JP2512686B2 - 表面装飾方法 - Google Patents

表面装飾方法

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JP2512686B2
JP2512686B2 JP16767293A JP16767293A JP2512686B2 JP 2512686 B2 JP2512686 B2 JP 2512686B2 JP 16767293 A JP16767293 A JP 16767293A JP 16767293 A JP16767293 A JP 16767293A JP 2512686 B2 JP2512686 B2 JP 2512686B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は表面装飾方法に関し、
特に建造物の壁面や床面、また路面等に凹凸模様を形成
して表面装飾を行う方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、壁面,柱面,天井,床等建造
物の内外の装飾面や道路,通路等の路面、更には内装
材,外装材,床材等に用いる各種パネルやボード類の表
面に、レンガやタイルを貼着あるいは埋め込んで目地模
様や深い彫り模様を形成する表面装飾方法があるが、こ
のような表面装飾方法では、表面装飾の施工を行う際、
レンガやタイルを1まいづつ被装飾面上に貼り付ける等
の手間のかかる作業が必要となり、多くの人手と作業日
数を要するという問題があった。
【0003】また、従来、上記のような表面装飾方法の
他に、吹付け材を用いてレンガやタイルの貼着面に似せ
た高級感のある表面装飾を行う方法もあり、これは、目
地模様を打ち抜いたプラスチックフィルムや厚紙製の型
紙を壁面等の被装飾面に貼り付け、その上から吹き付け
材を吹き付けた後、型紙を剥離して目地模様を現出する
というものである。
【0004】この吹付け材を用いる方法では、レンガや
タイルを一枚一枚貼着する方法に比べて施工能率が大巾
に向上するが、吹付け材が乾燥凝固してしまうと、その
後は型紙の剥離が困難となったり、その剥離が不可能と
なったりするので、吹き付け直後に、あるいは吹き付け
材が半乾燥の時点で型紙を施工面から剥離する必要があ
る。その結果どうしても吹付け材の垂れが生じることと
なり、特に吹付け材を厚く吹き付けた場合には、吹付け
材の垂れが広い範囲に及ぶことになるため、吹付け材を
地厚にできず、装飾模様としてその凹凸のコントラスト
の低いものしか得られないという欠点があった。
【0005】また、従来の吹付け材を用いる表面装飾方
法には、このような欠点を解消したものとして、上記型
紙として、複数枚のプラスチックフィルムを粘着材で積
層したものを用い、吹付け材を厚く重ね吹きができるよ
うにしたもの、さらに型紙として、発泡スチロール製の
厚吹き用型部材を用い、吹き付け材の固化後、溶剤によ
り上記厚吹き用型部材を溶解して除去する方法等が開発
されているが、前者は剥離に手間がかかり、後者は溶解
した発泡スチロールが目地部に付着して見栄えが悪くな
る等の欠点があった。
【0006】そして、最近では、吹付け材を被装飾面上
に塗布した直後に、型枠部材上の吹付け材を除去してお
くことにより、型枠部材の除去を比較的容易に行うこと
ができる点に着目した表面装飾方法も採用されている。
【0007】以下このような表面装飾方法を図10〜図
12を用いて説明する。図10は上記表面装飾方法に用
いる凹凸模様形成用型枠部材の構造を示す図であり、図
10(a) は上記型枠部材の平面構造、図10(b) は図1
0(a) のA−A線部分の断面構造を示している。図にお
いて、10は被装飾面上に凹凸模様を形成するための型
枠部材で、イモ積レンガの凹凸模様を形成するための格
子状平面パターンを有する発泡ポリエチレン等からなる
型枠本体11と、該型枠本体11の表面に剥離性接着材
12aにより剥離可能に貼り付けられた、上記型枠本体
11と同一平面パターンとなるよう型取りした表面被覆
材12とから構成されており、上記型枠本体11の裏面
には剥離性接着材11aにより剥離可能に剥離性台紙1
3が貼り付けられている。また10aはイモ積レンガの
目地に対応する目地部、10bはレンガ部分に対応する
打抜き部である。
【0008】また上記型枠部材10は、例えば、剥離紙
シート上に、上面を剥離処理し下面に剥離性接着材11
aを塗布した発泡ポリエチレンシート、及び下面に剥離
性接着材12aを塗布した被覆用の薄いプラスチック膜
シートを順次貼り付けて積層し、このシート積層体を打
抜き加工機等により所要の平面形状となるよう切断して
なるものである。ここで、発泡ポリエチレンシートの厚
みは2〜20mm程度であり、発泡ポリエチレンには通
常発泡倍率5〜50倍程度のものを用いるが、剥離除去
時の張力に耐えるよう比較的低倍率のものがよい。
【0009】図11及び図12は、上記凹凸模様の施工
方法を主要作業別に示す図であり、図11(a) ,(c) ,
(e) はそれぞれ下塗り作業,型枠部材の貼込み作業,表
層材の塗込み作業を示す平面図、図11(b) ,(d) ,
(f) は上記各作業段階での施工部分Xの断面構造を示す
断面図、図12(a) ,(c) ,(d) はそれぞれ表面被覆材
のはぎ取り作業,上記表面被覆材を除去した施工面,型
枠本体の除去作業を示す平面図、図12(b) ,(e) は、
上記各作業段階での施工部分Xの断面構造を示す断面図
であり、図中、1は被装飾面、2は該被装飾面1上に塗
布された所望の色の下塗材で、この下塗材2は、その上
に塗布される表層材3と、被装飾面1との密着性をよく
する働きがあり、また表面装飾の仕上がり後上記イモ積
