JP2005113372A - 型枠用コンクリート養生保持板を用いたコンクリート構造物の施工方法および型枠用コンクリート養生保持板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、脱型後においてもコンクリートの養生期間が確保することができる型枠用コンクリート養生保持板を用いたコンクリート構造物の施工方法および型枠用コンクリート養生保持板を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 本発明は、一定の間隔を保持して設置される型枠パネル1の少なくとも一方の内面にコンクリート養生保持板3を仮止めする工程と、前記型枠パネル1内にコンクリートAを打設し、養生する工程と、前記コンクリートの養生の途中でコンクリート養生保持板3を残した状態で型枠パネルを取り外す工程を備え、前記残置したコンクリート養生保持板3によってコンクリートの養生を継続させるものである。
【選択図】 図2
【解決手段】 本発明は、一定の間隔を保持して設置される型枠パネル1の少なくとも一方の内面にコンクリート養生保持板3を仮止めする工程と、前記型枠パネル1内にコンクリートAを打設し、養生する工程と、前記コンクリートの養生の途中でコンクリート養生保持板3を残した状態で型枠パネルを取り外す工程を備え、前記残置したコンクリート養生保持板3によってコンクリートの養生を継続させるものである。
【選択図】 図2
Description
本発明は、型枠によるコンクリート構造体の施工方法および型枠に関する。詳しくは型枠の離型後にコンクリートの養生を継続させてコンクリート強度を高める型枠用コンクリート養生保持板を用いたコンクリート構造物の施工方法おおよび型枠用コンクリート養生保持板に係るものである。
建物の側壁を構築するには、通常、型枠を使用してコンクリートを打設したのち、養生硬化する工法が採用されている。一般的には、この型枠をコンクリート硬化後に取り外すが、型枠に固着するコンクリートを除去するための工程が煩雑であり、また、型枠が痛み易いという問題がある。このかかる問題を解決するために、コンクリート成型用型枠に貼付するフィルムにおいて、該フィルムの片側表面に接着層が形成されてなり、該フィルムを接着層を介してステンレス板に接着することを特徴とする型枠用離型フィルム、該型枠用フィルムが貼付された型枠がある(例えば特許文献1参照。)。
また、コンクリート打設方法として、図9に示すように、合成樹脂製フィルム101の一面に感圧性接着剤層102を介して剥離紙が接着されたシートを使用して、そのシートの剥離紙を剥離した前記感圧性接着剤層102の面を堰板103の内面に貼着して成る型枠104を構成し、その型枠104の前記合成樹脂フィルム101の他の一面側にセメントコンクリート105を打設するものである(例えば特許文献2参照。)。
前記型枠の内面に設けられるフィルムは、型枠内面に対して剥離可能な感圧性接着剤によって接着されることで、コンクリート硬化後の脱型時に、前記フィルムによって型枠とコンクリートの剥離性が良好となり、不要となったフィルムを取り剥がして、新しいフィルムを再度接着することにより型枠の繰り返し使用を可能とするものである。
一方型枠によるコンクリート構造物の施工においては、型枠内でコンクリートを十分に養生硬化する必要があり、コンクリートの強度を確保するために1週間ほどの養生期間が必要となるが、短期間での工期にあっては2、3日ほどで型枠を外しているのが現状である。
しかしながら型枠を早く外すことによりコンクリート内の水と石灰とが十分に化学反応を生起しない状態で硬化することにより設計上の強度を確保することができないことが多々ある。
しかしながら型枠を早く外すことによりコンクリート内の水と石灰とが十分に化学反応を生起しない状態で硬化することにより設計上の強度を確保することができないことが多々ある。
さらに、冬季では石灰と水とが十分に化学反応を生起する前に水分が氷結する、あるいは夏季では石灰と、水とが十分に化学反応を生起する前に水分が蒸発することによりコンクリート強度を著しく低下させる問題がある。
