JP2008075252A - コンクリート型枠形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンクリートの養生・硬化の際にコンクリート内の余剰水や空気を排出するために、型枠パネルの内側に内張ボードを備えたコンクリート型枠を形成する方法であって、経済性、機能性に優れたコンクリート型枠の形成方法を提供する。
【解決手段】本実施形態に係るコンクリート型枠形成方法は、型枠パネル3を所定の位置に設置する工程(S11)と、プレス成型により成型された剛性を有する繊維ボード30を前記型枠パネル3の内面に固定する工程(S12)と、多孔性フィルム20を繊維ボード30の形状に合わせて成形する工程(S13)と、セメント粒子の通過を阻止しながら水及び空気の通過を許容する細孔が多数設けられると共に、一方の面に粘着層が設けられた多孔性フィルム20を、繊維ボード30表面に着脱可能に貼り付ける工程(S14)と、を備えている。
【選択図】図4
【解決手段】本実施形態に係るコンクリート型枠形成方法は、型枠パネル3を所定の位置に設置する工程(S11)と、プレス成型により成型された剛性を有する繊維ボード30を前記型枠パネル3の内面に固定する工程(S12)と、多孔性フィルム20を繊維ボード30の形状に合わせて成形する工程(S13)と、セメント粒子の通過を阻止しながら水及び空気の通過を許容する細孔が多数設けられると共に、一方の面に粘着層が設けられた多孔性フィルム20を、繊維ボード30表面に着脱可能に貼り付ける工程(S14)と、を備えている。
【選択図】図4
Description
本発明は、コンクリート型枠を形成する方法に関し、特に、コンクリートの養生・硬化の際にコンクリート内の余剰水や空気を排出するために型枠パネルの内側に貼付される内張ボード(シート)を備えたコンクリート型枠の形成方法に関する。
一般に、コンクリート構造物は、木製や金属製のパネルを用いて枠組みすることでコンクリート型枠を形成し、この型枠内にコンクリートを流し込んで締め固めて、これを養生・硬化させた後、上記型枠を除去して構築される。このとき、セメントに対する水の使用量を少なくすればコンクリートの品質を向上させることができるが、水の使用量を少なくすればコンクリート打設の際の作業性が低下するため、実際にはある程度の過剰の水を使用して作業性を担保している。
このように過剰に加えられている水は、養生・硬化の際に外部へ排出されることが望ましいので、コンクリートに接する型枠の内側内面に、骨材やセメント粒子を通さないで透水性・通気性を有するシートを貼付する構成が、従来から多数提案されており、例えば、下記特許文献1乃至3に、このようなコンクリート型枠用内張シート(ボード)が開示されている。これら引用文献1乃至3には、コンクリート側に設置される多数の細孔が設けられた多孔性合成繊維フィルムと、型枠パネル側に位置する不織布等の繊維ボードとを、熱圧着や接着剤により接着したコンクリート型枠用内張ボードが開示されている。
しかし、上記特許文献1乃至3に開示されているコンクリート型枠用内張ボードは、コンクリート打設後に内張ボードを除去した際に、内張ボードの多孔性フィルム表面にコンクリートが付着するなどして、いったん透水性が損なわれると、繊維ボード及び多孔性フィルムからなる内張ボードごと廃棄するしかなく、コスト面や環境負荷の面でも好ましいものではなかった。
なお、特許文献1及び2には、多孔性フィルム(合成樹脂フィルム、フィルタ層)表面にはコンクリートが付着しないので、そのままコンクリート型枠用内張ボードを再利用できる旨の記載があるが、実際には、多少のコンクリートが付着したり、細孔がセメントによって塞がれたりするため、一度使用されると透水性は低下してしまう。よって、使用済みの内張シートをそのまま再利用すると、次のコンクリート構造物にむらが生じてしまう等の問題が発生する。
