JP5194342B2 - 垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤及び垂直配向液晶表示素子 - Google Patents

垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤及び垂直配向液晶表示素子 Download PDF

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本発明は、ポリアミック酸またはその誘導体が溶剤に溶解した垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤、該液晶配向剤から形成される液晶配向膜を具備した垂直配向液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、ノートパソコンやデスクトップパソコンのモニターをはじめ、ビデオカメラのビューファインダー、投写型のディスプレイなどの様々な液晶表示装置に使われており、最近ではテレビとしても用いられるようになってきた。さらに、光プリンターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブなどのオプトエレクトロニクス関連素子としても利用されている。
従来の液晶表示素子としては、ネマチック液晶を用いた表示素子が主流であり、1)90度ツイストしたTN(Twisted Nematic)型液晶表示素子、2)通常180度以上ツイストしたSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子、3)薄膜トランジスタを使用したいわゆるTFT(Thin Film Transistor)型液晶表示素子が実用化されている。
これらの液晶表示素子は画像が適正に視認できる視野角が狭く、斜め方向から見たときに、輝度やコントラストの低下および中間調での輝度反転を生じるという欠点を有している。近年、この視野角の問題については、1)光学補償フィルムを用いたTN-TFT型液晶表示素子、2)光学補償フィルムを用いたVA(Vertical Alignment)型表示素子、3)垂直配向と突起構造物の技術を併用したMVA(Multi Domain Vertical Alignment)型液晶表示素子、または4)横電界方式のIPS(In−Plane Switching)型液晶表示素子、5)ECB(Electrically Controlled Birefringence)型液晶表示素子、6)光学補償ベンド(Optically Compensated BendまたはOptically self−Compensated Birefringence:OCB)型液晶表示素子などの技術により改良されて、実用化、或いは検討されている。
これらの好視野角タイプの液晶表示素子のうち、2)光学補償フィルムを用いたVA型表示素子、3)垂直配向と突起構造物の技術を併用したMVA型液晶表示素子などの垂直配向方式の液晶表示素子は、負の誘電率異方性を有するn形ネマチック液晶を基板面に対して法線方向に配列させ、電界印加時に液晶を傾斜させることで表示を行うものである。電圧の無印加時に液晶が垂直配向していて全く複屈折を生じないことから、入射光は液晶中を、その偏光面をほとんど変化させることなく通過する。したがって、クロスニコル下で良好な黒表示を容易に実現できることから、この液晶表示素子は極めて高いコントラストを得ることができる。
液晶表示素子の技術の発展は、単にこれらの駆動方式や素子構造の改良のみならず、表示素子に使用される構成部材の改良によっても達成されている。表示素子に使用される構成部材のなかでも、特に液晶配向膜は、液晶表示素子の表示品位に係わる重要な要素の一つであり、表示素子の高品質化に伴って液晶配向膜の役割が年々重要になってきている。
液晶配向膜は、液晶配向剤より調製される。現在、主として用いられている液晶配向剤とは、ポリアミック酸もしくは可溶性のポリイミドを有機溶剤に溶解させた溶液である。このような溶液を基板に塗布した後、加熱などの手段により成膜してポリイミド系配向膜を形成する。ポリイミド系配向膜以外の種々の液晶配向剤も検討されているが、耐熱性、耐薬品性(耐液晶性)、塗布性、液晶配向性、電気特性、光学特性、表示特性等の点から、ほとんど実用化されていない。
垂直配向液晶表示素子は、その駆動原理上85〜90°程度の高いプレチルト角が要求される。このような高いプレチルト角(すなわち垂直配向状態)を実現するためには、1)界面活性剤やクロム錯体などを塗布する方法、2)SiOなどの垂直蒸着法などが一般的であったが、前述したように液晶配向剤としてはほとんど実用化されていない。この場合の配向の機構は主として界面活性剤の炭化水素鎖と液晶分子の異方的な排除体積効果によるものと考えられる。(例えば、液晶辞典、培風館発行(1989/12/5)、P186の表面処理(非特許文献1)参照。)
同様の効果をポリイミド系配向膜で発現させるために、前述した界面活性剤の炭化水素鎖の代わりに、側鎖基を有するポリアミック酸またはポリイミド(分岐ポリアミック酸または分岐ポリイミド)を用いることが検討されている。側鎖基を有するポリアミック酸またはポリイミドは、側鎖構造を有するテトラカルボン酸二無水物、あるいは側鎖構造を有するジアミンを反応原料として用いることで調製可能であるが、垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤としては側鎖構造を有するジアミンを用いたものが一般的である。
しかしながら、側鎖構造を有するジアミンならばどのようなものでも適用できる訳ではない。例えば以下に示されるジアミンについては、このジアミンを用いた液晶配向剤から形成された液晶配向膜のプレチルト角は14°程度であり、必ずしも85〜90°程度の高いプレチルト角を発現するわけではない。(例えば、特開平3−167162号公報(特許文献1)参照。)
一方、垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤に用いることのできる側鎖構造を有するジアミンとしては、例えば下記一般式(I’)で表される側鎖構造を有するジアミンが提案されている。(例えば、特開平5−27244号公報(特許文献2)、特開平9−278724号公報(特許文献3)、特開平4−281427号公報(特許文献4)参照。)
(式中、R1’は、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−またはアルキレンなどであり、R2’は、置換基を有していてもよい芳香族環もしくは脂肪族環またはこれらが単結合もしくは結合基を介して結合してなる環状炭化水素基などである。)
さらに、耐熱性、電気的特性、配向安定性、信頼性等の諸特性をバランス良く発現させるためには、下記一般式(2)または(3)で表される化合物が好ましいことが知られている。(例えば、特開2002−162630号公報(特許文献5)、特開2003−96034号公報(特許文献6)参照。)

(式中、環Yは1,4−シクロへキシレンまたは置換基を有していてもよい1,4−フェニレンであり、A〜Aはそれぞれ独立して単結合、1,4−シクロへキシレンまたは置換基を有していてもよい1,4−フェニレンであり、B〜Bはそれぞれ独立して単結合、炭素数1〜4のアルキレンなどであり、RはH、任意のCHがCFで置き換えられてもよい炭素数1〜10のアルキルなどである。)
垂直配向液晶表示素子に好適な高いプレチルト角を付与するためには、一般的に上記式(I’)で示されるようなフェニレンジアミン構造と側鎖構造を共に有するジアミンが特に好ましく用いられる。
以上の様に、上記式(I’)で示されるジアミンは、垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤として好適に用いることができるものである。しかしながら、その一方で、上記式(I’)で示されるジアミンを用いて得られるポリアミック酸またはポリイミドにおいて溶剤に対する「溶解性」が悪いという問題点を有していた。この傾向は、特に剛直な分子構造(イミド結合)を有するポリイミドにおいて顕著であった。
一方、相対的に「溶解性」が高いポリアミック酸は、ポリマーの安定性が悪いため通常−30〜0℃の温度範囲で冷凍保存する必要がある。このような場合にポリアミック酸は、冷凍保存時にポリマーが析出することがあり問題であった。
2つのアミノ基を結ぶ鎖を主鎖としたときに、例えば特許文献1に開示されたジアミンでは主鎖に屈曲性のエーテル結合を有しているのに対して、上記式(I’)で示されるフェニレンジアミン構造を有するジアミンは、主鎖構造部分に屈曲性の連結基が無い。したがって、上記式(I’)で示されるジアミンは、得られるポリアミック酸またはポリイミドにおいても剛直な分子構造となり易いため、溶剤に対する「溶解性」が悪くなると考えられる。
特に垂直配向状態を安定化させるために、アルキル鎖、1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレン等の非極性の側鎖構造を有するジアミンにおいて側鎖長を大きくした場合には、ポリアミック酸やポリイミドに対し親溶剤である非プロトン性極性有機溶剤(例えば、N−メチル−2−ピロリドン)や塗布性改善などを目的とした極性有機溶剤(エチレングリコールモノブチルエーテル)に対する「溶解性」が極端に悪化して問題であった。
また、耐熱性、電気的特性、配向安定性、信頼性等の諸特性を付与するために、特性の異なる2以上のポリアミック酸またはポリイミドを組み合わせて含む液晶配向剤の技術が知られている。(例えば、特開平11−193345号公報(特許文献7)、特開平11−193347号公報(特許文献8)参照。)しかし、この場合も一方のポリアミック酸またはポリイミドの「溶解性」が悪いと、液晶配向剤中の各成分の相溶性が悪化して、極端な場合は液晶配向剤が2層に分離するため問題であった。
特開平3−167162号公報 特開平5−27244号公報 特開平9−278724号公報 特開平4−281427号公報 特開2002−162630号公報 特開2003−96034号公報 特開平11−193345号公報 特開平11−193347号公報 液晶辞典、培風館発行(1989/12/5)、P186の表面処理参照
上記状況を考慮して、「溶解性」の問題が改善された垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤、およびそれを用いて形成される液晶配向膜を具備した垂直配向液晶表示素子の開発が望まれている。
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意研究を行った。その結果、側鎖構造を有するジアミンを含むジアミン化合物と、テトラカルボン酸二無水物化合物とを反応させて得られる、重量平均分子量が1.0×10〜4.0×10であるポリアミック酸またはその誘導体が特に溶剤に対する溶解性が優れていることを見出した。また、このポリアミック酸またはその誘導体は、他のポリアミック酸またはその誘導体との相溶性も良好であり、これら2種以上のポリアミック酸またはその誘導体を組み合わせた場合にも、所望の「溶解性」が得られることを見出し、本発明を完成させた。
なお、ポリイミド系液晶配向剤における重量平均分子量を制御する技術としては、例えば、特開平11−95227号公報には、「重量平均分子量が1000〜20000であるポリアミド酸を含む樹脂組成物からなる液膜を、液晶挟持基板の電極を形成した面上に印刷法により形成し、加熱乾燥して形成したポリイミド膜からなることを特徴とする液晶用保護膜兼配向膜。」が開示されている。しかしながら、該公報の技術は重量平均分子量を1000〜20000に制御することにより成膜時に良好な平坦性を得るものであり、垂直配向液晶表示素子用途の液晶配向剤における、特定の側鎖構造を有するジアミンを含むポリアミック酸の「溶解性」については何ら記載されていない。