レンガ模様の目地には上記下塗材2の色が現れる。また
上記表層材3は、表面装飾の仕上がり後上記イモ積レン
ガ模様のレンガ部分3aを構成するものである。
【0010】次に、上記表面装飾方法における各施工作
業を図11及び図12を用いて説明する。まず、被装飾
面1をこれが平坦な面となるよう下地処理をした後、下
塗材2を所定の厚さに均一に塗布し(図11(a) ,(b)
)、該下塗材2が乾燥した後、裏面の剥離性台紙13
を剥がした型枠部材10を上記下塗材2上に被装飾面1
全面に渡って順次貼着する(図11(c) ,(d) )。
【0011】次に、表層材3として、アクリル系樹脂エ
マルションを主成分とするスキン系等の吹付け材を、下
塗材2上に型枠部材10を貼り付けた被装飾面1上全面
に均一に吹き付ける(図11(e) ,(f) )。この時の吹
付け量は、表層材3の層厚が、型枠部材10の厚みより
やや厚くなるよう調整する。なお、上記表層材3として
の吹付け材には、レンガ,陶磁器,天然石等の粉末を多
量混入したものを用いると極めてリアルな材質感を持つ
装飾面が得られる。
【0012】次に、上記表層材3が完全に乾燥する前
に、型枠部材10の表面被覆材12のみをその型枠本体
11から順次剥がして取り除く(図12(a) ,(b) )。
この時型枠部材10上に付着している表層材3も上記表
面被覆材12とともに除去されることとなり、上記表面
被覆材12の除去により、被装飾面1上の、イモ積レン
ガ模様の目地部分に対応する部分に発泡ポリエチレン製
の型枠本体11の上面が露出し、イモ積レンガ模様のレ
ンガ部分3aが現れる(図12(c) )。
【0013】そして、例えばまる1日程度時間を置い
て、上記レンガ部分3aの吹付け材を十分乾燥固化させ
た後、上記レンガ部分3a間の目地部分に埋め込まれて
いる型枠本体11をその端部から捲り上げて被装飾面1
から剥離除去する(図12(d),(e) )。
【0014】この時、その前の作業工程で型枠本体11
表面上の吹付け材が除去されており、また型枠本体11
と吹付け材との接触部分は型枠本体11の側面のみであ
り、しかも吹付け材が乾燥により幾分収縮しているた
め、上記型枠本体11のはぎ取りを、吹付け材のバリの
発生を招くことなく、比較的簡単かつ確実に行うことが
できる。
【0015】そして最後に、例えばアクリル−ウレタン
系等の透明塗料(図示せず)を、上記レンガ部分3aや
レンガの目地部分の全面が覆われるよう所定の厚さに塗
布して、その表面の艶出しを行うとともにその表面に防
水性,耐久性を持たせて、表面装飾のための施工作業を
完了する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来の表面装飾方法は
以上のように構成されているので、塗料として、アクリ
ル系樹脂エマルション等の水分の蒸発による自然硬化型
のものを用いる場合は、この自然硬化型樹脂が柔らかい
ため塗料の乾燥固化後に型枠本体を剥離することが可能
であるが、塗料として、バインダーとしての樹脂に硬化
材を入れて硬化する反応硬化型樹脂モルタルを用いた場
合、塗料が完全に乾燥固化した後は型枠本体の剥離が困
難であるという問題があった。
【0017】例えば、発泡ポリエチレン製,発泡ポリス
チレン製,合成ゴム製,あるいはウレタン製の型枠本体
にポリエチレンラミネートを表面被覆材として貼り付け
た型枠部材では、反応硬化型樹脂モルタルのバインダー
としてメチルメタアクリレートを用いると、表層材に型
枠本体が固着して剥離が不可能となる。
【0018】また、上記反応硬化型樹脂モルタルのバイ
ンダーとして不飽和ポリエステルを用いた場合も、上記
と同様型枠本体の剥離が不可能となる。
【0019】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、表層材として、バインダーとし
てのメタルメタアクリレートや不飽和ポリエステル等の
樹脂に硬化材を入れて硬化する反応硬化型樹脂モルタル
を用いても、型枠部材の剥離をスムースに行うことがで
きる表面装飾方法を得ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明に係る表面装飾
方法は、所要の平面形状を有する型枠本体の表面上に表
面被覆材を剥離可能に接着し、かつ上記型枠本体の裏面
側にこれを補強する補強用フィルムを貼り付けてなる型
枠部材を被装飾面上に貼り付け、次に、上記被装飾面上
に反応硬化型の塗装材を上記型枠部材の厚さに合わせて
塗布し、この塗装材の塗布後、直ちに上記型枠部材の表
面被覆材をその上の塗装材とともに型枠本体から剥離
し、その後、化学反応による上記反応硬化型の塗装材の
硬化が完了する前に、上記型枠部材の型枠本体を、上記
補強用フィルムの被装飾面からの捲り取りにより被装飾
面上から取り除き、これにより上記被装飾面上に凹凸模
様を形成して表面装飾を行うものである。
【0021】この発明は上記表面装飾方法において、上
記表面被覆材として、上記塗装材の塗布の際、鏝滑りが
滑らかになるようシリコン処理を施したものを用いるも
のである。
【0022】この発明は上記表面装飾方法において、上
記塗装材として、バインダーとしての樹脂に硬化剤を入
れて硬化する反応硬化型樹脂モルタルを用い、上記バイ
ンダーとして、メチルメタアクリレート又は不飽和ポリ
エステルを用いるものである。
【0023】この発明は上記表面装飾方法において、上
記型枠部材として、その型枠本体を発泡ポリエチレン,
発泡ポリスチレン,合成ゴム,あるいはウレタンにより
構成し、その表面被覆材をポリエチレン,ポリプロピレ
ン,ナイロン,テトロン,ポリ塩化ビニル等の各種プラ
スチックフィルム、あるいは合成紙,一定の強度のある
上質な紙又は油紙により構成したものを用いるものであ
