JP4193933B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、詳しくは、いわゆるワンパス方式で転写紙等の記録体の両面に画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、記録体の両面に画像を形成する方式として、いわゆるスイッチバック方式と、ワンパス方式とが知られている。スイッチバック方式は、転写手段と定着手段とを通過して一方の面に画像が形成された記録体を反転させた後、転写手段と定着手段とにスイッチバックさせて、そのもう一方の面にも画像を形成する方式である。これに対し、ワンパス方式は、両面転写手段によって両面に可視像が転写せしめた記録体を定着手段に通すことで、記録体をスイッチバックさせることなくその両面に画像を形成する。ワンパス方式は、次の点でスイッチバック方式よりも優れている。即ち、スイッチバック用の複雑な機構を設けることによるコストアップ、スイッチバックによる画像形成時間の長期化、定着手段による加熱でカールさせた記録体をスイッチバックさせることによるジャムを、何れも回避し得る点である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、かかるワンパス方式の試作機を製造した。そして、これによって画像を実際に形成してみたところ、両面転写後の記録体を定着手段に送るまでの間に、画像を乱してしまうという問題が生じてしまった。この乱れは次のようにして生じていた。即ち、両面転写後の記録体については、表面を無端移動させるベルトやローラなどといった無端移動体の駆動によって定着手段まで搬送するのが一般的である。このとき、記録体の両面の画像は何れも未定着である。記録体を定着手段まで搬送するまでの間に、無端移動体と記録体とに相対的な位置ズレが生ずると、両面の未定着像のうち、無端移動体に密着している方の未定着像が擦れて乱れてしまう。また、このような位置ズレが起こらなくても、無端移動体から離間した記録体が定着手段に受け渡される際に、無端移動体と定着手段との間に配設されたガイド部材などに摺擦して未定着像を乱す場合もある。ワンパス方式では、記録体に転写せしめた未定着像を、定着手段まで搬送するまでの間に、無端移動体やガイド部材などに擦って乱し易くなるのである。
【0004】
一方、ワンパス方式の画像形成装置において、両面転写用に形成した2つの転写部で画像を記録体の片面ずつにそれぞれ個別に転写する2段階の静電転写方式を用いるものが知られている。この2段階の静電転写方式では、前段、後段という2つの転写部を両面転写用に形成する。前段の転写部は、表面を互いに順方向に無端移動させる第1無端移動体と第2無端移動体との当接部になっている。ここでは、まず、第1無端移動体(例えばドラム状の感光体)上の画像が、第2無端移動体(例えば中間転写ベルト)に静電転写される。次に、この画像(以下、第1画像という)が第2無端移動体とともに約一周して再び前段転写部に戻ってくるタイミングに同期させるように、第1無体移動体上に別の画像(以下、第2画像という)が形成される。そして、第2無端移動体上の第1画像と、第1無端移動体上の第2画像とが同期して前段の転写部に進入する際に、そこに記録体が送られて、第2画像、記録体、第1画像が前段の転写部でサンドイッチ状に重ね合わされる。このように重ね合わされた状態で、第1無端移動体上の第2画像は記録体の一方の面に静電転写される。このとき、第2無端移動体上の第1画像は記録体のもう一方の面に密着しているが、記録体から離れる方向の静電力が作用するため、記録体に静電転写されることはない。前段の転写部を通過した記録体は、第1無端移動体から引き離されるが、第2無端移動体には引き続き保持される。そして、第2無端移動体の無端移動に伴って後段の転写部に進入する。後段の転写部は、第2無端移動体と、これに所定の間隙を介して対向配設された転写チャージャとの対向部になっている。記録体がこの後段の転写部を通過する際、第2無端移動体に担持されていた第1可視像が記録体に静電転写される。この静電転写により、記録体への両面転写が完了する。
【0005】
かかる2段階の静電転写方式を用いる画像形成装置としては、特開平10−254250号公報に記載のものが知られている。この画像形成装置では、記録体を垂直方向(鉛直方向)に搬送させる垂直搬送を行いながら、2段階の静電転写方式によって記録体の両面に画像を転写する。本発明者らが製造した上述の試作機も、これと同様に、記録体を垂直搬送しながら2段階の静電転写方式によって両面転写を行うものであった。本発明者らは、このような垂直搬送を行うものにおいて、第2無端移動体と記録体との摺擦による未定着像の乱れが特に生じ易くなることを見出した。その理由は次の通りである。即ち、2段階の静電転写方式では、前段の転写部を通過した後の記録体から、第1無端移動体を引き離さなければならない。第1無端移動体を引き離さずに、これと第2無端移動体との間に記録体を挟み込ませたままの状態であると、後段の転写部で転写チャージャを第2無端移動体に対向させることができなくなるからである。このため、前段の転写部から後段の転写部に至るまでは、記録体を第2無端移動体の表面に保持させなければならない。このとき、第2無端移動体の表面に保持させる力については、主に、第1画像を構成している像形成物質が記録体及び第2無端移動体に対して発揮する付着力や、記録体の自重による密着力に頼ることになる。垂直搬送を採用すると、記録体と第2無端移動体との接触面をほぼ垂直に立てなければならず、記録体の自重による第2無端移動体への密着力を殆ど作用させることができなくなる。この結果、記録体を第2無端移動体の表面に保持させる力が十分に発揮されず、第2無端移動体上における記録体の滑りを生じて画像を非常に乱し易くなっていたのである。
【0006】
そこで、2段階の静電転写方式において、記録体を水平搬送して第2無端移動体上における記録体の滑りを解消することが考えられる。しかしながら、水平搬送では、記録体を第2無端移動体から定着手段に受け渡しさせる際に、記録体とガイド部材等とを摺擦させ易くなる。これは次に説明する理由による。即ち、定着手段に受け渡される途中の記録体は、第2無端移動体上で水平搬送されながら、その先端側だけを第2無端移動体から離間させて定着手段に向けて延出させる。このとき、記録体の延出部分は、自らの腰の強さによってその姿勢を維持することになるが、完全に真っ直ぐな姿勢をとることはできない。どうしても、重力方向に撓んでしまう。記録体の厚みが小さくなるほど、撓み量は大きくなる。撓み量が非常に大きくなる薄紙などでも、定着手段に確実に受け渡しさせるように、定着手段の上流側にはガイド部材を設けるのが一般的である。例えば、上記延出部分が重力方向に大きく撓んでしまう薄紙などを、下側から支えてその撓みを阻止しながら定着手段の受入口に向けて案内するガイド部材を設けるのである。すると、ガイド部材と記録体の上記延出部分との摺擦によって画像を乱してしまう。
【0007】
無端移動体との摺擦だけでなく、このようなガイド部材との摺擦による画像の乱れも抑える方法としては、大型の定着手段を用いることが考えられる。例えば、2つの加熱ローラの当接によって定着ニップを形成する定着手段であれば、大きく撓んだ記録体の上記延出部分を何れか一方のローラですくいあげて定着ニップまで導き得る程度に、ローラ径の大きなものを用いるのである。また例えば、一般にローラ定着方式よりも大型になるベルト定着方式のものでは、大きく撓んだ記録体の延出部分をすくい上げ得るベルト張架形状にすればよい。しかしながら、大型の定着手段を用いると、近年において特に要望が高まっている画像形成装置本体の小型化を妨げてしまう。
【0008】
以上、ワンパス方式において未定着像を乱し易くなる原因や、画像形成装置本体の小型化を妨げてしまう原因について説明したが、これらをまとめると次のようになる。
(1)2段階の静電転写方式で垂直搬送を行うと、第2無端移動体と記録体との摺擦によって画像を乱し易くなる。
(2)この画像の乱れを抑えるべく、水平搬送を行うと、今度は記録体とガイド部材との摺擦によって画像を乱し易くなる。
(3)更にこの画像の乱れも抑えるべく、定着手段を大型化させると、画像形成装置本体の小型化を妨げてしまう。
【0009】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、次のようなワンパス方式の画像形成装置を提供することである。即ち、2段階の静電転写方式を採用する場合でも、定着手段を大型化させることなく、上記(1)の画像の乱れと、上記(2)の画像の乱れとの両方を抑えることができるコンパクトな画像形成装置である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、可視像を担持する像担持体と、該像担持体上の可視像を記録体の両面に転写する両面転写手段と、該両面転写手段を経由した後の記録体に可視像を定着せしめる定着手段と、両面転写が施された記録体を表面の無端移動に伴って両面転写手段の転写部から該定着手段に向けて搬送する無端移動体とを備える画像形成装置であって、上記無端移動体における上記転写部から上記定着手段に向けての記録体搬送方向が、水平方向から傾斜した方向であり、上記両面転写手段が、複数のローラに張架されながら無端移動する第1中間転写ベルトと、上記像担持体から該第1中間転写ベルトに可視像を転写するための第1転写部と、複数のローラに張架されながら無端移動する第2中間転写ベルトと、該第1中間転写ベルト上の可視像を記録体の一方の面や該第2中間転写ベルトに転写するための第2転写部と、該第2中間転写ベルト上の可視像を記録体のもう一方の面に転写するための第3転写部とを有するものであり、且つ、上記無端移動体が、記録体を該第2転写部及び第3転写部から上記定着手段に向けて搬送する該第2中間転写ベルトであることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記記録体搬送方向を、水平方向から上向きに傾斜させたことを特徴とする画像形成装置ものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、互いに異なる色の可視像を担持する複数の上記像担持体と、各像担持体にそれぞれ個別に対応する複数の上記第1転写部とを設け、各像担持体上から上記第1中間転写ベルトへの可視像の重ね合わせ転写によって多色画像を形成させるようにし、且つ、各像担持体を水平方向に並べて配設してそれぞれ上記第1中間転写ベルトの水平方向張架部分に対向せしめて各第1転写部を形成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、複数の上記像担持体のうち、可視像の転写が最後に行われる像担持体との対向位置を通過した第1中間転写ベルト部分がその無端移動に伴って初めに到達するローラ張架位置に、上記第2転写部を形成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記第2中間転写ベルトを複数のローラによって鉛直方向に長い縦長の形状で張架させ、上記第1中間転写ベルトの下方で且つ上記第2中間転写ベルトの側方のスペースに、複数の上記像担持体と、複数の記録体を収容する記録体収容手段と、該記録体収容手段内の記録体を上記第2転写部に供給するための記録体供給路とを配設したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記第3転写部を通過した後の上記第2中間転写ベルト表面に残留する像形成物質をクリーニングする第2中間転写ベルトクリーニング手段と、該第2中間転写ベルトクリーニング手段によって収集された像形成物質を貯蔵する収集物貯蔵手段とを設け、上記定着手段の下方で且つ上記第2中間転写ベルトの側方のスペースに、該収集物貯蔵手段を鉛直方向に長い縦長の姿勢で配設したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記定着手段と、上記第2中間転写ベルトクリーニング手段及び収集物貯蔵手段との間に、断熱部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6又は7の画像形成装置において、上記無端移動体と、上記定着手段の記録体搬送部材とを、共通の駆動源によって駆動させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至7の何れかの画像形成装置において、上記第2転写部にて上記第1中間転写ベルト上の可視像を記録体の一方の面や上記第2中間転写ベルトに転写するための第2転写部転写手段として、トナー像を転写バイアス部材側に向けて静電的に引き寄せて転写する方式のものを用いるとともに、上記第3転写部にて該第2中間転写ベルト上の可視像を記録体のもう一方の面に転写するための第3転写部転写手段として、トナー像を転写バイアス部材側から静電的に押し出して記録体に転写する方式のものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1又は2の画像形成装置であって、上記像担持体として、第1