的あるいは静電的に回収されてクリーニングされる。
かかる構成の第1転写ユニット610の上方には、ボトル収容器717が配設されている。このボトル収容器717内には、各イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各トナーを内包する各トナーボトル717(Y、M、C、Bk)が収められている。各トナーボトル717(Y、M、C、Bk)に内包する各イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)のトナーは、各プロセスカートリッジ700(Y、M、C、Bk)内の各現像装置714(Y、M、C、Bk)に補給される。
このボトル収容器717の右側方には、画像形成装置600の本体内の空気を外部に排出する冷却ファン718が配設され、本体内の温度の過昇を防いでいる。
また、第1転写ユニット610の右側方には、第2中間転写体621を張架しながら無端移動せしめる第2転写ユニット620が配設されている。この第2転写ユニット620は、第2中間転写体621の他、第2クリーニング装置622、転写チャージャ623、廃トナー収容器624などを備えている。更に、ニップ拡張ローラ625、2次転写ローラ626、テンションローラ627、第2クリーニングバックアップローラ628、3次転写バックアップローラ629等も備えている。
第2中間転写体621は、これら5つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって、矢印(R)方向の時計回り方向に無端移動する。
上述した第1転写ユニット610の2次転写バックアップローラ613は、ニップ拡張ローラ625と2次転写ローラ626との間の第2中間転写体621の架橋部分に食い込んで2次転写ニップを形成している。2次転写ローラ626は、金属製ローラか、あるいは芯金に導電性のゴム層が被覆されたローラで、図示しない電源によってトナーと反対極性、例えば、プラス極性の2次転写バイアスが印加される。第2転写ユニット620におけるこれ以外のローラは全て接地されている。
レジストローラ対820は、第1、2レジストローラ821、822間に挟み込んだ被記録媒体Pを第1中間転写体611上に1次転写された4色トナー画像に密着させ得るタイミングで2次転写ニップに向けて送り出す。
但し、この4色トナー画像が、被記録媒体Pの第1面(T1)の後述するスタック部605上で上を向く面に転写されるべき第1トナー画像である場合には、被記録媒体Pを送り出さない。よって、このとき、第1中間転写体611上の第1トナー画像は、2次転写ニップにおいてニップ圧や2次転写バイアスの作用を受けて第2中間転写体621上に2次転写される。これに対し、第1中間転写体611上の4色トナー画像が被記録媒体Pの第2面(P2)面に転写されるべき第2トナー画像である場合に、レジストローラ対820は、この第2トナー画像に同期させて被記録媒体Pを送り出す。
よって、第2トナー画像は、2次転写ニップにおいて被記録媒体Pの第2面(P2)に2次転写される。そして、被記録媒体Pの白色と相まってフルカラーの記録画像となる。
このとき、2次転写ニップで被記録媒体Pの第1面(P1)と第2中間転写体621との間に挟まれている第1トナー画像は、2次転写バイアスの作用によって第2中間転写体621側に引き寄せられる。このため、被記録媒体Pの第1面(P1)に密着しているが、そこに2次転写されるわけではない。
第2中間転写体621は、このような静電的な2次転写を実現するのに適した電気抵抗条件になっている。具体的には、ポリイミドやポリアミドイミドなどからなる厚み50(μm)乃至500(μm)のベルト基体に、フッ素などの低表面エネルギーの材料からなる表面層がコートされている。そして、全体の体積抵抗値が10(Ωcm)乃至1014(Ωcm)になっている。また、表面抵抗率が10(Ωcm)乃至1015(Ωcm)に調整されている。
第1転写ユニット610において、2次転写バックアップローラ613は、第1中間転写体611を、その移動方向がほぼ反転するような形状で張架している。そして、移動方向を反転させつつある第1中間転写体611部分を第2中間転写体621に当接させて2次転写ニップを形成している。