また、特許文献3には、コンクリート成分は、合成樹脂フィルムに付着するだけであるので、フィルムの表面に有機酸を塗布すれば付着したコンクリート成分を簡単に落とすことができ、再利用できる旨の記載があるが、手間がかかるし、細孔内のコンクリート成分を完全に除去するのは困難である。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、コンクリートの養生・硬化の際にコンクリート内の余剰水や空気を排出するために、型枠パネルの内側に内張ボードを備えたコンクリート型枠を形成する方法であって、経済性、機能性に優れたコンクリート型枠の形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るコンクリート型枠の形成方法は、コンクリート型枠を形成する方法であって、型枠パネルを所定の位置に設置する型枠パネル設置工程と、プレス成型により成型された剛性を有する繊維ボードを前記型枠パネルの内面に固定する繊維ボード固定工程と、セメント粒子の通過を阻止しながら水及び空気の通過を許容する細孔が多数設けられると共に、一方の面に粘着層が設けられた多孔性合成樹脂フィルムを、前記繊維ボード表面に着脱可能に貼り付ける多孔性フィルム貼付工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るコンクリート型枠の形成方法は、コンクリート型枠を形成する方法であって、プレス成型により成型された剛性を有する繊維ボードが固定された型枠パネルを、前記繊維ボード側を内側にして所定の位置に設置する型枠パネル設置工程と、セメント粒子の通過を阻止しながら水及び空気の通過を許容する細孔が多数設けられると共に、一方の面に粘着層が設けられた多孔性合成樹脂フィルムを、前記繊維ボード表面に着脱可能に貼り付ける多孔性フィルム貼付工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るコンクリート型枠用多孔性合成樹脂フィルムは、コンクリート型枠においてコンクリートに接する内面に設置される多孔性合成樹脂フィルムであって、一方の面に前記繊維ボードに着脱可能に粘着するための粘着層を備えると共に、セメント粒子の通過を阻止しながら水及び空気の通過を許容する細孔が多数設けられており、現場において、型枠パネルの内面に固定される繊維ボード表面に貼り付けられることを特徴とする。
本発明に係るコンクリート型枠の形成方法によれば、コンクリートの余剰水を効率よく排水できると共に、コンクリート型枠を容易に再利用することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本実施形態では、従来のように予め繊維ボードと多孔性フィルムとを接着してコンクリート型枠用内張ボードを生成し、コンクリート施工現場で内張ボードを型枠パネルに合わせることでコンクリート型枠を形成するのではなく、繊維ボードと多孔性フィルムとを別々に用意しておいて、現場で型枠パネルに繊維ボードを取り付けた後に、多孔性フィルムを貼ることで、コンクリート型枠を形成することを特徴としている。
図1は、本実施形態において使用される多孔性フィルムを示す図であり、図1(a)は、多孔性フィルムの一部断面図を示しており、図1(b)は、多孔性フィルムをロール状に巻いた状態を示している。図2は、本実施形態において使用される繊維ボードに多孔性フィルムを貼付した内張ボードの一部断面図である。図3は、本実施形態において、施工現場でコンクリート型枠を設置してコンクリートを打設した状態を示す一部断面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る多孔性フィルム20は、合成樹脂フィルムであり、フィルム面には1〜10mm程度のピッチでφ25〜50μm程度の細孔21が多数形成されている。この細孔21は、骨材やセメント粒子の通過を阻止しながら、水及び空気の通過を許容する作用を奏する。多孔性フィルム20のフィルム本体の一方の面には粘着層22が設けられている。
合成樹脂フィルムの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、アクリル変成塩化ビニル、低発泡ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ポリ塩化ビニル、PET−G(ポリエチレンテレフタレート・ガラス)等が用いられるが、好ましくは、生分解性の合成樹脂フィルムを用いるのが望ましい。生分解性合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクタム、ポリビニルアルコール等が用いられる。もちろん、合成樹脂フィルムの材料はこれらに限定されるものではなく、適宜、他の材料を用いることができる。