また、型枠は脱型したのちに次の工程で転用されることが多く、そのために短い養生期間での施工が行なわれているのが実情であり、養生期間を十分に確保しようとすればするほど、多数の型枠が必要となる問題がある。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、脱型後においてもコンクリートの養生期間が確保することができる型枠用コンクリート養生保持板を用いたコンクリート構造物の施工方法および型枠用コンクリート養生保持板を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明に係る型枠用コンクリート養生保持板を用いたコンクリート構造物の施工方法は、一定の間隔を保持して設置される型枠パネルの少なくとも一方の内面にコンクリート養生保持板を仮止めする工程と、前記型枠パネル内にコンクリートを打設し、養生する工程と、前記コンクリートの養生の途中でコンクリート養生保持板を残した状態で型枠パネルを取り外す工程を備え、前記残置したコンクリート養生保持板によってコンクリートの養生を継続させることを特徴とする。
ここで、型枠パネルの内面にコンクリート養生保持板として防水性の合成樹脂フィルムを仮止めした状態で型枠パネル内へコンクリートへの打設を行い、通常行なわれている養生期間(約2、3日間)で、合成樹脂フィルムを養生途中のコンクリート壁面に残置した状態で型枠パネルのみを取り外すものである。従ってコンクリート壁面は合成樹脂フィルムに覆われることにより、型枠パネルと同様にコンクリート内の保水を維持し、石灰と水との十分な化学反応を継続させることが可能となり、一方取り外した型枠パネルの内面は直接にコンクリートに接していないために、そのままの状態で次の型枠構築に転用することが可能となる。
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る型枠用コンクリート養生保持板は、一定の間隔を保持して設置される型枠パネルの少なくとも一方の内面に仮止めされるコンクリート養生保持板において、前記コンクリート養生保持板にセパレータが貫通するセパレータ挿通穴を備える。
ここで、前記コンクリート養生保持板は、例えば防水性を有する合成樹脂フィルムやその表面に防水処理を施した厚紙を使用する。そしてコンクリート養生保持板には、型枠パネルの間隔を保持するために取り付けられる各セパレータの取り付け位置と同位置上にセパレータ挿通穴が設けられた構成とするものであり、前記コンクリート養生保持板のセパレータ挿通穴にセパレータを挿通して型枠パネルの構築を行なうことにより型枠パネル内面への仮止めが可能となる。
以上の構成よりなる本発明の施工方法では、コンクリート養生保持板によって型枠パネルを取り外した場合であっても、コンクリート内の養生が型枠パネル内の環境と同様な状態で継続することが可能となり、コンクリート強度の高い構造物を得ることが可能となると共に、取り外した型枠パネルの内面は直接にコンクリートに接していないために、そのままの状態で次の型枠構築に転用することができ、作業効率が非常に向上するものである。
また、本発明の型枠用コンクリート養生保持板では、セパレータ位置にセパレータ挿通穴を設けることによって型枠パネルを組み立てる際に、型枠パネル内面に容易に型枠用コンクリート養生保持板の仮止めを行なうことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1から図3は、本発明を適用した型枠用コンクリート養生保持板を用いたコンクリート構造物の施工方法の一例を説明するための端面説明図である。ここで示すように、セパレータ2によって一定間隔を保持して組み立てられる型枠パネル1の内面に、コンクリート養生保持板3をセパレータ2に挿通した状態で仮止めされる。
そしてコンクリート養生保持板3を型枠パネル1の内面に仮止めした状態で、コンクリートAを型枠パネル1内へ打設する。そこで型枠パネル1内のコンクリートAが固まった状態(約2、3日間)でコンクリート養生保持板3をコンクリートA面に残置した状態で型枠パネル1を取り外すものである。
この場合に型枠パネル1は、コンクリート養生保持板3を介してコンクリートAと接していることからコンクリートAからの離型が容易に行なえるものである。
