JP2008083676A - 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン密度及びイオン密度の経時的な変動に伴う電気特性に対する長期信頼性の問題が改善された液晶表示素子用の液晶配向剤、それを用いて形成される液晶配向膜、及びそれを具備した液晶表示素子を提供する。
【解決手段】ポリアミック酸及びその誘導体から選ばれる一又は二以上のポリマーと、アルケニル置換ナジイミド化合物と、特定のヘテロ環化合物とを液晶配向剤に配合し、これを膜状に成形し、焼成して液晶配向膜を作製し、これを有する液晶表示素子を作製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミック酸とこのポリアミック酸の誘導体とから選ばれる少なくとも1つのポリマーと、アルケニル置換ナジイミド化合物及び特定のヘテロ環構造を有するヘテロ環化合物の少なくとも1種類を組み合わせた改良剤とを溶媒に溶解した液晶配向剤、該液晶配向剤から形成される液晶配向膜、及びそれを具備した液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、ノートパソコンやデスクトップパソコンのモニターをはじめ、ビデオカメラのビューファインダー、投写型のディスプレイ等の様々な液晶表示装置に使われており、最近ではテレビとしても用いられるようになってきた。さらに、光プリンターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブ等のオプトエレクトロニクス関連素子としても利用されている。
液晶表示素子は、通常は、1)対向配置されている一対の基板、2)前記一対の基板それぞれの対向している面の一方又は両方に形成されている電極、3)前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜、及び4)前記一対の基板間に形成された液晶層、を有する。
従来の液晶表示素子としては、ネマチック液晶を用いた表示素子が主流であり、1)90度ツイストしたTN(Twisted Nematic)型液晶表示素子、2)通常180度以上ツイストしたSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子、3)薄膜トランジスタを使用したいわゆるTFT(Thin Film Transistor)型液晶表示素子が実用化されている。これらの液晶表示素子は、画像が適正に視認できる視野角が狭く、斜め方向から見たときに、輝度やコントラストの低下及び中間調での輝度反転を生じるという欠点を有している。
近年、この視野角の問題については、1)光学補償フィルムを用いたTN−TFT型液晶表示素子、2)垂直配向と光学補償フィルムを用いたVA(Vertical Alignment)型液晶表示素子、3)垂直配向と突起構造物の技術を併用したMVA(Multi Domain Vertical Alignment)型液晶表示素子、又は4)横電界方式のIPS(In−Plane Switching)型液晶表示素子、5)ECB(Electrically Controlled Birefringence)型液晶表示素子、6)光学補償ベンド(Optically Compensated Bend又はOptically self−Compensated Birefringence:OCB)型液晶表示素子等の技術により改良されており、改良された技術が実用化、又は検討されている。
液晶表示素子の技術の発展は、単にこれらの駆動方式や素子構造の改良のみならず、液晶表示素子に使用される構成部材の改良によっても達成されている。液晶表示素子に使用される構成部材のなかでも、特に液晶配向膜は、液晶表示素子の表示品位に係わる重要な要素の一つであり、液晶表示素子の高品質化に伴って液晶配向膜の役割が年々重要になってきている。
液晶配向膜は、液晶配向剤より調製される。現在、主として用いられている液晶配向剤とは、ポリアミック酸又は可溶性のポリイミドを有機溶媒に溶解させた溶液である。このような溶液を基板に塗布した後、加熱等の手段により成膜してポリイミド系配向膜を形成する。ポリアミック酸以外の種々の液晶配向剤も検討されているが、耐熱性、耐薬品性(
耐液晶性)、塗布性、液晶配向性、電気特性、光学特性、表示特性等の点から、ほとんど実用化されていない。
液晶表示素子の表示品位を向上させるために液晶配向膜に要求される重要な特性として、イオン密度が挙げられる。イオン密度が低いと、フレーム期間中に液晶にかかる電圧が低下し、結果として輝度が低下して正常な諧調表示に支障をきたすことがある。また、例え初期のイオン密度が高くても、高温加速試験後のイオン密度(長期信頼性)が低下してしまうような場合は問題である。
前記した問題を解決する試みとして、最近ではいくつかの方法が提案されている。
1)液晶配向膜を形成させるための、物性の異なる二以上のポリアミック酸を組み合わせて含むポリアミック酸組成物が知られている(例えば特許文献1及び2参照)。
2)ポリアミック酸とポリアミドを含むポリマー成分と、溶媒とを含有するワニス組成物が知られている(例えば特許文献3参照)。
3)物性の異なる二以上のポリアミック酸及びポリアミド、ならびに溶媒を含有するワニス組成物が知られている(例えば特許文献4参照)。
4)特定の構造を有するジアミン化合物を用いて合成されるポリアミック酸等を含む高分子材料を含むワニス組成物が知られている(例えば特許文献5参照)。
5)ポリイミド及びポリアミック酸ワニスに低分子エポキシ樹脂を添加する技術が知られている(例えば特許文献6参照)。
また、ポリアミック酸に添加剤を添加することによって、液晶表示素子の性能の改善を含む課題の解決を図っている技術が幾つか提案されている。このような技術としては、例えば、ポリアミック酸とオキサジン構造又はオキサゾリン構造を有する硬化促進剤とを含有する液晶配向剤(例えば特許文献7参照)、ポリアミック酸とアルケニル置換ナジイミド化合物とを含有する液晶配向剤(例えば特許文献8及び9参照)、及びポリアミック酸とエポキシ基含有化合物とを含有する液晶配向剤(例えば特許文献10及び11参照)が挙げられる。
また、光配向用化合物に添加剤を添加することによって、液晶表示素子の性能の改善を含む課題の解決を図っている技術も幾つか提案されている。このような技術としては、例えば、二色性分子とラジカル重合性基としてナジイミド基を有する化合物とを含有する光配向用組成物(例えば特許文献12参照)が挙げられる。
しかしながら、これらの先行技術によって、イオン密度及び長期信頼性の問題は十分に解決されていない。例えば、特許文献7では、前記硬化促進剤は、液晶配向膜を作製する際のイミド化において蒸発、昇華、分解するとされており、このような液晶配向膜を用いて作製された液晶配向膜において硬化促進剤が液晶配向膜の電気特性に及ぼす影響については検討されていない。
また例えば、特許文献11では、イオン性不純物の吸着が課題に含まれ、作製された液晶表示素子の電圧保持率が実施例には記載されている。しかしながら、電圧保持率とイオン密度とは相関することもあるが、初期の電圧保持率と経時的なイオン密度とが相関しないことがある。これは、イオン性不純物は、液晶表示素子の作製時に素子中に含まれるだけではなく、例えば液晶表示素子の作動に伴う液晶の分解によっても生じ、経時的に変動するためと思われる。したがって、イオン性不純物を吸着する特許文献11の技術は、液晶表示素子の作製時に素子に含まれるイオン性不純物の低減には有効であると思われるものの、イオン性不純物の経時的な発生を抑制する点で検討の余地が残されている。
特開平11−193345号公報 特開平11−193347号公報 国際公開00/61684号パンフレット 国際公開01/000733号パンフレット 特開2002−162630号公報 特開2005−189270号公報 特開平9−302225号公報 特開2004−341030号公報 特開平9−269491号公報 特開平7−234410号公報 特開2002−323701号公報 特開2003−270638号公報
上記状況を考慮して、イオン密度及びイオン密度の経時的な変動に伴う電気特性に対する長期信頼性の問題が改善された液晶表示素子用の液晶配向剤、それを用いて形成される液晶配向膜、及びそれを具備した液晶表示素子の開発が望まれている。
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意研究を行った。その結果、ポリアミック酸とこのポリアミック酸の誘導体とから選ばれる少なくとも1つのポリマーを含有し、さらにアルケニル置換ナジイミド化合物とオキシラン、オキセタン、チイラン、アジリジン、オキサゾリン、及びオキサジン構造を有する化合物から選ばれる少なくとも1種類とを組み合わせた改良剤を含有する液晶配向剤を使用して作製された液晶配向膜を具備する液晶表示素子では、良好なイオン密度及び長期信頼性を付与することができることを見出し、本発明を完成させた。
さらに、前記ポリアミック酸を適宜選択することにより、前記液晶配向剤を使用して作製された液晶配向膜が、種々の表示駆動方式の液晶表示素子に適切に適用され得ることを見出した。
本発明は以下の構成からなる。
[1] ポリアミック酸又はその誘導体と、アルケニル置換ナジイミド化合物と、ヘテロ環化合物とを含有する液晶配向剤であって、
前記へテロ環化合物は、オキシラン、オキセタン、チイラン、アジリジン、オキサゾリン、及びオキサジンからなる群から選ばれる一又は二以上のヘテロ環構造を有することを特徴とする液晶配向剤。
[2] 前記アルケニル置換ナジイミド化合物が下記一般式(Ina)で表される化合物であることを特徴とする[1]記載の液晶配向剤。
Figure 2008083676
一般式(Ina)中、R1及びR2は、それぞれ水素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数3〜6のアルケニル、炭素数5〜8のシクロアルキル、アリール、又はベンジルを表し、nは1〜2の整数を表し;かつ、n=1のとき、R3は炭素数1〜12のアルキル、炭素数5〜8のシクロアルキル、炭素数6〜12のアリール、ベンジル、−(Cq2q)−Ot−(Cr2rO)u−Cs2s+1(q、r、sはそれぞれ2〜6の整数を表し、tは0又は1を表し、uは1〜30の整数を表す)で表されるポリオキシアルキレンアルキル、−(R)v−C64−R4(vは0又は1を表し、Rは炭素数1〜4のアルキレンを表し、R4は水素又は炭素数1〜4のアルキルを表す)で表される基、−C64−T−C65(Tは−CH2−、−C(CH32−、−CO−、−S−又は−SO2−を表す)で表される基、又はこれらの基の芳香環に直結した1〜3個の水素が水酸基で置き換えられた基を表し;n=2のとき、R3は炭素数2〜20のアルキレン、炭素数5〜8のシクロアルキレン、−(Cq2qO)t−(Cr2rO)u−Cs2s−(q、r、sはそれぞれ2〜6の整数を表し、tは0又は1を表し、uは1〜30の整数を表す)で表されるポリオキシアルキレン、炭素数6〜12のアリーレン、−(R)v−C64−R5−(vは0又は1を表し、R及びR5はそれぞれ炭素数1〜4のアルキレン又は炭素数5〜8のシクロアルキレンを表す)で表される基、−C64−T−C64−(Tは−CH2−、−C(CH32−、−CO−、−O−、−OC64−C(CH32−C64O−、−S−、又は−SO2−を表す)で表される基、又はこれらの基の芳香環に直結する1〜3個の水素が水酸基で置き換えられた基を表す。
[3] 前記アルケニル置換ナジイミド化合物が下記構造式(Ina−1)〜(Ina−3)で表される化合物の一又は二以上を含むことを特徴とする[2]記載の液晶配向剤。
Figure 2008083676
[4] 前記アルケニル置換ナジイミド化合物を、前記ポリアミック酸又はその誘導体100重量部に対して総量で1〜100重量部含有することを特徴とする[1]〜[3]に記載の液晶配向剤。
[5] 前記ヘテロ環化合物が前記ヘテロ環構造を二個以上有する化合物を含み、該化合物を前記ポリアミック酸又はその誘導体100重量部に対して総量で1〜100重量部含有することを特徴とする[1]〜[4]に記載の液晶配向剤。
[6] 前記ポリアミック酸又はその誘導体は、酸成分としてテトラカルボン酸二無水物とアミン成分としてジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸であることを特徴とする[1]〜[5]に記載の液晶配向剤。
[7] 前記酸成分はA成分とB成分とを含み、酸のA成分は芳香族テトラカルボン酸二無水物を含み、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物は、下記構造式(1)、(2)、(5)〜(7)及び(14)からなる群から選ばれる一又は二以上の化合物であることを特徴とする[6]記載の液晶配向剤。
Figure 2008083676
[8] 前記芳香族テトラカルボン酸二無水物が前記構造式(1)の化合物であることを特徴とする[7]記載の液晶配向剤。
[9] 前記酸のB成分は脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び脂環式テトラカルボン酸二無水物のいずれか一方又は両方を含むことを特徴とする[7]又は[8]に記載の液晶配向剤。
[10] 前記脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び脂環式テトラカルボン酸二無水物は、下記構造式(19)、(23)、(25)、(35)〜(37)、(39)、(44)、及び(49)からなる群から選ばれる一又は二以上の化合物であることを特徴とする[9]に記載の液晶配向剤。
Figure 2008083676
[11] 前記脂環式テトラカルボン酸二無水物が前記構造式(19)であることを特徴とする[10]記載の液晶配向剤。
[12] 前記アミン成分はA成分単独又はA成分とB成分との両成分を含み、アミンのA成分は下記一般式(I)〜(VII)からなる群から選ばれる一又は二以上の一般式で表される化合物であることを特徴とする[6]〜[11]に記載の液晶配向剤。
Figure 2008083676
一般式(I)中、A1は、−(CH2m−を表す。ここでmは1〜12の整数を表す。また一般式(III)、(V)、(VII)中、A1は独立して、単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO2−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、−(CH2m−、−O−(CH2m−O−、又は−S−(CH2m−S−を表す。ここでmは独立して1〜12の整数を表す。また一般式(VI)中、A2は、独立して単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH32−、−C(CF32−又は炭素数1〜6のアルキレンを表す。さらに一般式(II)〜(VII)中のシクロヘキサン環又はベンゼン環に結合している水素は、独立して−F、−CH3、−OH、−COOH、−SO3H、−PO32、ベンジル又は4−ヒドロキシベンジルと置き換えられていてもよい。
[13] 前記アミンのA成分が下記構造式(IV−1)、(IV−2)、(IV−15)、(IV−16)、(V−1)〜(V−12)、(V−33)及び(VII−2)からなる群から選ばれる一又は二以上の化合物であることを特徴とする[12]記載の液晶配向剤。
Figure 2008083676
[14] 前記アミンのB成分が下記一般式(VIII)〜(XII)からなる群から選ばれる一又は二以上の一般式で表される化合物であることを特徴とする[12]又は[13]に記載の液晶配向剤。
Figure 2008083676
一般式(VIII)中、R1は単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH2O−、−CF2O−又は−(CH2e−を表し、eは1〜6の整数を表し;R2はステロイド骨格を有する基、下記一般式(XIII)で表される基、炭素数1〜30のアルキル、又はフェニルを表し;前記アルキレン及び前記アルキルの炭素数が2以上であるとき、その任意の−CH2−は、独立して−O−、−CH=CH−又は−C≡C−で置き換えられてもよく(ただし酸素は連続しない)、前記フェニルの水素は独立してフッ素、メチル、メトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシで置き換えられてもよいが、−R1−R2がベンジルを表す場合を除く。
また一般式(IX)中、R3は独立して水素又はメチルを表し;R4は水素又は炭素数1〜30のアルキルを表し;R5は独立して単結合、−CO−又は−CH2−を表す。
また一般式(X)中、R3は独立して水素又はメチルを表し;R4は水素又は炭素数1〜30のアルキルを表し;R5は独立して単結合、−CO−又は−CH2−を表し;R6及びR7はそれぞれ独立して水素、炭素数1〜30のアルキル、又はフェニルを表す。
また一般式(XI)中、R8は水素又は炭素数1〜30のアルキルを表し、炭素数2以上
の前記アルキルの任意の−CH2−は、独立して−O−、−CH=CH−又は−C≡C−で置き換えられてもよく(ただし酸素は連続しない);R9は独立して−O−又は炭素数1〜6のアルキレンを表し;環Aは1,4−フェニレン又は1,4−シクロヘキシレンを表し;aは0又は1を表し;bは0、1又は2を表し;cは独立して0又は1を表す。
また一般式(XII)中、R10は炭素数3〜30のアルキル、又は炭素数3〜30のフッ素化アルキルを表し;R11は水素、炭素数1〜30のアルキル、又は炭素数1〜30のフッ素化アルキルを表し;R12は独立して−O−又は炭素数1〜6のアルキレンを表し;dは独立して0又は1を表す。
Figure 2008083676
一般式(XIII)中、R13、R14及びR15はそれぞれ独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、炭素数1〜4のアルキレン、炭素数1〜3のオキシアルキレン(ただし酸素は連続しない)、又は炭素数1〜3のアルキレンオキシ(ただし酸素は連続しない)を表し;R16及びR17はそれぞれ独立して水素、フッ素又はメチルを表し;R18は水素、フッ素、塩素、シアノ、炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、炭素数2〜30のアルコキシアルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシを表し、炭素数2以上の前記アルキル、アルコキシ及びアルコキシアルキルにおける任意の−CH2−は、ジフルオロメチレン又は下記一般式(XIV)で表される基で置き換えられてもよく;環B及び環Cはそれぞれ独立して1,4−フェニレン又は1,4−シクロヘキシレンを表し;f、g及びhはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し;i、j及びkはそれぞれ独立して0〜3の整数を表し、かつこれらの合計は1以上であり;l及びmはそれぞれ独立して1又は2を表す。
Figure 2008083676
一般式(XIV)中、R19、R20、R21及びR22は、それぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル、又はフェニルを表し、nは1〜100の整数を表す。
[15] 前記アミンのB成分は、下記一般式(VIII−2)、(VIII−4)、(VIII−5)、(VIII−6)、(XI−2)及び(XI−4)からなる群から選ばれる一又は二以上の一般式で表される化合物であることを特徴とする[14]記載の液晶配向剤。