粘着層22を構成する材料としては、多孔性フィルム20を繊維ボードに貼ったり剥がしたりできるように、セロファンテープ、ビニールテープ、ガムテープ、粘着テープ等の粘着面に使用されているような粘着剤が用いられる。具体的には、例えば、ラテックスを主成分とする天然ゴム系粘着剤や、アクリル酸エステルモノマーを極性の高いモノマーと共重合させたアクリル系粘着剤が使用される。このような粘着剤を粘着層22に使用すれば、多孔性フィルム20を、粘着層22を介して繊維ボード30に貼り付けて、コンクリート型枠用内張ボードを構成した後であっても、容易に多孔性フィルム20を繊維ボード30から剥がすことができる。
多孔性フィルム20の細孔21は、合成樹脂フィルム本体の一方の面に粘着剤を塗布して粘着層22を設けた後に、ニードル等により開けられる。先にフィルム本体に穴を開けてから粘着材を塗布すると、細孔21を粘着材で塞いでしまうおそれがあるからであす。なお、粘着剤をスプレーで噴射して粘着層を形成する場合には、細孔21を塞ぐ心配がほとんどないので、先にフィルム本体に穴を開けておいても良い。
また、図1(b)に示すように、多孔性フィルム20は、ロール芯25にロール状に巻かれた状態で施工現場に提供される。本実施形態に係る多孔性フィルム20は厚みが1mmで、ロール状多孔性フィルムの幅が106cm、長さが50mである。もちろん、多孔性フィルムの提供形態は、ロール状に限られず、例えば、106cm×212cmのサイズのシート状で提供するようにしても良い。この場合には、各フィルムシートを着脱可能な台紙に貼付した状態で現場へ持ち込むようにすれば良い。
続いて、コンクリート打設の施工現場において形成されるコンクリート型枠1の構成について、図2を参照して説明する。同図に示すように、コンクリート型枠1は、木製又は金属製の型枠パネル3と、多孔性フィルム20及び繊維ボード30からなる内張ボード4とから構成される。型枠パネル3は、通常、縦横1m×2m(又は、3尺×6尺)の大きさを有しており、コンクリート構造物の形状に合わせて、施工現場で適宜切断・成形される。
内張ボード4は、後述するように、まず、繊維ボード30が型枠パネル3に固定された後に、繊維ボード30を覆うように粘着層22を介して多孔性フィルム20を繊維ボード30に貼り付けることで形成される。その後、コンクリート型枠1の内側(多孔性フィルム側)にコンクリート5が流し込まれ、養生・硬化される。
このように、繊維ボード30を覆うように多孔性フィルム20を貼付する、すなわち、端を折り曲げて型枠パネル3まで延伸させて繊維ボード30の端を包み込むように多孔性フィルム20を貼り付けることで、コンクリートを型枠内に投入する際等に型枠内からはみ出したコンクリート5が繊維ボード30と型枠パネル3の隙間に流れ込んで、型枠パネル3や繊維ボード30の表面にコンクリートが固まって付着することを防止できる。表面にコンクリートが付着した型枠パネルや繊維ボードは、そのままでは再利用が困難であり、付着したコンクリートを取り除く等の手間が必要となるが、本実施形態によれば、そのような手間がかからない。
繊維ボード20は、ポリエステル繊維の不織布を熱間プレスした後に冷間プレスすることで成型される、透水性を有するボードである。また、繊維ボード20は、簡単に折り曲がったりしないように全体として所定の剛性を持ち、表面層が内部に比べて高密度に成型され、平坦性にも優れている。本実施形態に係る繊維ボード20は、厚さ2mm、縦横1m×2m(又は、3尺×6尺)の大きさを有している。もちろん、繊維ボード30は、ポリエステル繊維をプレスしたものに限定されず、透水性を有し、且つ剛性を有するボードを成型できる材料、製法を適宜採用することができる。
このように剛性を有する繊維ボード30であれば、型枠パネル3の表面に凹凸があったとしても、その凹凸により繊維ボードが変形することがないので、コンクリート構造物の表面を平坦性に優れた表面として成型することができる。
また、図3に示すように、多孔性フィルム20は、その粘着層22を介して繊維ボード30に貼り付けられている。コンクリート5の養生時には、コンクリート内の余剰水等が、細孔21を通って通水層としての繊維ボード30へと染み出し、繊維ボード30内に保持されると共に型枠外へも排出される。繊維ボード30内に保持された水分は、適当な湿潤条件下でコンクリートの養生を行うことに寄与する。
