JPH04333768A - 壁コンクリートの打設方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は壁コンクリートの打設方
法に係り、特に、タイル張り施工される壁面の構築に好
適に採用される壁コンクリートの打設方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、タイル壁面を形成するには、まず
型枠内に未硬化コンクリートを打設した後脱型してコン
クリート壁を構築する。そして、第８図に示す如く、こ
のコンクリート壁１の壁面に下地モルタル２を塗り付け
、張り付けモルタル３を裏面に盛り付けたタイル４をこ
の下地モルタル２に押し付ける。また、第９図に示す如
く、下地モルタルを省略し、張り付けモルタル３だけで
タイル４を直にコンクリート壁１に張り付けることも行
なわれている。

【０００３】従来のコンクリート壁の構築方法では、形
成されるコンクリート壁の壁面は型枠の内面通りの平坦
な仕上り面となる。このため、コンクリート壁１の壁面
と下地モルタル２又は張り付けモルタル３との接着が十
分になされず、コンクリート壁１から下地モルタル２又
は張り付けモルタル３が剥れ易く、タイルの脱落事故を
引き起こすという欠点がある。

【０００４】かかる問題点を解決しようとするものとし
て、特公昭５０−３１３７１号公報には、型枠面にスポ
ンジ片を取り付けておくと、このスポンジ片が打設され
たコンクリート中の水分を吸収して膨潤し、脱型後のコ
ンクリート面に凹部が形成され、下地モルタルの付着力
が増大する旨記載されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、特公昭５０
−３１３７１号の方法を実際に試験してみると、スポン
ジ中にコンクリート中のセメント成分が侵入し、スポン
ジも硬質化すると共にスポンジとコンクリートとが付着
し、脱型に強い力が必要になったり、脱型時に凹部周縁
部分が損傷し易いという問題があった。更に、スポンジ
が凹部内に残留してしまい、下地モルタルの付着性が損
なわれるという問題もあった。

【０００６】本発明は上記従来の問題点を解決し、タイ
ル張り施工される壁面の構築に好適な、即ち、下地モル
タルや張り付けモルタルとの接合性極めて優れた壁面を
形成することができる壁コンクリートの打設方法を提供
することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の壁コンクリート
の打設方法は、型枠内に未硬化コンクリートを打設する
壁コンクリートの打設方法において、表面に多数の突起
又は突条を有する非吸水性軟質シートを型枠の内面に複
数枚取り付けておき、硬化後のコンクリート面にアリ穴
又はアリ溝状の凹部を形成するようにした壁コンクリー
トの打設方法であって、接合及び離反自在なシート接合
部材が縁部に設けられている非吸水性軟質シートを複数
枚並列し、各隣接する軟質シートの縁部同志を重ね合わ
せ、前記シート接合部材により接合して、コンクリート
のシート裏面への回り込みを防止するようにしたことを
特徴とする。

【０００８】

【作用】本発明においては、未硬化コンクリートを打設
する型枠の内面に、多数の突起又は突条を有する軟質シ
ートを取り付けておくため、脱型後のコンクリート面は
、軟質シートの突起又は突条に由来する凹凸が形成され
たものとなる。この軟質シートは非吸水性のものである
ので、コンクリートからの剥離性（離型性）も良好であ
る。

【０００９】このような凹凸の形成されたコンクリート
壁は、モルタルとの接合強度が極めて高く、下地モルタ
ルや張り付けモルタルでタイルを張り付けた場合、タイ
ルの脱落が防止される。

【００１０】特に、第１図に示す軟質シート１１，１２
の突起又は突条１１ａ，１２ａが、未硬化コンクリート
１４の硬化収縮による圧力Ａを受けて、第３図の如く先
太の偏平形状に広がり、この状態で未硬化コンクリート
１４が硬化するため、第３図に示す如く、脱型後のコン
クリート壁１５には、入口が狭いアリ穴又はアリ溝状の
凹部１５ａが形成される。このような入口の狭い凹部１
５ａは、モルタル１６の付着性が著しく高い。

【００１１】ところで、軟質シートは一枚の軟質シート
で型枠の内面全面を覆うことはできず、通常、複数枚の
軟質シートを並列配置する。この場合、単に複数枚の軟
質シートを、隣接する軟質シートの縁部同志を重ね合わ
せて並列しただけでは、この重ね合わせ部分でシートが
めくれたりすることにより、未硬化コンクリートが軟質
シート裏面と型枠面との間に侵入する。このため、良好
な凹凸面を形成することができない。しかも、型枠及び
軟質シートと硬化したコンクリート壁とが接着した状態
となり、脱型及び軟質シートの剥離が困難となる。また
、特に軟質シートを剥がす際には、コンクリート壁に形
成された凹凸が損傷する場合もある。

【００１２】これに対して、本発明の方法においては、
第２図に示す如く、隣接する軟質シート１１，１２の縁
部１１ｂ，１２ｂを重ね合わせ、該重ね合わせた部分を
接合部材で接合するため、この部分から未硬化コンクリ
ートが軟質シート裏面の型枠１０側へ回り込んではみ出
すことがなく、良好な凹凸面を形成することができ、脱
型及び軟質シートの剥離も容易となる。また、軟質シー
トの剥離に際してコンクリート壁の凹凸部が損傷するこ
ともない。

【００１３】この接合部材は、接合及び離反自在なもの
であるため、シート同志を何回でも接合したり、離反さ
せたりできる。従って、軟質シートを型枠に取り付ける
のが簡単であると共に、軟質シートを型枠から剥し易い
。さらに、軟質シートを再使用し易い。

