JP2008087166A - 粉体接着剤中間転写体 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧着はがき用シートの貼り合わせ面に粉体接着剤を能率よく転写して塗布する粉体接着剤中間転写体を提供する。
【解決手段】接着剤供給ローラ21にはバイアス電圧Vaが印加される。中間転写ドラム22の塗布部36にはバイアス電圧VbとVcが選択的に印加され、非塗布部37にはバイアス電圧Vcが印加される。バイアス電圧はVc<Va<Vbに設定される。塗布部36は例えば2連のV折り圧着はがき用紙16の貼付け面に対応する接着剤塗布形状に形成されている。接着剤供給ローラ21から供給される粉体接着剤17は非塗布部37に吸着されることなく、塗布部36には印加バイアスが電圧Vbであるとベタ吸着され、電圧Vcであると吸着されない。塗布部36にベタ吸着された粉体接着剤17は用紙16の塗布予定部40に転写されベタ塗布される。
【選択図】 図7

Description

本発明は、圧着はがき用シートに宛名や秘匿情報を印刷したのちその秘匿情報印刷面に貼り合わせのための粉体接着剤を能率よく転写して塗布する粉体接着剤中間転写体に関する。
従来、特定の個人のみへ文字情報を伝達するために、一般に、文字記載物を封書の形態にし、開封後に始めて当該個人が文字情報を確認できるようにしていた。
近年、個人情報保護が厳しく問われるようにもなり、各種事業所等では、例えば、個人の各種データ、成績表、給与明細書等の個人情報は、これを文字記載物の内部の印字箇所に記録して、印字箇所の周縁部もしくは文字記載物の全面を接着や圧着により封筒状やカード状にして配布したりしている。
このうち、はがきサイズのカード状のものは圧着はがきと呼ばれており、通常の郵便はがきと同じ料金で利用できることから、情報提供者側の利便性が高い印字(印刷)情報秘匿システムとして、広告宣伝のダイレクトメール等にも汎用されている。
このような圧着はがき等による印字情報秘匿システムを利用するには、従来、専門の製造業者に委託するか、高価な圧着はがき等製造・印刷装置を導入するかして秘匿情報を作成していた。
これらの圧着はがき等製造・印刷装置を用いて秘匿情報を作成するには、接着剤を情報印字の後に塗布する方法や、情報印字の前に塗布する方法等があるが、いずれにしても秘匿情報を大量に作成するという前提が必須であり高価であった。
また、そのような製造業者への委託は、個人情報の流出の問題も潜在的に存在しており好ましい秘匿情報の作成方法とはいえない。
ところで、近年、パソコンやプリンタの発達と相侯って、小規模事業所や個人でも利用できるように、少量単位でも簡易に圧着はがきを作成できるようにしたものも提案されている。
例えば、感圧接着剤を予め塗布した剥離紙付きはがき用紙が販売されている。これは、2つ折り内部の印字面に所定の文字情報等を印字後に、感圧接着剤部分を圧着して投函用の圧着はがきを完成させるものである。
また、例えば、粘着フイルムとはがき用紙を一組にしたものが販売されている。これは、2つ折り内部の印字面に所定の文字情報等を印字後に、2つ折り内部に粘着フイルムを挟むようにして圧着して、投函用の圧着はがきを作成できるようにしたものである。
しかしながら、これでもコスト高は避けられず、取り扱いが煩雑であり、個人的に数枚の圧着はがきを作成するのなら良いが、ある程度の枚数単位で、安価で、迅速に、且つ対需要即応体制で作成できるものではない。
そこで、粘着剤を内包したマイクロカプセルから成るトナー状粘着剤を静電印刷法により基材の表面に転写してフラッシュ定着させ、接着時には圧力によりマイクロカプセルを破壊しカプセル内の粘着剤を浸出させるようにして、圧着はがきを容易に作成できるとする提案がなされている。また、この提案では、粘着剤を溶融、混練、粉砕した粉砕トナーも示唆されている。(例えば、特許文献1参照。)
また、事務用プリンタや複写機の交換用の印字用カートリッジに圧着用物質を入れて、それら事務用プリンタ又は複写機による印字作業と同様の操作で圧着用物質を官製はがきや封筒に塗布し、その後、圧着専用機にかけるようにし、圧着専用機にかけるところまでを1台のプリンタ又は複写機で出来るとする提案がなされている。また、この提案では、二つ折りの片面、三つ折の中央両面に圧着用物質を塗布することが示唆されている。(例えば、特許文献2参照。)
また、感熱接着剤を含むトナーを用い、電子写真方式により画像を対需要即応式で作成する方法が提案されている。この提案では、感熱接着剤の軟化温度は電子写真方式用のトナーの結着樹脂の軟化温度よりも高くなるように構成し、また、感熱接着剤の電子写真方式用トナーに占める割合を5〜60重量%とし、また、感熱接着剤の組成は熱接着性樹脂、ホットメルト及びワックス類からなる群より選ばれる1種類以上を含むようにすることが提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
特開平09−104849号公報(段落0005、0014、図1、図3、図6) 特開2000−006553号公報(要約、図なし) 特開2004−126231号公報(段落0085〜0087、図なし)
しかしながら、特許文献1の技術は、マイクロカプセル式のトナーについては構成及び組成について記載されてはいるが、粉砕トナーについては単なる思い付き程度に示唆されているのみであり、具体的な組成、製法、及び用法についての記載がなく、これでは、この分野の当業者といえども有用な粉砕トナーを作成することは勿論、試作することさえ出来ない。
また、特許文献2の技術は、圧着専用機にかける前までの官製はがきや封筒による印字情報秘匿書類を作成するものであり、投函用に完成するには圧着専用機にかけなければならない点で利便性と経済性に欠けるものであり、また対需要即応性には程遠いものと言わざるを得ない。
また、特許文献3の技術では、単に感熱接着剤の軟化温度が電子写真方式用のトナーの結着樹脂の軟化温度よりも高く設定されているというのみで、感熱接着剤を含むトナーの詳細な処方等の説明はない。
ところで、対需要即応性のある圧着はがきの作成方法としては、個人的にも使用できる小型の電子写真式プリンタのトナーカートリッジに収容して使用可能な粉体接着剤を具体的に実現し、その粉体接着剤を現像、転写及び定着によって同プリンタで可変情報を印字(又は印刷、以下同様)した紙面に塗布できればよいと考えられる。
但し、そのように印字後の用紙に対する接着剤の塗布を電子写真式プリンタを用いて行うものとすると、粉体接着剤は通常のトナーとほぼ同様の形態のものでないと、接着剤として塗布(現像、転写、及び定着)は出来ないと考えられる。
