JP2008060166A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高粘度の樹脂を用いることなく、半導体素子を簡易に被覆でき、被覆部と半導体素子とが剥離し難い半導体装置を容易に製造する。
【解決手段】凹部4aを有するシート4の凹部内に樹脂5aを注入する工程と、半導体素子2が実装された実装基板1上の半導体素子を凹部内の樹脂中に浸漬する工程と、半導体素子が樹脂中に浸漬された状態で樹脂を硬化させる工程と、を具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置およびその製造方法に係り、特に半導体素子を基板上に実装して被覆部材により多重に被覆した構造およびその製造方法に関するもので、例えば半導体発光装置に使用される。
発光ダイオード(以下「LED」と記す)を用いた発光装置は小型で消費電力も少なく耐用年数も長いので、液晶のバックライトや車載用など幅広い分野で使用されている。LEDから放出される光は、赤色、緑色、青色などのように限られた単色光であり、それを異なる波長に変換するための蛍光物質を発光素子と組合せて使用する場合がある。この場合、LEDから直接外部に放出される光と、LEDから放出される光と蛍光物質から放出される波長変換された光とを加色混合して白色を発光する半導体発光装置が知られている。
LEDチップを回路基板上に実装(COB;Chip on Board )し、回路基板上のベアチップの実装部を外力、大気中の水分や埃などから保護するために樹脂により封止する方法が行われている。この封止方法として樹脂のポッティングを行う際、硬化前の樹脂がベアチップの実装領域から他の領域へと広がるように流れ出してしまうことを防止するために、ベアチップの実装領域を他の領域と仕切る枠材を同軸状に配置した後、ディスペンサを用いて樹脂を滴下してベアチップを樹脂で覆った状態にする方法がある。
また、印刷による樹脂封止方法によりLEDチップを保護する方法がある(例えば特許文献1参照)。この樹脂封止方法は、回路基板上のベアチップの実装領域を他の領域と仕切るメタルマスクを同軸状に配置した後、メタルマスク内スペースに滴下した透光性樹脂を、スキージを用いて水平方向へ引き延ばしてメタルマスク内スペースに所定量の透光性樹脂が塗布された状態にする。
特開平11−233537号公報
前記した印刷による樹脂封止方法は、メタルマスクを剥がす際に樹脂がメタルマスクに引きづられて樹脂の先端面周縁部に角が立つ状態になり、蛍光体入り樹脂の場合には角の存在により色むらが発生するという問題がある。また、印刷するために比較的粘度の高い樹脂を用いなければならず、粘度の低い樹脂を用いることはできなかった。高粘度樹脂を用いると、樹脂の厚さ制御が困難であり、樹脂内部から外部へ気泡が抜け難く、樹脂表面部に気泡が残存し易く、ベアチップの発光を効率よく樹脂外部へ取り出すことができない。
本発明は、上記の問題点を解決すべくなされたもので、高粘度の樹脂を用いることなく、半導体素子を簡易に被覆でき、被覆部と半導体素子とが剥離し難い半導体装置を容易に製造し得る半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、半導体素子の被覆部が半導体素子から剥離し難く、信頼性が高い半導体装置を提供することにある。
本発明の半導体装置の製造方法は、凹部を有するシートの前記凹部内に樹脂を注入する工程と、半導体素子が実装された実装基板上の前記半導体素子を前記凹部内の樹脂中に浸漬する工程と、前記半導体素子が前記樹脂中に浸漬された状態で前記樹脂を硬化させる工程と、を具備する。この場合、実装基板上に装された複数個の半導体素子を一括して凹部内の樹脂中に浸漬することが可能であり、樹脂が硬化した後、シートおよび実装基板を切断することにより、実装基板上の所望数の半導体素子が樹脂およびシート片で覆われた発光装置に分割することができる。
前記半導体素子を樹脂中に浸漬する工程において、実装基板とシートとを貼り付けることが望ましい。この場合、半導体素子を樹脂中に浸漬する工程の前に、実装基板および/またはシートの接触部分に接着剤を塗布しておき、この接着剤を用いて実装基板とシートとを貼り付けることができる。
前記シートの凹部内に樹脂を注入する工程は、フィラーの添加率が0〜50重量%の低粘度の透光性樹脂を注入し、樹脂を硬化させる工程は、実装基板上の半導体素子がシートの下側になるように全体を裏返して配置することが望ましい。
また、本発明の半導体装置は、半導体素子と、前記半導体素子を載置する基板と、前記半導体素子を覆う被覆部材と、前記被覆部材を覆うシート片と、を具備する。前記シート片および基板は、それぞれ少なくとも一対の側面が切断面である。一例として、前記被覆部材の材質はシリコーン樹脂であり、前記シート片の材質はシリコーン樹脂あるいはエポキシ樹脂であり、前記半導体素子は発光素子であり、被覆部材は、第1の波長変換部材が含まれた透光性樹脂が用いられており、発光素子として青色発光素子が使用され、第1の波長変換部材としてYAG蛍光体が使用されている。前記第1の波長変換部材は、前記被覆部材中の発光素子近傍部に偏在していることが望ましい。前記シート片は、第2の波長変換部材が含まれた透光性樹脂を用いることも可能である。