Figure 2008083676
前記一般式中、R23は、独立して炭素数3〜30のアルキル又は炭素数3〜30のアルコキシを表し、R29は水素又は炭素数1〜30のアルキルを表し、R30は水素又は炭素数1〜20のアルキルを表す。
[16] 二種類以上の前記ポリアミック酸又はその誘導体を含有することを特徴とする[1]〜[15]に記載の液晶配向剤。
[17] ポリアミック酸又はその誘導体と、アルケニル置換ナジイミド化合物と、ヘテロ環化合物とを含有する液晶配向剤であって、
前記ポリアミック酸又はその誘導体は、酸成分としてテトラカルボン酸二無水物とアミン成分としてジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸であり、
前記酸成分はA成分とB成分とを含み、酸のA成分は下記構造式(1)、(2)、(5)〜(7)及び(14)からなる群から選ばれる一又は二以上の化合物であり、前記酸のB成分は下記構造式(19)、(23)、(25)、(35)〜(37)、(39)、(44)、及び(49)からなる群から選ばれる一又は二以上の化合物であり、
前記アミン成分はA成分単独又はA成分とB成分との両成分を含み、アミンのA成分は下記構造式(IV−1)、(IV−2)、(IV−15)、(IV−16)、(V−1)〜(V−12)、(V−33)及び(VII−2)からなる群から選ばれる一又は二以上の化合物であり、前記アミンのB成分は下記一般式(VIII−2)、(VIII−4)、(VIII−5)、(VIII−6)、(XI−2)及び(XI−4)からなる群から選ばれる一又は二以上の一般式で表される化合物であり、
前記アルケニル置換ナジイミド化合物は、下記構造式(Ina−1)〜(Ina−3)で表される化合物の一又は二以上を含み、
前記へテロ環化合物は、オキシラン、オキセタン、チイラン、アジリジン、オキサゾリン、及びオキサジンからなる群から選ばれる一又は二以上のヘテロ環構造を有する、液晶
配向剤。
Figure 2008083676
Figure 2008083676
Figure 2008083676
Figure 2008083676
前記一般式中、R23は、独立して炭素数3〜30のアルキル又は炭素数3〜30のアルコキシを表し、R29は水素又は炭素数1〜30のアルキルを表し、R30は水素又は炭素数1〜20のアルキルを表す。
Figure 2008083676
[18] 前記酸のA成分は前記構造式(1)で表される化合物であり、前記酸のB成分は前記構造式(19)で表される化合物であり、
前記アミンのA成分は前記構造式(IV−16)、(V−1)、(V−7)及び(VII−2)で表される一又は二以上の化合物であり、前記アミンのB成分は前記一般式(VIII−5)、(XI−2)及び(XI−4)で表される一又は二以上の化合物であり、
前記アルケニル置換ナジイミド化合物は、前記構造式(Ina−1)で表される化合物であり、
前記へテロ環化合物は、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、2,4,6−トリス(1’−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、N,N,N’,N’−テトラキスチイラニルメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ポリ(スチレン−co−2−イソプロペニル−オキサゾリン)、及びビス(3−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンゾキサジン−6−イル)メタンからなる群から選ばれる一又は二以上の化合物を含むことを特徴とする[17]記載の液晶配向剤。
[19] [1]〜[18]に記載の液晶配向剤を、膜の状態で焼成して形成されることを特徴とする液晶配向膜。
[20] 対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方又は両方に形成されている電極と、前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成された液晶層とを有する液晶表示素子において、
前記液晶配向膜は、[19]に記載の液晶配向膜であることを特徴とする液晶表示素子。
本発明により、イオン密度が高く、その経時的な変動に対する長期信頼性の良好な、種々の駆動方式の液晶表示素子を提供することができる。
本発明の液晶配向剤は、アルケニル置換ナジイミド化合物と、オキシラン、オキセタン、チイラン、アジリジン、オキサゾリン、及びオキサジンからなる群から選ばれる一又は二以上のヘテロ環構造を有するヘテロ環化合物とを組み合わせた改良剤;及び、ポリアミック酸及びその誘導体から選ばれる一又は二以上のポリマー;を含む組成物である。
<1.本発明におけるアルケニル置換ナジイミド化合物>
本発明で用いられるアルケニル置換ナジイミド化合物について説明する。前記アルケニル置換ナジイミド化合物は、本発明で用いられるポリアミック酸又はその誘導体及びヘテロ環化合物を溶解する溶剤に溶解させることができる化合物であることが好ましい。このようなアルケニル置換ナジイミド化合物としては、例えば下記一般式(Ina)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008083676
一般式(Ina)中、R1及びR2は、それぞれ水素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数3〜6のアルケニル、炭素数5〜8のシクロアルキル、アリール、又はベンジルを表し、nは1〜2の整数を表す。
また一般式(Ina)中、n=1のときは、R3は炭素数1〜12のアルキル、炭素数5〜8のシクロアルキル、炭素数6〜12のアリール、ベンジル、−(Cq2q)−Ot−(Cr2rO)u−Cs2s+1(q、r、sはそれぞれ2〜6の整数を表し、tは0又は1を表し、uは1〜30の整数を表す)で表されるポリオキシアルキレンアルキル、−(R)v−C64−R4(vは0又は1を表し、Rは炭素数1〜4のアルキレンを表し、R4は水素又は炭素数1〜4のアルキルを表す)で表される基、−C64−T−C65(Tは−CH2−、−C(CH32−、−CO−、−S−又は−SO2−を表す)で表される基、又はこれらの基の芳香環に直結した1〜3個の水素が水酸基で置き換えられた基を表す。
また一般式(Ina)中、;n=2のときは、R3は炭素数2〜20のアルキレン、炭素数5〜8のシクロアルキレン、−(Cq2qO)t−(Cr2rO)u−Cs2s−(q、r、sはそれぞれ2〜6の整数を表し、tは0又は1を表し、uは1〜30の整数を表す)で表されるポリオキシアルキレン、炭素数6〜12のアリーレン、−(R)v−C64−R5−(vは0又は1を表し、R及びR5はそれぞれ炭素数1〜4のアルキレン又は炭素数5〜8のシクロアルキレンを表す)で表される基、−C64−T−C64−(Tは−CH2−、−C(CH32−、−CO−、−O−、−OC64−C(CH32−C64O−、−S−、又は−SO2−を表す)で表される基、又はこれらの基の芳香環に直結する1〜3個の水素が水酸基で置き換えられた基を表す。
前記アルケニル置換ナジイミド化合物は、例えば特許第2729565号公報に記載されているように、アルケニル置換ナジック酸無水物誘導体とジアミンとを80〜220℃の温度で0.5〜20時間保持することにより合成して得られる化合物や市販されている化合物を用いることができる。アルケニル置換ナジイミド化合物の具体例としては、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。
N−メチル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−メチル−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−メチル−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−メチル−メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(2−エチルヘキシル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(2−エチルヘキシル)−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−アリル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−アリル−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−アリル−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−イソプロペニル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−イソプロペニル−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−イソプロペニル−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−シクロヘキシル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−シクロヘキシル−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−シクロヘキシル−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−フェニル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−フェニル−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−ベンジル−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−ベンジル−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−ベンジル−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(2’−ヒドロキシエチル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(2’−ヒドロキシエチル)−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(2’−ヒドロキシエチル)−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(2’,2’−ジメチル−3’−ヒドロキシプロピル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(2’,2’−ジメチル−3’−ヒドロキシプロピル)−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(2’,3’−ジヒドロキシプロピル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(2’,3’−ジヒドロキシプロピル)−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(3’−ヒドロキシ−1’−プロペニル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(4’−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(4’−ヒドロキシフェニル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(4’−ヒドロキシフェニル)−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(4’−ヒドロキシフェニル)−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(4’−ヒドロキシフェニル)−メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(3’−ヒドロキシフェニル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(3’−ヒドロキシフェニル)−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(p−ヒドロキシベンジル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2
,3−ジカルボキシイミド、
N−{2’−(2’−ヒドロキシエトキシ)エチル}−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−{2’−(2’−ヒドロキシエトキシ)エチル}−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−{2’−(2’−ヒドロキシエトキシ)エチル}−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−{2’−(2’−ヒドロキシエトキシ)エチル}−メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−〔2’−{2’−(2”−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル〕−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−〔2’−{2’−(2”−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル〕−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−〔2’−{2’−(2”−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル〕−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−{4’−(4’−ヒドロキシフェニルイソプロピリデン)フェニル}−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−{4’−(4’−ヒドロキシフェニルイソプロピリデン)フェニル}−アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−{4’−(4’−ヒドロキシフェニルイソプロピリデン)フェニル}−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
及びこれらのオリゴマー、
N,N’−エチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−エチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−エチレン−ビス(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−トリメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
1,2−ビス{3’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}エタン、
1,2−ビス{3’−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}エタン、
1,2−ビス{3’−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジ
カルボキシイミド)プロポキシ}エタン、
ビス〔2’−{3’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}エチル〕エーテル、
ビス〔2’−{3’−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}エチル〕エーテル、
1,4−ビス{3’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}ブタン、
1,4−ビス{3’−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}ブタン、
N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−{(1−メチル)−2,4−フェニレン}−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
2,2−ビス〔4’−{4’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔4’−{4’−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔4’−{4’−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、
ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、
ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、
ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、
ビス{4−(メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、
ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、
ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、
ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、
ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン、
ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン、
ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン、
1,6−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−3−ヒドロキシ−ヘキサン、
1,12−ビス(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−3,6−ジヒドロキシ−ドデカン、
1,3−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−5−ヒドロキシ−シクロヘキサン、
1,5−ビス{3’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)プロポキシ}−3−ヒドロキシ−ペンタン、
1,4−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−2−ヒドロキシ−ベンゼン、