よって、2次転写ニップの出口では、第1中間転写体611が被記録媒体Pから離間し、被記録媒体Pが第2中間転写体621の表面だけに保持されて搬送されるようになる。そして、第2中間転写体621の無端移動に伴って、後段転写部である3次転写部に送られる。
この3次転写部では、第2中間転写体621の3次転写バックアップローラ629による張架部分に対し、転写チャージャ623が所定の間隙を介して配設されている。第2中間転写体621上の被記録媒体Pは、この3次転写部を通過する際に、転写チャージャ623によって第2面(P2)側にトナーと反対極性、例えば、プラス極性の電荷が付与される。これにより、被記録媒体Pの第1面(P1)と第2中間転写体621との間に挟まれていた第1トナー画像が被記録媒体Pの第1面(P1)に3次転写されてフルカラーの記録画像になる。
以上のようにして両面転写を実現する画像形成装置600のプリンタでは、第1転写ユニット610と第2転写ユニット620との組合せにより、被記録媒体Pの記録用紙の両面に可視像の4色トナー画像を静電転写する両面転写手段が構成されている。
尚、1次転写バイアスや2次転写バイアスが印加される部材として、1次転写ローラ612、2次転写ローラ626ではなく、ブラシ等の他の形状のものを用いてもよい。また、転写バイアスを部材に印加する静電転写方式ではなく、非接触放電式を採用してもよい。
3次転写バックアップローラ629は、第2中間転写体621の第2中間転写ベルトをほぼ90度に折り曲げるような形状で張架している。そして、3次転写部を通過した被記録媒体Pの先端側が第2中間転写体621の折れ曲がり地点付近で第2中間転写体621から離間して、第2中間転写体621の折れ曲がり前の矢印(S)方向の移動方向に延出する。この移動方向側には、前述した定着手段たる定着装置10が配設されている。よって、第2中間転写体621から離間した被記録媒体Pは、定着装置10内に送り込まれて加熱して熱定着が行われて送り出される。
ここで、画像形成ユニット601における第2転写ユニット620外へ被記録媒体Pを搬送するプロセス線速は、定着装置10の当接する第1加熱定着部材13と第2加熱定着部材23の線速よりも速く設定されている。プロセス線速を5(%)程度速くすることにより、先端側が2つの第1定着ベルト130と第2定着ベルト230間に挟み込まれた被記録媒体Pを当接する第1定着ベルト130と第2定着ベルト230の回動で引っ張ることを防止する。
そして、その後端側を第2転写ユニット620の第2中間転写体621上で引きずってしまうことによる被記録媒体Pの第1面(P1)のトナー画像像の乱れを抑えることが出来る。また、被記録媒体Pをプロセス線速よりも遅い線速で定着ニップ部(N)を通過させることにより、被記録媒体Pの第1面(P1)と第2面(P2)の各トナー画像をより確実に定着させることが出来る。
そして、定着装置10を通過した被記録媒体Pは、反転ガイド部材603に沿って移動して反転した後、排出ローラ対604を経て装置外へと排出され、装置本体の筺体の上面に形成されたスタック部605にスタックされる。
定着装置10の第1加熱定着部材13の第1定着ベルト130、第2加熱定着部材23の第2定着ベルト230は、第1温度検知手段132、第2温度検知手段231によって表面温度が検知される。この第1温度検知手段132、第2温度検知手段231は、検知される各表面温度をボトル収容器717の左側方に配設された制御部42に送信する。
制御部42は、第1、2温度検知手段132、231から送られてくる表面温度の検知結果に基づいて、第1、2加熱ローラ11、21の第1、2発熱手段110、210に対する発熱用電力の供給をオン/オフ(ON/OFF)制御する。そして、それぞれの表面温度を一定範囲の目標範囲に維持する。
よって、画像形成装置600のプリンタでは、定着装置10の被記録媒体Pに対する加熱温度を制御する加熱温度制御手段が構成されている。
転写チャージャ623と3次転写バックアップローラ629の3次転写部を通過した後の第2中間転写体621は、第2クリーニングバックアップローラ628と第2クリーニング装置622との間に挟み込まれる。そして、表面の転写残トナーが機械的又は静電的にクリーニングされる。