像担持体と第2像担持体とを備え、上記両面転写手段が、複数のローラに張架されながら無端移動する第1中間転写ベルトと、該第1像担持体から該第1中間転写ベルトに可視像を転写するための第1系統用1次転写部と、複数のローラに張架されながら無端移動する第2中間転写ベルトと、該第2像担持体から該第2中間転写ベルトに可視像を転写するための第2系統用1次転写部と、該第1中間転写ベルト上の可視像を記録体の一方の面に転写するための第1系統用2次転写部と、該第2中間転写ベルト上の可視像を記録体のもう一方の面に転写するための第2系統用2次転写部とを有し、且つ、上記無端移動体が、これら2次転写部から上記定着手段に向けて記録体を搬送する該第2中間転写ベルトであることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、上記第1像担持体や第2像担持体として、それぞれ、互いに異なる色の可視像を担持する複数のものを用いるとともに、上記第1系統用1次転写部や第2系統用1次転写部として、それぞれ、各第1像担持体や各第2像担持体にそれぞれ個別に対応する複数のものを設け、各第1系統用1次転写部や各第2系統用1次転写部にて、それぞれ該第1像担持体や第2像担持体から上記第1中間転写ベルトや第2中間転写ベルトへの可視像の重ね合わせ1次転写によって多色像を形成させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、鉛直方向よりも水平方向にスペースをとる横長の形状で上記第1中間転写ベルトを張架して、その水平方向張架部分に各第1像担持体を対向せしめて各第1系統用1次転写部を形成するとともに、水平方向よりも鉛直方向にスペースをとる縦長の形状で上記第2中間転写ベルトを張架して、その鉛直方向張架部分に各第2像担持体を対向せしめて各第2系統用1次転写部を形成したことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の画像形成装置において、上記第2中間転写ベルトのおもて面を臨むように該第2中間転写ベルトの両側方に形成される側方スペースのうち、上記第1中間転写ベルトの下方に位置する方に、記録体を収容する記録体収容手段と、該記録体収容手段内の記録体を上記第1系統用2次転写部や第2系統用2次転写部に向けて供給するための記録体供給路とを配設し、且つ、もう一方の側方スペースに、各第2像担持体を配設したことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の画像形成装置において、上記第2系統用2次転写部を通過した後の上記第2中間転写ベルトに残留する像形成物質をクリーニングする第2中間転写ベルトクリーニング手段と、該第2中間転写ベルトクリーニング手段によるクリーニング位置よりもベルト移動方向下流側で且つ各第2系統用1次転写部よりもベルト移動方向上流側の第2中間転写ベルトのおもて面を押圧して該第2中間転写ベルトの移動軌道をベルトループ内に食い込ませるように湾曲せしめる押圧ローラとを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項14の画像形成装置において、上記押圧ローラによって上記第2中間転写ベルトをベルトループ内に食い込ませている領域に、各第2像担持体を配設したことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項13又は14の画像形成装置において、上記定着手段と上記第2中間転写ベルトクリーニング手段との間に断熱部材を配設したことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項10乃至16の何れかの画像形成装置において、上記第1系統用2次転写部にて上記第1中間転写ベルト上の可視像を記録体の一方の面に転写するための第1系統用第2転写部転写手段と、上記第2系統用2次転写部にて上記第2中間転写ベルト上の可視像を記録体のもう一方の面に転写するための第2系統用2次転写部転写手段とのうち、一方として、トナー像を転写バイアス部材側に向けて静電的に引き寄せて記録体に転写する方式のものを用いるとともに、もう一方として、トナー像を転写バイアス部材側から静電的に押し出して記録体に転写する方式のものを用い、前者の方式による2次転写を行った後に、後者の方式による2次転写を行わせるようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
これらの画像形成装置においては、未定着の可視像を両面に転写せしめられた記録体が、無端移動体によって両面転写手段の転写部から定着手段に向けて搬送される。このとき、記録体は無端移動体の表面に保持されながら水平方向から傾斜した方向で搬送される。このような搬送では、図1に示すように、記録体Rの自重による落下引力Gの一部が、無端移動体Sの表面に対して垂直な方向の分力G1となって、記録体Rを無端移動体Sの表面に保持させるように作用する。従って、分力G1が殆ど生じない垂直搬送の場合とは異なり、無端移動体S上での記録体Rの滑りを抑えて、無端移動体Sと記録体Rとの摺擦による未定着像の乱れを抑えることができる。
また、図2に示すように、上記分力G1は、無端移動体Sから定着手段に受け渡される途中の記録体Rが、無端移動体S上に保持されながらその先端側を無端移動体Sから離間させて該定着手段に向けて延出させた際、この延出部分を撓ませようとする力になる。記録体Rの無端移動体Sからの延出部分が、上記落下引力Gよりも弱い分力G1によって撓むのである。従って、図3に示すように、記録体Rの無端移動体Sからの延出部分が落下引力Gそのものによって撓んでしまう水平搬送の場合とは異なり、記録体Rの撓み量を抑える。そして、このことにより、定着手段を大型化させることなく、記録体Rの無端移動体Sからの延出部分と、ガイド部材との摺擦による未定着像の乱れを抑えることができる。図1や図2では、記録体を定着手段に向けて水平方向から上方に傾けて搬送する例を示したが、下方に傾けて搬送する場合にも、同様にして記録体の滑りや撓みを抑えることができる。
よって、記録体を2つの無端移動体の間に挟み込んで両面転写手段の転写部から定着手段に向けて搬送することができない2段階の静電転写方式を採用する場合でも、定着手段を大型化させることなく、無端移動体と記録体との摺擦、及び記録体とガイド部材との摺擦による画像の乱れを抑えることができる。そして、定着手段の大型化を回避したことで、画像形成装置本体をコンパクトにすることができる。なお、図1、図2及び図3では、無端移動体としてベルトを用いた例を示したが、ローラやドラムを用いた場合にも、分力1と同様の力が生ずる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図4は、本プリンタの概略構成図である。図において、このプリンタ100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスカートリッジ6Y,M,C,Kを備えている。これらは、像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を生成するためのプロセスカートリッジ6Yを例にすると、図5に示すように、像担持体たるドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置3Y、帯電装置4Y、現像装置5Y等を備えている。感光体1Yは、直径10〜100[mm]のアルミ製円筒に、光導電性物質である有機半導体の表面層が被覆されている。アモルファスシリコン性の表面層が被覆されたものであってもよい。また、ドラム状ではなく、ベルト状のものであってもよい。帯電装置4Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体1Yの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体1Yの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このYの静電潜像は、Yトナーを用いる現像装置5YによってYトナー像に現像される。そして、後述の第1中間転写ベルト8上に1次転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、中間転写工程を経た後の感光体1Y表面に残留したトナーを除去する。また、除電装置3Yは、クリーニング後の感光体1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他のプロセスカートリッジ6M,C,Kにおいても、同様にして感光体1M,C,K上にM,C,Kトナー像が形成され、第1中間転写ベルト8上に1次転写される。
【0013】
上記プロセスカートリッジ6Y,M,C,Kの図中下方には露光装置7が配設され、その更に下方には画像データ処理装置E1が配設されている。画像データ処理装置E1は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報信号に基づいて、露光走査制御信号を生成して露光装置7に送る。潜像形成手段たる露光装置7は、この露光走査制御信号に基づいて発したレーザ光Lを、プロセスカートリッジ6Y,M,C,Kにおけるそれぞれの感光体に照射する。この照射を受けて露光された感光体1Y,M,C,K上には、Y,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、露光装置7は、光源から発したレーザ光(L)を、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。かかる構成の露光装置7に代えて、LEDアレイからのLED光を照射する露光手段を採用しても良い。また、露光装置7の筐体には、その上方に配設された各感光体1Y,M,C,Kから落下してくるトナーによる内部部品の汚染を防止するために、図示しないシール部材を設けている。
【0014】
上記画像データ処理装置E1の図中下側には、第1紙収容カセット26a、第2紙収容カセット26b、これらカセットにそれぞれ個別に組み込まれた給紙ローラ27a,b、レジストローラ対28など有する給紙手段が配設されている。レジストローラ対28は、第1レジストローラ28aと第2レジストローラ28bとを有している。記録体収容手段たる2つの紙収容カセット(26a、b)は、記録体たる転写紙Pを複数枚重ねて収容しており、それぞれの一番上の転写紙Pには給紙ローラ27a,bが当接している。これら給紙ローラ27a,bが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転せしめられると、一番上の転写紙Pが記録体供給路たる給紙路35に向けて送られる。そして、給紙路35の最下流側に配設されているレジストローラ対28のローラ間に至る。レジストローラ対28は、転写紙Pを挟み込むべく両ローラを回転駆動させるが、挟み込んですぐに回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。なお、プリンタ100の下方には、多量の転写紙Pをストックしている給紙バンク101が設けられており、ここからも転写紙Pが給紙路35に向けて送り出されるようになっている。
【0015】
上記プロセスカートリッジ6Y,M,C,Kの図中上方には、第1無端移動体たる第1中間転写ベルト8を張架しながら無端移動せしめる第1転写ユニット15が配設されている。この第1転写ユニット15は、第1中間転写ベルト8の他、4つの1次転写ローラ9Y,M,C,K、第1クリーニング装置10などを備えている。また、2次転写バックアップローラ12、第1クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14なども備えている。第1中間転写ベルト8は、これら3つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。1次転写ローラ9Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる第1中間転写ベルト8を感光体1Y,M,C,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。これらは第1中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の1次転写バイアスを印加する方式のものであるが、電極から放電させるチャージャ方式のものであってもよい。上記第1中間転写ベルト8は、1次転写バイアスによる静電転写を実現するのに適した電気抵抗条件になっている。具体的には、樹脂フィルムやゴムなどからなる50〜500[μm]の厚みのベルト基体に、低表面エネルギーの材料からなる表面層がコートされ、全体の体積抵抗値が106〜1014[Ωcm]になっている。また、表面抵抗率は、105〜1015[Ω/□]の範囲に調整されている。1次転写ローラ9Y,M,C,Kを除くローラは、全て電気的に接地されている。第1中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく。第1転写部たる各1次転写ニップでは、感光体1Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像がニップ圧や1次転写バイアスの作用によって重ね合わせて1次転写される。これにより、第1中間転写ベルト8上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。第1中間転写ベルトを張架している2次転写バックアップローラ12は、後述の第2中間転写ベルト16に食い込むような配設位置になっている。このような食い込み配置により、第1無端移動体たる第1中間転写ベルト8と、第2無端移動体たる第2中間転写ベルト16とをそれぞれ周長方向に広く当接させる2次転写ニップが形成されている。この2次転写ニップは、プリンタ100内における第2転写部であり、且つ2段階の静電転写方式における前段の転写部でもある。第1中間転写ベルト8上に形成された可視像たる4色トナー像は、2次転写ニップで第2中間転写ベルト16あるいは転写紙Pに2次転写される。2次転写ニップを通過した後の第1中間転写ベルト8には、第2中間転写ベルト16あるいは転写紙Pに2次転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、第1クリーニング装置10によってクリーニングされる。具体的には、第1中間転写ベルト8は、そのループ外面(おもて面)側に当接するように配設された第1クリーニング装置10と、そのループ内面側に配設された第1クリーニングバックアップローラ13との間に挟まれる。そして、おもて面上の転写残トナーが第1クリーニング装置10に機械的あるいは静電的に回収されてクリーニングされる。