しかしながら、トナー状の圧着はがき用粉体接着剤は、従来の提案技術である上記の各特許文献には思い付き程度に示唆されてはいるものの、既に述べたように具体的な材料処方も具体的な用法も開示されていない。
また、そのようなトナー状の圧着はがき用粉体接着剤は今日まで市場に流通もしていない。流通している圧着はがき用粉体接着剤は液状または粘着シート状のものだけである。
ましてや、電子写真式プリンタで圧着はがき用紙に宛名や秘匿情報を印刷したのち折り工程、接着剤塗布工程、秘匿情報印刷面圧着工程等の後処理を個人的に行う方法や、その後処理中に発生する可能性のある用紙ジャム時に適切に対処する方法を開示したり示唆したものは未だ存在していない。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、具体的な材料処方から成る実用性のある粉体接着剤を作製し、その粉体接着剤を用い、宛名や秘匿情報が予め印刷されている圧着はがき用シートの秘匿情報印刷面すなわち圧着はがき用シートの貼り合わせ面に粉体接着剤を能率よく転写して塗布する粉体接着剤中間転写体を提供することである。
本発明の粉体接着剤中間転写体は、静電電位を有する粉体接着剤を圧着はがき用シートの貼付け面に転写によって塗布する粉体接着剤中間転写体であって、塗布部と、非塗布部と、上記塗布部と上記非塗布部とを絶縁する絶縁層と、上記塗布部に導通する塗布部導電層と、上記非塗布部に導通する非塗布部導電層と、上記塗布部導電層及び上記非塗布部導電層を介して上記塗布部及び上記非塗布部にそれぞれに異なる電圧を加える電圧印加部と、を備えて構成される。
上記電圧印加部は、例えば、上記塗布部導電層を介して上記塗布部に加える電圧を塗布電圧と非塗布電圧とに切替えるように構成される。
この粉体接着剤中間転写体は、例えば、上記粉体接着剤を担持する表面に、上記塗布部と上記非塗布部と上記絶縁層とを形成されたドラムであってもよく、また、例えば、上記粉体接着剤を担持する表面に、上記塗布部と上記非塗布部と上記絶縁層とを形成された無端ベルトであってもよい。
本発明によれば、塗布部と非塗布部を有する中間転写体を用いて圧着はがき用シートの所望の貼付け面に粉体接着剤を塗布するので、トナーと同様の粉体を接着剤として転写して塗布する形態でありながら、電子写真方式の露光ヘッドや感光体ドラムを用いる必要がないので、転写部のコストダウンを図ることができる。
また、中間転写体の塗布部へのバイアス電圧を切替え出来るようにしたので、貼付け面の形状に合わせて、シートへの接着剤塗布の有り無しを選択することができるので、V折り圧着はがき用シート、Z折り圧着はがき用シート、仮折りつき圧着はがき用シートなどの接着剤塗布形状に容易に対応することができて便利である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
最初にトナー状の粉体接着剤の材料処方及び具体的な作製方法について説明する。尚、この粉体接着剤は、秘匿情報印刷面を圧着後の剥離開封時に、反対面への文字移りが発生しない粉体接着剤として開発されたものである。
先ず、結着樹脂として軟化温度110±4℃の炭化水素系樹脂(シクロオレフィンとエチレンの共重合体)90質量%以上、帯電制御剤0.3〜3質量%、ワックス1〜9質量%を用意する。
これらを、ミキサーにて混合し、その混合物を二軸スクリュー混練機にて温度をかけながら混練し、この混練物を冷却し、機械式粉砕機にて2mm程度にまで粉砕し、気流式粉砕機にてさらに微粒子にまで粉砕し、適切な粒子径に分級を行う。
その後、この混練粉砕物を、シリコンオイル又はアルキルジシラザンにて表面処理済みのシリカ微粒子0.1〜5質量%(対混練粉砕品)及びアルミナを外添し、軟化温度106℃で、平均粒径(体積D50)9.0μmの第2の粉体接着剤としてのトナー状の透明な粉体接着剤を得る。
(実施形態2)
図1は、実施形態2としての圧着はがき作成装置の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、圧着はがき作成装置1は、用紙搬送方向上流側(図では右側)から下流側(図の左側)へ、給紙部2、シートセンサ3、仮折部4、接着剤塗布部5、仮・本定着部6、本折部7、形状整頓部8、切断分離部9及び排紙収納部10で構成されている。
尚、詳しくは後述するが、この圧着はがき作成装置1は、その下部に、大容量排紙収納装置11を連結可能であるように構成されている。
図2(a),(b) は、それぞれ上記印刷後処理部(圧着はがき作製装置)2において圧着はがき用シートとして印字に用いられる枚葉紙状のシートのサイズを示す図である。
同図(a) はA4判のシートP−4を示しており、折り線12に沿って2つに折り、裁断線13に沿って裁断すると、それぞれ一面が縦14.85cm、横10.5cmの2通のV折り圧着はがきを作製することが出来る。
また、同図(b) はA3判のシートの長手方向の一方の端部P´を予め10.5cm切り捨てておいたシートP−3を示しており、二本の折り線14に沿って3つに折り、裁断線15に沿って裁断すると、それぞれ縦14.85cm、横10.5cmの2通のZ折り圧着はがきを作製することが出来る。
ところで、圧着はがきは通常葉書に順ずるものとして取扱われているが、郵便法によれば、私製の通常はがきの一面の寸法は、長辺14〜15.4cm、短辺9〜10.7cmとなっている。
したがって、上記図2(a),(b) に示す圧着はがきの一面の縦横の寸法は、いずれも郵政法で承認されているはがきの寸法の許容範囲の寸法である。
これら図2(a),(b) に示すシートP−4及びP−3は、粉体接着剤を塗布のとき、仮折りのとき、粉体接着剤を仮定着のとき、本折りのとき、及び本定着(圧着)のとき、いずれも矢印bで示す裁断線13又は15方向に搬送される。
図3(a) 〜(f) は、図1に示す圧着はがき作製装置2における圧着はがきの作製工程順に、V折り圧着はがき用シート16(図2(a) に示したV折り圧着はがき用シートP−4と同じ、以下、単にシート16という)の状態を平面図、斜視図、側断面図等で示す図である。
尚、図3(a) 〜(f) には、圧着はがき作製装置1におけるシート16の搬送方向を矢印dで示している。また、図3(a) 〜(f) には、本来、切断分離までは図2(a) に示したように2通分のシート16が連続しているが、判りやすく簡略に図示するために、1通分のみを示している。
また、図3(a) 〜(f) には、V折り圧着はがきの第1面及び第2面の各単面を、面記号a〜dで示している。すなわち、同図(a) に示すように、V折り圧着はがき用紙としてのシート16は、第1面(表面)が2つの単面に別れており、面aには非秘匿情報と差出人名等が印刷され、面bには郵便番号、住所と宛名等が印刷されている。また、第2面(裏面)も2つの単面に分かれており、図では陰になって見えないが、面c及び面dには秘匿情報が印刷されている。