クリーニングによって第2クリーニング装置622に回収された転写残トナーは、スクリュー部材等によって廃トナー収容器624に落とし込まれる。廃トナー収容器624を第2クリーニング装置622とは別に設けることで、廃トナーの取り扱い性を向上させることが出来る。
第2クリーニング装置622が第2中間転写体621に常に当接していると、第2中間転写体621上に2次転写された第1トナー画像もクリーニングしてしまうことになる。そこで、第2クリーニング装置622は、図示しない揺動機構によって揺動軸630を中心に矢印(U)方向の揺動方向に揺動することで、第2中間転写体621に接離するようになっている。そして、少なくともその第2クリーニング装置622のクリーニング位置を第1トナー画像が通過する間は、第2中間転写体621から離間して、第1トナー画像のクリーニングを回避するようになっている。
第1中間転写体611を定着装置10からの放射熱によって昇温させてしまう場合には、第1中間転写体611を冷却する冷却手段を設けることが望ましい。この冷却手段の配設位置は、第1ベルトクリーニング装置616でクリーニングされた後、各1次転写ローラ612(Y、M、C、BK)の各1次転写ニップに進入する前の第1中間転写体611部分を冷却できる位置にする。
このような位置にすることで、定着装置10の熱を第1中間転写体611を介して各像担持体710(Y、M、C、BK)に伝えることによる各像担持体710(Y、M、C、BK)の感光体劣化や画質劣化を抑えることが出来る。
尚、冷却手段としては、第1中間転写体611に接触しながらそれを冷却する冷却部材を用いる方法や、送風によって冷却する方法等が挙げられる。但し、後者の方法では、送風によって生じる乱流によって未定着のトナー画像を乱すおそれがあるので、装置内部での気流について考慮する必要がある。また、冷却部材としては、ヒートパイプを用いるとよい。
本画像形成装置600のように、感光体等の各像担持体710(Y、M、C、BK)を複数並べて配設し、それぞれで形成した可視像を連続的に重ね合わせ転写して多色画像等の重ね合わせ画像を形成する方式をタンデム方式と言う。
これに対し、1つの像担持体に可視像を形成して中間転写体に転写した後、再び像担持体に可視像を形成して中間転写体上の可視像に重ね合わせ転写する工程を繰り返して重ね合わせ画像を形成する方式もある。この方式では、可視像の形成、転写という工程を繰り返し行わなくてはならない。
一方、タンデム方式の本画像形成装置600では、重ね合わせ転写すべき複数の可視像をそれぞれに対応する各像担持体710(Y、M、C、BK)上でほぼ同時に形成することが出来るので、画像形成速度を大幅に速めることができる。
上述したように、本画像形成装置600では、上記第1トナー画像は上記第2トナー画像に先行して形成される。そして、2次転写ローラ626の2次転写ニップで第1中間転写体611から第2中間転写体621に2次転写された後、転写チャージャ623の3次転写部で被記録媒体Pの第1面(P1)に3次転写される。
この第1面(P1)とは、スタック部605で上方を向く面である。よって、スタック部605にスタックされる被記録媒体Pは、先行して形成された第1トナー画像を上に向け、且つその後に形成された第2トナー画像を下に向けた状態で順次スタックされていく。本画像形成装置600は、このようにスタックされていく被記録媒体Pの頁番号を小さい方から順に揃えるべく、奇数、偶数と連続する2つの頁番号の画像について、頁番号の大きい方を先に上記第1トナー画像として形成する。例えば、1頁目の画像に先行して2頁目の画像を第1トナー画像として形成するのである。そうすると、数頁にわたる原稿を連続して出力しても、スタック部605において、頁番号を下から順に揃えることが可能になる。
但し、被記録媒体Pの第2面(P2)だけに記録画像を形成する片面処理を実行する際には、頁番号の小さい画像から順に形成していき、それぞれ被記録媒体Pの第2面(P2)に2次転写する。このことにより、片面処理においても、スタック部605で頁番号を下から順に揃えることが出来る。