1,4−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−2,5−ジヒドロキシ−ベンゼン、
N,N’−p−(2−ヒドロキシ)キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−p−(2−ヒドロキシ)キシリレン−ビス(アリルメチルシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−m−(2−ヒドロキシ)キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−m−(2−ヒドロキシ)キシリレン−ビス(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−p−(2,3−ジヒドロキシ)キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
2,2−ビス〔4’−{4’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−2’−ヒドロキシ−フェノキシ}フェニル〕プロパン、
ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−2−ヒドロキシ−フェニル}メタン、
ビス{3−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−4−ヒドロキシ−フェニル}エーテル、
ビス{3−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)−5−ヒドロキシ−フェニル}スルホン、
1,1,1−トリ{4’−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)}フェノキシメチルプロパン、
N,N’,N”−トリ(エチレンメタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)イソシアヌレート、
及びこれらのオリゴマー等。
さらに、本発明に用いられるアルケニル置換ナジイミド化合物は、非対称なアルキレン・フェニレン基を含む下記構造式で表される化合物でもよい。
Figure 2008083676
本発明に用いられる前記アルケニル置換ナジイミド化合物には、これらのようなアルケニル置換ナジイミド化合物を単独で用いてもよいし、これらのうちの二種以上の混合物として用いてもよい。
前記アルケニル置換ナジイミド化合物として、好ましい化合物には、以下の化合物が挙げられる。
N,N’−エチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−エチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−エチレン−ビス(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−トリメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−{(1−メチル)−2,4−フェニレン}−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
2,2−ビス〔4’−{4’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔4’−{4’−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔4’−{4’−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、
ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、
ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、
ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、
ビス{4−(メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、
ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、
ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、
ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}エーテル、
ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン、
ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン、
ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}スルホン。
前記アルケニル置換ナジイミド化合物として、更に好ましい化合物には、以下の化合物が挙げられる。
N,N’−エチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−エチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−エチレン−ビス(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−トリメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−ドデカメチレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−シクロヘキシレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−m−フェニレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−{(1−メチル)−2,4−フェニレン}−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−p−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
2,2−ビス〔4’−{4’−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔4’−{4’−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔4’−{4’−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェノキシ}フェニル〕プロパン、
ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、
ビス{4−(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、
ビス{4−(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、
ビス{4−(メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン。
前記アルケニル置換ナジイミド化合物としてより一層好ましい化合物には、下記構造式(Ina−1)で示されるビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、下記構造式(Ina−2)で示されるN,N’−m−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、及び下記構造式(Ina−3)で示されるN,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)が挙げられる。
Figure 2008083676
<2.本発明に用いられるヘテロ環化合物>
本発明に用いられるヘテロ環化合物は、オキシラン、オキセタン、チイラン、アジリジン、及びオキサゾリンからなる群から選ばれる一又は二以上のヘテロ環構造を有する。前記ヘテロ環化合物は、前記ヘテロ環構造を有する一種類の化合物であってもよいし、二種以上の化合物であっても良い。前記ヘテロ環化合物は、一つの化合物中にヘテロ環構造を一種だけ有していてもよいし、二種以上有していてもよい。また前記ヘテロ環化合物は、一つの化合物中に前記ヘテロ環構造を一個有していれば良いが、二個以上有することが好ましい。
またヘテロ環化合物は、ヘテロ環構造を側鎖に有する重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。ヘテロ環構造を側鎖に有する重合体は、ヘテロ環構造を側鎖に有するモノマーの単独重合体であってもよいし、ヘテロ環構造を側鎖に有するモノマーとヘテロ環構造を有しないモノマーとの共重合体であってもよい。ヘテロ環構造を側鎖に有する共重合体は、ヘテロ環構造を側鎖に有する二種以上のモノマーの共重合体であってもよいし、ヘテロ環構造を側鎖に有する二種以上のモノマーとヘテロ環構造を有しないモノマーとの共重合体であってもよい。
前記ヘテロ環構造は、ヘテロ原子を有している。前記ヘテロ環化合物を含有する液晶配向剤がイオン密度の抑制及びその長期安定性に優れている理由は定かではないが、前記ヘテロ環化合物中のヘテロ環構造におけるヘテロ原子とポリアミック酸中のカルボニル基との反応や、液晶配向膜としたときの膜中のヘテロ環化合物の分布(膜の表面及びその近傍への偏在)が関連していると思われる。したがって、前記ヘテロ環化合物は、例えばヘテロ環構造中のヘテロ原子がポリアミック酸のカルボニル基と反応し得る構造のような、これらの作用が起こり得る構造を有していることが好ましい。
本発明に用いられる、オキシランを主にヘテロ環構造として有するヘテロ環化合物(以下、「オキシラン化合物」とも言う)、オキセタンを主にヘテロ環構造として有するヘテロ環化合物(以下、「オキセタン化合物」とも言う)、チイランを主にヘテロ環構造として有するヘテロ環化合物(以下、「チイラン化合物」とも言う)、アジリジンを主にヘテロ環構造として有するヘテロ環化合物(以下、「アジリジン化合物」とも言う)、及びオキサゾリンを主にヘテロ環構造として有するヘテロ環化合物(以下、「オキサゾリン化合物」とも言う)は、本発明に用いられるポリアミック酸又はその誘導体を溶解させる溶媒に可溶であることが好ましい。
オキセタン化合物としては、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕メタン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕エーテル、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕プロパン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕スルホン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕ケトン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、トリ〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、及びテトラ〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン等が挙げられる。これらの他、オキセタニルを有するオリゴマーやポリマーも挙げることができる。
チイラン化合物としては、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、3,3,3−トリフルオロメチルプロピレンオキシド、スチレンオキシド、ヘキサフルオロプロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、N−グリシジルフタルイミド、(ノナフルオロ−N−ブチル)エポキシド、パーフルオロエチルグリシジルエーテル、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、N,N−ジグリシジルアニリン、及び3−[2−(パーフルオロヘキシル)エトキシ]−1,2−エポキシプロパン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、及び3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン
、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、及び3−(N−アリル−N−グリシジル)アミノプロピルトリメトキシシランにおけるグリシジル基の酸素を、例えばJ.Org.Chem.,28,229(1963)に記載されている方法に従って硫黄に置換し、前記グリシジル基をエチレンスルフィド基に置換した化合物等が挙げられる。
アジリジニル化合物としては、2,4,6−トリス(1’−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、ω−アジリジニルプロピオン酸−2,2−ジヒドロキシメチル−ブタノールトリエステル、2,4,6−トリス(2−メチル−1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−エチル−1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、4,4’−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、ビス(2−エチル−1−アジリジニル)ベンゼン−1,3−ジカルボン酸アミド、トリス(2−エチル−1−アジリジニル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸アミド、ビス(2−エチル−1−アジリジニル)セバシン酸アミド、1,6−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ヘキサン、2,4−ジエチレンウレイドトルエン、1,1’−カルボニル−ビス−エチレンイミン、ポリメチレン−ビス−エチルンユリア(C2〜C4)、及びN,N’−ビス(4,6−ジエチレンイミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。これらの他、アジリジニルを有するオリゴマーやポリマーも挙げることができる。
オキサゾリン化合物としては、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、1,2,4−トリス−(2−オキサゾリニル−2)−ベンゼン、4−フラン−2−イルメチレン−2−フェニル−4H−オキサゾール−5−オン、1,4−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン、2,3−ビス(4−イソプロペニル−2−オキサゾリン−2−イル)ブタン、2,2’−ビス−4−ベンジル−2−オキサゾリン、2,6−ビス(イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジン、2,2’−イソプロピリデンビス(4−tert−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2’−イソプロピリデンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2’−メチレンビス(4−tert−ブチル−2−オキサゾリン)、及び2,2’−メチレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)等が挙げられる。これらの他、エポクロス(商品名、株式会社日本触媒製)のようなオキサゾリルを有するポリマーやオリゴマーも挙げることができる。
オキシラン化合物としては、例えばグリシジルエーテル型オキシラン化合物、脂肪環状族オキシラン化合物、グリシジルエステル型オキシラン化合物、グリシジルアミン型オキシラン化合物、複素環式オキシラン化合物、オキシラニル基含有アクリル系化合物、シラン型オキシラン化合物などが挙げられる。
グリシジルエーテル型オキシラン化合物市販品としては、例えばエピコート1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010(油化シェルエポキシ(株)製)、エピコート807(油化シェルエポキシ(株)製)、脂肪環状族オキシラン化合物市販品としては、例えばCY−175、同177、同179(CIBA−GEIGY社製)、ERL−4234、同4299、同4221、同4206(U.C.C.社製);グリシジルエステル型オキシラン化合物市販品としては、例えばショーダイン508(昭和電工(株)製)、アラルダイトCY−182、同192、同184(CIBA−GEIGY社製)、エピクロン200、同400(大日本インキ(株)製)、エピコート871、同872(油化シェルエポキシ(株)製)、ED−5661、同5662(セラニーズコーティング(株)製);グリシジルアミン型オキシラン化合物としては、例えばテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−パラ−アミノフ
ェノール、トリグリシジル−メタ−アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、ジグリシジルトリブロムアニリン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン;複素環式オキシラン化合物市販品としては、例えばアラルダイトPT810(CIBA−GEIGY社製)、エピコートRXE−15(油化シェルエポキシ(株)製)、EPITEC(日産化学(株)製);オキシラニル基含有アクリル系化合物としては、オキシラニル基を有するラジカル重合性化合物を単独及び/又は他のラジカル重合性化合物と共に溶媒中でラジカル重合することにより得ることができる。オキシラニル基を有するラジカル重合性化合物としては、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、N−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミド、N−[4−( 2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルフェニルプロピル]アクリルアミドなどを挙げることができる。
また、ここに挙げたオキシラン化合物の多くは高分子量体であるが、本発明に用いるオキシラン化合物としては、分子量によって制限されるものではなく、例えばビスフェノールAあるいはビスフェノールFのジグリシジルエーテルの如き低分子量体でも使用することができる。ただし、低分子量体では液晶への溶け出しの可能性があるため、高分子量体の方が好ましい。
シラン型オキシラン化合物としては、例えば(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシランなどを挙げることができる。
本発明に用いられるオキシラン化合物には、オキシラニル基の効果を顕著にさせるため、助触媒を添加しても良い。