【0016】
かかる構成の第1転写ユニット15の図中上方には、ボトル収容器54が配設されている。このボトル収容器54内には、各プロセスカートリッジ(6Y,M,C,K)内の現像器に補給するためのトナーを内包するトナーボトルBY,BM,BC,BKが収められている。この第1転写ユニット15の図中左側方には、プリンタ本体内の空気を外部に排出する冷却ファンF1が配設され、本体内の温度の過昇を防いでいる。
【0017】
また、第1転写ユニット15の図中右側方には、第2無端移動体たる第2中間転写ベルト16を張架しながら無端移動せしめる第2転写ユニット25が配設されている。この第2転写ユニット25は、第2中間転写ベルト16の他、第2クリーニング装置18、転写チャージャ23、廃トナー収容器24などを備えている。また、ニップ拡張ローラ19、2次転写ローラ17、テンションローラ20、第2クリーニングバックアップローラ21、3次転写バックアップローラ22なども備えている。第2中間転写ベルト16は、これら5つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中時計回りに無端移動せしめられる。上述した第1転写ユニット15の2次転写バックアップローラ12は、ニップ拡張ローラ19と2次転写ローラ17との間の第2中間転写ベルト16架橋部分に食い込んで2次転写ニップを形成している。2次転写ローラ17は、金属製ローラか、あるいは芯金に導電性のゴム層が被覆されたローラで、図示しない電源によってトナーと反対極性(例えばプラス極性)の2次転写バイアスが印加される。第2転写ユニット25におけるこれ以外のローラは全て接地されている。
【0018】
上述したレジストローラ対28は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを第1中間転写ベルト8上に1次転写された上記4色トナー像に密着させ得るタイミングで上記2次転写ニップに向けて送り出す。但し、この4色トナー像が、転写紙Pの第1面(後述のスタック部40上で上を向く面)に転写されるべき第1トナー像である場合には、転写紙Pを送り出さない。よって、このとき、第1中間転写ベルト8上の第1トナー像は、2次転写ニップでニップ圧や2次転写バイアスの作用を受けて第2中間転写ベルト16上に2次転写される。これに対し、第1中間転写ベルト8上の4色トナー像が転写紙Pの第2面(スタック部40上で下を向く面)に転写されるべき第2トナー像である場合には、レジストローラ対28は、この第2トナー像に同期させて転写紙Pを送り出す。よって、第2トナー像は、2次転写ニップで転写紙Pの第2面に2次転写される。そして、転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。このとき、2次転写ニップで転写紙Pの第1面と第2中間転写ベルト16との間に挟まれている第1トナー像は、2次転写バイアスの作用によってベルト側に引き寄せられる。このため、転写紙Pの第1面に密着しているが、そこに2次転写されるわけではない。上記第2中間転写ベルト16は、このような静電的な2次転写を実現するのに適した電気抵抗条件になっている。具体的には、ポリイミドやポリアミドイミドなどからなる厚み50〜500[μm]のベルト基体に、フッ素などの低表面エネルギーの材料からなる表面層がコートされ、全体の体積抵抗値が106〜1014になっている。また、表面抵抗率が105〜1015[Ω/□]に調整されている。
【0019】
上述の第1転写ユニット15において、2次転写バックアップローラ12は、第1中間転写ベルト8を、その移動方向をほぼ反転させるような形状で張架している。そして、移動方向を反転させつつある第1中間転写ベルト部分を第2中間転写ベルト16に当接させて2次転写ニップを形成している。よって、2次転写ニップの出口では、第1中間転写ベルト8が転写紙Pから離間し、転写紙Pが第2中間転写ベルト16の表面だけに保持されて搬送されるようになる。そして、第2転写ユニット25内において、第2中間転写ベルト16の無端移動に伴って、2段階の静電転写方式における後段の転写部である3次転写部に送られる。第2転写ユニット25の3次転写部では、第2中間転写ベルト16の3次転写バックアップローラ22による張架部分に対し、転写チャージャ23が所定の間隙を介して配設されている。第2中間転写ベルト16上の転写紙Pは、転写チャージャ23によって第2面側にトナーと反対極性(例えばプラス極性)の電荷が付与される。この電荷の付与により、転写紙Pの第1面と第2中間転写ベルト16との間に挟まれていた第1トナー像が転写紙Pの第1面に3次転写されてフルカラー画像になる。このように、本プリンタ100では、第1転写ユニット15と第2転写ユニット25との組合せにより、記録体たる転写紙Pの両面に可視像たる4色トナー像を静電転写する両面転写手段が構成されている。なお、1次転写バイアスや2次転写バイアスが印加される部材として、ローラ(9,17)ではなく、ブラシなど他の形状のものを用いてもよい。また、転写バイアスを部材に印加する静電転写方式ではなく、非接触放電式を採用してもよい。
【0020】
上記3次転写バックアップローラ22は、第2中間転写ベルト16をほぼ90[°]に折り曲げるような形状で張架している。このような張架形状では、上記3次転写部を通過した転写紙Pの先端側が第2中間転写ベルト16の折れ曲がり地点付近でベルトから離間して、ベルトの折れ曲がり前の移動方向(図中矢印D方向)に延出する。この移動方向側には、定着手段たる定着装置30が配設されている。よって、第2中間転写ベルト16から離間した転写紙Pは、定着装置30内に送られる。
【0021】
上記定着装置30は、互いに順方向に回転しながら当接して定着ニップを形成する2つの定着ローラ30a,bを有している。これら定着ローラ30a,bは、何れも図示しないハロゲンランプ等の発熱手段を有しており、定着ニップに挟み込まれた転写紙Pを両面から加熱する。この加熱により、転写紙Pの両面にそれぞれ形成されたフルカラー画像が、これを構成するトナーの軟化によって転写紙Pに定着せしめられる。定着後の転写紙Pは、反転ガイド部材31に沿って反転せしめられた後、排紙ローラ対32を経て機外へと排出される。そして、プリンタ本体の筺体の上面に形成されたスタック部40にスタックされる。
【0022】
2つの定着ローラ30a,bは、それぞれ図示しない温度検知手段によって表面温度が検知される。この温度検知手段は、上記ボトル収容器54の図中右側方に配設された制御部E2に送信する。制御部E2は、温度検知手段から送られてくる表面温度の検知結果に基づいて、定着ローラ30a,bの上記発熱手段に対する電源供給をON/OFF制御して、定着ローラ30a,bの表面温度を一定範囲(目標範囲)に維持する。但し、転写紙Pの片面にだけ画像を形成する片面プリントモードが実行されている場合には、両面プリントモードの場合に比べて少ない熱量で画像を定着させることができる。片面にしか画像が形成されていないため、両面のときよりも転写紙P上のトナー量が少なくなるからである。よって、片面プリントモードのときに、両面プリントモードのときよりも上記表面温度の目標範囲を低くすれば、省エネルギー化を図ることが可能になる。また、単色画像はフルカラー画像よりもトナー量が少なくなるので、単色プリントモードとフルカラープリントモードとの違いに応じて上記表面温度の目標範囲を切り替えることによっても、省エネルギー化を図ることが可能になる。
【0023】
上記3次転写部を通過した後の第2中間転写ベルト16は、第2クリーニングバックアップローラ21と第2クリーニング装置18との間に挟み込まれて、表面の転写残トナーが機械的又は静電的にクリーニングされる。クリーニングによって第2クリーニング装置18に回収された転写残トナーは、スクリュウ部材等によって廃トナー収容器に落とし込まれる。廃トナー収容器24を第2クリーニング装置18とは別に設けることで、廃トナーの取り扱い性を向上させることができる。
【0024】
上記第2クリーニング装置18が第2中間転写ベルト16に常に当接していると、第2中間転写ベルト16上に2次転写された第1トナー像もクリーニングしてしまうことになる。そこで、第2クリーニング装置18は、図示しない揺動機構によって揺動軸18aを中心に図中矢印方向に揺動せしめられることで、第2中間転写ベルト16に接離するようになっている。そして、少なくともそのクリーニング位置を第1トナー像が通過する間は、第2中間転写ベルト16から離間して、第1トナー像のクリーニングを回避する。
【0025】
本プリンタ100のように、感光体等の像担持体を複数並べて配設し、それぞれで形成した可視像を連続的に重ね合わせ転写して多色画像等の重ね合わせ画像を形成する方式をタンデム方式という。これに対し、1つの像担持体に可視像を形成して中間転写体に転写した後、再び像担持体に可視像を形成して中間転写体上の可視像に重ね合わせ転写する工程を繰り返して重ね合わせ画像を形成する方式もある。この方式では、可視像の形成、転写という工程を繰り返し行わなくてはならない。一方、タンデム方式では、重ね合わせ転写すべき複数の可視像をそれぞれに対応する像担持体上でほぼ同時に形成することができるので、画像形成速度を大幅に速めることができる。
【0026】
上述したように、上記第1トナー像は上記第2トナー像に先行して形成される。そして、2次転写ニップで第1中間転写ベルト8から第2中間転写ベルト16に2次転写された後、上記3次転写部で転写紙の第1面に3次転写される。この第1面とは、上記スタック部40で上方を向く面である。よって、スタック部40にスタックされる転写紙Pは、先行して形成された第1トナー像を上に向け、且つその後に形成された第2トナー像を上に向けた状態で順次スタックされていく。本プリンタ100は、このようにスタックされていく転写紙Pの頁番号を小さい方から順に揃えるべく、奇数、偶数と連続する2つの頁番号の画像について、頁番号の大きい方を先に上記第1トナー像として形成する。例えば1頁目の画像に先行して2頁目の画像を第1トナー像として形成するのである。そうすると、数頁にわたる原稿を連続して出力しても、スタック部40において、頁番号を下から順に揃えることが可能になる。但し、転写紙Pの第2面だけに画像を形成する片面プリントモードを実行する際には、頁番号の小さい画像から順に形成していき、それぞれ転写紙Pの第2面に2次転写せしめる。このことにより、片面プリントモードにおいても、スタック部40で頁番号を下から順に揃えることができる。
【0027】
4つの感光体1Y,M,C,Kにおいて、上記第2トナー像は非鏡像(以下、正像という)として形成される。これは、形成された第2トナー像が、1次転写、2次転写という2回の転写工程を経て転写紙Pに至る過程で鏡像、正像と変化するからである。各感光体ドラム上で正像として形成されることで、転写紙Pの第2面においても正像になるのである。これに対し、第1トナー像は、3次転写まで行われるため、第2トナー像よりも転写工程が1回多くなる。よって、各感光体ドラム上で鏡像として形成される。このことにより、転写毎に正像、鏡像、正像と変化して、転写紙Pの第1面において正像となることができる。
【0028】