る。
【0024】この発明は上記表面装飾方法において、上
記型枠部材として、その裏面に剥離性接着材を塗布した
表面被覆材と、上記表面被覆材の裏面と接着する表面に
剥離処理を施した型枠本体と、被装飾面に接着される裏
面側に剥離性接着材を塗布した補強用フィルムとからな
るものを用い、上記型枠部材の被装飾面上への貼付け
を、上記型枠本体の補強用フィルム裏面を覆う剥離性台
紙を剥離した後、上記補強用フィルム裏面側を被装飾面
に接着することにより行うものである。
【0025】この発明は上記表面装飾方法において、上
記型枠部材として、台紙シート上に下面に剥離性接着材
を塗布した補強用フィルムシートを貼り付け、その上に
上面に剥離処理を施した型枠本体シートを接着材により
貼り付け、その上に下面に剥離性接着材を塗布した表面
被覆材シートを貼り付けてなるシート積層体を、所要の
平面パターンを持つよう切断あるいは打抜き加工してな
るものを用い、被装飾面への貼付けの際、上記台紙シー
トを剥離して使用するものである。
【0026】この発明は上記表面装飾方法において、上
記被装飾面上に型枠部材を貼り付ける前に、上記被装飾
面上に、該被装飾面と塗装材との接着性を向上する所要
色の下塗材を塗布するものである。
【0027】この発明は上記表面装飾方法において、上
記型枠部材を除去した後、塗装材表面に、該塗装材表面
に光沢を持たせるための表面コート膜を塗布するもので
ある。
【0028】この発明は上記表面装飾方法において、上
記被装飾面上に、上記凹凸模様に対応する平面パターン
を有しかつ上記凹凸模様の目地に対応する桟部の幅が該
目地の幅より若干広い、金属製,石材製,あるいは木製
の下地シートを貼り付け、その後、上記型枠部材を下地
シート上に貼り付けるものである。
【0029】この発明は上記表面装飾方法において、上
記型枠部材として、上記凹凸模様に対応する平面パター
ンを有し、かつ上記凹凸模様の目地に対応する桟部の厚
みが部分的に異なるものを用い、上記被装飾面上に、そ
の凸部の厚さが部分的に異なる凹凸模様を形成するもの
である。
【0030】この発明は上記表面装飾方法において、上
記被装飾面上に、凹凸模様として、イモ積レンガ模様,
二丁掛レンガ模様,あるいはランダム形状の石垣模様を
形成するものである。
【0031】
【作用】この発明においては、被装飾面上に、型枠本体
の表面上に表面被覆材を剥離可能に接着しかつ上記型枠
本体の裏面に補強用フィルムを貼り付けてなる所要の平
面パターンを有する型枠部材を貼り付け、上記被装飾面
上に反応硬化型の塗装材を上記型枠部材がほぼ埋め込ま
れるようその厚さに合わせて塗布した後、直ちに上記型
枠部材の表面被覆材の剥離によりその上の塗装材を除去
し、その後、化学反応による上記塗装材の硬化が完了す
る前に、上記型枠部材の型枠本体を、上記補強用フィル
ムの被装飾面からの捲り取りにより被装飾面上から取り
除くようにしたから、上記塗装材として、バインダーと
してのメチルメタアクリレート又は不飽和ポリエステル
等の樹脂に硬化剤を入れて硬化する反応硬化型樹脂モル
タルを用い、上記型枠部材として、その型枠本体を発泡
ポリエチレン等で構成したものを用いても、型枠本体を
被装飾面から剥離する際、型枠本体がちぎれたり、その
一部が凹凸模様の目地部分に残ったりすることなく、塗
装材中に埋め込まれた型枠本体をスムーズに剥離するこ
とができる。
【0032】この発明は上記表面装飾方法において、上
記表面被覆材として、塗装材の塗布の際、鏝滑りが滑ら
かになるようシリコン処理を施したものを用いるので、
塗装材の鏝塗り作業を楽に行うことができる。
【0033】この発明においては、上記型枠部材とし
て、その裏面に剥離性接着材を塗布した表面被覆材と、
上記表面被覆材の裏面と接着する表面に剥離処理を施し
た型枠本体と、被装飾面に接着される裏面側に剥離性接
着材を塗布した補強用フィルムとからなるものを用い、
上記型枠部材の被装飾面上への貼付けを、上記型枠本体
の補強用フィルム裏面を覆う剥離性台紙を剥離した後、
上記補強用フィルム裏面側を被装飾面に接着することに
より行うので、型枠部材の取扱が容易であり、型枠部材
の被装飾面への貼り付け、さらに表面被覆材の剥離や型
枠本体の剥離を作業性よく行うことができる。
【0034】この発明においては、上記型枠部材とし
て、台紙シート上に下面に剥離性接着材を塗布した補強
用フィルムシートを貼り付け、その上に上面に剥離処理
を施した型枠本体シートを接着材により貼り付け、その
上に下面に剥離性接着材を塗布した表面被覆材シートを
貼り付けてなるシート積層体を、所要の平面パターンを
持つよう切断あるいは打抜き加工してなるものを用いる
ので、型枠本体の表面側に表面被覆材を、その裏面側に
補強用フィルムを積層した積層構造を有し、しかもイモ
積レンガ模様,二丁掛レンガ模様,あるいはランダム形
状の石垣模様等を形成するための所要の平面パターンを
有する型枠部材を簡単に作製することができ、また、被
装飾面への貼付けの際には、上記台紙シートを剥離する
だけでよく、型枠部材の被装飾面への貼り付け作業も簡
単である。
【0035】この発明においては、上記被装飾面上に型
枠部材を貼り付ける前に、上記被装飾面上に、該被装飾
面と塗装材との接着性を向上する下塗材を塗布するの
で、所要色の下塗材を選択することにより、凹凸模様の
目地部分に自由に色付けすることができる。
【0036】この発明においては、上記表面装飾方法に
おいて、上記型枠部材を除去した後、塗装材表面に、表
面コート膜を塗布するので、凹凸模様による装飾面に光
沢を付加したり、装飾面の耐腐食性等を向上したりする
ことができる。
【0037】この発明においては、上記被装飾面上に、