助触媒としては、例えばピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、インドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、イソシアヌル酸などを挙げることができる。これらの中でも、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミドゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−1−(2’−シアノエチル)イミダゾール、2−エチル−4−メチル−1−[2’−(3”,5”−ジアミノトリアジニル)エチル]イミダゾール、ベンズイミダゾールなどのイミダゾール誘導体が好適である。これらの助触媒は、単独又は2種以上の組み合わせで使用することができ、一般的には、オキシラン化合物に対して総量で0.01〜10重量部の割合で使用されることが好ましい。
本発明に用いられるオキサジン化合物としては、例えば下記一般式(a)〜(f)に示す化合物が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
Figure 2008083676
一般式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜10の有機基を表し、R3からR6はそれぞれ水素又は炭素数1〜6の炭化水素基を表し、Xは、単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO2−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、−(CH2m−、−O−(CH2m−O−、又は−S−(CH2m−S−を表し、mは1〜6の整数を表す。
また一般式(e)、(f)中、Yは、独立して単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH32−、−C(CF32−又は炭素数1〜3のアルキレンを表す。一般式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)中、ベンゼン環、ナフタレン環に結合している水素は、独立して−F、−CH3、−OH、−COOH、−SO3H、又は−PO32と置き換えられていてもよい。
また、本発明に用いられるオキサジン化合物には、オキサジン構造を側鎖に有するオリゴマーやポリマー、オキサジン構造を主鎖中に有するオリゴマーやポリマーが含まれる。
一般式(a)で表されるオキサジン化合物としては、例えば以下の構造式及び一般式で表されるオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2008083676
一般式(a−2)中、R1は炭素数1〜30のアルキルが好ましく、炭素数1〜20のアルキルがさらに好ましい。
一般式(b)で表されるオキサジン化合物としては、例えば以下の構造式及び一般式で表されるオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2008083676
一般式(b−2)、(b−8)、(b−10)中、R1はそれぞれ独立して炭素数1〜30のアルキルが好ましく、炭素数1〜20のアルキルがさらに好ましい。
一般式(c)で表されるオキサジン化合物としては、例えば以下の構造式及び一般式で表されるオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2008083676
Figure 2008083676
一般式(c−2)、(c−4)、(c−6)、(c−8)、(c−10)、(c−12)中、R1は炭素数1〜30のアルキルが好ましく、炭素数1〜20のアルキルがさらに好ましい。
一般式(d)で表されるオキサジン化合物としては、例えば以下の構造式で表されるオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2008083676
一般式(e)で表されるオキサジンとしては、例えば以下の構造式で表されるオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2008083676
一般式(f)で表されるオキサジンとしては、例えば以下の構造式で表されるオキサジン化合物が挙げられる。

Figure 2008083676
Figure 2008083676
これらのうち、より好ましくは、構造式(b−1)、(c−1)、(c−3)、(c−5)、(c−7)、(c−9)、(d−1)〜(d−6)、(e−3)、(e−4)、(f−2)〜(f−4)で表されるオキサジン化合物が挙げられる。
前記オキサジン化合物は、例えばWO2004/009708、特開平11−12258号公報、特開2004−352670号公報に記載の方法と同様の方法で製造することができる。
<3.本発明に用いられるポリアミック酸又はその誘導体>
本発明に用いられるポリアミック酸又はその誘導体は、後述する液晶配向剤としたときに溶媒に溶解した形態であり、その液晶配向剤を後述する液晶配向膜としたときに、ポリイミドを主成分とする液晶配向膜を形成することができる成分である。このようなポリアミック酸又はその誘導体としては、例えばポリアミック酸、可溶性ポリイミド、ポリアミック酸エステル、及びポリアミック酸アミド等が挙げられる。より具体的には1)ポリアミック酸の全てのアミノとカルボキシルとが脱水閉環反応したポリイミド、2)部分的に脱水閉環反応した部分ポリイミド、3)ポリアミック酸のカルボキシルがエステルに変換されたポリアミック酸エステル、4)テトラカルボン酸二無水物化合物に含まれる酸二無水物の一部を有機ジカルボン酸に置き換えて反応させて得られたポリアミック酸−ポリアミド共重合体、さらに5)該ポリアミック酸−ポリアミド共重合体の一部もしくは全部を脱水閉環反応させたポリアミドイミド、が挙げられる。本発明に用いられるポリアミック酸又はその誘導体は、これらの成分のうちの一成分であればよいが、二以上の成分であってもよい。
前記ポリアミック酸又はその誘導体は、酸成分としてテトラカルボン酸二無水物とアミン成分としてジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸であることが好ましい。本発明では、このようなポリアミック酸を用いることができる。
前記ポリアミック酸又はその誘導体は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応によって得ることができる。本発明におけるテトラカルボン酸二無水物には、一種又は二種以上のテトラカルボン酸二無水物を用いることができるが、テトラカルボン酸二無水物の一部はジカルボン酸に置き換えられていてもよい。ここでテトラカルボン酸二無水物に対するジカルボン酸の比率は、10モル%以下にすることが好ましい。
本発明におけるジアミンには、一種又は二種以上のジアミンを用いることができるが、ジアミンの一部はモノアミンに置き換えられていてもよい。ここでジアミンに対するモノアミンの比率は、10モル%以下にすることが好ましい。
前記テトラカルボン酸二無水物は、任意に選択され、一又は二以上の化合物を用いることができる。二以上のテトラカルボン酸二無水物を用いる場合では、酸のA成分として芳香族テトラカルボン酸二無水物を、酸のB成分として脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び脂環式テトラカルボン酸二無水物の一方又は両方を用いることが好ましい。これらのテトラカルボン酸二無水物には、それぞれ一又は二以上の化合物を用いることができる。
なお、本発明におけるポリアミック酸が液晶配向剤の成分として使用されるためには、溶媒に可溶な形態をとることが好ましい。本発明におけるポリアミック酸を該可溶な形態とするために、酸成分として用いるテトラカルボン酸二無水物を適宜に選択することが好ましい。
ここで、酸のA成分として用いる前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば下記構造式(1)〜(18)で表される酸二無水物が具体例として挙げられる。下記の芳香族テトラカルボン酸二無水物のうち、より好ましくは構造式(1)、(2)、(5)、(6)(7)及び(14)で表される酸二無水物が挙げられ、最も好ましくは構造式(1)で表されるピロメリット酸二無水物が挙げられる。

Figure 2008083676
Figure 2008083676
また、酸のB成分として用いる前記脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、例えば下記構造式(19)〜(67)で表される酸二無水物が具体的に例示される。

Figure 2008083676
Figure 2008083676
Figure 2008083676
上記のテトラカルボン酸二無水物のうち、より好ましくは構造式(19)〜(39)及び(49)で表される酸二無水物が挙げられ、さらに好ましくは構造式(19)、(23)、(25)、(35)〜(37)、(39)、(44)及び(49)で表される酸二無水物が挙げられ、特に好ましくは構造式(19)で表される1,2,3,4−シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
また本発明におけるポリアミック酸又はその誘導体を、溶媒に可溶性なポリイミドとするには、構造式(24)、(35)〜(44)、(49)、(50)、(53)及び(60)で表される酸二無水物を用いることが好ましい。
本発明におけるテトラカルボン酸二無水物には、構造式(1)〜(67)で表されるテトラカルボン酸二無水物を一種単独で用いることもできるし、二種以上を組み合わせて用いることもできる。芳香族テトラカルボン酸二無水物と、脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び脂環式テトラカルボン酸二無水物(特に好ましくは、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物)とを用いた、本発明におけるテトラカルボン酸二無水物から合成されるポリアミック酸を含有する液晶配向剤を用いて形成される液晶配向膜は、それを含む液晶表示素子に、特に良好なイオン密度を付与することができる。
さらに、本発明におけるテトラカルボン酸二無水物には、構造式(1)〜(67)で表されるテトラカルボン酸二無水物以外の他のテトラカルボン酸二無水物も用いることができる。他のテトラカルボン酸二無水物は任意であるが、例えば、側鎖構造を有するテトラカルボン酸二無水物を挙げることもできる。側鎖構造を有するテトラカルボン酸二無水物を用いた、本発明におけるテトラカルボン酸二無水物から合成されるポリアミック酸を含有する液晶配向剤を用いて形成される液晶配向膜は、それを含む液晶表示素子におけるプレチルト角を大きくすることができる。
側鎖構造を有するテトラカルボン酸二無水物は特に限定されるものではないが、下記構造式(68)及び(69)で表されるステロイド骨格を有する化合物が本発明において好ましく使用され得る。
Figure 2008083676
なお、本発明におけるテトラカルボン酸二無水物に用い得る、前記他のテトラカルボン酸二無水物は、前述した側鎖構造を有するテトラカルボン酸二無水物に限定されることな
く、本発明の目的が達成される範囲内で他にも種々の形態のテトラカルボン酸二無水物が存在することはいうまでもない。このようなさらなる他のテトラカルボン酸二無水物は一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いられ得る。
また、本発明におけるテトラカルボン酸二無水物に用いるテトラカルボン酸二無水物の一部は、カルボン酸無水物に置き換えられていてもよい。テトラカルボン酸二無水物の一部をカルボン酸無水物に置き換えることにより、重合反応のターミネーションを起こすことができ、それ以上の反応の進行を抑えることができることから、得られる重合体(ポリアミック酸)の分子量を容易に制御することができる。テトラカルボン酸二無水物に対するカルボン酸無水物の比率は、本発明の効果を損なわない範囲にすればよいが、目安として全テトラカルボン酸二無水物量の10モル%以下にすることが好ましい。
前記の通り、本発明の液晶配向剤に含まれるポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られる重合体である。
本発明に用いられるジアミンは、任意に選択され、一又は二以上の化合物を用いることができる。ジアミンには、例えば直鎖状のジアミンをA成分として単独で用いてもよいし、このA成分のジアミンと、B成分としての側鎖構造を有するジアミンと、を併用してもよい。二以上のジアミンを用いる場合では、例えばアミンのA成分として直鎖状のジアミンを、アミンのB成分として側鎖構造を有するジアミンを用いることが好ましい。これらのジアミンには、それぞれ一又は二以上の化合物を用いることができる。
前記アミンのA成分としてのジアミンは、側鎖構造を有さないジアミンであれば任意に選択されるが、好ましくは一般式(I)〜(VII)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 2008083676
一般式(I)中、A1は、−(CH2m−を表す。ここでmは1〜12の整数を表す。
また一般式(III)、(V)、(VII)中、A1はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO2−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、−(CH2m−、−O−(CH2m−O−、又は−S−(CH2m−S−を表す。ここでmは独立して1〜12の整数を表す。また一般式(VI)中、A2は、独立して単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH32−、−C(CF32−又は炭素数1〜6のアルキレンを表す。さらに一般式(II)〜(VII)中のシクロヘキサン環又はベンゼン環に結合している水素は、独立して−F、−CH3、−OH、−COOH、−SO3H、−PO32、ベンジル又は4−ヒドロキシベンジルと置き換えられていてもよい。
一般式(I)で表されるジアミンとしては、例えば構造式(I−1)〜(I−4)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 2008083676
一般式(II)で表されるジアミンとしては、例えば構造式(II−1)、(II−2)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 2008083676
一般式(III)で表されるジアミンとしては、例えば構造式(III−1)〜(III−3)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 2008083676
一般式(IV)で表されるジアミンとしては、例えば構造式(IV−1)〜(IV−16)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 2008083676
一般式(V)で表されるジアミンとしては、例えば構造式(V−1)〜(V−34)で表されるジアミンが挙げられる。

Figure 2008083676
Figure 2008083676
一般式(VI)で表されるジアミンとしては、例えば構造式(VI−1)〜(VI−6)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 2008083676
一般式(VII)で表されるジアミンとしては、例えば構造式(VII−1)〜(VII−16)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 2008083676
これらのうち、より好ましくは、構造式(IV−1)〜(IV−5)、(IV−15)、(IV−16)、(V−1)〜(V−12)、(V−26)、(V−27)、(V−31)、(V−33)、(VI−1)、(VI−2)、(VI−6)、(VII−1)〜(VII−5)で表されるジアミンが挙げられ、最も好ましくは構造式(IV−1)、(IV−2)、(IV−15)、(IV−16)、(V−1)〜(V−12)、(V−33)、(VII−2)で表されるジアミンが挙げられる。
本発明におけるジアミンには、前記一般式(I)〜(VII)で表されるジアミンを一種単独で用いてもよく、二種以上を用いてもよい。本発明におけるジアミン中の前記一般式(I)〜(VII)で表されるジアミンのモル比は、選択された前記一般式(I)〜(VII)で表されるジアミンの構造と、所望するイオン密度に応じて調整すればよく、ジアミンの総量で1〜100%であることが好ましく、5〜80%であることがより好ましい。
前記の通り、本発明におけるジアミンは一種又は二種以上のジアミンを用いるが、特に
VA型液晶表示素子、OCB型液晶表示素子、STN型液晶表示素子等の大きなプレチルト角が要求されるような用途では、アミンのB成分として側鎖構造を有するジアミンを用いることが好ましい。
本明細書において、側鎖構造を有するジアミンとは二つのアミノ基を結ぶ置換基を主鎖としたときに、主鎖から分岐する、所望のプレチルト角を発現させることができる置換基(側鎖)を有するジアミンを意味する。すなわち、側鎖構造を有するジアミンを用いることによって、テトラカルボン酸二無水物と反応させることで、高分子主鎖に対して側鎖基を有するポリアミック酸又はポリイミド(分岐ポリアミック酸又は分岐ポリイミド)を提供することができる。このような高分子主鎖に対して側鎖基を有するポリアミック酸又はポリイミドを含有する液晶配向剤から形成される液晶配向膜は、液晶表示素子におけるプレチルト角を大きくすることができる。このことは、例えば、前記特許文献1(特開平11−193345号公報)に記載されている。
従って、側鎖構造を有するジアミンにおける側鎖は、要求されるプレチルト角に応じて適宜選択すればよい。例えば、該側鎖は炭素数3以上の基が好ましく挙げられる。具体的には、
1)置換基を有していてもよいフェニル、置換基を有していてもよいシクロヘキシルフェニレン、置換基を有していてもよいビス(シクロヘキシル)フェニレン、又は炭素数3以上のアルキル、アルケニルもしくはアルキニル、
2)置換基を有していてもよいフェニルオキシ、置換基を有していてもよいシクロヘキシルオキシ、置換基を有していてもよいビス(シクロヘキシル)オキシ、置換基を有していてもよいフェニルシクロヘキシルオキシ、置換基を有していてもよいシクロヘキシルフェニルオキシ、又は炭素数3以上のアルキルオキシ、アルケニルオキシもしくはアルキニルオキシ、
3)フェニルカルボニル、又は炭素数3以上のアルキルカルボニル、アルケニルカルボニルもしくはアルキニルカルボニル、
4)フェニルカルボニルオキシ、又は炭素数3以上のアルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシもしくはアルキニルカルボニルオキシ、
5)置換基を有していてもよいフェニルオキシカルボニル、置換基を有していてもよいシクロヘキシルオキシカルボニル、置換基を有していてもよいビス(シクロヘキシル)オキシカルボニル、置換基を有していてもよいビス(シクロヘキシル)フェニルオキシカルボニル、置換基を有していてもよいシクロヘキシルビス(フェニル)オキシカルボニル、又は炭素数3以上のアルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニルもしくはアルキニルオキシカルボニル、
6)フェニルアミノカルボニル、又は炭素数3以上のアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニルもしくはアルキニルアミノカルボニル、
7)炭素数3以上の環状アルキレン、
8)置換基を有していてもよいシクロヘキシルアルキレン、置換基を有していてもよいフェニルアルキレン、置換基を有していてもよいビス(シクロヘキシル)アルキレン、置換基を有していてもよいシクロヘキシルフェニルアルキレン、置換基を有していてもよいビス(シクロヘキシル)フェニルアルキレン、置換基を有していてもよいフェニルアルキルオキシ、アルキルフェニルオキシカルボニル、又はアルキルビフェニリルオキシカルボニル、
9)アルキル、フッ素置換アルキル、又はアルコキシによって置換されたフェニル又はシクロヘキシル、及び、
10)二個以上のベンゼン環又はシクロヘキサン環が単結合し、又は、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−若しくは炭素数1〜3のアルキレンを介して結合した、アルキル、フッ素置換アルキル、又はアルコキシによって置換された環集合基、又はステロイド骨格を有する基等
が挙げられるが、これらに限定されない。
ここで、「置換基」としては、アルキル、アルコキシ、又はアルコキシアルキル等を挙げることができる。
また、ビス(シクロヘキシル)、又はビス(フェニル)は、アルキレンによって中断されていてもよい。
なお、本明細書において、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」というときは、線状でもよいし、枝分かれでもよい。
本発明に用いられる側鎖構造を有するジアミンとしては、具体的には下記一般式(VIII)〜(XII)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 2008083676
一般式(VIII)中、R1は単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH2O−、−CF2O−又は−(CH2e−を表し、eは1〜6の整数を表し;R2はステロイド骨格を有する基、下記一般式(XIII)で表される基、炭素数1〜30のアルキル、又はフェニルを表し;前記アルキレン及び前記アルキルの炭素数が2以上であるとき、その任意の−CH2−は独立して−O−、−CH=CH−又は−C≡C−で置き換えられてもよく(ただし酸素は連続しない)、そしてこのフェニルの水素は独立してフッ素、メチル、メトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシで置き換えられてもよいが、−R1−R2がベンジルを表す場合を除く。
Figure 2008083676
一般式(IX)中、R3は独立して水素又はメチルを表し;R4は水素又は炭素数1〜30のアルキルを表し;R5は独立して単結合、−CO−又は−CH2−を表す。
一般式(X)中、R3は独立して水素又はメチルを表し;R4は水素又は炭素数1〜30のアルキルを表し;R5は独立して単結合、−CO−又は−CH2−を表し;R6及びR7はそれぞれ独立して水素、炭素数1〜30のアルキル、又はフェニルを表す。
Figure 2008083676
一般式(XI)中、R8は水素又は炭素数1〜30のアルキルを表し、炭素数2以上の前記アルキルの任意の−CH2−は、独立して−O−、−CH=CH−又はC≡C−で置き換えられてもよく(ただし酸素は連続しない);R9は独立して−O−又は炭素数1〜6のアルキレンを表し;環Aは1,4−フェニレン又は1,4−シクロヘキシレンを表し;aは0又は1を表し;bは0、1又は2を表し;cは独立して0又は1を表す。
一般式(XII)中、R10は炭素数3〜30のアルキル、又は炭素数3〜30のフッ素化アルキルを表し;R11は水素、炭素数1〜30のアルキル、又は炭素数1〜30のフッ
素化アルキルを表し;R12は独立して−O−又は炭素数1〜6のアルキレンを表し;dは独立して0又は1を表す。
Figure 2008083676
一般式(XIII)中、R13、R14及びR15はそれぞれ独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、炭素数1〜4のアルキレン、炭素数1〜3のオキシアルキレン(ただし酸素は連続しない)、又は炭素数1〜3のアルキレンオキシ(ただし酸素は連続しない)を表し;R16及びR17はそれぞれ独立して水素、フッ素又はメチルを表し;R18は水素、フッ素、塩素、シアノ、炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、炭素数2〜30のアルコキシアルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシを表し、炭素数2以上の前記アルキル、アルコキシ及びアルコキシアルキルにおける任意の−CH2−は、ジフルオロメチレン又は下記一般式(XIV)で表される基で置き換えられてもよく;環B及び環Cはそれぞれ独立して1,4−フェニレン又は1,4−シクロヘキシレンを表し;f、g及びhはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し;i、j及びkはそれぞれ独立して0〜3の整数を表し、かつこれらの合計は1以上であり;l及びmはそれぞれ独立して1又は2を表す。
Figure 2008083676
一般式(XIV)中、R19、R20、R21及びR22は、それぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル、又はフェニルを表し、nは1〜100の整数を表す。
なお、一般式(IX)中、ステロイド骨格を形成する炭素に結合している水素は、独立して−CH3と置き換えられていてもよい。
一般式(VIII)で表されるジアミンとしては、例えば下記一般式又は構造式(VIII−1)〜(VIII−43)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 2008083676
一般式(VIII−1)〜(VIII−11)中、R23は炭素数3〜30のアルキル又は炭素数3〜30のアルコキシを表すことが好ましく、炭素数5〜25のアルキル又は炭素数5〜25のアルコキシを表すことがさらに好ましい。また、R24は炭素数1〜30のアルキル又は炭素数1〜30のアルコキシを表すことが好ましく、炭素数3〜25のアルキル又は炭素数3〜25のアルコキシを表すことがさらに好ましい。
Figure 2008083676
一般式(VIII−12)〜(VIII−15)中、R25は炭素数4〜30のアルキルを表すことが好ましく、炭素数6〜25のアルキルを表すことがさらに好ましい。一般式(VIII−16)及び(VIII−17)中、R26は炭素数6〜30のアルキルを表すことが好ましく、炭素数8〜25のアルキルを表すことがさらに好ましい。

Figure 2008083676
Figure 2008083676
一般式(VIII−18)〜(VIII−37)において、R27は炭素数1〜30のアルキル、又は炭素数1〜30のアルコキシを表すことが好ましく、炭素数3〜25のアルキル又は炭素数3〜25のアルコキシを表すことがさらに好ましい。またR28は、−H、−F、炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、−CN、−OCH2F、−OCHF2又は−OCF3を表すことが好ましく、炭素数3〜25のアルキル又は炭素数3〜25のアルコキシを表すことがさらに好ましい。
Figure 2008083676
これらのうち、好ましくは、一般式(VIII−1)〜(VIII−11)で表されるジアミンが挙げられる。より好ましくは、一般式(VIII−2)、(VIII−4)、(VIII−5)及び(VIII−6)で表されるジアミンが挙げられる。
前記一般式(IX)において、二つの「NH2−Ph−R5−O−」の一方はステロイド骨格の3位に結合し、もう一方は6位に結合していることが好ましい。また、二つのアミノ基はそれぞれ、フェニル環炭素に結合しており、R5の結合位置に対して、メタ又はパラに結合していることが好ましい。
一般式(IX)で表されるジアミンとしては、例えば構造式(IX−1)〜(IX−4)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 2008083676
前記一般式(X)において、二つの「NH2−(R7−)Ph−R5−O−」は、それぞれフェニル環の炭素に結合しているが、好ましくはステロイド骨格が結合している炭素に対してメタ又はパラの炭素に結合している。また、二つのアミノ基はそれぞれフェニル環炭素に結合しているが、R5に対してメタ又はパラに結合していることが好ましい。
一般式(X)で表されるジアミンとしては、例えば構造式(X−1)〜(X−8)で表されるジアミンが挙げられる。

Figure 2008083676
Figure 2008083676
Figure 2008083676
前記一般式(XI)において、二つのアミノ基はそれぞれフェニル環の炭素に結合しているが、R9に対してメタ又はパラに結合していることが好ましい。
一般式(XI)で表されるジアミンとしては、例えば一般式(XI−1)〜(XI−8)で表されるジアミンが挙げられる。

Figure 2008083676
Figure 2008083676
一般式(XI−1)〜(XI−3)中、R29は−H、炭素数1〜30のアルキル基を表すことが好ましく、一般式(XI−4)〜(XI−8)中、R30は−H、炭素数1〜20のアルキル基を表すことがさらに好ましい。
前記一般式(XII)において、二つのアミノ基はそれぞれフェニル環の炭素に結合しているが、R12に対してメタ又はパラに結合していることが好ましい。
一般式(XII)で表されるジアミンとしては、例えば一般式(XII−1)〜(XII−3)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 2008083676
一般式(XII−1)〜(XII−3)中、R31は炭素数6〜20のアルキル基を表すことが好ましく、R32は−H、又は炭素数1〜10のアルキル基を表すことが好ましい。
本発明におけるジアミンには、前記一般式(VIII)〜(XII)で表されるジアミンを一種単独で用いてもよく、二種以上を用いてもよい。本発明におけるジアミンにおける側鎖構造を有するジアミンのモル比は、選択された側鎖構造を有するジアミンの構造と、所望するプレチルト角に応じて調整すればよく、1〜100%であることが好ましく、10〜100%であることがより好ましい。
さらに、本発明におけるジアミンには、一般式(I)〜(VII)で表されるジアミン、及び一般式(VIII)〜(XII)で表される側鎖構造を有するジアミン以外の他のジアミンを用い得る。このような他のジアミンは任意であるが、例えば、ナフタレン構造を有するナフタレン系ジアミン、フルオレン構造を有するフルオレン系ジアミン、又はシロキサン結合を有するシロキサン系ジアミン、又は一般式(VIII)〜(XII)以外の側鎖構造を有するジアミンを挙げることができる。
シロキサン系ジアミンは特に限定されるものではないが、下記一般式(XV)で表される化合物が本発明においてジアミンとして好ましく使用され得る。
Figure 2008083676
一般式(XV)中、R33及びR34はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル又はフェニルを表し、A3は独立してメチレン、フェニレン又はアルキル置換されたフェニレンを表す。lは1〜6の整数を表し、mは1〜10の整数を表す。
さらに、その他のジアミンは前記シロキサン系ジアミンに特に限定されるものではないが、例えば下記一般式(1’)〜(8’)で表される化合物が本発明においてジアミンとして好ましく使用され得る。
Figure 2008083676
一般式(1’)〜(8’)中、R35及びR36はそれぞれ独立して炭素数3〜30のアルキル基を表す。
なお、本発明におけるジアミンに用いる、一般式(I)〜(XII)以外の前記他のジアミンは、前記シロキサン系ジアミン等に限定されることなく、本発明の目的が達成される範囲内で他にも種々の形態のジアミンが存在することはいうまでもない。また、前記他のジアミンは一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明におけるジアミンは、ジアミンの種類及びその組み合わせを適宜選択することにより、本発明の液晶配向剤を用いて形成される液晶配向膜に、好適なプレチルト角を付与することができる。
VA型液晶表示素子の場合には80〜90°程度の大きなプレチルト角が、OCB型液晶表示素子の場合には7〜20°程度のプレチルト角が、TN型液晶表示素子やSTN型液晶表示素子の場合には3〜10°程度のプレチルト角が、及びIPS型液晶表示素子の場合には0〜3°程度の小さなプレチルト角が要求される場合が多い。従って、側鎖構造を有するジアミンを用いてプレチルト角を適宜調整することができる本発明の液晶配向剤は、任意の種類の液晶表示素子に適用することができる。
前記の通り、本発明におけるジアミンに用いるジアミンの一部は、モノアミンに置き換えられていてもよい。ジアミンの一部をモノアミンに置き換えることにより、重合反応のターミネーションを起こすことができ、それ以上の反応の進行を抑えることができることから、得られる重合体(ポリアミック酸)の分子量を容易に制御することができる。ジアミンに対するモノアミンの比率は、本発明の効果を損なわない範囲にすればよいが、目安として全アミン量の10モル%以下にすることが好ましい。
本発明におけるポリアミック酸又はその誘導体は、任意の重量平均分子量を有すること
ができる。前記ポリアミック酸又はその誘導体の重量平均分子量は特に限定されないが、液晶配向剤の成分として用いられる場合は5×103以上であることが好ましく、1×104以上であることがより好ましい。5×103以上の重量平均分子量を有するポリアミック酸又はその誘導体は、液晶配向膜を焼成するステップにおいて蒸発することがなく、液晶配向剤の成分として好ましい物性を有する。
ここで、ポリアミック酸又はその誘導体の重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定される。例えば、得られたポリアミック酸又はその誘導体をジメチルホルムアミド(DMF)でポリアミック酸又はその誘導体の濃度が約1重量%になるように希釈し、クロマトパックC−R7A(島津製作所製)を用いて、DMFを展開溶媒としてゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)法により測定し、ポリスチレン換算することにより求められる。さらに、ポリアミック酸やポリアクリル酸等のGPC測定を精度良く行うために、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸やリチウムブロミド、リチウムクロリド等の無機塩をDMF溶媒に溶解させた展開溶媒を調製することがある。
本発明におけるポリアミック酸又はその誘導体は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、原料投入口、窒素導入口、温度計、攪拌機及びコンデンサーを備えた反応容器に、一般式(I)〜(XII)で表されるジアミンの一種又は二種以上と、場合によって他のジアミンから選択される一種又は二種以上のジアミン、さらに必要に応じてモノアミンの所望量を仕込む。
次に、溶媒(例えばアミド系極性溶媒であるN−メチル−2−ピロリドンやジメチルホルムアミド等)及びテトラカルボン酸二無水物の一種又は二種以上、さらに必要に応じてカルボン酸無水物を投入する。このときテトラカルボン酸二無水物の総仕込み量は、ジアミンの総モル数とほぼ等モル(モル比0.9〜1.1程度)とすることが好ましい。
攪拌下に温度0〜70℃で1〜48時間反応させることによりポリアミック酸の溶液を得ることができる。また、加熱して反応温度を上げる(例えば、50〜80℃)ことにより、分子量の小さいポリアミック酸を得ることもできる。
本発明におけるポリアミック酸は、多量の貧溶媒で沈殿させ、固形分と溶媒とを濾過等により完全に分離し、IR、NMRで分析することにより同定され得る。さらには、KOHやNaOH等の強アルカリの水溶液で固形のポリアミック酸を分解後、有機溶媒で抽出し、GC、HPLCもしくはGC−MSで分析することにより、使用されているモノマーを同定することができる。
得られたポリアミック酸の溶液は、所望の粘度に調整するために溶媒で希釈して使用することができる。
また、本発明におけるポリアミック酸をポリアミック酸誘導体である可溶性ポリイミドとする場合には、ポリアミック酸溶液を、脱水剤である無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物、及び脱水閉環触媒であるトリエチルアミン、ピリジン、コリジン等の三級アミンとともに、温度20〜150℃でイミド化反応させて得ることができる。
又は、ポリアミック酸溶液から多量の貧溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒やグリコール系溶媒)を用いてポリアミック酸を析出させ、析出させたポリアミック酸を、トルエン、キシレン等の溶媒中で、前記と同様の脱水剤及び脱水閉環触媒とともに、温度20〜150℃でイミド化反応させて得ることもできる。
前記イミド化反応において、脱水剤と脱水閉環触媒の割合は0.1〜10(モル比)であることが好ましい。両者の合計使用量は、使用するテトラカルボン酸二無水物に含まれる酸二無水物のトータルのモル量に対して1.5〜10倍モルであることが好ましい。この化学的イミド化の脱水剤、触媒量、反応温度及び反応時間を調整することによって、イミド化の程度を制御し、部分ポリイミドを得ることができる。
得られたポリイミドは、溶媒と分離して、後述する溶媒に、前記アルケニル置換ナジイミド化合物と前記ヘテロ環化合物から選ばれる少なくとも1種類とを組み合わせた改良剤と共に再溶解させて液晶配向剤として使用することもできるし、又は溶媒と分離することなく該改良剤を添加して液晶配向剤として使用することもできる。
また前記したように、本発明におけるテトラカルボン酸二無水物に用いる酸二無水物の一部は有機ジカルボン酸に置き換えられていてもよい。有機ジカルボン酸及びテトラカルボン酸二無水物を用いて本発明におけるポリアミック酸を製造すると、ポリアミック酸−ポリアミド共重合体を得ることができる。ここで、テトラカルボン酸二無水物に対する有機ジカルボン酸の比率は、本発明の効果を損なわない範囲にすればよいが、目安としては、10モル%以下にすることが好ましい。
さらに、該ポリアミック酸−ポリアミド共重合体を化学的にイミド化することによってポリアミドイミドを製造することができる。
<4.本発明の液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、前記アルケニル置換ナジイミド化合物と、前記ヘテロ環化合物と、前述した本発明におけるポリアミック酸又はその誘導体とを含む。本発明の液晶配向剤は、粘度等の物性の調整、取り扱いの容易さ、工程の簡略化等の観点から、さらに溶媒を含んでいても良く、通常の液晶配向剤に含有される各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
前記液晶配向剤における改良剤のアルケニル置換ナジイミド化合物の含有率は、液晶配向剤中のポリアミック酸又はその誘導体の100重量部あたり、総量で1〜100重量部であることが好ましく、1〜70重量部であることがより好ましく、1〜50重量部であることが液晶表示素子として用いたとき電気特性を長期に安定させる観点からさらに好ましい。
