JP5735333B2 - 化粧コンクリートの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態に係る化粧コンクリートの製造方法は、図1〜図5に示すように、コンクリート10の表面に、図形や写真等を表現するための化粧面(凹凸模様)40を形成するための技術に関するものである。この化粧コンクリートの製造方法は、表面に凹凸模様が形成された型枠20がコンクリート10と接触する面に剥離剤又は表面凝結遅延剤30を介在させてコンクリート10を打設し、所定の養生を行った後に、型枠20を取り外して、コンクリート10の表面を洗い出すことにより、コンクリート10の表面に化粧面(凹凸模様)40を形成するようになっている。
まず初めに、コンクリート10の打設工程について説明する。上述したように、コンクリート10を打設する方法には、プレキャストコンクリート板を製造する場合(実施例1及び実施例2)と、従来工法により打設する壁面等に直接、化粧面40を形成する場合(実施例3)とがある。
実施例1は、図1に示すように、打設するコンクリート10として、構造用軽量コンクリート骨材を用いた軽量コンクリートを使用する方法である。この際、打設したコンクリート10の性状等に応じて、締め固めが必要な場合には、コンクリート10中にバイブレータを挿入して、締め固めを行う。なお、構造用軽量コンクリート骨材とは、JIS A5002に規定された骨材のことであり、軽量コンクリートとは、この構造用軽量コンクリート骨材を使用したコンクリートのことである。このように、構造用軽量コンクリート骨材を用いた軽量コンクリートを使用することにより、たとえバイブレータを使用して締め固めを行ったとしても、粗骨材が型枠20の定盤(ベッド)面まで沈下することがない。したがって、化粧面40を洗い出しても粗骨材が顕れることがなく、鮮明な凹凸模様を形成することができる。
また、実施例2は、図2に示すように、底面となる型枠20の上面にモルタル50を打設し、当該モルタル50の上部に粗骨材を含むコンクリート10を打設する方法である。このように、底面となる型枠20(凹凸模様を形成した型枠20)の上面にモルタル50を打設することにより、モルタル50に阻まれて粗骨材が型枠20の定盤(ベッド)面まで沈下することがない。したがって、化粧面40を洗い出しても粗骨材が顕れることがなく、鮮明な凹凸模様を形成することができる。
実施例3は、図3に示すように、打設するコンクリート10の側面に型枠20を設置して化粧面40を形成する場合であり、高流動コンクリートを使用することにより、コンクリート10内における気泡の残留を抑制することができる。なお、高流動コンクリートとは、所要スランプフローが50cm以上のコンクリート10のことである。このように、高流動コンクリートを使用することにより、コンクリート10内に気泡が残留せず、鮮明な凹凸模様を形成することができる。
次に、コンクリート10の表面洗い出し工程について説明する。本発明では、コンクリート10の表面洗い出し工程において、コンクリート10の表面洗い出し時期を管理し、さらに、コンクリート10の表面洗い出し方法を規定することにより、コンクリート10の表面に繊細な意匠を表現することができる。
コンクリート10の表面洗い出し時期の管理には、コンクリート10の打設日からの経過日数を用いて洗い出し時期を管理する方法と、コンクリート10の圧縮強度を用いて洗い出し時期を管理する方法とがある。
コンクリート10の表面の洗い出し方法では、コンクリート10の圧縮強度に応じて、適切な洗い出し方法を採用する。すなわち、打設したコンクリート10の圧縮強度σBが25N/mm2未満の場合(実施例4)には、散水とブラシ掛けを併用した洗い出しを行い、打設したコンクリート10の圧縮強度σBが25N/mm2以上の場合(実施例5)には、必要に応じて高圧洗浄水を使用することにより、コンクリートの硬化度合いに合わせて、適切な方法で、容易かつ確実に凹凸模様を形成する。
実施例4は、打設したコンクリート10の圧縮強度σBが25N/mm2未満の場合に行う基本的な洗い出し方法であり、図4に示すように、コンクリート表面に対して散水を行うと共に、コンクリート10の表面にブラシ掛けを行うことにより、コンクリート10の表面を洗い出す。散水は、一般的に使用されている水道ホースを用いて、水道水を噴出させることにより行う。また、ブラシ掛けに用いるブラシは、例えば洗車用のブラシを用いることができる。
実施例5は、コンクリート10の圧縮強度σBが25N/mm2以上の場合に行う洗い出し方法であり、散水及びブラシ掛けだけでは、コンクリート10の表面に残留した剥離剤又は表面凝結遅延剤30を十分に除去することができない場合に、必要に応じて高圧洗浄水を使用して、コンクリート10の表面を洗い出す。
本発明で使用する剥離剤又は表面凝結遅延剤30は、一般的に使用されている公知の剥離剤又は表面凝結遅延剤30を使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、剥離剤としては、コンクリート10とのアルカリ化学反応により金属セッケン被膜を形成するもの、鉱物脂を主成分とするもの等があり、打設するコンクリート10の性状や形成する凹凸模様等に応じて適宜選択して使用することができる。また、表面凝結遅延剤としては、例えば、紫外線硬化樹脂、アルカリにより加水分解する物質、カルシウムイオンを吸着する物質等があり、打設するコンクリート10の性状や形成する凹凸模様等に応じて適宜選択して使用することができる。
20 型枠
30 剥離剤又は表面凝結遅延剤
40 化粧面
50 モルタル
Claims (4)
- 表面に、図形又は写真の少なくとも一方を表現した凹凸模様が形成された型枠のコンクリート接触面に剥離剤又は表面凝結遅延剤を介在させてコンクリートを打設し、所定の養生を行った後に、前記型枠を取り外して、前記コンクリート表面を洗い出すことにより、前記コンクリート表面に前記図形又は写真の少なくとも一方を表現した凹凸模様と同様の模様を形成する化粧コンクリート製造方法であって、
打設するコンクリートの下面に前記型枠を設置して化粧面を形成する場合には、構造用軽量コンクリート骨材を用いた軽量コンクリートを使用し、又は前記型枠の上面にモルタルを打設すると共に当該モルタルの上部に粗骨材を含むコンクリートを打設して、粗骨材を型枠定盤面まで沈めることなく化粧面を製造し、
打設するコンクリートの側面に前記型枠を設置して化粧面を形成する場合には、高流動コンクリートを使用して、コンクリート内における気泡の残留を抑制して化粧面を製造する、
ことを特徴とする化粧コンクリートの製造方法。 - コンクリート打設日を0日とした場合に、2日目以内にコンクリートの表面洗い出しを行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の化粧コンクリートの製造方法。 - 打設した前記コンクリートの圧縮強度が10〜30N/mm 2 の範囲において、前記コンクリートの表面洗い出しを行う、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧コンクリートの製造方法。 - 打設した前記コンクリートの表面に対して散水を行うと共にブラシ掛けを行うことにより、前記コンクリート表面の洗い出しを行い、
前記コンクリートの圧縮強度が25N/mm2以上の場合には、高圧洗浄水を使用して、前記コンクリート表面の洗い出しを行う、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧コンクリートの製造方法。
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