請求項1の半導体装置の製造方法によれば、高粘度の樹脂を用いることなく、半導体素子を簡易に被覆でき、被覆部と半導体素子とが剥離し難い半導体装置を容易に製造することができる。
請求項2の製造方法によれば、実装基板とシートとを固定でき、半導体素子の被覆部が半導体素子から剥離し難くなる。
請求項3の製造方法によれば、実装基板とシートとを強固に固定でき、シートが基板から剥離することを防止することができる。
請求項4の製造方法によれば、樹脂を凹部内に注入した際に素早く均等に広げることができる。また、実装基板上の半導体素子がシートの下側になるように配置した際に樹脂を半導体素子と基板面との間に回り込ませることができるとともに、樹脂中に蛍光物質を混合させた場合には比較的短時間で蛍光物質を半導体素子(例えばLEDチップ)の近傍に沈降させることができる。
請求項5の製造方法によれば、実装基板上の複数個の半導体素子を凹部内の樹脂中に浸漬する処理を一括して行うことができる。そして、一枚の実装基板から実装基板上の所望数の半導体素子が樹脂およびシート片で覆われた発光装置を多数得ることができる。
請求項6の半導体装置によれば、封止樹脂が半導体素子から剥離し難く、信頼性が高くなる。
請求項7の半導体装置によれば、シート片および実装基板は、少なくとも2つの側面は切断されているので、小型化を図ることができる。
請求項8の半導体装置によれば、実装基板上の半導体素子を二重に被覆する樹脂とシートとの密着性が良い。
請求項9の半導体装置によれば、発光素子を第1の波長変換部材が含まれた透光性樹脂で被覆するので、発光素子の発光色を第1の波長変換部材により所望の色に波長変換することができる。
請求項10の半導体装置によれば、発光素子の発光色、第1の波長変換部材により波長変換された色、第2の波長変換部材により波長変換された色を所望の組合せとすることにより、各色の混色により所望色(例えば白色)の出力光を得ることができる。
請求項11の半導体装置によれば、第1の波長変換部材が被覆部材中の発光素子近傍部に偏在しているので、点光源を実現することができる。
請求項12の半導体装置によれば、青色発光素子の発光色とYAG蛍光体による波長変換された色の混色により白色の出力光を容易に得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態および実施例を説明する。但し、本発明は、この実施の形態および実施例に限定されない。半導体素子の代表例として半導体発光素子を例にとって説明するが、これに限定されるものではなく、LSIやICなども用いることができる。また、この説明に際して、全図にわたり共通する部分には共通する参照符号を付す。
<第1の実施形態>
図1(a)乃至(d)は、本発明の第1の実施形態に係るLEDデバイスの製造方法において、特に基板上に実装されたLEDチップを透光性の樹脂により封止する工程の一例を概略的に示す断面図である。図2は、図1(b)中の実装基板10を取り出して一例を示す斜視図である。図3(a)および(b)は、図1(a)中のシート4を取り出して二例を示す斜視図である。なお、図1(a)乃至(d)は、図3(a)中あるいは図3(b)中のX−X´線に沿う断面を示している。そして、図4(a)および(b)は、図1(a)乃至(d)に示した工程を経て得られたLEDデバイスの二例を概略的に示す断面図である。
図1〜図4において、1は基板、2はLEDチップ、3は金属バンプ、10は実装基板、4はシート、4aはシート片面の凹部、5aおよび5bは対応して熱硬化性を有する透光性の樹脂の硬化前および硬化後の状態を表わす。
次に、図1〜図4を参照しながらLEDデバイスの製造工程、特に樹脂封止工程を説明する。(1)まず、図2に示すように、基板1上に複数個のLEDチップ2を例えば行列状の配置で実装した実装基板10を予め製造しておく。図2は、LEDチップ2をフェイスダウン状態で実装した場合を示しており、基板1上の配線パターン部とLEDチップ2の電極部とを金属バンプ(図1中、3)を介してフリップチップ接続している。なお、LEDチップ2をフェイスアップ状態で実装する場合には、LEDチップの電極部と配線基板1上の配線パターン部とを導電性ボンディングワイヤを介して接続する。
(2)一方、図3(a)あるいは図3(b)に示すように片面に凹部4aを有するシート4を用意する。凹部4aは、実装基板上のLEDチップを被覆するために例えば樹脂を注入して硬化させるための型枠となる。シート4の厚さおよび凹部4aの深さは、樹脂被覆対象となる実装基板上のLEDチップの実装状態に応じて少なくともLEDチップを収納可能な深さに設定しておく。フェイスダウン実装されたチップ上面までの高さは例えば約100μm、フェイスアップ実装されたチップの上面にボンデグ接続されたワイヤの最高位までの高さは例えば約300μmである。