このシート16は、最終的に折り線eで山折りされて完成する。すなわち、矢印d方向に搬送されながら、仮折り(同図(b),(c) )、接着剤塗布(同図(d) )、仮定着(同図(d) )、展開(同図(e) )、2つ折り(同図(f) )、圧着、切断分離の処理を経てV折り圧着はがきとして完成される。尚、図3(d) には、接着剤塗布部5で粉体接着剤17を塗布される単面が面cであることを示している。
図4(a) 〜(f) は、図1に示す圧着はがき作製装置1における圧着はがきの作製工程順に、Z折り圧着はがき用シート18(図2(b) に示したZ折り圧着はがき用シートP−3と同じ、以下、単にシート18という)の状態を平面図、斜視図、側断面図等で示す図である。
尚、図4(a) 〜(f) には、圧着はがき作製装置1におけるシート18の搬送方向を矢印dで示している。このZ折り圧着はがき用紙としてのシート18は、第1面、第2面ともに3つの単面に分かれている。
第1面は、同図(a) に示すように、面A及び面Bには例えば請求明細書のような秘匿情報が2つの単面に連続して印刷され(勿論、単面ごとに別々でもよい)、面Cには郵便番号、住所と宛名等が印刷されている。
また、第2面(裏面)も3つの単面に分かれており、図では陰になって見えないが、面Dには非秘匿情報と差出人名等が印刷されており、面E及び面Fには、面A及び面Bとは異なる秘匿情報が印刷されている。
このシート18は、最終的に折り線fで山折りされ、折り線gで谷折りされて完成する。すなわち、このシート18も、矢印d方向に搬送されながら、仮折り(同図(b),(c) )、接着剤塗布(同図(d) )、仮定着(同図(d) )、展開(同図(e) )、3つ折り(同図(f) )、圧着、切断分離の処理を経てZ折り圧着はがきとして完成される。
また、図4(a) 〜(f) も、本来、切断分離までは図2(b) に示したように2通分のシート18が連続しているが、判りやすく簡略に図示するために、1通分のみを示している。また、図4(d),(e) には、接着剤塗布部5で粉体接着剤17を塗布される単面が面Fと面Aであることを示している。
以下、図1乃至図4を用いて、本例の圧着はがき作製処理について説明する。先ず、図1の給紙部2からシート18又はシート16が仮折部4に給紙される。
尚、この給紙部2には、予め宛名、秘匿情報、差出人名などが印刷されているシート16または18が収納されており、これらのシート16または18が順次給紙される。
また、この給紙では、図1には、図示の煩雑さを避けるため、矢印方向に搬送されるシート18又は16を圧着はがき1通分しか示していないが、実際には、図2(a),(b) に示したように、未だ裁断線13又は15で連続したままの圧着はがき2通分のシート18又は16が図2(a),(b) の矢印b方向に搬送される。
この仮折部4への搬送途上で、シートセンサ3によって、シート16または18が圧着はがき作製装置1本体内に搬入されるタイミングが検出され、この検出信号が不図示の制御部に通知される。
仮折部4においては、シート16の場合は、図3(b),(c) に示すように、表裏で面bと面cの部分が矢印iで示すように折り込まれる。このように折り込まれたシート16は、接着剤塗布部5へと搬送される。
また、シート18の場合は、図4(b),(c) に示すように、シートの一部(表裏で面Cと面Fの部分)が矢印jで示すように折り込まれる。このシートの一部が折り込まれたシート18は、接着剤塗布部5へと搬送される。
接着剤塗布部5には、粉体接着剤収容部19、この粉体接着剤収容部19の下端開口部には、内側に接着剤供給ローラ21、外側に、接着剤供給ローラ21に対向して圧接する中間転写ドラム22が設けられている。
また、中間転写ドラム22に対しシート搬送路23を介して圧接する転写ローラ24が配設され、上記の中間転写ドラム22の周面を清掃するクリーナ25が配設されている。
シート搬送路23に沿って接着剤塗布部5に搬入されたシート18又は16は、中間転写ドラム22と転写ローラ24とにより挟持されて搬送されながら上面に粉体接着剤17を塗布される。
この粉体接着剤17を塗布される上面は、シート18の場合であれば図4(c) の面Fとこの折られた面Fに並んで露出する折られなかった面Aからなる表面と裏面であり、この表裏それぞれの所定の面(面Fと面A)に、図4(d) に示すように、一度に粉体接着剤17を塗布される。
また、シート16の場合であれば、粉体接着剤17を塗布される上面は、図3(c) に示す第2面の面cであり、この第2面の面cに、図3(d) に示すように粉体接着剤17を塗布される。
粉体接着剤17を塗布されたシート18又は16は、仮・本定着部6へと搬送される。仮・本定着部6のシート搬入部には下無端熱ベルト26と、この下無端熱ベルト26を上下内外から挟むようにして加圧ローラ27と28が配置されて仮定着部を形成している。
下無端熱ベルト26の下面(外側)に位置する加圧ローラ28は常時下無端熱ベルト26の下面に当接しており、加圧ローラ28に対向配置された加圧ローラ27は、仮定着のときは下方に移動して下無端熱ベルト26を加圧ローラ27に向けて押圧する。
これにより、シート18又は16は、下無端熱ベルト26と加圧ローラ28によって挟持されて搬送されながら、熱と圧力を加えられて、粉体接着剤17が紙面に仮定着される。尚、下無端熱ベルト26の下流側の外端部にはオイル塗布ローラ31が当接しているが、これについては後述する。
この粉体接着剤17を紙面に仮定着されたシート18又は16は、続いて本折部7へと搬送される。本折部7に搬入されたシート18又は16は、先ず一旦上記折られた面が広げられる。
図3(e) は、矢印kで示すように広げられたシート16の第1面(表面の面a、面b)を示しており、図3(e) では陰となって見えないが、第2面(裏面)の面cに上記の粉体接着剤17が仮定着されている。
また、図4(e) は、矢印mで示すように広げられたシート18第1面(表面の面A、面B、面C)を示しており、面Aには上記の粉体接着剤17が仮定着されている。また、図4(e) では、陰となって見えないが、第2面(裏面)の面Fには上記の粉体接着剤17が仮定着されている。
この後、本折部7において、シート16の場合は、図3(f) で示すように、面cが矢印nで示すように面d側に折り込まれる。これによりシート16がV折りにされる。
また、シート18の場合は、図4(f) に示すように、面Fが面E側に折り込まれ、続いていま折り込まれて面Fと二重になった面Bが面A側に折り込まれる。これによりシート18がZ折りにされる。
このV折り又はZ折りにされたシート16又は18は、再び仮・本定着部6へと搬送される。ただし、今度はシート16又は18は、下無端熱ベルト26と上無端熱ベルト29とが対向配置されている本定着部に搬入される。
