JPS6132980Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、装飾用タイル面をもつコンクリート
パネルを成形する工程で、タイル面と型枠板との
一時的に固定するために使用される両面粘着テー
プに関する。

従来、此種コンクリートパネルの成形に使用さ
れる両面粘着テープは、第１図示のように、テー
プ基材ａの両面に、粘着剤ａ１，ａ１′を塗布し
た構成のものＡであるため、下記のようにその成
形工程で下記の不都合をもたらす。即ち、タイル
装面を備えたコンクリートパネルの成形には、予
め、予め、型枠板Ｂの多数のタイルを所定の配列
位置に固定しておく必要があり、このため、前記
の両面粘着テープを使用して第２図示の如く一時
的に固定する。即ち、これを型枠板Ｂと配設タイ
ルｃとの間に介在させたそのテープＡの１方の粘
着剤面ａ１で型枠板Ｂ面に接着しその他方のの粘
着剤面ａ１′でタイルを所定の配置に接着してこ
の両面粘着テープＡを介して型枠板Ｂに一時的に
所定位置にタイル装面Ｃを固定する。このように
予めタイル群Ｃを備えた型枠板Ｂを使用し他の成
形枠部材と共にコンクリートパネル成形用空間を
囲繞形成する成形囲枠Ｄに組み、該空間内にコン
クリートを注入して、加熱、養生した後、該型枠
板Ｂを剥がして、タイル表装Ｃをもつたコンクリ
ートパネル成形体Ｅを得るものであるが、、この
型枠板Ｂを、コンクリートパネル成形体Ｅから剥
がすとき、該両面粘着テープＡの強い粘着力に抗
し剥がすので、相当の力を要し、このため型枠板
Ｂが変形し又は破損し、該型枠板Ｂを再使用する
ことが出来なくなる不経済をしばしばもたらす。
又粘着テープＡはその強い引き剥がしの際に、部
分的に破断や層間剥離を生じて、剥離した型枠板
Ｂを再使用する際、かゝる部分的に切れた個々の
粘着テープ片を完全に剥離除去するのに相当の時
間と労力を要し好ましくない。

上記の型枠の剥離時の問題を解決するため、両
面粘着テープの片面又は両面の粘着剤の粘着力を
弱くすることが考えられるが、この場合は、タイ
ルの粘着保持力が弱くなり、コンクリート注入前
や注入時にタイルが脱落してしまうおそれがあ
り、信頼性のある一時的なタイル固定機能は失な
われる。

本考案は、かゝる上記の点に鑑み、そのタイル
の信頼性ある一時的固定機能を有すると共に型枠
板を容易に成形コンクリートパネルから剥離し得
られて型枠板の再使用を円滑に行なうことを可能
にしたコンクリートパネル成形用両面粘着テープ
を提供するもので、２条のテープ基材１，２をそ
の対向する面に施された剥離剤塗面１ａと粘着剤
塗面２ａを介し互い貼り合わせ、その対向しない
外面に夫々粘着剤塗面１ｂ，２ｂを有して成る。

本考案実施の１例を添付図面につき説明する。
第３図は本考案実施の１例の両面粘着テープを示
し、２条のテープ基材１，２をその１方のテープ
基材１の１方の面に形成した剥離塗面１ａとその
他方のテープ基材２の１方の面に形成した粘着剤
塗面２ａとを互に対向させて圧着しその重合せし
めてこの２枚のテープ基材１，２が、その剥離時
剤塗面１ａと該粘着剤塗面２ａとの間は常時は互
に良好に接着しているが、適当な剥離力を与えれ
ば、殆んど抵抗なくその両面１ａ，２ａ間で分離
できるものとした。更にその２枚のテープ基材
１，２の各外面には粘着剤塗面１ｂ，２ｂを有
し、その１方の塗面１ｂはタイル面に接着するに
適するようにし、該他方の塗面１ｂをコンクリー
ト成形用の型枠板に接着に適する。かくして、該
剥離剤塗面１ａ及び粘着剤塗面２ａ間の接着力
は、該１方の外面の該粘着剤塗面１ｂのタイルに
対する接着力及び該他方の外面の該粘着剤塗面２
ｂの型枠板に対する接着力の夫合よりは弱い複合
支持層１，２から成る本考案両面粘着テープＳを
構成する。テープ基材１，２は、和紙、樹脂含浸
紙などの紙製、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエステルなどのプラスチツクフイルム、ウレ
タンフオームなどのプラスチツク発泡体シート等
のプラスチツク、織布等の各種の材料から選ばれ
る。基材としてその引張強度は3.0Kg／15mm幅
（JIS−Ｐ−8113）以上のものを用いることが好ま
しい。剥離剤塗面１ａを形成する剥離剤として
は、シリコーン樹脂、セラツク、アルキツドメラ
ミン、ビニールエステルとマレイン酸共重合体等
を使用しこれを基材面に均一に塗布するが、その
種類を適当に変えることにより、これに重合接着
するテープ基材２の粘着剤塗面２ａに対する任意
の一定の剥離力が得られる。この剥離力は代表的
には200〜400dl／25mm巾が最適で、この場合、タ
イルに対する粘着剤塗面１ｂの粘着力及び型枠板
に対する粘着剤塗面２ｂの粘着力は夫々従来のコ
ンクリート成形用の粘着力を含む1000〜2000Kg／
25mm巾位にすることが好ましい。これら粘着剤塗
面１ｂ，２ｂの粘着剤としては、一般に、ゴム
系、アクリル酸エステル系、ビニル系等の各種の
粘着剤から任意選択される。