続いて、上述した型枠パネル3、多孔性フィルム30、繊維ボード30等を用いて、コンクリート構造物を成型する手順について説明する。図4は、本実施形態に係るコンクリート型枠の形成方法を用いたコンクリート打設の手順を示すフローチャートである。
まず、S11において、型枠パネル3をコンクリート施工現場の所定の位置に設置する。通常は、縦横1m×2m(又は、3尺×6尺)の大きさのまま使用されるが、コンクリート構造物の形状によっては、適宜、切断されて所望の形状に成形された後に設置される。
続いて、S12において、図2に示すように、繊維ボード30を型枠パネル3の内面に、釘打ちやタッカにより固定する。この際、一枚当たりの型枠パネル3と繊維ボードの縦横の大きさは同じであるため、型枠パネル3を切断・成形していない場合には、繊維ボード30のパネルをそのまま型枠パネルの内面に固定すればよいが、所定の形状に切断・成形された型枠パネル3に対しては、繊維ボードも当該形状と同じに切断・成形した後に、当該型枠パネル内面に固定設置する。
本実施形態では、繊維ボード一枚当たり、40箇所を釘打ちにより固定する。なお、S11とS12については、型枠パネル3に繊維ボード30を固定した後に、施工現場の所定の位置に型枠パネル3及び繊維ボード30を一緒に設置するようにしても良い。
そして、S13へと進み、ロール状の多孔性フィルム20を引き出しながら、型枠パネル(繊維ボード)の大きさに合わせて切断・成形する。このとき、繊維ボード30のサイズよりも少し大きめに(例えば4,5cm程度)多孔性フィルムを切断する。なお、型枠パネル3及び繊維ボード30の縦は1mであるから、通常であれば、多孔性フィルム20の幅方向(106cm)はそのままで、長さ方向のみを繊維ボードに合わせて切断することになる。
S14においては、S13で成形した多孔性フィルム20の粘着層22側を繊維ボード30に貼り付ける(図2及び図3参照)。このとき、多孔性フィルム20のサイズが繊維ボード30のサイズよりも若干大きいので、図3に示すように、繊維ボード30の端を包み込むように、多孔性フィルム20の余った端部を折り曲げ、その先端を型枠パネル3の端面に貼り付ける。これにより、こぼれたコンクリート成分が、型枠パネル3と繊維ボード30の間に入り込み、これらに付着するのを防止することができる。
また、本実施形態においては、繊維ボード30を型枠パネル3に固定した後に、多孔性フィルム20を繊維ボード30に貼付しているので、繊維ボードを釘打ちやタッカで型枠パネルに固定する際に繊維ボードの表面に打ち付けられる釘や針の形状が、コンクリート構造物の表面に転写され、コンクリート構造物の平坦性を阻害するといったことを防止することができる。すなわち、従来のように、多孔性フィルムと繊維ボードとを予め一体に接着して内張ボードを構成し、この内張ボードを現場で型枠パネルに釘打ち又はタッカで固定する場合には、コンクリートに接する型枠内面に針や釘の突起物が存在してしまうが、本実施形態では、1mmの厚さを有する柔軟な多孔性フィルムで釘や針等の表面を覆うので、この突起形状がコンクリート表面に転写することを防止することができる。
S14において、多孔性フィルム20の貼付が全て終了すると、コンクリート型枠1の設置が完了するので、S15に進み、コンクリート5の打設を行う。その後、S16において、所定の期間(例えば、三日)コンクリートの養生を行い、コンクリートを固化させる。この養生の過程において、コンクリート内の余剰水や気泡として含有される空気が、多孔性フィルム20の細孔21を通って繊維ボード30へと排出される。これにより、成型されたコンクリート構造物には、余剰水や気泡等によるアバタが生じない。よって、モルタルによってアバタを補修するといった作業も必要なく、打設作業を簡素化できる。また、コンクリートの密度も高くなるため、コンクリート構造物の外観も綺麗で、その強度も強くなると共に、二酸化炭素によってコンクリートが中性化して劣化したり、内部の水分の凍結によりひび割れが生じたりといった経年劣化も最小限に抑えることができる。また、繊維ボード30がある程度の湿潤状態を保持する等、養生条件も良く、コンクリート構造物の強度さらに高くなる。
続いて、S17において、コンクリート型枠1を除去すれば、所望のコンクリート構造物が完成する。
次に、使用済みのコンクリート型枠1の再利用について説明する。本実施形態においては、多孔性フィルム20を除いて、全て再利用可能である。まず、除去したコンクリート型枠1から多孔性フィルム20を剥がす。上述したように、多孔性フィルム20は、繊維ボード30に粘着しているだけであるので、簡単に剥がすことができる。