下無端熱ベルト26の内部には上述した加圧ローラ27を含む3個の加圧ローラが配設されており、上無端熱ベルト29の内部にも、下無端熱ベルト26内部の上記3個の加圧ローラと対になって対向する位置に3個の加圧ローラが配設されている。
これらの加圧ローラは、それぞれ無端熱ベルトを対向部方向へ押圧する。これにより、V折り又はZ折りにされたシート16又は8は、下無端熱ベルト26と上無端熱ベルト29とにより挟持されて搬送されながら、粉体接着剤17の塗布面(シート16では面c、シート18では面A及び面F)とその対向面(シート16では面d、シート18では面B及び面E)とがそれぞれ圧着される。尚、上無端熱ベルト29の下流側の外端部にも他のオイル塗布ローラ32が当接して配置されているが、これについては後述する。
続いてシート16又は18は、形状整頓部8へと搬送される。形状整頓部8では、シート16又は18は、斜行を矯正され、搬送幅方向を位置合わせされて、更に、切断分離部9へと搬送される。
切断分離部9ではスリッタにより、図2(a) 又は同図(b) に示した裁断線13又は15に沿って裁断され、独立した2通のV折り又はZ折りの圧着はがき11´又は18´として完成する。
この完成した2通のV折り又はZ折りの圧着はがき11´又は18´は、搬出口近傍に配置されたシートセンサ33により通過を検出され、且つ計数されながら、排紙収納部10に収納される。
ここで、上記の接着剤塗布部5の構成及びその動作について更に説明する。
図5は、接着剤塗布部5の構成を拡大して示す図である。尚、図5には図1と同一構成部分は図1と同一の番号を付与して示している。また、図5には図1では図示を省略したドクターブレード34も示している。
本例の接着剤塗布部5は、圧着はがきに粉体接着剤17を転写して塗布する場合、転写パターン(接着剤塗布部の形状)が予め決まっているので、従来の電子写真方式のように転写装置である感光体ドラムに対する露光ヘッドによる細かな制御は不要であるとの考えに基づいて構成されている。
すなわち、本例の接着剤塗布方法によれば、トナーと同様の粉体を接着剤として転写して塗布する形態でありながら、電子写真方式の露光ヘッドや感光体ドラムや初期化帯電器などを用いた転写処理を廃止することができるので転写部のコストダウンを図ることができる。
図5に示すように、接着剤塗布部5は、図1にも示した粉体接着剤収容部19、接着剤供給ローラ21、中間転写ドラム22、転写ローラ24を備え、粉体接着剤収容部19の内部には、接着剤供給ローラ21の周表面に摺接するドクターブレード34が配設されている。
ドクターブレード34は、粉体接着剤収容部19に収容されている粉体接着剤17を一定の層厚に規制すると共に、粉体接着剤17に一定の弱い電位を与えながら、その粉体接着剤17を接着剤供給ローラ21の周面に付着させる。
接着剤供給ローラ21は、中間転写ドラム22の周面に形成されている所定の塗布部に粉体接着剤17を静電的に転写する。中間転写ドラム22は、矢印dで示すように搬送されてくるシート16または18の接着剤塗布面に、粉体接着剤17を、転写ローラ24と協働して転写(塗布)する。
この中間転写ドラム22は、表面を絶縁層35で被覆され、その上に塗布部36と非塗布部37が設けられている。塗布部36と非塗布部37は、相互の接触を絶縁層35によって防止されている。
図6(a) は、上記実施形態2における中間転写ドラム22の断面図であり、同図(b) は、その外観及び動作状態を示す斜視図である。同図(b) に示すように、中間転写ドラム22の塗布部36は、必要とされる圧着はがきの貼付け面に対応する接着剤塗布形状に形成されており、同図(a) に示すように、バイアス電圧Vbを印加されている。
また、非塗布部37は、同図(b) に示すように、塗布部36の周囲を取り囲むように形成されており、同図(a) に示すように、バイアス電圧Vcを印加されている。このように、塗布部36と非塗布部37の間には電位差が設けられている。
また、接着剤供給ローラ21には、同図(a) に示すように、バイアス電圧Vaが印加されており、図5に示したように、ドクターブレード34が摺接している。
図5に示した粉体接着剤17は、図6(a) において、接着剤供給ローラ21の回転により、接着剤供給ローラ21とドクターブレード34の間に入り込み、弱マイナス電位に帯電する。
上述したバイアス電圧の関係は、Vc<Va<Vbに設定されている。例えば、Vc=−700V、Va=−250V、Vb=−50Vに設定すると、接着剤供給ローラ21は非塗布部37に対して低マイナス電位すなわち非塗布部37に対して極性がプラスとなり、塗布部36に対しては高マイナス電位すなわち塗布部36に対して極性がマイナスとなる。
上記のように弱マイナス電位に帯電した粉体接着剤17は、接着剤供給ローラ21を介して、接着剤供給ローラ21より低マイナス電位すなわち極性がプラスである塗布部36と接着剤供給ローラ21間に形成される電界に引かれて塗布部36に吸着される。
非塗布部37は、接着剤供給ローラ21より高マイナス電位すなわち極性がマイナスとなっているため、接着剤供給ローラ21との間に形成される電界は上記と逆となり、弱マイナス電位に帯電した粉体接着剤17は、電界からの反発を受けるので、非塗布部37には付着しない。
転写ローラ24(図1及び図5参照)にはプラスのバイアス電圧が印加されている。中間転写ドラム22の塗布部36に吸着されている粉体接着剤17は、塗布部36よりも高いプラス極性となっている転写ローラ24側へ引き寄せられ、中間転写ドラム22と転写ローラ24の間を通過するシート16または18に転写される。
図6(b) は、中間転写ドラム22の外円周長をシート16の1/2の長さCとし、塗布部36の円周に沿った長を粉体接着剤17の塗布部の長さBにしている。従って、シート16が中間転写ドラム22に接してから通過するまでに、中間転写ドラム22は2回転するようになっている。即ち、1枚のシート16に対し搬送方向dに沿って、粉体接着剤17の塗布予定部40が2列と、粉体接着剤17の未塗布部38が形成される。
この場合、中間転写ドラム22は、シート16に接触しているときに回転し、接触していないときは停止する。このため、本例では、シート16が中間転写ドラム22に到達する前で、例えばシートセンサ3で、シート16の位置を検知し、中間転写ドラム22の回転と同期させることにより、粉体接着剤17の塗布予定部40の位置ずれを防止するようにしている。
尚、シート間隔の距離を中間転写ドラム22の外周長のn倍に設定し、その間、中間転写ドラム22の塗布部36のバイアス電圧を電圧Vcにしておけば、中間転写ドラム22の回転を停止させる必要はなくなる。