画像形成ユニット601は、被記録媒体Pの第1面(P1)に転写する可視像を被記録媒体Pの第2面(P2)に可視像を転写するよりも多くの転写工程を経由して少なくとも1つの中間転写体621を備えている。4つの各像担持体710(Y、M、C、BK)において、第2トナー画像は非鏡像の正像として形成される。これは、形成された第2トナー画像が、1次転写、2次転写という2回の転写工程を経て被記録媒体Pに至る過程で鏡像、正像と変化するからである。各像担持体710(Y、M、C、BK)上で正像として形成されることで、被記録媒体Pの第2面(P2)においても正像になるのである。これに対し、第1トナー画像は、3次転写まで行われるため、第2トナー画像よりも転写工程が1回多くなる。よって、各像担持体710(Y、M、C、BK)上で鏡像として形成される。このことにより、転写毎に正像、鏡像、正像と変化して、被記録媒体Pの第1面(P1)において正像となることが出来る。
画像形成装置600の筺体の一部は、側方カバー606を備えている。この側方カバー606は、回動軸660を中心に回動自在に構成され、第2転写ユニット620、廃トナー収容器624、定着装置10を内包している。そして、回動軸660を中心に矢印(W)方向の時計回り方向に回動することで、本体から見開かれた状態になる。この状態では、側方カバー606とともに回動した第2転写ユニット620が本体側に固定された第1転写ユニット610から大きく離間し、2次転写ニップを形成しなくなる。
また、2つの第1、2被記録媒体収容カセット810、811から排出ローラ対604に至るまでの被記録媒体給送路802が縦方向に2分して大きく露出する。このことにより、被記録媒体給送路802内で発生したジャム紙の処理作業や、被記録媒体給送路802回りの各装置の保守点検作業が容易になる。また、第2クリーニング装置622や廃トナー収容器624の交換も可能になる。
従って、簡易な機構で画像形成時間や立ち上げ時間が短く、ジャム等の発生やエネルギーのロスを防止する。そして、優れた被記録媒体Pの分離性を有して信頼性の高い高品質の記録画像を形成する低コストの定着装置10を備える画像形成装置600を提供することが出来る。
図8は、本発明の実施の形態例にかかる定着装置10を備える画像形成システム900の基本構成図である。
図8において、作像データの送信を含む作像制御を実行して被記録媒体に記録画像を形成する画像形成システム900は、作像データの送信を含む作像制御を実行する情報処理装置901と、情報処理装置901と前記実施形態に係る定着装置10を搭載する画像形成装置600を接続する通信手段902を備えている。
画像形成システム900は、情報処理装置901のパーソナルコンピュータ(PC)等から送られてくる画像情報信号に基づいて被記録媒体Pに記録画像を形成する。通信手段902は、図示するように情報処理装置901と定着装置10を搭載する画像形成装置600を通信ケーブルによって接続した画像形成システムの例を示したが、無線方式による接続を採用してもよい。
画像形成装置600の本体の前面左隅には、タッチパネル等からなる操作表示器607が固定されている。ユーザーは、この操作表示器607のディスプレイに現れるガイド表示に従って、作像プロセス条件や被記録媒体Pの条件等の各種パラメータを入力することが出来る。上述の片面処理と、両面処理との切換については、この操作表示器607に用意されている図示しないモード切換ボタンを操作することによって行われる。
画像形成装置600の本体の前面には、前扉608が開閉自在に設けられている。前扉608が開かれると、図示しない第1転写ユニット610を支持する支持体719が大きく露出する。この支持体719は、図示しないガイドレール上を本体の前後方向にスライド移動可能に構成され、本体内から前面側に向けて引き出されることで、第1転写ユニット610を露出させる。そして、この露出により、第1転写ユニット610の保守点検作業を容易にしている。
また、前扉608が開かれると、支持体719の上方に配設されたボトル収容器717内の各トナーボトル717(Y、M、C、Bk)の端面が露出する。それぞれ端面を露出させた各トナーボトル717(Y、M、C、Bk)は、ボトル収容器717に対して前後方向に着脱可能である。