このとき、型枠パネル3に繊維ボード30が釘等で固定された状態であるが、通常は、このまま次のコンクリート構造物の打設現場にそのまま設置すれば良い。もし、サイズの調整が必要な場合には、型枠パネルと繊維ボードを固定したまま所定の形状に切断しても良いし、釘を抜いて繊維ボードを外してから、型枠パネルと繊維ボードをそれぞれ切断し、再度、釘打ち等で固定するようにしても良い。
続いて、上記S13以降と同様に、新しい多孔性フィルム20を所定の形状に成形して、繊維ボード30に貼れば良い。さらに、次の現場で再度再利用する場合にも、多孔性フィルム20を剥がせば、型枠パネル3及び繊維ボード30については何度でも再利用することができる。このように、本実施形態においては、コンクリート打設の度に多孔性フィルム20を廃棄するだけで、型枠パネル3及び繊維ボード30を何度でも再利用することができるので、非常に経済的にコンクリート打設を行える。
以上、本実施形態に係るコンクリート型枠形成方法について説明したが、本実施形態においては、多孔性フィルムを交換するだけで、繊維ボードを何度でも利用することができ、コスト的にメリットが大きい。また、繊維ボードの一方の面にコンクリートが付着する等して使えない場合でも、裏返して反対の面に多孔性フィルムを貼れば、再度利用することも可能である。このように、本実施形態によれば、強度が高く、表面の平坦性に優れたコンクリート構造物を提供できると共に、コンクリート打設によって型枠パネル及び繊維ボードがコンクリートで汚れることを防ぎ、これらを再利用することができるので、低コストでコンクリート構造物を成型することもできる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。本変形例では、コンクリート構造物表面に模様や絵柄等の図柄を映し出すことを特徴としている。そのため、本変形例においては、まず、細孔の大きさの異なる複数の多孔性フィルムを準備する。ここでは、細孔の直径が、50μmの多孔性フィルム20−1、100μmの多孔性フィルム20−2、200μmの多孔性フィルム20−3の三種類のフィルムを用意した。もちろん、それぞれのフィルムの構造は、上記実施形態の多孔性フィルム20と同じであるが、各多孔性フィルムを異なる色に着色しておけば、すぐに見分けがつくので便利である。
細孔の大きい多孔性フィルム(200μm)では、養生時に多少のセメント成分が抜けてしまうこともあり、コンクリート表面が黒くなる一方、細孔の小さい多孔性フィルム(50μm)では、セメント成分がほとんど抜けないので、コンクリート表面が白くなるので、細孔の大きさが異なる多孔性フィルムを組み合わせて使うことで、コンクリート表面に模様等の図柄を描くことができる。
本変形例では、上記S12の後に、繊維ボード30上に所望の模様や絵柄を描き、S13においては、描かれた模様や絵柄に合わせて、多孔性フィルム20−1〜3を選択的に切り取り、S14においては、ジグゾーパズルのように模様等の線に沿って切り取った多孔性フィルム20を貼り付ける。これにより、繊維ボード30に貼られた多孔性フィルム20は、模様等に合わせて細孔の大きさが異なる部分が存在することになる。図5は、多孔性フィルム20−1〜3を、組み合わせて繊維ボード30の貼り付けた一例を示す図である。
続いて、コンクリート5を流し込んで養生すると、多孔性フィルム20−1が貼られた部分では、ほとんどセメント成分が細孔を通過することはないが、多孔性フィルム20−2,3が貼られた部分では、その細孔の大きさに準じて多少のセメント成分が通過することになる。したがって、本変形例のように、細孔の大きさの異なる複数の多孔性フィルムを組み合わせて使用することで、コンクリート表面に黒白(グレー)の模様等を形成することができる。本変形例では、例えば、図5に示すような図形がコンクリート表面に転写される。