上記凹凸模様に対応する平面パターンを有し、かつ上記
凹凸模様の目地に対応する桟部の幅が該目地の幅より若
干広い、金属製,石材製,あるいは木製の下地シートを
貼り付け、その後、上記型枠部材を下地シート上に貼り
付けるようにしたので、凹凸模様の目地部分に金属表面
の光沢等を持たせることができ、装飾面の美観を向上す
ることができる。
【0038】この発明においては、上記型枠部材とし
て、上記凹凸模様に対応する平面パターンを有し、かつ
上記凹凸模様の目地に対応する桟部の厚みが部分的に異
なるものを用い、上記被装飾面上に、その凸部の厚さが
部分的に異なる凹凸模様を形成するので、装飾面の凹凸
模様に立体感を持たせることができる。
【0039】
【実施例】実施例1.図1は本発明の第1の実施例によ
る表面装飾方法をその主要作業順に示す断面図、図2は
上記表面装飾方法の施工対象として、その床面に表面装
飾が施される駅のプラットホームを示す図、図3及び図
4は上記表面装飾方法をその主要作業順に説明するため
の一部断面斜視図であり、図3は下地処理から表層材塗
布までの各主要作業段階での施工部分の表面状態及び断
面構造を、図4は型枠部材の表面被覆膜の除去からトッ
プコート処理までの各主要作業段階での施工部分の表面
状態及び断面構造を示している。また図5(a) は、この
実施例の表面装飾方法に用いる型枠部材の断面構造を示
している。
【0040】図において、図10〜図12と同一符号は
同一のものを示し、20は本実施例で用いる型枠部材
で、この型枠部材20はイモ積レンガの凹凸模様を形成
するための平面パターン(図10(a) 参照)を有し、例
えば厚さ2mm,10倍発泡の発泡ポリエチレン製の型
枠本体11の剥離処理を施した表面に、例えば厚さ0.
2mmのポリエチレンラミネート紙等からなる表面被覆
材12をその裏面に塗布した剥離性接着材12aにより
貼り合わせ、上記型枠本体11の裏面側に、該型枠本体
11を補強する厚さ50μmのPET(ポリエチレン・
テレフタレート樹脂)フィルム(補強用フィルム)14
を接着材11bにより貼り付けた構造となっており、こ
の構造では、上記型枠本体11がその裏面側の補強用フ
ィルム14だけでなく、表面被覆材12によっても補強
されている。ここで上記表面被覆材12は表層材の塗布
の際、鏝滑りが滑らかになるようその表面にはシリコン
処理が施されている。そして上記PETフィルム14の
剥離性接着材14aが塗布された裏面は、剥離性台紙1
3により被覆されている。また上記補強用フィルムはP
ETフィルムに限るものではなく、十分な強度を有する
ものであれば、その他のプラスチックフィルムでもよ
い。
【0041】また上記型枠部材20は、台紙シート上に
下面に剥離性接着材を塗布した補強用フィルムシートを
貼り付け、その上に、上面に剥離処理を施した型枠本体
シートを接着材により貼り付け、その上に、下面に剥離
性接着材を塗布し上面にシリコン処理を施した表面被覆
材シートを貼り付けてなるシート積層体を、所要の平面
パターンを持つよう切断あるいは打抜き加工して、作製
したものである。
【0042】また100は本実施例の表面装飾方法によ
りその床面に凹凸模様による表面装飾が施される駅のプ
ラットホーム、101は該プラットホーム100の、凹
凸模様の施工が行われる施工領域で、該施工領域101
の表面が被装飾面1となっている。102はプラットホ
ーム100の、凹凸模様の施工が行われない非施工領
域、101aは上記施工領域101を、1つの型枠部材
20が配置される領域を基準にして座標墨出しにより区
分した1つの型枠配置領域である。
【0043】次に表面装飾方法について説明する。例え
ば、駅のプラットホーム100等の床面に表面装飾を行
う場合、まず、施工領域101に表面清掃や平坦化等の
所定の下地処理を行い、さらに施工領域101の被装飾
面1に、塗装材の塗装がしやすくなるようプライマー材
(図示せず)を塗布した後、被装飾面1と表層材3との
接着性を良くし、凹凸模様の施工後その目地部分に現れ
る下塗材2を所定の厚さ、例えば0.5mm厚に均一に
塗布する(図1(a) ,図3(a) ,(b) )。ここで下塗材
2には、バインダーとしてのメチルメタアクリレート
(MMA)に硬化材を通常1パーセント入れて硬化を行
う反応硬化型樹脂モルタルを用いる。また硬化材を入れ
る割合は、気温によって異なり、例えば10度Cでは3
パーセント、0度Cでは5パーセントであり、またMM
Aでは気温30度C以上では硬化せず、−5度C以下で
は型枠本体が取れなくなる。
【0044】次に、上記下塗材2が硬化乾燥するのを待
って、上記プラットホーム施工領域101の被装飾面1
上に座標墨出しにより型枠配置領域101aをけがい
て、各型枠配置領域101aの被装飾面1上に型枠部材
20を順次貼り付ける(図1(b) ,図3(c) )。上記型
枠部材20の貼り付けは、補強用フィルム裏面の剥離性
台紙13を剥がし、該補強用フィルム裏面に塗布されて
いる剥離性接着材14aにより、型枠部材20を被装飾
面1の下塗材2上に接着して行なう。
【0045】続いて、表層材3として、バインダーとし
てのメチルメタアクリレートに硬化剤を入れて硬化する
反応硬化型樹脂モルタルを、下塗材2上に型枠部材20
がほぼ埋め込まれるようその厚さに合わせてほぼ2mm
の厚さに鏝により塗り込む(図1(c) ,図3(d) )。な
お、上記反応硬化型樹脂モルタルに、レンガ,陶磁器,
天然石等の粉末を多量混入したものを用いることによ
り、リアルな材質感を持つ装飾面を得ることができる。
【0046】その後直ちに、上記型枠部材20の表面被
覆材12のみをその型枠本体11から順次剥がして取り
除く(図1(d) ,図4(a) )。この時型枠部材20上に