本発明での前記液晶配向剤における改良剤の前記ヘテロ環化合物の割合は、ポリアミック酸又はその誘導体の100重量部あたり、総量で1〜100重量部であることが好ましく、1〜70重量部であることがより好ましく、1〜50重量部であることが液晶表示素子として用いたとき電気特性を長期に安定させる観点からさらに好ましい。
前記ヘテロ環化合物における前記ヘテロ環構造の液晶配向剤中の含有量は、ヘテロ環構造の種類による。液晶表示素子にしたときのイオン密度の低減及びその経時的な増加の抑制と前記ヘテロ環化合物との関連は、前述したように定かではないが、ヘテロ環構造の量と上記の効果の発現とは関連があると思われる。
液晶配向剤におけるオキシラン化合物の含有量は、オキシラン化合物中のオキシラン構造をオキシランに換算したときにポリアミック酸又はその誘導体に対して0.1〜80重量%であることが好ましい。液晶配向剤におけるオキセタン化合物の含有量は、オキセタン化合物中のオキセタン構造をオキセタンに換算したときにポリアミック酸又はその誘導体に対して0.1〜80重量%であることが好ましい。また液晶配向剤におけるチイラン化合物の含有量は、チイラン化合物中のチイラン構造をチイランに換算したときにポリア
ミック酸又はその誘導体に対して0.1〜80重量%であることが好ましい。また液晶配向剤におけるアジリジン化合物の含有量は、アジリジン化合物中のアジリジン構造をアジリジンに換算したときにポリアミック酸又はその誘導体に対して0.1〜80重量%であることが好ましい。また液晶配向剤におけるオキサゾリン化合物の含有量は、オキサゾリン化合物中のオキサゾリン構造をオキサゾリンに換算したときにポリアミック酸又はその誘導体に対して0.1〜80重量%であることが好ましい。また液晶配向剤におけるオキサジン化合物の含有量は、オキサジン化合物中のオキサジン構造をオキサジンに換算したときにポリアミック酸又はその誘導体に対して0.1〜80重量%であることが好ましい。
なお、ヘテロ環化合物に二種以上のヘテロ環構造が含まれる場合では、液晶配向剤中のヘテロ環構造の含有量は、ヘテロ環化合物中の個々のヘテロ環構造の割合に応じて求められる。
前記液晶配向剤におけるアルケニル置換ナジイミド化合物に対する前記ヘテロ環化合物の比率は、液晶表示素子としたときのイオン密度の低減とイオン密度の経時的な増加を抑制する観点から、好ましくは重量比で0.1〜10であり、より好ましくは0.5〜5である。
本発明におけるポリアミック酸又はその誘導体には、前述したポリアミック酸又はその誘導体を用いることができる。例えばポリアミック酸であれば、前記酸のA成分又はB成分と前記アミンのA成分又はB成分とを反応させて得られるポリアミック酸、前記酸のA成分及びB成分と前記アミンのA成分又はB成分とを反応させて得られるポリアミック酸、前記酸のA成分又はB成分と前記アミンのA成分及びB成分とを反応させて得られるポリアミック酸、及び前記酸のA成分及びB成分と前記アミンのA成分及びB成分とを反応させて得られるポリアミック酸、等が挙げられる。
本発明の液晶配向剤におけるポリアミック酸又はその誘導体の含有率は、液晶配向剤の基板への塗布方法によって適宜選択されることができる。例えば、通常の液晶表示素子の製造工程で用いられる印刷機(オフセット印刷機やインクジェット印刷機を含む。以下、「印刷機」と略すことがある。)で使用される液晶配向剤におけるポリアミック酸又はその誘導体の含有率は、総量で0.5〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは総量で1〜15重量%であることが好ましいが、液晶配向剤の粘度との関係で適宜調整される。
本発明に用いられる溶媒は、ポリアミック酸、可溶性ポリイミド、及びポリアミドイミド等の高分子成分の製造工程や用途で通常使用されている溶媒を広く含み、使用目的に応じて適宜選択され得る。該溶媒は、1)ポリアミック酸や可溶性ポリイミドに対して易溶性である非プロトン性極性有機溶媒と、2)表面張力を変えて塗布性改善等を目的とする溶媒とを含む混合溶媒であることが好ましい。
これらの溶媒を例示すれば以下のとおりである。
1)ポリアミック酸や可溶性ポリイミドに対し良溶媒である非プロトン性極性有機溶媒(以下、非プロトン性極性有機溶媒):例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンである。これらのうち、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等がさらに好ましく例示される。
2)表面張力を変えて塗布性改善等を目的とした溶媒(以下、その他の溶媒):例えば、乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラリン、イソホロン、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキル又はフェニルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル、マロン酸ジエチル等のマロン酸ジアルキル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、これらアセテート類等のエステル化合物である。これらのうち、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等がさらに好ましく例示される。
非プロトン性極性溶媒とその他の溶媒の種類及び割合は、液晶配向剤の印刷性、塗布性、溶解性及び保存安定性等を考慮して、適宜に設定することができる。非プロトン性極性溶媒は、その他の溶媒よりも相対的に溶解性及び保存安定性に優れ、その他の溶媒は印刷性及び塗布性に優れる傾向がある。
前記の通り、本発明の液晶配向剤は各種添加剤を含有していてもよい。各種添加剤としては、ポリアミック酸又はその誘導体以外の高分子化合物、又は低分子化合物をそれぞれの目的に応じて選択して使用することができる。
例えば、有機溶媒に可溶性の高分子化合物を添加剤としてもよく、それらを添加することにより、形成される液晶配向膜の電気特性や配向性を制御することができる。該高分子化合物の例としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリエポキサイド、ポリエステルポリオール、シリコーン変性ポリウレタン、シリコーン変性ポリエステル等を挙げることができる。
また、低分子化合物の添加剤としては、例えば1)塗布性の向上を望むときにはかかる目的に沿った界面活性剤を、2)帯電防止の向上を必要とするときは帯電防止剤を、3)基板との密着性や耐ラビング性の向上を望むときにはシランカップリング剤やチタン系のカップリング剤を、また、4)低温でイミド化を進行させる場合はイミド化触媒を、用いることができる。
前記シランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリエトキシシラン、メタアミノフェニルトリメトキシシラン、メタアミノフェニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロピルアミン、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン等を挙げることができる。
前記イミド化触媒の例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン類;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、メチル置換アニリン、ヒドロキシ置換アニリン等の芳香族アミン類;ピリジン、メチル置換ピリジン、ヒドロキシ置換ピリジン、キノリン、メチル置換キノリン
、ヒドロキシ置換キノリン、イソキノリン、メチル置換イソキノリン、ヒドロキシ置換イソキノリン、イミダゾール、メチル置換イミダゾール、ヒドロキシ置換イミダゾール等の環式アミン類等の触媒を添加することが好ましい。特に、N,N−ジメチルアニリン、o−,m−,p−ヒドロキシアニリン、o−,m−,p−ヒドロキシピリジン、イソキノリン等を挙げることができる。
シランカップリング剤の添加量は、通常、ポリアミック酸又はその誘導体の総重量の0〜10重量%であり、0.1〜3重量%であることが好ましい。
イミド化触媒の添加量は、通常、ポリアミック酸又はその誘導体のカルボニル基に対して0.01〜5等量であり、0.05〜3等量であることが好ましい。
その他の添加剤の添加量は、その用途に応じて異なるが、通常、ポリアミック酸又はその誘導体の総重量の0〜30重量%であり、0.1〜10重量%であることが好ましい。
本発明で用いられる液晶配向剤の別の好ましい形態は、二種以上のポリアミック酸を含む組成物である。
例えば二種のポリアミック酸を含む液晶配向剤であれば、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンの一方又は両方に側鎖構造を有する化合物が用いられている第一のポリアミック酸と、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンのいずれにも側鎖構造を有する化合物が用いられていない第二のポリアミック酸とを含む液晶配向剤が挙げられる。より具体的には、該ポリアミック酸の一種は、酸のA成分及びB成分の一方又は両方とアミンのA成分とを反応させて得られるポリアミック酸又はその誘導体I(以下、「ポリアミック酸I」ともいう)であり、別の一種は、酸のA成分及びB成分の一方又は両方とアミンのB成分とを反応させて得られるポリアミック酸又はその誘導体II(以下、「ポリアミック酸II」ともいう)である。
本発明におけるポリアミック酸I及びポリアミック酸IIの組成物は、前述のポリアミック酸Iとポリアミック酸IIを混合させることにより調製される。混合されるポリアミック酸Iとポリアミック酸IIの重量比は、I/II=99/1〜50/50であることが好ましく、I/II=95/5〜80/20であることがより好ましい。該重量比は、求められるプレチルト角に応じて適宜調整されればよく、ポリアミック酸IIの比率を上げればプレチルト角を大きくすることができる。
なお、本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸I及びIIのみを含有してもよく、ポリアミック酸I及びII以外のポリアミック酸又はその誘導体をさらに含有していてもよい。
前記ジアミンI−2は一種又は二種以上のジアミンを用いるが、少なくとも前記一般式(II)〜(VIII)で表されるジアミンを用いる。前記アミンのA成分とテトラカルボン酸二無水物とから合成される前記ポリアミック酸Iは、これを含有する液晶配向剤を用いて形成される液晶配向膜を含む液晶表示素子に、良好なイオン密度を付与するのに効果的である。
また、ジアミンI−2は必要に応じて任意の他のジアミンを併用してもよい。ここで、他のジアミンとしては、前記一般式(VIII)〜(XII)及び(XV)で表されるジアミン、又はフルオレン系ジアミン、シロキサン系ジアミン等が挙げられる。
前記ポリアミック酸I中のジアミンにおける前記アミンのA成分のモル比は、選択され
た前記一般式(I)〜(VII)で表されるジアミンの構造と、所望するイオン密度及び長期信頼性に応じて調整すればよく、総量で1〜100%であることが好ましく、5〜80%であることがより好ましい。
一方、前記ポリアミック酸IIは、これを含有する液晶配向剤を用いて形成される液晶配向膜を含む液晶表示素子に、好適なプレチルト角を付与するのに効果的である。
前記ポリアミック酸II中のジアミンにおける前記アミンのB成分には、代表的には一般式(VIII)〜(XII)で表される一種又は二種以上のジアミンが用いられるが、併用しても良いジアミンとしては、前記一般式(I)〜(VII)で表されるジアミン、フルオレン系ジアミン、シロキサン系ジアミン等が挙げられる。
前記ポリアミック酸Iとポリアミック酸IIとを組み合わせる(ブレンドする)ことにより、本発明の液晶配向剤として好ましい特性を付与することができる。
具体的には、ポリアミック酸の原料であるジアミンについて、用いるジアミンの種類及びその組み合わせを適宜選択することにより、本発明の組成物を用いて形成される液晶配向膜に、さらに良好なイオン密度及び好適なプレチルト角を付与することができる。
<5.本発明の液晶配向膜>
本発明の液晶配向膜は、前述した本発明の液晶配向剤における前記ポリアミック酸と改良剤とを、本発明の液晶配向剤について膜状に焼成して形成される液晶配向膜である。
前記液晶配向膜は、例えば液晶表示素子用の基板、又はフッ化カルシウムやシリコン等の測定用の基板に本発明の液晶配向剤を塗布し、この液晶配向剤の膜を例えば150〜400℃、好ましくは180〜280℃に加熱することによって形成することができる。ここで液晶配向膜の膜厚は、10〜300nmであることが好ましく、30〜100nmであることがより好ましい。また、液晶配向膜はラビング処理されていることが好ましい。
前記液晶配向膜の膜厚は、液晶配向剤の粘度や液晶配向剤の塗布方法によって調整することができる。また液晶配向膜の膜厚は、段差計やエリプソメータ等の公知の膜厚測定装置によって測定することができる。さらに液晶配向膜中の成分は、必要に応じて加水分解等の処理を行い、IRやMS等の通常の分析手段を利用して分析することができる。
<6.本発明の液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、1)対向配置された一対の基板、2)前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された本発明の液晶配向膜、及び3)前記一対の基板間に挟持された液晶層を含む。
前記対向配置された一対の電極付基板は、透明基板(例えばガラス基板)であることが好ましい。
前記一対の基板の少なくとも一方又は両方の基板の表面には、液晶表示素子の形態に応じて電極が設けられる。前記電極は、基板の一面に形成される電極であれば特に限定されない。このような電極には、例えばITOや金属の蒸着膜等が挙げられる。電極は、基板の表面の全体に形成されていても良いし、例えばパターン化されている所定の形状に形成されていても良い。電極が設けられていない基板には基板の表面上に本発明の液晶配向膜が形成され、電極が設けられている基板には電極の上に本発明の液晶配向膜が形成される。本発明の液晶配向膜の形成については前述したとおりである。
前記一対の基板間に挟持された液晶層は液晶組成物を含む。ここで液晶組成物は特に制限はされず、駆動モードに応じて、誘電率異方性が正の液晶組成物及び誘電率異方性が負の液晶組成物についていずれの組成物も用いることができる。
誘電率異方性が正である好ましい液晶組成物の例は、特許第3086228号公報、特許第2635435号公報、特表平5−501735号公報、特開平8−157826号公報、特開平8−231960号公報、特開平9−241644号公報(EP885272A1)、特開平9−302346号公報(EP806466A1)、特開平8−199168号公報(EP722998A1)、特開平9−235552号公報、特開平9−255956号公報、特開平9−241643号公報(EP885271A1)、特開平10−204016号公報(EP844229A1)、特開平10−204436号公報、特開平10−231482号公報、特開2000−087040公報、特開2001−48822公報等に開示されている。
VA型液晶表示素子において用いられる液晶組成物は、誘電率異方性が負の各種の液晶組成物とすることができる。好ましい液晶組成物の例は、特開昭57−114532号公報、特開平2−4725号公報、特開平4−224885号公報、特開平8−40953号公報、特開平8−104869号公報、特開平10−168076号公報、特開平10−168453号公報、特開平10−236989号公報、特開平10−236990号公報、特開平10−236992号公報、特開平10−236993号公報、特開平10−236994号公報、特開平10−237000号公報、特開平10−237004号公報、特開平10−237024号公報、特開平10−237035号公報、特開平10−237075号公報、特開平10−237076号公報、特開平10−237448号公報(EP967261A1)、特開平10−287874号公報、特開平10−287875号公報、特開平10−291945号公報、特開平11−029581号公報、特開平11−080049号公報、特開2000−256307公報、特開2001−019965公報、特開2001−072626公報、特開2001−192657公報等に開示されている。
前記誘電率異方性が正又は負の液晶組成物に、一つ以上の光学活性化合物を添加して使用することも何ら差し支えない。
本発明の液晶表示素子は、もちろんその他の部材を有していてもよい。
例えば、薄膜トランジスタを使用したカラー表示のTFT型液晶素子においては、第1の透明基板上に薄膜トランジスタ、絶縁膜、保護膜、信号電極及び画素電極等が形成されており、第2の透明基板上に画素領域以外の光を遮断するブラックマトリクス、カラーフィルター、平坦化膜及び画素電極等を有しうる。
また、VA型液晶表示素子、特にMVA型液晶表示素子においては、第1の透明基板上にドメインと称される微小な突起物が形成されている。また、基板間のセルギャップの調整用にスペーサーが形成されていてもよい。
本発明の液晶表示素子は任意の方法で製作され得るが、例えば、1)前記二枚の透明基板上に液晶配向剤を塗布する工程、2)塗布された液晶配向剤を乾燥する工程、3)乾燥された液晶配向剤を脱水・閉環反応させるために必要な加熱処理をする工程、4)得られた配向膜を配向処理する工程、5)二枚の基板を所定の隙間を有して張り合わせた後に、基板の間の隙間に液晶を封入する工程、又は一方の基板に液晶を滴下させた後に、もう一方の基板と張り合わせる工程を含む方法で製作される。
前記液晶配向剤を塗布する工程における塗布方法としては、スピンナー法、印刷法、デ
ィッピング法、滴下法、インクジェット法等が一般に知られている。これらの方法が本発明においても適用可能である。
また、前記乾燥工程及び脱水反応に必要な加熱処理を施す工程の方法として、オーブン又は赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等が一般に知られている。これらの方法が本発明においても適用可能である。乾燥工程は、溶媒の蒸発が可能な範囲内の比較的低温(50〜140℃)で実施することが好ましい。加熱処理の工程は一般に150〜300℃程度の温度で行うことが好ましい。
液晶配向膜への配向処理は、IPS型液晶表示素子、OCB型液晶表示素子、TN型液晶表示素子、STN型液晶表示素子では通常ラビング処理を行う。VA型液晶表示素子ではラビング処理を行わないことが多いが行っても良い。
次いで、一方の基板上に接着剤を塗布し貼りあわせ真空中で液晶を注入する。滴下注入法の場合には、貼りあわせる前に液晶を基板上に滴下し、その後もう一方の基板で貼りあわせる。貼りあわせに使用した接着剤を熱又は紫外線で硬化させて本発明の液晶表示素子が作製される。
本発明の液晶表示素子には、偏光板(偏光フィルム)、波長板、光散乱フィルム、駆動回路等が実装されてもよい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例において用いられるテトラカルボン酸二無水物、ジアミン、アルケニル置換ナジイミド化合物、ヘテロ環化合物及び溶媒の名称は、以下の略号で示されることがある。