なお、本変形例においては、細孔の大きさの異なる複数種類の多孔性フィルムを組み合わせているが、多孔性フィルムに細孔を開ける際に、図柄等を考慮して、場所によって大きさの異なる穴を開けるようにすることで、一枚のフィルム内に細孔の大きさの異なる部分を形成するようにしても良く、同様にコンクリート表面に模様等を描くことができる。また、細孔の大きさと共に細孔を開ける位置のピッチを変えることによっても模様等を描くことが可能である。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態においては、繊維ボードの厚みを2mm、多孔性フィルムの厚みを1mmとしたが、適宜変更できることは言うまでもない。繊維ボードは、容易に折り曲がらないような剛性を保ちつつ、薄いほうが好ましく、1〜3mmの厚さとすれば良い。繊維ボードが厚くなると、型枠パネル表面からコンクリート表面までの距離が長くなり、コンクリート構造物のサイズに悪影響を与えるおそれもあるからである。また、多孔性フィルムは、10μm〜2mmの厚さが好ましく、厚い方が型枠パネルの凹凸や継ぎ目、釘やタッカ針等によってコンクリート表面の平坦性が失われるのを防止できるので良いが、厚くなりすぎると、上述したように、コンクリート構造物のサイズに悪影響を与えるおそれもある。
また、粘着層の材料も、天然ゴム系粘着材やアクリル系粘着材に限られず、多孔性フィルムを繊維ボードに対して着脱できる粘着剤であれば、スチレンブタジエン溶液系の粘着剤等、適宜他の粘着剤を使用できる。また、本実施形態では、粘着層を多孔性フィルムの一方の面全体に設けて、多孔性フィルムと繊維ボードとを全面粘着しているが、粘着層を面の一部に設け、多孔性フィルムと繊維ボードとを点接着や線接着するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、コンクリート構造物が設置される場所での打設工事について説明したが、工場等でコンクリート構造物を成型してから設置場所に運搬するようなケースにおいて、工場等の現場でコンクリート型枠形成する場合にも本発明が適用できるのは言うまでもない。
1 コンクリート型枠
3 型枠パネル
4 内張ボード
5 コンクリート
20 多孔性フィルム
21 細孔
22 粘着層
25 ロール芯
30 繊維ボード
3 型枠パネル
4 内張ボード
5 コンクリート
20 多孔性フィルム
21 細孔
22 粘着層
25 ロール芯
30 繊維ボード
Claims (5)
- コンクリート型枠を形成する方法であって、
型枠パネルを所定の位置に設置する型枠パネル設置工程と、
プレス成型により成型された剛性を有する繊維ボードを前記型枠パネルの内面に固定する繊維ボード固定工程と、
セメント粒子の通過を阻止しながら水及び空気の通過を許容する細孔が多数設けられると共に、一方の面に粘着層が設けられた多孔性合成樹脂フィルムを、前記繊維ボード表面に着脱可能に貼り付ける多孔性フィルム貼付工程と、
を備えることを特徴とするコンクリート型枠形成方法。 - 前記多孔性フィルム貼付工程に先立って、前記多孔性合成樹脂フィルムが貼り付けられる繊維ボードのサイズよりも若干大きく前記多孔性合成樹脂フィルムを成形する工程をさらに備え、
前記多孔性フィルム貼付工程は、当該多孔性合成樹脂フィルムの端を折り曲げて、前記繊維ボードの端部を覆うように添付する工程であることを特徴とする請求項1記載のコンクリート型枠形成方法。 - 前記多孔性フィルム貼付工程は、図柄に合わせて場所によって細孔の大きさの異なるフィルムを貼り付ける工程であって、打設されるコンクリート構造物の表面に図柄が転写されることを特徴とする請求項1又は2記載のコンクリート型枠形成方法。
- コンクリート型枠を形成する方法であって、
プレス成型により成型された剛性を有する繊維ボードが固定された型枠パネルを、前記繊維ボード側を内側にして所定の位置に設置する型枠パネル設置工程と、
セメント粒子の通過を阻止しながら水及び空気の通過を許容する細孔が多数設けられると共に、一方の面に粘着層が設けられた多孔性合成樹脂フィルムを、前記繊維ボード表面に着脱可能に貼り付ける多孔性フィルム貼付工程と、
を備えることを特徴とするコンクリート型枠形成方法。 - コンクリート型枠においてコンクリートに接する内面に設置される多孔性合成樹脂フィルムであって、
一方の面に前記繊維ボードに着脱可能に粘着するための粘着層を備えると共に、セメント粒子の通過を阻止しながら水及び空気の通過を許容する細孔が多数設けられており、
現場において、型枠パネルの内面に固定される繊維ボード表面に貼り付けられることを特徴とするコンクリート型枠用多孔性合成樹脂フィルム。
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