シート4の凹部4aは、少なくとも1つ設ければよいが、通常は、実装基板上の任意数のLEDチップの配置領域毎に対応して複数設ける。本例では、図2に示した実装基板10のLEDチップの各列に対応して、図3(a)に示すように平面短冊形の凹部4aを複数列設けているが、図3(b)に示すようにLEDチップ毎に対応して方形の凹部4aを複数設けてもよい。シート4は粘着性のある樹脂を用いることが好ましい。シート4に凹部を形成する方法は、金型内にシート材料の樹脂を流し込むことにより、凹部を有するシート4を均一かつ薄い膜厚で成型することができる。あるいは、例えばプレス機により、所定の膜厚のシートに対して、凹部に相当する大きさの凸状の型を押し付けて凹部を形成することができる。
(3)次に、図1(a)に示すように、シートの凹部4a内に樹脂5aを所定量(凹部内の中間部まで)注入する。この樹脂の注入方法は、滴下、スプレー、インクジェットなど特に問わないが滴下が簡易である。樹脂には、波長変換用の蛍光物質6や補強用のフィラー7などを混入しておくこともできる。
(4)次に、図1(b)乃至図1(c)に示すように、実装基板上のLEDチップをシートの凹部内の樹脂中に浸漬する。この際、基板とシートとを貼り付けることが望ましい。基板とシートとを強固に貼り付けるためには、LEDチップを樹脂中に浸漬する工程の前に、基板(および/またはシート)の接触部分に接着剤8を塗布しておき、この接着剤を用いて貼り付けることができる。このようにすると、後述するように樹脂の硬化後においてシートが基板から剥離し難くなり、シートが剥離することを防止することができる。
(5)そして、LEDチップを樹脂中に浸漬した状態で樹脂5aを硬化させる。この際、樹脂5a中に蛍光物質6を混合している場合は蛍光物質の沈降を考慮することが望ましい。そこで、図1(c)に示すように基板とシートとを貼り合わせた後、図1(d)に示すように、基板1がシート4の下側になるように実装基板の上下方向を反転させた(裏返した)状態で樹脂を硬化させる。これにより、凹部内の樹脂中の蛍光物質をLEDチップ近傍に沈降させる(偏在させる)ことができ、LEDチップからの発光を点光源とすることができ、色むらを低減したLEDデバイスを実現することができる。
前記シートの凹部内に樹脂を注入する際に、例えばフィラー7の添加率が0〜50重量%の比較的粘度が低い透光性樹脂を注入しておくことが望ましい。このような比較的低粘度の樹脂をシートの凹部内に供給すると、樹脂は凹部内に素早く均等に広がる。また、比較的短時間で樹脂中の蛍光物質をLEDチップ近傍に沈降させることができる。また、LEDチップの実装部に対する樹脂の悪影響が少ない。また、樹脂内部のボイド数が少ないので、光の取り出し効率が優れている。しかも、前記したように実装基板を裏返した際に、樹脂をLEDチップと基板面との間に回り込ませることができる。
(6)樹脂が硬化(仮硬化、半硬化、本硬化のいずれでもよい)した後、任意数のLEDチップの配置領域を単位として、例えば図1(d)に矢印で示す位置で、ダイシングブレード等でシート4および基板1を切断する。これにより、例えば図4(a)に示すように基板1上に実装された1個のLEDチップ2が樹脂5bおよびシート片4bで覆われたパッケージング構造を有するLEDデバイス、または、図4(b)に示すように基板上に実装された複数個のLEDチップが樹脂5bおよびシート片4bで覆われたパッケージング構造を有するモジュールあるいはアレイ型のLEDデバイスに分割する。この際、硬化状態の樹脂5bは、広がったり流れたりしない。
上記したように製造されたLEDデバイスは、LEDチップ2と、このLEDチップを載置する基板1と、このLEDチップを覆う被覆部材となる透光性を有する樹脂5bと、この被覆部材を覆うシート片4bとを有する。この場合、得られたLEDデバイスのシート片4bおよび基板1は、それぞれ少なくとも一対の側面(2つの側面)が切断面であるので、LEDデバイスの小型化を図ることができる。また、樹脂5b中に第1の波長変換部材(蛍光物質)6を含ませ、シート片4b中に第2の波長変換部材を含ませることができる。
以上述べたように第1の実施形態によれば、構成が至って簡単な凹部を有するシートおよび比較的低粘度の樹脂を用いることで、製造コストの増加を著しく抑制しつつ、LEDチップの発光の取り出し効率の向上、樹脂封止形状の安定性の確保、LED製品の量産性の向上を図ることが可能な発光装置の製造方法を実現することができる。そして、この製造方法を用いることによって、光の取り出し効率が優れ、信頼性や歩留りが高い発光装置を実現することができる。
次に、前記した製造工程における各構成要素について詳述する。
(基板1) 基板は、絶縁基板(AlN基板、アルミナセラミックス基板、ガラスエポキシ基板、Si基板など)上に金属箔による配線パターン、さらに必要に応じて所望の回路(図示せず)が形成された配線基板のほか、金属基板を用いることができる。
(LEDチップ2) LEDチップは、460nm近傍に発光ピーク波長を持つ青色発光の発光素子、410nm近傍に発光ピーク波長を持つ青紫色発光の発光素子、365nm近傍に発光ピーク波長を持つ紫外線発光の発光素子などを使用することができる。また、緑色発光の発光素子、青緑色発光の発光素子、橙色発光の発光素子、赤色発光の発光素子、赤外線発光の発光素子などを使用することもできる。