[テトラカルボン酸二無水物]
ピロメリット酸二無水物{構造式(1)}:PMDA
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物{構造式(19)}:CBDA
[ジアミン]
4,4’−ジアミノジフェニルメタン{構造式(V−1)}:DDM
4,4’−[1,3−プロパンビス(4,1−フェニレンメチレン)]ビス[ベンゼンアミン]{構造式(VII−2)}:BABZP3
2−(フェニルメチル)−1,4−ジアミノベンゼン{構造式(IV−16)}:PhPDA
5−[[4−(4’−ペンチル[1,1’−ビシクロヘキシル]−4−イル)フェニル]メチル]−1,3−ジアミノベンゼン{一般式(VIII−5)/R23=C511}:5ChCh
1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−ヘプチルシクロヘキサン {一般式(XI−2)/R29=C715}:7ChBZ
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−(トランス−4−nペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサン {一般式(XI−4)/R30=C511}:5ChChBA
4,4'−エチレンジアニリン{構造式(V−7)}:DET
[アルケニル置換ナジイミド化合物]
下記構造式(Ina−1)で表される化合物:BANI−M
Figure 2008083676
[オキシラン化合物]
4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン):DGA
(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン:TMS
(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン:DMS
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン:ECS
[オキセタン化合物]
ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン:BMMB
[アジリジン化合物]
2,4,6−トリス(1’−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン:ATA
[チイラン化合物]
N,N,N’,N’−テトラキスチイラニルメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン:TMAP
[オキサゾリン化合物]
ポリ(スチレン−co−2−イソプロペニル−オキサゾリン)(株式会社日本触媒製:エポクロスRPS−1005):PSO
[オキサジン化合物]
ビス(3−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンゾキサジン−6−イル)メタン(四国化成工業製 ベンゾオキサジンF−a型):BOZ
[溶媒]
N−メチル−2−ピロリドン:NMP
ブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル):BC
<1.ポリアミック酸の合成>
[ポリアミック酸の合成]
合成例1
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口及び窒素ガス導入口を備えた100mLの四つ口フラスコに、5ChChを1.6760g、PhPDAを1.7918g、及び脱水NMP58.3gを入れ、乾燥窒素気流下攪拌溶解した。次いでCBDA2.5321gを添加し、室温環境下で30時間反応させた。反応中に反応温度が上昇する場合は、反応温度を約70℃以下に抑えて反応させた。得られた溶液に、BC37.7gを加えて、濃度が6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)を合成した。得られたPA1の重量平均分子量は37,000であった。
ここで、ポリアミック酸の重量平均分子量は、得られたポリアミック酸を、リン酸とDMFとからなる希釈液(リン酸/DMF=0.6/100:重量比)で、ポリアミック酸濃度が約1重量%になるように希釈し、クロマトパックC−R7A(島津製作所製)を用いて、上記希釈液を展開剤としてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。なお、カラムはGF−7HQ(昭和電工株式会社製)を使用し、カラム温度50℃、流速0.6mL/minの条件で測定した。
合成例2〜6
表1に示したようにテトラカルボン酸二無水物及びジアミンを変更した以外は、合成例1に準拠してポリアミック酸溶液(PA2〜PA6)を合成した。合成例1を含めて、結果を表1にまとめた。
Figure 2008083676
<2.液晶表示素子の作製>
[実施例1]
合成例1で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)と合成例2で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA2)とを重量比1/9で混合した。得られた混合物に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mと、オキシラン化合物であるDGAとを、それぞれポリアミック酸の100重量部あたり10重量部ずつ添加し、これらの化合物からなる改良剤の全量を20重量部とした。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、下記の通り液晶表示素子を作製した。
液晶表示素子の作製方法
液晶配向剤を、二枚のITO電極付ガラス基板にスピンナーにて塗布し、膜厚70nmの膜を形成した。塗膜後80℃にて約5分間加熱乾燥した後、220℃にて40分間加熱処理を行い、次いでラビング処理を行い、液晶配向膜を形成した。
ガラス基板上に形成された液晶配向膜を超純水中で5分間超音波洗浄してからオーブン中120℃で30分間乾燥した。
一方のガラス基板に4μmのギャップ材を散布し、液晶配向膜を形成した面を内側にして、ラビング方向が逆平行になるように、液晶配向膜を形成したガラス基板の一対を対向配置させた後、液晶配向膜の周囲をエポキシ硬化剤でシールし、ギャップ4μmのアンチパラレルセルを作製した。該セルに、下記に示す液晶組成物Iを前記ギャップに注入し、液晶組成物用の注入口を光硬化剤で封止した。次いで、110℃で30分間加熱処理を行い、液晶表示素子を作製した。
Figure 2008083676
[実施例2]
合成例1で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)と合成例3で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA3)とを重量比1/9で混合した。得られた混合物に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mと、オキサジン化合物であるBOZとを、それぞれポリアミック酸の100重量部あたり10重量部ずつ添加し、これらの化合物からなる改良剤の全量を20重量部とした。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例3]
合成例1で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)と合成例3で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA3)とを重量比1/9で混合した。得られた混合物に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mと、オキセタン化合物であるBMMBとを、それぞれポリアミック酸の100重量部あたり10重量部ずつ添加し、これらの化合物からなる改良剤の全量を20重量部とした。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例4]
合成例1で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)と合成例3で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA3)とを重量比1/9で混合した。得られた混合物に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mと、アジリジン化合物であるATAとを、それぞれポリアミック酸の100重量部あたり10重量部ずつ添加し、これらの化合物からなる改良剤の全量を20重量部とした。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例5]
合成例1で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)と合成例3で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA3)とを重量比1/9で混合した。得られた混合物に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mと、チイラン化合物であるTMAPとを、それぞれポリアミック酸の100重量部あたり10重量部ずつ添加、これらの化合物からなる改良剤の全量を20重量部とした。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例6]
合成例1で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)と合成例3で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA3)とを重量比1/9で混合した。得られた混合物に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mと、オキサゾリン化合物であるPSOとを、それぞれポリアミック酸の100重量部あたり10重量部ずつ添加し、これらの化合物からなる改良剤の全量を20重量部とした。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例7]
合成例1で合成した濃度5重量%のポリアミック酸溶液(PA1)と合成例3で合成し
た濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA3)とを重量比1/9で混合した。得られた混合物に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mをポリアミック酸の100重量部あたり30重量部添加し、またオキサジン化合物であるBOZをポリアミック酸の100重量部あたり10重量部添加し、これらの化合物からなる改良剤の全量を40重量部とした。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[比較例1]
合成例1で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)と合成例2で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA2)とを重量比1/9で混合した。得られた混合物にNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[比較例2]
合成例1で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)と合成例3で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA3)とを重量比1/9で混合した。得られた混合物にNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[比較例3]
合成例1で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)と合成例3で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA3)とを重量比1/9で混合した。得られた混合物に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mをポリアミック酸の100重量部あたり10重量部添加した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[比較例4]
合成例1で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)と合成例3で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA3)とを重量比1/9で混合した。得られた混合物に、オキサゾリンであるPSOをポリアミック酸の100重量部あたり10重量部添加した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例8]
合成例3で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA3)に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mと、オキシラン化合物であるDGAとを、それぞれポリアミック酸の100重量部あたり10重量部ずつ添加し、これらの化合物からなる改良剤の全量を20重量部とした。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、 以下に示す液晶組成物IIを用いた以外は実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
Figure 2008083676
[実施例9]
合成例2で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA2)に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mと、オキサジン化合物であるBOZとを、それぞれポリアミック酸の100重量部あたり10重量部ずつ添加し、これらの化合物からなる改良剤の全量を20重量部とした。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、液晶組成物IIを用いた以外は実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[比較例5]
合成例3で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA3)に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mを、ポリアミック酸の100重量部あたり20重量部添加した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、液晶組成物IIを用いた以外は実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例10]
合成例4で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA4)と合成例5で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA5)とを重量比8/2で混合した。得られた混合物に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mをポリアミック酸の100重量部あたり20重量部添加し、またオキシラン化合物であるTMSをポリアミック酸の100重量部あたり20重量部添加し、これらの化合物からなる改良剤の全量を40重量部とした。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例11]
合成例4で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA4)と合成例5で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA5)とを重量比8/2で混合した。得られた混合物に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mをポリアミック酸の100重量部あたり20重量部添加し、またオキシラン化合物であるDMSをポリアミック酸の100重量部あたり20重量部添加し、これらの化合物からなる改良剤の全量を40重量部とした。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例12]
合成例4で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA4)と合成例5で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA5)とを重量比8/2で混合した。得られた混合物に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mをポリアミック酸の100重量部あたり20重量部添加し、またオキシラン化合物であるECSをポリアミック酸の100重量部あたり20重量部添加し、これらの化合物からなる改良剤の全量を40重量部とした。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例13]
合成例4で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA4)と合成例6で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA6)とを重量比8/2で混合した。得られた混合物に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mをポリアミック酸の100重量部あたり20重量部添加し、またオキシラン化合物であるTMSをポリアミック酸の100重量部あたり20重量部添加し、これらの化合物からなる改良剤の全量を40重量部とした。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例14]
合成例4で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA4)と合成例6で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA6)とを重量比8/2で混合した。得られた混合物に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mをポリアミック酸の10
0重量部あたり20重量部添加し、またオキシラン化合物であるECSをポリアミック酸の100重量部あたり20重量部添加し、これらの化合物からなる改良剤の全量を40重量部とした。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[比較例6]