付着している表層材3の目地部分3bも上記表面被覆材
12とともに除去されることとなり、上記表面被覆材1
2の除去により、被装飾面1上の、イモ積レンガ模様の
目地部分に対応する部分に発泡ポリエチレン製の型枠本
体11の上面が露出し、イモ積レンガ模様のレンガ部分
3aが現れる(図4(b) )。
【0047】そして、上記表層材3の化学反応による完
全硬化に要する時間の8〜9割程度が経過した時、例え
ば気温や硬化材の添加量にもよるが、30分で完全硬化
する条件では24分〜27分経過した時、上記レンガ部
分3a間の目地部分に埋め込まれている型枠本体11
を、その下側の補強用フィルム14を被装飾面1から捲
り取ることにより、被装飾面1から剥離除去する(図1
(e) ,図4(c) )。
【0048】またこの時点では、上記表層材3の硬化が
ある程度進んでいるため、硬化により表層材3がある程
度収縮しており、しかも未完全な硬化状態であるため表
層材3に柔らかさが残っており、さらに、発泡ポリエチ
レン製の型枠本体11が、これに比べて数段丈夫な補強
用フィルム14により引っ張り上げられることとなり、
上記反応硬化型の表層材3中に埋まっている型枠本体1
1をスムースに捲り取ることができる。
【0049】その後、所定時間経過するのを待って、ト
ップコート材4を、上記レンガ部分3aやレンガの目地
部分の全面が覆われるよう所定の厚さに塗布して、その
表面の艶出しを行うとともにその表面に防水性,耐久性
を持たせて、表面装飾のための施工作業を完了する。
【0050】このように本実施例では、被装飾面1上
に、型枠本体11の表面に表面被覆材12を剥離可能に
接着しかつ型枠本体11の裏面に補強用フィルム14を
接着してなる所要の平面パターンを有する型枠部材20
を貼り付け、上記被装飾面1上に反応硬化型の表層材3
を上記型枠部材20の厚さに合わせて塗布した後、直ち
に上記型枠部材20の表面被覆材12の剥離によりその
上の表層材3bを除去し、その後、化学反応による上記
表層材3の硬化が完了する前に、上記型枠部材20の型
枠本体11をその裏面の補強用フィルム14の捲り取り
により被装飾面1上から取り除くようにしたので、上記
表層材3として、バインダーとしてのメチルメタアクリ
レートに硬化剤を入れて硬化する反応硬化型樹脂モルタ
ルを用い、上記型枠部材20として、その型枠本体11
を発泡ポリエチレン等で構成したものを用いても、型枠
本体11の除去作業の際、型枠本体11がちぎれたり、
その一部が凹凸模様の目地部分に残ったりするのを補強
用フィルム14により防止して、表層材3中に埋め込ま
れた型枠本体11をスムースに捲り取ることができる効
果がある。
【0051】また上記型枠部材20の表面被覆材12に
は、表層材3の塗布の際、鏝滑りが滑らかになるようシ
リコン処理が施してあるため、表層材3の鏝塗り作業を
楽に行うことができる効果もある。
【0052】また、上記型枠部材20として、型枠本体
11の剥離処理を施した表面に、表面被覆材12をその
裏面に塗布した剥離性接着材12aにより貼り合わせ、
型枠部材11の裏面に補強用フィルム14を接着してな
るものを用い、上記型枠部材20の被装飾面1上への貼
付けを、上記補強用フィルム14の裏面を覆う剥離性台
紙13を剥離した後、補強用フィルム14をその裏面側
に塗布した剥離性接着材14aにより被装飾面1に接着
することにより行うので、型枠部材20の取扱が容易と
なり、型枠部材20の被装飾面1への貼り付け、さらに
表面被覆材12の剥離や型枠本体11の剥離を作業性よ
く行うことができる効果がある。
【0053】さらに、型枠部材20は、台紙シート上に
下面に剥離性接着材を塗布した補強用フィルムシートを
貼り付け、その上に、上面に剥離処理を施した型枠本体
シートを接着材により貼り付け、その上に、下面に剥離
性接着材を塗布し上面にシリコン処理を施した表面被覆
材シートを貼り付けてなるシート積層体を、所要の平面
パターンを持つよう切断あるいは打抜き加工して、作製
したものであるため、型枠本体の表面側に表面被覆材1
2を、その裏面側に補強用フィルム14を積層した積層
構造を有し、しかも所要の平面パターンを有する型枠部
材20を簡単に作製することができる。
【0054】また、上記実施例では、上記被装飾面1上
に型枠部材20を貼り付ける前に、上記被装飾面1上
に、該被装飾面1と表層材3との接着性を向上する下塗
材2を塗布するので、所要色の下塗材2を選択すること
により凹凸模様の目地部分に自由に色付けすることがで
きる効果がある。
【0055】また、上記型枠部材20を除去した後、表
層材3の表面にトップコート材4を塗布するので、凹凸
模様による装飾面に光沢を付加したり、装飾面の耐腐食
性等を向上したりすることができる効果がある。
【0056】なお、上記実施例では、型枠部材として、
イモ積レンガ模様を作製するための平面パターンを有す
るものを用いたが、これは図8(a) に示すように二丁掛
レンガ模様を形成するための平面パターンを有する型枠
部材40や、図8(b) に示すようにランダム形状の石垣
模様を形成するための平面パターンを有する型枠部材5
0でもよい。
【0057】実施例2.図6は本発明の第2の実施例に
よる表面装飾方法を各主要作業順に示す図、図7は本実
施例の表面装飾方法により施工された被装飾面の構造を
示す一部断面斜視図であり、図において、図1と同一符
号は同一のものを示し、15は本実施例の表面装飾方法
で用いる銅,アルミ,あるいはステンレス等からなる金
属製下地シートで、その剥離性接着材15aが塗布され
た裏面は剥離性台紙(図示せず)により被覆されてお
り、またこの金属製下地シート15は、イモ積レンガの
凹凸模様に対応する平面パターンを有し、かつ上記凹凸