また、上記実施の形態では、中間転写ドラム22の外円周長をシート長の1/2としているが、塗布部の形状をシートの接着剤塗布形状に合わせ、ドラムの外円周長をシート長と同一にしてもよく、更には、シート長の1/nとしてもよい。
(実施形態3)
図7(a) は、実施形態3としての圧着はがき作製装置における接着剤塗布部5の中間転写ドラム22の断面図、(b) はその外観及び動作状態を示す斜視図である。図7(a),(b) に示す中間転写ドラム22は、本体構成は図6(a) の場合と同一であるが、印加電圧が常時一定ではなく切替が出来るように構成されている。
すなわち、図7(a) に示すように、塗布部36に導通する電極39は、スイッチ41を備え、塗布部36に印加するバイアス電圧を、電圧Vbと電圧Vcとに切替えることができる構造になっている。これにより、塗布部36の状態を、塗布部の状態と、非塗布部の状態のいずれかに選択できるようにしている。
この構成において、中間転写ドラム22の外円周長を、実施形態2の場合と同様に、シート長の1/2にした場合は、例えば図7(b) に示すように、シート16が中間転写ドラム22に接してから最初の1回転目は、塗布部36にバイアス電圧Vbを導通させておくと、塗布部36に粉体接着剤17が吸着し、これがシート16に転写されて、粉体接着剤17の塗布予定部40がシート16に形成される。
その後、塗布部36のバイアス電圧を電圧Vcに切替えると、次の2回転目では、塗布部36に粉体接着剤17が吸着されず、したがって、シート16が塗布部36と接しても塗布予定部40がシート16に形成されず、未塗布部38と同様に粉体接着剤17が塗布されない選択的未塗布部42を、塗布予定部40と同じ大きさで形成することができる。
このバイアス電圧の切替を、適宜に実行すれば、シート16の有無に係わらず中間転写ドラム22を回転させたままにしておくことができ、中間転写ドラム駆動部の突入電圧による電力の消耗や電極の損耗を低減させることができる。
また、バイアス電圧の切替を、2対1の間隔で実行すれば、Z折り圧着はがき用シート18に対して仮折り無しの張り合わせ面の2面とも塗布する通常の塗布を行うこともできる。
図8(a) は、上記の中間転写ドラム22への通電システムを簡略に示すための外観斜視図であり、同図(b) は、同図(a) のK−K断面矢視図であり、同図(c) は、同図(b) のL−L断面矢視図である。
図8(a),(b) に示すように、中間転写ドラム22は、接着剤塗布部5のフレーム43に回転可能に支持されている。中間転写ドラム22は、一方(図では右方)の端部にギア44を備え、接着剤塗布部5の不図示の駆動系によりギア44を介して回転駆動される。
中間転写ドラム22には、芯金に代わって2方に分かれた導通軸45及び46が両端部に形成されている。導通軸45は、ドラム外側の端部外周面で、フレーム43に固定されている荷電板47に摺接し、ドラム内側の端部外周面で、接続用部材であるバネ48を介して塗布部36に電気的に接続されている。
また、導通軸46は、ドラム外側の端部外周面で、フレーム43に固定されている荷電板49に摺接し、ドラム内側の端部外周面で、接続用部材であるバネ51を介して非塗布部37に電気的に接続されている。
この構成により、中間転写ドラム22が停止中はもとより回転中でも、図7(a) にも示したように、非塗布部37はバネ51、導通軸46、荷電板49、電極52を介して常にバイアス電圧Vc電源に接続され、塗布部36は、バネ48、導通軸45、荷電板47、電極39、及びスイッチ41を介して、バイアス電圧VcまたはVb電源に選択的に接続される。
これにより、図7(b) に示したように、シート16に対し、塗布予定部40と選択的未塗布部42を任意に形成することができる。これはシート18に対しても同様である。
(実施形態4)
図9は、実施形態4としての圧着はがき作製装置における接着剤塗布部において中間転写ドラムに代えて中間転写ベルトを用いた構成を示す模式的断面図である。尚、同図には、図1または図5に示した構成と同一の構成部分には、図1または図5と同一の番号を付与して示している。
図9に示すように、粉体接着剤17の塗布装置は、接着剤供給ローラ21、ドクターブレード34、転写ローラ24を備えている。そして、中間転写ドラムに代えて、中間転写ベルト53が、駆動ローラ54と従動ローラ55に掛け渡されて張設されている。
中間転写ベルト53の、駆動ローラ54の周面に沿って循環移動する部分は、先ず接着剤供給ローラ21により粉体接着剤17をベルト面の所定の箇所に供給される。そして、転写ローラ24と共にシート16(または18、以下同様)を挟持して矢印d方向に搬送しながら、シート16に粉体接着剤17を転写する。
図10(a),(b) は、中間転写ベルト53の構成と動作状態を模式的に示す斜視図である。図10(a) に示すように、中間転写ベルト53の循環移動方向の外周長は、現在、粉体接着剤17を塗布中のシート16(16−1)の長さEと、次に搬送されてくるシート16(16−2)のソート間隔Fをプラスした長さとなっている。
中間転写ベルト53の表面は、循環移動方向に2つに区画された塗布部56と塗布部57、及びこれらの塗布部56と塗布部57を取り囲む非塗布部58とで形成されている。
塗布部56は、シート16の塗布予定部40と接するようにシート16の搬送に同期し、塗布部57は、シート16の選択的未塗布部42と接するように同期している。
非塗布部58へ導通されるバイアス電圧は電圧Vcと一定しており、塗布部56と塗布部57へ導通されるバイアス電圧は、電圧VbとVcとに切替えることができるように構成されている。
図10(a) は、塗布部56のバイアス電圧を電圧Vbにし、塗布部57のバイアス電圧を電圧Vcにした例を示している。塗布部56にはバイアス電圧Vbが印加されているため接着剤供給ローラ21から供給された粉体接着剤17が吸着され、そして、その粉体接着剤17が、シート16−1の塗布予定部40に転写されている。
他方、塗布部57にはバイアス電圧Vcが印加されているため接着剤供給ローラ21から供給される粉体接着剤17は吸着されず、したがって、粉体接着剤17は、シート16−1の選択的未塗布部42には転写されていない。
図10(b) は、塗布部56および塗布部57のバイアス電圧を電圧Vbとした例を示している。塗布部56と塗布部57には、それぞれバイアス電圧Vbが印加されているため、接着剤供給ローラ21から供給された粉体接着剤17が吸着され、その粉体接着剤17が、シート16−1の塗布予定部40と選択的未塗布部42に共に転写されている。
図11(a) 〜(d) は、中間転写ベルト53の塗布部56、57、及び非塗布部58にバイアス電圧を印加するための構造を示す図であり、同図(b) は同図(a) のM−M断面矢視図、同図(c) は同図(a) のN−N断面矢視図、同図(d) は同図(a) のO−O断面矢視図を示している。