前扉608を開けば、本体に対する各トナーボトル717(Y、M、C、Bk)の前後方向への着脱が可能になる構成である。
スタック部605が形成されている本体の上面を開閉自在な上扉とし、これを開いて各トナーボトル717(Y、M、C、Bk)を上下方向に着脱するといった構成ではない。このため、オプションの図示しないスキャナ装置を画像形成装置600の本体の上方に配設して複写機を構成する場合でも、各トナーボトル717(Y、M、C、Bk)を着脱することが出来る。
2つの第1被記録媒体収容カセット810と第2被記録媒体収容カセット811は、前扉608の下方に配設され、前後方向のスライド移動によって本体から着脱されるように構成されている。前扉608を開いても、第1被記録媒体収容カセット810と第2被記録媒体収容カセット811の着脱や、操作表示器607への入力の操作性を損ねることはない。
従って、簡易な機構で画像形成時間や立ち上げ時間が短く、ジャム等の発生やエネルギーのロスを防止する。そして、優れた被記録媒体Pの分離性を有して信頼性の高い高品質の記録画像を形成する低コストの定着装置10を備える画像形成システム900を提供することが出来る。
次に、本実施形態に係る定着装置10、及びその定着装置10を備える画像形成装置600並びに画像形成システムの特徴的な構成について図1、図7及び図8を参照して説明する。
定着装置10では、両面処理又は片面処理に関わらず、第2面加熱手段2の第2定着ベルト230は、その表面温度が制御されている。そして、第2定着ベルト230に接触する被記録媒体Pの第2面(P2)に担持されている第2トナー画像のトナーを十分に軟化させ得る値にその表面温度が制御される。
また、第1面加熱手段1の第1定着ベルト130もその表面温度が制御されている。そして、第1定着ベルト130に接触する被記録媒体Pの第1面(P1)に担持されている第1トナー画像のトナーを十分に軟化させ得る値にその表面温度が制御される。
尚、片面処理においては、3次転写部における第1トナー画像の3次転写が不要になる。そこで、本画像形成装置600は、片面処理の場合に第2転写ユニット620の転写チャージャ623を不作動にするように構成されている。これによって3次転写部で被記録媒体Pに無駄なチャージをかけないことによって、片面処理における無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
上記では、第1、2面加熱手段1、2の第1、2加熱定着部材13、23が、第1定着ベルト130や第2定着ベルト230との接触によって加熱する例について説明した。然し、光照射や熱風照射によって非接触方式で加熱するようにしてもよい。
但し、第1、2加熱定着部材13、23を接触させる直接方式を採用することで、非接触方式よりも消費エネルギー量を少なくし得る。また、直接方式では、第1、2加熱定着部材13、23を無端移動させるなどして、被記録媒体Pに搬送力を付与しながら加熱処理を施すことが出来るので、搬送力付与部材と加熱手段とを別々に設ける場合に比べて省スペース化を図ることも出来る。
定着装置10の両面定着処理において、第1定着ベルト130の表面温度と第2定着ベルト230の表面温度との差を20(℃)以下に留めるように設定されている。表面温度差を大きくし過ぎると、被記録媒体Pの第1面(P1)と第2面(P2)とで画像の光沢性の違いを目立たせるなど、画質に大きな差が生じてしまう。よって、互いの表面温度差をある程度小さくすることが望ましい。
尚、本発明者らの研究によれば、被記録媒体Pとして普通紙を用いた場合に、第1面(P1)と第2面(P2)に20(℃)よりも大きな加熱温度差を設けると、両面の画像間に光沢性の差が認められるようになることがわかった。よって、両面処理において、第1定着ベルト130と第2定着ベルト230の表面温度差を20(℃)以下に留めることが望ましい。