図6は、本プリンタ100の側方端部付近を示す拡大構成図である。図において、プリンタ本体の側方カバー50は、回動軸50aを中心に回動自在に構成され、第2転写ユニット25と廃トナー収容器24とを内包している。そして、回動軸50aを中心に図中時計回りに回転せしめられることで、プリンタ本体から見開かれた状態になる。この状態では、側方カバー50とともに回転した第2転写ユニット25がプリンタ本体側に固定された第1転写ユニット15から大きく離間し、2次転写ニップを形成しなくなる。また、2つの紙収容カセット26a,bから排紙ローラ対32に至るまでの紙搬送路が縦方向に2分して大きく露出する。このことにより、紙搬送路内で発生したジャム紙の処理作業や、紙搬送路回りの各装置の保守点検作業が容易になる。また、第2クリーニング装置18や廃トナー収容器24の交換も可能になる。
【0029】
本プリンタ100は、図7に示すように、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)200などから送られてくる画像情報信号に基づいて画像を形成する。図7では、パソコン200とプリンタ100とを通信ケーブルによって接続した画像形成システムの例を示したが、無線方式による接続を採用してもよい。プリンタ本体の前面左隅には、タッチパネル等からなる操作表示器51が固定されている。ユーザーは、この操作表示器51のディスプレイに現れるガイド表示に従って、作像プロセス条件や用紙条件等の各種パラメータを入力することができる。上述の片面プリントモードと、両面プリントモードとの切替については、この操作表示器51に用意されているモード切替ボタンを操作することによって行う。また、紙種の選択(紙収容カセットの選択)も、この操作表示器51に対する操作によって行う。但し、これらモードの切替や紙種の選択については、パソコン200から設定信号を送信させることによっても行うことができる。
【0030】
プリンタ本体の前面には、前扉52が開閉自在に設けられている。前扉52が開かれると、図示しない上記第1転写ユニット(15)を支持する支持体53が大きく露出する。この支持体53は、図示しないガイドレール上をプリンタ本体の前後方向にスライド移動可能に構成され、プリンタ本体内から前面側に向けて引き出されることで、上記第1転写ユニット(15)を露出させる。そして、この露出により、上記第1転写ユニットの保守点検作業を容易にしている。また、前扉52が開かれると、支持体53の上方に配設されたボトル収容器54内のトナーボトルBY、BM、BC、BKの端面が露出する。それぞれ端面を露出させたトナーボトルBY、BM、BC、BKは、ボトル収容器54に対してプリンタ前後方向に着脱可能される。前扉52を開けば、プリンタ本体に対するトナーボトルBY、BM、BC、BKの前後方向への着脱が可能になる構成である。スタック部40が形成されているプリンタ本体上面を開閉自在な上扉とし、これを開いてトナーボトルBY、BM、BC、BKを上下方向に着脱するといった構成ではない。このため、オプションの図示しないスキャナ装置をプリンタ100の上方に配設してコピー機を構成する場合でも、トナーボトルBY、BM、BC、BKを着脱することができる。2つの紙収容カセット26a,bは、前扉52の下方に配設され、前後方向のスライド移動によってプリンタ本体から着脱されるように構成されている。前扉52を開いても、紙収容カセット26a,bの着脱や、操作表示器51への入力の操作性を損ねることはない。
【0031】
次に、本実施形態に係るプリンタ100の特徴的な構成について説明する。
先に示した図4において、第2中間転写ベルト16は、上述の3次転写部で両面転写が完了した転写紙Pを無端移動に伴って定着手段たる定着装置30に向けて搬送する無端移動体として機能している。そして、図中矢印Dで示したように、3次転写部から定着装置30に向けての紙搬送方向を、水平方向よりも上方に傾斜させた方向としている。このような搬送方向では、転写紙Pの自重による落下引力(鉛直方向下向きの引力)の一部が、第2中間転写ベルト16の表面に対して垂直な方向の分力になり、転写紙Pをその表面に保持させるように作用する。従って、かかる分力が殆ど生じない垂直搬送の場合とは異なり、第2中間転写ベルト16上での転写紙Pの滑りが抑えられる。そして、このことにより、第2中間転写ベルト16表面と転写紙Pとの摺擦による未定着像(第1トナー像)の乱れを抑えることができる。また第2中間転写ベルト16から定着装置30に受け渡される際には、転写紙Pがその後端側を第2中間転写ベルト16上に保持されながら、その先端側をベルト表面から離間させて定着装置30に向けて延出させる。このとき、延出部分を撓ませようとする力も、転写紙Pの自重による落下引力のうち、第2中間転写ベルト16の表面に垂直な分力となる。従って、延出部分を撓ませようとする力が、転写紙Pの自重による落下引力そのものになる水平搬送よりも、転写紙Pの撓み量が抑えられる。このことにより、定着装置30として、延出部分の撓みをすくい上げ得る程度にローラやベルトを大きくした大型のものを用いることなく、延出部分と、定着装置30の筺体によって構成されるガイド部材との摺擦による未定着像の乱れを抑えることができる。
【0032】
また、上述したように、3次転写部から定着装置30に向けての紙搬送方向の傾斜については、下向きではなく、上向きにしている。上向きの傾斜では、図4に示したように、上方に搬送している転写紙Pに対して定着装置30による画像の定着処理を施した後、プリンタ本体の筺体の上面に向けて排出することができる。そして、このような排出により、プリンタ本体の上面を転写紙Pのスタック部40として容易に有効利用することが可能になっている。
【0033】
なお、紙搬送方向については、水平方向から20〜60[°]の角度で傾斜させると良好な結果が得られた。20[°]未満では、転写紙Pとして薄紙を使用した場合に、薄紙と上記ガイド部材との摺擦による上記第1トナー像の乱れを若干ながら生ずることがあった。一方、60[°]を超えると、厚紙を使用した場合に、第2中間転写ベルト16上での厚紙の滑りによる上記第1トナー像の乱れを若干ながら生ずることがあった。
【0034】
第2中間転写ベルトには、定着装置30による加熱温度に耐え得る程度の耐熱性の材料を用いることが望ましい。そうすると、定着装置30と第2中間転写ベルト16との配設位置をより近づけることが可能になり、第2中間転写ベルト16から定着装置30への転写紙Pの受け渡し距離(延出部分の長さ)を短くすることができる。この結果、上記延出部分の撓み量をより小さくして、転写紙Pと上記ガイド部材との摺擦による第1トナー像の乱れを更に確実に抑えることができる。本プリンタ100では、第2中間転写ベルト16のベルト基材に優れた耐熱性のポリイミドやポリアミドを使用しているため、図示のような近接配設を可能にしている。なお、第2中間転写ベルト16と定着装置30との距離をある程度近づけた場合には、第2中間転写ベルト16の温度上昇によってトナー像中のトナーを軟化させることが危惧される。よって、第2中間転写ベルト16を耐熱性の材料で構成することに加えて、第2中間転写ベルト16を冷却する冷却手段を設けるとよい。
【0035】
本プリンタ100では、第1中間転写ベルト8と、第1転写部たる上記1次転写ニップと、第2中間転写ベルト16と、第2転写部たる上記2次転写ニップと、第3転写部たる上記3次転写部とを設けている。そして、このことにより、ワンパス両面転写方式における2段階の静電転写方式を可能にしている。更に、2段階の静電転写方式における第1無端移動体、第2無端移動体として、それぞれ表面無端移動の軌道を張架形状の工夫によって自在に設定し得る第1中間転写ベルト8、第2中間転写ベルト16を用いている。このことにより、ローラ形状やドラム形状の無端移動体を用いる場合に比べ、プリンタ本体内でのレイアウト自由度を向上させることができる。また、第2中間転写ベルト16を、3次転写部から定着装置30に転写紙Pを搬送する無端移動体として利用することができる。
【0036】
なお、ワンパス両面転写方式としては、2段階の静電転写方式の他に、1つの転写部で記録体の両面に画像を同時に静電転写する方式もある。この方式では、転写部で記録体を介して向かい合わせるように2つの画像を対向させ、それぞれを記録体に向けて互いに反対方向に静電移動させる。このため、それぞれの画像を転写に先立って互いに逆極性に帯電させておく必要がある。2つの画像をそれぞれ逆極性のトナーを用いて形成したり、一方の画像を転写部の手前でコロナ放電によって逆チャージさせたりして、互いに逆極性に帯電させるのである。しかしながら、互いに極性の異なるトナーを用いると、それぞれの極性に対応した感光体を設ける必要性からコスト高になったり、トナーの取り扱い性を悪化させたりするという欠点がある。また、転写部の手前で画像を逆チャージさせると、トナー飛散を誘発してその画像を乱し易くなるという欠点もある。
【0037】
図4に示したように、像担持体たる各感光体1Y,M,C,Kは、互いに水平方向に並ぶように配設され、それぞれ第1中間転写ベルト8の水平方向張架部分に対向しながら当接して1次転写ニップを形成している。このような配設では、図4からわかるように、第1中間転写ベルト8を横長の形状で張架して、プリンタ本体内に収めることができる。
【0038】
各感光体1Y,M,C,Kのうち、その表面のトナー像の1次転写が最後におこなわれるのは、K用の感光体1Kである。このK用の感光体1KによるK用1次転写ニップを通過した第1中間転写ベルト8が無端移動に伴って初めに到達するローラ張架位置は、第2転写部たる2次転写ニップになっている。かかる構成では、他のローラ張架位置を2次転写ニップにする場合に比べ、第1中間転写ベルト上における重ね合わせの1次転写によって得られた4色トナー像を迅速に2次転写することができる。そして、このことにより、プリント時間を短縮することができる。
【0039】
上述のように、第1中間転写ベルト8は横長の形状で張架されている。一方、上記第2中間転写ベルト16は、図示のように縦長の形状で張架されている。このような張架形状の組合せでは、第1中間転写ベルト8の下方で、且つ第2中間転写ベルト16の図中左側方に大きなスペースが形成される。本プリンタ100では、このスペースを利用して、各感光体(1Y,M,C,K)、画像データ処理装置E1、記録体収容手段たる紙収容カセット26a,b、記録体供給路たる給紙路35を配設している。そして、このことにより、第1中間転写ベルト8、第2中間転写ベルト16のそれぞれについて十分な周長(例えばA3サイズ縦の画像領域を確保するためには500mm程度)を確保しながら、デッドスペースの少ないコンパクトなレイアウトを可能にしている。
【0040】
上記第2中間転写ベルト16は、上記2次転写ニップから定着装置30の近傍に至るまでの張架部分で、転写紙Pを搬送することになる。この張架部分は、図示のように、縦長の形状に張架された第2中間転写ベルト16における上下2つの短手部分のうち、上側の短手部分に相当する。そして、この上側の短手部分の近傍に定着装置30が配設されている。すると、定着装置30の下方には、縦長のスペースが形成される。本プリンタでは、この縦長のスペースを有効利用して、第2中間転写ベルトクリーニング手段たる第2クリーニング装置18と、収集物貯蔵手段たる上記廃トナー収容器24とを配設している。しかも、廃トナー収容器24を縦長の姿勢で配設している。このような配設では、定着手段30の下に形成される縦長のスペース内で、廃トナー収容器24のトナー収容空間を大きく確保することができる。そして、廃トナーを処分するためのメンテナンス作業の頻度を非常に少なくすることができる。
【0041】
定着装置30と、第2クリーニング装置18及び廃トナー収容器24との間には、断熱部材60が配設されており、定着手段30から発せられる熱を第2クリーニング装置18や廃トナー収容器24に伝え難くしている。このことにより、第2クリーニング装置18は、その内部で回収トナーを熱によって軟化(あるいは溶融)、固着させることによるクリーニング性能の低下が抑えられる。また、廃トナー収容器24は、その内部で廃トナーを熱によって軟化、固着させることによるトナー廃棄性能の低下が抑えられる。なお、断熱部材60としては、耐熱性樹脂からなる樹脂板、耐熱性樹脂に植毛が施された部材、内部に複数の空気層が多段形成された部材、内部に無数の空泡セルが形成された発泡材などが挙げられる。断熱部材60の代わりに、断熱手段として排気ファンや吸気ファンを設けてもよい。また、本プリンタ100では、定着装置30との距離が第2クリーニング装置18よりも長い第1クリーニング装置10及びボトル収容器54についても、定着装置30との間に断熱部材61を設けている。よって、第1クリーニング装置10についても、その内部で回収トナーを熱によって軟化、固着させることによるクリーニング性能の低下を抑えることができる。また、ボトル収容器54内のトナーを熱によって軟化、固着させることに起因する画質劣化を抑えることもできる。
【0042】