また、特開平10−10535号公報には、「イミド環含有有機高分子が、平均分子量20,000以下、樹脂分濃度が15重量%以上でワニス粘度が50mPa・s以下であることを特徴とする液晶用平坦化兼配向制御膜。」が開示されている。しかしながら、該公報の技術は単層の膜厚が0.5μm以上で且つ重量平均分子量が20,000以下のイミド環含有有機高分子により、基板の凹凸構造を平坦化するものであり、主として横電界方式の液晶素子に関するものである。横電界方式の液晶素子は通常0〜2°の小さいプレチルト角を有するものであり、本発明の垂直配向液晶表示素子とは全く異なるものである。
本発明は以下の構成からなる。
[1] ポリアミック酸またはその誘導体、ならびに溶剤を含有する垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤であって、
下記一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンを含むジアミン化合物A1と、テトラカルボン酸二無水物化合物A2とを反応させて得られる重量平均分子量が1.0×10〜4.0×10であるポリアミック酸またはその誘導体Aを含有することを特徴とする垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
[式(I)において、
は、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−または炭素数1〜6のアルキレンであり、
は、ステロイド骨格を有する基、下記式(II)で表される基、またはベンゼン環に結合している2つのアミノ基の位置関係がパラのときは炭素数1〜20のアルキル、もしくは該位置関係がメタのときは炭素数1〜10のアルキルまたはフェニルであり、
該アルキルのうち炭素数2〜6のアルキルにおいては、任意の−CH−が−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、
該フェニルの環形成炭素に結合している水素は、−F、−CH、−OCH、−OCHF、−OCHFまたは−OCFと置き換えられていてもよい。]


[式(II)において、
10、R11およびR12はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−または炭素数1〜3のアルキレンであり、
13およびR14はそれぞれ独立して、−Fまたは−CHであり、
環Cは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、
15は−F、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のフッ素置換アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、−OCHF、−OCHFまたは−OCFであり、
a、bおよびcはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し、
d、eおよびfはそれぞれ独立して0〜3の整数を表し、fが2または3であるとき複数の環Cは同一の基であっても異なる基であってもよく、
gおよびhはそれぞれ独立して0〜2の整数を表し、かつ
d+e+f≧1である。]
[2] 前記一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンが、Rが単結合、−O−、−COO−、−OCO−、炭素数1〜2のアルキレンであり、Rが前記式(II)で表される基であり、
前記式(II)において、R10、R11およびR12はそれぞれ独立して、単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、R13およびR14はそれぞれ独立して、−Fまたは−CHであり、環Cは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、R15は炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数1〜20のアルコキシであり、a、bおよびcはそれぞれ独立して0〜1の整数を表し、d、eおよびfはそれぞれ独立して0〜1の整数を表し、gおよびhは0〜1の整数を表し、かつd+e+f≧1であることを特徴とする、[1]に記載の垂直配向液晶表示用の液晶配向剤。
[3] 前記ジアミン化合物A1において、一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンの総含有量が、ジアミン全体の30〜100モル%であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
[4] ポリアミック酸またはその誘導体、ならびに溶剤を含有する垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤であって、
下記一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンを含むジアミン化合物A1と、テトラカルボン酸二無水物化合物A2とを反応させて得られる重量平均分子量が1.0×10〜4.0×10であるポリアミック酸またはその誘導体Aを含有することを特徴とする垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
[式(I)において、
は、炭素数1〜2のアルキレンであり、Rは、下記式(II)で表される基である。]

[式(II)において、
10、R11およびR12はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−または炭素数1〜3のアルキレンであり、
13およびR14はそれぞれ独立して、−Fまたは−CHであり、
環Cは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、
15は−F、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のフッ素置換アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、−OCHF、−OCHFまたは−OCFであり、
a、bおよびcはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し、
d、eおよびfはそれぞれ独立して0〜3の整数を表し、fが2または3であるとき複数の環Cは同一の基であっても異なる基であってもよく、
gおよびhはそれぞれ独立して0〜2の整数を表し、かつ
d+e+f≧1である。]
[5] 前記式(II)において、R10、R11およびR12はそれぞれ独立して、単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、R13およびR14はそれぞれ独立して、−Fまたは−CHであり、環Cは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、R15は炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数1〜20のアルコキシであり、a、bおよびcはそれぞれ独立して0〜1の整数を表し、d、eおよびfはそれぞれ独立して0〜1の整数を表し、gおよびhは0〜1の整数を表し、かつd+e+f≧1であることを特徴とする、[4]に記載の垂直配向液晶表示用の液晶配向剤。
[6] 前記ジアミン化合物A1において、一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンの総含有量が、ジアミン全体の30〜100モル%であることを特徴とする、[4]または[5]に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
[7] ポリアミック酸またはその誘導体、ならびに溶剤を含有する垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤であって、
下記式(I−13)〜(I−23)のいずれかで表される側鎖構造を有するジアミンを含むジアミン化合物A1と、テトラカルボン酸二無水物化合物A2とを反応させて得られる重量平均分子量が1.0×10〜4.0×10であるポリアミック酸またはその誘導体Aを含有することを特徴とする垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。

[式(I−13)〜(I−23)において、R22は炭素数3〜12のアルキルまたは炭素数3〜12のアルコキシであり、R23は炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数1〜10のアルコキシである。]
[8] 前記ジアミン化合物A1において、前記式(I−13)〜(I−23)で表されるジアミンの総含有量が、ジアミン全体の30〜100モル%であることを特徴とする、[7]に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
[9] ポリアミック酸またはその誘導体、ならびに溶剤を含有する垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤であって、
下記式(I−16)〜(I−18)のいずれかで表される側鎖構造を有するジアミンを含むジアミン化合物A1と、テトラカルボン酸二無水物化合物A2とを反応させて得られる重量平均分子量が1.0×10〜4.0×10であるポリアミック酸またはその誘導体Aを含有することを特徴とする垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。

[式(I−16)〜(I−18)において、R23は炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数1〜10のアルコキシである。]
[10] 前記ジアミン化合物A1において、前記式(I−16)〜(I−18)で表されるジアミンの総含有量が、ジアミン全体の30〜100モル%であることを特徴とする、[9]に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
[11] ポリアミック酸またはその誘導体、ならびに溶剤を含有する垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤であって、
下記式(I−16)〜(I−18)のいずれかで表される側鎖構造を有するジアミンと、下記式(V−6)または(VI−1)で表されるジアミンとを含むジアミン化合物A1と、テトラカルボン酸二無水物化合物A2とを反応させて得られる重量平均分子量が1.0×10〜4.0×10であるポリアミック酸またはその誘導体Aを含有することを特徴とする垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
[12] 前記ジアミン化合物A1において、前記式(I−16)〜(I−18)で表されるジアミンの総含有量が、ジアミン全体の30〜100モル%であることを特徴とする、[11]に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
[13] 前記ポリアミック酸またはその誘導体Aの重量平均分子量が1.5×10〜2.5×10であることを特徴とする、[1]〜[12]のいずれか一項に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
[14] 2種以上のポリアミック酸またはその誘導体、ならびに溶剤を含有する垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤であって、
A)請求項1〜13のいずれか一項に記載のポリアミック酸またはその誘導体A、ならびに
B)下記一般式(III)〜(VIII)で表されるジアミンを含むジアミン化合物B1と、テトラカルボン酸二無水物化合物B2とを反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体B、を含有することを特徴とする垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
[式(III)〜(VIII)において、
Xは、単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−(CH−、−O−(CH−O−、−S−(CH−S−であり、ここでmは1〜6の整数であり、