尚、同図(a) 〜(d) には、中間転写ベルト53の通電のための構造を簡略に示すために図10(a),(b) では搬送方向に平行に2列で示していた塗布部56及び57を1列で示している。
図11(a) に示すように、中間転写ベルト53は、導電性パッドからなる塗布部56と57、導電性部材からなる非塗布部58、及び絶縁層59で構成されている。
これら塗布部56、57、及び非塗布部58には、図11(b) に示すように、バイアス電圧印加用の回路61、62、及び63が接続されている。回路61、62、及び63は、図11(b),(c),(d) に示すように、それぞれ中間転写ベルト53の内周面を、絶縁増59を介して1周する形で形成されている。
そして、回路61は、図11(b) に示すように、或る箇所で絶縁増59を貫通して塗布部56と接続され、回路62は、図11(c) に示すように、或る箇所で絶縁増59を貫通して非塗布部58と接続され、回路63は、図11(d) に示すように、或る箇所で絶縁増59を貫通して塗布部57と接続されている。
図12(a) 〜(e) は、中間転写ベルト53の塗布部56、57、及び非塗布部58にバイアス電圧を印加するための構造を更に詳しく示す図であり、同図(a) は中間転写ベルト53の部分平面図を示している。
また、同図(b) は同図(a) のG−G断面矢視図を図9に示した駆動ローラ54及び接着剤供給ローラ21と共に示し、同図(c) は同図(a) のH−H断面矢視図、同図(d) は同図(a) のI−I断面矢視図、同図(e) は同図(a) のJ−J断面矢視図を示している。
同図(a) に示すように、中間転写ベルト53の表面は、独立した塗布部56、塗布部57、非塗布部58からなり、各部を絶縁層59で分離している。中間転写ベルト53の裏面(駆動ローラ54及び図外の従動ローラ55との接触面)には、図11(b) 〜(d) にも示したように、ベルトの内周に沿って周回する導電性の帯条パッド61、62、63が設けられている。
図12(b) にG−G断面矢視図で示すように、塗布部56と帯状パッド61が接続されており、塗布部57及び非塗布部58は、絶縁層59によって帯状パッド61から絶縁されている。そして帯状パッド61は、固定接点バネ64に常に接触している。
固定接点バネ64は、電圧Vb又はVcのバイアス電源に切り替え接続可能に構成されている。これにより、塗布部56は、電圧Vb又はVcのバイアス電圧を選択的に導通される。
従って、塗布部56は、電圧Vb又はVcのバイアス電圧を導通されることにより粉体接着剤17を吸着する又は吸着しないことを択一的に選択させられる。
また、図12(c) にH−H断面矢視図で示すように、非塗布部58と帯状パッド62が接続されており、塗布部56と塗布部57は、絶縁層59により帯状パッド62から絶縁されている。
帯状パッド62は、固定接点バネ65に常に接触している。固定接点バネ65には、バイアス電圧Vcが常に導通している。つまり、非塗布部58には常にバイアス電圧Vcが印加されている。したがって、非塗布部58が粉体接着剤17を吸着することはなく、これにより、塗布部56と塗布部57以外の部分から粉体接着剤17がシート16に転写されることはない。
また、図12(d) にI−I断面矢視図で示すように、塗布部57と帯状パッド63が接続されており、塗布部56と非塗布部58とは絶縁層59により帯状パッド63から絶縁されている。
帯状パッド63は、固定接点バネ66と常に接触している。固定接点バネ66は電圧Vb又はVcのバイアス電源に切り替え接続可能に構成されている。これにより、塗布部57は、電圧Vb又はVcのバイアス電圧を選択的に導通される。
従って、塗布部57は、電圧Vb又はVcのバイアス電圧を導通されることにより粉体接着剤17を吸着する又は吸着しないことを択一的に選択させられる。
このように本例では、中間転写ドラムを中間転写ベルトにしたことにより、中間転写ベルトを常に循環移動させた状態でシートを搬送することが可能になるので能率が良い。
(実施形態5)
図13は、実施形態5としての圧着はがき作製装置における中間転写ベルト53の塗布部56、57、及び非塗布部58にバイアス電圧Vc又はVbを印加するための他の構造を示す図である。
本例では、中間転写ベルト53の裏面の図11(b),(c),(d) 及び図12(a) 〜(d) に示した帯状パッド61、62、及び63にそれぞれ接触する図12(a) 〜(d) に示した固定接点バネ64、65、及び66に代えて、図13に示すように、駆動ローラ54又は従動ローラ55の外周に、導電層67、68、69を設ける。
特には図示しないが、導電層67は、帯状パッド61と接触させ、電圧Vb又はVcのバイアス電圧を切替え導通させる。また、導電層68は、帯状パッド62と接触させ、電圧Vcのバイアス電圧を導通させる。そして、導電層69は、帯状パッド63と接触させ、電圧Vb又はVcのバイアス電圧を切替え導通させる。
これにより、実施形態4の場合と同様に、中間転写ベルトの塗布部及び非塗布部に所望のバイアス電圧を所望の態様で印加することができる。尚、図13では、塗布部56(導電層67)及び塗布部57(導電層69)に、バイアス電圧VbとVcを切替え導通させるようにしているが、バイアス電圧Vbに固定するようにしてもよい。
(実施形態6)
ところで、図1に示した圧着はがき作製装置1において、仮・本定着部6の下無端熱ベルト26の下流側の外端部にオイル塗布ローラ31が当接し、上無端熱ベルト29の下流側の外端部にも他のオイル塗布ローラ32が当接して配置されている。
これについて、実施形態6として説明する。
図14は、仮・本定着部6の詳細を示す拡大図である。同図に示すように、仮・本定着部6は、シート18(又は16、同図は簡略化のためシート18のみを示している)を矢印nで示すように搬入する順方向搬送経路71と、シート18を矢印qで示すように搬出する逆方向搬送経路72から成る搬送経路を備えている。
そして、仮・本定着部6は、上記の搬送経路に沿って、加圧部と、加熱部と、オイル塗布部と、仮定着部を備えている。
加圧部は、逆方向搬送経路72の搬送方向上流側から下流側に順次並んで配置された第1の加圧ローラ対73(73a、73b)、第2の加圧ローラ対74(74a、74b)、及び第3の加圧ローラ対75(75a、75b)とで構成される。
尚、第1の加圧ローラ対73の下無端熱ベルト26側にある加圧ローラ73bは、図1に示した加圧ローラ27と同一のものである。
これらの加圧ローラ対73〜75は、図1で述べたように、上無端熱ベルト29と下無端熱ベルト26とを、それぞれ対向部方向へ押圧する。この押圧の作用は、加圧ローラ対73から74、75と順次搬送方向上流側から下流側に行くに従って徐々に加圧する作用が強くなるように構成されている。