次に取り外された型枠パネル1は、次の型枠パネルの構築工程で転用されることとなり、コンクリート養生保持板3によって覆設されたコンクリートAは、型枠パネル内と略同様の環境下での養生(約1週間)が継続されることとなる。従ってコンクリートA内での水とセメントとの化学反応が十分に行なうことができ、コンクリート強度の高いコンクリート構造物4の構築が可能となる。
そして設計基準値となるコンクリート強度までの養生期間が経過した後に、コンクリート養生保持板3をコンクリート構築物4より取り剥がして施工完了とする。
また、図4から図6は、本発明を適用した型枠用コンクリート養生保持板を用いたコンクリート構造物の施工方法の他の例を説明するための端面説明図である。ここで示すように、発泡スチロール5の外表面に下地板6が接着された残置式型枠壁材7に対して型枠パネル1をセパレータ2によって一定間隔を保持して組み立てるものである。そこで型枠パネル1の内面に、コンクリート養生保持板3をセパレータ2に挿通した状態で仮止めされる。
なお、下地板とは壁紙や塗装をするための下地となるものであり、これには石綿板やケイカル板、あるいはプラスターボードや合成板など種々のものがある。
そしてコンクリート養生保持板3を型枠パネル1の内面に仮止めした状態で、コンクリートAを残置式型枠壁材7と型枠パネル1間内へ打設する。そこで型枠パネル1内のコンクリートAが固まった状態(約2、3日間)でコンクリート養生保持板3をコンクリートA面に残置した状態で型枠パネル1を取り外すものである。
この取り外された型枠パネル1は、次の型枠パネルの構築工程で転用されることとなり、コンクリート養生保持板3と残置式型枠壁材7とによって覆設されたコンクリートAは、型枠内と略同様の環境下での養生(約1週間)が継続されることとなる。従ってコンクリートA内での水とセメントとの化学反応が十分に行なうことができ、コンクリート強度の高いコンクリート構造物4の構築が可能となる。
そして設計基準値となるコンクリート強度までの養生期間が経過した後に、コンクリート養生保持板3をコンクリート構築物4より取り剥がして施工完了とする。
前記コンクリート養生保持板3としては、防水性を有する合成樹脂製のフィルム、又は薄板、あるいはその表面に防水処理を施した紙を使用するものであるが、必ずしも合成樹脂製のフィルムおよび薄板、あるいは紙により形成される必要性は無く、軽量、かつ作業性に優れた防水性を有するものであれば、アルミニウム板、ステンレス板などの金属板や木製薄板などいかなるものであっても良い。
また、コンクリート養生保持板として合成樹脂フィルム、あるいは紙を使用する場合には、ロール状としたものを施工現場において型枠パネルの形状に合わせて切断することもでき、更にコンクリートの養生後には廃棄するなど使い捨て用として使用することもできる。
また、コンクリート養生保持板の型枠パネルへの仮止めは、必ずしもセパレータに挿通して仮止めされる必要性は無く、例えば型枠パネルとコンクリート養生保持板とを粘着テープ、あるいは画鋲などのピンによって仮止めするなど型枠パネルを取り外す際にコンクリート養生保持板と離型が容易に行なえるものであればいかなる仮止め方法であってもかまわない。
次に図7は、本発明を適用した型枠用コンクリート養生保持板の一例を示す平面説明図である。ここで示すコンクリート養生保持板3は、前記本発明を適用した型枠用コンクリート養生保持板を用いたコンクリート構造物の施工方法において詳述したように、合成樹脂製のフィルムおよび薄板、あるいはその表面に防水処理を施した紙を、型枠パネルの内面積に合わせて裁断するものである。
そして前記コンクリート養生保持板3に、型枠パネルに取り付けられるセパレータ位置にそれぞれセパレータ挿通穴8を開設するものである。従って図8に示すように、型枠パネル1に突設される各セパレータ2にコンクリート養生保持板3のセパレータ挿通穴8を差し入れた状態で型枠パネル1内面への仮止めを行なうものである。
なお、前記コンクリート養生保持板3としては、本発明を適用した型枠用コンクリート養生保持板を用いたコンクリート構造物の施工方法において詳述したように、前記防水性を有する合成樹脂製のフィルム、又は薄板、あるいはその表面に防水処理を施した紙を使用するものであるが、必ずしも合成樹脂製のフィルムおよび薄板、あるいは紙により形成される必要性は無く、軽量、かつ作業性に優れた防水性を有するものであれば、アルミニウム板、ステンレス板などの金属板や木製薄板などいかなるものであっても良い。