LEDチップの種類は特に制限されるものではないが、例えば、MOCVD法等によって基板上にInN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、GaPなどの半導体層を発光層として形成させたもの、一例として、サファイア基板上にn型GaNよりなるn型コンタクト層と、n型AlGaNよりなるn型クラッド層と、p型GaNよりなるp型コンタクト層とが順次に積層された構造のものを使用する。また、半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合やPN接合などを有するホモ構造、ヘテロ結合あるいはダブルヘテロ結合のものが挙げられる。半導体の材料やその混晶比によって発光波長を種々選択できる。また、半導体活性層を量子効果が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造や多重量子井戸構造とすることができる。また、活性層には、Si、Ge等のドナー不純物および/またはZn、Mg等のアクセプター不純物がドープされる場合もある。LEDチップの発光波長は、その活性層のInGaNのIn含有量を変えるか、または活性層にドープする不純物の種類を変えることにより、紫外領域から赤色まで変化させることができる。
そして、LEDチップは、アノード(p電極)・カソード(n電極)に対応する一対の電極(パッド端子、パッド電極)を有し、配線基板1上に所望の状態で実装される。フェイスダウン実装の場合には、例えばLEDチップの電極と配線基板上の配線パターン部(あるいは導電パターン、リード電極)とが金属バンプ(例えば金バンプ)3により接合されてフリップチップ接続されている。あるいは、LEDチップのパッド電極と配線基板上の配線パターン部との間が半田により接合(超音波接合)された構造とか、金、銀、パラジウム、ロジウム等の導電性ペースト、異方性導電ペースト等により接合された構造など、種々の形態を採用できる。
一方、フェイスアップ実装の場合には、配線基板上にLEDチップが載置されてダイボンディングにより固着され、LEDチップの一対の電極と配線基板上の配線とが導電性ワイヤ(図示せず)によりボンディング接続されている。なお、フェイスアップ実装における配線基板とLEDチップとの接続は上記例に限らず樹脂接合、金属接合など種々の形態を採用でき、例えばCu板などの金属基板上にLEDチップを載置することもできる。 (被覆部材) 被覆部材として用いられる樹脂(5a、5b)は、LEDチップ2からの光を効率よく外部に発するために、高い光の透過性が要求される。樹脂の材料は、耐光性、耐熱性の点からシリコーン樹脂が好ましい。シリコーン樹脂以外のエポキシ樹脂や変性シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂、ユリア樹脂なども用いることができる。樹脂中には、蛍光物質、顔料、染料、フィラー、拡散剤などを含有することもできる。例えば、石英フィラーの添加率が0〜50重量%の低粘度のエポキシ樹脂を用いることもできる。LEDチップ2の電極と配線パターンとを導電性ワイヤで接続する構造では、樹脂は導電性ワイヤを保護する機能も有する。また、樹脂に拡散剤を含有させることによって、LEDチップからの指向性を緩和させ、視野角を増やすこともできる。
(シート4) シートは、樹脂封止すべきLEDチップ2の実装高さより厚い平板状であり、かつ、基板1上の封止対象部位に合わせて樹脂充填用の型枠(ダム)となる矩形や丸形等の適宜選定した開口形状を有する複数の凹部4aが設けられている。この凹部4aは、任意数のLEDチップ2の配置領域毎(例えば行列状に配置されたLEDチップアレイの各列)に対応して設けられており、LEDチップ2の側面部も樹脂で被覆可能なように、対応する配置領域より広く設けられている。
シート4は、被覆部材用の樹脂(5a、5b)との密着性の良い樹脂を用いることが好ましく、シリコーン樹脂のほか、エポキシ樹脂、変性シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂、ユリア樹脂なども用いることができる。シートの膜厚は、特に限定されないが、少なくともLEDチップ2の厚みと同等若しくはそれ以上であることが好ましく、例えば0.5mm〜1.0mmである。シートの凹部の深さは特に問わないが、シートの膜厚に対する割合が0.1〜0.7であることが好ましい。また、シートを切断してLEDデバイスに分割する際、LEDチップ2の側面部の膜厚と、LEDチップ2の上面部のシート凹部底面の膜厚がほぼ等しくなるように設定することが好ましい。シートには、蛍光物質、顔料、染料、フィラー、拡散剤などを含有することもできる。
(蛍光物質6) 波長変換用の蛍光物質は樹脂中に含有されている。この蛍光物質は、例えば、窒化物系半導体を発光層とする半導体発光素子からの光を吸収して異なる波長の光に波長変換するものであればよい。