Yは、単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH−、−C(CF−または炭素数1〜3のアルキレンであり、
シクロヘキサン環またはベンゼン環に結合している水素は、−F、−CHと置き換えられていてもよい。さらに、式(V)中のベンゼン環に結合している水素はベンジルで置き換えられていてもよい。]
[15] 前記ポリアミック酸またはその誘導体Aとポリアミック酸またはその誘導体Bとの重量比が、1/99〜50/50であることを特徴とする、[14]に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
[16] 前記ポリアミック酸またはその誘導体Aとポリアミック酸またはその誘導体Bとの重量比が、5/95〜20/80であることを特徴とする、[14]に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
[17] 前記テトラカルボン酸二無水物化合物A2及びB2はそれぞれ独立して、下記式(1)〜(13)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物、および下記式(14)〜(62)で表される脂肪族テトラカルボン酸二無水物もしくは脂環式テトラカルボン酸二無水物からなる群より選択される1種または2種以上を含むことを特徴とする、[1]〜[16]のいずれか一項に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
[18] 前記テトラカルボン酸二無水物化合物A2及びB2はそれぞれ独立して、ピロメリット酸二無水物及び/又はシクロブタンテトラカルボン酸二無水物を含むことを特徴とする、[1]〜[17]のいずれか一項に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
[19]
1)対向配置されており、双方に電極が配置された一対の基板、
2)前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜、および
3)前記一対の基板間に挟持された垂直に配向した液晶層、を含む垂直配向液晶表示素子であって、
前記液晶配向膜は、前記基板に[1]〜[18]のいずれか一項に記載の液晶配向剤を塗布し、加熱することによって形成される液晶配向膜である垂直配向液晶表示素子。
本発明により、「溶解性」が良好な垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤、および該液晶配向剤から形成される液晶配向膜を具備した垂直配向液晶表示素子を提供することができる。
本発明の液晶配向剤は、1種または2種以上のポリアミック酸またはその誘導体、ならびに溶剤を含有する垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤である。
本発明の液晶配向剤に含まれるポリアミック酸またはその誘導体のうち、少なくとも1種は、上記一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンを含むジアミン化合物A1と、テトラカルボン酸二無水物化合物A2とを反応させて得られる重量平均分子量が1.0×10〜4.0×10であるポリアミック酸またはその誘導体A(以下、「ポリアミック酸A」ともいう)を含有することを特徴とする垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤である。
さらに本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸またはその誘導体A、ならびに上記一般式(III)〜(VIII)で表されるジアミンを含むジアミン化合物B1と、テトラカルボン酸二無水物化合物B2とを反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体B(以下、「ポリアミック酸B」ともいう)を含有することを特徴とする垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤である。
なお、本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸またはその誘導体として、ポリアミック酸AおよびBのみを含有してもよく、ポリアミック酸AおよびB以外のポリアミック酸またはその誘導体をさらに含有していてもよい。
以下、本発明の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤および垂直配向液晶表示素子について詳細に述べる。
<1.本発明の液晶配向剤に含まれるポリアミック酸A>
前記の通り、本発明の液晶配向剤に含まれるポリアミック酸Aは、ジアミン化合物A1と、テトラカルボン酸二無水物化合物A2とを反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体である。
ジアミン化合物A1は1または2種以上のジアミンからなるが、A1に含まれるジアミンの一部はモノアミンに置換されていてもよい。
テトラカルボン酸二無水物化合物A2は1または2種以上のテトラカルボン酸二無水物からなるが、A2に含まれるテトラカルボン酸二無水物の一部はジカルボン酸に置換されていてもよい。
ここでポリアミック酸の誘導体とは、1)ポリアミック酸の全てのアミノ基とカルボン酸とが脱水閉環反応したポリイミド、2)部分的に脱水閉環反応した部分ポリイミド、3)テトラカルボン酸二無水物化合物A2に含まれる酸二無水物の一部を有機ジカルボン酸に置き換えて反応させて得られたポリアミック酸−ポリアミド共重合体、さらに4)該ポリアミック酸−ポリアミド共重合体の一部もしくは全部を脱水閉環反応させたポリアミドイミドを含む。
以下、ポリアミック酸Aの原料であるジアミン化合物A1およびテトラカルボン酸二無水物化合物A2についてそれぞれ説明する。
(ジアミン化合物A1)
まず、本発明に用いられるジアミン化合物A1について述べる。
前記の通り、ジアミン化合物A1は1または2種以上のジアミンからなるが、少なくとも前記一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンを含む。
本明細書において、側鎖構造を有するジアミンとは、2つのアミノ基を結ぶ鎖を主鎖としたときに側鎖を有するジアミンを意味する。すなわち、側鎖構造を有するジアミンは、テトラカルボン酸二無水物と反応することで、高分子主鎖に対して側鎖基を有するポリアミック酸またはポリイミド(分岐ポリアミック酸または分岐ポリイミド)を提供することができるものである。このような高分子主鎖に対して側鎖基を有するポリアミック酸またはポリイミドを含む液晶配向剤から形成される液晶配向膜は、液晶表示素子におけるプレチルト角を大きくすることができる。
一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンにおける側鎖は、垂直配向液晶表示素子に好適な85〜90°程度のプレチルト角になるように適宜選択すればよい。例えば、該側鎖は炭素数3以上の基が好ましく挙げられる。具体的には、
1)置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいシクロヘキシルフェニレン、置換基を有していてもよいビス(シクロヘキシル)フェニレン、または炭素数3以上のアルキル、アルケニルもしくはアルキニル、
2)置換基を有していてもよいフェニルオキシ、置換基を有していてもよいシクロヘキシルオキシ、置換基を有していてもよいビス(シクロヘキシル)オキシ、置換基を有していてもよいフェニルシクロヘキシルオキシ、置換基を有していてもよいシクロヘキシルフェニルオキシ、または炭素数3以上のアルキルオキシ、アルケニルオキシもしくはアルキニルオキシ、
3)フェニルカルボニル、または炭素数3以上のアルキルカルボニル、アルケニルカルボニルもしくはアルキニルカルボニル、
4)フェニルカルボニルオキシ、または炭素数3以上のアルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシもしくはアルキニルカルボニルオキシ、
5)置換基を有していてもよいフェニルオキシカルボニル、置換基を有していてもよいシクロヘキシルオキシカルボニル、置換基を有していてもよいビス(シクロヘキシル)オキシカルボニル、置換基を有していてもよいビス(シクロヘキシル)フェニルオキシカルボニル、置換基を有していてもよいシクロヘキシルビス(フェニル)オキシカルボニル、または炭素数3以上のアルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニルもしくはアルキニルオキシカルボニル、
6)フェニルアミノカルボニル、または炭素数3以上のアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニルもしくはアルキニルアミノカルボニル、
7)炭素数3以上の環状アルキレン、
8)置換基を有していてもよいシクロヘキシルアルキレン、置換基を有していてもよいフェニルアルキレン、置換基を有していてもよいビス(シクロヘキシル)アルキレン、置換基を有していてもよいシクロヘキシルフェニルアルキレン、置換基を有していてもよいビス(シクロヘキシル)フェニルアルキレン、置換基を有していてもよいフェニルアルキルオキシ、アルキルフェニルオキシカルボニル、またはアルキルビフェニリルオキシカルボニル、
9)アルキル、フッ素置換アルキル、またはアルコキシによって置換されたフェニルまたはシクロヘキシル、および、
10)2個以上のベンゼン環またはシクロヘキサン環が単結合し、または、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−若しくは炭素数1〜3のアルキレンを介して結合した、アルキル、フッ素置換アルキル、またはアルコキシによって置換された環集合基などが挙げられるが、85〜90°程度のプレチルト角になればこれに限定されない。
ここで、「置換基」としては、アルキル、アルコキシ、またはアルコキシアルキル等を挙げることができる。
また、ビス(シクロヘキシル)、またはビス(フェニル)は、アルキレンによって中断されていてもよい。
なお、本明細書において、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」というときは、線状でもよいし、枝分かれでもよい。
このように、本発明に用いられる一般式(I)で表されるジアミンは、側鎖構造を有するフェニレンジアミンである。該ジアミンは、2つのアミノ基を結ぶ主鎖に1個のフェニル環しかないことから、例えば側鎖構造を有し、且つ2〜4個のフェニル環を主鎖構造に有するジアミンと比べて主鎖構造部分の分子長が短くなる。その結果、該ジアミンとテトラカルボン酸二無水物と反応して得られるポリアミック酸Aにおいては、側鎖構造の空間的な密度(側鎖密度)を高くすることができる。側鎖密度が大きくなるほどプレチルト角は大きくなる傾向にるため、一般式(I)で表されるジアミンは特に垂直配向液晶表示素子用の液晶配向膜の原料として好ましく用いることができる。
前記一般式(I)において、2つのアミノ基はフェニル環炭素に結合しているが、好ましくは、2つのアミノ基の結合位置関係は、メタまたはパラであることが好ましい。さらに2つのアミノ基はそれぞれ、「R−R−」の結合位置を1位としたときに3位と5位、または2位と5位に結合していることが好ましい。中でも、2つのアミノ基はそれぞれ3位と5位に結合していることがより好ましい。
一般式(I)で表されるジアミンとしては、例えば式(I−1)〜(I−31)で表されるジアミンが挙げられる。
式(I-1)〜(I-3)においてR19は炭素数4〜12のアルキル基が好ましく、式(I-4)においてR20は炭素数6〜20のアルキル基が好ましい。

式中、R22は炭素数3〜12のアルキル基または炭素数3〜12のアルコキシ基が好ましく、R23は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましい。