先に示した図6において、側方カバー50内には、搬送駆動モータ70が配設されている。この搬送駆動モータ70の駆動軸70aには第1Vベルト71が掛け回されており、これは駆動軸70aの他、次に列記するローラの端部に設けられたプーリーによって張架されている。即ち、3次転写バックアップローラ22、3次転写バックアップローラ22、定着ローラ30bなどである。搬送駆動モータ70が回転駆動すると、その回転力が第1Vベルト71を介して3次転写バックアップローラ22、3次転写バックアップローラ22、定着ローラ30bに伝達される仕組みである。第2中間転写ベルト16は、3次転写バックアップローラ22や3次転写バックアップローラ22の回転によって無端移動せしめられる。よって、搬送駆動モータ70は、無端移動体たる第2中間転写ベルト16と、定着装置30の記録体搬送部材たる定着ローラ30bとの共通の駆動源になっている。かかる構成では、第2中間転写ベルト16と定着ローラ30bとを別々の駆動源で駆動させた場合に、両駆動源の駆動速度誤差によって生ずる第2中間転写ベルト16と定着ローラ30bとの紙搬送速度差を解消する。よって、この紙搬送速度差に起因する未定着像の擦れを解消することができる。
【0043】
次に、実施形態に係るプリンタの変形例である各変形例装置について説明する。
[第1変形例装置]
図8は、本第1変形例装置の両面転写手段を部分的に拡大して示す拡大構成図である。両面転写手段における第1転写ユニット15は、先に図4に示した転写チャージャ(23)の代わりに、3転写バックアップローラ11を備えている。第1中間転写ベルト8は、この3次転写バックアップローラ11にも掛け回されている。そして、2次転写バックアップローラ12による張架位置で折り返しているのではなく、この3次転写バックアップローラ11による張架位置で折り返している。一方、第2転写ユニット25は、図4に示した3次転写バックアップローラ(22)の代わりに、3次転写ローラ62を備えている。第1転写ユニット15の3次転写バックアップローラ11と、第2転写ユニット25の3次転写ローラ62とは、両者間に第1中間転写ベルト8及び第2中間転写ベルト16を挟み込んで3次転写ニップを形成している。この3次転写ローラ62には、図示しない電源によってトナーとは逆極性の3次転写バイアスが印加される。
【0044】
従来、互いに同極性の2つのトナー像を、それぞれ転写バイアス方式によって転写紙等の記録体における互いに反対となる面に静電転写するのは困難であると考えられてきた。これは次に説明する理由による。即ち、互いに同極性の2つのトナー像を、それぞれ記録体を介して対向させた場合に、一方のトナー像を転写ローラ等の転写バイアスに向けて静電移動させて記録体の一方の面に転写し得る電界を形成したとする。そうすると、もう一方のトナー像を記録体とは反対方向に静電移動させてしまう。この結果、基本的には、2つのトナー像のうち、一方だけしか静電転写されないのである。そこで、これまで、記録体の両面にトナー像を静電転写する場合には、2つのトナー像を互いに逆極性のトナーで形成する方式を用いたり、実施形態に係るプリンタのように、一方のトナー像を転写チャージャ方式で転写したりしていた。互いに逆極性のトナー像であれば、それぞれを記録体に向けて静電転写することができる。しかしながら、この方式では、互いに逆極性のトナーを用いる作像部(感光体や露光装置など)を設ける必要がある他、逆極性のトナーをそれぞれ専用の作像部に間違いなくセットしたり、それぞれの作像部にその極性に見合った部材をセットしたりする必要性から、メンテナンス性を著しく悪化させてしまう。また、転写チャージャ方式を用いる場合には、ジャージの際の放電によってトナー像を乱し易くなってしまう。
【0045】
一方、本発明者は、「静電引き寄せ転写方式」の後に「静電押し出し転写方式」を実施することにより、互いに同極性のトナー像であっても、転写バイアス方式によって記録体のそれぞれ反対面に静電転写し得ることを見出した。ここで、「静電押し出し転写方式」とは、トナー像を転写ローラ等の転写バイアス部材側から記録体に向けて静電的に押し出して転写する方式である。また、「静電引き寄せ転写方式」とは、記録体を介してトナー像を転写バイアス部材に向けて静電的に引き寄せて転写する方式である。具体的には、図8において、第1転写ユニット15の2次転写バックアップローラ12と、第2転写ユニット25のニップ拡張ローラ19から2次転写ローラ17にかけての領域との間は、上述のように2次転写ニップが形成されている。この2次転写ニップでは、図9に示すように、第2中間転写ベルト16の裏面に当接している2次転写ローラ17に対して、トナーと逆極性である正極の2次転写バイアスが印加されている。また、第1中間転写ベルト8の裏面に当接している2次転写バックアップローラ12が接地されている。かかる構成の2次転写ニップでは、第1中間転写ベルト8上の第2トナー像が、転写紙Pと第2中間転写ベルト16とを介して2次転写ローラ17側に静電的に引き寄せられて転写紙Pの第2面(図中上側の面)に2次転写される。このように、トナー像を2次転写ローラ17等の転写バイアス部材に向けて静電的に引き寄せて転写する方式が「静電引き寄せ転写方式」である。
【0046】
2次転写ニップにおいて、転写紙Pの第1面(図中下側の面)には、第2中間転写ベルト16上の第1トナー像が接触しているが、これは第1面に向けてではなく、第2中間転写ベルト16を介して2次転写ローラ17に向けて引き寄せられる。このため、転写紙Pの第1面には転写されずに、第2中間転写ベルト16の表面上に保持されたままになる。
【0047】
上述のようにして、第2面に第2トナー像が2次転写された転写紙Pは、第1転写ユニット15の3次転写バックアップローラ11と、第2転写ユニット25の3次転写ローラ62とが対向している3次転写ニップに送られる。この3次転写ニップでは、3次転写ローラ62に対してトナーと同極性である負極性の3次転写バイアスが印加されている。また、3次転写ローラ62に対向している3次転写バックアップローラ11は接地されている。かかる構成の3次転写ニップでは、第2中間転写ベルト16上の第1トナー像が、第2中間転写ベルト16を介して転写紙P側に向けて静電的に押し出されて転写紙Pの第1面に3次転写される。このように、トナー像を2次転写ローラ17等の転写バイアス部材側から静電的に押し出して転写する方式が「静電押し出し転写方式」である。
【0048】
「静電押し出し転写方式」による第1トナー像の3次転写の際、既に転写紙Pの第2面に2次転写されていた第1トナー像には、第2面から第1中間転写ベルト8に向かう静電気力が作用してしまう。ところが、このような静電気力が作用しても、不思議なことに、第1トナー像は第1中間転写ベルト8に逆転写されずに転写紙Pの第1面に保持されたままになることが本発明者らの研究によって明らかになった。但し、「静電押し出し転写方式」の後に「静電引き寄せ転写方式」を実施すると、後段の「静電引き寄せ転写方式」の実施時に、既に「静電押し出し転写方式」で転写したトナー像を逆転写してしまう。よって、必ず「静電引き寄せ転写方式」、「静電押し出し転写方式」の順で行う必要がある。
【0049】
以上の構成の本第1変形例装置においては、互いに極性の異なるトナー像を転写紙Pのそれぞれ反対面に転写するトナー像を互いに極性の異なるトナーによって形成する必要がない。よって、互いに極性の異なる2種類のトナーを用いることによる種々の不具合を解消しつつ、転写紙Pの両面にトナー像を容易に転写することができる。また、転写チャージャ方式を用いる必要もないので、転写チャージャからの放電によってトナー像を乱すことなく、転写紙Pの両面にトナー像を容易に転写することができる。更には、転写ローラ等の転写バイアス部材をベルトループの内側に配設して、レイアウトをコンパクトにまとめることもできる。
【0050】
[第2変形例装置]
図10は、本第2変形例装置を示す概略構成図である。本第2変形例装置は、プロセスカートリッジと露光装置との組合せについて、実施形態に係るプリンタにおける組合せに加えて、もう1つの組合せを備えている。上述した4つのプロセスカートリッジ6Y,M,C,Kと露光装置7との組合せの他に、他の4つのプロセスカートリッジ86Y,M,C,Kと露光装置87との組合せを備えているのである。前者の組合せは、第2トナー像を形成するためのものである。以下、この組合せについては、それぞれその構成要素を第1系統用のプロセスカートリッジ6Y,M,C,K、第1系統用の露光装置7という。これに対し、後者の組合せは、第1トナー像を形成するためのものである。以下、この組合せについては、それぞれその構成要素を第2系統用のプロセスカートリッジ86Y,M,C,K、第2系統用の露光装置87という。
【0051】
第1系統用のプロセスカートリッジ6Y,M,C,Kや、第1系統用の露光装置7は、それぞれ実施形態に係るプリンタと同様の位置に配設されている。これに対し、第2系統用のプロセスカートリッジ86Y,M,C,Kや、第2系統用の露光装置87は、第2転写ユニット25の図中右側方に配設されている。第2転写ユニット25は、その構成要素として、実施形態に係るプリンタで述べたものの他に、押圧ローラ64と、4つの第2系統用1次転写ローラ69Y,M,C,Kとを有している。
【0052】
上記押圧ローラ64は、第2クリーニング装置18によるクリーニング位置よりもベルト移動方向下流側で、第2中間転写ベルト16をそのおもて面から押圧している。この押圧により、第2中間転写ベルト16は、ベルト移動軌道をベルトループ内に食い込ませるように湾曲させている。このようにベルト移動軌道がベルトループ内に食い込んでいる領域には、上述の第2系統用のプロセスカートリッジ86Y,M,C,Kが配設されている。これら第2系統用のプロセスカートリッジ86Y,M,C,Kは、それぞれ第2像担持体たる感光体81Y,M,C,Kを第2中間転写ベルト16のおもて面に当接させて第2系統用1次転写部たる第2系統用1次転写ニップを形成している。
【0053】
第1系統用のプロセスカートリッジ6Y,M,C,Kは、それぞれ第2トナー像を形成するための専用の画像形成部として機能している。これに対し、第2系統用のプロセスカートリッジ86Y,M,C,Kは、それぞれ第1トナー像を形成するための専用の画像形成部として機能している。プリントジョブが開始すると、第2系統用のプロセスカートリッジ86Y,M,C,Kの感光体81Y,M,C,Kに対し、それぞれ第2系統用の露光装置87による露光走査が開始される。そして、感光体81Y,M,C,K上に、第1トナー像用のY,M,C,Kトナー像が形成され、これらは第2系統用Y,M,C,K1次転写ニップにて第2中間転写ベルト16上に順次重ね合わせ転写されて転写される。これにより、第2中間転写ベルト16上に4色の重ね合わせからなる第1トナー像が形成される。この第1トナー像の形成とほぼ並行して、第1系統用のプロセスカートリッジ6Y,M,C,Kの感光体1Y,M,C,K上では、第2トナー像用のY,M,C,Kトナー像が形成される。そして、これらが第1系統用Y,M,C,K1次転写ニップにて第1中間転写ベルト8上に順次重ね合わせて転写される。これにより、第1中間転写ベルト8上に4色の重ね合わせからなる第2トナー像が形成される。
【0054】
第1紙収容カセット26aの下方に配設された第2紙収容カセット26bの更に下方には、第3紙収容カセット26cが配設されている。この第3紙収容カセット26cも、給紙ローラ27cを備えており、内部に収容している転写紙束の一番上の転写紙Pを、この給紙ローラ27cの回転駆動によってレジストローラ対29に向けて送り出す。
【0055】
先に説明した実施形態に係るプリンタにおいて、第1中間転写ベルト8と第2中間転写ベルト16とが当接している2次転写ニップは、第1トナー像や第2トナー像を2次転写するための2次転写部となっていた。また、転写チャージャ23と第2中間転写ベルト16との対向部が、第2中間転写ベルト16上の第1トナー像を転写紙Pの第1面に3次転写するための3次転写部となっていた。これに対し、本第2変形例装置において、2次転写ニップは、第1中間転写ベルト8上の第2トナー像だけを2次転写するための第1系統用2次転写部となっている。また、転写チャージャ23と第2中間転写ベルト16との対向部は、第2中間転写ベルト16上の第1トナー像を転写紙Pの第1面に2次転写するための第2系統用2次転写部になっている。
【0056】
第1中間転写ベルト8上に重ね合わせ転写された第2トナー像は、第1中間転写ベルト8と第2中間転写ベルト16とが当接している第1系統用2次転写部において、両ベルト間に送り込まれた転写紙Pの第2面に一括2次転写される。この後、転写紙Pは、第2中間転写ベルト16の無端移動に伴って、転写チャージャ23と第2中間転写ベルト16とが対向している第2系統用2次転写部に搬送される。そして、ここで転写チャージャ23によって第2面側にプラスの電荷が付与されて、第2中間転写ベルト16上のマイナス極性の第2トナー像が第1面に一括2次転写せしめられる。なお、第2トナー像は、実施形態に係るプリンタとは異なり、2次転写工程までしか経ないため、第2中間転写ベルト16上に鏡像として形成される。
【0057】