また、加熱部は、上記第1、第2及び第3の加圧ローラ対の一方を構成する3個の加圧ローラ73a、74a、75aを囲む上無端熱ベルト29と、上記第1、第2及び第3の加圧ローラ対の他方を構成する3個の加圧ローラ73b、74b、75bを囲む下無端熱ベルト26とで構成される。
これらの上無端熱ベルト29と下無端熱ベルト26とは、発熱ローラ76(76a、76b)によって熱を与えられ、その熱を、下流側に搬送されて対向部を通過するシート18に伝達する。
そして、上記の発熱ローラ76aに上無端熱ベルト29を介してオイル塗布ローラ32が圧接し、発熱ローラ76bに下無端熱ベルト26を介してオイル塗布ローラ31が圧接している。
このように、下無端熱ベルト26の表面がオイル塗布ローラ31によりオイルを塗布されることにより、粉体接着剤17を転写されて仮定着部に搬入されてくるシート18の粉体接着剤17が下無端熱ベルト26にオフセット(部分的に転移する)することが防止される。
また、上記のようにオイル塗布ローラ31により下無端熱ベルト26の表面にオイルが塗布され、同様に、オイル塗布ローラ32により上無端熱ベルト29の表面にもオイルが塗布されることにより、本折りされて本定着部に搬入されてくるシート18の宛名印刷面及び差出人印刷面に塗布されている粉体接着剤17が下無端熱ベルト26や上無端熱ベルト29にオフセットすることが防止される。
尚、オイル塗布ローラに用いるオイルは、一般の定着器と同様にシリコンオイルでよいが、これに限らず、オフセットを防ぎ、下地の可変情報を侵さなければなんでもよいので、例えば、脂肪族炭化水素、グリコールエーテル、高級アルコール等を用いてもよい。
また、オイルを無端熱ベルトに塗布するのではなく、無端熱ベルトの仮定着部及び本定着部のベルト直前に塗布ローラを設置して、シート18又は16に直接オイルを塗布するようにしてもよい。
(実施形態7)
ところで、図1に示した圧着はがき作製装置1において、その下部に、大容量排紙収納装置11を連結可能であるように構成されていることは前述した。これは、従来、大容量の排紙を収納させる排紙トレイが見掛けられず、これでは、例えば大容量で作成される宣伝用の圧着はがき等を収容するには間に合わないことから考え出されたものである。以下、大容量排紙収納装置11について、実施形態7として説明する。
図15は、実施形態7としての大容量排紙収納装置11の構成例を示す図である。同図に示すように、大容量排紙収納装置11においては、圧着はがき作製装置1の排紙口77より排出されたシート18又は16(不図示)は、ガイド78を自然落下し、排紙装置79の排紙カセット81内は落下積層される。
排紙カセット81に積層されたシート18又は16は、設定された高さ、重量、枚数等により容量が検知される。設定された所定の高さ、重量、又は枚数が検知されると、それまで上に回動していた蓋82が下に回動する。
下に回動した蓋82は、シート18又は16が排紙カセット81に落下することを禁止すると共に、隣接する排紙カセット83に向けて、シート18又は16の搬送をガイドする。
これにより、シート18又は16は、蓋6の上面を通過して隣接の排紙カセット83内に落下積層される。排紙カセット83に積層されたシート18又は16は、上述同様に設定された高さ、重量、又は枚数等により許容量に達したことを検知される。
この検知により、それまで上に回動していた蓋84が下に回動する。下に回動した蓋84は、シート18又は16が排紙カセット83に落下することを禁止すると共に、隣接する排紙カセット85に向けて、シート18又は16の搬送をガイドする。
これにより、シート18又は16は、蓋84により案内されて次の排紙カセット85へと搬送される。
このように、本例によれば、3つの排紙カセット81、83、85を並列に設置し、各排紙カセット内にシート18又は16を自動的に送り込むようにしたことにより、大容量のシート18又は16を高く積上げることなく、カセット装置内に収納することが可能となる。
また、圧着はがき作製装置本体1の下に設置することができるので、装置全体の設置面積を増やさずに大容量の排紙装置を装着できるという利点がある。
図16は、実施形態7としての圧着はがき作製装置における大容量排紙収納装置の他の構成例を示す図である。同図に示す大容量排紙収納装置11´において、本体1の排紙口77から排紙されるシート18又は16は、ガイド78を自然落下して、排紙装置86の排紙カセット87内に落下積層される。
排紙カセット87に積層されたシート18又は16は、ここでも設定された所定の高さ、重量、又は枚数が検知されて、それまで上に回動していた蓋88が下に回動する。下に回動した蓋88は、シート18又は16が排紙カセット87に落下することを禁止すると共に、隣接する排紙カセット89に向けて、シート18又は16の搬送をガイドする。
シート18又は16は、蓋88の上を通過し、排紙カセット上面に取付けられた搬送従動ローラ91により隣接する排紙カセット89に向けて搬送される。
搬送されたシート18又は16は、そのまま排紙カセット89内に落下積層される。ここでも上記同様に設定された所定の高さ、重量、又は枚数が検知されて、それまで上に回動していた蓋92が下に回動する。下に回動した蓋92は、シート18又は16が排紙カセット89に落下することを禁止すると共に、隣接する排紙カセット93に向けて、シート18又は16の搬送をガイドする。
シート18又は16は、排紙カセット上面に取付けられた搬送従動ローラ94、95により次の排紙カセット93へと搬送される。
本例によれば、隣接の排紙カセットへ搬送従動ローラによって搬送するので、排紙カセットの上面を、自然落下のための傾斜面に形成することなく水平に形成できるので、各排紙カセットの容量を最大限に大きくすることができる。
図17は、実施形態7としての圧着はがき作製装置における大容量排紙収納装置の更なる他の構成例を示す図である。同図に示す大容量排紙収納装置11" において、本体1の排紙口77から排紙されるシート18又は16は、ガイド78を自然落下して、排紙装置96の排紙カセット97内に落下積層される。
排紙カセット97に積層されたシート18又は16は、排紙カセット97内に蓄積され、搬送ローラ21に接触する位置まで上昇すると、シート18又は16は、搬送ローラ98に当接する。
したがって、次に排紙によって送り込まれてくるシート18又は16は、既に搬送ローラ98に当接しているシート18又は16により案内される形で、搬送ローラ98によって、隣接する排紙カセット99に向けて搬送される。
搬送されたシート18又は16は、そのまま排紙カセット99内に落下積層される。さらに排紙カセット99内に堆積し、搬送ローラ101に接触する位置まで上昇し、搬送ローラ101に当接する。