これらのうち、より好ましくは前記一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンが、Rが炭素数1〜2のアルキレンであり、Rが前記式(II)で表される基であるジアミン、すなわち式(I−13)〜(I−23)で表されるジアミンが挙げられ、最も好ましくは式(I−16)〜(I−18)で表されるジアミンが挙げられる。
本発明のジアミン化合物A1は前記一般式(I)で表されるジアミンを単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
前記の通り、少なくとも前記一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンを含むジアミン化合物A1と、テトラカルボン酸二無水物化合物A2とを反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体を含む液晶配向剤から形成される液晶配向膜は、液晶表示素子におけるプレチルト角が大きくなるため垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤として好ましく用いることができる。さらに、前記一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンの側鎖構造の分子長(側鎖長)が大きくなるほど垂直配向状態が安定になる。このため、側鎖構造の分子長が大きなジアミンを用いて得られるポリアミック酸またはその誘導体は、垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤としてより好適に用いることができる。
前記ジアミン化合物A1において、一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンの総含有量は、ジアミン全体の30〜100モル%であることが好ましく、50〜100モル%であることがより好ましく、50〜90モル%であることがさらに好ましい。一般式(I)で表されるジアミンの総含有量が30モル%以上であれば、垂直配向液晶表示素子に好適な85〜90°のプレチルト角を付与することが可能である。
前記ジアミン化合物A1に含まれる、一般式(I)で表されるジアミン以外のジアミンは任意であるが、好ましくは前記一般式(III)〜(VIII)で表されるジアミンが挙げられる。一般式(III)〜(VIII)で表されるジアミンの詳細については後述する。
さらに、前記ジアミン化合物A1に含まれる、一般式(I)で表されるジアミン以外のジアミンとして、一般式(III)〜(VIII)で表されるジアミン以外にシロキサン結合を有するシロキサン系ジアミンを挙げることもできる。該シロキサン系ジアミンは特に限定されるものではないが、下記式(IX)で表されるものが本発明において好ましく使用され得る。
(式中、R16およびR17は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R18はメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンである。qは1〜6の整数を表し、rは1〜10の整数を表す。)
なお、前記ジアミン化合物A1に含まれる、一般式(I)で表されるジアミン以外のジアミンは、一般式(III)〜(VIII)で表されるジアミンおよび式(IX)で表されるジアミンに限定されることなく、本発明の目的が達成される範囲内で他にも種々の形態のジアミン(例えば、一般式(I)で表されるジアミン以外の側鎖構造を有するジアミン等)が存在することはいうまでもない。また、該その他のジアミンは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
既に述べた通り、前記ジアミン化合物A1に含まれるジアミンの一部は、モノアミンに置換されていてもよい。ジアミンの一部をモノアミンに置換することにより、重合反応のターミネーションを起こすことができ、それ以上の反応の進行を抑えることができることから、得られる重合体(ポリアミック酸A)の分子量を容易に制御することができる。ジアミンに対するモノアミンの比率は、本発明の効果を損なわない範囲にすればよいが、目安として全アミン量の10モル%以下にすることが好ましい。
(テトラカルボン酸二無水物A2)
次に、本発明に用いられるテトラカルボン酸二無水物化合物A2について述べる。
前記の通り、ポリアミック酸Aは、テトラカルボン酸二無水物化合物A2を原料として合成される。テトラカルボン酸二無水物化合物A2は、1または2種以上のテトラカルボン酸二無水物からなる。テトラカルボン酸二無水物とは、下記一般式(X)で表される化合物である。
本発明に用いられるテトラカルボン酸二無水物化合物A2に含まれるテトラカルボン酸二無水物は任意に選択され、1)芳香族テトラカルボン酸二無水物、2)脂肪族テトラカルボン酸二無水物もしくは脂環式テトラカルボン酸二無水物のいずれであってもよい。
なお、ポリアミック酸Aが液晶配向剤の成分として使用されるためには、溶剤に可溶な形態をとることが好ましい。ポリアミック酸Aを該可溶な形態とするために、テトラカルボン酸二無水物化合物A2に含まれるテトラカルボン酸二無水物を適宜に選択することが好ましい。
ここで、1)芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば下記式(1)〜(13)で表される酸二無水物が具体例として挙げられる。下記の芳香族テトラカルボン酸二無水物のうち、より好ましくは(1)、(2)、(5)、(6)、(7)で表される酸二無水物が挙げられ、最も好ましくは(1)で表されるピロメリット酸二無水物が挙げられる。
また、本発明のテトラカルボン酸二無水物化合物A2に含まれる、前記2)脂肪族テトラカルボン酸二無水物もしくは脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、例えば下記式(14)〜(62)で表される酸二無水物が具体的に例示される。
下記する酸二無水物のうち、より好ましくは式(14)〜(29)、式(60)で表される酸二無水物が挙げられ、特に好ましくは式(14)で表される1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。また本発明のポリアミック酸を溶媒に可溶性のポリイミドとするには、式(19)、式(20)、式(27)〜(29)、式(60)で表される酸二無水物を用いることが好ましい。
本発明のテトラカルボン酸二無水物化合物A2は、上記テトラカルボン酸二無水物を1種単独で含むこともできるし、二種以上を組み合わせて含むこともできる。
前述したように、本発明のポリアミック酸Aは前記一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンを含むジアミン化合物A1と、テトラカルボン酸二無水物化合物A2とを反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体である。
該ポリアミック酸Aならびに溶剤を含有する液晶配向剤は、垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤として好適に用いることができるものである。
本発明において、ポリアミック酸Aは、溶剤に対する「溶解性」を向上させるために、重量平均分子量を1.0×10〜4.0×10の範囲に、好ましくは1.5×10〜2.5×10の範囲に制御される。ポリアミック酸の重量平均分子量を上記範囲に制御することにより、ポリアミック酸Aの溶剤に対する「溶解性」を良好なものとすることができる。さらに、耐熱性、電気的特性、配向安定性、信頼性等の諸特性を付与するために、ポリアミック酸Aを、例えば後述するポリアミック酸Bと組み合わせて使用するような場合、液晶配向剤中の各成分の相溶性を良好なものとすることができる。
1.0×10以上の重量平均分子量を有するポリアミック酸Aは、配向膜を焼成するステップにおいて蒸発することがなく、さらに配向膜の洗浄工程や配向処理の工程に対して化学的、機械的に安定であるため、液晶配向剤の成分として好ましい物性を有する。
該重量平均分子量の上限については、4.0×10以下の重量平均分子量を有するポリアミック酸Aは、溶剤に対する溶解性を向上させることができるので、液晶配向剤として好ましく用いることができる。
本発明のポリアミック酸Aの重量平均分子量を上記範囲に制御する方法としては、1)本発明のポリアミック酸Aの溶液を加熱する方法、2)本発明のポリアミック酸Aの固形分を貧溶媒中で加熱(煮沸)する方法、3)本発明のポリアミック酸Aの反応原料であるテトラカルボン酸二無水物とジアミンのモル比を等モルから乖離させる方法等が挙げられるが、必要に応じて適宜選択することができる。
このうち、1)本発明のポリアミック酸Aの溶液を加熱する方法が、テトラカルボン酸二無水物化合物とジアミンの反応の後に重量平均分子量を確認しながら微調整できるため好ましく、取り扱いも容易である。溶液を加熱することにより重量平均分子量は低減するが、重量平均分子量を微調整するときの加熱温度は、通常40〜150℃であり、好ましくは50〜80℃である。加熱温度が高いほど短時間で重量平均分子量が低下するため好ましいが、低減する変化が大きすぎると所望の重量平均分子量に調整するのが難しくなることがある。また、前記加熱温度が溶媒の沸点以下であると、取り扱いが容易であるため好ましい。
ここで、ポリアミック酸Aの重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定される。例えば、得られたポリアミック酸Aをジメチルホルムアミド(DMF)でポリアミック酸濃度が約1重量%になるように希釈し、クロマトパックC−R7A(島津製作所製)を用いて、DMFを展開剤としてゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)法により測定し、ポリスチレン換算することにより求める。さらに、ポリアミック酸やポリアクリル酸等のGPC測定を精度良く行うために、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸で展開剤および希釈液のpH値を2〜6に調整することがある。(特開昭60−73456号参照)
また、ポリアミック酸Aの分子量分布は多分散度で表すことができる。多分散度とは重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値である。本発明において、その値は1.5〜5であることが好ましい。ここで分子量分布は分子量測定と同様のGPC法により測定される。
ポリアミック酸Aは、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、原料投入口、窒素導入口、温度計、攪拌機およびコンデンサーを備えた反応容器に、前記一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンの1種もしくは2種以上と、場合によって前記他のジアミン(一般式(III)〜(VIII)および式(IX)のジアミン)から選択される1種もしくは2種以上のジアミン、さらに必要に応じてモノアミンの所望量を仕込む。
次に、溶剤(例えばアミド系極性溶剤であるN−メチル−2ピロリドンやジメチルホルムアミドなど)および前記一般式(X)で表されるテトラカルボン酸二無水物の1種もしくは2種以上、さらに必要に応じてジカルボン酸を投入する。このときテトラカルボン酸二無水物の総仕込み量は、ジアミンの総モル数とほぼ等モル(モル比0.9〜1.1程度)とすることが好ましいが、該モル比を調整することにより、重量平均分子量を所望の範囲に制御することもできる。
攪拌下に温度0〜70℃で1〜48時間反応させることによりポリアミック酸の溶液を得ることができる。
ポリアミック酸Aは、多量の貧溶媒で沈殿させ、固形分と溶剤とを濾過などにより完全に分離し、IR、NMRで分析することにより同定され得る。また、得られた固形分を貧溶媒中で煮沸することにより、重量平均分子量を所望の範囲に制御することもできる。さらには、KOHやNaOH等の強アルカリの水溶液で固形のポリアミック酸Aを分解後、有機溶媒で抽出し、GC、HPLCもしくはGC−MSで分析することにより、使用されているモノマーを同定することができる。