先に説明した実施形態に係るプリンタにおいて、第2中間転写ベルト16上の転写残トナーをクリーニングする第2クリーニング装置18は、第2中間転写ベルト16に対して接離可能に構成されていた。これは、先に述べたように、第2中間転写ベルト16上に2次転写された第1トナー像のクリーニングを回避するためである。しかし、本プリンタでは、各第2系統用1次転写ニップでの重ね合わせによって第2中間転写ベルト16上に形成された第1トナー像が、第2クリーニング装置18によるクリーニング位置に進入する前に転写紙Pに一括2次転写される。よって、第2クリーニング装置18には上記接離機構が設けられていない。
【0058】
図11は、本第2変形例装置の側方端部付近を示す拡大構成図である。同図において、プリンタ本体の側方カバー50は、第2転写ユニット25、第2クリーニング装置18、第2系統用のプロセスカートリッジ86Y,M,C,K、第2系統用の露光装置87などを内包している。また、定着装置30における2つの定着ローラ30a,bのうちの一方(30b)、反転ガイド部材31の2つのガイド板のうちの一方、排紙ローラ対32の一方のローラなども内包している。そして、本体底部に設けられた伸縮自在な伸縮アーム55に案内されて図中左右方向に動くことで、本外筺体から開閉されるようになっている。側方カバーが開かれると、第2転写ユニット25がプリンタ本体側に固定された第1転写ユニット15から大きく離間し、2次転写ニップを形成しなくなる。また、3つの紙収容カセット26a,b,cから排紙ローラ対32に至るまでの紙搬送路が縦方向に2分して大きく露出する。これにより、紙搬送路内で発生したジャム紙の処理作業や、紙搬送路回りの各装置の保守点検作業が容易になる。
【0059】
ボトル収容器54内には、Yトナー用のトナーボトルBY、Mトナー用のトナーボトルBM、Cトナー用のトナーボトルMC、Kトナー用のトナーボトルBKが、それぞれ2つずつ収容されている。これにより、同色のトナーについて、第1系統用の現像装置と、第2系統用の現像装置とに対し、別々のトナーボトルからトナー補給を行うことができる。
【0060】
図12は、本第2変形例装置の第2中間転写ベルト16を部分的に示す斜視図である。第2中間転写ベルト16の裏面における両端部には、ベルト全周渡ってベルト面から突出する寄り止め部材16aが設けられている。これら寄り止め部材16aは、第2中間転写ベルト16の片寄り走行を防止するためのものである。具体的には、第2中間転写ベルト16は、これを張架する各種ローラの間で真っ直ぐに進行するように無端移動することが望ましいが、どうしてもその幅方向に微妙に片寄って走行してしまう。幅方向のうち、一方の方向への片寄り走行が継続して行われると、第2中間転写ベルト16は、そのうち張架ローラ上から脱線してしまう。そこで、ベルト裏面の両端に寄り止め部材16aが設けられているのである。これら寄り止め部材16aにより、第2中間転写ベルト16の脱線が次のようにして阻止される。即ち、例えば図13において、第2中間転写ベルト16が図中右方向に片寄り走行すると、ベルト裏面の左側の寄り止め部材16aが張架ローラたる第2クリーニングバックアップローラ21の左端面に突き当たる。この突き当たりによってそれ以上の片寄り走行が阻止される。また例えば、第2中間転写ベルト16が図中左方向に片寄り走行すると、ベルト裏面の右側の寄り止め部材16aが第2クリーニングバックアップローラ21の左端面に突き当たって、それ以上の片寄り走行が阻止される。
【0061】
2つの寄り止め部材16aについては、第2中間転写ベルト16の基体裏面の両端部に対し、貼り付けや接着等によって固定している。一方、本第2変形例装置では、先に図10に示したように、第2中間転写ベルト16のおもて面に押圧ローラ64を押し当てることで、その移動軌道を大きく湾曲させている。このように大きく湾曲させると、寄り止め部材16aとベルト基体との接合面に大きなストレスを与えて、寄り止め部材16aがベルト基体から剥がれ易くなってしまう。
【0062】
そこで、本第2変形例装置においては、寄り止め部材16aとして、ベルト周方向に複数の凹凸が形成されたものか、あるいは、ベルト周方向に複数の切り込みが形成されたものを用いている。図14や図15は、それぞれ、ベルト周方向に複数の凹凸が形成された寄り止め部材16aを示す斜視図である。図14の寄り止め部材16aにおいては、ベルト周方向に並ぶ櫛歯状の凹凸が形成されている。また、図15の寄り止め部材16aにおいては、凸部と凸部との間にV字状の溝が形成されている。
【0063】
図16は、図14に示した寄り止め部材16aが設けられた第2中間転写ベルト16における第2クリーニングバックアップローラ21周辺の張架形状を示す拡大側面図である。図14において、第2中間転写ベルト16の押圧ローラ64による押圧部は、ベルトおもて面を押圧ローラ64に巻き掛ける姿勢で湾曲する。このように湾曲する第2中間転写ベルト16の押圧部では、寄り止め部材16aの先端側に対し、ベルト周方向に引っ張る力が作用する。この一方で、寄り止め部材16aの根元側に対しては、ベルト周方向に押し縮める力が作用する。これらの力が作用しても、図に示すように寄り止め部材16aの突起部がベルト周方向に撓むことで、ベルトと寄り止め部材16aとの接合面にかかるストレスが低減される。これに対し、ベルト周方向に凹凸を設けていない場合には、ベルト周方向に引っ張られる寄り止め部材16aの先端側が、ベルト周方向に押し縮められる寄り止め部材16aの根元側を押圧して、より一層押し縮めようとする。このことにより、接合面に過剰なストレスがかかってしまう。
【0064】
図16において、寄り止め部材16aの凸部の厚みt1は、1〜3[mm]程度である。また、凹部の厚みt2は、0.5[mm]から、t1の半分程度である。寄り止め部材16aについては、張架ローラの端面に確実に突き当てて第2中間転写ベルト16の脱線を確実に阻止させる目的から、ある程度の厚みを確保しなければならない。そして、厚くするほど、湾曲した箇所における寄り止め部材16aとベルト基体との接合面に大きなストレスをかけて、寄り止め部材16aを剥がし易くなってしまう。このようなトレードオフの関係であっても、ベルト周方向に凹凸を設けることで、接合面にかかるストレスを抑えつつ、凸部を確実に張架ローラ端面に突き当てる程度の厚みで形成して、ベルトの脱線を確実に阻止することができる。なお、凸部の厚みt1を薄くしすぎると、張架ローラの端面に対する突き当たりが確実になされずに、第2中間転写ベルト16を脱線させ易くなってしまう。また、厚過ぎると接着部分の剥がれが問題となる。
【0065】
かかる構成の寄り止め部材16aについては、複数の張架ローラのそれぞれに対して、それら端面に最低1個の凸部を引っ掛け得るように、凹凸ピッチを設定することが重要である。
【0066】
図17はベルト周方向に複数の切り込みが形成された寄り止め部材16aを示す斜視図である。また、図18は、かかる寄り止め部材16aが設けられた第2中間転写ベルト16における第2クリーニングバックアップローラ21周辺の張架形状を示す拡大側面図である。寄り止め部材16aにベルト周方向に複数の切り込みを入れた場合でも、凹凸を設けた場合と同様にして、寄り止め部材16aとベルト基体との接合面に対するストレスを低減することができる。
【0067】
[第3変形例装置]
図19は、本第3変形例装置の側方端部付近を示す拡大構成図である。本第3変形例装置は、第2変形例装置とほぼ同様の構成になっているが、以下に説明する点が第2変形例装置と異なっている。両面転写手段が転写チャージャ(23)の代わりに、第2系統用2次転写バックアップローラ65を備えている。また、第1中間転写ベルト8は、この第2系統用2次転写バックアップローラ65にも掛け回されている。そして、2次転写バックアップローラ12による張架位置で折り返しているのではなく、この第2系統用2次転写バックアップローラ65による張架位置で折り返している。更に、第2転写ユニット25は、第2変形例装置における3次転写バックアップローラ(22)の代わりに、第2系統用2次転写ローラ66を備えている。第1転写ユニット15の第2系統用2次転写バックアップローラ65と、第2転写ユニット25の第2系統用2次転写ローラ66とは、両者間に第1中間転写ベルト8及び第2中間転写ベルト16を挟み込んでいる。これにより、第2系統用2次転写部である第2系統用2次転写ニップが形成されている。第2系統用2次転写ローラ66には、図示しない電源によってトナーとは逆極性の第2系統用2次転写バイアスが印加される。
【0068】
図20は、本第3変形例装置における2次転写部の周囲構成を示す拡大模式図である。同図において、第1転写ニット15の2次転写バックアップローラ12と、第2転写ユニット25の2次転写ローラ17との間には、第1系統用2次転写部たる第1系統用2次転写ニップが形成されている。この第1系統用2次転写ニップの近傍において、第2中間転写ベルト16の裏面に当接している2次転写ローラ17に対しては、トナーと逆極性である正極の第1系統用2次転写バイアスが印加されている。また、第1中間転写ベルト8の裏面に当接している2次転写バックアップローラ12は接地されている。かかる構成の第1系統用2次転写ニップでは、第1中間転写ベルト8上の第2トナー像が、転写紙Pと第2中間転写ベルト16とを介して2次転写ローラ17側に静電的に引き寄せられて転写紙Pの第2面(図中上側の面)に2次転写される。即ち、第1系統用2次転写ニップにおいては、第1中間転写ベルト8上の第2トナー像が「静電引き寄せ転写方式」によって転写紙Pの第2面に転写されるのである。
【0069】
このようにして、第2面に第2トナー像が2次転写された転写紙Pは、上述の第2系統用2次転写ニップに搬送される。この第2系統用2次転写ニップでは、第2系統用2次転写ローラ66に対してトナーと同極性である負極性の第2系統用2次転写バイアスが印加されている。また、第2系統用2次転写ローラ66に対向している第2系統用2次転写バックアップローラ65は接地されている。かかる構成の第2系統用2次転写ニップでは、第2中間転写ベルト16上の第1トナー像が、第2中間転写ベルト16を介して転写紙P側に向けて静電的に押し出されて転写紙Pの第1面に2次転写される。即ち、第2系統用2次転写ニップにおいては、第2中間転写ベルト16上の第1トナー像が「静電押し出し転写方式」によって転写紙Pの第1面に2次転写されるのである。
【0070】
かかる構成の本第3変形例装置においては、第1変形例装置と同様に、互いに極性の異なるトナー像を転写紙Pのそれぞれ反対面に転写するトナー像を互いに極性の異なるトナーによって形成する必要がない。よって、互いに極性の異なる2種類のトナーを用いることによる種々の不具合を解消しつつ、転写紙Pの両面にトナー像を容易に転写することができる。また、転写チャージャ方式を用いる必要もないので、転写チャージャからの放電によってトナー像を乱すことなく、転写紙Pの両面にトナー像を容易に転写することができる。更には、転写ローラ等の転写バイアス部材をベルトループの内側に配設して、レイアウトをコンパクトにまとめることもできる。
【0071】
[第4変形例装置]
図21は、本第4変形例装置における2次転写部の周囲構成を示す拡大模式図である。本第4変形例装置は、第3変形例装置とほぼ同様の構成になっているが、次に説明する点が第3変形例装置と異なっている。即ち、2次転写ローラ17と、2次転写バックアップローラ12との位置関係が、第3変形例装置と逆になっている。2次転写ローラ17が第2転写ユニット25ではなくて第1転写ユニット15に設けられている代わりに、2次転写バックアップローラ12が第1転写ユニット15ではなくて第2転写ユニット25に設けられているのである。また、第2系統用2次転写ローラ66と、第2系統用2次転写バックアップローラ65との位置関係も、第3変形例装置と逆になっている。第2系統用2次転写ローラ66が第1転写ユニット15に設けられている代わりに、第2系統用2次転写バックアップローラ65が第2転写ユニット25に設けられているのである。更に、2次転写ローラ17及び2次転写バックアップローラ12の組合せと、第2系統用2次転写ローラ66及び第2系統用2次転写バックアップローラ65の組合せとの位置関係も、第3変形例装置と逆になっている。前者の組合せが、後者の組合せよりも、ベルト移動方向下流側に位置しているのである。
【0072】
図示しないレジストローラ対から両面転写手段に向けて送られる転写紙Pは、まず、第2系統用2次転写ローラ66と第2系統用2次転写バックアップローラ65とが対向している第2系統用2次転写ニップに進入する。この第2系統用2次転写ニップにおいて、第1中間転写ベルト8の裏面に当接している第2系統用2次転写ローラ66に対しては、トナーと逆極性である正極の第2系統用2次転写バイアスが印加されている。また、第2中間転写ベルト16の裏面に当接している第2系統用2次転写バックアップローラ65やニップ拡張ローラ19は接地されている。かかる構成の第2系統用2次転写ニップでは、第2中間転写ベルト16上の第1トナー像が、転写紙Pと第1中間転写ベルト8とを介して第2系統用2次転写ローラ66側に静電的に引き寄せられて転写紙Pの第1面(図中下側の面)に2次転写される。即ち、本第4変形例装置では、第2トナー像の2次転写に先立ち、第2系統用2次転写ニップにおいて、第2中間転写ベルト16上の第1トナー像が「静電引き寄せ転写方式」によって転写紙Pの第1面に転写されるのである。