また、コンクリート養生保持板として合成樹脂フィルム、あるいは紙を使用する場合には、ロール状としたものを建築現場において型枠パネルの形状に合わせて切断することもでき、更にコンクリートの養生後には廃棄するなど使い捨て用として使用することもできる。また、合成樹脂薄板においてはコンクリート養生後においてコンクリートとの接触面を拭き取ることによって再度使用することが可能となる。
本発明の型枠用コンクリート養生保持板では、型枠パネル内での初期養生後において、型枠パネルを取り外した場合でもコンクリート養生保持板によってコンクリートが覆われているために、コンクリート内に残存する水分が、蒸発あるいは氷結するとがなく、センメントと水分とが十分に化学反応を生起させることになり、コンクリートの強度を高めるものである。
1 型枠パネル
2 セパレータ
3 コンクリート養生保持板
4 コンクリート構築物
5 発泡スチロール
6 下地板
7 残置式型枠壁材
8 セパレータ挿通穴
2 セパレータ
3 コンクリート養生保持板
4 コンクリート構築物
5 発泡スチロール
6 下地板
7 残置式型枠壁材
8 セパレータ挿通穴
Claims (6)
- 一定の間隔を保持して設置される型枠パネルの少なくとも一方の内面にコンクリート養生保持板を仮止めする工程と、
前記型枠パネル内にコンクリートを打設し、養生する工程と、
前記コンクリートの養生の途中でコンクリート養生保持板を残した状態で型枠パネルを取り外す工程を備え、
前記残置したコンクリート養生保持板によってコンクリートの養生を継続させる
ことを特徴とする型枠用コンクリート養生保持板を用いたコンクリート構造物の施工方法。 - 前記コンクリート養生保持板が合成樹脂製フィルムより形成される
ことを特徴とする請求項1記載の型枠用コンクリート養生保持板を用いたコンクリート構造物の施工方法。 - 前記コンクリート養生保持板が防水処理を施した紙製より形成される
ことを特徴とする請求項1記載の型枠用コンクリート養生保持板を用いたコンクリート構造物の施工方法。 - 一定の間隔を保持して設置される型枠パネルの少なくとも一方の内面に仮止めされるコンクリート養生保持板において、
前記コンクリート養生保持板にセパレータが貫通するセパレータ挿通穴を備える
ことを特徴とする型枠用コンクリート養生保持板。 - 前記コンクリート養生保持板が合成樹脂製フィルムより形成される
ことを特徴とする請求項4記載の型枠用コンクリート養生保持板。 - 前記コンクリート養生保持板が防水処理を施した紙製より形成される
ことを特徴とする請求項4記載の型枠用コンクリート養生保持板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003344543A JP2005113372A (ja) | 2003-10-02 | 2003-10-02 | 型枠用コンクリート養生保持板を用いたコンクリート構造物の施工方法および型枠用コンクリート養生保持板 |
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2005113372A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010242417A (ja) * | 2009-04-08 | 2010-10-28 | Gold Trust Co Ltd | 断熱型枠 |
JP5982073B1 (ja) * | 2016-04-06 | 2016-08-31 | 鹿島建設株式会社 | コンクリート構造物の製造方法 |
JP2018003355A (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-11 | 鹿島建設株式会社 | コンクリート打設用型枠及びコンクリート打設方法 |
-
2003
- 2003-10-02 JP JP2003344543A patent/JP2005113372A/ja active Pending
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