この蛍光物質は、例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩、アルカリ土類硫化物、アルカリ土類チオガレート、アルカリ土類窒化ケイ素、ゲルマン酸塩、または、Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸塩またはEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機および有機錯体等から選ばれる少なくともいずれか1以上であることが好ましい。具体例として、下記の蛍光体を使用することができるが、これに限定されない。
(1)Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体は、M2 Si5 8 :Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。また、M2 Si5 8 :EuのほかMSi7 10:Eu、M1.8 Si5 0.2 8 :Eu、M0.9 Si7 0.1 10:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などもある。
また、Eu等の希土類元素により賦活され、第II族元素Mと、Siと、Alと、Nとを含む窒化物蛍光体は、紫外線乃至青色光を吸収して黄赤色から赤色の範囲に発光する。この窒化物蛍光体は、一般式がMwAlSi((2/3)w+x+(4/3)y):Euで示され、さらに添加元素として希土類元素および4価の元素、3価の元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む。Mは、Mg、Ca、Sr、Baの群から選ばれる少なくとも1種である。
上記一般式において、w、x、yの範囲は好ましくは0.04≦w≦9、x=1、0.056≦y≦18とする。またw、x、yの範囲は0.04≦w≦3、x=1、0.143≦y≦8.7としてもよく、より好ましくは0.05≦w≦3、x=1、0.167≦y≦8.7としても良い。
また、窒化物蛍光体は、ホウ素Bを追加した一般式がMwAlSi((2/3)w+x+(4/3)y+z):Euで示されるものでもよい。こり場合においても、MはMg、Ca、Sr、Baの群から選ばれる少なくとも1種であり、0.04≦w≦9、x=1、0.056≦y≦18、0.0005≦z≦0.5である。ホウ素を添加する場合、そのモル濃度zは、上述の通り0.5以下とし、好ましくは0.3以下、さらに0.0005よりも大きく設定される。さらに好ましくは、ホウ素のモル濃度は、0.001以上であって、0.2以下に設定される。
また、これらの窒化物蛍光体は、さらにLa、Ce、Pr、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Luの群から選ばれる少なくとも1種、またはSc、Y、Ga、Inのいずれか1種、またはGe、Zrのいずれか1種、が含有されている。これらを含有することによりGd、Nd、Tmよりも同等以上の輝度、量子効率またはピーク強度を出力することができる。
(2)Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される酸窒化物系蛍光体は、MSi2 2 2 :Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。
(3)Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体は、M5 (PO4 3 X:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMnのいずれか1種以上である。)などがある。
(4)アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体は、M2 5 9 X:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMnのいずれか1以上である。)などがある。
(5)アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体は、SrAl2 4 :R、Sr4 Al1425:R、CaAl2 4 :R、BaMg2 Al1627:R、BaMg2 Al1612:R、BaMgAl1017:R(Rは、Eu、Mn、EuとMnのいずれか1以上である。)などがある。
(6)アルカリ土類硫化物蛍光体は、La2 2 S:Eu、Y2 2 S:Eu、Gd2 2 S:Euなどがある。
(7)Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体は、Y3 Al5 12:Ce、(Y0.8 Gd0.2 3 Al5 12:Ce、Y3 (Al0.8 Ga0.2 5 12:Ce、(Y,Gd)3 (Al,Ga)5 12の組成式で表されるYAG系蛍光体などがある。また、Yの一部もしくは全部をTb、Lu等で置換したTb3 Al5 12:Ce、Lu3 Al5 12:Ceなどもある。
(8)その他の蛍光体は、ZnS:Eu、Zn2 GeO4 :Mn、MGa2 4 :Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。