【0073】
第2系統用2次転写ニップで第1面に第1トナー像が2次転写された転写紙Pは、第1系統用2次転写ニップに搬送される。この第1系統用2次転写ニップでは、第1中間転写ベルト8の裏面に当接している2次転写ローラ17に対してトナーと同極性である負極性の第1系統用2次転写バイアスが印加されている。また、第2中間転写ベルト16の裏面に当接している2次転写バックアップローラ12は接地されている。かかる構成の第1系統用2次転写ニップでは、第1中間転写ベルト8上の第2トナー像が、第1中間転写ベルト8を介して転写紙P側に向けて静電的に押し出されて転写紙Pの第2面に2次転写される。即ち、本第4変形例装置では、第1トナー像の2次転写の後に、第1系統用2次転写ニップにおいて、第1中間転写ベルト8上の第2トナー像が「静電押し出し転写方式」によって転写紙Pの第2面に転写されるのである。
【0074】
かかる構成の本第4変形例装置においても、第1変形例装置や第3変形例装置と同様に、互いに極性の異なるトナー像を転写紙Pのそれぞれ反対面に転写するトナー像を互いに極性の異なるトナーによって形成する必要がない。よって、互いに極性の異なる2種類のトナーを用いることによる種々の不具合を解消しつつ、転写紙Pの両面にトナー像を容易に転写することができる。また、転写チャージャ方式を用いる必要もないので、転写チャージャからの放電によってトナー像を乱すことなく、転写紙Pの両面にトナー像を容易に転写することができる。更には、転写ローラ等の転写バイアス部材をベルトループの内側に配設して、レイアウトをコンパクトにまとめることもできる。
【0075】
これまで、像担持体としてドラム状の感光体を用いた例について説明したが、ベルト上の感光体など、他の方式のものを用いてもよい。また、中間転写体については、ベルト方式のものに限られず、ローラ方式などもものでも良い。また、粉体トナーではなく、トナーと液体キャリアとを含有する液体現像剤を用いる画像形成装置にも本発明の適用が可能である。また、フルカラー画像を形成する例について説明したが、1つの感光体(像担持体)を用いて単色画像を形成する画像形成装置でもよい。また、電子写真方式のプリンタについて説明したが、直接記録方式の画像形成装置にも本発明の適用が可能である。この直接記録方式とは、潜像担持体によらず、トナー飛翔装置からドット状に飛翔させたトナー群を中間転写体や記録体に直接付着させて画素像を形成することで、画像を直接形成する方式である。本発明に係る画像形成装置の直接記録方式では、トナー飛翔装置から飛翔したトナーが付着せしめられる中間転写体が像担持体としての機能を発揮することになる。
【0076】
以上、本プリンタ100においては、第2中間転写ベルト16における3次転写部から定着装置30に向けての紙搬送方向の傾斜を上向きにしている。このことにより、プリンタ本体の上面を転写紙Pのスタック部40として容易に有効利用することができる。
また、第1中間転写ベルト8と、第1転写部たる上記1次転写ニップと、第2中間転写ベルト16と、第2転写部たる上記2次転写ニップと、第3転写部たる上記3次転写部とを設けている。かかる構成では、ワンパス両面転写方式における2段階の静電転写方式を実現することができる。更に、2段階の静電転写方式における第1無端移動体、第2無端移動体として、ベルトを用いていることで、ローラ形状やドラム形状のものを用いる場合に比べ、プリンタ本体内でのレイアウト自由度を向上させることができる。
また、各感光体(1Y,M,C,K)上の単色トナー像をそれぞれ第1中間転写ベルト8上に重ね合わせ転写して4色トナー像を得るタンデム方式を採用している。このため、感光体を1つしか設けない場合に比べ、プリント時間を短縮することができる。更に、各感光体を、第1中間転写ベルト8の水平方向張架部分に対向させて1次転写ニップを形成せしめる配設としているので、第1中間転写ベルト8を横長の形状で張架して、プリンタ本体内に収めることができる。
また、最後の重ね合わせ1次転写位置であるK用1次転写ニップを通過した第1中間転写ベルト8について、その無端移動に伴って初めに到達するローラ張架位置を第2転写部たる2次転写ニップにしている。このことにより、他のローラ張架位置を2次転写ニップにする場合に比べ、第1中間転写ベルト上の4色トナー像を迅速に2次転写して、プリント時間を短縮することができる。
また、横長の形状で張架される第1中間転写ベルト8の下方で、且つ第2中間転写ベルト16を縦長の形状で張架される第2中間転写ベルト16の側方のスペースに、各感光体、画像データ処理装置E1、紙収容カセット26a,b、給紙路35を配設している。このことにより、第1中間転写ベルト8、第2中間転写ベルト16のそれぞれについて十分な周長を確保しながら、デッドスペースの少ないコンパクトなレイアウトを実現することができる。
また、第1中間転写ベルト8、第2中間転写ベルト16を、それぞれ横長、縦長の張架形状にしたことに起因して、定着装置30の下方に形成される縦長のスペースを利用して、収集物貯蔵手段たる廃トナー収容器24を縦長の姿勢で配設している。このことにより、廃トナー収容器24のトナー収容空間を大きく確保して、廃トナーを処分するためのメンテナンス作業の頻度を非常に少なくすることができる。
また、第2クリーニング装置18との間に断熱手段たる断熱部材60を配設しているので、第2クリーニング装置18の内部で回収トナーを熱によって軟化、固着させることによるクリーニング性能の低下を抑えることができる。また、定着装置30と、廃トナー収容器24との間に断熱部材60を配設しているので、廃トナー収容器24の内部で廃トナーを熱によって軟化、固着させることによるトナー廃棄性能の低下を抑えることもできる。
また、無端移動体たる第2中間転写ベルト16と、定着手段の記録体搬送部材たる定着ローラ30bとを、共通の駆動源である搬送駆動モータ70によって駆動させるようにしている。かかる構成では、これらを別々の駆動源で駆動させた場合に両駆動源の駆動速度誤差で生ずる紙搬送速度差による未定着像の擦れを解消することができる。
【0077】
また、第1変形例装置においては、第2転写部たる2次転写ニップにて第1中間転写ベルト8上のトナー像を転写紙Pの第2面や第2中間転写ベルト16に転写するための第2転写部転写手段として、次のようなものを用いている。即ち、トナー像を転写バイアス部材たる2次転写ローラ17側に向けて静電的に引き寄せて転写する方式のものである。一方、第3転写部にて第2中間転写ベルト16上の第1トナー像を転写紙Pの第1面に転写するための第3転写部転写手段として、次のようなものを用いている。即ち、第1トナー像を転写バイアス部材たる3次転写ローラ62側から静電的に押し出して転写紙Pの第1面に転写する方式のものである。かかる構成では、既に述べたように、互いに極性の異なる2種類のトナーを用いることによる種々の不具合を解消しつつ、転写紙Pの両面にトナー像を容易に転写することができる。また、転写チャージャからの放電によってトナー像を乱すことなく、転写紙Pの両面にトナー像を容易に転写することができる。更には、転写ローラ等の転写バイアス部材をベルトループの内側に配設して、レイアウトをコンパクトにまとめることもできる。
【0078】
また、第2、第3、第4変形例装置においては、像担持体として、第1像担持体たる第1系統用の感光体1Y,M,C,Kと、第2像担持体たる第2系統用の感光体81Y,M,C,Kとを備えている。また、両面転写手段が、複数の張架ローラに張架されながら無端移動する第1中間転写ベルト8と、第1系統用の各感光体から第1中間転写ベルト8にトナー像を転写するための第1系統用1次転写部たる第1系統用1次転写ニップと、複数の張架ローラに張架されながら無端移動する第2中間転写ベルト16と、第2系統用の各感光体から第2中間転写ベルト16にトナー像を転写するための第2系統用1次転写部たる第2系統用1次転写ニップと、第1中間転写ベルト8上の第2トナー像を転写紙Pの第2面に転写するための第1系統用2次転写部たる2次転写ニップと、第2中間転写ベルト16上の第1トナー像を転写紙Pの第1面に転写するための第2系統用2次転写部とを有している。また、第2中間転写ベルト16が、2次転写ニップや第2系統用2次転写部から定着手段たる定着装置30に向けて転写紙Pを搬送する無端移動体として機能している。かかる構成では、第1トナー像を形成して第2中間転写ベルト16に2次転写しておいてから、第2トナー像を形成しなければならない実施形態に係るプリンタや第1変形例装置とは異なり、第1トナー像と第2トナー像とを並行して形成することができる。よって、実施形態に係るプリンタや第1変形例装置よりも、転写紙Pの両面に画像を形成するための両面画像形成時間を大幅に短縮することができる。
【0079】
また、第2、第3、第4変形例装置においては、第1像担持体や第2像担持体として、それぞれ、互いに異なる色のトナー像を担持する複数のものを用いている。また、第1系統用1次転写部や第2系統用1次転写部として、それぞれ、第1系統用の感光体1Y,M,C,Kや第2系統用の感光体にそれぞれ個別に対応する複数の1次転写ニップを設けている。そして、これら1次転写ニップにて、それぞれ第1像担持体(1Y,M,C,K)や第2像担持体(81Y,M,C,K)から第1中間転写ベルト8や第2中間転写ベルト16へのトナー像の重ね合わせ1次転写によって多色像たる4色トナー像を形成させるようにしている。かかる構成では、第1系統用、第2系統用として、それぞれ感光体を1つずつしか設けていない場合に比べ、プリント時間を短縮することができる。
【0080】
また、第2、第3、第4変形例装置においては、鉛直方向よりも水平方向にスペースをとる横長の形状で第1中間転写ベルト8を張架して、その水平方向張架部分に各感光体1Y,M,C,Kを対向せしめて各第1系統用1次転写ニップを形成している。この一方で、水平方向よりも鉛直方向にスペースをとる縦長の形状で第2中間転写ベルト16を張架して、その鉛直方向張架部分に各感光体81Y,M,C,Kを対向せしめて各第2系統用1次転写ニップを形成している。かかる構成では、図10等に示したように、プリンタ本体内において、縦長の第2中間転写ベルト16の側方で、且つ横長の第1中間転写ベルト8の下方に、縦長のスペースを形成して、その内部に各種機器をコンパクトに収めることができる。
【0081】
また、第2、第3、第4変形例装置においては、第2中間転写ベルト16の両側方に形成される側方スペースのうち、第1中間転写ベルト8の下方に位置する方に、記録体収容手段たる各紙収容カセット(26a,b,c)と、記録体供給路たる給紙路とを配設している。そして、もう一方の側方スペースに、第2系統用の各感光体81Y,M,C,Kを配設している。かかる構成では、図11等に示したように、第1中間転写ベルト8の下方に各紙収容カセット(26a,b,c)や給紙路をコンパクトに収納しつつ、プリンタ本体の端部スペースである側方カバー50内に第2中間転写ベルト16や第2系統用の各感光体81Y,M,C,Kをコンパクトに収納することができる。
【0082】
また、第2、第3、第4変形例装置においては、第2系統用2次転写部を通過した後の第2中間転写ベルト16に残留する像形成物質たるトナーをクリーニングする第2クリーニング装置18手段を設けている。加えて、第2クリーニング装置18によるクリーニング位置よりもベルト移動方向下流側で且つ各第2系統用1次転写ニップよりもベルト移動方向上流側の第2中間転写ベルト16のおもて面を押圧して第2中間転写ベルト16の移動軌道をベルトループ内に食い込ませるように湾曲せしめる押圧ローラ64を設けている。かかる構成では、第2クリーニング装置18によって除去し切れなかったトナーや異物を押圧ローラ64で押圧して潰すことで、それらトナーや異物をそのままの状態で各第2系統用1次転写ニップに進入させてしまうことによる第2系統用の各感光体81Y,M,C,Kの損傷を抑えることができる。
【0083】
また、第2、第3、第4変形例装置においては、押圧ローラ64によって第2中間転写ベルト16をベルトループ内に食い込ませている領域に、第2系統用の各感光体81Y,M,C,Kを配設している。かかる構成では、押圧ローラ41によるベルト食い込み領域に第2系統用の各感光体81Y,M,C,Kをコンパクトに収納して、これら感光体を設けることによる装置の大型化を抑えることができる。
【0084】
また、第2、第3、第4変形例装置においては、定着装置30と第2クリーニング装置18との間に断熱部材60を配設している。かかる構成では、定着装置30からの熱伝導によって第2クリーニング装置18の内部で回収トナーを軟化、固着させることによるクリーニング性能の低下を抑えることができる。
【0085】