得られたポリアミック酸溶液は、所望の粘度に調整するために溶剤で希釈して使用することができる。
また、ポリアミック酸Aを、ポリアミック酸誘導体である可溶性ポリイミドとする場合には、得られたポリアミック酸溶液を、脱水剤である無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物、及び脱水閉環触媒であるトリエチルアミン、ピリジン、コリジンなどの三級アミンとともに、温度20〜150℃でイミド化反応させて得ることができる。
あるいは、得られたポリアミック酸溶液から多量の貧溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒やグリコール系溶媒)を用いてポリアミック酸を析出させ、析出させたポリアミック酸を、トルエン、キシレン等の溶媒中で、前記と同様の脱水剤及び脱水閉環触媒とともに、温度20〜150℃でイミド化反応させることもできる。
前記イミド化反応において、脱水剤と脱水閉環触媒の割合は0.1〜10(モル比)であることが好ましい。両者の合計使用量は、使用するテトラカルボン酸二無水物化合物A2に含まれる酸二無水物のトータルのモル量に対して1.5〜10倍モルであることが好ましい。この化学的イミド化の脱水剤、触媒量、反応温度および反応時間を調整することによって、イミド化の程度を制御し、部分ポリイミドを得ることができる。
得られたポリイミドは、溶剤と分離して後述する溶剤に再溶解させて液晶配向剤として使用することもできるし、あるいは溶剤と分離することなく液晶配向剤として使用することもできる。
また前記したように、テトラカルボン酸二無水物化合物A2に含まれる酸二無水物の一部は有機ジカルボン酸に置換されていてもよい。有機ジカルボン酸を含むA2を用いてポリアミック酸Aを製造すると、ポリアミック酸−ポリアミド共重合体を得ることができる。ここで、テトラカルボン酸二無水物に対するジカルボン酸の比率は、本発明の効果を損なわない範囲にすればよいが、目安としては、10モル%以下にすることが好ましい。
さらに、該ポリアミック酸−ポリアミド共重合体を化学的にイミド化することによってポリアミドイミドを製造することができる。
なお、本発明に用いられる前記一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンは、例えば、特開平4−281427号公報、特開平5−27244号公報、特開平9−278724号公報、特開2003−96034号公報に記載されているか、該公報に記載の方法で容易に製造可能である。また、本発明に用いられるテトラカルボン酸二無水物は公知であり、市販品或いは公知の方法により容易に入手可能である。
こうして得られるポリアミック酸Aは、単独でも液晶配向剤の成分として使用できるが、後述するポリアミック酸Bと混合して、液晶配向剤の成分として使用することもできる。
<2.本発明の組成物に含まれるポリアミック酸B>
前記の通り、本発明の液晶配向剤に含まれるポリアミック酸Bは、ジアミン化合物B1と、テトラカルボン酸二無水物化合物B2とを反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体である。
ジアミン化合物B1は1または2種以上のジアミンからなるが、B1に含まれるジアミンの一部はモノアミンに置換されていてもよい。
テトラカルボン酸二無水物化合物B2は1または2種以上のテトラカルボン酸二無水物からなるが、B2に含まれるテトラカルボン酸二無水物の一部はジカルボン酸に置換されていてもよい。
ポリアミック酸の誘導体は、前記ポリアミック酸Aで記載したものと同義である。
(ジアミン化合物B1)
まず、ジアミン化合物B1について説明する。
前記の通り、ジアミン化合物B1は1又は2種以上のジアミンからなるが、少なくとも前記一般式(III)〜(VIII)で表されるジアミンのうちいずれか1種を含む。また、ジアミン化合物B1は、必要に応じて任意の他のジアミンをさらに含んでいてもよい。ここで、他のジアミンとしては、前記式(IX)で表されるジアミン等が挙げられる。ジアミン化合物B1における前記一般式(III)〜(VIII)で表されるジアミンのモル比は、選択されたジアミンの構造に応じて調整すればよく、100/0〜1/99であることが好ましく、80/20〜5/95であることがより好ましい。前記一般式(III)〜(VIII)で表されるジアミンを2種以上用いる場合は、その合計量が上記範囲であることが好ましい。
さらに、ジアミン化合物B1に含まれるジアミンの一部は、モノアミンに置換されていてもよい。ここでジアミンに対するモノアミンの比率は、10モル%以下にすることが好ましい。
上述したように、ジアミン化合物B1は、好ましくは、前記一般式(III)〜(VIII)で表される側鎖構造を有さないジアミンを含有する。
一般式(III)で表されるジアミンとしては、例えば式(III−1)、(III−2)で表されるジアミンが挙げられる。
一般式(IV)で表されるジアミンとしては、例えば式(IV−1)〜(IV−3)で表されるジアミンが挙げられる。
一般式(V)で表されるジアミンとしては、例えば式(V−1)〜(V−7)で表されるジアミンが挙げられる。
一般式(VI)で表されるジアミンとしては、例えば式(VI−1)〜(VI−30)で表されるジアミンが挙げられる。

一般式(VII)で表されるジアミンとしては、例えば式(VII−1)〜(VII−6)で表されるジアミンが挙げられる。
一般式(VIII)で表されるジアミンとしては、例えば式(VIII−1)〜(VIII−11)で表されるジアミンが挙げられる。
これらのうち、より好ましくは、式(V−1)〜(V−7)、式(VI−1)〜(VI−12)、式(VI−26)、式(VI−27)、式(VII−1)、式(VII−2)、式(VII−6)、式(VIII−1)〜(VIII−5)で表されるジアミンが挙げられ、最も好ましくは式(V−6)、式(V−7)、式(VI−1)〜(VI−12)で表されるジアミンが挙げられる。
本発明のジアミン化合物B1は前記一般式(III)〜(VIII)で表されるジアミンを1種単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
本発明のジアミン化合物B1を反応させて得られるポリアミック酸Bは、前述したポリアミック酸Aと組み合わされる(ブレンドされる)ことにより、垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤の成分としての好ましい特性(耐熱性、電気的特性、配向安定性、信頼性等)を付与することができる。
具体的には、ポリアミック酸Bの原料であるジアミン化合物B1に含まれるジアミンの種類およびその組み合わせを適宜選択することにより、本発明の液晶配向剤を用いて形成される液晶配向膜に、例えば良好な電気的特性(電圧保持率、残留DC等)を与えることができる。前記一般式(III)〜(VIII)で表されるジアミンのうち、カルボニルやエ−テル結合などの酸素や硫黄を含まない構造のものが、特に優れた電気特性を液晶配向膜に付与する傾向があり好ましい。
(テトラカルボン酸二無水物化合物B2)
ポリアミック酸Bは、前記ジアミン化合物B1とテトラカルボン酸二無水物化合物B2とを反応させることで得られるが、テトラカルボン酸二無水物化合物B2に含まれるテトラカルボン酸二無水物としては、テトラカルボン酸二無水物化合物A2の説明において記載されたテトラカルボン酸二無水物と同様のものが挙げられる。
また、A2と同様、テトラカルボン酸二無水物化合物B2に含まれるテトラカルボン酸二無水物の一部は、ジカルボン酸に置換されていてもよい。
テトラカルボン酸二無水物化合物B2は、テトラカルボン酸二無水物を単独で含むこともできるし、二種以上を組み合わせて含むこともできる。好ましくは、前記1)芳香族テトラカルボン酸二無水物と、2)脂肪族テトラカルボン酸二無水物もしくは脂環式テトラカルボン酸二無水物を組み合わせて含み、特に好ましくは式(1)で表されるピロメリット酸二無水物と、式(14)で表される1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を組み合わせて含む。
芳香族テトラカルボン酸二無水物と、脂肪族テトラカルボン酸二無水物もしくは脂環式テトラカルボン酸二無水物(特に好ましくは、ピロメリット酸二無水物と1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物)とを含む、テトラカルボン酸二無水物化合物B2から合成されるポリアミック酸を含む液晶配向剤は、優れた電気特性を液晶配向膜に付与することができる。
テトラカルボン酸二無水物化合物B2が、ピロメリット酸二無水物及び1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を含む場合、ピロメリット酸二無水物/1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物のモル比率は、10/90〜90/10であることが好ましく、15/85〜75/25であることがより好ましい。
ポリアミック酸Bは、ポリアミック酸Aとは異なって、ポリアミック酸、可溶性ポリイミド、およびポリアミドイミドなどの高分子成分の製造工程や用途で通常使用されている溶剤に比較的易溶であるため、任意の重量平均分子量を有することができる。ポリアミック酸Bの重量平均分子量は、特に限定されないが、ポリアミック酸Aと同様の理由で1×10以上であることが好ましい。該重量平均分子量の上限については、液晶配向剤として用いたときに好ましい粘度となるような、かつ液晶配向剤のゲル化が抑制されるような重量平均分子量であればよく、目安として5×10以下であることが好ましい。
また、ポリアミック酸Bの分子量分布は多分散度で表すことができる。多分散度とは重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値である。本発明において、その値は1.5〜5であることが好ましい。
ポリアミック酸Bの重量平均分子量および分子量分布は、ポリアミック酸Aの場合と同様に測定される。
ポリアミック酸Bの製造方法は特に制限されるものではなく、ポリアミック酸Aと同様にして製造することができる。
<3.本発明の液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸またはその誘導体、ならびに溶剤を混合することにより調製される。本発明に用いられるポリアミック酸は、ポリアミック酸Aを単独で使用することもできるし、ポリアミック酸Aとポリアミック酸Bとを混合して使用することもできる。本発明においては、耐熱性、電気的特性、配向安定性および信頼性等の液晶配向剤として所望の特性が得られやすいことから、ポリアミック酸Aとポリアミック酸Bとを混合して使用することが好ましい。
混合されるポリアミック酸Aとポリアミック酸Bの重量比は、「ポリアミック酸A」/「ポリアミック酸B」=1/99〜50/50であることが好ましく、「ポリアミック酸A」/「ポリアミック酸B」=5/95〜20/80であることがより好ましい。該重量比は、垂直配向液晶表示素子に好適な85〜90°程度のプレチルト角になるように適宜調整されればよい。
前記の通りポリアミック酸Aは、ポリアミック酸Bと組み合わされることにより好ましい液晶配向剤の成分として用いられることができる。但し、ポリアミック酸Aを液晶配向剤の成分として使用するために、必ずしもポリアミック酸Bと組み合わされる必要があるわけではない。
本発明の液晶配向剤は、通常の液晶配向剤に含有される各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
本発明の液晶配向剤における高分子成分(ポリアミック酸A、ポリアミック酸B等の重量平均分子量1×10以上の成分)の含有率は、液晶配向剤の基板への塗布方法によって適宜選択されることができる。例えば、通常の液晶表示素子の製造工程で用いられる印刷機(オフセット印刷やインクジェット印刷機を含む。以下、「印刷機」と略すことがある。)で使用される液晶配向剤における高分子成分の含有率は、0.5〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15重量%であることが好ましいが、液晶配向剤の粘度(後述)との関係で適宜調整される。