合成例4で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA4)と合成例5で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA5)とを重量比8/2で混合した。得られた混合物に、アルケニル置換ナジイミド化合物であるBANI−Mをポリアミック酸の100重量部あたり20重量部添加した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[比較例7]
合成例4で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA4)と合成例5で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA5)とを重量比8/2で混合した。得られた混合物に、オキシラン化合物であるECSをポリアミック酸の100重量部あたり20重量部添加した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[比較例8]
合成例4で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA4)と合成例5で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA5)とを重量比8/2で混合した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加え、ポリアミック酸を全体に対して4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
<3.電気特性の評価>
[試験例1〜22]
実施例1〜14、比較例1〜8で作製した液晶表示素子について、イオン密度の測定と電気特性の長期信頼性の測定を以下のようにして行った。
1)イオン密度の測定
東陽テクニカ製液晶物性評価装置6254型を用いてイオン密度の測定を行った。測定条件は、波形:三角波、周波数:0.01Hz、電圧:±10Vであり、測定温度は60℃とした。この値が小さいほど電気特性は良好であると言える。結果を表2に示す。
2−1)イオン密度の保持特性の測定[試験例1〜14]
作製した液晶表示素子について、経時的にイオン密度[pC]を求め、その保持特性を評価した。保持特性の試験方法には、温度60℃の雰囲気中に液晶表示素子を100時間放置し、途中経時的に取り出しイオン密度[pC]を測定する方法を採用した。イオン密度の低下が小さいほど(例えば増加率が1.5倍未満:増加率(倍)=100時間後のイオン密度/初期(0時間)のイオン密度)イオン密度の保持特性が良好であると言え、また電気特性の長期信頼性が良好であると言える。結果を表2に示す。
Figure 2008083676
2−2)イオン密度の保持特性の測定[試験例15〜22]
作製した液晶表示素子について、経時的にイオン密度[pC]を求め、その保持特性を評価した。保持特性の試験方法には、温度100℃の雰囲気中に液晶表示素子を100時間放置し、途中経時的に取り出しイオン密度[pC]を測定する方法を採用した。イオン密度の低下が小さいほど(例えば増加率が5.0倍未満:増加率(倍)=100時間後のイオン密度/初期(0時間)のイオン密度)イオン密度の保持特性が良好であると言え、また電気特性の長期信頼性が良好であると言える。結果を表3に示す。
Figure 2008083676
表2、表3に示されたように、前記記載の改良剤を混合した液晶配向膜を使用した液晶表示素子の場合、イオン密度の保持特性の低下が顕著に抑制された。
以上のように、本発明におけるポリアミック酸と前記記載の改良剤とを含有する液晶配向剤は、液晶表示素子の液晶配向膜としたときに、イオン密度が高く、かつその保持特性の低下を顕著に抑制することができる。

Claims (20)

  1. ポリアミック酸又はその誘導体と、アルケニル置換ナジイミド化合物と、ヘテロ環化合物とを含有する液晶配向剤であって、
    前記へテロ環化合物は、オキシラン、オキセタン、チイラン、アジリジン、オキサゾリン、及びオキサジンからなる群から選ばれる一又は二以上のヘテロ環構造を有することを特徴とする液晶配向剤。
  2. 前記アルケニル置換ナジイミド化合物が下記一般式(Ina)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の液晶配向剤。
    Figure 2008083676
    (一般式(Ina)中、R1及びR2は、それぞれ水素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数3〜6のアルケニル、炭素数5〜8のシクロアルキル、アリール、又はベンジルを表し、nは1〜2の整数を表し;かつ、n=1のとき、R3は炭素数1〜12のアルキル、炭素数5〜8のシクロアルキル、炭素数6〜12のアリール、ベンジル、−(Cq2q)−Ot−(Cr2rO)u−Cs2s+1(q、r、sはそれぞれ2〜6の整数を表し、tは0又は1を表し、uは1〜30の整数を表す)で表されるポリオキシアルキレンアルキル、−(R)v−C64−R4(vは0又は1を表し、Rは炭素数1〜4のアルキレンを表し、R4は水素又は炭素数1〜4のアルキルを表す)で表される基、−C64−T−C65(Tは−CH2−、−C(CH32−、−CO−、−S−又は−SO2−を表す)で表される基、又はこれらの基の芳香環に直結した1〜3個の水素が水酸基で置き換えられた基を表し;n=2のとき、R3は炭素数2〜20のアルキレン、炭素数5〜8のシクロアルキレン、−(Cq2qO)t−(Cr2rO)u−Cs2s−(q、r、sはそれぞれ2〜6の整数を表し、tは0又は1を表し、uは1〜30の整数を表す)で表されるポリオキシアルキレン、炭素数6〜12のアリーレン、−(R)v−C64−R5−(vは0又は1を表し、R及びR5はそれぞれ炭素数1〜4のアルキレン又は炭素数5〜8のシクロアルキレンを表す)で表される基、−C64−T−C64−(Tは−CH2−、−C(CH32−、−CO−、−O−、−OC64−C(CH32−C64O−、−S−、又は−SO2−を表す)で表される基、又はこれらの基の芳香環に直結する1〜3個の水素が水酸基で置き換えられた基を表す。)
  3. 前記アルケニル置換ナジイミド化合物が下記構造式(Ina−1)〜(Ina−3)で表される化合物の一又は二以上を含むことを特徴とする請求項2記載の液晶配向剤。
    Figure 2008083676
  4. 前記アルケニル置換ナジイミド化合物を、前記ポリアミック酸又はその誘導体100重量部に対して総量で1〜100重量部含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  5. 前記ヘテロ環化合物が前記ヘテロ環構造を二個以上有する化合物を含み、該化合物を前記ポリアミック酸又はその誘導体100重量部に対して総量で1〜100重量部含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  6. 前記ポリアミック酸又はその誘導体は、酸成分としてテトラカルボン酸二無水物とアミン成分としてジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  7. 前記酸成分はA成分とB成分とを含み、酸のA成分は芳香族テトラカルボン酸二無水物を含み、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物は、下記構造式(1)、(2)、(5)〜(7)及び(14)からなる群から選ばれる一又は二以上の化合物であることを特徴とする請求項6記載の液晶配向剤。
    Figure 2008083676
  8. 前記芳香族テトラカルボン酸二無水物が前記構造式(1)の化合物であることを特徴とする請求項7記載の液晶配向剤。
  9. 前記酸のB成分は脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び脂環式テトラカルボン酸二無水物のいずれか一方又は両方を含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の液晶配向剤。
  10. 前記脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び脂環式テトラカルボン酸二無水物は、下記構造式(19)、(23)、(25)、(35)〜(37)、(39)、(44)、及び(49)からなる群から選ばれる一又は二以上の化合物であることを特徴とする請求項9に記載の液晶配向剤。
    Figure 2008083676
  11. 前記脂環式テトラカルボン酸二無水物が前記構造式(19)であることを特徴とする請求項10記載の液晶配向剤。
  12. 前記アミン成分はA成分単独又はA成分とB成分との両成分を含み、アミンのA成分は下記一般式(I)〜(VII)からなる群から選ばれる一又は二以上の一般式で表される化合物であることを特徴とする請求項6〜11のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2008083676
    (一般式(I)中、A1は、−(CH2m−を表す。ここでmは1〜12の整数を表す。また一般式(III)、(V)、(VII)中、A1は独立して、単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO2−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、−(CH2m−、−O−(CH2m−O−、又は−S−(CH2m−S−を表す。ここでmは独立して1〜12の整数を表す。また一般式(VI)中、A2は、独立して単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH32−、−C(CF32−又は炭素数1〜6のアルキレンを表す。さらに一般式(II)〜(VII)中のシクロヘキサン環又はベンゼン環に結合している水素は、独立して−F、−CH3、−OH、−COOH、−SO3H、−PO32、ベンジル又は4−ヒドロキシベンジルと置き換えられていてもよい。)
  13. 前記アミンのA成分が下記構造式(IV−1)、(IV−2)、(IV−15)、(IV−16)、(V−1)〜(V−12)、(V−33)及び(VII−2)からなる群から選ばれる一又は二以上の化合物であることを特徴とする請求項12記載の液晶配向剤。
    Figure 2008083676
  14. 前記アミンのB成分が下記一般式(VIII)〜(XII)からなる群から選ばれる一又は二以上の一般式で表される化合物であることを特徴とする請求項12又は13に記載の液晶配向剤。
    Figure 2008083676
    (一般式(VIII)中、R1は単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH2O−、−CF2O−又は−(CH2e−を表し、eは1〜6の整数を表し;R2はステロイド骨格を有する基、下記一般式(XIII)で表される基、炭素数1〜30のアルキル、又はフェニルを表し;前記アルキレン及び前記アルキルの炭素数が2以上であるとき、その任意の−CH2−は、独立して−O−、−CH=CH−又は−C≡C−で置き換えられてもよく(ただし酸素は連続しない)、前記フェニルの水素は独立してフッ素、メチル、メトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシで置き換えられてもよいが、−R1−R2がベンジルを表す場合を除く。
    また一般式(IX)中、R3は独立して水素又はメチルを表し;R4は水素又は炭素数1〜30のアルキルを表し;R5は独立して単結合、−CO−又は−CH2−を表す。
    また一般式(X)中、R3は独立して水素又はメチルを表し;R4は水素又は炭素数1〜30のアルキルを表し;R5は独立して単結合、−CO−又は−CH2−を表し;R6及びR7はそれぞれ独立して水素、炭素数1〜30のアルキル、又はフェニルを表す。
    また一般式(XI)中、R8は水素又は炭素数1〜30のアルキルを表し、炭素数2以上の前記アルキルの任意の−CH2−は、独立して−O−、−CH=CH−又は−C≡C−で置き換えられてもよく(ただし酸素は連続しない);R9は独立して−O−又は炭素数1〜6のアルキレンを表し;環Aは1,4−フェニレン又は1,4−シクロヘキシレンを表し;aは0又は1を表し;bは0、1又は2を表し;cは独立して0又は1を表す。
    また一般式(XII)中、R10は炭素数3〜30のアルキル、又は炭素数3〜30のフッ素化アルキルを表し;R11は水素、炭素数1〜30のアルキル、又は炭素数1〜30のフッ素化アルキルを表し;R12は独立して−O−又は炭素数1〜6のアルキレンを表し;dは独立して0又は1を表す。)
    Figure 2008083676
    (一般式(XIII)中、R13、R14及びR15はそれぞれ独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、炭素数1〜4のアルキレン、炭素数1〜3のオキシアルキレン(ただし酸素は連続しない)、又は炭素数1〜3のアルキレンオキシ(ただし酸素は連続しない)を表し;R16及びR17はそれぞれ独立して水素、フッ素又はメチルを表し;R18は水素、フッ素、塩素、シアノ、炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、炭素数2〜30のアルコキシアルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシを表し、炭素数2以上の前記アルキル、アルコキシ及びアルコキシアルキルにおける任意の−CH2−は、ジフルオロメチレン又は下記一般式(XIV)で表される基で置き換えられてもよく;環B及び環Cはそれぞれ独立して1,4−フェニレン又は1,4−シクロヘキシレンを表し;f、g及びhはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し;i、j及びkはそれぞれ独立して0〜3の整数を表し、かつこれらの合計は1以上であり;l及びmはそれぞれ独立して1又は2を表す。)
    Figure 2008083676
    (一般式(XIV)中、R19、R20、R21及びR22は、それぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル、又はフェニルを表し、nは1〜100の整数を表す。)
  15. 前記アミンのB成分は、下記一般式(VIII−2)、(VIII−4)、(VIII−5)、(VIII−6)、(XI−2)及び(XI−4)からなる群から選ばれる一又は二以上の一般式で表される化合物であることを特徴とする請求項14記載の液晶配向剤。
    Figure 2008083676
    (前記一般式中、R23は、独立して炭素数3〜30のアルキル又は炭素数3〜30のアルコキシを表し、R29は水素又は炭素数1〜30のアルキルを表し、R30は水素又は炭素数1〜20のアルキルを表す。)
  16. 二種類以上の前記ポリアミック酸又はその誘導体を含有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  17. ポリアミック酸又はその誘導体と、アルケニル置換ナジイミド化合物と、ヘテロ環化合物とを含有する液晶配向剤であって、
    前記ポリアミック酸又はその誘導体は、酸成分としてテトラカルボン酸二無水物とアミン成分としてジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸であり、
    前記酸成分はA成分とB成分とを含み、酸のA成分は下記構造式(1)、(2)、(5)〜(7)及び(14)からなる群から選ばれる一又は二以上の化合物であり、前記酸のB成分は下記構造式(19)、(23)、(25)、(35)〜(37)、(39)、(44)、及び(49)からなる群から選ばれる一又は二以上の化合物であり、
    前記アミン成分はA成分単独又はA成分とB成分との両成分を含み、アミンのA成分は下記構造式(IV−1)、(IV−2)、(IV−15)、(IV−16)、(V−1)〜(V−12)、(V−33)及び(VII−2)からなる群から選ばれる一又は二以上の化合物であり、前記アミンのB成分は下記一般式(VIII−2)、(VIII−4)、(VIII−5)、(VIII−6)、(XI−2)及び(XI−4)からなる群から選ばれる一又は二以上の一般式で表される化合物であり、
    前記アルケニル置換ナジイミド化合物は、下記構造式(Ina−1)〜(Ina−3)で表される化合物の一又は二以上を含み、
    前記へテロ環化合物は、オキシラン、オキセタン、チイラン、アジリジン、オキサゾリン、及びオキサジンからなる群から選ばれる一又は二以上のヘテロ環構造を有する、液晶配向剤。
    Figure 2008083676
    Figure 2008083676
    Figure 2008083676
    Figure 2008083676
    (前記一般式中、R23は、独立して炭素数3〜30のアルキル又は炭素数3〜30のアルコキシを表し、R29は水素又は炭素数1〜30のアルキルを表し、R30は水素又は炭素数1〜20のアルキルを表す。)
    Figure 2008083676
  18. 前記酸のA成分は前記構造式(1)で表される化合物であり、前記酸のB成分は前記構造式(19)で表される化合物であり、
    前記アミンのA成分は前記構造式(IV−16)、(V−1)、(V−7)及び(VII−2)で表される一又は二以上の化合物であり、前記アミンのB成分は前記一般式(VIII−5)、(XI−2)及び(XI−4)で表される一又は二以上の化合物であり、
    前記アルケニル置換ナジイミド化合物は、前記構造式(Ina−1)で表される化合物であり、
    前記へテロ環化合物は、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチ
    ルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、2,4,6−トリス(1’−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、N,N,N’,N’−テトラキスチイラニルメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ポリ(スチレン−co−2−イソプロペニル−オキサゾリン)、及びビス(3−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンゾキサジン−6−イル)メタンからなる群から選ばれる一又は二以上の化合物を含むことを特徴とする請求項17記載の液晶配向剤。
  19. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の液晶配向剤を、膜の状態で焼成して形成されることを特徴とする液晶配向膜。
  20. 対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方又は両方に形成されている電極と、前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成された液晶層とを有する液晶表示素子において、
    前記液晶配向膜は、請求項19に記載の液晶配向膜であることを特徴とする液晶表示素子。
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