本画像形成装置600は、上述のように、被記録媒体Pの第1面(P1)に転写する第1トナー画像に対して、被記録媒体Pの第2面(P2)に転写する第2トナー画像よりも1回多く転写工程を経由させている。このように第1トナー画像に転写工程を多く経由させることで、同一のプロセスカートリッジ(Y、M、C、Bk)群で形成した第1トナー画像、第2トナー画像を、それぞれ被記録媒体Pの反対側の面に対向せしめて転写することが出来る。よって、それぞれを形成するための専用のプロセスカートリッジ(Y、M、C、Bk)群を設けることによるコストアップを回避することが出来る。
これまで、像担持体710としてドラム状の感光体を用いた画像形成装置600や実施例装置について説明したが、ベルト上の感光体など、他の方式のものを用いてもよい。また、中間転写体については、ベルト方式のものに限られず、ローラ方式などのものでも良い。また、粉体トナーではなく、トナーと液体キャリアとを含有する液体現像剤を用いることも可能である。
また、フルカラーの記録画像を形成する例について説明したが、1つの感光体を用いて単色画像を形成する装置でもよい。また、電子写真方式のプリンタについて説明したが、直接記録方式の画像形成装置にも本発明の適用が可能である。この直接記録方式とは、潜像担持体によらず、トナー飛翔装置からドット状に飛翔させたトナー群を中間転写体や記録体に直接付着させて画素像を形成することで、画像を直接形成する方式である。本発明に係る画像形成装置600の直接記録方式では、トナー飛翔装置から飛翔したトナーが付着せしめられる中間転写体が像担持体としての機能を発揮することになる。
以上、実施形態に係る画像形成装置600のプリンタや各実施例装置においては、被記録媒体Pの第1面(P1)に対する加熱温度である第1定着ベルト130の表面温度を、次のようにする制御が実施される。即ち、両面処理や片面処理において、第1定着ベルト130と第2定着ベルト230で被記録媒体Pに与える定着熱量を同量にする制御である。このような制御を実施することで、被記録媒体Pの変形が小さくなり搬送不良が抑えられ安定した搬送品質得られる。
片面処理の場合には、両面処理の場合よりも転写工程が少なくなるため、CPMを増加することが可能となる。高速になると商用電力では温度低下をきたす場合があるため補助電源を予め設置される。そして、第1定着ベルト130と第2定着ベルト230の表面温度、被記録媒体Pの記録画像形成の枚数等をトリガーとして補助電源からの電力供給を行うことにより安定した定着熱量供給が可能となる。
従って、簡易な機構で画像形成時間や立ち上げ時間が短く、ジャム等の発生やエネルギーのロスを防止する。そして、優れた被記録媒体Pの分離性を有して信頼性の高い高品質の記録画像を形成する低コストの定着装置10、及びその定着装置10を備える画像形成装置600、並びに画像形成システム900を提供することが出来る。
本発明の実施の形態例にかかる定着装置の基本構成図である。 本発明の実施の形態例にかかる定着装置の凹凸形状形成手段の基本構成拡大図である。 本発明の実施の形態例にかかる定着装置のコロ部材の斜視図である。 本発明の実施の形態例にかかる定着装置の鼓形状部材の斜視図である。 本発明の実施の形態例にかかる定着装置の分離部材の基本構成図である。 本発明の実施の形態例にかかる定着装置の発熱用電力供給手段のブロック図である。 本発明の実施の形態例にかかる定着装置を備える画像形成装置の基本構成図である。 本発明の実施の形態例にかかる定着装置を備える画像形成システムの基本構成図である。
符号の説明
1、2 第1、2面加熱手段、3 凹形状部、4 発熱用電力供給手段、5 凹凸形状形成手段、6 分離部材、10 定着装置、11 第1加熱ローラ、12 第1定着ローラ、13 第1加熱定着部材、21 第2加熱ローラ、22 第2定着ローラ、23 第2加熱定着部材、40 発熱用電源、41 供給電力切換手段、42 制御部、43 受信部、44 操作表示器、50 移動軸、51 両端部持ち上げ部材、52 コロ部材、53 鼓形状部材、54 移動手段、110 第1発熱手段、130 第1定着ベルト、131 凹凸形状部、132 第1温度検知手段、210 第2発熱手段、211 第2主発熱手段、212 第2副発熱手段、220 弾性体層、221 芯金、230 第2定着ベルト、231 第2温度検知手段、410、411 第1、2電源スイッチ、412 補助スイッチ、500 