本発明に用いられる溶剤は、ポリアミック酸、可溶性ポリイミド、およびポリアミドイミドなどの高分子成分の製造工程や用途で通常使用されている溶剤を広く含み、使用目的に応じて適宜選択され得る。該溶剤は、1)ポリアミック酸や可溶性ポリイミドに対して親溶性である非プロトン性極性有機溶剤と、2)表面張力を変えて塗布性改善などを目的とする溶剤とを含む混合溶剤であることが好ましい。
これらの溶剤を例示すれば以下のとおりである。
1)ポリアミック酸や可溶性ポリイミドに対し親溶剤である非プロトン性極性有機溶剤(以下、非プロトン性極性有機溶剤):例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンである。これらのうち、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどがさらに好ましく例示される。
2)表面張力を変えて塗布性改善などを目的とした溶剤(以下、その他の溶剤):例えば、乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラリン、イソホロン、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのジエチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルまたはフェニルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル、マロン酸ジエチルなどのマロン酸ジアルキル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、これらアセテート類などのエステル化合物である。これらのうち、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどがさらに好ましく例示される。
非プロトン性極性溶媒とその他の溶媒の種類および割合は、液晶配向剤の印刷性、塗布性および保存安定性などを考慮して、適宜に設定することができる。
前記の通り、本発明の液晶配向剤は各種添加剤を含有していてもよい。各種添加剤としては、ポリアミック酸またはその誘導体以外の高分子化合物、または低分子化合物をそれぞれの目的に応じて選択して使用することができる。
例えば、有機溶剤に可溶性の高分子化合物を添加剤としてもよく、それらを添加することにより、形成される配向膜の電気特性や配向性を制御することができる。該高分子化合物の例としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリエポキサイド、ポリエステルポリオール、シリコン変性ポリウレタン、シリコン変性ポリエステルなどを挙げることができる。
また、低分子化合物の添加剤の例としては、1)塗布性の向上を望むときにはかかる目的に沿った界面活性剤を、2)帯電防止の向上を必要とするときは帯電防止剤を、また3)基板との密着性や対ラビング性の向上を望むときにはシランカップリング剤やチタン系のカップリング剤を用いることができる。
前記シランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリエトキシシラン、メタアミノフェニルトリメトキシシラン、メタアミノフェニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロピルアミン、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンなどを挙げることができる。
これらの添加剤の添加量は、ポリアミック酸およびその誘導体の総重量に対して0〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
本発明の液晶配向剤の粘度は、塗布する方法、ポリアミック酸およびその誘導体の濃度、使用するポリアミック酸およびその誘導体の種類、溶剤の種類と割合によって多種多様である。例えば、印刷機による塗布の場合は5〜100mPa・s(より好ましくは10〜80mPa・s)である。5mPa・sより小さいと十分な膜厚を得ることが難しくなり、100mPa・sを超えると印刷ムラが大きくなることがある。スピンコートによる塗布の場合は5〜200mPa・s(より好ましくは10〜100mPa・s)が適している。
液晶配向剤の粘度は回転粘度測定法により測定され、例えば回転粘度計(東機産業製TVE-20L型)を用いて測定(測定温度:25℃)される。
<4.本発明の垂直配向液晶表示素子>
本発明の垂直配向液晶表示素子は、1)対向配置された一対の基板、2)前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜、および3)前記一対の基板間に挟持された垂直に配向した液晶層を含む。ここで、前記一対の基板の双方に電極が配置されている。
前記液晶配向膜は、本発明の液晶配向剤を前記基板に塗布し、加熱することによって形成される液晶配向膜である。ここで液晶配向膜の膜厚は、10〜300nmであることが好ましく、30〜100nmであることがより好ましい。また、用途によっては液晶配向膜はラビング処理されていてもよい。
前記対向配置された一対の電極付き基板は、透明基板(例えばガラス基板)であることが好ましい。
前記一対の基板間に挟持された液晶層は液晶組成物を含む。垂直配向液晶表示素子において用いられる液晶組成物は、好ましくは誘電率異方性が負の各種の液晶組成物である。好ましい液晶組成物の例は、特開昭57−114532号公報、特開平2−4725号公報、特開平4−224885号公報、特開平8−40953号公報、特開平8−104869号公報、特開平10−168076号公報、特開平10−168453号公報、特開平10−236989号公報、特開平10−236990号公報、特開平10−236992号公報、特開平10−236993号公報、特開平10−236994号公報、特開平10−237000号公報、特開平10−237004号公報、特開平10−237024号公報、特開平10−237035号公報、特開平10−237075号公報、特開平10−237076号公報、特開平10−237448号公報(EP967261A1)、特開平10−287874号公報、特開平10−287875号公報、特開平10−291945号公報、特開平11−029581号公報、特開平11−080049号公報、特開2000−256307公報、特開2001−019965公報、特開2001−072626公報、特開2001−192657公報などに開示されている。
前記液晶組成物に、一つ以上の光学活性化合物を添加して使用することも何ら差し支えない。
本発明の垂直配向液晶表示素子は、もちろんその他の部材を有していてもよい。
例えば、薄膜トランジスタを使用したカラー表示のTFT型液晶素子においては、第1の透明基板上に薄膜トランジスタ、絶縁膜、保護膜、信号電極および画素電極などが形成されており、第2の透明基板上に画素領域以外の光を遮断するブラックマトリクス、カラーフィルター、平坦化膜および画素電極などを有しうる。
また、特にMVA型液晶表示素子においては、第1の透明基板上にドメインと称される微小な突起物が形成されている。また、基板間のセルギャップの調整用にスペーサーが形成されていてもよい。
本発明の垂直配向液晶表示素子は任意の方法で製作され得るが、例えば、1)前記2枚の透明基板上に液晶配向剤を塗布する工程、2)塗布された液晶配向剤を乾燥する工程、3)乾燥された液晶配向剤を脱水・閉環反応させるために必要な加熱処理をする工程、4)得られた配向膜を配向処理する工程、5)2枚の基板を張り合わせた後に、基板の間に液晶を封入する工程、または一方の基板に液晶を滴下させた後に、もう一方の基板と張り合わせる工程を含む方法で製作される。
前記液晶配向剤を塗布する工程における塗布方法としては、スピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法、インクジェット法などが一般に知られている。これらの方法が本発明においても適用可能である。
また、前記乾燥工程および脱水・閉環反応に必要な加熱処理を施す工程の方法として、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法などが一般に知られている。これらの方法が本発明においても適用可能である。乾燥工程は、溶剤の蒸発が可能な範囲内の比較的低温(50〜100℃)で実施することが好ましい。加熱処理の工程は一般に150〜300℃程度の温度で行うことが好ましい。
垂直配向液晶表示素子では通常ラビング処理等の配向処理を行わないが、必要に応じてラビング処理を行っても良い。
次いで、一方の基板上に接着剤を塗布し貼りあわせ真空中で液晶を注入する。滴下注入法の場合には、貼りあわせる前に液晶を基板上に滴下し、その後もう一方の基板で貼りあわせる。貼りあわせに使用した接着剤を熱または紫外線で硬化させて本発明の液晶表示素子が作製される。
本発明の液晶表示素子には、偏光板(偏光フィルム)、波長板、光散乱フィルム、駆動回路などが実装されてもよい。
通常、垂直配向液晶表示素子に用いられる液晶配向膜は85〜90°のプレチルト角を与えることが好ましい。前述したように、プレチルト角の調整は、主に、1)ポリアミック酸Aの原料であるジアミンの種類、およびその含有比、2)ポリアミック酸Aとポリアミック酸Bの含有比などを調整することにより達成される。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例において用いられるテトラカルボン酸二無水物、ジアミンおよび溶剤の名称は、以下の略号で示されることがある。
[テトラカルボン酸二無水物]
ピロメリット酸二無水物{式(1)}:PMDA
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物{式(14)}:CBDA
[ジアミン]
5−{4−[2−(4−nヘプチルシクロヘキシル)エチル]シクロヘキシル}フェニルメチル−1,3−ジアミノベンゼン{式(I−18)/R23=C15}:7Ch2Ch
5−(4−nプロピルシクロヘキシル)フェニルメチル−1,3−ジアミノベンゼン{式(I−16)/R23=C}:3Ch
4,4’−ジアミノジフェニルメタン{式(VI−1)}:DDM
1−フェニルメチル−2,5−ジアミノベンゼン{式(V−6)}:P1PDA
[溶剤]
N−メチル−2−ピロリドン:NMP
ブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル):BC
<1.ポリアミック酸の合成>
[ポリアミック酸Aの合成]
合成例1
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた100mlの四つ口フラスコに、7Ch2Chを3.2449g(6.639mmol:モル分率=0.45)、DDMを0.1462g(0.737mmol:モル分率=0.05)および脱水NMP20gを入れ、乾燥窒素気流下攪拌溶解した。次いでPMDA1.6089g(7.376mmol:モル分率=0.5)を添加し、反応温度を約30℃以下に抑えて30時間反応させた。
得られた溶液に、NMP40gおよびBC35gを加えて、濃度が5重量%のポリアミック酸溶液を合成した。得られたポリアミック酸溶液を75℃で3時間加熱した後、約30℃以下に冷却して、ポリアミック酸溶液(PA1)を合成した。得られたPA1の重量平均分子量は44,000であった。
ここで、ポリアミック酸の重量平均分子量は、得られたポリアミック酸を(リン酸/DMF=0.6/100:重量比)希釈液でポリアミック酸濃度が約1重量%になるように希釈し、クロマトパックC−R7A(島津製作所製)を用いて、上記希釈液を展開剤としてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。なお、カラムはGF−7HQ(昭和電工株式会社製)を使用し、カラム温度50℃、流速0.6ml/minの条件で測定した。
合成例2
加熱時間3時間を13時間に変更した以外は、合成例1に準拠してポリアミック酸溶液(PA2)を合成した。得られたPA2の重量平均分子量は24,000であった。