模様の目地に対応する桟部の幅が該目地の幅より若干広
く形成されている。
【0058】次に表面装飾方法について説明する。この
実施例の表面装飾方法では、上記金属製下地シート15
が施工後の凹凸模様の目地部分に露出することとなるの
で、下塗材の塗布を行わないが、下塗材は必要に応じて
塗布してよいことは言うまでもない。
【0059】まず、被装飾面1上に直接上記金属製下地
シート15をその裏面に塗布した剥離性接着材15aに
より貼り付け(図6(a) )、その後上記金属製下地シー
ト15上に上記型枠部材20を貼り付ける(図6(b)
)。その後の作業工程は、図1(c) 〜図1(f) に示す
上記第1実施例の作業工程と同一であり、つまり表層材
3を全面に塗り込んだ後(図6(c) )、直ちに型枠部材
20の表面被覆材12を捲り取り(図6(d) )、その後
表層材3の硬化時間の9割程度経過した時点で型枠本体
11をその裏面側の補強用フィルム14とともに捲り取
る(図6(e) )。この状態での被装飾面1の施工部分の
構造を図7に示している。そしてさらに所定時間経過
後、トップコート材4を全面に塗布して、表面装飾の施
工を完了する(図6(f) )。
【0060】このように本実施例では、上記被装飾面1
上に、上記凹凸模様に対応する平面パターンを有し、か
つ上記凹凸模様の目地に対応する桟部の幅が該目地の幅
より若干広い金属製下地シート15を貼り付け、その
後、上記型枠部材20を金属製下地シート15上に貼り
付けるようにしたので、上記第1実施例の効果に加え
て、凹凸模様の目地部分に金属表面の光沢を持たせるこ
とができ、装飾面の美観を向上することができる効果が
ある。
【0061】なお、この第2の実施例では、型枠部材2
0の下地シートとして、銅,アルミ,ステンレス等の金
属製下地シートを用いたが、これは、被装飾面が室内の
ものであれば、大理石や御影石等の石材製下地シートあ
るいは檜や樫等の木製下地シートでもよいことは言うま
でもない。
【0062】また、上記第2の実施例では、型枠部材と
金属製下地シートとが別体である場合を示したが、これ
らは一体に貼り合わせた構成としてもよい。
【0063】図5(b) は、上記型枠部材20と金属製下
地シートとを一体に貼り合わせた構造を示しており、図
において、図5(a) と同一符号は同一のものを示し、3
0は上記型枠部材20と金属製下地シート15とを一体
に貼り合わせた複合型枠部材で、型枠部材20の裏面側
に剥離性接着材11aにより金属製下地シート15が貼
り付けられていおり、該金属製下地シート15の、剥離
製接着材15aを塗布した裏面は、剥離製台紙13によ
り被覆されている。
【0064】実施例3.図9は本発明の第3の実施例に
よる表面装飾方法に用いる型枠部材の型枠本体の構造、
及び該型枠部材を用いて凹凸模様を施工した施工部分の
構造を示す図である。図において、60はイモ積レンガ
の凹凸模様に対応する平面パターンを有し、その桟の一
部61を他の部分に比べて厚くした立体的凹凸模様形成
用の型枠部材の型枠本体であり、ここでは図示していな
いが、該型枠本体60の表面側には、上記第1実施例と
同様、表面被覆材が剥離可能に接着され、上記型枠本体
60の裏面側には補強用フィルム14が接着されてい
る。また、3a1 ,3a3 は、上記型枠部材60を用い
て形成したイモ積レンガの凹凸模様の突出レンガ側部、
3a2 はその突出レンガ中央部である。
【0065】この実施例の表面装飾方法では、上記型枠
部材として、その型枠本体60を、上記イモ積レンガの
凹凸模様に対応する平面パターンを有し、かつ上記凹凸
模様の目地に対応する桟部の厚みが部分的に異なる構造
としたものを用い、上記被装飾面1上に、その凸部の厚
さが部分的に異なる凹凸模様を形成するので、上記第1
実施例の効果に加えて、装飾面の凹凸模様に立体感を持
たせることができる効果がある。
【0066】なお、上記各実施例では、上記表層材とし
て塗布する反応硬化型樹脂モルタルには、バインダーが
メチルメタアクリレートであるものを用いたが、上記反
応硬化型樹脂モルタルには、バインダーが不飽和ポリエ
ステルであるものを用いてもよい。
【0067】また、上記各実施例では、上記型枠部材と
して、その型枠本体を発泡ポリエチレンで構成し、その
表面被覆材をポリエチレンで構成したものを用いたが、
上記型枠部材の型枠本体を構成する材料は、発泡ポリス
チレン,合成ゴム,あるいはウレタンでもよく、上記型
枠部材の表面被覆材を構成する材料は、ポリプロピレ
ン,ナイロン,テトロン,ポリ塩化ビニル等の各種プラ
スチックフィルム、あるいは合成紙,一定の強度のある
上質な紙又は油紙でもよい。
【0068】
【発明の効果】以上のようにこの発明に係る表面装飾方
法によれば、被装飾面上に、型枠本体の表面上に表面被
覆材を剥離可能に接着しかつ上記型枠本体の裏面に補強
用フィルムを貼り付けてなる所要の平面パターンを有す
る型枠部材を貼り付け、上記被装飾面上に反応硬化型の
塗装材を上記型枠部材がほぼ埋め込まれるようその厚さ
に合わせて塗布した後、直ちに上記型枠部材の表面被覆
材の剥離によりその上の塗装材を除去し、その後、化学
反応による上記塗装材の硬化が完了する前に、上記型枠
部材の型枠本体を、上記補強用フィルムの被装飾面から
の捲り取りにより被装飾面上から取り除くようにしたの
で、上記塗装材として、バインダーとしてのメチルメタ
アクリレート又は不飽和ポリエステル等の樹脂に硬化剤
を入れて硬化する反応硬化型樹脂モルタルを用い、上記
型枠部材として、その型枠本体を発泡ポリエチレン等で
構成したものを用いても、型枠本体を被装飾面から剥離
する際、型枠本体がちぎれたり、その一部が凹凸模様の
目地部分に残ったりすることなく、スムースに型枠本体
を剥離することができる効果がある。