また、第3、第4変形例装置においては、第1系統用2次転写ニップにて第1中間転写ベルト8上の第2トナー像を転写紙Pの第2面に転写するための第1系統用第2転写部転写手段と、第2系統用2次転写部ニップにて第2中間転写ベルト16上の第1トナー像を転写紙Pの第1面に転写するための第2系統用2次転写部転写手段とのうち、一方として、トナー像を転写バイアス部材側に向けて静電的に引き寄せて転写紙に2次転写する方式のものを用いている。加えて、もう一方として、トナー像を転写バイアス部材側から静電的に押し出して転写紙Pに2次転写する方式のものを用いている。更に、前者の方式、即ち「静電引き寄せ転写方式」による2次転写を行った後に、後者の方式、即ち「静電押し出し転写方式」による2次転写を行わせるようにしている。かかる構成では、既に述べたように、互いに極性の異なる2種類のトナーを用いることによる種々の不具合を解消しつつ、転写紙Pの両面にトナー像を容易に転写することができる。また、転写チャージャからの放電によってトナー像を乱すことなく、転写紙Pの両面にトナー像を容易に転写することができる。更には、転写ローラ等の転写バイアス部材をベルトループの内側に配設して、レイアウトをコンパクトにまとめることもできる。
【0086】
【発明の効果】
請求項1乃至18の発明によれば、2段階の静電転写方式を採用する場合でも、定着手段を大型化させることなく、無端移動体と記録体との摺擦による画像の乱れと、記録体とガイド部材との摺擦による画像の乱れとの両方を抑えて、画像形成装置本体をコンパクトにすることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】無端移動体の表面に保持されながら水平方向から傾斜した方向で搬送される記録体を示す模式図。
【図2】定着手段に受け渡される際の同記録体を示す模式図。
【図3】水平搬送方式の無端移動体によって定着手段に受け渡される際の記録体を示す模式図。
【図4】第1実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図5】同プリンタのY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図6】同プリンタの側方端部付近を示す拡大構成図。
【図7】同プリンタと、これに接続されるパソコンとによる画像形成システムを示す斜視図。
【図8】第1変形例装置の両面転写手段を部分的に拡大して示す拡大構成図。
【図9】同第1変形例装置の2次転写ニップ及び3次転写ニップとその周囲とを示す模式図。
【図10】第2変形例装置を示す概略構成図。
【図11】同第2変形例装置の側方端部付近を示す拡大構成図。
【図12】同第2変形例装置の第2中間転写ベルトを部分的に示す斜視図。
【図13】同第2変形例装置の第2中間転写ベルトと第2クリーニングバックアップローラとを示す正面図。
【図14】同第2中間転写ベルトの寄り止め部材の一例を示す斜視図。
【図15】同寄り止め部材の他の一例を示す斜視図。
【図16】図14に示した寄り止め部材が設けられた同第2中間転写ベルトにおける第2クリーニングバックアップローラ周辺の張架形状を示す拡大側面図。
【図17】寄り止め部材の更なる他の一例を示す斜視図。
【図18】図17に示した寄り止め部材が設けられた同第2中間転写ベルトにおける第2クリーニングバックアップローラ周辺の張架形状を示す拡大側面図。
【図19】第3変形例装置の側方端部付近を示す拡大構成図。
【図20】同第3変形例装置における2次転写部の周囲構成を示す拡大模式図。
【図21】第3変形例装置における2次転写部の周囲構成を示す拡大模式図。
【符号の説明】
1Y,M,C,K 感光体(第1像担持体)
15 第1転写ユニット(両面転写手段の一部)
16 第2中間転写ベルト(無端移動体)
17 2次転写ローラ(転写バイアス部材)
18 第2クリーニング装置(第2中間転写ベルトクリーニング手段)
24 廃トナー収容器(収集物貯蔵手段)
25 第2転写ユニット(両面転写手段の他の一部)
26a,b 紙収容カセット(記録体収容手段)
30 定着装置(定着手段)
30b 定着ローラ(記録体搬送部材)
35 給紙路(記録体供給路)
60 断熱部材(断熱手段)
62 3次転写ローラ(転写バイアス部材)
64 押圧ローラ
66 第2系統用2次転写ローラ(転写バイアス部材)
70 搬送駆動モータ(駆動源)
81Y,M,C,K 第2系統用の感光体(第2像担持体)
Claims (17)
- 可視像を担持する像担持体と、該像担持体上の可視像を記録体の両面に転写する両面転写手段と、該両面転写手段を経由した後の記録体に可視像を定着せしめる定着手段と、両面転写が施された記録体を表面の無端移動に伴って両面転写手段の転写部から該定着手段に向けて搬送する無端移動体とを備える画像形成装置であって、
上記無端移動体における上記転写部から上記定着手段に向けての記録体搬送方向が、水平方向から傾斜した方向であり、
上記両面転写手段が、複数のローラに張架されながら無端移動する第1中間転写ベルトと、上記像担持体から該第1中間転写ベルトに可視像を転写するための第1転写部と、複数のローラに張架されながら無端移動する第2中間転写ベルトと、該第1中間転写ベルト上の可視像を記録体の一方の面や該第2中間転写ベルトに転写するための第2転写部と、該第2中間転写ベルト上の可視像を記録体のもう一方の面に転写するための第3転写部とを有するものであり、
且つ、上記無端移動体が、記録体を該第2転写部及び第3転写部から上記定着手段に向けて搬送する該第2中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記記録体搬送方向を、水平方向から上向きに傾斜させたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2の画像形成装置において、
互いに異なる色の可視像を担持する複数の上記像担持体と、各像担持体にそれぞれ個別に対応する複数の上記第1転写部とを設け、各像担持体上から上記第1中間転写ベルトへの可視像の重ね合わせ転写によって多色画像を形成させるようにし、
且つ、各像担持体を水平方向に並べて配設してそれぞれ上記第1中間転写ベルトの水平方向張架部分に対向せしめて各第1転写部を形成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3の画像形成装置において、
複数の上記像担持体のうち、可視像の転写が最後に行われる像担持体との対向位置を通過した第1中間転写ベルト部分がその無端移動に伴って初めに到達するローラ張架位置に、上記第2転写部を形成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4の画像形成装置において、
上記第2中間転写ベルトを複数のローラによって鉛直方向に長い縦長の形状で張架させ、上記第1中間転写ベルトの下方で且つ上記第2中間転写ベルトの側方のスペースに、複数の上記像担持体と、複数の記録体を収容する記録体収容手段と、該記録体収容手段内の記録体を上記第2転写部に供給するための記録体供給路とを配設したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5の画像形成装置において、
上記第3転写部を通過した後の上記第2中間転写ベルト表面に残留する像形成物質をクリーニングする第2中間転写ベルトクリーニング手段と、該第2中間転写ベルトクリーニング手段によって収集された像形成物質を貯蔵する収集物貯蔵手段とを設け、上記定着手段の下方で且つ上記第2中間転写ベルトの側方のスペースに、該収集物貯蔵手段を鉛直方向に長い縦長の姿勢で配設したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6の画像形成装置において、
上記定着手段と、上記第2中間転写ベルトクリーニング手段及び収集物貯蔵手段との間に、断熱部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6又は7の画像形成装置において、
上記無端移動体と、上記定着手段の記録体搬送部材とを、共通の駆動源によって駆動させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至7の何れかの画像形成装置において、
上記第2転写部にて上記第1中間転写ベルト上の可視像を記録体の一方の面や上記第2中間転写ベルトに転写するための第2転写部転写手段として、トナー像を転写バイアス部材側に向けて静電的に引き寄せて転写する方式のものを用いるとともに、上記第3転写部にて該第2中間転写ベルト上の可視像を記録体のもう一方の面に転写するための第3転写部転写手段として、トナー像を転写バイアス部材側から静電的に押し出して記録体に転写する方式のものを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2の画像形成装置であって、
上記像担持体として、第1像担持体と第2像担持体とを備え、
上記両面転写手段が、複数のローラに張架されながら無端移動する第1中間転写ベルトと、該第1像担持体から該第1中間転写ベルトに可視像を転写するための第1系統用1次転写部と、複数のローラに張架されながら無端移動する第2中間転写ベルトと、該第2像担持体から該第2中間転写ベルトに可視像を転写するための第2系統用1次転写部と、該第1中間転写ベルト上の可視像を記録体の一方の面に転写するための第1系統用2次転写部と、該第2中間転写ベルト上の可視像を記録体のもう一方の面に転写するための第2系統用2次転写部とを有し、且つ、上記無端移動体が、これら2次転写部から上記定着手段に向けて記録体を搬送する該第2中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10の画像形成装置において、
上記第1像担持体や第2像担持体として、それぞれ、互いに異なる色の可視像を担持する複数のものを用いるとともに、上記第1系統用1次転写部や第2系統用1次転写部として、それぞれ、各第1像担持体や各第2像担持体にそれぞれ個別に対応する複数のものを設け、各第1系統用1次転写部や各第2系統用1次転写部にて、それぞれ該第1像担持体や第2像担持体から上記第1中間転写ベルトや第2中間転写ベルトへの可視像の重ね合わせ1次転写によって多色像を形成させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11の画像形成装置において、
鉛直方向よりも水平方向にスペースをとる横長の形状で上記第1中間転写ベルトを張架して、その水平方向張架部分に各第1像担持体を対向せしめて各第1系統用1次転写部を形成するとともに、水平方向よりも鉛直方向にスペースをとる縦長の形状で上記第2中間転写ベルトを張架して、その鉛直方向張架部分に各第2像担持体を対向せしめて各第2系統用1次転写部を形成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項12の画像形成装置において、
上記第2中間転写ベルトのおもて面を臨むように該第2中間転写ベルトの両側方に形成される側方スペースのうち、上記第1中間転写ベルトの下方に位置する方に、記録体を収容する記録体収容手段と、該記録体収容手段内の記録体を上記第1系統用2次転写部や第2系統用2次転写部に向けて供給するための記録体供給路とを配設し、且つ、もう一方の側方スペースに、各第2像担持体を配設したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13の画像形成装置において、
上記第2系統用2次転写部を通過した後の上記第2中間転写ベルトに残留する像形成物質をクリーニングする第2中間転写ベルトクリーニング手段と、該第2中間転写ベルトクリーニング手段によるクリーニング位置よりもベルト移動方向下流側で且つ各第2系統用1次転写部よりもベルト移動方向上流側の第2中間転写ベルトのおもて面を押圧して該第2中間転写ベルトの移動軌道をベルトループ内に食い込ませるように湾曲せしめる押圧ローラとを設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14の画像形成装置において、
上記押圧ローラによって上記第2中間転写ベルトをベルトループ内に食い込ませている領域に、各第2像担持体を配設したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13又は14の画像形成装置において、
上記定着手段と上記第2中間転写ベルトクリーニング手段との間に断熱部材を配設したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10乃至16の何れかの画像形成装置において、
上記第1系統用2次転写部にて上記第1中間転写ベルト上の可視像を記録体の一方の面に転写するための第1系統用第2転写部転写手段と、上記第2系統用2次転写部にて上記第2中間転写ベルト上の可視像を記録体のもう一方の面に転写するための第2系統用2次転写部転写手段とのうち、一方として、トナー像を転写バイアス部材側に向けて静電的に引き寄せて記録体に転写する方式のものを用いるとともに、もう一方として、トナー像を転写バイアス部材側から静電的に押し出して記録体に転写する方式のものを用い、前者の方式による2次転写を行った後に、後者の方式による2次転写を行わせるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
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