合成例3
加熱時間3時間を16時間に変更した以外は、合成例1に準拠してポリアミック酸溶液(PA3)を合成した。得られたPA3の重量平均分子量は21,000であった。
合成例4
加熱温度75℃を120℃に変更し、加熱時間3時間を16時間に変更した以外は、合成例1に準拠してポリアミック酸溶液(PA4)を合成した。得られたPA4の重量平均分子量は9,500であった。
合成例5
7Ch2Ch、DDMおよびPMDAのモル分率をそれぞれ0.35、0.15および0.5に変更した以外は、合成例3に準拠してポリアミック酸溶液(PA6)を合成した。得られたPA5の重量平均分子量は24,500であった。
合成例6
7Ch2Ch、DDMおよびPMDAのモル分率をそれぞれ0.25、0.25および0.5に変更した以外は、合成例3に準拠してポリアミック酸溶液(PA6)を合成した。得られたPA6の重量平均分子量は23,000であった。
合成例7
7Ch2Ch、DDMおよびPMDAのモル分率をそれぞれ0.15、0.35および0.5に変更した以外は、合成例3に準拠してポリアミック酸溶液(PA7)を合成した。得られたPA7の重量平均分子量は17,500であった。
合成例8
PMDAをCBDAに代えて、7Ch2Ch、DDMおよびCBDAのモル分率をそれぞれ0.25、0.25および0.5に変更した以外は、合成例3に準拠してポリアミック酸溶液(PA8)を合成した。得られたPA8の重量平均分子量は23,500であった。
合成例9
DDMをP1PDAに代えて、7Ch2Ch、P1PDAおよびPMDAのモル分率をそれぞれ0.25、0.25および0.5に変更した以外は、合成例3に準拠してポリアミック酸溶液(PA9)を合成した。得られたPA9の重量平均分子量は19,000であった。
合成例10
7Ch2Chを3Chに代えて、3Ch、DDMおよびPMDAのモル分率をそれぞれ0.45、0.05および0.5に変更した以外は、合成例3に準拠してポリアミック酸溶液(PA10)を合成した。得られたPA10の重量平均分子量は24,500であった。
[ポリアミック酸Bの合成]
合成例11〜12
表1に示したモル分率にテトラカルボン酸二無水物、ジアミンを変更し、加熱温度75℃を60℃に変更し、加熱時間3時間を4時間に変更した以外は、合成例1に準拠してポリアミック酸溶液(PA11〜PA12)を合成した。
合成例1〜合成例12の結果を表1にまとめた。(PA1〜PA12)
<2.液晶表示素子の作製>
[実施例1]
合成例2で合成したポリアミック酸溶液(PA2)0.4gおよび合成例11で合成したポリアミック酸溶液(PA11)3.6gを混合した後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤で4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を−10℃で2日間冷凍保存した。その後、常温に戻したところ、視認できる沈殿が生じたり、2層に分離することも無く、溶剤に対する溶解性は良好であった。得られた液晶配向剤を用いて、下記の通り垂直配向液晶表示素子を作製した。
垂直配向液晶表示素子の作製方法
液晶配向剤を、2枚のITO電極付きガラス基板の各々にスピンナーにて塗布し、膜厚70nmの膜を形成した。塗膜後80℃にて約5分間加熱乾燥した後、220℃にて30分間加熱処理を行い、液晶配向膜を形成した。
配向膜が形成されたガラス基板を、株式会社飯沼ゲージ製作所製のラビング処理装置を用いて、ラビング布(毛足長1.9mm:レーヨン)の毛足押し込み量0.30mm、ステージ移動速度を60mm/sec、ローラー回転速度を1000rpmの条件で、ラビング処理した。配向膜が形成されたガラス基板を超純水中で5分間超音波洗浄してからオーブン中120℃で30分間乾燥した。
一方のガラス基板に4μmのギャップ材を散布し、配向膜を形成した面を内側にしてラビング方向が逆平行になるように対向配置させた後、エポキシ硬化剤でシールし、ギャップ4μmのアンチパラレルセルを作製した。該セルに下記する液晶組成物Bを注入し、注入口を光硬化剤で封止した。次いで、110℃で30分間加熱処理を行い、垂直配向液晶表示素子を作製した。
[実施例2〜8]
PA2の代わりにPA3、PA5〜10を用いたこと以外は、実施例1と同様に液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤の溶解性(−10℃で2日間の冷凍保存後)は良好であった。さらに、得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に垂直配向液晶表示素子を作製した。
[実施例9]
PA11の代わりにPA12を用いたこと以外は、実施例1と同様に液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤の溶解性(−10℃で2日間の冷凍保存後)は良好であった。さらに、得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に垂直配向液晶表示素子を作製した。
[比較例1]
PA2の代わりにPA1を用いたこと以外は、実施例1と同様に液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を−10℃で2日間冷凍保存した。その後、常温に戻したところ、視認できる沈殿は生じなかったが、2層の領域に分離したため垂直配向液晶表示素子の作製を断念した。
[比較例2]
合成例4で合成したポリアミック酸溶液(PA4)4.0gをNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤で4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を−10℃で2日間冷凍保存した。その後、常温に戻したところ、視認できる沈殿が生じたり、2層に分離することも無く、溶剤に対する溶解性は良好であった。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様にITO電極付きガラス基板にスピンナーにて塗布した。80℃にて約5分間加熱乾燥した後、220℃にて30分間加熱処理を行い液晶配向膜を形成した。さらに、実施例1と同様にラビング処理を行ったところ、膜強度が弱いためか膜削れが発生し垂直配向液晶表示素子の作製を断念した。
[比較例3〜比較例4]
合成例11および合成例12で合成したポリアミック酸溶液(PA11)4.0gおよびポリアミック酸溶液(PA12)4.0gをそれぞれNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤で4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤の溶解性(−10℃で2日間の冷凍保存後)は良好であった。さらに、得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に垂直配向液晶表示素子を作製した。
<3.評価結果>
得られた垂直配向液晶表示素子のプレチルト角の測定をクリスタルローテーション法により行った。溶解性(−10℃で2日間の冷凍保存後)、膜強度の結果を含めて評価結果を表2にまとめた。なお、85〜90°程度の高いプレチルト角が得られていれば、垂直配向液晶表示素子に好適である。
表2の実施例1〜実施例9および比較例1、比較例2に示されたように、前記一般式(I)で示される側鎖構造を有するジアミンを含むジアミン化合物を反応させて得られる、重量平均分子量が1.0×10〜4.0×10であれば、良好な溶解性が得られ、膜削れも発生しないことがわかる。
さらに、表2の比較例3、比較例4に示されたように、前記一般式(I)で示される側鎖構造を有するジアミンを含むジアミン化合物を反応させて得られるポリアミック酸を含有しない液晶配向剤は、重量平均分子量が4.0×10以上であっても良好な溶解性が得られ、膜削れも発生しないが、プレチルト角が小さいため垂直配向液晶表示素子には使用できないことがわかる。
以上のように、本発明のポリアミック酸およびその誘導体を含む液晶配向剤は、垂直配向液晶表示素子用の液晶配向膜の形成に使用されることができる。そして、本発明の好ましい態様によれば、該液晶配向剤は良好な溶解性を有しており、形成される液晶配向膜は配向処理後に膜削れが発生しない。
本発明の液晶配向剤により形成される液晶配向膜は、垂直配向液晶表示素子用の液晶配向膜として有用である。この液晶配向膜を用いた本発明の垂直配向液晶表示素子は視野角が広く、極めて高いコントラストを実現することができる。

Claims (20)

  1. ポリアミック酸またはその誘導体、ならびに溶剤を含有する垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤であって、
    下記一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンを含むジアミン化合物A1と、テトラカルボン酸二無水物化合物A2とを反応させて得られる重量平均分子量が1.5×10〜2.5×10であるポリアミック酸またはその誘導体Aを含有することを特徴とする垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤、但し、ポリアミック酸またはその誘導体Aとして、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、p−フェニレンジアミン、4−{4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ}−1,3−ジアミノベンゼン及び2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリンを反応させて得られるポリアミック酸及び可溶性ポリイミドを除く
    [式(I)において、
    は、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−または炭素数1〜6のアルキレンであり、
    は、ステロイド骨格を有する基、下記式(II)で表される基、またはベンゼン環に結合している2つのアミノ基の位置関係がパラのときは炭素数1〜20のアルキル、もしくは該位置関係がメタのときは炭素数1〜10のアルキルまたはフェニルであり、
    該アルキルのうち炭素数2〜6のアルキルにおいては、任意の−CH−が−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、
    該フェニルの環形成炭素に結合している水素は、−F、−CH、−OCH、−OCHF、−OCHFまたは−OCFと置き換えられていてもよい。]
    [式(II)において、
    10、R11およびR12はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−または炭素数1〜3のアルキレンであり、
    13およびR14はそれぞれ独立して、−Fまたは−CHであり、
    環Cは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、
    15は−F、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のフッ素置換アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、−OCHF、−OCHFまたは−OCFであり、
    a、bおよびcはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し、
    d、eおよびfはそれぞれ独立して0〜3の整数を表し、fが2または3であるとき複数の環Cは同一の基であっても異なる基であってもよく、
    gおよびhはそれぞれ独立して0〜2の整数を表し、かつ
    d+e+f≧1である。]
  2. 前記一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンが、Rが単結合、−O−、−COO−、−OCO−、炭素数1〜2のアルキレンであり、Rが前記式(II)で表される基であり、