支持板、501 摺動長穴、520 傾斜面、540 被記録媒体検知手段、541 駆動モータ、542 回動駆動軸、543 カム部材、600 画像形成装置、601 画像形成ユニット、602 被記録媒体給送装置、603 反転ガイド部材、604 排出ローラ対、605 スタック部、606 側方カバー、607 操作表示器、608 前扉、610 第1転写ユニット、611 第1中間転写体、612 1次転写ローラ、612(Y) イエイロー(Y)1次転写ローラ、612(M) マゼンタ(M)1次転写ローラ、612(C) シアン(C)1次転写ローラ、612(Bk) ブラック(Bk)1次転写ローラ、613 2次転写バックアップローラ、614 第1クリーニングバックアップローラ、615 テンションローラ、616 第1ベルトクリーニング装置、620 第2転写ユニット、621 第2中間転写体、622 第2クリーニング装置、623 転写チャージャ、624 廃トナー収容器、625 ニップ拡張ローラ、626 2次転写ローラ、627 テンションローラ、628 第2クリーニングバックアップローラ、629 3次転写バックアップローラ、630 揺動軸、660 回動軸、700 プロセスカートリッジ、700(Y) イエイロー(Y)プロセスカートリッジ、700(M) マゼンタ(M)プロセスカートリッジ、700(C) シアン(C)プロセスカートリッジ、700(Bk) ブラック(Bk)プロセスカートリッジ、710 像担持体、710(Y) イエイロー(Y)像担持体、710(M) マゼンタ(M)像担持体、710(C) シアン(C)像担持体、710(Bk) ブラック(Bk)像担持体、711 クリーニング装置、711(Y) イエロー(Y)クリーニング装置、711(M) マゼンタ(M)クリーニング装置、711(C) シアン(C)クリーニング装置、711(Bk) ブラック(Bk)クリーニング装置、712 除電装置、712(Y) イエロー(Y)除電装置、712(M) マゼンタ(M)除電装置、712(C) シアン(C)除電装置、712(Bk) ブラック(Bk)除電装置、713 帯電装置、713(Y) イエロー(Y)帯電装置、713(M) マゼンタ(M)帯電装置、713(C) シアン(C)帯電装置、713(Bk) ブラック(Bk)帯電装置、714 現像装置、714(Y) イエロー(Y)現像装置、714(M) マゼンタ(M)現像装置、714(C) シアン(C)現像装置、714(Bk) ブラック(Bk)現像装置、715 露光装置、716 画像データ処理装置、717 ボトル収容器、717(Y) イエロー(Y)トナーボトル、717(M) マゼンタ(M)トナーボトル、717(C) シアン(C)トナーボトル、717(Bk) ブラック(Bk)トナーボトル、718 冷却ファン、719 支持体、801 被記録媒体収容部、802 被記録媒体給送路、810、811 第1、2被記録媒体収容カセット、813、814 第1、2被記録媒体給送コロ、820 レジストローラ対、821、822 第1、2レジストローラ、900 画像形成システム、901 情報処理装置、902 通信手段

Claims (15)

  1. 被記録媒体の片面又は両面に形成されたトナー像を加熱して熱定着する定着装置において、
    被記録媒体の第1面に形成されたトナー像を加熱する第1面加熱手段と、被記録媒体の第2面に形成されたトナー像を加熱する第2面加熱手段と、からなり、
    第1面加熱手段は、発熱部材を有する第1加熱ローラと第1定着ローラとに張架された第1定着ベルトを備え、
    第2面加熱手段は、発熱部材を有する第2加熱ローラと第2定着ローラとに張架された第2定着ベルトを備え、
    第1定着ローラと第2定着ローラとは、第1、第2定着ベルトを介して互いに当接して、第2定着ローラが凹形状となる定着ニップを形成し、
    第1定着ベルトの、前記定着ニップの被記録媒体出口側近傍において、該ベルトの内側面の幅方向両端部を押し出し、該ベルトの幅方向中央部との間で凹凸形状部を形成する回転体からなる凹凸形状形成手段を有し、