【0069】この発明によれば、上記表面装飾方法にお
いて、上記表面被覆材として、塗装材の塗布の際、鏝滑
りが滑らかになるようシリコン処理を施したものを用い
るので、塗装材の鏝塗り作業を楽に行うことができる効
果がある。
【0070】この発明によれば、上記表面装飾方法にお
いて上記型枠部材として、その裏面に剥離性接着材を塗
布した表面被覆材と、上記表面被覆材の裏面と接着する
表面に剥離処理を施した型枠本体と、被装飾面に接着さ
れる裏面側に剥離性接着材を塗布した補強用フィルムと
からなるものを用い、上記型枠部材の被装飾面上への貼
付けを、上記型枠本体の補強用フィルム裏面を覆う剥離
性台紙を剥離した後、上記補強用フィルム裏面側を被装
飾面に接着することにより行うので、型枠部材の取扱が
容易であり、型枠部材の被装飾面への貼り付け、さらに
表面被覆材の剥離や型枠本体の剥離を作業性よく行うこ
とができる効果がある。
【0071】この発明によれば、上記表面装飾方法にお
いて上記型枠部材として、台紙シート上に下面に剥離性
接着材を塗布した補強用フィルムシートを貼り付け、そ
の上に上面に剥離処理を施した型枠本体シートを接着材
により貼り付け、その上に下面に剥離性接着材を塗布し
た表面被覆材シートを貼り付けてなるシート積層体を、
所要の平面パターンを持つよう切断あるいは打抜き加工
してなるものを用いるので、型枠本体の表面側に表面被
覆材を、その裏面側に補強用フィルムを積層した積層構
造を有し、しかもイモ積レンガ模様,二丁掛レンガ模
様,あるいはランダム形状の石垣模様等を形成するため
の所要の平面パターンを有する型枠部材を簡単に作製す
ることができ、また、被装飾面への貼付けの際には、上
記台紙シートを剥離するだけでよく、型枠部材の被装飾
面への貼り付け作業も簡単であるという効果がある。
【0072】この発明によれば、上記表面装飾方法にお
いて上記被装飾面上に型枠部材を貼り付ける前に、上記
被装飾面上に、該被装飾面と塗装材との接着性を向上す
る下塗材を塗布するので、所要色の下塗材を選択するこ
とにより凹凸模様の目地部分に自由に色付けすることが
できる効果がある。
【0073】この発明によれば、上記表面装飾方法にお
いて、上記型枠部材を除去した後、塗装材表面に表面コ
ート膜を塗布するので、凹凸模様による装飾面に光沢を
付加したり、装飾面の耐腐食性等を向上したりすること
ができる効果がある。
【0074】この発明によれば、上記表面装飾方法にお
いて上記被装飾面上に、上記凹凸模様に対応する平面パ
ターンを有し、かつ上記凹凸模様の目地に対応する桟部
の幅が該目地の幅より若干広い、金属製,石材製,ある
いは木製の下地シートを貼り付け、その後、上記型枠部
材を下地シート上に貼り付けるようにしたので、凹凸模
様の目地部分に金属表面の光沢等を持たせることがで
き、装飾面の美観を向上することができる効果がある。
【0075】この発明によれば、上記表面装飾方法にお
いて上記型枠部材として、上記凹凸模様に対応する平面
パターンを有し、かつ上記凹凸模様の目地に対応する桟
部の厚みが部分的に異なるものを用い、上記被装飾面上
に、その凸部の厚さが部分的に異なる凹凸模様を形成す
るので、装飾面の凹凸模様に立体感を持たせることがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による表面装飾方法をそ
の主要作業順に示す断面図である。
【図2】上記第1の実施例による表面装飾方法の施工対
象として、その床面に表面装飾が施される駅のプラット
ホームを示す図である。
【図3】上記第1の実施例による表面装飾方法における
下地処理から表層材塗布までの各主要作業段階での施工
部分の表面状態及び断面構造を示す一部断面斜視図であ
る。
【図4】上記第1の実施例による表面装飾方法における
型枠部材の表面被覆膜の除去からトップコート処理まで
の各主要作業段階での施工部分の表面状態及び断面構造
を示す一部断面斜視図である。
【図5】本発明の第1及び第2の実施例による表面装飾
方法に用いる型枠部材の構造を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施例による表面装飾方法をそ
の主要作業順に示す断面図である。
【図7】上記第2の実施例による表面装飾方法により施
工された被装飾面の構造を示す一部断面斜視図である。
【図8】上記各実施例による表面装飾方法で用いる型枠
部材の変形例として、二丁積レンガの凹凸模様、及びラ
ンダムな石垣模様を形成するための平面パターンを有す
る型枠部材を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施例による表面装飾方法に用
いる型枠部材の構造、及び該型枠部材を用いて凹凸模様
を形成した施工面の構造を示す図である。
【図10】従来の表面装飾方法に用いる型枠部材の平面
パターン及び断面構造を示す図である。
【図11】従来の表面装飾方法における下地処理から表
層材塗布までの各主要作業段階での施工部分の表面状態
及び断面構造を示す図である。
【図12】従来の表面装飾方法における型枠部材の表面
被覆膜の除去作業から型枠部材の型枠本体の除去作業ま
でを説明するための図である。
【符号の説明】
1 被装飾面 2 下塗材 3 表層材 3a 表層材のレンガ部分 3a1 ,3a3 表層材の突出レンガ側部 3a2 表層材の突出レンガ中央部 3b 表層材の目地部分 20,30 イモ積レンガ模様形成用の型枠部材 10a 目地部 10b 打抜き部 11 型枠本体 11a,12a,14a,15a 剥離性接着材 11b 接着材 12 表面被覆材 13 台紙 14 補強用フィルム 15 金属製シート 40 二丁積レンガ模様形成用の型枠部材 50 ランダムな石垣模様形成用の型枠部材 60 立体的凹凸模様形成用の型枠部材の型枠本体