第４図乃至６図は上記本考案両面粘着テープの
使用状態を示す。

第４図示のように、鉄板、木板等から成る型枠
板３の片面に、本考案両面粘着テープＳの多数本
を使用し、その夫々を所定の位置にその片面の粘
着剤塗面２ｂで貼着し、縦方向に平行に延びる多
数本を配設し、そのテープの他方の面の粘着剤塗
面１ｂに多数のタイル４を縦方向並に横方向に接
着固定し、所定のタイル装面を型枠板３面に固定
形成する。必要に応じ、タイル４間の間隙に発泡
性樹脂を目地材として充填しておく。このように
した型枠板３をそのタイル装面４を内側として他
の型枠板３等の型枠堀材と共に従来と同様に内部
に所定のコンクリート成形用空間を囲繞して第５
図示の如く成形用囲枠５を形成し、これにコンク
リートを注入し、約60〜80℃で約８〜24時間強制
加熱を行ない硬化し養生する。かくして、タイル
装面４はコンクリートパネル成形体６の片面に１
体に鋳込まれたものが得られる。かくして成形完
了後、該型枠板３をその成形体６から剥離するた
め該型枠板３を外方へ引つ張るときは、本考案の
両面粘着テープＳは、上記のように構成されてい
るので、その２枚のテープ基材１，２の中間の接
着界面、即ちその剥離剤塗面１ａとその粘着剤塗
面２ａとの間で第６図示の如く容易に分離し、該
型枠板３は従来のような屈曲、破壊等を生ずるこ
となく、離型でき、従て繰り返し使用することが
出来る。又、この離型により、型枠板３には、本
考案両面粘着テープ分の半部で割れて、即ちその
粘着テープ基材２側がその全長に亘り型枠板３に
付着して来るので、型枠板３の再使用に当り、こ
の粘着テープ基材２を剥離除去することが容易で
能率良く行なわれる。同様に、同時に、その他の
半部、即ち粘着テープ基材１側は、タイル装面４
に全長に亘り付着して残されるので、〓後のその
剥離除去作業が容易且つ能率良く行なわれる。

従て、従来のような剥離作業による従来のよう
な両面粘着テープが多くの個所で切れることがな
く、又テープ基材の材料として比較的経済的な紙
等の安価なものを使用出来る。

第７図は他の使用例を示し、本考案両面粘着テ
ープＳを合成樹脂製のタイルマウント部材７の多
数を使用し間接的に多数のタイルを所定の配列位
置に固定して使用する態様を示す。該タイルマウ
ント部材７自体は公知のもので、型枠板３にタイ
ルを固定するに当り、その複数個のタイルを予
め、該マウント部材７の内面に設けた多数の嵌合
凹部７ａに夫々タイル４を固く嵌合してタイルの
複数個を１つの所定の配列状態に組み込んだ後、
この組込みタイルマウント部材７をその外面の平
坦面で本考案の両面粘着テープＳの片面に図示の
ようにその多数個を配列接着せしめたもので、コ
ンクリートパネル成形体製造後、該タイル装面か
ら除去されるように使用される。

このように本考案によるときは、２条のテープ
基材１，２を剥離剤塗面１ａと粘着剤塗面２ａと
を介し重合接着しその積層基材１，２の外面に粘
着剤塗面１ｂ，２ｂを形成した両面粘着テープと
したので、コンクリートパネル成形用に使用し、
その型枠板の離型を容易にし、型枠板の離型時の
変形、損壊がなく繰り返しの使用を良好になし得
る効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のコンクリートパネル成形用両面
粘着テープの１部の断面図、第２図は該粘着テー
プを使用した従来のコンクリートパネル成形時の
使用状態の１部の断面図、第３図は本考案実施の
１例の１部の断面図、第４図はその使用状態の型
枠板の１部の平面図、第５図はその成型時の使用
状態の１部の断面図、第６図は脱型時の１部の断
面図、第７図は他の使用状態の断面図を示す。 １，２……テープ基材、１ａ……剥離剤塗面、
２ａ……粘着剤塗面、１ｂ，２ｂ……粘着剤塗
面、Ｓ……本考案両面粘着テープ、３……型枠
板、４……タイル、タイル装面、５……成形囲
枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２条のテープ基材１，２を、その対向する面に
   施された剥離剤塗面１ａと粘着剤塗面２ａを介し
   互に貼り合わせ、その対向しない外面に夫々粘着
   剤塗面１ｂ，２ｂを有して成るコンクリートパネ
   ル成形用両面粘着テープ。