    前記式(II)において、R10、R11およびR12はそれぞれ独立して、単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、R13およびR14はそれぞれ独立して、−Fまたは−CHであり、環Cは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、R15は炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数1〜20のアルコキシであり、a、bおよびcはそれぞれ独立して0〜1の整数を表し、d、eおよびfはそれぞれ独立して0〜1の整数を表し、gおよびhは0〜1の整数を表し、かつd+e+f≧1であることを特徴とする、請求項1に記載の垂直配向液晶表示用の液晶配向剤。
  3. 前記ジアミン化合物A1において、一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンの総含有量が、ジアミン全体の30〜100モル%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
  4. ポリアミック酸またはその誘導体、ならびに溶剤を含有する垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤であって、
    下記一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンを含むジアミン化合物A1と、テトラカルボン酸二無水物化合物A2とを反応させて得られる重量平均分子量が1.5×10〜2.5×10であるポリアミック酸またはその誘導体Aを含有することを特徴とする、請求項1に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
    [式(I)において、
    は、炭素数1〜2のアルキレンであり、Rは、下記式(II)で表される基である。]
    [式(II)において、
    10、R11およびR12はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−または炭素数1〜3のアルキレンであり、
    13およびR14はそれぞれ独立して、−Fまたは−CHであり、
    環Cは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、
    15は−F、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のフッ素置換アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、−OCHF、−OCHFまたは−OCFであり、
    a、bおよびcはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し、
    d、eおよびfはそれぞれ独立して0〜3の整数を表し、fが2または3であるとき複数の環Cは同一の基であっても異なる基であってもよく、
    gおよびhはそれぞれ独立して0〜2の整数を表し、かつ
    d+e+f≧1である。]
  5. 前記式(II)において、R10、R11およびR12はそれぞれ独立して、単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、R13およびR14はそれぞれ独立して、−Fまたは−CHであり、環Cは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、R15は炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数1〜20のアルコキシであり、a、bおよびcはそれぞれ独立して0〜1の整数を表し、d、eおよびfはそれぞれ独立して0〜1の整数を表し、gおよびhは0〜1の整数を表し、かつd+e+f≧1であることを特徴とする、請求項4に記載の垂直配向液晶表示用の液晶配向剤。
  6. 前記ジアミン化合物A1において、一般式(I)で表される側鎖構造を有するジアミンの総含有量が、ジアミン全体の30〜100モル%であることを特徴とする、請求項4または5に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
  7. ポリアミック酸またはその誘導体、ならびに溶剤を含有する垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤であって、
    下記式(I−13)〜(I−23)のいずれかで表される側鎖構造を有するジアミンを含むジアミン化合物A1と、テトラカルボン酸二無水物化合物A2とを反応させて得られる重量平均分子量が1.5×10〜2.5×10であるポリアミック酸またはその誘導体Aを含有することを特徴とする、請求項1に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
    [式(I−13)〜(I−23)において、R22は炭素数3〜12のアルキルまたは炭素数3〜12のアルコキシであり、R23は炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数1〜10のアルコキシである。]
  8. 前記ジアミン化合物A1において、前記式(I−13)〜(I−23)で表されるジアミンの総含有量が、ジアミン全体の30〜100モル%であることを特徴とする、請求項7に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
  9. ポリアミック酸またはその誘導体、ならびに溶剤を含有する垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤であって、
    下記式(I−16)〜(I−18)のいずれかで表される側鎖構造を有するジアミンを含むジアミン化合物A1と、テトラカルボン酸二無水物化合物A2とを反応させて得られる重量平均分子量が1.5×10〜2.5×10であるポリアミック酸またはその誘導体Aを含有することを特徴とする、請求項1に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
    [式(I−16)〜(I−18)において、R23は炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数1〜10のアルコキシである。]
  10. 前記ジアミン化合物A1において、前記式(I−16)〜(I−18)で表されるジアミンの総含有量が、ジアミン全体の30〜100モル%であることを特徴とする、請求項9に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
  11. ポリアミック酸またはその誘導体、ならびに溶剤を含有する垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤であって、
    下記式(I−16)〜(I−18)のいずれかで表される側鎖構造を有するジアミンと、下記式(V−6)または(VI−1)で表されるジアミンとを含むジアミン化合物A1と、テトラカルボン酸二無水物化合物A2とを反応させて得られる重量平均分子量が1.5×10〜2.5×10であるポリアミック酸またはその誘導体Aを含有することを特徴とする、請求項1に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
  12. 前記ジアミン化合物A1において、前記式(I−16)〜(I−18)で表されるジアミンの総含有量が、ジアミン全体の30〜100モル%であることを特徴とする、請求項11に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
  13. 2種以上のポリアミック酸またはその誘導体、ならびに溶剤を含有する垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤であって、
    A)請求項1〜12のいずれか一項に記載のポリアミック酸またはその誘導体A、ならびに
    B)下記一般式(III)〜(VIII)で表されるジアミンを含むジアミン化合物B1と、テトラカルボン酸二無水物化合物B2とを反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体B、を含有することを特徴とする、請求項1に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
    [式(III)〜(VIII)において、
    Xは、単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−(CH−、−O−(CH−O−、−S−(CH−S−であり、ここでmは1〜6の整数であり、
    Yは、単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH−、−C(CF−または炭素数1〜3のアルキレンであり、
    シクロヘキサン環またはベンゼン環に結合している水素は、−F、−CHと置き換えられていてもよい。さらに、式(V)中のベンゼン環に結合している水素はベンジルで置き換えられていてもよい。]
  14. 前記ポリアミック酸またはその誘導体Aとポリアミック酸またはその誘導体Bとの重量比が、1/99〜50/50であることを特徴とする、請求項13に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
  15. 前記ポリアミック酸またはその誘導体Aとポリアミック酸またはその誘導体Bとの重量比が、5/95〜20/80であることを特徴とする、請求項13に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
  16. 前記テトラカルボン酸二無水物化合物A2、下記式(1)〜(13)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物、および下記式(14)〜(62)で表される脂肪族テトラカルボン酸二無水物もしくは脂環式テトラカルボン酸二無水物からなる群より選択される1種または2種以上を含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
  17. 前記テトラカルボン酸二無水物化合物A2、ピロメリット酸二無水物及び/又はシクロブタンテトラカルボン酸二無水物を含むことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
  18. 前記テトラカルボン酸二無水物化合物B2が、下記式(1)〜(13)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物、および下記式(14)〜(62)で表される脂肪族テトラカルボン酸二無水物もしくは脂環式テトラカルボン酸二無水物からなる群より選択される1種または2種以上を含むことを特徴とする、請求項13に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
  19. 前記テトラカルボン酸二無水物化合物B2が、ピロメリット酸二無水物及び/又はシクロブタンテトラカルボン酸二無水物を含むことを特徴とする、請求項13に記載の垂直配向液晶表示素子用の液晶配向剤。
  20. 1)対向配置されており、双方に電極が配置された一対の基板、
    2)前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜、および
    3)前記一対の基板間に挟持された垂直に配向した液晶層、を含む垂直配向液晶表示素子であって、
    前記液晶配向膜は、前記基板に請求項1〜19のいずれか一項に記載の液晶配向剤を塗布し、加熱することによって形成される液晶配向膜である垂直配向液晶表示素子。
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