上述した蛍光体は、必要に応じて、Euに代えてまたはEuに加えて、Tb、Cu、Ag、Au、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Tiから選択される1種以上を含有させることもできる。
Ca−Al−Si−O−N系オキシ窒化物ガラス蛍光体とは、モル%表示で、CaCO3 をCaOに換算して20〜50モル%、Al2 3 を0〜30モル%、SiOを25〜60モル%、AlNを5〜50モル%、希土類酸化物または遷移金属酸化物を0.1〜20モル%とし、5成分の合計が100モル%となるオキシ窒化物ガラスを母体材料とした蛍光体である。尚、オキシ窒化物ガラスを母体材料とした蛍光体では、窒素含有量が15wt%以下であることが好ましく、希土類酸化物イオンの他に増感剤となる他の希土類元素イオンを希土類酸化物として蛍光ガラス中に0.1〜10モル%の範囲の含有量で共賦活剤として含むことが好ましい。
また、上記した蛍光体以外の蛍光体であって、同様の性能、効果を有する蛍光体も使用することができる。
これらの蛍光体は、LEDチップからの励起光により、黄色、赤色、緑色、青色に発光スペクトルを有するものを使用することができるほか、これらの中間色である黄色、青緑色、橙色などに発光スペクトルを有するものも使用することができる。これらの蛍光体を様々と組合せて使用することにより、所望の混色発光色を有する発光装置を製造することができる。
この際、YAG:Ce蛍光体(Y3 Al5 12:Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体であって、540nm近傍に発光ピーク波長を持つもの)を利用すると、その含有量によって、青色発光素子からの光を一部吸収して補色となる黄色系の発光が可能となる。したがって、青色発光のLEDチップと、透光性樹脂に含まれる蛍光物質としてYAG蛍光体との組合せを使用することによって、発光素子による発光とYAG蛍光体による発光との混色によって白色発光の発光装置を比較的簡単に信頼性良く形成できる。
同様に、Euおよび/またはCrで賦活された窒素含有CaO−Al2 3 −SiO2 蛍光体を利用した場合は、その含有量によって、青色発光素子からの光を一部吸収して補色となる赤色系の発光が可能となり、青色発光素子との組合せにより白色系の発光装置を比較的簡単に信頼性良く形成できる。
さらに、蛍光物質の含有量または種類を代えることにより、実現可能な色調範囲を拡げることが可能になる。さらに、透光性樹脂の膜厚を調節することにより、色調を容易に調節することが可能になる。しかも、比較的低粘度の透光性樹脂の硬化前に蛍光物質を混合しているので、硬化後には樹脂内の底面部のLEDチップ近傍部に蛍光物質が偏在した状態になり、点光源から混色発光を得ることが可能になる。
(フィラー7) フィラーの具体的な材料は、SiO2 、TiO2 、Al2 3 、ZnO、ZrO2 、TaO2 、SnO、SnO2 、ITO、In2 3 、Ga2 3 等が好適である。
<第1の実施形態の変形例>
前述した第1の実施形態において、シートの凹部4aの形状および数を変更することができる。即ち、図3(b)に示すシート4のように、実装基板上の複数のLEDチップにそれぞれ対応して平面方形の複数の凹部4aを設けてもよい。これにより、LEDチップ単位で樹脂により覆うことができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、前述した第1の実施形態と比べて、LEDチップを被覆用の樹脂(第1の樹脂)中に浸漬する前に、図5(a)に示すように、実装基板上のLEDチップを予めスクリーン印刷により第2の樹脂9で覆っておくように変更し、図5(b)に示すLEDデバイスのように、LEDチップ2を二層の樹脂9,5bと、一層のシート片4bとで覆うようにしたものである。
この場合、第1の樹脂5b中には蛍光物質を混合せず、第2の樹脂9中に第2の蛍光物質を混合することにより、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、LEDチップの近傍に蛍光物質を配置することができる。図5(b)に示すようにLEDデバイスに分割された場合の出力光の色むらを低減することもできる。
あるいは、第1の樹脂5b中には第1の蛍光物質を混合し、第2の樹脂9中に第2の蛍光物質を混合することにより、2種類の蛍光物質を使用することができる。これにより、第2の蛍光物質による波長変換と、第1の蛍光物質による波長変換の組合せによる混色を実現することができる。
第1の例として、紫外光を発するLEDチップを用い、一層目の第2の樹脂中に、LEDチップからの紫外光を波長変換して青色光を発する第2の蛍光物質を用いる。二層目の第1の樹脂中には、第2の蛍光物質からの青色光を波長変換してそれとは補色関係にある黄色光を発する第1の蛍光物質を用いる。これにより白色光を発するLEDデバイスを実現することができる。