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被装飾面上に凸凹模様を形成して表面装
    飾を行う方法において、 所要の平面形状を有する型枠本体の表面上に表面被覆材
    を剥離可能に接着し、かつ上記型枠本体の裏面側にこれ
    を補強する補強用フィルムを貼り付けてなる型枠部材
    を、上記補強用フィルムの露出面を上記被装飾面に剥離
    可能に貼り付けて上記被装飾面上に固着する工程と、 上記被装飾面上に反応硬化型の塗装材を上記型枠部材の
    厚さに合わせて塗布する工程と、 上記塗装材の塗布後、直ちに上記型枠部材の表面被覆材
    をその上の塗装材とともに型枠本体から剥離する工程
    と、 その後、化学反応による上記反応硬化型の塗装材の硬化
    が完了する前に、上記型枠部材の型枠本体を、上記補強
    用フィルムとともに被装飾面上から取り除く工程とを含
    むことを特徴とする表面装飾方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の表面装飾方法において、 上記表面被覆材は、上記塗装材の塗布の際、鏝滑りが滑
    らかになるようシリコン処理が施されていることを特徴
    とする表面装飾方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の表面装飾方法において、 上記塗装材として、バインダーとしての樹脂に、硬化剤
    を入れて硬化する反応硬化型樹脂モルタルを用い、 上記バインダーとして、メチルメタアクリレート又は不
    飽和ポリエステルを用いることを特徴とする表面装飾方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の表面装飾方法において、 上記型枠部材として、その型枠本体を発泡ポリエチレ
    ン,発泡ポリスチレン,合成ゴム,あるいはウレタンに
    より構成し、その表面被覆材をポリエチレン,ポリプロ
    ピレン,ナイロン,テトロン,ポリ塩化ビニル等の各種
    プラスチックフィルム、あるいは合成紙,一定の強度の
    ある上質な紙又は油紙により構成したものを用いること
    を特徴とする表面装飾方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の表面装飾方法において、 上記表面被覆材はその裏面に剥離性接着材を塗布したも
    のであり、 上記型枠本体は、上記表面被覆材の裏面と接着する表面
    に剥離処理を施したものであり、 上記補強用フィルムは、被装飾面に接着される裏面側に
    剥離性接着材を塗布したものであり、 上記型枠部材の被装飾面上への固着を、型枠部材の補強
    用フィルム裏面を覆う剥離性台紙を剥離した後上記補強
    用フィルム裏面側を被装飾面に接着することにより行う
    ことを特徴とする表面装飾方法。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の表面装飾方法において、 上記型枠部材は、 台紙シート上に下面に剥離性接着材を塗布した補強用フ
    ィルムシートを貼り付け、その上に上面に剥離処理を施
    した型枠本体シートを接着材により貼り付け、その上に
    下面に剥離性接着材を塗布した表面被覆材シートを貼り
    付けてなるシート積層体を、所要の平面パターンを持つ
    よう切断あるいは打抜き加工してなるものであって、上
    記被装飾面への固着の際、上記台紙シートを剥離して使
    用するものであることを特徴とする表面装飾方法。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の表面装飾方法において、 上記被装飾面上に型枠部材を貼り付ける前に、上記被装
    飾面上に、該被装飾面と塗装材との接着性を向上する所
    要色の下塗材を塗布することを特徴とする表面装飾方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の表面装飾方法において、 上記型枠部材を除去した後、塗装材表面に、該塗装材表
    面に光沢を持たせるための表面コート膜を塗布すること
    を特徴とする表面装飾方法。
  9. 【請求項9】 請求項2記載の表面装飾方法において、 上記被装飾面上に、上記凹凸模様に対応する平面パター
    ンを有しかつ上記凹凸模様の目地に対応する桟部の幅が
    該目地の幅より若干広い、金属製,石材製,あるいは木
    製の下地シートを貼り付け、その後、上記型枠部材を下
    地シート上に貼り付けることを特徴とする表面装飾方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項2記載の表面装飾方法におい
    て、 上記型枠部材として、上記凹凸模様に対応する平面パタ
    ーンを有し、かつ上記凹凸模様の目地に対応する桟部の
    厚みが部分的に異なるものを用い、 上記被装飾面上に、その凸部の厚さが部分的に異なる凹
    凸模様を形成することを特徴とする表面装飾方法。
  11. 【請求項11】 請求項2記載の表面装飾方法におい
    て、 上記被装飾面上に、凹凸模様として、イモ積レンガ模
    様,二丁掛レンガ模様,あるいはランダム形状の石垣模
    様を形成することを特徴とする表面装飾方法。
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