したがって、次に排紙によって送り込まれてくるシート18又は16は、既に搬送ローラ101に当接しているシート18又は16により案内される形で、搬送ローラ101によって、隣接する排紙カセット102に向けて搬送される。
本例の大容量排紙収納装置11" によれば、排紙カセットを並列に設置し、各排紙カセット内に順次積層されていって搬送ローラに当接する最上部のシート18又は16を案内部材として、次から送られてくるシート18又は16を、搬送ローラにより自動的に隣接の排紙カセットに送り込むようにしたので、現在堆積中のシートの容量を、設定された高さ、重量、又は枚数等により検知することなく、順次隣接の排紙カセットに送り込むことが出来る。
すなわち、検知装置、演算装置、計数装置などによる処理を経ることなく、使用中の橋カセットが一杯になり次第、単に機構的に、シート18又は16を順次隣接の排紙カセットに送り込むことが出来るので、簡単な構成で大容量排紙収納装置を構築することが出来て経済的である。
実施形態2としての圧着はがき作成装置の内部構成を示すブロック図である。 (a),(b) はそれぞれ実施形態2の圧着はがき作製装置において圧着はがき用紙として印字に用いられる用紙のサイズを示す図である。 (a) 〜(f) は実施形態2の圧着はがき作製装置における圧着はがきの作製工程順にV折り圧着はがき用シートの状態を平面図、斜視図、側断面図等で示す図である。 (a) 〜(f) は実施形態2の圧着はがき作製装置における圧着はがきの作製工程順にZ折り圧着はがき用シートの状態を平面図、斜視図、側断面図等で示す図である。 実施形態2の圧着はがき作製装置における接着剤塗布部の構成を拡大して示す図である。 (a) は実施形態2の圧着はがき作製装置における接着剤塗布部の中間転写ドラムの断面図、(b) はその外観及び動作状態を示す斜視図である。 (a) は実施形態3の圧着はがき作製装置における接着剤塗布部の中間転写ドラムの断面図、(b) はその外観及び動作状態を示す斜視図である。 (a) は実施形態3の圧着はがき作製装置における中間転写ドラムへの通電システムを簡略に示すための外観斜視図、(b) は(a) のK−K断面矢視図、(c) は(b) のL−L断面矢視図である。 実施形態4としての圧着はがき作製装置における接着剤塗布部において中間転写ドラムに代えて中間転写ベルトを用いた構成を示す模式的断面図である。 (a),(b) は実施形態4としての圧着はがき作製装置における中間転写ベルトの構成と動作状態を模式的に示す斜視図である。 (a) 〜(d) は実施形態4としての圧着はがき作製装置における中間転写ベルトの塗布部及び非塗布部にバイアス電圧を印加するための構造を示す図である。 (a) 〜(e) は実施形態4としての圧着はがき作製装置における中間転写ベルトの塗布部及び非塗布部にバイアス電圧を印加するための構造を更に詳しく示す図である。 実施形態5としての圧着はがき作製装置における中間転写ベルトの塗布部及び非塗布部にバイアス電圧を印加するための他の構造を示す図である。 実施形態6としての圧着はがき作製装置における仮・本定着部の詳細を示す拡大図である。 実施形態7としての圧着はがき作製装置における大容量排紙収納装置の構成例を示す図である。 実施形態7としての圧着はがき作製装置における大容量排紙収納装置の他の構成例を示す図である。 実施形態7としての圧着はがき作製装置における大容量排紙収納装置の更なる他の構成例を示す図である。
符号の説明
1 圧着はがき作成装置
2 給紙部
3 シートセンサ
4 仮折部
5 接着剤塗布部
6 仮・本定着部
7 本折部
8 形状整頓部
9 切断分離部
10 排紙収納部
11、11´、11" 大容量排紙収納装置
12、14 折り線
13、15 裁断線
16(16−1、16−2) 2つ折り(V折り)圧着はがき用シート
17 粉体接着剤
18 3つ折り(Z折り)圧着はがき用シート
19 粉体接着剤収容部
21 接着剤供給ローラ
22 中間転写ドラム
23 シート搬送路
24 転写ローラ
25 クリーナ
26 下無端熱ベルト
27、28 加圧ローラ
29 上無端熱ベルト
31、32 オイル塗布ローラ
33 シートセンサ
34 ドクターブレード
35 絶縁層
36 塗布部
37 非塗布部
38 未塗布部
39 電極
40 塗布予定部
41 スイッチ
42 選択的未塗布部
43 フレーム
44 ギア
45、46 導通軸
47、49 荷電板
48、51 バネ
52 電極
53 中間転写ベルト
54 駆動ローラ
55 従動ローラ
56、57 塗布部
58 非塗布部
61、62、63 バイアス電圧印加用回路
64、65、66 固定接点バネ
67、68、69 導電層
71 順方向搬送経路
72 逆方向搬送経路
73(73a、73b) 第1の加圧ローラ対
74(74a、74b) 第2の加圧ローラ対
75(75a、75b) 第3の加圧ローラ対
76(76a、76b) 発熱ローラ
77 排紙口
78 ガイド
79 排紙装置
81 排紙カセット
82 蓋
83 排紙カセット
84 蓋
85 排紙カセット
86 排紙装置
87 排紙カセット
88 蓋
89 排紙カセット
91 搬送従動ローラ
92 蓋
93 排紙カセット
94、95 搬送従動ローラ
96 排紙装置
97 排紙カセット
98 搬送ローラ
99 排紙カセット
101 搬送ローラ
102 排紙カセット

Claims (4)

  1. 静電電位を有する粉体接着剤を圧着はがき用シートの貼付け面に転写によって塗布する粉体接着剤中間転写体であって、
    塗布部と、
    非塗布部と、
    前記塗布部と前記非塗布部とを絶縁する絶縁層と、
    前記塗布部に導通する塗布部導電層と、
    前記非塗布部に導通する非塗布部導電層と、
    前記塗布部導電層及び前記非塗布部導電層を介して前記塗布部及び前記非塗布部にそれぞれに異なる電圧を加える電圧印加部と、
    そ備えたことを特徴とする粉体接着剤中間転写体。
  2. 前記電圧印加部は、前記塗布部導電層を介して前記塗布部に加える電圧を塗布電圧と非塗布電圧とに切替える、ことを特徴とする請求項1記載の粉体接着剤中間転写体。
  3. 前記粉体接着剤を担持する表面に、前記塗布部と前記非塗布部と前記絶縁層とを形成されたドラムである、ことを特徴とする請求項1または2記載の粉体接着剤中間転写体。
  4. 前記粉体接着剤を担持する表面に、前記塗布部と前記非塗布部と前記絶縁層とを形成された無端ベルトである、ことを特徴とする請求項1または2記載の粉体接着剤中間転写体。
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