第2の例として、青色光を発するLEDチップを用い、一層目の第2の樹脂中に、LEDチップからの青色光を波長変換して黄色光を発する第2の蛍光物質を用いる。二層目の第1の樹脂中には、第2の蛍光物質からの黄色光を波長変換して赤色光を発する第1の蛍光物質を用いる。これにより白色光を発するLEDデバイスを実現することができる。
第3の例として、青色光を発するLEDチップを用い、一層目の第2の樹脂中に、LEDチップからの青色光を波長変換して赤色光を発する第2の蛍光物質を用いる。二層目の第1の樹脂中には、第2の蛍光物質からの赤色光を波長変換して黄色光を発する第1の蛍光物質を用いる。これにより白色光を発するLEDデバイスを実現することができる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態では、第1の実施形態と比べて、蛍光物質等を混合したシート(図示せず)を使用する点が異なり、その他は同じである。このようにすると、LEDチップから発生する熱や光から離間した位置に蛍光物質等を配置することができる。なお、凹部内に注入される樹脂には蛍光物質を混合しないでフィラーのみを混合したものを使用することができる。フィラーを入れることにより、LEDチップからの光を均一に拡散することができる。
<第4の実施形態>
第4の実施形態では、第1の実施形態と比べて、シートの凹部内に二層以上の樹脂層を設ける点が異なる。例えば、まず、図6(a)に示すように、シートの凹部4a内に硬質シリコーン樹脂を注入した後、凹部よりも小さい径の凸状のものを凹部内に押し付けることにより、凹部内面に硬質シリコーン樹脂61を配置する。この時、硬質シリコーン樹脂61が凹部内面に沿うように仮硬化または本硬化しておくことにより、樹脂を強固にすることができる。さらに、蛍光物質6、フィラー7を含む軟質シリコーン樹脂62を凹部内の中間部まで充填する。この後、第1の実施形態と同様の工程を経て、図6(b)に示すような構造を有するLEDデバイスに分割される。
<第5の実施形態>
第5の実施形態では、第1の実施形態と比べて、図7に示すLEDデバイスのように、基板1上にLEDチップ2がフェイスアップ状態で実装され、LEDチップ上面の電極がAu細線などのワイヤ70で実装基板にボンディング接続されている点が第1の実施形態と異なる。さらに、フェイスアップ状態で実装されたLEDチップを予めスクリーン印刷により第2の樹脂(図示せず)で覆っておくように変更してもよい。この場合、実装基板面からボンディングワイヤ70までの高さが高くなっても、シート4の膜厚を厚くして凹部4aの深さを調節することにより、LEDチップをシートの凹部で覆うことができる。
以下、本発明の発光装置について実施例を説明する。
図1(a)乃至(d)を参照して実施例1の製造工程を説明する。まず、図2に示すように、配線基板1上に複数個のLEDチップ2を行列状に配置してフェイスダウン状態で実装する。この場合、LEDチップの電極部と配線基板1上の配線パターン部とを導電性のバンプ3を介して接続する。
次に、図3(a)に示すように、粘着性のあるシリコーン樹脂シート4の片面に、図2に示したLEDチップの各列に対応して平面短冊形の凹部4aを複数列形成したものを用意する。この場合、シート4の厚さは約1mm、凹部4aの深さは約500μmである。
次に、図1(a)に示すように、液状のシリコーン樹脂に波長変換用の蛍光物質6やフィラー7を混入して混練した透光性樹脂5aを、シートの凹部内の中間部まで例えば滴下させて注入する。この際、フィラー7の添加率が0〜50重量%の比較的粘度が低い透光性樹脂を注入しておくことが望ましい。比較的低粘度の樹脂をシートの凹部内に供給すると、樹脂は凹部内に素早く均等に広がる。また、LEDチップの実装部に対する樹脂の悪影響が少ない。また、樹脂内部のボイド数が少ないので、製造されたLEDデバイスの光の取り出し効率が向上する。LEDチップ2として青色発光の発光素子を使用し、樹脂中の蛍光物質6としてYAG蛍光体を含ませることにより、LEDチップ2の発光とYAG蛍光体の発光との混色によって白色発光を高輝度および高出力で得ることができる。
次に、図1(b)乃至図1(c)に示すように、実装基板上のLEDチップをシートの凹部内の樹脂中に浸漬する。この際、予め基板および/またはシートの接触部分に接着剤を塗布しておき、この接着剤を用いて基板とシートとを貼り付けることが望ましい。このようにすると、後述するように樹脂の硬化後においてシートが基板から剥離し難くなり、シートが剥離することを防止することができる。
そして、図1(d)に示すように、LEDチップがシートの下側になるように実装基板の上下方向を裏返した状態(LEDチップは樹脂中に浸漬した状態)で樹脂を硬化させる。これにより、シート凹部内の樹脂中の蛍光物質を比較的短時間でLEDチップ近傍に沈降させる(偏在させる)ことができ、LEDチップからの発光を点光源とすることができ、色むらを低減することができる。
樹脂が硬化(仮硬化、半硬化、本硬化のいずれでもよい)した後、例えば図1(d)に示すように、1個のLEDチップの配置領域を単位として、基板を分割する。この分割は、スクライビングやブレード・ソーイングの手法を用いるものであり、通常は、基板の切削に伴って発生する摩擦熱の除去、潤滑性の付与、切削屑の除去等を目的として、切削部の近傍に開口されたノズルから切削部の表面に純水を流しながら行うことによって切削屑を流去する。以上の工程により、図4(a)に示すように基板上に実装されたLEDチップが樹脂5bおよびシート片4bで覆われたパッケージング構造を有するLEDデバイスが得られる。