    1加熱ローラと第2加熱ローラに発熱用電力を供給する発熱用電力供給手段を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置において、第1定着ローラの外径は、第2定着ローラの外径よりも小さく、第2定着ローラはその周面に弾性体層を備えていることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1又は2に記載の定着装置において、
    前記凹凸形状形成手段は、第1定着ベルトの両端部を押し出す方向に移動可能な移動軸と、前記移動軸に保持されて第1定着ベルトの両端部を押し出すコロ部材を備えることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1又は2に記載の定着装置において、
    前記凹凸形状形成手段は、鼓形状部材を備えることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1、2又は3に記載の定着装置において、
    前記凹凸形状部は、その両端部と中央部との高低差を5〜10mmとすることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項3に記載の定着装置において、前記コロ部材は、第1定着ベルトの両端部を内側に傾斜して押し出す傾斜面を備えることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の定着装置において、
    前記凹凸形状形成手段は、被記録媒体の両面に形成されたトナー像を加熱定着する時に、被記録媒体の先端が前記定着ニップ部を通過するタイミングで作動することを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の定着装置において、
    前記凹凸形状部に非接触で配置され、第1定着ベルトから被記録媒体を剥離する分離部材を備えることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項2に記載の定着装置において、前記弾性体層の硬さは、ショア硬さ20〜40(Hs)であることを特徴とする定着装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載の定着装置において、前記発熱用電力供給手段は、発熱用電源の発熱用供給電力を選択的に切替えて第1加熱ローラと第2加熱ローラに供給する供給電力切換手段を備えることを特徴とする定着装置。
  11. 請求項1乃至10の何れか一項に記載の定着装置において、前記発熱用電力供給手段は、被記録媒体の第1面と第2面に形成する可視像を同時に加熱する際に当接する第1定着ベルトの表面温度と第2定着ベルトとの表面温度差を20(℃)以下に備えることを特徴とする定着装置。
  12. 被記録媒体に記録画像を形成する画像形成装置において、被記録媒体に記録画像を形成する画像形成ユニットと、前記画像形成ユニットで被記録媒体の片面又は両面に形成するトナー像を加熱して熱定着する請求項1乃至11の何れか一項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置
  13. 請求項12に記載の画像形成装置において、前記画像形成ユニットは、被記録媒体の第1面に転写するトナー像を被記録媒体の第2面にトナー像を転写するよりも多くの転写工程を経由して少なくとも1つの中間転写体を備えることを特徴とする画像形成装置
  14. 請求項12に記載の画像形成装置において、前記画像形成ユニットは、第1定着ベルトと第2定着ベルトの線速よりも速い第2転写ユニット外へ被記録媒体を搬送するプロセス線速を備えることを特徴とする画像形成装置
  15. 作像データの送信を含む作像制御を実行して被記録媒体に記録画像を形成する画像形成システムにおいて、作像データの送信を含む作像制御を実行する情報処理装置と、前記情報処理装置と請求項1乃至11の何れか一項に記載の定着装置を搭載する画像形成装置とを接続する通信手段と、を備えることを特徴とする画像形成システム
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