【００１４】

【実施例】以下に図面を参照して本発明の実施例につき
詳細に説明する。第１図、第２図、第３図、第４図及び
第５図は本発明の壁コンクリートの打設方法の一実施例
方法を説明する断面図である。

【００１５】第１図に示す如く、本発明においては、未
硬化コンクリートの打設に際し、型枠１０の内面に複数
枚の、多数の突起又は突条１１ａ，１２ａを有する非吸
水性軟質シート１１，１２、例えば、第６図に示す突起
１７ａを有するゴムシート１７等を取り付ける。この軟
質シート１１、１２の縁部にはそれぞれ接合部材１３ａ
、１３ｂが設けられている。そして、第１図のＩＩ部の
拡大図である第２図に示す如く、隣接する軟質シート１
１，１２は、その縁部１１ｂ，１２ｂ同志を重ね合わせ
、この重ね合わせた部分の接合部材１３ａ、１３ｂ同志
を接合させる。なお、軟質シート１１、１２を型枠１０
に取り付けるに先立って、接合部材１３ａ、１３ｂを利
用して軟質シート１１、１２同志を接合しておいても良
い。

【００１６】上記の如くして軟質シート１１、１２を型
枠１０に取り付けた後、常法に従って、未硬化コンクリ
ート１４を打設し（第３図）、硬化養生後、脱型する（
第４図）。

【００１７】この脱型に際しては、前述の如く、軟質シ
ート１１，１２が非吸水性である上に、その縁部同志の
重ね合わせ部分が接合されていることから、軟質シート
１１、１２が硬化コンクリート面から簡単に剥れる。も
ちろん、次に述べる凹部１５ａの近傍部分を損傷させる
ことも全くない。さらに、軟質シート１１、１２同志を
離反させることもでき、軟質シート１１、１２を剥し易
いと共に、再使用し易い。

【００１８】このような方法により形成されたコンクリ
ート壁１５は、軟質シート１１，１２の突起又は突条１
１ａ，１２ａにより、前述の如く入口が狭いアリ穴又は
アリ溝状の凹部１５ａを有する表面構成のものとなるた
め、表面に塗り付けられた下地モルタル又は張り付けモ
ルタル等のモルタル１６は、コンクリート壁１５と非常
に強固に付着する（第５図）。従って、タイルの張り付
け強度の高いコンクリート壁が形成される。

【００１９】なお、使用される突起又は突条を有する軟
質シートとしてはその突起や突条の形状、大きさ、単位
面積当りの突起数等には特に制限はなく、モルタルとの
付着強度が十分に得られる程度に適宜選定される。例え
ば、第６図に示すゴムシート１７の他、第７図に示す突
条１８ａを有する軟質シート１８等を用いることもでき
る。

【００２０】軟質シートの突起は中空であっても中実で
あっても、また多数の独立気孔を有した多孔質であった
も良い。従って、軟質シートとしては、中空の突起を有
する発泡シートを用いることもできる。この突起や突条
は、最初から（即ち、コンクリート側圧が加えられなく
ても）先太の偏平形状であっても良い。

【００２１】軟質シートの縁部に設ける接合部材として
は、ホック、ビニールファスナ、マグネットテープ、高
弾性樹脂製鉤状突起及びループを有したテープ（商品名
マジックテープ）など、機械的ないし物理的結合を繰り
返し行ない得る各種の部材を採用できる。

【００２２】

【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の壁コンクリ
ートの打設方法によれば、高さの高いコンクリート壁で
あっても、表面に凹凸を有するコンクリート壁を容易か
つ確実に形成することができる。また、軟質シートの取
り付けや取り外しが容易で作業性が良い。さらに、軟質
シートの再利用も可能となる。

【００２３】形成されたコンクリート壁は、モルタルと
の付着力が強く、十分に高い接合強度が得られるため、
タイル張り施工する壁面として極めて好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１図は本発明の一実施方法を示す断面図であ
る。

【図２】第２図は第１図ＩＩ部の拡大図である。

【図３】第３図は本発明の一実施方法を示す断面図であ
る。

【図４】第４図は本発明の一実施方法を示す断面図であ
る。

【図５】第５図は本発明の一実施方法を示す断面図であ
る。

【図６】第６図は軟質シートの例を示す斜視図である。

【図７】第７図は軟質シートの例を示す斜視図である。

【図８】第８図はタイル張り方法を示す断面図である。

【図９】第９図はタイル張り方法を示す断面図である。

【符号の説明】

１０　　型枠 １１　　軟質シート １２　　軟質シート １１ａ　　突起又は突条 １２ａ　　突起又は突条 １１ｂ　　縁部 １２ｂ　　縁部 １３ａ，１３ｂ　　接合部材 １４　　未硬化コンクリート １５　　コンクリート壁 １５ａ　　凹部 １６　　モルタル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　型枠内に未硬化コンクリートを打設す
   る壁コンクリートの打設方法において、表面に多数の突
   起又は突条を有する非吸水性軟質シートを型枠の内面に
   複数枚取り付けておき、硬化後のコンクリート面にアリ
   穴又はアリ溝状の凹部を形成するようにした壁コンクリ
   ートの打設方法であって、接合及び離反自在なシート接
   合部材が縁部に設けられている非吸水性軟質シートを複
   数枚並列し、各隣接する軟質シートの縁部同志を重ね合
   わせ、前記シート接合部材により接合して、コンクリー
   トのシート裏面への回り込みを防止するようにしたこと
   を特徴とする壁コンクリートの打設方法。