上記実施例によれば、前述した第1の実施形態と同様に、構成が至って簡単な凹部を有するシートおよび比較的低粘度の樹脂を用いることで、製造コストの増加を著しく抑制しつつ、LEDチップの発光の取り出し効率の向上、樹脂封止形状の安定性の確保、LED製品の量産性の向上を図ることが可能な白色LEDを製造することができる。このような実施例の工程を経て得られた白色LEDは、光の取り出し効率が優れ、信頼性や歩留りが高い。
本発明発光装置の製造方法および発光装置は、照明用光源、各種インジケーター用光源、車載用光源、ディスプレイ用光源、液晶のバックライト用光源などに使用されるLED、LEDモジュール、LEDアレイなどのデバイスに適用可能である。
本発明の第1の実施形態に係るLEDデバイスの製造工程の一例を概略的に示す断面図。 図1中の実装基板を取り出して一例を示す斜視図。 図1中のシートを取り出して二例を示す斜視図。 図1に示した工程を経て得られたLEDデバイスの二例を概略的に示す断面図。 本発明の第2の実施形態に係るLEDデバイスの製造工程の一部および得られたLEDデバイスの一例を概略的に示す断面図。 本発明の第4の実施形態に係るLEDデバイスの製造工程の一部および得られたLEDデバイスの一例を概略的に示す断面図。 本発明の第5の実施形態に係るLEDデバイスの製造工程を経て得られたLEDデバイスの一例を概略的に示す断面図。
符号の説明
1…基板、2…LEDチップ、3…金属バンプ、4…シート、4a…シート片面の凹部、5a…透光性樹脂の硬化前、5b…透光性樹脂の硬化後、10…実装基板。

Claims (12)

  1. 凹部を有するシートの前記凹部内に樹脂を注入する工程と、
    半導体素子が実装された実装基板上の前記半導体素子を前記凹部内の樹脂中に浸漬する工程と、
    前記半導体素子が前記樹脂中に浸漬された状態で前記樹脂を硬化させる工程と、
    を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記半導体素子を前記樹脂中に浸漬する工程において、前記基板と前記シートとを貼り付けることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記半導体素子を前記樹脂中に浸漬する工程の前に、前記実装基板および/またはシートの接触部分に接着剤を塗布しておき、当該接着剤を用いて前記実装基板と前記シートとを貼り付けることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記シートの凹部内に樹脂を注入する工程は、フィラーの添加率が0〜50重量%の低粘度の透光性樹脂を注入し、前記樹脂を硬化させる工程は、前記実装基板上の半導体素子が前記シートの下側になるように配置することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記実装基板は、基板上に複数個の半導体素子が実装されており、前記実装基板上の複数個の半導体素子を前記凹部内の樹脂中に浸漬し、前記樹脂が硬化した後、前記シートおよび前記基板を切断することにより、前記基板上に実装された所望数の半導体素子が前記樹脂およびシート片で覆われた発光装置に分割する工程をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
  6. 半導体素子と、前記半導体素子を載置する基板と、前記半導体素子を覆う被覆部材と、前記被覆部材を覆うシート片と、
    を具備することを特徴とする半導体装置。
  7. 前記シート片および基板は、それぞれ少なくとも一対の側面が切断面であることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
  8. 前記被覆部材の材質はシリコーン樹脂であり、前記シート片の材質はシリコーン樹脂又はエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項6記載の発光装置。
  9. 前記半導体素子は発光素子であり、前記被覆部材は、第1の波長変換部材が含まれた透光性樹脂が用いられていることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
  10. 前記シート片は、第2の波長変換部材が含まれた透光性樹脂が用いられてなることを特徴とする請求項9記載の半導体装置。
  11. 前記第1の波長変換部材は、前記被覆部材中の発光素子近傍部に偏在していることを特徴とする請求項9記載の発光装置。
  12. 前記発光素子として青色発光素子が使用され、前記第1の波長変換部材としてYAG蛍光体が使用されていることを特徴とする請求項9記載の発光装置。
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